JP5379056B2 - 無段変速機及びその制御方法 - Google Patents

無段変速機及びその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ベルト式無段変速機構と副変速機構を有する無段変速機に関し、特に、ベルト滑りを抑制する技術に関する。
ベルト式無段変速機においてベルト滑りが発生すると、ベルト・プーリの劣化の原因となる。また、変速比が目標変速比からずれることから運転性の低下の原因となる。このため、特許文献1では、ベルト滑りが発生した場合に、プーリへの供給圧を上昇させるとともにエンジンのトルクを制限することで、目標変速比を維持しつつ、ベルト滑りを収束させる技術を開示している。
しかしながら、油圧アクチュエータの故障等でプーリへの供給圧が低下していると、プーリの供給圧を上昇させることができないため、上記技術では、十分なプーリ推力が得られず、発生したベルト滑りを収束させることができない可能性があった。
そこで、一般的には、プーリへの供給圧が必要圧よりも低下した場合には、プーリへの供給圧を上昇させるのではなく、低下した供給圧に応じた変速比まで変速機を変速させるとともに、低下した供給圧で変速機が伝達可能なトルク以下にエンジントルクを規制することが行われている(以下、「一般的な技術」という。)。この技術によれば、目標変速比は維持できないものの、プーリへの供給圧を上昇させることができない状況であってもベルト滑りを抑えることが可能である。
特開2004−19777号公報
出願人は、ベルト式無段変速機構(以下、「バリエータ」という。)の出力側に有段の変速機構を設けた無段変速機の開発を進めている。このような無段変速機においては、副変速機構を変速させることで変速機が達成可能な変速比範囲を拡大することができる。また、副変速機構の変速に合わせてバリエータの変速比を副変速機構の変速比の変化方向と逆の方向に変化させる協調変速を行うことで、変速機全体の変速比であるスルー変速比を一定に保つ、あるいは変化幅を小さくすることができ、副変速機構が変速する時の違和感を低減することが可能である。
しかしながら、このような無段変速機に上記一般的な技術をそのまま適用した場合、協調変速中にプーリへの供給圧が不足するとベルト滑りを抑えられない可能性があることが判明した。これは、協調変速により副変速機構が変速比小側に変速(アップシフト)すると、エンジンのトルクと逆の方向のイナーシャトルクがバリエータの出力側から入力されるため、バリエータの伝達可能トルク以下にエンジントルクを規制するだけでは、エンジントルクとイナーシャトルクの合計がバリエータの伝達可能トルクを超えてしまうからである。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、バリエータと副変速機構を有し、副変速機構の変速に合わせてバリエータの変速比を副変速機構の変速比の変化方向と逆に変化させる協調変速を行う無段変速機において、協調変速中にプーリへの供給圧が不足してもベルト滑りを抑制できるようにすることを目的とする。
本発明のある態様によれば、プーリの溝幅を油圧により変更することで動力源から入力される回転を変速するバリエータと、前記バリエータの出力側に設けられて複数の前進用変速段を有する副変速機構と、を備え、前記副変速機構の変速中に前記バリエータの変速比を前記副変速機構の変速比の変化方向と逆の方向に変更する協調変速を行う無段変速機であって、前記協調変速中、前記プーリへの供給圧が必要圧よりも不足しているか判断する供給圧不足判断手段と、前記バリエータの伝達可能なトルクであるバリエータ伝達可能トルクを前記プーリへの供給圧と前記バリエータの変速比とに基づき演算するバリエータ伝達可能トルク演算手段と、前記バリエータの出力側から入力されるイナーシャトルクを前記バリエータの出力軸の回転速度変化に基づき演算するイナーシャトルク演算手段と、前記協調変速中に前記プーリへの供給圧が不足していると判断された場合、前記バリエータ伝達可能トルクと前記イナーシャトルクとに基づき前記動力源の上限トルクを演算し、演算した前記上限トルクを前記動力源の制御装置に出力して前記動力源のトルクを規制するトルク規制手段と、を備えたことを特徴とする無段変速機が提供される。
本発明の別の態様によれば、プーリの溝幅を油圧により変更することで動力源から入力される回転を変速するバリエータと、前記バリエータの出力側に設けられて複数の前進用変速段を有する副変速機構と、を備えた無段変速機の制御方法であって、前記副変速機構の変速中に前記バリエータの変速比を前記副変速機構の変速比の変化方向と逆の方向に変更する協調変速を行うことと、前記協調変速中、前記プーリへの供給圧が必要圧よりも不足しているか判断し、前記プーリへの供給圧が不足していると判断した場合に、前記バリエータの伝達可能なトルクであるバリエータ伝達可能トルクを前記プーリへの供給圧と前記バリエータの変速比とに基づき演算し、前記バリエータの出力側から入力されるイナーシャトルクを前記バリエータの出力軸の回転速度変化に基づき演算し、前記バリエータ伝達可能トルクと前記イナーシャトルクとに基づき前記動力源の上限トルクを演算し、演算した前記上限トルクを前記動力源の制御装置に出力して前記動力源のトルクを規制することと、を含むことを特徴とする無段変速機の制御方法が提供される。
これらの態様によれば、協調変速中にプーリへの供給圧が不足した場合にイナーシャトルクも考慮に入れて動力源(例えば、エンジン)の上限トルクが演算され、動力源のトルクが規制される。これにより、協調変速中にプーリへの供給圧の不足が発生した場合であってもベルト滑りを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る無段変速機を搭載した車両の概略構成図である。 変速機コントローラの内部構成を示した図である。 変速マップの一例を示した図である。 変速機コントローラによって実行される変速制御プログラムのメインルーチンの内容を示したフローチャートである。 バリエータ伝達可能トルクを演算するためのマップの一例である。 変速機コントローラによって実行される変速制御プログラムのサブルーチン(協調変速制御)の内容を示したフローチャートである。 本発明の作用効果を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の作用効果を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の作用効果を説明するためのタイミングチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、ある変速機構の「変速比」は、当該変速機構の入力回転速度を当該変速機構の出力回転速度で割って得られる値である。また、「最Low変速比」は当該変速機構の最大変速比、「最High変速比」は当該変速機構の最小変速比である。
図1は本発明の実施形態に係る無段変速機を搭載した車両の概略構成図である。この車両は動力源としてエンジン1を備える。エンジン1の出力回転は、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ2、第1ギヤ列3、無段変速機(以下、単に「変速機4」という。)、第2ギヤ列5、終減速装置6を介して駆動輪7へと伝達される。第2ギヤ列5には駐車時に変速機4の出力軸を機械的に回転不能にロックするパーキング機構8が設けられている。
また、車両には、エンジン1の動力の一部を利用して駆動されるオイルポンプ10と、オイルポンプ10からの油圧を調圧して変速機4の各部位に供給する油圧制御回路11と、油圧制御回路11を制御する変速機コントローラ12とが設けられている。
変速機4は、ベルト式無段変速機構(以下、「バリエータ20」という。)と、バリエータ20に直列に設けられる副変速機構30とを備える。「直列に設けられる」とはエンジン1から駆動輪7に至るまでの動力伝達経路においてバリエータ20と副変速機構30が直列に設けられるという意味である。副変速機構30は、この例のようにバリエータ20の出力軸に直接接続されていてもよいし、その他の変速ないし動力伝達機構(例えば、ギヤ列)を介して接続されていてもよい。
バリエータ20は、プライマリプーリ21と、セカンダリプーリ22と、プーリ21、22の間に掛け回されるベルト23とを備える。ベルト23は多数のエレメントを無端金属ベルトで連結して構成されるが、ベルト23としてチェーンベルトを用いることも可能である。プーリ21、22は、それぞれ固定円錐板と、この固定円錐板に対してシーブ面を対向させた状態で配置され固定円錐板との間にV溝を形成する可動円錐板と、この可動円錐板の背面に設けられて可動円錐板を軸方向に変位させる油圧シリンダ23a、23bとを備える。油圧シリンダ23a、23bに供給される油圧を調整すると、V溝の幅が変化してベルト23と各プーリ21、22との接触半径が変化し、バリエータ20の変速比が無段階に変化する。
副変速機構30は前進2段・後進1段の変速機構である。副変速機構30は、2つの遊星歯車のキャリアを連結したラビニョウ型遊星歯車機構31と、ラビニョウ型遊星歯車機構31を構成する複数の回転要素に接続され、それらの連係状態を変更する複数の摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)とを備える。各摩擦締結要素32〜34への供給圧を調整し、各摩擦締結要素32〜34の締結・解放状態を変更すると、副変速機構30の変速段が変更される。
例えば、Lowブレーキ32を締結し、Highクラッチ33とRevブレーキ34を解放すれば副変速機構30の変速段は1速となる。Highクラッチ33を締結し、Lowブレーキ32とRevブレーキ34を解放すれば副変速機構30の変速段は1速よりも変速比が小さな2速となる。また、Revブレーキ34を締結し、Lowブレーキ32とHighクラッチ33を解放すれば副変速機構30の変速段は後進となる。なお、以下の説明では、副変速機構30の変速段が1速である状態を「変速機4が低速モードである」と表現し、2速である状態を「変速機4が高速モードである」と表現する。
変速機コントローラ12は、図2に示すように、CPU121と、RAM・ROMからなる記憶装置122と、入力インターフェース123と、出力インターフェース124と、これらを相互に接続するバス125とから構成される。
入力インターフェース123には、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ41の出力信号、変速機4の入力回転速度(=プライマリプーリ21の回転速度、以下、「プライマリ回転速度Npri」という。)を検出するプライマリ回転速度センサ42の出力信号、バリエータ20の出力回転速度(=セカンダリプーリ22のセカンダリ回転速度、以下、「セカンダリ回転速度Nsec」という。)を検出する回転速度センサ43の出力信号、セカンダリプーリ22への供給圧(以下、「実セカンダリ圧Psec」という。)を検出するセカンダリ圧センサ44、セレクトレバーの位置を検出するインヒビタスイッチ45の出力信号、車速VSPを検出する車速センサ46の出力信号などが入力される。
記憶装置122には、変速機4の変速制御プログラム(図4、図6)、この変速制御プログラムで用いるマップ(図3、図5)が格納されている。CPU121は、記憶装置122に格納されている変速制御プログラムを読み出して実行し、入力インターフェース123を介して入力される各種信号に対して各種演算処理を施して変速制御信号を生成し、生成した変速制御信号を出力インターフェース124を介して油圧制御回路11に出力する。CPU121が演算処理で使用する各種値、その演算結果は記憶装置122に適宜格納される。
油圧制御回路11は複数の流路、複数の油圧制御弁で構成される。油圧制御回路11は、変速機コントローラ12からの変速制御信号に基づき、複数の油圧制御弁を制御して油圧の供給経路を切り換えるとともにオイルポンプ10で発生した油圧から必要な油圧を調製し、これを変速機4の各部位に供給する。これにより、バリエータ20の変速比、副変速機構30の変速段が変更され、変速機4の変速が行われる。
変速機コントローラ12は、図示しないエンジンコントローラからエンジン1のトルク情報を入手し、トルク情報とバリエータ20の実変速比に基づき、ベルト23を滑らせることなくエンジン1のトルクを伝達するために必要なプーリ21、22の推力を演算し、演算した必要推力とプーリ21、22の受圧面積とに基づいて、プライマリ必要圧及びセカンダリ必要圧を演算する。本実施形態のバリエータ20においても、一般的なベルト式無段変速機と同様に、路面から入力されるトルクに対してベルト23を滑らさずに保持する役目をセカンダリ圧が担い、変速比を保持する役目をプライマリ圧が担う。
バリエータ20の変速は、セカンダリ圧に対するプライマリ圧のバランスを崩すことで行われる。具体的には、バリエータ20を変速させる場合は、バリエータ20の変速比を目標とする変速比に追従させるために必要なプライマリプーリ21のストローク速度を演算し、このストローク速度を実現するために必要な差推力を演算し、これに基づきこれら必要圧を補正する。
変速機コントローラ12は、これら必要圧に基づき、プライマリ圧及びセカンダリ圧の元圧となるライン圧の目標値を演算し、目標とするライン圧が得られるよう、油圧制御回路11を制御する。
図3は記憶装置122に格納される変速マップの一例を示している。変速機コントローラ12は、この変速マップに基づき、車両の運転状態(この実施形態では車速VSP、プライマリ回転速度Npri、アクセル開度APO)に応じて、バリエータ20、副変速機構30を制御する。
この変速マップでは、変速機4の動作点が車速VSPとプライマリ回転速度Npriとにより定義される。変速機4の動作点と変速マップ左下隅の零点を結ぶ線の傾きが変速機4の変速比(バリエータ20の変速比に副変速機構30の変速比を掛けて得られる全体の変速比、以下、「スルー変速比」という。)に対応する。この変速マップには、従来のベルト式無段変速機の変速マップと同様に、アクセル開度APO毎に変速線が設定されており、変速機4の変速はアクセル開度APOに応じて選択される変速線に従って行われる。なお、図3には簡単のため、全負荷線(アクセル開度APO=8/8の場合の変速線)、パーシャル線(アクセル開度APO=4/8の場合の変速線)、コースト線(アクセル開度APO=0/8の場合の変速線)のみが示されている。
変速機4が低速モードの場合は、変速機4はバリエータ20の変速比を最Low変速比にして得られる低速モード最Low線とバリエータ20の変速比を最High変速比にして得られる低速モード最High線の間で変速することができる。この場合、変速機4の動作点はA領域とB領域内を移動する。一方、変速機4が高速モードの場合は、変速機4はバリエータ20の変速比を最Low変速比にして得られる高速モード最Low線とバリエータ20の変速比を最High変速比にして得られる高速モード最High線の間で変速することができる。この場合、変速機4の動作点はB領域とC領域内を移動する。
副変速機構30の各変速段の変速比は、低速モード最High線に対応する変速比(低速モード最High変速比)が高速モード最Low線に対応する変速比(高速モード最Low変速比)よりも小さくなるように設定される。これにより、低速モードでとりうる変速機4のスルー変速比の範囲(図中、「低速モードレシオ範囲」)と高速モードでとりうる変速機4のスルー変速比の範囲(図中、「高速モードレシオ範囲」)とが部分的に重複し、変速機4の動作点が高速モード最Low線と低速モード最High線で挟まれるB領域にある場合は、変速機4は低速モード、高速モードのいずれのモードも選択可能になっている。
また、この変速マップ上には副変速機構30の変速を行うモード切換変速線が低速モード最High線上に重なるように設定されている。モード切換変速線に対応するスルー変速比(以下、「モード切換変速比mRatio」という。)は低速モード最High変速比と等しい値に設定される。モード切換変速線をこのように設定するのは、バリエータ20の変速比が小さいほど副変速機構30への入力トルクが小さくなり、副変速機構30を変速させる際の変速ショックを抑えられるからである。
そして、変速機4の動作点がモード切換変速線を横切った場合、すなわち、スルー変速比の実際値(以下、「実スルー変速比Ratio」という。)がモード切換変速比mRatioを跨いで変化した場合は、変速機コントローラ12は以下に説明する協調変速を行い、高速モード−低速モード間の切換えを行う。
協調変速では、変速機コントローラ12は、副変速機構30の変速を行うとともに、バリエータ20の変速比を副変速機構30の変速比が変化する方向と逆の方向に変更する。この時、副変速機構30の変速比が実際に変化するイナーシャフェーズとバリエータ20の変速比が変化する期間を同期させる。バリエータ20の変速比を副変速機構30の変速比変化と逆の方向に変化させるのは、協調変速前後で実スルー変速比Ratioが一定に保たれるようにし、実スルー変速比Ratioに段差が生じることによる入力回転の変化が運転者に違和感を与えないようにするためである。
具体的には、変速機4の実スルー変速比Ratioがモード切換変速比mRatioをLow側からHigh側に跨いで変化した場合は、変速機コントローラ12は、副変速機構30の変速段を1速から2速に変更(アップシフト)するとともに、バリエータ20の変速比をLow側に変更する。
逆に、変速機4の実スルー変速比Ratioがモード切換変速比mRatioをHigh側からLow側に跨いで変化した場合は、変速機コントローラ12は、副変速機構30の変速段を2速から1速に変更(ダウンシフト)するとともに、バリエータ20の変速比をHigh側に変更する。
なお、本実施形態では、協調変速前後で実スルー変速比Ratioが一定に保たれるようにしているが、協調変速前後で実スルー変速比Ratioの段差を縮小するものであってもよい。
また、オイルポンプ10や油圧制御回路11の故障等により、路面から入力されるトルクに対してベルト23が滑らないようにする役割を担うセカンダリプーリ22への供給圧が不足すると、ベルト−プーリ間の摩擦力が不足してベルト23が滑り、プーリ21、22やベルト23の劣化の原因となる。このため、変速機コントローラ12は、セカンダリプーリ22への供給圧が不足した場合には、低下した供給圧で実現可能な変速比までバリエータ20を変速させるとともに、低下した供給圧でバリエータ20が伝達可能なトルク(以下、「バリエータ伝達可能トルク」という。)を演算し、これに基づきエンジン1の上限トルクを演算する。そして、変速機コントローラ12は、演算した上限トルクをエンジンコントローラに出力することでエンジン1のトルクを規制する(通常のトルク規制)。
さらに、上記協調変速により副変速機構30が変速する時は、イナーシャフェーズ中、副変速機構30の変速に伴うイナーシャトルクがバリエータ20の出力側から入力される。特に、副変速機構30の変速方向がアップシフトの場合は、変速に伴うイナーシャトルクがエンジン1のトルクとは逆の方向に作用するので、上記通常のトルク規制によりエンジン1のトルクがバリエータ伝達可能トルクよりも低く抑えられていてもベルト23が滑る可能性がある。
そこで、変速機コントローラ12は、協調変速中に供給圧の不足が発生した場合は、イナーシャフェーズ中であればイナーシャトルクも考慮に入れてエンジン1の上限トルクを演算し、これに基づきエンジン1のトルクを規制する(イナーシャトルク対応トルク規制)。さらに、イナーシャフェーズ前であれば、協調変速を中断して副変速機構30がイナーシャフェーズに入らないようにし、ベルト滑りの原因となるイナーシャトルクそのものが生じないようにする。
図4は、変速機コントローラ12によって実行される変速制御プログラムのメインルーチンの内容を示したフローチャートである。これを参照しながら変速機コントローラ12が行う変速制御について詳しく説明する。
S1では、変速機コントローラ12は、図3に示した変速マップから、現在の車速VSP及びアクセル開度APOに対応する値を検索し、これを到達プライマリ回転速度DsrREVとして設定する。到達プライマリ回転速度DsrREVは、現在の車速VSP及びアクセル開度APOにおいて達成すべきプライマリ回転速度であり、プライマリ回転速度の定常的な目標値である。
S2では、変速機コントローラ12は、到達プライマリ回転速度DsrREVを車速VSP、終減速装置6の終減速比fRatioで割って、到達スルー変速比DRatioを演算する。到達スルー変速比DRatioは、現在の車速VSP及びアクセル開度APOで達成すべきスルー変速比であり、スルー変速比の定常的な目標値である。
S3では、変速機コントローラ12は、実スルー変速比Ratioを、変速開始時の値から到達スルー変速比DRatioまで所定の過渡応答で変化させるための目標スルー変速比Ratio0を設定する。目標スルー変速比Ratio0は、スルー変速比の過渡的な目標値である。所定の過渡応答は、例えば、一次遅れ応答であり、目標スルー変速比Ratio0は到達スルー変速比DRatioに漸近するように設定される。なお、実スルー変速比Ratioは、現在の車速VSPとプライマリ回転速度Npriに基づき、必要に応じてその都度演算される。
S4では、変速機コントローラ12は、実スルー変速比Ratioを目標スルー変速比Ratio0に制御する。具体的には、変速機コントローラ12は、目標スルー変速比Ratio0を副変速機構30の変速比で割ってバリエータ20の目標変速比vRatio0を演算し、バリエータ20の実変速比vRatioが目標変速比vRatio0になるようバリエータ20を制御する。これにより、実スルー変速比Ratioは所定の過渡応答で到達スルー変速比DRatioに追従する。
S5では、変速機コントローラ12は、セカンダリプーリ22への供給圧が不足しているか判断する。変速機コントローラ12は、実セカンダリ圧Psecをセカンダリ必要圧と比較し、実セカンダリ圧Psecがセカンダリ必要圧よりも低い場合はセカンダリプーリ22への供給圧が不足していると判断する。実セカンダリ圧Psecに基づき供給圧の不足を判断するのは、セカンダリ圧がベルトを保持する役目を担っているからである。
なお、供給圧が不足していることの判断方法はこの方法に限らず、例えば、セカンダリ圧の元圧であるライン圧に基づき判断するようにしてもよい。あるいは、供給圧が不足することにより生じる現象、例えば、バリエータ20の実変速比vRatioと目標変速比vRatio0の乖離に基づき判断するようにしてもよい。
セカンダリプーリ22への供給圧が不足していると判断された場合は処理がS9に進み、エンジン1のトルク規制が行われる。供給圧が不足していると判断されなかった場合は処理がS6に進む。
S9では、変速機コントローラ12は、実セカンダリ圧Psecで得られるセカンダリ推力とバリエータ20の実変速比vRatioに基づき図5に示すマップを参照してバリエータ20が伝達可能なトルク(以下、「バリエータ伝達可能トルク」という。)を演算する。そして、変速機コントローラ12は、バリエータ伝達可能トルクに基づきエンジン1の上限トルクを演算し、これを図示しないエンジンコントローラに出力し、エンジン1のトルクを上限トルクに規制する(通常のトルク規制)。
S6では、変速機コントローラ12は、変速機4の動作点がモード切換変速線を横切ったか、すなわち、実スルー変速比Ratioがモード切換変速比mRatioを跨いで変化したか判断する。肯定的な判断がなされた場合は処理がS8に進み、否定的な判断がなされた場合は処理がS7に進む。S8では図6に示す協調変速制御が実行されるが、これについては後で説明する。
S7では、変速機コントローラ12は、変速機4の変速が完了したか判断する。変速機コントローラ12は、実スルー変速比Ratioと到達スルー変速比DRatioの偏差が所定値よりも小さくなったら変速完了と判断する。変速が完了したと判断されたら処理が終了し、そうでない場合は処理がS3に戻る。
図6は、変速機コントローラ12によって実行される変速制御プログラムのサブルーチン(協調変速制御)の内容を示したフローチャートである。このサブルーチンは、図4の処理がS8に進んだ場合に実行される。これを参照しながら変速機コントローラ12が行う協調変速制御、及び、協調変速中にセカンダリプーリ22への供給圧が不足した場合に行われるトルク規制について詳しく説明する。
S11では、変速機コントローラ12は、協調変速を開始する。協調変速では、変速機コントローラ12は、副変速機構30の変速を行うとともに、バリエータ20の実変速比vRatioを副変速機構30の変速比が変化する方向と逆の方向に変更し、協調変速の前後で実スルー変速比Ratioに段差が生じないようにする。
副変速機構30の変速は、締結側摩擦締結要素に油圧をプリチャージする準備フェーズ、締結側摩擦締結要素(アップシフトであればHighクラッチ33、ダウンシフトであればLowブレーキ32)を介したトルクの伝達が開始され、副変速機構30の変速比変化が開始されるまでのトルクフェーズ、副変速機構30の変速比変化が開始されてから変速比が変速後の変速段に対応する変速比に到達するまでのイナーシャフェーズ、締結側摩擦締結要素の油圧を入力トルクに応じた値まで上昇させ、締結側摩擦締結要素を完全締結させる終了フェーズを経て完了する。4つのフェーズは通常この順で起こるが、運転者がアクセルペダルから足を離した場合に起こるアップシフトや運転者がアクセルペダルを踏み込んで場合に起こるダウンシフトではトルクフェーズとイナーシャフェーズの順序が逆になる。
変速機コントローラ12は、バリエータ20の変速を、副変速機構30の変速比が実際に変化するイナーシャフェーズに合わせて行い、これにより、協調変速全般を通して実スルー変速比Ratioを一定に維持する。
S12では、変速機コントローラ12は、セカンダリプーリ22への供給圧が不足しているか判断する。供給圧が不足しているかの判断は、S5と同じく実セカンダリ圧Psecとセカンダリ必要圧とを比較することで行われる。供給圧が不足していると判断された場合は処理がS14に進み、そうでない場合は処理がS13に進む。
S13では、変速機コントローラ12は、協調変速が終了したか判断する。変速機コントローラ12は、終了フェーズで締結側摩擦締結要素を完全締結させるための油圧上昇が完了したところで協調変速が終了したと判断する。協調変速が終了したと判断された場合は処理が終了し、そうでない場合は処理がS3に戻る。
供給圧が不足していると判断されて進むS14以降では、副変速機構30の変速状態に応じたトルク規制が実行される。
S14では、変速機コントローラ12は、副変速機構30の変速方向を判断する。変速方向がダウンシフトの場合は処理がS15に進み、アップシフトの場合は処理がS16に進む。
S15では、変速機コントローラ12は、S9と同じ通常のトルク規制を行う。すなわち、変速機コントローラ12は、副変速機構30のイナーシャトルクを考慮せず、バリエータ伝達可能トルクに基づきエンジン1の上限トルクを演算し、これをエンジンコントローラに出力することでエンジン1のトルクを規制する。副変速機構30の変速方向がダウンシフトで変速比大側に変化する場合、バリエータ20の出力側から入力されるイナーシャトルクの方向がエンジン1のトルクの方向と同じになるので、通常のトルク規制であってもベルト23の滑りを抑えることが可能である。
一方、変速方向がアップシフトであるとして処理がS16に進んだ場合は、変速機コントローラ12は、S16、S17において副変速機構の変速フェーズがどのフェーズかを判断する。判断の結果、変速フェーズがイナーシャフェーズである場合は処理がS18に進み、イナーシャフェーズ前である場合は処理がS19に進み、イナーシャフェーズ後である場合は処理がS20に進む。
S18では、変速機コントローラ12は、イナーシャトルク対応トルク規制を行う。副変速機構30の変速方向がアップシフトで、かつ、変速フェーズがイナーシャフェーズ中である場合は、バリエータ20の出力側からエンジン1のトルクと逆の方向のイナーシャトルクが入力されるので、通常のトルク規制ではベルト滑りが発生する可能性がある。このため、変速機コントローラ12は、バリエータ20の出力側から入力されるイナーシャトルクを演算し、バリエータ伝達可能トルクからイナーシャトルクの絶対値を減じた値に基づきエンジン1の上限トルクを演算する。イナーシャトルクは、セカンダリ回転速度Nsecからバリエータ20の出力軸の角加速度を演算し、これに予め計算で求めておいたバリエータ20の出力軸周りの慣性モーメントを掛けることで演算される。
変速機コントローラ12は、演算した上限トルクをエンジンコントローラに出力し、エンジン1のトルクを規制する。イナーシャトルク対応トルク規制による上限トルクが通常のトルク規制時よりも小さくなるので、イナーシャトルク対応トルク規制では通常のトルク規制よりもエンジン1のトルクが抑えられる。
S19では、変速機コントローラ12は、協調変速を中止し、S9と同じ通常のトルク規制を行う。イナーシャトルク対応トルク規制ではなく通常のトルク規制を行うのは、イナーシャフェーズ前に協調変速を中止することでバリエータ20にイナーシャトルクが入力されることがなくなり、通常のトルク規制であってもベルト滑りを抑えることができるからである。
S20では、変速機コントローラ12は、S9と同じ通常のトルク規制を行う。イナーシャトルク対応トルク規制ではなく通常のトルク規制を行うのは、S20に処理が進む場合はイナーシャフェーズが既に終了しており、通常のトルク規制であってもベルト滑りを抑えることができるからである。
図7は、協調変速が行われる様子を示している。副変速機構30の変速フェーズがイナーシャフェーズに合わせてバリエータ20の変速比が変更され、これにより協調変速前後でスルー変速比が一定に保たれる。イナーシャフェーズ中、イナーシャトルクがバリエータ20の出力側から入力され、ベルト23が滑りやすくなるが、この例では、変速中、実セカンダリ圧Psecがセカンダリ必要圧を下回っていないので、ベルト滑りは発生していない。
これに対し、図8は、協調変速中、副変速機構30の変速フェーズがイナーシャフェーズの時に実セカンダリ圧Psecがセカンダリ必要圧を下回った例を示している。イナーシャフェーズ中はイナーシャトルクがバリエータ20の出力側から入力されるので、通常のトルク規制ではベルト23が滑る可能性があるが、上記制御によると、このような場合は、イナーシャトルクも考慮に入れたエンジン1の上限トルクが設定され、これに基づきエンジン1のトルクが規制される(S18)。すなわち、通常のトルク規制時よりもエンジン1のトルクがより低く抑えられる。これにより、エンジントルクとイナーシャトルク(絶対値)の合計をバリエータ伝達可能トルク以下に抑え、ベルト23が滑るのを抑えることができる。
また、図9は、イナーシャフェーズよりも前に供給圧の不足が発生した例を示している。協調変速を継続してイナーシャフェーズに移行するとイナーシャトルクがバリエータ20の出力側から入力されてベルト23が滑りやすくなる。しかしながら、上記制御によれば、このような場合は、協調変速が中止され、ベルト滑りの原因となるイナーシャトルクそのものが発生しない。その上で通常のトルク規制が行われるので、ベルト23の滑りは効果的に抑えられる(S19)。
続いて、上記実施形態の作用効果について説明する。
上記実施形態によれば、協調変速中、実セカンダリ圧Psecがセカンダリ必要圧よりも不足していると判断された場合は、バリエータ伝達可能トルクとイナーシャトルクとに基づきエンジン1の上限トルクが演算され、これに基づきエンジン1のトルクが規制される。協調変速中は、変速に伴うイナーシャトルクがバリエータ20の出力側から入力されてベルト23が滑りやすくなるが、イナーシャトルクも考慮に入れてエンジン1の上限トルクを演算するようにしたことにより、ベルト23が滑るのを抑制することができる(請求項1、6に対応する効果)。
このようなイナーシャトルク対応トルク規制は、バリエータ20の出力側から入力されるイナーシャトルクの方向がエンジン1のトルクの方向と逆になる時、すなわち、副変速機構30の変速比が小側に変化する時に必要となる。上記実施形態では、副変速機構30の変速比が小側に変化する場合にイナーシャフェーズ対応トルク規制が行われるので、ベルト滑りの抑制に必要とされる状況でのみイナーシャフェーズ対応トルク規制が行われ、イナーシャトルク対応トルク規制が不必要に行われることによる運転性の悪化を抑えることができる(請求項2に対応する効果)。
また、イナーシャトルクがバリエータ20に作用するのは、協調変速の全期間にわたってではなく、副変速機構30の変速比が実際に変化するイナーシャフェーズの間のみである。上記実施形態では、イナーシャフェーズ対応トルク規制がイナーシャフェーズ中に行われるので、イナーシャトルク対応トルク規制が不必要に行われることによる運転性の悪化を抑えることができる(請求項3に対応する効果)。
また、協調変速中に実セカンダリ圧Psecの不足が発生した場合であっても、副変速機構30の変速フェーズがイナーシャフェーズよりも前である場合は、協調変速が中断され、イナーシャフェーズを考慮しない通常のトルク規制が行われる。これにより、ベルト滑りの原因となるイナーシャトルクそのものが発生しなくなるので、ベルト23の滑りをより一層抑制することができ、また、イナーシャトルク対応トルク規制が行われる頻度が減るので、イナーシャトルク対応トルク規制が行われることによる運転性の悪化を抑えることができる(請求項4に対応する効果)。
また、副変速機構30の変速比が大側に変化する場合は、バリエータ20に入力されるイナーシャトルクがエンジン1のトルクと同じ方向になり、ベルト保持に必要なプーリ推力が小さくなるので、このような場合は、イナーシャフェーズ対応トルク規制ではなく通常のトルク規制が行われる。これにより、通常のトルク規制でベルト滑りを抑制できる状況でイナーシャトルク対応トルク規制が行われるのを防止し、運転性が悪化するのを抑えることができる(請求項5に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記実施形態では、副変速機構30は前進用の変速段として1速と2速の2段を有する変速機構としたが、副変速機構30を前進用の変速段として3段以上の変速段を有する変速機構としてもよい。
また、動力源としてエンジン1を備えているが、動力源はエンジン1に限らず、例えば、エンジン1とモータを組み合わせた動力源、モータのみで構成される動力源であってもよい。
1…エンジン(動力源)
4…無段変速機
11…油圧制御回路
12…変速機コントローラ
20…バリエータ
21…プライマリプーリ
22…セカンダリプーリ
23…ベルト
30…副変速機構

Claims (6)

  1. プーリの溝幅を油圧により変更することで動力源から入力される回転を変速するバリエータと、前記バリエータの出力側に設けられて複数の前進用変速段を有する副変速機構と、を備え、前記副変速機構の変速中に前記バリエータの変速比を前記副変速機構の変速比の変化方向と逆の方向に変更する協調変速を行う無段変速機であって、
    前記協調変速中、前記プーリへの供給圧が必要圧よりも不足しているか判断する供給圧不足判断手段と、
    前記バリエータの伝達可能なトルクであるバリエータ伝達可能トルクを前記プーリへの供給圧と前記バリエータの変速比とに基づき演算するバリエータ伝達可能トルク演算手段と、
    前記バリエータの出力側から入力されるイナーシャトルクを前記バリエータの出力軸の回転速度変化に基づき演算するイナーシャトルク演算手段と、
    前記協調変速中に前記プーリへの供給圧が不足していると判断された場合、前記バリエータ伝達可能トルクと前記イナーシャトルクとに基づき前記動力源の上限トルクを演算し、演算した前記上限トルクを前記動力源の制御装置に出力して前記動力源のトルクを規制するトルク規制手段と、
    を備えたことを特徴とする無段変速機。
  2. 請求項1に記載の無段変速機であって、
    前記トルク規制手段は、前記協調変速中に前記プーリへの供給圧が不足していると判断され、かつ、前記副変速機構の変速が変速比の小さくなる方向への変速である場合に、前記バリエータ伝達可能トルクから前記イナーシャトルクの絶対値を減じた値に基づき前記上限トルクを演算する、
    ことを特徴とする無段変速機。
  3. 請求項1に記載の無段変速機であって、
    前記トルク規制手段は、前記協調変速中に前記プーリへの供給圧が不足していると判断され、前記副変速機構の変速が変速比の小さくなる方向への変速であり、かつ、前記副変速機構の変速フェーズがイナーシャフェーズ中である場合に、前記バリエータ伝達可能トルクから前記イナーシャトルクの絶対値を減じた値に基づき前記上限トルクを演算する、
    ことを特徴とする無段変速機。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の無段変速機であって、
    前記トルク規制手段は、前記協調変速中に前記プーリへの供給圧が不足していると判断され、前記副変速機構の変速が変速比の小さくなる方向への変速であり、かつ、前記副変速機構の変速フェーズがイナーシャフェーズ前である場合は、前記副変速機の変速を中止し、前記バリエータ伝達可能トルクに基づき前記上限トルクを演算する、
    ことを特徴とする無段変速機。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の無段変速機であって、
    前記トルク規制手段は、前記協調変速中に前記プーリへの供給圧が不足していると判断され、かつ、前記副変速機構の変速が変速比の大きくなる方向への変速である場合は、前記バリエータ伝達可能トルクに基づき前記上限トルクを演算する、
    ことを特徴とする無段変速機。
  6. プーリの溝幅を油圧により変更することで動力源から入力される回転を変速するバリエータと、前記バリエータの出力側に設けられて複数の前進用変速段を有する副変速機構と、を備えた無段変速機の制御方法であって、
    前記副変速機構の変速中に前記バリエータの変速比を前記副変速機構の変速比の変化方向と逆の方向に変更する協調変速を行うことと、
    前記協調変速中、前記プーリへの供給圧が必要圧よりも不足しているか判断し、前記プーリへの供給圧が不足していると判断した場合に、
    前記バリエータの伝達可能なトルクであるバリエータ伝達可能トルクを前記プーリへの供給圧と前記バリエータの変速比とに基づき演算し、
    前記バリエータの出力側から入力されるイナーシャトルクを前記バリエータの出力軸の回転速度変化に基づき演算し、
    前記バリエータ伝達可能トルクと前記イナーシャトルクとに基づき前記動力源の上限トルクを演算し、演算した前記上限トルクを前記動力源の制御装置に出力して前記動力源のトルクを規制することと、
    を含むことを特徴とする無段変速機の制御方法。
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