JP2001320861A - モータおよび記憶装置 - Google Patents

モータおよび記憶装置

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JP2001320861A
JP2001320861A JP2000136615A JP2000136615A JP2001320861A JP 2001320861 A JP2001320861 A JP 2001320861A JP 2000136615 A JP2000136615 A JP 2000136615A JP 2000136615 A JP2000136615 A JP 2000136615A JP 2001320861 A JP2001320861 A JP 2001320861A
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JP
Japan
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vibration
motor
vibration damping
damping member
bracket
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JP2000136615A
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English (en)
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Kohei Mori
紅兵 杜
Takayuki Oe
貴之 大江
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Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
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  • Motor Or Generator Frames (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部への振動の伝達を抑制することができる
モータを提供する。 【解決手段】ステータ17が固定され、ロータ15が回
転自在に支持される固定軸12は、ブラケット11によ
って、他の部材が介在されることがなく直接支持され、
安定して支持される。ブラケット11には、制振部材2
0が埋設され、この制振部材20によってブラケット1
1の振動を減衰させることができる。この制振部材20
を設けることによって、固定軸12から伝達される振動
を減衰させ、たとえばモータ10が設けられるHDD装
置のケーシングなど外部の部材に、振動が伝達されるこ
とを抑制することができる。このようなモータ10は、
低騒音のHDD装置などの機器を実現することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば記憶媒体
などを高い回転速度で回転駆動するためのモータに関
し、さらにこのモータを備えるたとえばハードディスク
ドライブ装置などの記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図13は、従来の技術のモータ1を示す
断面図である。このモータ1は、ハードディスクドライ
ブ(略称:HDD)装置に内臓されるスピンドルモータ
であって、たとえば特開平8−103050に示されて
いる。モータ1では、ブラケット2に固定される軸3
に、ステータ4が外嵌固定されるとともに、ロータ5が
玉軸受6を介して回転自在に支持され、このロータ5に
図示しないディスクが固定されており、ステータ4とロ
ータ5との磁気的作用によってディスクを回転駆動して
いる。
【0003】このようなモータ1を内臓するHDD装置
では、主として、モータ1において振動が発生し、その
振動がHDD装置の筺体に伝わることによって、騒音が
発生する。玉軸受6の欠陥およびステータ4の電磁振動
などに起因してモータで発生する振動の振動数と、筺体
の固有振動数とが一致するとき、筺体が共振してしま
い、この筺体の振動およびそれに伴う大きな音圧レベル
の騒音が、問題を引き起こすことになる。
【0004】さらに玉軸受6は、極めて多くの振動周波
数を有し、しかもこの振動周波数は、回転速度によって
大きく変化する。またステータ4で生じる電磁振動も多
数ある。玉軸受6の発生振動またはステータ4で発生す
る電磁振動の周波数と、モータ構造の固有振動数とが一
致すると、共振を発生して、モータ1で生じる振動が大
きくなり、このような振動がモータ1から筺体に伝わる
と、さらに大きな音圧レベルの騒音(異常音)を発生し
てしまう。
【0005】このような共振現象をすべて回避すること
は不可能であり、たとえば玉軸受6の寸法、ボールの
数、軌道輪溝曲率およびラジアルすきまを変更すること
によって、玉軸受6の欠陥に起因する振動の周波数成分
を調整し、少なくともディスク7からの情報の読取りお
よびディスクへの情報の書込みをするときの回転数で
は、モータ1内での共振現象が生じないようにするとと
もに、モータ1で生じる振動が筺体の固有振動数と一致
する共振現象が生じないようにしている。しかしながら
モータ1の回転速度の昇速および降速時には、一時的に
ではあるが上記のような共振現象が生じてしまう。HD
D装置では、このようなモータの回転速度の昇速および
降速時の騒音の音圧レベルを小さくすることが望まれて
いる。
【0006】これに対してモータ1での振動の発生を抑
制するために、玉軸受6の欠陥に起因する振動に対して
は、玉軸受6の品質改善によって、また電磁振動に起因
する振動に対しては、励磁の仕方またはステータ4の歯
の形状を最適に設計するなどして、その振動の振幅を減
少させることが考えられるけれども、このような改良を
しても、モータ1で発生する振動を完全に無くすことは
できない。
【0007】したがってモータ1では、モータ1で発生
する振動がケーシングなどに伝達されることを防ぐため
に、ブラケット2を切り欠いてスリット8を設け、その
スリット8に軸挿入孔のあるダンピング部材9を設け、
このダンピング部材9の軸挿入孔に軸3を挿入して固定
している。これによってモータ1の玉軸受6およびステ
ータ4に起因して発生する振動が、軸3からブラケット
2に伝達されることを防止し、モータ1で発生する振動
の筺体への伝達を阻止することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開平8−10305
0に示されるモータ1では、軸3はダンピング部材9に
よって支持され、ダンピング部材9がブラケット2によ
って支持されるので、軸3をブラケット2によって直接
支持する構成に比べて、軸3の傾きなどの取付精度が悪
くなり、モータ1全体の精度が低下してしまう。またH
DD装置のケーシングの気密性を保持するためにシール
を達成しなければならない箇所が、ブラケット2とダン
ピング部材9との間および軸3とダンピング部材9との
間の2箇所となり、製造に手間を要する。またダンピン
グ部材9は、ブラケット2に比べて剛性が低く、軸3を
しっかりと支持することができず、ロータ5およびこれ
に設けられるディスクを安定して回転させることができ
なくなる。さらにダンピング部材9を、軸3とブラケッ
ト2との間に介在させる構成では、軸3からブラケット
2への振動の伝達を抑制することは、できるけれども、
ブラケット2自身の振動を抑制する効果が得られず、何
らかの外的要因などによってブラケット2が振動すると
きには、これを抑制することができない。
【0009】本発明の目的は、精度が高く、ロータの安
定した回転が得られ、外部への振動の伝達を抑制するこ
とができ、固定部材の振動も抑制することができ、手間
が少なく容易に製造できるモータおよびこのモータを備
えた記憶装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、固定部材に直
接支持されて立設される支持部材と、この支持部材に玉
軸受を介して回転自在に支持され、ロータマグネットを
有するロータと、支持部に固定され、ロータマグネット
に空隙を介して対向するステータコイルを有するステー
タとを備えるモータにおいて、固定部材には、支持部材
から伝達される振動を減衰するための制振部材が埋設さ
れていることを特徴とするモータである。
【0011】本発明に従えば、ステータおよびこのステ
ータとの間の磁気的作用によって回転するロータが設け
られる支持部材は、固定部材によって直接支持される。
このように支持部材は、固定部材との間に他の部材が介
在されることがなく、固定部材に直接支持されるので、
支持部材は固定部材によって安定して支持されるととも
に、固定部材に対する支持部材の位置精度を高くするこ
とができ、モータ全体の精度を高くすることができる。
また固定部材と支持部材との間のシールを達成する必要
がある場合であっても、そのシールを達成しなければな
らない箇所は、多くても1箇所であり、他の部材を介在
させる場合に比べて製造の手間も少なく容易に製造する
ことができる。
【0012】また固定部材には、支持部材から伝達され
る振動を減衰するための制振部材が埋設され、この制振
部材によって固定部材の振動を減衰させることができ
る。この制振部材を設けることによって、たとえばステ
ータにおける電磁振動などに起因して振動が発生し、支
持部材から固定部材に伝達されても、制振部材によって
その振動を減衰させ、その振動がさらに外部に向かって
伝達されることを抑制することができる。さらに制振部
材を固定部材に埋設させる構成とすることによって、支
持部材からの振動の外部に向けての伝達を抑制するだけ
でなく、何らかの外的要因によって固定部材に振動が生
じても、その固定部材の振動も減衰することができる。
【0013】また固定部材による支持部材の支持は、支
持部材と固定部材とを一体に形成して支持する構成であ
ってもよく、また固定部材に嵌合孔を形成して支持部を
嵌合孔に嵌合し、嵌合孔の内面によって支持部材を支持
する構成であってもよい。このように支持部材と固定部
材とは一体とすることも可能であり、支持部材と固定部
材とが一体に形成される形式のモータにも容易に実施す
ることができる。
【0014】このようなモータにおいて、固定部材は、
たとえばモータが記憶装置に設けられる場合、記憶装置
の筐体を構成するベース体であってもよいし、またはこ
のベース体に固定されるブラケットであってもよい。ま
た固定部材は、たとえばモータが記憶装置以外の機器に
設けられる場合、機器の筐体であってもよいし、筐体以
外の構造機体であってもよいし、または筐体および構造
機体の一方に固定されるブラケットであってもよい。
【0015】また本発明は、前記固定部材には、前記支
持部材の周囲を取り囲むように環状の凹溝が形成され、
前記制振部材は、環状の凹溝に嵌まり込んで設けられる
ことを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、固定部材には支持部材を
取り囲むように環状の凹溝が形成され、この環状の凹溝
に制振部材が嵌まり込んで設けられる。このような制振
部材は、環状であって、支持部材を取り囲むように周方
向全周から外囲して設けられるので、支持部材からの振
動が周方向全周において外方に伝達されることを抑制す
ることができ、外部への振動伝達抑制効果を高くするこ
とができる。
【0017】また本発明は、前記環状の凹溝は、同心状
に複数条形成されており、前記制振部材は、各凹溝にそ
れぞれ嵌まり込んで設けられることを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、固定部材には支持部材を
取り囲むようにかつ同心状に複数条の環状の凹溝が形成
され、これら各環状の凹溝に制振部材が嵌まり込んで設
けられる。これによって、各制振部材は、支持部材を外
囲しかつ相互に半径方向に間隔をあけて設けられるの
で、支持部材からの振動が外方に伝達されることを、複
数の領域で抑制することができ、外部への振動伝達抑制
効果を高くすることができる。しかも制振部材は、間隔
をあけて分散して設けられているので、固定部材の剛性
が局部的に大きく低下することを防ぐことができる。
【0019】また本発明は、前記固定部材には、前記支
持部材の周囲を取り囲むように、かつ周方向に間隔をあ
けて複数の凹所が形成され、前記制振部材は、各凹所に
嵌まり込んで設けられることを特徴とする。
【0020】本発明に従えば、固定部材には支持部材を
取り囲むように周方向に間隔をあけて複数の凹所が形成
され、これら各凹所に制振部材が嵌まり込んで設けられ
る。これによって各制振部材は、制振部材を外囲しかつ
相互に周方向に間隔をあけて設けられるので、制振部材
によって外部への振動の伝達を抑制したうえで、制振部
材が分散されて固定部材の剛性が局部的に大きく低下す
ることを防ぐことができる。
【0021】また本発明は、前記制振部材は、弾発性を
有する部材から成ることを特徴とする。
【0022】本発明に従えば、制振部材は、弾発性を有
する部材から成るので、弾性変形を繰返しながら振動エ
ネルギを吸収し、振動を減衰することができる。これに
よって好適な振動減衰効果を得られる制振部材を実現す
ることができる。
【0023】また本発明は、前記固定部材の表面には、
支持部材から伝達される振動を減衰するための制振層が
形成されることを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、固定部材の表面には、固
定部材の振動を減衰するための制振層が形成されるの
で、固定部材の振動をさらに減衰することができる。こ
れによって、外部への振動の伝達をさらに抑制すること
ができる。
【0025】また本発明は、前記制振層は、弾発性を有
する部材から成ることを特徴とする。
【0026】本発明に従えば、制振層は、弾発性を有す
る部材から成るので、弾性変形を繰返しながら振動エネ
ルギを吸収し、振動を減衰することができる。これによ
って好適な振動減衰効果を得られる制振層を実現するこ
とができる。
【0027】また本発明は、上述のモータを備え、この
モータによって記憶媒体が回転駆動されることを特徴と
する記憶装置である。
【0028】本発明に従えば、モータによって記憶媒体
を回転駆動し、この記憶媒体からの情報の読取りおよび
記憶媒体への情報の書込み動作を可能にすることができ
る。この記憶媒体を回転駆動するためのモータは、上述
のように外部への振動の伝達が抑制されるモータであっ
て、記憶媒体を回転駆動するときにモータで発生した振
動が、外部の部材である記憶装置の筐体の広範囲に伝達
されることを抑制することができる。これによってモー
タで発生する振動によって、筐体が広範囲にわたって振
動してしまうことを防ぐことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
モータ10を示す断面図である。モータ10は、磁気デ
ィスクドライブ装置、具体的にはハードディスクドライ
ブ(略称:HDD)装置に設けられるスピンドルモータ
である。このHDD装置が、本発明の記憶装置である。
モータ10は、たとえば軸線方向を鉛直方向に配置して
設けられるので、軸線方向一方(図1において上方)を
上方にし、軸線方向他方(図1において下方)を下方に
して設けられる場合を例に挙げて、説明する。
【0030】モータ10は、外輪回転形などと呼ばれる
モータであって、ブラケット11によって直接支持され
て立設される固定軸12と、固定軸12に回転自在に支
持され、ロータマグネット14を有するロータ15と、
固定軸12に固定され、ロータマグネット14に空隙を
あけて対向して配置されるステータコイル16を有する
ステータ17と、ブラケット11に固定軸12を取り囲
むようにして埋設され、固定軸12から伝達される振動
を減衰するための制振部材20とを含む。
【0031】固定部材であるブラケット11は、大略的
に円板状であって、モータ10の軸線L1に沿って中央
部に嵌合孔21が形成され、嵌合孔21を外囲して制振
部材装着部23が形成される。このブラケット11は、
外周部24において、図示しないHDD装置の筐体の一
部を構成するベース体に固定される。このブラケット1
1は、たとえばアルミニウムから成る。
【0032】支持部材である固定軸12は、略円柱状で
あって、下端部22が嵌合孔21に嵌まり込んで、ブラ
ケット11に固定される。このようにして固定軸12
は、ブラケット11の嵌合孔21に臨む部分18によっ
て、シールを達成した状態で直接支持され、固定軸12
の軸線がモータ10の軸線L1と一致する状態で、しっ
かりと安定して支持される。この固定軸12は、たとえ
ば強磁性ステンレス鋼から成る。
【0033】またモータ10は、固定軸12に外嵌され
るようにして、軸線方向(上下方向)に間隔をあけて設
けられる2つの玉軸受27,28を有する。各玉軸受2
7,28は、内輪、外輪および内外輪間の複数の転動体
を有し、外輪が、固定軸12に固定される内輪に対し
て、軸線L1まわりに回転自在である。
【0034】ロータ15は、ロータマグネット(以下、
単に「マグネット」という場合がある)14に加えて、
ハブ30およびヨーク31を有する。ハブ30は、大略
的に円筒状であり、上端部が一方の玉軸受27の外輪に
固定され、下端部が他方の玉軸受28の外輪に固定され
た環状ブッシュ32に固定され、固定軸12に回転自在
に支持されている。ハブ30は、たとえばアルミニウム
から成る。このハブ30の内周部に、円筒状のヨーク3
1が固定され、ヨーク31の内周部に、円筒状のマグネ
ット14が固定される。ヨーク31は、たとえば強磁性
材料である鋼から成る。
【0035】このようなロータ15のハブ30に、図1
に仮想線で一部を示すような複数の円板状の記憶媒体が
設けられる。各記憶媒体は、たとえば円環状のハードデ
ィスク57であり、たとえばアルミニウムから成っても
よい。各ハードディスク57は、スペーサ58を介在さ
せて軸線方向に等間隔をあけて積重され、ハブ30の下
端部に外向きに形成される張出し部30aとハブ30の
上端部に設けられるクランプ部材とによってクランプさ
れ、ハブ30に固定される。
【0036】ステータ17は、ステータコイル(以下、
単に「コイル」という場合がある)16に加えてコア3
3を有する。コア33は、各玉軸受27,28間で、固
定軸12に外嵌固定される。このコア33は、周方向に
複数のコア歯を有しており、各コア歯にコイル16が巻
回されている。このコイル16には、固定軸12に形成
される連通孔34を挿通して設けられる電力供給線35
を介して、図示しない回路基板から電力が供給される。
【0037】またモータ10には、上側の玉軸受27に
対して、さらに上方側で固定軸12を外囲して、磁性流
体シール37が設けられ、下側の玉軸受28に対して、
さらに下方側で固定軸12を外囲して、磁性流体シール
38が設けられる。各磁性流体シール37,38によっ
て、各ハードディスク57で生じた静電気をハブ30か
ら回転軸12を介してモータ10外部に逃がすことがで
きる。
【0038】また固定軸12には、各玉軸受27,28
およびステータ17が外嵌される位置の一部に、接着用
の環状の溝50,51,52,53が形成され、ステー
タ17と玉軸受28との間に軸方向の位置決め用の突条
54が形成されている。
【0039】図2は、図1の制振部材20付近を拡大し
て示す断面図であり、図3は、制振部材装着部23に設
けられた状態で制振部材を示す斜視図である。制振部材
装着部23は、円筒状の内周壁部分18と円筒状の外周
壁部分39とが、その下端部で円環状の底部分40によ
って連結され、一体に形成される。制振部材装着部23
は、下端部側で、その外側に延びるブラケット11の残
余の部分に一体に連なり、ブラケット11が高い剛性を
維持できるように構成される。
【0040】この制振部材装着部23には、固定軸12
の周囲を取り囲むように周方向全周に延び、上方(ステ
ータ17などが設けられる側)に臨んで開放する円環状
の凹溝41が、各部分18,39,40に規定されて形
成される。内周壁部分18、外周壁部分39および底部
分40の各厚みT1〜T3は、たとえばそれぞれ1〜2
mmである。内周壁部分18が、固定軸12を支持する
部分であり、かつ嵌合孔21に臨む部分である。
【0041】制振部材20は、円環状に形成される部材
であって、凹溝41に嵌まり込んで設けられる。この制
振部材20は、凹溝41と同一の形状であり、軸線方向
寸法W1および半径方向寸法W2は、たとえばそれぞれ
2〜4mmである。制振部材20は、上面が上方に露出
し、内周面、外周面および下面が、制振部材装着部23
の凹溝41に臨む面に、全領域で接触している。このよ
うにして制振部材20は、内周壁部分18を外囲して、
ブラケット11に埋設される。
【0042】制振部材20は、弾発性を有する部材、具
体的には制振効果を有する、樹脂、ゴムおよび金属など
から成る部材である。樹脂は、補強ポリプロピレンなど
の合成樹脂であってもよいし、ゴムは、天然ゴムおよび
合成ゴムのいずれであってもよく、イソプチレン−イソ
プレンゴム(IIR)などであってもよいし、金属は、
マグネシウム−ジルコニウム(Mg−Zr)合金などの
制振効果を有する金属であってもよい。また制振部材2
0は、たとえば流動性を有する状態で、凹溝41に注入
して硬化し、容易に成形するようにしてもよい。
【0043】このように制振部材20を設けることによ
って、制振部材20に振動が伝達されたときに、制振部
材20が弾性変形を繰り返しながら、振動エネルギをた
とえば熱エネルギに変換するなどして吸収することがで
きる。これによって制振部材装着部23から振動が伝達
されて減衰される。また半径方向の寸法W2は、振動が
半径方向に透過して伝達されないように振動を吸収でき
る寸法である。
【0044】またブラケット11の表面には、固定軸1
2から伝達される振動を減衰するための制振層44が形
成される。この制振層44は、少なくとも嵌合孔21に
臨む面を除いて、たとえば嵌合孔21に臨む表面および
凹溝41に臨む表面を除く残余の表面に形成される。こ
の制振層44は、シート状の部材を貼着して形成しても
よいし、流動性のある状態で塗布し、硬化させることに
よってコートして形成してもよい。この制振層44の厚
みT4は、全領域にわたってたとえば0.05〜0.5
mmである。
【0045】この制振層44は、たとえば制振部材20
と同様の材質から成り、制振層44に振動が伝達された
ときに、振動エネルギを同様に吸収することができる。
これによってブラケット11が振動が伝達されて減衰さ
れる。
【0046】このようなモータ10は、コイル16に電
流を流すと、マグネット14とコイル16との磁気的作
用によって、ロータ15が軸線L1まわりに回転し、各
ハードディスク57を回転駆動することができる。HD
D装置では、ハードディスク57をたとえば1分間に約
5000回転以上の高速で回転駆動し、図示しない磁気
ヘッドによって、ハードディスク57からの情報の読取
りおよびハードディスク57への情報の書込みをしてい
る。
【0047】このようにハードディスク57を高速で回
転駆動するためには、コイル16に、回転数に対応した
高周波の大電流が流す必要がある。高周波の大電流がコ
イル16に流れると、ステータ17は、電磁振動によっ
て発振し、固定軸12が振動してしまう。またこのよう
にハードディスクが回転駆動されるとき、各玉軸受2
7,28の転動体の転動に起因して固定軸12が振動し
てしまう。この固定軸12の振動は、固定軸12を支持
するブラケット11に伝達される。
【0048】このように振動が固定軸12からブラケッ
ト11に伝達されるとき、振動は内周壁部分18に伝わ
る。この内周壁部分18に伝わった振動は、制振部材2
0に伝わるとともに、底部分40および内周壁部分39
を介しても制振部材20に伝わる。これによって固定軸
12から伝わったブラケット11の振動が制振部材20
によって減衰される。ブラケット11に伝わった振動は
また、制振層44にも伝わり、さらに減衰される。制振
部材20および制振層44は、固定軸12から伝わった
振動だけでなく、何らかの外的要因によってブラケット
11において発生した振動も減衰することができる。
【0049】このようなモータ10によれば、制振部材
20によって、ブラケット11の振動を固定軸12付近
で減衰させることができる。これによって振動が、固定
軸12からブラケット11を経てベース体に伝り、HD
D装置の筐体の広範囲に伝達されることを抑制すること
ができる。さらに制振部材20をブラケット11に埋設
させる構成とすることによって、何らかの外的要因によ
ってブラケット11に生じる振動も減衰させることがで
きる。
【0050】このようにブラケット11によって固定軸
12を直接支持する構成とすることによって、安定して
固定軸12を支持したうえで、固定軸12からブラケッ
ト11に伝わった振動の外周側の領域への伝達を抑制
し、モータ10の外部への振動の伝達を抑制することが
できる。したがって精度が高く、かつロータ15の安定
した回転が得られ、外部への振動の伝達を抑制すること
ができる、製造の手間が少ない優れたモータを実現する
ことができる。
【0051】また制振部材20は、環状に形成され、固
定軸12を周方向全周から外囲して設けられるので、固
定軸12からの振動が周方向全周において外方に、外周
部側の領域に伝達されることを抑制することができ、外
部への振動伝達の抑制効果を高くすることができる。し
かも制振部材装着部23を上述のような略U字状に形成
し、制振部材装着部23の剛性をできるだけ高くして、
固定軸12を安定して支持できるようにしたうえで、固
定軸12にできるだけ近い位置に制振部材20を設けて
振動を減衰することができる。これによって振動がブラ
ケット11の大きな領域に伝わることを防ぎ、ブラケッ
ト11が振動して騒音を発生することが防がれる。
【0052】またブラケット11の表面には、制振層4
4が形成されるので、ブラケット11の振動をさらに減
衰することができ、外部への振動の伝達をさらに抑制す
ることができる。この制振層44は、モータ全体10が
大形化しないようにして、ブラケット11における振動
の減衰効果を得ることができる。
【0053】このようにモータ10は、振動が外部に伝
達されることを抑制できるので、モータ10およびこれ
を用いた機器であるHDD装置を設計するにあたって、
HDD装置の他の部材の固有振動数などを考慮し、モー
タ10で生じる振動の振動数を他の部材の固有振動数か
らずらすなどの工夫が必要がない。したがってモータ1
0およびHDD装置の設計が容易になる。
【0054】このようなモータ10を備えるHDD装置
では、ハードディスク57を回転駆動するときにモータ
10で発生した振動が、筺体に伝達されることを抑制さ
れる。これによって筺体が振動することによる振動音の
発生を防ぐことができる。もちろんモータの昇速時およ
び降速時など、発生する振動の周波数が変化して、筺体
の固有振動数と一致するようなときにも、筺体には振動
が伝達されない。したがって低騒音のHDD装置を実現
することができる。
【0055】またモータ10からの振動が筺体に伝わる
ことが防がれるので、筺体などを介して、情報の読取り
および書込みをするための磁気ヘッドにモータ10から
の振動が伝達されることも防がれる。したがって磁気ヘ
ッドによるディスクに記録された情報の読取り不能およ
びディスクへの情報の書込み不能などの不具合が発生す
ることも防がれる。
【0056】図4は、本発明の実施の他の形態のモータ
10Aの一部を拡大して示す断面図であり、図5は、モ
ータ10Aに設けられる制振部材20A1,20A2を
ブラケット11に装着した状態で示す斜視図である。こ
のモータ10Aは、モータ10と類似しており、制振部
材20A1,20A2に関連する構成だけが異なる。モ
ータ10と同様の構成を有する部分は、同一の符号付
し、説明を省略する。
【0057】モータ10Aの制振部材装着部23Aは、
各周壁部分18,39間に、円筒状の仕切壁部分60
が、底部分40から立上がって形成され、上方に臨んで
開放する2つの円環状の凹溝41A1,41A2が、同
心状に形成される。各凹溝部41A1,41A2に嵌ま
り込んで、2つの円環状の制振部材20A1,20A2
が設けられる。各制振部材20A1,20A2の半径方
向寸法W2Aは、たとえば2〜4mmである。各制振部
材20A1,20A2は、上面が上方に露出し、内周
面、外周面および下面が制振部材装着部23Aの各凹溝
41A1,41A2に臨む面に、全領域で接触してい
る。
【0058】このようなモータ10Aによれば、モータ
10と同様に外部への振動の伝達の抑制効果に加えて、
振動の伝達を複数の領域で抑制することができ、外部へ
の振動伝達抑制効果を高くすることができる。しかも制
振部材20A1,20A2は、間隔をあけて分散して設
けられているので、ブラケット11Aの剛性が局部的に
大きく低下することを防ぐことができる。
【0059】図6は、本発明の実施のさらに他の形態の
モータ10Bに設けられる制振部材20Bをブラケット
11に装着した状態で示す斜視図である。このモータ1
0Bは、モータ10と類似しており、制振部材20Bに
関連する構成だけが異なる。モータ10と同様の構成を
有する部分は、同一の符号付し、説明を省略する。
【0060】モータ10Bの制振部材装着部23Bは、
各周壁部分18,39を半径方向に連結するために、複
数、本実施の形態では3つの連結壁部分61が底部分4
0から立上がって形成され、上方に臨んで開放する複
数、本実施の形態では3つの円弧状の凹所41Bが、同
一円周領域に並んで形成される。各仕切壁部分61の厚
みT6は、たとえば1〜10mmである。各凹所41B
に嵌まり込んで、3つの円弧状の制振部材20Bが設け
られる。各制振部材20Bは、上面が上方に露出し、内
周面、外周面、下面および周方向両端部の表面が、制振
部材装着部23Bの凹所41Bに臨む面に、全領域で接
触している。
【0061】このようなモータ10Bによれば、モータ
10と同様に外部への振動の伝達の抑制効果が得られ
る。また制振部材20Bが分散され、ブラケット11B
の剛性が局部的に大きく低下することを防ぐことができ
る。
【0062】図7は、本発明の実施のさらに他の形態の
モータ10Cに設けられる制振部材20C1,20C2
をブラケット11に装着した状態で示す斜視図である。
このモータ10Cは、各モータ10,10A,10Bと
類似しており、制振部材20C1,20C2に関連する
構成だけが異なる。モータ10,10A,10Bと同様
の構成を有する部分は、同一の符号付し、説明を省略す
る。
【0063】モータ10Cの制振部材装着部23Cは、
各周壁部分18,39間に仕切壁部分60が形成され、
また内周壁部分18と仕切壁部分60とを半径方向に連
結するために、複数、本実施の形態では3つの連結壁部
分61C1が、底部分40から立上がって形成され、外
周壁部分19と仕切壁部分60とを半径方向に連結する
ために、複数、本実施の形態では3つの連結壁部分61
C2が、底部分40から立上がって形成される。各連結
壁部分61C1と、各連結壁部分61C2とは、周方向
に関して同一の位置に設けられてよいが、半径方向への
振動の伝達抑制効果を高くするために、またブラケット
11の剛性を高くするために、周方向にずれた位置に配
置されるようにしてもよい。
【0064】このような制振部材装着部23Cには、上
方に臨んで開放する複数、本実施の形態では2つの円周
領域に、3つずつそれぞれ並ぶ計6つの凹所41C1,
41C2が形成される。これら各凹所41C1,41C
2に嵌まり込んで、3つずつ、計6つの円弧状の制振部
材20C1,20C2が設けられる。
【0065】外方側の制振部材20C2は、内方側の制
振部材20C1を外囲して設けられる。各制振部材20
C1,20C2は、上面が上方に露出し、内周面、外周
面、下面および周方向両端部の表面が、制振部材装着部
23Cの各凹所41C1,41C2に臨む面に、全領域
で接触している。このようなモータ10Cによれば、上
述の各モータ10,10A,10Bによって達成される
効果を同時に達成することができる。
【0066】図8は、本発明の実施のさらに他の形態の
モータ10Dに設けられる制振部材20Dをブラケット
11に装着した状態で示す斜視図である。このモータ1
0Dは、モータ10Bと類似しており、制振部材20D
に関連する構成だけが異なる。モータ10Bと同様の構
成を有する部分は、同一の符号付し、説明を省略する。
【0067】モータ10Dの制振部材装着部23Dは、
各周壁部分18,39を半径方向に連結するために、複
数、本実施の形態では8つの連結壁部分61が底部分4
0から立上がって形成される。各連結壁部分61Dの厚
みは、中央部で最も小さく、各周壁部分18,39に近
づくにつれて大きくなるように、いわば鼓形に形成され
ている。各連結壁部分61Dの最も小さい部分の厚みT
6Dは、たとえば1〜3mmである。このような制振部
材装着部23Dは、上方に臨んで開放する複数、本実施
の形態では8つの円柱状の凹所41Dが、同一円周領域
に並んで形成される。
【0068】これら凹所41Dに嵌まり込んで、8つの
円柱状の制振部材20Dが設けられる。制振部材20D
の軸線方向寸法および直径は、たとえば2〜4mmであ
る。各制振部材20Dは、上面が上方に露出し、外周面
および下面が、制振部材装着部23Dの各凹溝41Dに
臨む面に、全領域で接触している。このようなモータ1
0Dによれば、モータ10Bと同様の効果が得られる。
【0069】図9は、本発明の実施のさらに他の形態の
モータ10Eに設けられる制振部材20E1,20E2
をブラケット11に装着した状態で示す斜視図である。
このモータ10Eは、モータ10Cと類似しており、制
振部材20Cに関連する構成だけが異なる。モータ10
Cと同様の構成を有する部分は、同一の符号付し、説明
を省略する。
【0070】モータ10Eの制振部材装着部23Eは、
各周壁部分18,39間に仕切壁部分60が形成され、
内周壁部分18と仕切壁部分60とを連結するために、
複数、本実施の形態では8つの連結壁部分61E1が底
部分40から立上がって形成される。各仕切壁部分61
E1の厚みは、中央部で最も小さく、各壁部分39,6
0に近づくにつれて大きくなるように、いわば鼓形に形
成されている。各連結壁部分61E1の最も小さい部分
の厚みT6E1は、たとえば1〜4mmである。また外
周壁部分39と仕切壁部分60とを半径方向に連結する
ために、複数、本実施の形態では8つの連結壁部分61
E2が、底部分40から立上がって形成される。各仕切
壁部分61E2の厚みは、各壁部分39,60間の中央
部で最も小さく、各壁部分39,60に近づくにつれて
大きくなるように、いわば鼓形に形成されている。各連
結壁部分61E2の最も小さい部分の厚みT6D2は、
たとえば3〜10mmである。
【0071】このような制振部材装着部23Eは、上方
に臨んで開放する複数、本実施の形態では、内外2つの
円周領域にそれぞれ8つずつ並んで、計16個の凹所4
1E1,41E2が形成される。また各連結壁部分61
E1と、各連結壁部分61E2とは、周方向に関して同
一の位置に設けられてもよいが、半径方向への振動の伝
達抑制効果を高くするために、またブラケット11の剛
性を高くするために、周方向にずれた位置に、たとえば
内方側の各連結壁部分61E1間に外方側の各連結壁6
1E2が配置されるように千鳥状に形成してもよい。
【0072】これら各凹所41E1,41E2に嵌まり
込んで16個の円柱状の各制振部材20E1,20E2
が、2つの円周領域に並んで設けられる。半径方向内方
側制振部材20E1に対して、半径方向外方側制振部材
20E2は、周方向に重なるように、または重ならない
までも周方向に間隔をあけないように、並んでいる。
【0073】各制振部材20E1,20E2は、上面が
上方に露出し、外周面および下面が、制振部材装着部2
3Eの凹所41E1,41E2に臨む面に、全領域で接
触している。このようなモータ10Eによれば、上述の
モータ10Cと同様に、各モータ10,10A,10B
によって達成される効果を同時に達成することができ
る。
【0074】図10は、本発明の実施のさらに他の形態
のモータ10Fの一部を拡大して示す断面図である。こ
のモータ10Fは、モータ10と類似しており、制振部
材20Fに関連する構成だけが異なる。モータ10と同
様の構成を有する部分は、同一の符号付し、説明を省略
する。
【0075】モータ10Fの制振部材装着部23Fは、
各周壁部分18,39が、上端部で天板部分40Fによ
って連結される。制振部材装着部23Fは、下端部側に
おいて、ブラケット11の残余の部分に一体に連なる。
このような制振部材装着部23Fは、下方に臨んで開放
する円環状の凹溝41Fが形成される。天井部分40F
の厚みT3Fは、1〜2mmである。
【0076】制振部材20Fは、円環状に形成される部
材であって、制振部材装着部23の凹溝41Fに嵌まり
込んで、固定軸12を周方向全周から外囲して設けら
れ、下面が下方に露出し、内周面、外周面および上面
が、制振部材装着部23Fの凹溝41Fに臨む面に、全
領域で接触している。
【0077】このような構成のモータ10Fは、制振部
材装着部23Fが天板部分40Fで残余の部分に連結さ
れることによる効果を除いて、モータ10と同様の効果
を達成することができる。またモータ10Fでは、制振
部材装着部23Fは、軸線方向に関して制振部材20F
が設けられる領域で、ブラケット11の残余の部分に連
結されているので、固定軸12から制振部材装着部23
Fの外方への振動伝達を確実に抑制することができ、外
部への振動伝達抑制効果を高くすることができる。
【0078】図11は、本発明の実施のさらに他の形態
のモータ10Gの一部を拡大して示す断面図である。こ
のモータ10Gは、各モータ10A,10Fと類似して
おり、制振部材20G1,20G2に関連する構成だけ
が異なる。各モータ10A,10Fと同様の構成を有す
る部分は、同一の符号付し、説明を省略する。
【0079】モータ10Gの制振部材装着部23Gは、
各周壁部分18,39間に仕切壁部分60が、天板部分
40Fから下方に突出して形成される。制振部材装着部
23Gは、下方に臨んで開放する2つの円環状の凹溝4
1G1,41G2が形成され、この凹溝41G1,41
G2に嵌まり込んで2つの円環状の各制振部材20G
1,20G2が設けられる。各制振部材20G1,20
G2は、下面が下方に露出し、内周面、外周面および上
面が、制振部材装着部23Gの凹溝41G1,41G2
に臨む面に、全領域で接触している。このような構成の
モータ10Gは、制振部材装着部23が底部分40側で
残余の部分に連結されることによる効果を除いて、モー
タ10Aと同様の効果を達成することができ、またモー
タ10Fと同様の効果を達成する。
【0080】図10を参照して図1〜図3に示すモータ
10の制振部材装着部23を軸線方向に関して対称に配
置を変えたモータ10Fについて説明し、また図11を
参照して図4に示すモータ10Aの制振部材装着部23
Aを軸線方向に関して対称に配置を変えたモータ10G
について説明したけれども、本発明の実施のさらに他の
形態として、図5〜図9に示すモータの制振部材装着部
23B〜23Eを軸線方向に関して対称に配置を変える
ように構成してもよく、同様に軸方向に配置を変えた効
果を達成できる。
【0081】図12は、本発明の実施のさらに他の形態
のモータ110を示す断面図である。モータ110は、
磁気ディスクドライブ装置、具体的には薄形HDD装置
に設けられるスピンドルモータである。このモータ11
0についても、軸線方向一方(図12において上方)を
上方にし、軸線方向他方(図12において下方)を下方
にして設けられる場合を例に挙げて、説明する。
【0082】モータ110は、内輪回転形などと呼ば
れ、固定部材であるブラケット111に直接支持される
支持部材である支持筒部12と、支持筒部112に回転
自在に支持され、かつマグネット114を有するロータ
115と、支持筒部112に固定され、マグネット11
4に空隙をあけて対向するコイル116を有するステー
タ117と、ブラケット111に、支持筒部112を取
り囲むように埋設され、支持筒部112から伝達される
振動を減衰する制振部材120とを含む。
【0083】ブラケット111は、大略的に円環状であ
って、内周部に制振部材装着部123が形成され、外周
部124において、図示しない薄形HDD装置のケーシ
ングに固定される。支持筒部112は、円筒状であって
下端部122でブラケット111に一体に形成され、支
持筒部112は、ブラケット111に立設固定される。
このように支持筒部112は、ブラケット111によっ
て直接支持され、支持筒部112の軸線がモータ110
の軸線L1と一致する状態で、しっかりと安定して支持
される。また支持筒部112は、略円筒状であって、下
端部122は、蓋体170およびシート体171が設け
られて塞がれている。この支持筒部112は、たとえば
強磁性ステンレス鋼から成る。
【0084】またモータ110は、支持筒部112に内
嵌されるようにして、軸線方向(上下方向)に間隔をあ
けて設けられる2つの玉軸受127,128を有する。
各玉軸受127,128は、内輪、外輪および内外輪間
の複数の転動体を有し、内輪が、支持筒部112に固定
される外輪に対して、軸線L1まわりに回転自在であ
る。
【0085】ロータ115は、マグネット114に加え
て、ハブ131および回転軸172を有する。ハブ13
1は、筒部と筒部の上方側を塞ぐ天板部とを有し、大略
的に有底円筒状に形成される。回転軸172は、ハブ1
31の天板部の中央部から下方に突出して設けられる。
回転軸172の上端部が、一方の玉軸受127の内輪に
固定され、下端部が、他方の玉軸受128の内輪に固定
され、これによってロータ115が、支持筒部112に
軸線L1まわりに回転自在に支持されている。またハブ
131の筒部の内周部に、円筒状のマグネット114が
固定される。ハブ131および回転軸172は、たとえ
ば強磁性材料である鋼から成る。
【0086】このようなロータ115のハブ131の筒
部に、仮想線で一部を示すような円板状の記憶媒体が設
けられる。記憶媒体は、たとえば磁気ディスクである円
環状のハードディスク157であり、このハードディス
ク157はたとえばアルミニウムから成ってもよい。本
実施の形態では、HDD装置を薄形にするために、ハー
ドディスク157は、1枚だけ設けられ、ハブ131の
筒部の下端部に外向きに形成される張出し部131a
と、ハブ131の筒部の上端部に設けられるクランプ部
材とによってクランプされ、ハブ131に固定される。
【0087】ステータ117は、コイル116に加えて
コア133を有する。コア133は、支持筒部112に
外嵌されて固定される。このコア133は、周方向に複
数のコア歯を有しており、各コア歯にコイル116が巻
回されている。ステータ117のコイル116には、図
示しない電力供給線を介して、図示しない回路基板から
電力が供給される。
【0088】制振部材装着部123は、円筒状の内周壁
部分118と円筒状の外周壁部分139が、その下端部
で円環状の底部分140によって連結される。制振部材
装着部123は、外周壁部分139の軸線方向の全領域
で、ブラケット111の残余の部分に連なり、内周壁部
分118は、軸線方向の全領域で支持筒部112に連な
っており、ブラケット111の高い剛性を維持できるよ
うに構成されている。
【0089】このような制振部材装着部123は、支持
筒部112の周囲を取り囲むように、周方向全周に延
び、上方に臨んで開放する円環状の凹溝141が各部分
118,139,140に規定されて形成される。内周
壁部分118が、上述の支持筒部112を支持する部分
である。
【0090】制振部材120は、円環状に形成される部
材であって、凹溝141に嵌まり込んで設けられる。こ
の制振部材120は、凹溝141と同一の形状であり、
軸線方向寸法および半径方向寸法は、たとえばそれぞれ
1〜3mmである。制振部材120は、上面が上方に露
出し、内周面、外周面および下面が、制振部材装着部1
23の凹溝141に臨む面に、全領域で接触している。
【0091】本実施の形態では制振部材120は、上述
の各モータ10,10A〜10Gの各制振部材と同様の
材質から成る。このようにして制振部材120は、内周
壁部分118を外囲して埋設される。このように制振部
材120を設けることによって、上述の形態と同様に振
動を減衰できる。
【0092】また図解を容易にするために図示はしない
けれども、ブラケット111の表面には、振動を減衰す
る制振層144が全領域にわたって、たとえば0.05
〜0.5mmの厚みで形成される。この制振層44は、
たとえば制振部材120と同様の材質から成り、この制
振層44によっても、振動を減衰させることができる。
【0093】このようなモータ110もまた、上述の各
モータ10,10A〜10Gと同様に、ハードディスク
157をたとえば1分間に5000回転以上である高速
で回転駆動している。このモータ110でも同様に振動
が発生するけれども、この振動が、支持筒部112から
ブラケット111に伝達されるとき、支持筒部112か
らの振動は、まずブラケット111の支持筒部112を
支持する内周壁部分118に伝わる。この内周壁部分1
18に伝わった振動は、制振部材120に伝わるととも
に、底部分40および内周壁部分39を介しても制振部
材120に伝わる。これによって、支持筒部112から
伝わった振動が制振部材120によって減衰される。ブ
ラケット111に伝わった振動はまた、制振層144に
も伝わり、さらに減衰される。制振部材120および制
振層144は、支持筒部112から伝わった振動だけで
なく、何らかの外的要因によってブラケット111にお
いて発生した振動も減衰することができる。
【0094】このようなモータ110によれば、上述の
モータ10と同様の効果が得られる。またブラケット1
11と支持筒部112が一体であり、製造が容易であ
る。
【0095】図12に示す実施の形態では、内輪回転形
のモータに図1〜図3に示す円環状の制振部材20とほ
ぼ同様の制振部材120を適用したモータ110につい
て説明したけれども、本発明の実施のさらに他の形態と
して、制振部材120に代えて、図4〜図11の各形態
の制振部材とほぼ同様の制振部材を用いるようにしても
よい。具体的には、複数の円環状の制振部材を同心に配
置するようにしてもよいし、複数の円弧状の制振部材を
1または複数の円周領域に並べるように配置してもよい
し、円柱状の制振部材を1または複数の円周領域に並べ
るように配置してもよい。また制振部材が軸線方向他方
に臨んで露出するようにしてもよい。
【0096】上述の各実施の形態は、本発明の例示に過
ぎず、本発明の範囲内において構成を変更することがで
きる。たとえば各部材の形状、寸法および材質を変更す
るようにしてもよい。また制振部材は、空所に注入した
後硬化させて成形して設けるのではなく、成形品を空所
に嵌合させるようにしてもよい。この場合、制振部材を
制振部材装着部に接着してもよい。本発明において接触
して設けるは、接着剤を介在させている状態も含むもの
とし、制振部材装着部から振動が伝達可能に設けられる
状態を意味するものとする。また固定軸がHDD装置の
筺体の一部であるベース体に直接支持されるモータであ
ってもよい。またモータはHDD装置などの記憶装置以
外のたとえばポンプなどのモータを動力源として用いる
機器に設けられてもよい。
【0097】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、支持部
材をしっかりと支持した状態で、支持部材からの振動を
減衰することができる。したがって精度が高く、かつロ
ータの安定した回転が得られ、外部への振動の伝達を抑
制することができる、製造の手間が少ない優れたモータ
を実現することができる。さらにモータからの振動が外
部に伝達されることを抑制できるので、モータを設計す
るにあたって、このモータが設けられる機器、ここでは
薄形HDD装置の他の部材の固有振動数などを考慮し、
モータで生じる振動の振動数を他の部材の固有振動数か
らずらすなどの工夫が必要がない。したがってモータの
設計が容易になる。
【0098】請求項2記載の本発明によれば、支持部か
らの振動が周方向全周において外方に伝達されることを
抑制することができる。したがってさらに外部への振動
伝達抑制効果の高いモータを実現することができる。
【0099】請求項3記載の本発明によれば、制振部材
が分散され、固定部材の剛性が局部的に大きく低下する
ことを防ぐことができる。したがって支持部材をさらに
安定して支持し、ロータの安定した回転が確実に得られ
る安定性の高い優れたモータを実現することができる。
【0100】請求項4記載の本発明によれば、支持部材
からの振動が外方に伝達されることを、複数の領域抑制
することができ、外部への振動伝達抑制効果を高くする
ことができる。しかも制振部材は、間隔をあけて分散し
て設けられているので、固定部材の剛性が局部的に大き
く低下することを防ぐことができる。したがってさらに
外部への振動伝達抑制効果の高いモータを実現すること
ができる。
【0101】請求項5記載の本発明によれば、制振部材
が弾発性を有する部材から成り、好適に振動を減衰する
ことができる。
【0102】請求項6記載の本発明によれば、ベース体
の固定部材自身において生じる振動を抑制することがで
きるとともに、固定部材の振動を抑制することによって
支持部材から固定部材に伝わった振動を減衰させること
ができる。したがってさらに外部への振動伝達抑制効果
の高いモータを実現することができる。
【0103】請求項7記載の本発明によれば、制振部材
が弾発性を有する部材から成り、好適に振動を減衰する
ことができる。
【0104】請求項8記載の本発明によれば、記憶媒体
を回転駆動するときにモータで発生した振動が、固定部
材から外部に伝達されることを抑制することができる。
これによってモータで発生する振動が筺体に広範囲に伝
達されて振動してしまうことを防ぐことができ、筺体が
大きく振動することによる振動音の発生を防ぐことがで
きる。したがって低騒音の記憶装置を実現することがで
きる。またモータからの振動が、筺体などを介して、情
報の読取りおよび書込みをするための磁気ヘッドに伝達
されることも防がれる。したがって磁気ヘッドによるデ
ィスクに記録された情報の読取り不能およびディスクへ
の情報の書込み不能などの不具合が発生することも防が
れる。このようにモータの安定した回転および磁気ヘッ
ドへの振動の伝達抑制を実現して、高密度記憶が可能で
あり、かつ低騒音の優れた記憶装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のモータ10を示す断面
図である。
【図2】図1の制振部材20付近を拡大して示す断面図
である。
【図3】制振部材20をブラケット11に装着した状態
で示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の他の形態のモータ10Aの一部
を示す断面図である。
【図5】制振部材20A1,20A2をブラケット11
に装着した状態で示す斜視図である。
【図6】本発明の実施のさらに他の形態の制振部材20
Bをブラケット11に装着した状態で示す斜視図であ
る。
【図7】本発明の実施のさらに他の形態の制振部材20
C1,20C2をブラケット11に装着した状態で示す
斜視図である。
【図8】本発明の実施のさらに他の形態の制振部材20
Dをブラケット11に装着した状態で示す斜視図であ
る。
【図9】本発明の実施のさらに他の形態の制振部材20
E1,20E2をブラケット11に装着した状態で示す
斜視図である。
【図10】本発明の実施のさらに他の形態のモータ10
Fの一部を示す断面図である。
【図11】本発明の実施のさらに他の形態のモータ10
Gの一部を示す断面図である。
【図12】本発明の実施のさらに他の形態のモータ11
0を示す断面図である。
【図13】従来の技術のモータ1を示す断面図である。
【符号の説明】
10,10A〜10G,110 モータ 11,111 ブラケット 12 固定軸 14,114 マグネット 15,115 ロータ 16,116 コイル 17,117 ステータ 20,20A1,20A2,20B,20C1,20C
2,20D,20E1,20E2,20F,20G1,
20G2,120 制振部材 23,23A〜23G,123 制振部材装着部 44 制振層 112 支持筒部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D109 BA01 BA14 BA16 BA18 BA20 BA40 BB16 BB21 5H605 AA04 AA05 BB05 BB14 BB19 CC02 CC04 DD05 DD09 EA02 EA09 EB10 EB16 EB23 FF03 FF06 FF08 GG04 GG06 GG07 5H621 BB07 GA01 GA04 GB08 JK08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部材に直接支持されて立設される支
    持部材と、この支持部材に玉軸受を介して回転自在に支
    持され、ロータマグネットを有するロータと、支持部に
    固定され、ロータマグネットに空隙を介して対向するス
    テータコイルを有するステータとを備えるモータにおい
    て、 固定部材には、支持部材から伝達される振動を減衰する
    ための制振部材が埋設されていることを特徴とするモー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記固定部材には、前記支持部材の周囲
    を取り囲むように環状の凹溝が形成され、前記制振部材
    は、環状の凹溝に嵌まり込んで設けられることを特徴と
    する請求項1記載のモータ。
  3. 【請求項3】 前記環状の凹溝は、同心状に複数条形成
    されており、前記制振部材は、各凹溝にそれぞれ嵌まり
    込んで設けられることを特徴とする請求項2記載のモー
    タ。
  4. 【請求項4】 前記固定部材には、前記支持部材の周囲
    を取り囲むように、かつ周方向に間隔をあけて複数の凹
    所が形成され、前記制振部材は、各凹所に嵌まり込んで
    設けられることを特徴とする請求項1記載のモータ。
  5. 【請求項5】 前記制振部材は、弾発性を有する部材か
    ら成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のモータ。
  6. 【請求項6】 前記固定部材の表面には、支持部材から
    伝達される振動を減衰するための制振層が形成されるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のモー
    タ。
  7. 【請求項7】 前記制振層は、弾発性を有する部材から
    成ることを特徴とする請求項6記載のモータ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1つに記載のモ
    ータを備え、このモータによって記憶媒体が回転駆動さ
    れることを特徴とする記憶装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110752696A (zh) * 2019-10-30 2020-02-04 徐州惠博机电科技有限公司 一种内限位式长寿命高速无人机电机

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