JP2001321198A - 試料核酸断片の相補性の検定方法 - Google Patents

試料核酸断片の相補性の検定方法

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JP2001321198A JP2001065472A JP2001065472A JP2001321198A JP 2001321198 A JP2001321198 A JP 2001321198A JP 2001065472 A JP2001065472 A JP 2001065472A JP 2001065472 A JP2001065472 A JP 2001065472A JP 2001321198 A JP2001321198 A JP 2001321198A
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Yoshihiko Makino
快彦 牧野
Yoshihiko Abe
義彦 阿部
Masashi Ogawa
雅司 小川
Makoto Takagi
誠 高木
Shigeori Takenaka
繁織 竹中
Kenichi Yamashita
健一 山下
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プローブ分子に対する試料核酸断片の相補性
を簡便に検定する方法を提供すること。 【解決手段】 固相担体のプローブ分子と、試料核酸断
片との水系媒体の存在下での接触により、ハイブリダイ
ゼーションを介して形成された二本鎖構造体に、標識付
きインターカレータが挿入固定された試料核酸複合体を
水系媒体に接触させる工程;試料核酸複合体と接触下の
水系媒体に物理的又は化学的な環境変化を与え、該環境
変化により発生する試料核酸複合体からの試料核酸断片
の脱離を、該脱離に併行するインターカレータの脱離に
より発生する固相担体上の標識量の減少を測定すること
によって検知して、試料核酸断片の複合体中における安
定性のデータを得る工程;そして、前記プローブ分子に
対する相補性が確認されている参照核酸断片、前記標識
付きインターカレータ、そして該プローブ分子からなる
参照核酸複合体の、上記工程で用いた環境変化に対する
安定性を示すデータ(別に用意)と、上記工程で得られ
た安定性データとを比較する工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝子診断分野の
研究において、特に、塩基配列や塩基の種類が既知であ
る異常遺伝子を保有する患者を対象とする遺伝子診断の
一次スクリーニングのために有用な試料核酸断片の相補
性の検定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に病気は、遺伝性素因に環境因子
が作用して発症すると考えられているが、遺伝子技術の
進展に伴って多くの疾患が、遺伝性あるいは外因性の遺
伝子異常(塩基置換、塩基欠損、塩基挿入、塩基点変
異、塩基転移等)を伴うことが明らかとなっている。即
ち、これらの遺伝子異常が生じると、生成されるタンパ
ク質の特性、種類および量が変化し、結果として生体系
のバランスが崩れて、疾患を引き起こすこととなる。従
って、病因となる既知の遺伝子を検出することによっ
て、疾患の同定や予防が可能となる。このような遺伝子
そのものに基づく診断は、近年の遺伝子工学の進歩によ
って可能となったもので、遺伝子診断と呼ばれている。
遺伝子診断の対象は、生殖細胞の遺伝子に異常がある遺
伝性疾患のみではなく、外界からの作用によって体細胞
の遺伝子内に生じた異常により引き起こされる疾患も含
む。
【0003】遺伝子診断の研究の方向としては、一つ
は、未知の異常遺伝子の探究・同定がある。ポジショナ
ルクローニング(患者の家族のDNAを抽出し、異常の
程度を連鎖解析によって調べることで、変異遺伝子の染
色体上の座位を決定する方法)が確立されたため、現在
では、病因遺伝子の確実な同定が可能となり、家族歴の
明らかな遺伝性疾患のみでなく、これまで遺伝よりも環
境因子の作用する割合が多いと考えられていた疾患(糖
尿病、高血圧症等)の遺伝子診断も可能となっている。
もう一つは、既知となった異常遺伝子を有する多数の患
者を対象とした迅速・正確な診断法の開発である。遺伝
病としては、現在2000種類以上のものが知られてい
るが、その中でも、小児高尿酸血症、鎌状赤血球貧血
症、フェニルケトン尿症等は代表的な疾患である。この
種の疾患に対して、新生児や胎児を対象とするマススク
リーニング法が確立され、早期発見の実が上がっている
が、将来的な遺伝子治療に向かって有効な診断法の開発
は重要である。
【0004】遺伝子診断法としては、遺伝子断片の変異
を検出するSSCP(single-stranded conformation p
olymorphism:一本鎖DNA高次構造多型)法をはじめ
とした種々の変異解析法が知られている。SSCP法
は、一本鎖の正常遺伝子断片および一本鎖の異常遺伝子
断片をポリアクリルアミドゲル中で電気泳動に付し、そ
れぞれの遺伝子断片が示す、塩基配列に依存した高次構
造の相違による移動度を検出することによって、遺伝子
の微妙な変化を検出する方法である。しかし、SSCP
法では、一本鎖DNA断片の塩基の変化が、必ずしもそ
の移動度の変化と結びつかないことがある。特に塩基の
変化がDNA断片の末端付近で起きている場合には、そ
のDNA断片の高次構造の変化が少ないため、塩基の変
化を伴わないDNA断片の移動度と、何れかの塩基の変
化を伴うDNA断片の移動度との差が極めて小さくなる
結果、これら二つのDNA断片の識別が困難であるとい
う問題がある。
【0005】SSCP法以外の方法としては、遺伝子の
変化を、一本鎖の正常遺伝子断片と一本鎖の異常遺伝子
断片とのハイブリダイゼーションにより得られる特殊D
NA構造を持つ二本鎖DNA断片を検出することによっ
て確認する方法がいくつか知られている。ここで、特殊
DNA構造とは、正常のDNA構造が「フルマッチ構
造」(完全な二本鎖を形成している構造)をいうのに対
し、「ミスマッチ構造」(正常遺伝子断片と異常遺伝子
断片とが、一つ以上の非塩基対形成部分を除いて二本鎖
を形成している構造、即ち、部分相補的な構造)を意味
する。
【0006】特表平9−501561号公報には、この
ミスマッチ構造を有する二本鎖DNA断片を蛍光顕微鏡
によって検出する方法が開示されている。しかし、この
方法では検出技術に熟練を要し、さらに標識として用い
るフルオレセイン等の蛍光物質の褪色が起こり易いとい
う問題点を有する。
【0007】一方、ミスマッチ構造を有する二本鎖DN
A断片とフルマッチ構造を有する二本鎖DNA断片と
を、温度勾配ゲル電気泳動によって、その二本鎖の安定
性の相違から生ずる移動度の差異を利用して検出する方
法が知られている。
【0008】また、ミスマッチ構造を有する二種類の二
本鎖DNA断片を、DNA断片に直接標識するDNAプ
ローブ法を利用して、ハイブリダイゼーションの条件を
設定することにより検出する方法も知られている。図1
に、フルマッチ構造を形成し得るDNA断片がハイブリ
ダイゼーションの条件fa1によって、完全二本鎖の状
態(a)あるいは一本鎖の状態(b)をとる様子、そし
て、ミスマッチ構造を形成し得るDNA断片が、該条件
fa1とは異なる条件fa2によって、部分的二本鎖の
状態(c)あるいは一本鎖の状態(d)をとる様子を示
す。従って、図1に示すように、フルマッチ構造の場合
には状態(a)となるように、そしてミスマッチ構造の
場合には状態(d)となるように条件を設定することに
よって、それぞれの相違を判断することが可能となる。
しかし、このような条件は、DNA断片の長さや配列に
よって異なるため、反応ごとに条件設定をすることが必
要となり、実用上において困難があり、また、一つの基
板上に互いに異なる多種類のDNA断片(プローブ分
子)が固定されている場合には、すべてのDNA断片に
ついて最適な一つの条件を設定するのは事実上不可能で
ある。よって、遺伝子のあらゆる変化を簡便かつ高感度
に検出するには、ミスマッチ構造を有する二本鎖DNA
断片を迅速かつ高感度に検出できることが求められる。
【0009】ところで、本発明者らは、既知のDNA断
片と試料DNA断片とのハイブリダイゼーションによっ
て形成された二本鎖DNA断片の構造によって、その二
本鎖DNA断片への電気化学活性縫い込み型インターカ
レータの取り込み量が異なるという性質を利用して、試
料DNA断片が既知のDNA断片に対して部分相補性の
DNA断片であることを検出する方法を既に開発してい
る(特願平11−159339号)。当該出願明細書で
は、この方法によって実際に、リポタンパクリパーゼ遺
伝子異常断片を検出できることが示されている。上記の
方法では、DNA断片の長さや塩基配列が異なる場合で
あっても、また一つの基板上に多種類のDNA断片が固
定されている場合であっても、フルマッチの場合には状
態(a)をとり、ミスマッチの場合には状態(c)をと
るようなひとつの条件を設定することが可能である。即
ち、前記プローブ法が二本鎖の状態および一本鎖状態の
状態において異常遺伝子断片を検出するのに対して、当
該方法は、二本鎖の状態において異常遺伝子断片を検出
できる方法であるといえる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、試料核酸断
片に含まれる塩基配列の相補性の検定に際して、核酸断
片各々の塩基数や塩基配列に応じたハイブリダイゼーシ
ョンの条件を設定することなく、一律の条件にて検定が
可能な方法を提供することを、その課題とする。本発明
は特に、部分相補的な二本鎖を形成する試料核酸断片に
ついて、一律の条件下での検定を可能にする方法を提供
することを、その課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、プローブ分子
に対する試料核酸断片の相補性を検定するための、下記
の工程を含む方法にある。 (1a)固相担体に固定された核酸もしくは核酸誘導体
からなるプローブ分子と、試料核酸断片との水系媒体の
存在下での接触により、ハイブリダイゼーションを介し
て形成された二本鎖構造体に、標識付きインターカレー
タが挿入固定されてなる試料核酸複合体を水系媒体に接
触させる工程; (2a)試料核酸複合体と接触下にある上記水系媒体に
物理的もしくは化学的な環境変化を付与し、その環境変
化に起因して発生する該試料核酸複合体からの試料核酸
断片の脱離を、該脱離に併行する標識付きインターカレ
ータの脱離により発生する固相担体上の標識量の減少を
測定することによって検知して、試料核酸断片の試料核
酸複合体中における安定性のデータを得る工程;そして (3a)別に用意した、前記のプローブ分子に対する相
補性が確認されている参照核酸断片、前記の標識付きイ
ンターカレータ、そして該プローブ分子からなる参照核
酸複合体の、上記工程(2a)で用いた環境変化に対す
る安定性を示すデータと、上記工程(2a)で得られた
安定性データとを比較する工程。
【0012】本発明は、また、プロ−ブ分子に対する試
料核酸断片の相補性を検定するための、下記の工程を含
む方法にもある。 (1b)固相担体に固定された核酸もしくは核酸誘導体
からなるプローブ分子を、水系媒体と標識付きインター
カレータとの存在下にて試料核酸断片と接触させること
により、ハイブリダイゼーションを介して、標識付きイ
ンターカレータが挿入固定された試料核酸複合体を生成
させるに際して、該水系媒体に物理的もしくは化学的な
環境変化を付与し、その環境変化に応じて生成する試料
核酸複合体の量を、該試料核酸複合体の生成と併行する
標識付きインターカレータの固相担体上への固定により
発生する固相担体上の標識量の増加を測定することによ
って検知して、該試料核酸断片の該試料核酸複合体中に
おける安定性のデータを得る工程;そして (2b)別に用意した、前記のプローブ分子に対する相
補性が確認されている参照核酸断片、前記の標識付きイ
ンターカレータ、そして該プローブ分子からなる参照核
酸複合体の、上記工程(1b)で用いた環境変化に対す
る安定性を示すデータと、上記工程(1b)で得られた
安定性データとを比較する工程。
【0013】上記の本発明の方法の代表的な態様は次の
通りである。 (I)基板の表面に、少なくとも三個の塩基単位からな
る塩基配列を含む核酸断片が固定されてなる核酸チップ
の該表面に、該塩基配列に相補的な塩基配列を含む遊離
核酸断片を、水系媒体と標識付きインターカレータの存
在下にて接触させ、ハイブリダイゼーションを介して、
該遊離核酸断片を該固定核酸断片に結合させることによ
り得られた、該標識インターカレータが挿入されている
二本鎖核酸固定チップの該二本鎖核酸部分を水系媒体に
接触させて、上記遊離核酸断片と固定核酸断片との結合
状態に影響を与える該水系媒体の因子を変化させ、かつ
並行して該核酸チップに挿入されている標識インターカ
レータの脱離量を基板上の標識量の変化を測定すること
により得られた、該遊離核酸断片と固定核酸断片との結
合状態の変化と上記因子の変化との相関関係を示す標準
離脱情報を用意し、上記核酸チップと実質的に同一の構
成からなる核酸チップの表面に、試料核酸断片を、上記
標準離脱情報の作成に際して採用された方法と実質的に
同一の方法で接触させて、標識インターカレータが挿入
されている二本鎖核酸固定チップを調製し、次いで、こ
れを前記と実質的に同一の水系媒体に接触させて、前記
因子を変化させることにより得られる、該試料核酸断片
と固定核酸断片との結合状態の変化と該因子の変化との
相関関係を、該核酸チップに挿入されている標識インタ
ーカレータの脱離量を基板上の標識量の変化を測定する
ことにより得て、ここで得られた相関関係と前記標準脱
離情報とを比較することを特徴とする、核酸チップの固
定核酸断片の前記塩基配列に対する試料核酸断片に含ま
れる塩基配列の相補性を検定する方法。
【0014】(II)基板の表面に、少なくとも三個の塩
基単位からなる塩基配列を含む核酸断片が固定されてな
る核酸チップの該表面に、該塩基配列に相補的な塩基配
列を含む遊離核酸断片を、水系媒体と標識付きインター
カレータの存在下にて接触させ、該遊離核酸断片と固定
核酸断片との結合状態に影響を与える該水系媒体の因子
を変化させ、かつ並行して該核酸チップに挿入される標
識インターカレータの量を基板上の標識量の変化を測定
することにより得られた、該遊離核酸断片がハイブリダ
イゼーションを介して該固定核酸断片に結合する挙動の
変化と上記因子の変化との相関関係を示す標準結合情報
を用意し、上記核酸チップと実質的に同一の構成からな
る核酸チップの表面に、試料核酸断片を、上記標準離脱
情報の作成に際して採用された方法と実質的に同一の方
法で、水系媒体と標識付きインターカレータの存在下に
て接触させて、上記因子を変化させ、かつ並行して該核
酸チップに挿入される標識インターカレータの量を基板
上の標識量の変化を測定することによって、該試料核酸
断片がハイブリダイゼーションを介して該固定核酸断片
に結合する挙動の変化と上記因子の変化との相関関係を
得て、ここで得られた相関関係と前記標準結合情報とを
比較することを特徴とする、核酸チップの固定核酸断片
の前記塩基配列に対する試料核酸断片に含まれる塩基配
列の相補性を検定する方法。
【0015】本発明の、試料核酸断片の相補性(特に特
定の塩基配列の相補性)を検定する方法の好ましい態様
は以下の通りである。 1)上記工程(2a)もしくは(1b)における環境変
化として、水系媒体の温度の変化を利用する。 2)上記工程(2a)もしくは(1b)における環境変
化として、水系媒体に付与される電気泳動的電位の変化
を利用する。 3)上記工程(2a)もしくは(1b)における環境変
化として、水系媒体中のイオン強度の変化を利用する。
【0016】4)標識インターカレータとして、導電性
インターカレータを利用する。 5)標識インターカレータとして、蛍光インターカレー
タを利用する。 6)プローブ分子として、三個以上の塩基からなる既知
の塩基配列領域を有する分子を利用する。 7)参照核酸断片として、上記塩基配列領域に対して完
全な相補性を示す塩基配列領域を有する核酸断片を利用
する。 8)上記工程(3a)もしくは(2b)で用いる安定性
データとして、試料核酸断片の代わりに該参照核酸断片
を用いる以外は上記工程(1a)もしくは(1b)と同
じ操作を行なう工程により得られたものを用いる。 9)プローブ分子として、オリゴヌクレオチド、ポリヌ
クレオチドもしくはペプチド核酸を用いる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の試料核酸断片に含まれる
相補性(特に塩基配列の相補性)を検定する方法は、
(イ)二本鎖核酸断片の結合状態(即ち、ハイブリダイ
ズ)に影響を与える、ハイブリダイゼーションを行う水
系媒体に与える物理的もしくは化学的環境の因子を、二
本鎖核酸断片が解離する方向へ変化させて、試料核酸断
片の塩基配列の相補性を検出する方法;そして、(ロ)
該水系媒体の物理的もしくは化学的環境の因子を、一本
鎖の核酸断片と一本鎖の試料核酸断片とがハイブリダイ
ズして二本鎖核酸断片を形成する方向へ変化させて、試
料核酸断片の塩基配列の相補性を検出する方法の両方法
を含む。試料核酸断片の塩基配列の相補性には、完全な
相補性のみならず、部分的な相補性をも含む。「部分的
な相補性を有する試料核酸断片」とは、完全相補性二本
鎖を形成する特定の核酸断片に対して、塩基配列につい
て部分的に同一である核酸断片をいう。
【0018】図2には、上記方法(イ)の代表的な模式
図を示す。(A)は、後述する「標準離脱情報」(ST
D)[参照核酸複合体の安定性データに相当する]を得
る工程を表わし、(B)は、試料核酸断片の「試料離脱
情報」(SAM)[試料核酸複合体の安定性データに相
当する]を得る工程を表わす。この方法(イ)は、工程
(A)、工程(B)、および工程(C)[図示せず]よ
りなる。
【0019】工程(A)では、まず、核酸チップ(A−
1、基板(11)の表面にプローブ分子(21)が固定
されたもの)の表面に、プローブ分子(21)の塩基配
列に相補的な塩基配列を含む参照遊離核酸断片(31)
を、水系媒体と標識付きインターカレータ(41)との
存在下にて接触させ、ハイブリダイゼーションを介し
て、プローブ分子(21)に参照遊離核酸断片(31)
を結合させることによって、標識付きインターカレータ
(41)が挿入された二本鎖核酸固定チップ(A−2)
を得る。ここでは、参照遊離核酸断片(31)は、プロ
ーブ分子(21)と完全な相補性を有する核酸断片であ
るとする。次いで、この二本鎖核酸部分を水系媒体に接
触させて、二本鎖の結合状態に影響を与える水系媒体の
環境因子を変化させながら、チップ(A−2)に挿入さ
れた標識付きインターカレータ(41)の脱離量を測定
することによって、結合状態の変化と水系媒体の因子と
の相関関係を得ることができる。チップ(A−3)およ
びチップ(A−4)は、それぞれ、チップ(A−2)に
水系媒体の環境因子を変化させたときに順次得られる二
本鎖の結合状態を表す。図2の工程(A)では、水系媒
体の環境因子を変化させた場合に、二本鎖が徐々に解離
し始め、これに伴って標識付きインターカレータ(4
1)が脱離していく様子が示されている。
【0020】標識付きインターカレータ(41)の脱離
量は、基板(11)上の標識量の変化を測定することに
よって検出することができる。工程(A)および下記の
工程(B)では、二本鎖は、水系媒体の環境因子の変化
と共に解離し始め、二本鎖が解離した一本鎖に対して
は、標識付きインターカレータは一般的に取り込まれな
いことから、二本鎖の結合状態は、基板上の標識量によ
って検出することができるからである。
【0021】工程(B)では、最初に、工程(A)で用
いた核酸チップと実質的に同一な核酸チップ(A−1)
に、水系媒体と標識付きインターカレータの存在下に
て、試料核酸断片(32)を接触させ、同様にハイブリ
ダイゼーションさせることにより、部分相補性を有する
二本鎖核酸断片が基板に固定されたチップ(B−2)を
得る。次いで、上記工程(A)と同様に、水系媒体の環
境因子を変化させると、例えば、二本鎖が完全に解離し
た状態(B−3)となり、標識付きインターカレータは
すべて核酸断片から脱離する。基板上の標識量の変化を
測定することによって、結合状態の変化と水系媒体の環
境因子との相関関係を得ることができる。
【0022】工程(C)では、工程(A)および工程
(B)でそれぞれ得られた標準離脱情報(STD)と試
料離脱情報(SAM)とを比較することによって、試料
核酸断片(32)が参照遊離核酸断片(31)と部分的
に同一性を有する核酸断片であることを検出することが
できる。
【0023】参照遊離核酸断片(31)として、塩基配
列および塩基の種類が既知であり、固定核酸断片(2
1)とは部分的な相補性を有する核酸断片を用いて、標
準離脱情報(STD)を得て、これを試料離脱情報(S
AM)と比較して相補性の判定に利用することもでき
る。
【0024】本発明の試料核酸断片に含まれる塩基配列
の相補性を検定する方法(ロ)は、水系媒体の環境因子
を変化させることについては方法(イ)と同様である
が、工程(A)に対応する工程では、「標準結合情報」
を得ることができ、工程(B)に対応する工程では、
「試料結合情報」を得ることができる点で、方法(イ)
とは異なる。
【0025】以下、方法(イ)について詳述する。
【0026】[核酸チップ]核酸チップは、固相担体
(基板もしくは他の形態の固体の担体)の表面に、少な
くとも三個の塩基単位からなる塩基配列を含む核酸断片
などのプローブ分子が固定されたチップであることが好
ましい。
【0027】基板としては、電気絶縁性の疎水性担体、
あるいは電気絶縁性の低親水性の担体であることが好ま
しい。また、その表面が凹凸を有する平面性の低いもの
であっても好ましく用いることができる。基板の材質と
しては、ガラス、セメント、陶磁器等のセラミックスも
しくはニューセラミックス、ポリエチレンテレフタレー
ト、酢酸セルロース、ビスフェノールAのポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のポ
リマー、シリコン、活性炭、多孔質ガラス、多孔質セラ
ミックス、多孔質シリコン、多孔質活性炭、織編物、不
織布、濾紙、短繊維、メンブレンフィルター等の多孔質
物質などを挙げることができるが、各種ポリマー、ガラ
スもしくはシリコンであることが特に好ましい。これ
は、表面処理の容易さや電気化学的方法による解析の容
易さによるものである。基板の厚さは、特に限定されな
いが、板状である場合には、100乃至10000μm
の範囲にあることが好ましい。
【0028】基板としては、電極、光ファイバー、フォ
トダイオード、サーミスタ、ISFET、MOSFE
T、ピエゾ素子、表面弾性波素子なども好ましく用いる
ことができる。例えば、電極の場合には、上記の導電性
を持たない基板上に電極が配置されたものを用いること
が好ましく、電極は、互いに接しないように、かつ規則
的に配置されていることが好ましい。電極の材料として
は、グラファイト、グラシーカーボン等の炭素電極、白
金、金、パラジウム、ロジウム等の貴金属電極、酸化チ
タン、酸化スズ、酸化マンガン、酸化鉛などの酸化物電
極、Si、Ge、ZnO、CdS等の半導体電極、チタ
ンなどの電子伝導体を挙げることができるが、金もしく
はグラシーカーボンを用いることがが特に好ましい。こ
れらの電子伝導体は、導電性高分子によって被覆されて
いても、単分子膜によって被覆されていてもよい。導電
性を持たない基板に複数の電極が配置されたものとして
は、導電性を持たない基板の表面を上記の電子伝導体で
処理したものを用いることが好ましく、金で蒸着処理し
たものを用いることが特に好ましい。基板は、電子伝導
体で表面処理をする前に、基板上に電荷を有する親水性
の高分子物質からなる層や架橋剤からなる層を設けても
よい。このような層を設けることによって基板の凹凸を
軽減することができる。また、基板によっては、その基
板中に電荷を有する親水性の高分子物質を含ませること
も可能であり、このような処理を施した基板も好ましく
用いることができる。
【0029】導電性を持たない基板上に複数の電極が配
置されたものとしては、文献(Sosnowski,R.G. et al.,
Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 94, 1119-1123(1997))に記
載の、核酸が未固定のシリコンチップも好ましく用いる
ことができる。また、プリント配線基板のように、が基
板上に印刷されてなるものであってもよい。
【0030】プローブ分子は、目的によって二通りに分
けることができる。遺伝子の発現を調べるためには、c
DNA、cDNAの一部、EST等のポリヌクレオチド
を使用することが好ましい。これらのポリヌクレオチド
は、その機能が未知であってもよいが、一般的にはデー
タベースに登録された配列を基にしてcDNAのライブ
ラリー、ゲノムのライブラリーあるいは全ゲノムをテン
プレートとしてPCR法によって増幅して調製する。P
CR法によって増幅しないものも好ましく使用すること
ができる。また、遺伝子の変異や多型を調べるには、標
準となる既知の配列をもとにして、変異や多型に対応す
る種々のオリゴヌクレオチドを合成し、これを使用する
ことが好ましい。さらに、塩基配列の分析の場合には、
n(nは、塩基の長さ)種のオリゴヌクレオチドを合
成したものを使用することが好ましい。核酸断片の塩基
配列は、一般的な塩基配列決定法によって予めその配列
が決定されていることが好ましく、その塩基種も既知で
あることが好ましい。プローブ分子は、3乃至50量体
であることが好ましく、10乃至25量体であることが
特に好ましい。
【0031】プローブ分子として、ペプチド核酸(PN
A)を利用することもできる。
【0032】核酸断片などのオリゴヌクレオチド、ポリ
ペプチド、そしてパプチド核酸によって代表されるプロ
ーブ分子(以下では、核酸断片を代表例として説明す
る)の固相担体への固定方法としては、公知の方法を用
いることができる。核酸断片の基板への固定方法は、核
酸断片の種類および基板の種類に応じて適当な方法を選
択することができる(蛋白質・核酸・酵素,Vol.,43,No.
13,2004-2011(1998))。例えば、核酸断片がcDNAや
PCR産物の場合には、DNAの荷電を利用して、ポリ
リシン、ポリエチレンイミン、ポリアルキルアミン等の
陽イオンで表面処理した基板に静電結合させる方法を用
いることができる。合成ヌクレオチドを固定する場合に
は、基板上で直接合成する方法、あるいは予め末端に共
有結合のための官能基を導入したオリゴマーを合成し、
表面処理した基板に共有結合させる方法を用いることが
できる。官能基としては、アミノ基、アルデヒド基、メ
ルカプト基、ビオチン等を挙げることができる。基板と
してガラスやシリコンを用いるこ場合には、その表面処
理には、公知のシランカップリング剤を用いることが好
ましい。
【0033】核酸断片の固定は、核酸断片の水性液を基
板上の領域に点着して行うことが好ましい。点着後、所
定の温度でそのまま数時間放置すると核酸断片の一端が
基板上の領域に固定される。点着の条件は、使用する基
板の種類、大きさ等によって異なる。点着は、マニュア
ル操作によっても行うことができるが、汎用されている
DNAチップ作製装置に装備されたスポッターを用いて
行うことも好ましい。点着後は、インキュベーションを
行うことも好ましい。インキュベート後、未固定の核酸
断片を洗浄して除去することが好ましい。
【0034】[水系媒体の環境変化]水系媒体の環境の
変化とは、核酸チップ上に固定された核酸断片と試料核
酸断片とのハイブリダイズを水系媒体中で実施するが、
二本鎖形成後に解離していく場合および固定核酸断片と
試料核酸断片とが二本鎖を形成していく場合の両方を含
めて、二本鎖の結合状態に影響を与える水系媒体の物理
的もしくは化学的な環境因子の変化をいう。具体的に
は、温度の変化(温度上昇あるいは温度低下)、イオン
強度の変化(イオン強度の上昇もしくは下降)、pH変
化(pH値の上昇もしくは下降)、有機溶媒の添加、尿
素の添加などを挙げることができる。特に、特定の塩基
配列を有する二本鎖については、その融解温度(Tm)
が知られている。水系媒体としては、クエン酸緩衝液、
リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩
衝液等の一般的な緩衝液、これらの緩衝液に電解質を添
加したもの、あるいはさらに、ジメチルスルホキシドの
ような二本鎖の結合状態に影響を与えない有機溶媒を添
加したものを用いることが好ましい。
【0035】水系媒体の環境因子の変化の範囲は、温度
については、核酸断片の凝固や核酸断片の高次立体構造
の変化から、4乃至100℃の範囲にあることが好まし
く、5乃至45℃の範囲にあることがさらに好ましく、
15乃至45℃の範囲にあることが特に好ましい。イオ
ン強度については、緩衝液に添加する電解質(例えば、
塩化カリウム)の濃度が0乃至2.0Mの範囲にあるこ
とが好ましく、0.1乃至0.9Mの範囲にあることが
さらに好ましく、0.3乃至0.7Mの範囲にあること
が特に好ましい。
【0036】水系媒体の環境因子の変化の別の例として
は、核酸チップ上のプローブ分子の周囲の水系媒体に電
気泳動的電位を付与し、これを変化させる方法を挙げる
ことができる。すなわち、試料となる核酸断片はアニオ
ン性を示す化合物であることから、これを電気的勾配の
ある環境下におくと、その電気的勾配に沿って、移動す
る力が働く。この核酸断片の移動は通常、プローブ分
子、核酸断片そして標識付きインターカレータからなる
核酸複合体からの核酸断片(試料核酸断片または参照核
酸断片)の脱離を促進する。そして、核酸複合体中の結
合力が強いフルマッチ構造の核酸複合体からの相補性の
高い核酸断片の脱離に比べて、核酸複合体中の結合力が
相対的に弱いミスマッチ構造の核酸複合体からの部分相
補性の核酸断片の脱離は、電気的勾配の小さい段階(電
気泳動的電位の弱い段階)で開始される。
【0037】従って、核酸チップの表面に形成された核
酸複合体(試料核酸複合体もしくは参照核酸複合体)の
周囲に電気的勾配(電気泳動的電位)を付与し、この電
気的勾配を連続的にあるいは、間欠的に変化させ、同時
に、その変化に応じた核酸チップ上の標識量の変化(減
少)を測定することにより、核酸断片の脱離の進行状況
を確認することができる。そして、参照核酸複合体から
の参照核酸断片の脱離の進行状況を示す電気泳動的電位
の変化と核酸チップ上の標識量の変化との関係と、試料
核酸複合体からの試料核酸断片の脱離の進行状況を示す
とを、電気泳動的電位の変化と核酸チップ上の標識量の
変化との関係とを比較することによって、試料核酸断片
の相補性を検定することができる。
【0038】核酸チップの周囲での電気的勾配の付与
は、核酸複合体からの核酸断片の脱離のみではなく、核
酸チップの表面で発生するプローブ分子と核酸断片との
間でのハイブリダイゼーションのしやすさ(二本鎖構造
体の形成の容易さ)にも当然影響する。従って、前記の
水系媒体の環境変化と、核酸断片の標識インターカレー
タの存在下におけるプローブ分子とのハイブリダイゼー
ションの進行状況との関係を利用する前記(ロ)のよう
な検定方法の実施に際しても、この電気的勾配(電気泳
動的電位)の変化を利用することができる。
【0039】上記の核酸チップ附近での電気的勾配(電
気泳動的電位)の変化は、例えば、導電性インターカレ
ータを用いる電気化学的検出方法を実施する場合には、
核酸チップの基板として用いられる電極と、その電極と
水系媒体を介して接触するように用意されている対電極
との間に電気的勾配を形成する方法を利用して実現する
ことができる。また、蛍光インターカレータを用いる方
法には、核酸チップの基板に一方の電極を付設し、そし
て同じ水系媒体中に対電極を接触させることによって、
電気的勾配を形成することができる。また、核酸チップ
の基板(固相担体)とは独立に、核酸チップの周囲に一
対の電極を配置して電気的勾配を形成することも可能で
ある。
【0040】[検定対象の試料核酸断片]検定対象の核
酸断片試料としては通常、その配列や機能が未知である
DNA断片試料あるいはRNA断片試料を用いる。試料
核酸断片は、遺伝子発現を調べる目的では、真核生物の
細胞や組織サンプルから単離することが好ましい。試料
がゲノムならば、赤血球を除く任意の組織サンプルから
単離することが好ましい。赤血球を除く任意の組織は、
末梢血液リンパ球、皮膚、毛髪、精液等であることが好
ましい。試料がmRNAならば、mRNAが発現される
組織サンプルから抽出することが好ましい。mRNA
は、逆転写反応によりcDNAとすることが好ましい。
1回のハイブリダイゼーションに必要なmRNA量とし
ては、測定条件によって異なるが、数μg以下を用いる
ことが好ましい。核酸チップ上の核酸断片がオリゴDN
Aである場合には、試料核酸断片は低分子化しておくこ
とが望ましい。
【0041】[標識付きインターカレータ]標識付きイ
ンターカレータとしては、該インターカレータが二本鎖
核酸断片に取り込まれた後、そのインターカレータの標
識量を測定できるものであれば、何れの標識が付された
ものであってもよいが、標識は、導電性標識もしくは蛍
光標識であることがさらに好ましく、導電性標識である
ことが特に好ましい。
【0042】導電性標識付きインターカレータ(すなわ
ち、導電性インターカレータ)としては、特開平9−2
88080号公報、特願平11−159339号の明細
書および文献(J.Chem.Soc.Commun.,1111(1998))に記
載のインターカレータを用いることができる。導電性イ
ンターカレータとしては、特に、下記一般式(I)及び
一般式(II)で表されるものが好ましく用いることが
できる。一般式(I)で表されるインターカレータは、
印加電圧が400乃至600mVの範囲にピーク電流値
を有する特徴を持つ。
【0043】
【化1】
【0044】上記式中、N−置換−イミノ基は、縫い込
み型インターカレータに可溶性を付与する基であり、R
およびR1は、互いに独立に、水素原子、そして、置換
基を有していてもよい炭素原子数が1乃至3のアルキル
基、炭素原子数が2乃至4のアシル基、炭素原子数が6
乃至20のアリール基および炭素原子数が1乃至3のア
ルキル基を有する炭素原子数が7乃至23のアラルキル
基からなる群より選ばれる原子もしくは基を表す。炭素
原子数が1乃至3のアルキル基としては、メチル基もし
くはエチル基であることが好ましく、メチル基であるこ
とが特に好ましい。炭素原子数が2乃至4のアシル基と
しては、アセチル基であることが好ましい。炭素原子数
が6乃至20のアリール基としては、フェニル基もしく
はナフチル基であることが好ましく、フェニル基である
ことが特に好ましい。炭素原子数が1乃至3のアルキル
基を有する炭素原子数が7乃至23のアラルキル基とし
ては、ベンジル基であることが好ましい。RおよびR1
は、同一の原子もしくは基であることが好ましく、メチ
ル基であることが特に好ましい。
【0045】置換基としては、ヒドロキシル基、ハロゲ
ン原子(F、Cl、Br等)、カルボキシル基、炭素原
子数が1乃至6のアルキル基、炭素原子数が1乃至6の
アルキルアミノ基、炭素原子数が1乃至6のハロゲン化
アルキル基、炭素原子数が6乃至12のアリール基、お
よび炭素原子数が1乃至6のアルコキシ基からなる群よ
り選ばれる原子もしくは基を挙げることができる。置換
基の数は、炭素原子数が1乃至6のアルキル基、炭素原
子数が1乃至6のアルキルアミノ基、炭素原子数が1乃
至6のハロゲン化アルキル基、あるいは炭素原子数が1
乃至6のアルコキシ基については、1乃至12個である
ことが好ましく、1乃至3個であることさらに好まし
く、1個であることが特に好ましい。炭素原子数が6乃
至12のアリール基については、その数は1乃至7個で
あることが好ましく、1乃至3個であることがさらに好
ましく、1個であることが特に好ましい。
【0046】YおよびY1は、互いに独立に、−NH−
CO−基もしくは−CO−NH−基を表し、−NH−C
O−基であることが好ましい。これらの基のカルボニル
基もしくはイミノ基が、それぞれ、EおよびE1と結合
する。
【0047】EおよびE1は、互いに独立に、一つの結
合手を有するフェロセンを表す。当該フェロセンは、置
換基を有していても有していなくてもよい。置換基を有
している場合には、同一であることが好ましい。以下
に、置換基を有するフェロセンの具体例を示す。置換基
の位置は、シクロペンタジエニル基の何れの位置であっ
てもよい。
【0048】
【化2】
【0049】XおよびZは、互いに独立に、水素原子、
ハロゲン原子、あるいは炭素原子数1乃至6のアルキル
基を表すが、水素原子であることが好ましい。炭素原子
数1乃至6のアルキル基の好ましい例としては、前記記
載のR(もしくはR1)と同様である。
【0050】m、n、kおよびpは、縫い込み型インタ
ーカレータのリンカー部分の長さを決定するものであ
り、各々、1乃至6の整数を表す。但し、mとnとの
和、およびkとpとの和は、各々、4乃至8である。m
とk、およびnとpとは、それぞれ、同一の数であるこ
とが好ましく、m、n、kおよびpは、何れも3である
ことが特に好ましい。
【0051】上述の導電性標識付きインターカレータ
は、例えば、特開平9−288080号公報に記載の方
法によって簡便に収率良く製造することができる。
【0052】次に、一般式(II)で表される導電性イ
ンターカレータを示す。この導電性インターカレータ
は、印加電圧100乃至400mVの範囲にピーク電流
値を有する性質を持つ。
【0053】
【化3】Ea−La−X−Lb−Eb −− (II)
【0054】上記の導電性縫い込み型インターカレータ
として特に有利に用いられる化合物は、下記式(IV)
で表わされる化合物である。
【0055】
【化4】 Ea−L1a−L2a−X−L2b−L1b−Eb −− (IV)
【0056】式(II)と式(IV)において、Xは、
置換基を有していてもよい二価の環状基を表す。二価の
環状基としては、平面性を有する環状基であることが好
ましく、二つの窒素原子に結合手を有するナフタレンジ
イミド基、2位と6位、もしくは1位と5位(好ましく
は2位と6位)とに結合手を有するアントラセン基、ア
ントラセン基と同じ位置に結合手を有するアントラキノ
ン基、2位と6位とに結合手を有するフルオレン基、2
位と6位とに結合手を有するビフェニレン基、2位と7
位とに結合手を有するフェナントレン基、および2位と
7位とに結合手を有するピレン基からなる群より選ばれ
る環状基であることが好ましく、二つの窒素原子に結合
手を有するナフタレンジイミド基であることが特に好ま
しい。置換基としては、水素原子、ハロゲン原子(F、
Cl、Br等)、あるいは炭素原子数1乃至6のアルキ
ル基であることが好ましいが、水素原子であることが好
ましい。炭素原子数1乃至6のアルキル基としては、メ
チル基、エチル基、もしくはn−プロピル基であること
が好ましい。
【0057】前記式において、LaおよびLbは、互いに
独立に、それぞれがEaおよびEbの共役系が延長される
共役系を形成することのない連結基であって、少なくと
も一方の連結基が、本化合物に水溶性を付与する部位を
有する連結基もしくは水溶性を付与する部位に変換し得
る部位を有する連結基である。ここで、「水溶性を付与
する部位に変換し得る部位」とは、たとえば、メチル基
を置換基として有するイミノ基のように、硫酸などの酸
と接触した場合に、硫酸塩部位に変換され、水溶性を示
すように変化する部位を有する。勿論、「本化合物に水
溶性を付与する部位」に塩部分のような荷電部分を持っ
ていてもよい。
【0058】LaおよびLbは、互いに独立に、Eaおよ
びEbに隣接する側に、置換基を有していてもよい炭化
水素基(前記式のL1aとL1bに相当する基)を有し、一
方、Xに隣接する側に炭素元素以外の元素を含む連結基
(前記式のL2aとL2bに相当する基)とからなる連結基
であることが好ましい。従って、LaおよびLbは、それ
ぞれ、前記式の−L1a−L2a−、そして−L2b−L1b
に該当する連結基であることが望ましい。ここで、L1a
とL1bは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭
素原子数が1乃至6のアルキレン基あるいは置換基を有
していてもよい炭素原子数が2乃至6のアルケニレン基
であることが好ましく、一方、L2aとL2bとは、互いに
独立に、N、O、もしくはSを含む連結基であることが
望ましい。
【0059】L1aおよびL1bの置換基としては、ヒドロ
キシル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミノ基、
シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ホルミルアミノ基、
炭素原子数が1乃至6のアルキル基、炭素原子数が1乃
至6のアルキルアミノ基、炭素原子数が1乃至6のハロ
ゲン化アルキル基、炭素原子数が5乃至7のシクロアル
キルアミノ基、炭素原子数が2乃至12のジアルキルア
ミノ基、炭素原子数が6乃至12のアリール基、炭素原
子数が1乃至6のアルキル基を有する炭素原子数が7乃
至18のアラルキル基、1乃至6のアルキル基を有する
炭素原子数が7乃至18のアラルキルアミノ基、炭素原
子数が2乃至7のアルカノイル基、炭素原子数が2乃至
7のアルカノイルアミノ基、炭素原子数が3乃至10の
N−アルカノイル−N−アルキルアミノ基、アミノカル
ボニル基、炭素原子数が2乃至7のアルコキシカルボニ
ル基、S、NおよびOからなる群より選ばれるヘテロ原
子を1乃至4個含む炭素原子数2乃至10の複素環基、
並びに置換基として炭素原子数1乃至6のアルキル基、
炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、もしくはハロゲン
原子を1乃至5個有していてもよい環構成炭素原子数の
数が6乃至12のアリール基からなる群より選ばれる原
子もしくは基である。置換基の数は、炭素原子数が1乃
至6のアルキレン基では、1乃至12個であることが好
ましく、1乃至3個であることが特に好ましい。炭素原
子数が1乃至6のアルケニレン基については、その数は
1乃至10個であることが好ましく、1乃至3個である
ことが特に好ましい。
【0060】L2aとL2bとは、互いに独立に、それぞ
れ、置換基を有していてもよい、アミド結合基、エステ
ル結合基、エーテル結合基、チオエーテル結合基、ジイ
ミド結合基、チオジイミド結合基、チオアミド結合基、
イミノ結合基、カルボニル結合基、チオカルボニル結合
基および1,4−ピペラジニル基からなる群より選ばれ
る基を一個もしくは複数個含む連結基であることが好ま
しく、特に好ましいのはアミド基(−NHCO−基、も
しくは−CONH−基)である。
【0061】L2aとL2bの置換基の例としては、炭素原
子数が1乃至3のアルキル基、炭素原子数が2乃至4の
アシル基、炭素原子数が6乃至20のアリール基および
炭素原子数が1乃至3のアルキル基を有する炭素原子数
が7乃至23のアラルキル基からなる群より選ばれる基
で置換されていてもよい。炭素原子数が1乃至3のアル
キル基としては、メチル基もしくはエチル基であること
が好ましく、メチル基であることが特に好ましい。炭素
原子数が2乃至4のアシル基としては、アセチル基であ
ることが好ましい。炭素原子数が6乃至20のアリール
基としては、フェニル基もしくはナフチル基であること
が好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。炭
素原子数が1乃至3のアルキル基を有する炭素原子数が
7乃至23のアラルキル基としては、ベンジル基である
ことが好ましい。
【0062】L2aとL2bがイミノ結合基である場合、そ
の置換基としては、メチル基であることが特に好まし
い。従って、L2aとL2bは、それぞれ独立に、N−メチ
ル−ジ(n−プロピレニル)イミノ基、1,4−ジ(n
−プロピレニル)−ピペラジニル基であることがさらに
好ましく、N−メチル−ジ(n−プロピレニル)イミノ
基であることが特に好ましい。
【0063】EaおよびEbは、酸化還元活性を有し、こ
れによって導電性を付与する基であり、互いに独立に、
置換基を有していてもよい、一つ以上の結合手を持つメ
タロセン、2,2’−ビピリジン錯体、シクロブタジエ
ン錯体、シクロペンタジエニル錯体、1,10−フェナ
ントロリン錯体、トリフェニルホスフィン錯体、カテコ
ールアミン、あるいはビオローゲンなどであることが好
ましい。置換基を有していてもよい一つの結合手を持つ
フェロセンであることが特に好ましい。EaおよびEb
互いに同一の基であることが好ましい。次に、置換基を
有するフェロセンの具体例を示す。置換基の位置は、シ
クロペンタジエニル基の何れの位置であってもよい。
【0064】
【化5】
【0065】前記式(II)及び(IV)の縫い込み型
インターカレータとして有利に用いることのできる化合
物は、例えば、公知のジアミン化合物を原料として、公
知の方法(特開平9−288080号公報)に準じる製
造方法によって簡便に製造することができる。
【0066】次に、蛍光標識付きインターカレータ(以
下、「蛍光インターカレータ」という)について説明す
る。蛍光インターカレータは、水溶性縫い込み型蛍光イ
ンターカレータであって、その一般式(V)および(V
I)を下記に示す。下記式で表される蛍光インターカレ
ータは蛍光性基(F)を有する。
【0067】
【化6】F − La − X −−−(V) F−La−X−Lb−Z −−−(VI)
【0068】[但し、Fは蛍光性基、Xは環状基、そし
てLaは連結基であって、少なくともXとLaのいずれ
かは、該インターカレータに、水溶性を付与できるか、
あるいは水溶性を付与できる基に変換し得る部位を有す
る。なお、Zは非蛍光性基、そしてLbは連結基であ
る]。
【0069】上記式中、Xは、本発明の蛍光インターカ
レータのコア部分であり、置換基を有していてもよい一
価もしくは二価の環状基を表す。環状基としては、平面
性を有する環状基であることが好ましく、窒素原子に結
合手を有するナフタレンジイミド基、2位、6位、1位
もしくは5位(好ましくは、2位もしくは6位)に結合
手を有するアントラセン基、アントラセン基と同じ位置
に結合手を有するアントラキノン基、2位もしくは6位
に結合手を有するフルオレン基、2位ともしくは6位に
結合手を有するビフェニレン基、2位もしくは7位に結
合手を有するフェナントレン基、および2位もしくは7
位に結合手を有するピレン基からなる群より選ばれる環
状基であることが好ましく、二つの窒素原子に結合手を
有するナフタレンジイミド基であることが特に好まし
い。置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、
I等)、あるいは炭素原子数が1乃至6のアルキル基で
あることが好ましいが、水素原子であることが好まし
い。炭素原子数が1乃至6のアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、もしくはn−プロピル基であることが
好ましい。
【0070】Xの具体例を下記に示す。*印は、結合手
の位置を示す。
【0071】
【化7】
【0072】Fは、蛍光性基(一つの結合手を有する蛍
光発生基)を表す。蛍光発生基は、特定の波長、例え
ば、波長が400乃至700nmの範囲(好ましくは、
400乃至550nmの範囲)にある励起光の照射によ
って蛍光を発する基であることが好ましい。このような
蛍光発生基となる化合物としては、インドシアニン系化
合物、アザインドレニンシアニン系化合物、アクリジン
系化合物、および溝結合型化合物(groove binder)を
挙げることができる。ここで、溝結合型化合物とは、一
般的に、その分子内に四級カチオン性基を有し、そのカ
チオン性基の存在によって、二本鎖核酸断片のリン酸エ
ステル基のアニオンと強く相互作用する化合物をいう。
溝結合型化合物は、そのコア部分(X)と蛍光性基
(F)とが塩基対を介して積層した状態で二本鎖核酸断
片に結合する。なお、「結合」とは、一定の速度で、蛍
光インターカレータの二本鎖核酸断片の塩基対間への挿
入、および塩基対間からの離脱が繰り返されている状態
をいう。
【0073】下記に、インドシアニン系化合物、アザイ
ンドレニンシアニン系化合物、アクリジン系化合物、お
よび溝結合型化合物の具体例をこの順に、一つの結合手
を有する構造として示す。結合手の位置を*印で示す。
【0074】
【化8】
【0075】
【化9】
【0076】
【化10】
【0077】
【化11】
【0078】
【化12】
【0079】
【化13】
【0080】
【化14】
【0081】
【化15】
【0082】上記式中、Aは、酸素原子あるいはイオウ
原子を示す。
【0083】
【化16】
【0084】LaおよびLbは、互いに独立に、蛍光イ
ンターカレータに可溶性を付与する基を含む二価の連結
基であることが好ましく、その直鎖部分が炭素原子数が
3乃至10の炭化水素基に相当する長さを有する基を持
つことが好ましい。ここで、直鎖部分とは、Laに関し
ては、その一方の端部がコア部分(X)と縮合し、かつ
他方の端部がFと縮合する部分、Lbに関しては、その
一方の端部がコア部分(X)と縮合し、かつ他方の端部
がZと縮合する部分をいう。LaとLbは、蛍光インタ
ーカレータの調製の都合上、互いに同一の基であること
が好ましい。なお、Laは、二価の連結基中に、アルキ
レン基と窒素原子を有する二価の基とを含む連結基であ
ることがさらに好ましい。窒素原子を有する二価の基
は、Laの直鎖部分に含むことが好ましい。窒素原子を
有する二価の基としては、イミノ基、1,4−ピペラジ
ニル基、1,3−イミダゾリジニル基、ピロリジニル
基、二価のピラゾリジニル基、あるいは二価のピペリジ
ニル基であることが好ましく、イミノ基、あるいは1,
4−ピペラジニル基であることが特に好ましい。
【0085】窒素原子は、炭素原子数が1乃至3のアル
キル基、炭素原子数が2乃至4のアシル基、炭素原子数
が6乃至20のアリール基および炭素原子数が1乃至3
のアルキル基を有する炭素原子数が7乃至23のアラル
キル基からなる群より選ばれる基で置換されていてもよ
い。炭素原子数が1乃至3のアルキル基としては、メチ
ル基もしくはエチル基であることが好ましく、メチル基
であることが特に好ましい。炭素原子数が2乃至4のア
シル基としては、アセチル基であることが好ましい。炭
素原子数が6乃至20のアリール基としては、フェニル
基もしくはナフチル基であることが好ましく、フェニル
基であることが特に好ましい。炭素原子数が1乃至3の
アルキル基を有する炭素原子数が7乃至23のアラルキ
ル基としては、ベンジル基であることが好ましい。イミ
ノ基の置換基としては、メチル基であることが特に好ま
しい。従って、La(もしくはLb)は、N−メチル−
ジ(n−プロピレニル)イミノ基、1,4−ジ(n−プ
ロピレニル)−ピペラジニル基であることがさらに好ま
しく、N−メチル−ジ(n−プロピレニル)イミノ基で
あることが特に好ましい。
【0086】LaおよびLbは、イミノ基、チオエーテ
ル基、カルボニルオキシ基、チオカルボニルオキシ基も
しくはカルボニル基を含むことがより好ましく、イミノ
基、チオエーテル基もしくはカルボニル基を含むことが
さらに好ましく、イミノ基を含むことが特に好ましい。
【0087】Zは、非蛍光性基を表し、アミノ基、カル
ボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン
酸基、ヒドラジノ基、カルバモイル基、水酸基、イミノ
基およびメルカプト基からなる群より選ばれる基である
ことが好ましく、アミノ基、カルボン酸基、スルホン酸
基あるいはメルカプト基であることがより好ましく、ア
ミノ基であることが特に好ましい。
【0088】上記の蛍光インターカレータは、一般的に
水性溶媒条件下で用いられるため、水溶性であることが
必要とされる。インターカレータに水溶性を付与するた
めには、前記記載のように、X、LaあるいはLbに可
溶性を付与する基を含めることも好ましいが、インター
カレータの塩として用いてもよい。塩としては、塩酸
塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化
水素酸塩等の無機塩との酸付加塩、あるいは酢酸塩、シ
ュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フ
マル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸
塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸との付加塩、または
ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウ
ム塩等の無機塩類、あるいはピリジン塩、アンモニウム
塩、トリエチルアミン塩、エタノールアミン塩等の有機
塩類を挙げることができる。
【0089】上記の蛍光インターカレータは、公知の方
法(特開平9−288080号公報に記載の方法)と類
似の製法を利用して簡便に製造することができる。この
方法では、蛍光性基が二つ導入されたものも得られる
が、反応条件を変えて、あるいは反応生成物の分離精製
を行って本発明の蛍光インターカレータのみを得ること
ができる。
【0090】上記の蛍光インターカレータの他にも、文
献(Bull.Chem.Soc.Jpn.,72,327-337(1999))に記載の
蛍光インターカレータも好ましく用いることができる。
【0091】[ハイブリダイゼーション]ハイブリダイ
ゼーションは、水系媒体の物理的もしくは化学的な環境
因子を連続的に変化させながら、水系媒体と標識付きイ
ンターカレータの存在下にて実施する。水系媒体の因子
を変化させる開始時点は、二本鎖が解離する方向に該環
境因子を働かせる場合には、二本鎖形成後、二本鎖を形
成させる方向に該環境因子を働かせる場合には、反応開
始時であることがそれぞれ好ましい。標識付きインター
カレータは、10nM乃至10mMの濃度範囲にて用い
ることが好ましい。ハイブリダイゼーションは、室温乃
至70℃の温度範囲で、そして0.5乃至20時間の範
囲で実施することが好ましい。ハイブリダイゼーション
終了後、界面活性剤(好ましくは、ドデシル硫酸ナトリ
ウム)と緩衝液(好ましくは、クエン酸緩衝液)との混
合溶液を用いて洗浄を行い、未反応の試料核酸断片を除
去することが好ましい。
【0092】[固相担体上の標識量の検出]二本鎖の結
合状態は、二本鎖核酸断片に取り込まれた標識付きイン
ターカレータの量を測定することによって検出できる。
即ち、インターカレータの標識に由来する信号である、
酸化還元電流、蛍光強度、発光、消光、蛍光偏光等をそ
れぞれの信号に対応した測定装置を用いて測定すること
により、取り込まれているインターカレータを定量する
ことができる。酸化還元電流の測定は、サイクリックボ
ルタモグラフィー、デファレンシャルパルスボルタモグ
ラフィー、ポテンショスタット、リニアスィープボルタ
モグラフィー等によって行うことが好ましく、蛍光強度
の測定には、蛍光レーザースキャナー法や冷却CCD
(電荷結合素子)法によって行なうことが好ましい。
【0093】本発明の検定方法で得られた標識量の評価
方法は、一つに限定されるものではないが、下記に例を
挙げる。試料核酸断片とのハイブリダイズを行わず、核
酸チップに標識付きインターカレータを接触させる条件
下での標識量(バックグラウンド値)を予め求めてお
き、本発明の検定方法で得られた標識量と前者との差を
補正標識量とする。さらに、前述した検定方法の工程
(A)および工程(B)の初期段階でそれぞれ得られる
各補正標識量を互いに調整して、真の標識量として評価
する。つまり、例えば、水系媒体の因子の影響がなくて
も、あるいはほとんど影響がない段階でも、完全な二本
鎖核酸断片に取り込まれる標識量と、部分相補的な二本
鎖核酸断片に取り込まれる標識量とでは異なるため、こ
の差を調整する必要がある。
【0094】
【実施例】[実施例1] (1)核酸チップの作製 面積が2mm2の金電極を2N水酸化ナトリウム水溶液
中に1時間浸積し、次いで超純水で洗浄後、濃硝酸に浸
して、15分間攪拌した。この金電極を超純水で洗浄
後、金電極表面に、アデニンの20量体の5’末端にメ
ルカプトヘキシル基を結合させたオリゴヌクレオチド
(HS−dA20)の水溶液1.0μL(10ピコモル/
μL)を点着し、2時間放置後、超純水で洗浄して、該
dA20がプローブ分子として表面に結合している核酸チ
ップを作製した。なお、dA20およびHS−dA20の調
製は、特開平9−288080号公報および文献(B.A.
Connolly,Nucleic Acids Res.,13,4484(1985))の記載
の方法に従って行った。
【0095】(2)電極のマスク処理 核酸チップの表面に、2−メルカプトエタノールの水溶
液1μL(1mM)を滴下し、次いで該チップにキャッ
プをして2時間放置し、超純水で洗浄した。 (3)参照DNA断片の調製 参照用のDNA断片dT20は、特開平9−288080
号公報に記載の方法に従って合成した。 (4)プローブ分子と参照DNA断片とのハイブリダイ
ゼーション 上記(3)の参照DNA断片dT20の水溶液1μL(2
0ピコモル/μL)を核酸チップ表面に点着し、20℃
で30分間放置した。
【0096】(5)標識量の測定 恒温セルを用いて、温度を15乃至45℃の範囲で変化
させながら、下記式で表される導電性標識付きインター
カレータ(50μM)を含む電解質溶液(0.1M酢酸
/酢酸カリウム水溶液(pH5.6)−0.1M塩化カ
リウム水溶液の混合液)中に、上記(4)で得られたハ
イブリダイゼーション後のチップ(作用極)、白金(対
極)、および銀/塩化銀参照電極を浸して三電極を形成
させ、各温度でのデファレンシャルパルスボルタモグラ
フを測定し、460mVにおけるピーク電流値を求めた
(図3の−△−)。図3には、温度の変化に対するピー
ク電流値の関係を示す。なお、20℃におけるピーク電
流値は、参照DNA断片を存在させない以外は上記と同
様の操作を行なって得られるピーク電流値と比べ、3
7.3%変化していた。
【0097】
【化17】
【0098】次に、dT8dA4dT8(部分相補性DN
A断片)を試料DNA断片として用いる以外は上記と同
様にして、460mVにおけるピーク電流値を求めた
(図3の−○−)。なお、20℃におけるピーク電流値
は、試料DNA断片を存在させない以外は同様の操作を
行って得られるピーク電流値と比べ、15.1%変化し
ていた。
【0099】図3より、二本鎖核酸断片が完全相補性で
ある場合(dA20−dT20)には、ピーク電流値が、3
0乃至40℃の温度範囲で急激に変化しているのに対
し、二本鎖核酸断片が部分相補性である場合(dA20
dT8dA4dT8)には、より低い20乃至30℃の温
度範囲で急激に変化していることが分かる。この挙動の
差によって、二本鎖核酸断片の結合状態が部分相補的で
あるか否か、即ち、試料核酸断片が、プローブ分子(d
20)について、塩基配列において部分的に同一性を有
する核酸断片であることを検出することができる。
【0100】[実施例2] (1)核酸チップの作製 面積が2.25mm2の金電極を2N水酸化ナトリウム
水溶液中に1時間浸積し、次いで超純水で洗浄後、濃硝
酸に浸して、15分間攪拌した。この金電極を超純水で
洗浄後、金電極表面に、アデニンの20量体の5’末端
にメルカプトヘキシル基を結合させたオリゴヌクレオチ
ド(HS−dA20)の水溶液2.0μL(100ピコモ
ル/μL)を点着し、1時間放置した後、超純水で洗浄
して、該dA20がプローブ分子として表面に結合してい
る核酸チップを作製した。滴下した水溶液中のHS−d
20の濃度変化をHPLCを用いて測定し、この値から
電極表面に固定されたHS−dA20の量を計算した結
果、固定量は20ピコモルであった。
【0101】(2)電極のマスク処理 核酸チップの表面に、2−メルカプトエタノールの水溶
液1μL(1mM)を滴下し、次いで該チップにキャッ
プをして2時間放置し、超純水で洗浄した。 (3)参照DNA断片および試料DNA断片 参照DNA断片(dT20)と試料DNA断片(dT9
1dT10:部分相補性)とを用意した。 (4)プローブ分子とDNA断片とのハイブリダイゼー
ション 上記の参照DNA断片(dT20)及び試料DNA断片
(dT9dA1dT10)のいずれかを含む水溶液2μL
(70ピコモル/μL:10mMトリスバッファー、p
H7.5)を上記の核酸チップ表面に点着し、点着水溶
液が蒸発しないようにカバーして、25℃で20分間イ
ンキュベートした。インキュベート終了後、電極表面を
0.1Mリン酸二水素ナトリウム/リン酸水素二ナトリ
ウム水溶液(pH7.0)を用いて洗浄し、未固定の核
酸断片を除去した。
【0102】(5)標識量の測定 恒温セルを用いて、温度を5乃至45℃の範囲で10℃
ずつ変化させながら、下記式で表される導電性標識付き
インターカレータ(50μM)を含む電解質溶液(0.
1M酢酸/酢酸カリウム水溶液、pH5.6)中に、上
記(4)で得られたハイブリダイゼーション後のチップ
(作用極)、白金(対極)、および銀/塩化銀参照電極
を浸して三電極を形成させ、各温度でのデファレンシャ
ルパルスボルタモグラフィー(DPV)を測定した。測
定は、パルス振幅50mV、パルス幅50mS、スキャ
ン速度100mV/秒にて実施した。
【0103】
【化18】
【0104】各温度におけるDPV測定の応答ピーク電
流値を測定した結果、フルマッチ構造(dA20/d
20)をとる参照核酸断片の場合には、応答ピーク電流
が35〜45℃の間で急激に変化(低下)したのに対し
て、ミスマッチ構造(dA20/dT9dA1dT10)をと
る試料核酸断片の場合には、応答ピーク電流は25〜3
5℃の間で急激に変化(低下)した。従って、この変化
温度の差を検出することによって、試料核酸断片の相補
性を検定することができる。
【0105】[実施例3] (1)核酸チップの作製乃至(4)ハイブリダイゼーシ
ョン 実施例2と同様にして行なった。
【0106】(5)標識量の測定 25℃恒温セルを用いて、導電性標識付きインターカレ
ータ(実施例2で使用したものと同じ化合物、50μ
M)を含む電解質溶液(0.1M酢酸/酢酸カリウム水
溶液、pH5.6)中に、ハイブリダイゼーション後の
チップ(作用極、負極)、白金(対極、正極)、および
銀/塩化銀参照電極を浸して三電極を形成させた。負極
と正極との間での電気的勾配(電位)を、0.0Vから
1.6Vまで、0.2Vずつ変化させ、その都度、デフ
ァレンシャルパルスボルンメトリー測定(DPV)を行
なった。この測定は、パルス振幅50mV、パルス幅5
0mS、スキャン速度100mV/秒にて実施した。
【0107】各電気的勾配の設定後、DPB測定で得ら
れる応答ピーク電流値を測定したところ、フルマッチ構
造(dA20/dT20)の参照核酸断片の場合では、電気
的勾配を1.2Vに設定したのちに応答ピーク電流が急
激に変化(低下)したのに対して、ミスマッチ構造(d
20/dT9dA1dT10)をとる試料核酸断片の場合に
は、応答ピーク電流は電気的勾配0.8Vにて急激に変
化(低下)した。従って、この電気的勾配値の差を検出
することによって、試料核酸断片の相補性を検定するこ
とができる。
【0108】[実施例4] (1)核酸チップの作製乃至(4)ハイブリダイゼーシ
ョン 実施例2と同様にして行なった。
【0109】(5)標識量の測定 25℃恒温セルを用いて、導電性標識付きインターカレ
ータ(実施例2で使用したものと同じ化合物、50μ
M)を含む電解質溶液(0.1M酢酸/塩化カリウム水
溶液、pH5.6)中に、ハイブリダイゼーション後の
チップ(作用極、負極)、白金(対極、正極)、および
銀/塩化銀参照電極を浸して三電極を形成させた。この
電解質溶液の塩化カリウム濃度を0.6Mから0.0M
まで0.1Mずつ変化させ、その都度、デファレンシャ
ルパルスボルンメトリー測定(DPV)を行なった。こ
の測定は、パルス振幅50mV、パルス幅50mS、ス
キャン速度100mV/秒にて実施した。
【0110】各イオン強度(塩化カリウムの濃度)の設
定後、DPB測定で得られる応答ピーク電流値を測定し
たところ、フルマッチ構造(dA20/dT20)の参照核
酸断片の場合では、塩化カリウムの濃度が0.1〜0.
0Mの間で、応答ピーク電流が急激に変化(低下)した
のに対して、ミスマッチ構造(dA20/dT9dA1dT
10)をとる試料核酸断片の場合には、応答ピーク電流
は、塩化カリウムの濃度が0.2〜0.1Mの間で急激
に変化(低下)した。従って、この塩化カリウム濃度
(イオン強度)の差を検出することによって、試料核酸
断片の相補性を検定することができる。
【0111】
【発明の効果】本発明の核酸断片の相補性の検定方法で
は、核酸チップに固定されたプローブ分子に対する試料
核酸断片の相補性を、水系媒体の物理的もしくは化学的
な環境因子を変化させることによって検定することが可
能となる。従って、本発明の方法は、試料中の塩基置換
を伴う異常遺伝子を検定するのに有効な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハイブリダイゼーションの条件によって二本鎖
構造あるいは一本鎖構造をとる様子を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の塩基配列の相補性を検定する方法
(1)の工程(A)及び工程(B)を示す模式図であ
る。
【図3】水系媒体の環境因子の変化として温度変化を利
用することにより、塩基配列の相補性を検定することが
可能であることを示すグラフ(実施例1で得られたグラ
フ)である。
【符号の説明】
11 基板 21 核酸断片 31 参照遊離核酸断片 32 試料遊離核酸断片 41 標識付きインターカレータ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/566 33/532 33/58 A 33/566 37/00 101 33/58 102 37/00 101 C12M 1/00 A 102 C12N 15/00 A // C12M 1/00 F G01N 27/30 351 (72)発明者 小川 雅司 東京都港区西麻布2丁目26番30号 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 高木 誠 福岡県福岡市博多区昭南町3−4−29 (72)発明者 竹中 繁織 福岡県古賀市舞の里4−23−21 (72)発明者 山下 健一 福岡県福岡市城南区堤団地17−104

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プローブ分子に対する試料核酸断片の相
    補性を検定するための、下記の工程を含む方法: (1a)固相担体に固定された核酸もしくは核酸誘導体
    からなるプローブ分子と、試料核酸断片との水系媒体の
    存在下での接触により、ハイブリダイゼーションを介し
    て形成された二本鎖構造体に、標識付きインターカレー
    タが挿入固定されてなる試料核酸複合体を水系媒体に接
    触させる工程; (2a)試料核酸複合体と接触下にある上記水系媒体に
    物理的もしくは化学的な環境変化を付与し、その環境変
    化に起因して発生する該試料核酸複合体からの試料核酸
    断片の脱離を、該脱離に併行する標識付きインターカレ
    ータの脱離により発生する固相担体上の標識量の減少を
    測定することによって検知して、試料核酸断片の試料核
    酸複合体中における安定性のデータを得る工程;そして (3a)別に用意した、前記のプローブ分子に対する相
    補性が確認されている参照核酸断片、前記の標識付きイ
    ンターカレータ、そして該プローブ分子からなる参照核
    酸複合体の、上記工程(2a)で用いた環境変化に対す
    る安定性を示すデータと、上記工程(2a)で得られた
    安定性データとを比較する工程。
  2. 【請求項2】 上記工程(2a)における環境変化が、
    水系媒体の温度の変化である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記工程(2a)における環境変化が、
    水系媒体に付与される電気泳動的電位の変化である請求
    項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記工程(2a)における環境変化が、
    水系媒体中のイオン強度の変化である請求項1に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 上記標識インターカレータが導電性イン
    ターカレータである請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 上記標識インターカレータが蛍光インタ
    ーカレータである請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 プローブ分子が三個以上の塩基からなる
    既知の塩基配列領域を有する分子である請求項1に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 参照核酸断片が、上記塩基配列領域に対
    して完全な相補性を示す塩基配列領域を有する核酸断片
    である請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 上記工程(3a)で用いる安定性データ
    が、試料核酸断片の代わりに該参照核酸断片を用いる以
    外は上記工程(1a)と同じ操作を行なう工程により得
    られたものである請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】プローブ分子が、オリゴヌクレオチド、
    ポリヌクレオチドもしくはペプチド核酸である請求項1
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】プロ−ブ分子に対する試料核酸断片の相
    補性を検定するための、下記の工程を含む方法: (1b)固相担体に固定された核酸もしくは核酸誘導体
    からなるプローブ分子を、水系媒体と標識付きインター
    カレータとの存在下にて試料核酸断片と接触させること
    により、ハイブリダイゼーションを介して、標識付きイ
    ンターカレータが挿入固定された試料核酸複合体を生成
    させるに際して、該水系媒体に物理的もしくは化学的な
    環境変化を付与し、その環境変化に応じて生成する試料
    核酸複合体の量を、該試料核酸複合体の生成と併行する
    標識付きインターカレータの固相担体上への固定により
    発生する固相担体上の標識量の増加を測定することによ
    って検知して、該試料核酸断片の該試料核酸複合体中に
    おける安定性のデータを得る工程;そして(2b)別に
    用意した、前記のプローブ分子に対する相補性が確認さ
    れている参照核酸断片、前記の標識付きインターカレー
    タ、そして該プローブ分子からなる参照核酸複合体の、
    上記工程(1b)で用いた環境変化に対する安定性を示
    すデータと、上記工程(1b)で得られた安定性データ
    とを比較する工程。
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