JP6996950B2 - 電動車両の駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動機と変速機とを組み合わせた電動車両の駆動装置に関するものである。
近年、電気自動車等の電動車両に用いる駆動装置として、電動機(以下、モータともいう)と無段変速機(以下、CVTともいう)とを組み合わせたものが開発されている。モータは出力トルクが出力回転数に反比例する特性があるため、例えば高トルクで且つ高回転数の状態は定格範囲外となり達成することができない。
図7はモータとCVTとを組み合わせた駆動装置の駆動力線図であり、横軸は車速に対応する出力回転数Noutを示し、縦軸は駆動輪に出力される駆動トルクに対応する出力トルクToutを示す。図7に示すように、モータ特性に応じて駆動トルクの上限は回転数に反比例するように回転数の増加に応じて低下する。ただし、低回転領域ではCVTの変速比に応じた一定の上限トルク値となる。また、回転数には上限がある。
図7において、破線Lt1,Lr1はCVTの変速比が最ローのときの上限トルク値及び上限回転数を示し、一点鎖線Lt2,Lr2はCVTの変速比が最ハイのときの上限トルク値及び上限回転数を示す。上限トルク値は変速比が最ローのときに最大となり、上限回転数は変速比が最ハイのときに最大となる。
したがって、変速比をロー側に制御することによって駆動トルクを増大させることができ、変速比をハイ側に制御することによって回転数(車速)を増大させることができる。
これに関連する技術として、特許文献1には、車両駆動に要求される要求トルクに応じて決まる電動機への要求トルクが、定格範囲外のときは無段変速機構の変速比を変更するとともに、電動機を制御して車両駆動の要求トルクを達成するようにすることが提案されている。
特許4860741号公報
ところで、モータと油圧式CVTとを組み合わせた駆動装置において、アクセルが最大まで踏み込まれて発進する全開発進時には、駆動装置の上限トルク線及び最大出力線に沿って車両を駆動することが考えられる。
つまり、例えば、図7に太線矢印で示すように、アクセルが最大まで操作されたアクセル全開発進時〔(a)参照〕に、上限トルク線に到達後この上限トルク線に沿ってモータトルクが最大で且つモータ出力が最大となる点(最大出力点)に到達したら〔(b)参照〕、その後、最大出力線をたどって車速を上げていくこと〔(c)参照〕で車両は最大の駆動力を得ることができる。この最大出力線に沿って車速を上げる方法として、例えば、モータの最大出力点に到達したことをトリガにして〔(b)参照〕、変速比を最ローから離脱させてハイ側に徐々に変速することが考えられる。この場合には、最高車速到達の準備を早期に行うことができる。
しかしながら、モータの最大出力点到達時点〔(b)参照〕から、最大出力線をたどって車速を上げていく過程で〔(c)参照〕、モータの最大出力点に到達したことをトリガにして、すなわち最大出力点到達時点直後に最ローから離脱する変速比変更(変速)を行うと、その地点でのモータ出力トルクに応じた動力伝達のための油圧に加えて、変速比変更のための「瞬時変速分」の油圧が必要になり、この2つの油圧を発生できるようオイルポンプはその最大出力を十分に確保しなければならず、オイルポンプの大型化,高コスト化を招き、また、オイルポンプを駆動するためのエネルギー消費も多くなる。
本発明はこのような課題に着目して創案されたもので、電動機と油圧式無段変速機とを組み合わせた電動車両の駆動装置において、油圧式無段変速機にかかるオイルポンプの負担を軽減できるようにすることを目的としている。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の電動車両の駆動装置は、電動機と、前記電動機からの入力回転を変速して出力する油圧式無段変速機と、前記油圧式無段変速機へ供給する油圧を発生するオイルポンプと、アクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記アクセル操作量検出手段で検出された検出アクセル操作量及び前記車速検出手段により検出された検出車速に応じて、前記電動機を制御する電動機制御部及び前記油圧式無段変速機を制御する変速制御部を有する制御手段と、を備え、前記アクセル操作量が最大操作されて車両が発進する全開発進時に、前記電動機制御部は、前記油圧式無段変速機からの出力回転数と出力トルクとで規定される駆動力線図上の上限トルク線及び最大出力線に沿って車両を駆動するように前記電動機を制御し、前記変速制御部は、発進後に車両が前記最大出力線に沿って駆動されて車速を増大しつつ前記出力トルクが所定トルクに低下するまでの加速段階では前記油圧式無段変速機の変速比を固定する特徴としている。
(2)前記変速制御部は、前記加速段階では前記変速比を最ロー変速比に固定することが好ましい。
(3)前記油圧式無段変速機による動力伝達に必要な油圧を得るための前記オイルポンプに要求されるポンプ出力を第1要求ポンプ出力とし、前記油圧式無段変速機による変速比の変更に必要な油圧を得るための前記オイルポンプに要求されるポンプ出力を第2要求ポンプ出力とすると、前記所定トルクは、車両の駆動状態が前記上限トルク線と前記最大出力線との交差する点にあるときからの前記出力トルクの減少に応じて減少する前記第1要求ポンプ出力の減少分が、前記第2要求ポンプ出力以上になる値に設定されていることが好ましい。
(4)前記所定トルクは、前記出力トルクの減少に応じて減少する前記第1要求ポンプ出力の減少分が、前記第2要求ポンプ出力と等しくなる値に設定されていることが好ましい。
(5)前記オイルポンプの最大ポンプ出力は、車両の駆動状態が前記上限トルク線と前記最大出力線との交差する点にあるときの前記第1要求ポンプ出力に設定されていることが好ましい。
本発明の電動車両の駆動装置によれば、アクセルの全開発進時に、電動機制御部が油圧式無段変速機の出力回転数と出力トルクとで規定される駆動力線図上の上限トルク線及び最大出力線に沿って車両を駆動するように電動機を制御するので、大きな出力を得ながら滑らかに車両を加速させることができる。
この全開発進時には、変速制御部が、発進後に車両が最大出力線に沿って駆動されて車速を増大しつつ出力トルクが電動機の特性による所定トルクに低下するまでの加速段階では油圧式無段変速機の変速比を固定するので、変速比変更のための「瞬時変速分」の油圧が必要にならず、オイルポンプの負担が軽減される。このため、オイルポンプに小型で低出力のものを採用することができ、オイルポンプのコスト低減や車両のエネルギー効率(電費とも言う)の向上の効果を得ることができる。
本発明の一実施形態にかかる電動車両の駆動装置を示す模式的な構成図である。 本発明の一実施形態にかかる電動車両の駆動装置による制御を説明する駆動力線図である。 本発明の一実施形態にかかる電動車両の駆動装置による制御を説明するモータ性能図である。 本発明の一実施形態にかかる電動車両の駆動装置にかかる変速線図である。 本発明の一実施形態にかかる電動車両の駆動装置による制御を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態にかかる電動車両の駆動装置による制御を説明するタイムチャートであり、(A)は比較例を示し、(B)は本実施形態を示す。 本発明の背景技術にかかる電動車両の駆動装置の駆動力線図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することや適宜組み合わせることが可能である。
〔構成〕
図1は本実施形態に係る電動車両の駆動装置を示す模式的な構成図である。図1に示すように、本駆動装置は、電動機(以下、モータという)1と、モータ1からの入力回転を変速して出力する無段変速機(以下、CVTという)2と、アクセル開度(アクセルペダルの操作量)APOを検出するアクセル開度センサ(アクセル操作量検出手段)3と、車速VSPを検出する車速センサ(車速検出手段)4と、モータ1を制御する電動機制御部(MCU;motor control unit)51及びCVT2を制御する変速制御部(ATCU;automatic transmission control unit)52を有するECU群(制御手段,ECU;electric control unit)5と、を備えている。なお、駆動装置をパワートレイン(略してPT)ともいう。
CVT2は、モータ1と駆動連結されたプライマリプーリ21と、駆動輪6と駆動連結されたセカンダリプーリ22と、プライマリプーリ21とセカンダリプーリ22との各V溝内に架け回されたベルト又はチェーン等の無端帯状動力伝達体(以下、ベルトという)23とを備え、ベルトのクランプ及びプーリ21,22の溝幅変更による変速操作には油圧を用いた油圧式CVTが適用されている。
また、セカンダリプーリ22と駆動輪6との間には、減速機構7及びディファレンシャル8が設けられている。
MCU51は、アクセル開度センサ3で検出されたアクセル開度(検出アクセル開度、以下、単にアクセル開度ともいう)APO,車速センサ4で検出された車速(検出車速、以下、単に車速ともいう)VSP及びCVT2の変速比(プーリ比)Rpに基づいて、モータ1と接続されたインバータ10を制御する。つまり、図2の駆動装置の駆動力線図と略対応した図3に示すようなモータ1の駆動力線図があり、駆動力線図で規定される範囲内で、アクセル開度APO,車速VSP及び変速比Rpに応じた出力トルク(CVT2への入力トルク)Tm及び回転数(回転速度)Nmでモータ1が作動するようにインバータ10を制御する。
特に、アクセルが全開操作されて車両が発進する全開発進時には、MCU51は、全開発進時制御として、図2に太実線の矢印で示すように、CVT2から出力される駆動装置の出力回転数Noutと出力トルクToutとで規定される駆動力線図上の上限トルク線及び最大出力線に沿って車両を駆動するようにモータ1を制御する。
つまり、アクセルが最大まで操作されて発進する時には〔(a)参照〕、上限トルク線に到達後この上限トルク線に沿ってモータトルクが最大で且つモータ出力が最大となる点(最大出力点)に進み〔(b)参照〕、その後、最大出力線をたどって車速を上げていくこと〔(c)参照〕で車両は最大の駆動力を得ることができる。
なお、上限トルク線は変速比Rpに応じて変化し、最ロー変速比(単に、最ローともいう)であれば上限トルク線は最大(破線Lt1参照)となり、最ハイ変速比であれば上限トルク線は最小(破線Lt2参照)となる。また、最大出力線は、出力トルクToutと出力回転数Noutとが反比例の関係をなす曲線である。
ATCU52は、アクセル開度APO,車速VSP及びモータ1の出力トルクTmに基づいて、オイルポンプ9に接続された油圧コントロールユニット20を通じてCVT2を制御する。つまり、ATCU52は、モータ1の出力トルクTmとCVT2の変速比Rpとから決まる駆動装置の出力トルク(駆動トルク、CVT2の出力トルク)Toutに応じたベルト23のクランプ力を確保できるように両プーリ21,22に油圧を与え、且つ、変速比Rpの変更(すなわち、変速)をすべき場合には、両プーリ21,22間に変速に必要な差圧を与えるように、油圧コントロールユニット20を制御する。
特に、アクセルが全開操作されて車両が発進する全開発進時には、ATCU52は、全開発進時制御として、特定条件が成立するまでは、変速比Rpの変更を規制し、変速比Rpを固定する。本実施形態では、特定条件が成立するまでは、変速比Rpを最ロー変速比に固定する。したがって、全開発進時には、上限トルク線のトルク値は最大(図2の破線Lt1を参照)となる。なお、車両停止時には、通常通り、モータ1は停止状態とされ、CVT2の変速比Rpは最ローに戻されるものとする。
上記の特定条件は、出力トルクToutが図2中に白丸印で示す所定トルクTsまで低下することである。つまり、全開発進時には、MCU51の制御によって、駆動力線図上の上限トルク線及び最大出力線に沿って車両を駆動するが、車両が最大出力線に沿って駆動される段階では、車速VSPの増加に反比例して出力トルクToutが低下する。このように出力トルクToutが低下していくと、出力トルクToutは所定トルクTsまで低下することになる。なお、図2のように車両の出力トルクToutが所定トルクTsまで低下するのは、図3に示すように、モータ1の特性、回転数が増加するほどモータの最大トルクTm maxが小さくなるという特性によるものである。
なお、所定トルクTsは、以下のように設定される。
CVT2による動力伝達や変速比Rpの変更には油圧が必要であり、必要油圧に応じてオイルポンプ9の出力が要求される。
動力伝達を行うためには、各プーリ21,22がベルト滑りを生じることなくベルト23をクランプできる推力を与えるだけの油圧が必要である。この動力伝達に必要な油圧を得るためのオイルポンプ9に要求されるポンプ出力を第1要求ポンプ出力とする。
また、変速比の変更(変速)を行うには、各プーリ21,22に所要の差推力を与えるだけの油圧が必要である。この変速に必要な油圧を得るためのオイルポンプ9に要求されるポンプ出力を第2要求ポンプ出力とする。
走行中に変速を行うためには、動力伝達に必要な油圧に加えて変速に必要な油圧を得ることが必要であり、オイルポンプ9に要求されるポンプ出力は、第1要求ポンプ出力と第2要求ポンプ出力とを加算した出力となる。
本装置では、この第1要求ポンプ出力と第2要求ポンプ出力とを加算したポンプ出力を極力抑えるために、CVT2の変速を規制している。
第1要求ポンプ出力は、動力伝達するトルク、即ち、CVT2の入力トルクであるモータ1の出力トルクTm及び変速比Rpに対応して増減し、変速比Rpが一定の場合、モータ1の出力トルクTmが大きいほど第1要求ポンプ出力は大きく、モータ1の出力トルクTmが小さいほど第1要求ポンプ出力は小さくなる。
これに対して、第2要求ポンプ出力は、出力回転数Nout毎に、最大出力を維持し、かつCVT2の効率及びモータ1の効率の積が最大となる、最ローから当該変速比とするための変速速度を備えている。なお、この変速速度は、随時演算により算出してもよい。
全開発進時に、車両が上限トルク線に沿って駆動される段階では、出力トルクToutは最も高く、第1要求ポンプ出力も最も大きくなる。このとき、オイルポンプ9の第1要求ポンプ出力は最大になる。
その後、車両が最大出力線に沿って駆動される段階では、車速VSPの増加に反比例して出力トルクToutが低下するため、第1要求ポンプ出力も次第に小さくなる。
このように出力トルクToutが減少すると、これに応じて減少する第1要求ポンプ出力の最大出力状態からの減少分が、やがて第2要求ポンプ出力と等しくなる。
所定トルクTsは、このように第1要求ポンプ出力の最大状態からの減少分が第2要求ポンプ出力と等しくなるときの出力トルクToutに設定される。
また、オイルポンプ9の最大ポンプ出力は、上限トルク線のトルク値が最大となる最ロー変速比におけるトルク値(図2の破線Lt1を参照)に対する第1要求ポンプ出力(最大第1要求ポンプ出力)に対応できるように、最大第1要求ポンプ出力と等しく、又は、最大第1要求ポンプ出力に対してマージンを加えた出力に設定されている。
ATCU52は、アクセル開度の全開が継続している全開発進状態であっても、上記特定条件、即ち、出力トルクToutが所定トルクTs以下の条件が成立したら、通常制御、即ち、アクセル開度APOに応じた出力が最も効率よく得られるように、CVT2の変速比Rpを制御する。
また、MCU51及びATCU52は、アクセル開度が全開から減少して全開発進状態から脱したら、全開発進時制御を終了し、通常制御を実施する。
この通常制御では、アクセル開度APO,車速VSP及び変速比Rpに基づいて、MCU51はアクセル開度APOに応じた出力が効率よく得られるようにインバータ10を通常制御し、ATCU52は、アクセル開度APOに応じた出力が最も効率よく得られるように、CVT2の変速比Rpを制御する。
なお、図4は、横軸に車速VSPをとり縦軸にモータ回転数Nmをとり、モータ1の出力毎に、CVT2の効率及びモータ1の効率の積が最大となる、すなわち最も効率が高い点を集合させた最高効率変速線マップの概略を示しており、車速VSPと必要出力Pout_tとから最高効率変速線マップ上の点を求めれば、この点に応じた変速比Rpが最高効率変速比Rp_heとなる。図4に示す太実線矢印は、全開発進時において、モータ1の出力トルクが回転数に対して図3に太実線矢印で示すように変化した場合の変速比Rpの変遷を示すものであり、図3に示すアップシフト開始点(c)に対応して図4に示すアップシフト開始点(c)から変速(ここでは、アップシフト)が開始される。
〔作用及び効果〕
本実施形態に係る電動車両の駆動装置は、上述のように構成されているので、例えば図5のフローチャートに示すように、モータ1及びCVT2を制御することができる。なお、図5のフローチャートに示す処理は、所定の周期で周期的に行う。また、図5に示すFは0又は1をとる制御フラグであり、1は全開発進時制御中を示し、0は通常制御中を示す。
図5に示すように、まず、フラグFが0であるか否かを判定する(ステップS10)。フラグFが0であれば、アクセル全開発進がされたか否かを判定する(ステップS20)。この判定は、アクセル開度センサ3及び車速センサ4の情報から車速VSPが0(0付近の所定速度以下)で且つアクセル開度が最大(最大開度付近の所定開度以上)であるか否かにより判定することができる。
アクセル全開発進でなければモータ1を通常制御(停止時制御も含む)し(ステップS120)、CVT2を通常制御(停止時制御も含む)する(ステップS130)。
アクセル全開発進がされたら、フラグFを1にセットし(ステップS30)、MCU51は、全開発進時制御として、図2に太実線の矢印で示すように、駆動力線図上の上限トルク線及び最大出力線に沿って車両を駆動するようにモータ1を制御する(ステップS40)。また、ATCU52は、全開発進時制御として、特定条件が成立するまでは、変速比Rpを最ロー変速比に固定する(ステップS50)。
こうして、フラグFが1にセットされると、次の制御周期からは、ステップS10からステップS60に進んで、アクセル全開状態であるか否かを判定する。アクセル全開状態でなければ、フラグFを0にリセットし、全開発進時制御を終了して、通常制御を実施する(ステップS120,S130)。
一方、アクセル全開状態が継続されていれば、MCU51が、全開発進時制御として、駆動力線図上の上限トルク線を過ぎて最大出力線に沿って車両を駆動するようにモータ1を制御しているか否かを判定する(ステップS70)。最大出力線に沿って車両を駆動していなければ、全開発進時制御を継続する(ステップS40,S50)。
最大出力線に沿って車両を駆動していれば、CVT2の出力トルクToutが所定トルクTs以下であるか否かを判定する(ステップS80)。出力トルクToutが所定トルクTs以下でなければ、全開発進時制御を継続する(ステップS40,S50)。
出力トルクToutが所定トルクTs以下であれば、MCU51による全開発進時制御は継続されるが(ステップS90)、ATCU52による全開発進時制御は解除されて通常制御に変更される(ステップS100)。つまり、変速比Rpの固定が解除されて変速が実施可能となる。
このような制御によって、図6(B)のタイムチャートに示すように、最大ポンプ出力を低減することができる。
図6は、車両の全開発進時におけるアクセル状態,ブレーキ状態,モータトルクTm,モータ回転数Nm,変速比Rpと共に、オイルポンプ9のポンプ圧力,ポンプ流量,ポンプ出力のそれぞれの変化を示すタイムチャートであり、(A)は比較例の場合を示し、(B)は本装置の場合を示す。比較例とは、図2の駆動力線図上の上限トルク線から最大出力線に移る点(b)に至るまでは変速比を固定し、点(b)に至ってから変速を許可するように構成した場合を想定している。
図6(A)に示すように、時点(a)で、車両停止状態からアクセルペダルを全開踏み込み(アクセルオン)して発進する全開発進時には、アクセルオンの直後からモータトルクTmが急増し、これに応じて動力伝達のための推力を確保するために、ポンプ出力(第1ポンプ出力)が増加されてポンプ圧力やポンプ流量が増加される。
比較例の場合には、車両の駆動状態が上限トルク線から最大出力線に移る点(b)に到達した時点(b)で変速を許可しているので、時点(b)から変速が開始され、変速を行うために、ポンプ出力(第2ポンプ出力)が増加されてポンプ圧力やポンプ流量が増加される。したがって、時点(b)以降、高い伝達トルクに応じた大きな動力伝達用の第1ポンプ出力に加えて、変速用の第2ポンプ出力が必要になり、最大ポンプ出力が極めて大きくなる。
これに対して、本実施形態の場合には、車両の駆動状態が上限トルク線から最大出力線に移る点(b)に到達した時点(b)では変速を許可しない。その後、車両の駆動が最大出力線に沿って制御されることにより、車速の増加に伴って出力トルクToutが低下していくが、出力トルクToutが所定トルクTsまで低下した時点(c)ではじめて変速を許可する。
出力トルクToutが低下していくと、動力伝達用のポンプ圧力やポンプ流量が低下して、第1ポンプ出力が低下していくが、出力トルクToutが所定トルクTsまで低下すると、この第1ポンプ出力の低下量が変速用の第2ポンプ出力程度まで増大する。この段階で変速を許可するため、動力伝達用の第1ポンプ出力と変速用の第2ポンプ出力とを加えた合計ポンプ出力は、変速を制限して最大出力トルクを動力伝達するための第1ポンプ出力程度に抑えることができる。
したがって、オイルポンプ9の負担が軽減され、オイルポンプ9に小型で低出力のものを採用することができ、オイルポンプ9のコスト低減や重量軽減や車両の電費の向上の効果を得ることができる。
特に、本実施形態では、変速許可を判定する出力トルクToutに関する所定トルクTsが第1要求ポンプ出力の最大状態からの減少分が第2要求ポンプ出力と等しくなるときの出力トルクToutに設定されているので、オイルポンプ9の負担軽減と、変速許可による効率向上とをバランスよく両立させることができる。
また、モータ1の全開発進時制御により、駆動力線図上の上限トルク線及び最大出力線に沿って車両を駆動するように制御するので、大きな出力を得ながら滑らかに車両を加速させることができる効果も得られる。
〔その他〕
以上、実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でかかる実施形態を種々変更して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、ATCU52が全開発進時制御により変速比Rpを最ロー変速比に固定しているが、固定する変速比Rpは最ロー変速比が最も好ましいが、最ロー変速比に限定されるものではない。例えば、停止してすぐに再発進を全開発進により行う場合、変速比Rpが最ロー変速比まで戻り切っていない場合が想定されるが、この場合には、最ロー変速比でなくても変速比を固定することによりオイルポンプ9の負担を軽減することができる。
また、上記実施形態では、変速許可を判定する出力トルクToutに関する所定トルクTsが第1要求ポンプ出力の最大状態からの減少分が第2要求ポンプ出力と等しくなるときの出力トルクToutに設定されているが、所定トルクTsは少なくとも上限トルク線に対応した最大出力トルクTout未満であれば、オイルポンプ9の負担軽減効果は得られる。
もちろん、所定トルクTsを第1要求ポンプ出力の最大状態からの減少分が第2要求ポンプ出力以上になるときの出力トルクToutに設定してもよい。
1 電動機(モータ)
2 無段変速機(CVT)
3 アクセル開度センサ(アクセル操作量検出手段)
4 車速センサ(車速検出手段)
5 ECU群(制御手段)
6 駆動輪
7 減速機構
8 ディファレンシャル
9 オイルポンプ
10 インバータ
20 油圧コントロールユニット
21 プライマリプーリ
22 セカンダリプーリ
23 無端状動力伝達体(ベルト)
51 電動機制御部(MCU)
52 変速制御部(ATCU)

Claims (5)

  1. 電動機と、
    前記電動機からの入力回転を変速して出力する油圧式無段変速機と、
    前記油圧式無段変速機へ供給する油圧を発生するオイルポンプと、
    アクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、
    前記アクセル操作量検出手段で検出された検出アクセル操作量及び前記車速検出手段により検出された検出車速に応じて、前記電動機を制御する電動機制御部及び前記油圧式無段変速機を制御する変速制御部を有する制御手段と、を備え、
    前記アクセル操作量が最大操作されて車両が発進する全開発進時に、前記電動機制御部は、前記油圧式無段変速機からの出力回転数と出力トルクとで規定される駆動力線図上の上限トルク線及び最大出力線に沿って車両を駆動するように前記電動機を制御し、前記変速制御部は、発進後に車両が前記最大出力線に沿って駆動されて車速を増大しつつ前記出力トルクが所定トルクに低下するまでの加速段階では前記油圧式無段変速機の変速比を固定する
    ことを特徴とする電動車両の駆動装置。
  2. 前記変速制御部は、前記加速段階では前記変速比を最ロー変速比に固定する
    ことを特徴とする請求項1記載の電動車両の駆動装置。
  3. 前記油圧式無段変速機による動力伝達に必要な油圧を得るための前記オイルポンプに要求されるポンプ出力を第1要求ポンプ出力とし、
    前記油圧式無段変速機による変速比の変更に必要な油圧を得るための前記オイルポンプに要求されるポンプ出力を第2要求ポンプ出力とすると、
    前記所定トルクは、車両の駆動状態が前記上限トルク線と前記最大出力線との交差する点にあるときからの前記出力トルクの減少に応じて減少する前記第1要求ポンプ出力の減少分が、前記第2要求ポンプ出力以上になる値に設定されている
    ことを特徴とする請求項1記載の電動車両の駆動装置。
  4. 前記所定トルクは、前記出力トルクの減少に応じて減少する前記第1要求ポンプ出力の減少分が、前記第2要求ポンプ出力と等しくなる値に設定されている
    ことを特徴とする請求項3記載の電動車両の駆動装置。
  5. 前記オイルポンプの最大ポンプ出力は、車両の駆動状態が前記上限トルク線と前記最大出力線との交差する点にあるときの前記第1要求ポンプ出力に設定されている
    ことを特徴とする請求項3又は4記載の電動車両の駆動装置。
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