JP2001319919A5 - - Google Patents
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Description
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板を回転可能に保持する手段と、
前記回転する前記被処理基板の外周縁部に、前記被処理基板の半径方向外側かつ板面に傾斜した方向に第1の処理剤を供給して前記被処理基板の外周縁部表面を洗浄する第1のノズルと、
前記被処理基板の表面に、被処理基板表面の金属層を除去する第2の処理剤を供給する第2のノズルと、
を具備する処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の処理装置であって、前記除去される金属層の終点を検出する手段を更に具備することを特徴とする処理装置。
【請求項3】
前記保持する手段は、前記被処理基板の主面に第3の処理剤を供給する機構を備えることを特徴とする請求項1記載の処理装置。
【請求項4】
被処理基板の端部を保持する筒状の保持手段と、
前記保持手段の内側に前記被処理基板と対向して配設され前記被処理基板の一方の面に第1の洗浄剤を供給する洗浄剤供給手段と、
前記被処理基板の他方の面と対向して配設され、前記保持された被処理基板の外周縁部に、前記被処理基板の半径方向外側かつ板面に傾斜した方向に第2の洗浄剤を供給して前記被処理基板の他方の面の外周縁部を洗浄する第1のノズルと、
前記被処理基板の他方の面と対向して配設され、前記被処理基板の他方の面に形成された金属層を除去するエッチング処理剤を前記被処理基板の他方の面に供給する第2のノズルと
を具備する処理装置。
【請求項5】
開口端が前記被処理基板の中心に向けて折曲し、前記被処理基板を保持する前記保持手段を包囲する筒体をさらに具備したことを特徴とする請求項4記載の処理装置。
【請求項1】
被処理基板を回転可能に保持する手段と、
前記回転する前記被処理基板の外周縁部に、前記被処理基板の半径方向外側かつ板面に傾斜した方向に第1の処理剤を供給して前記被処理基板の外周縁部表面を洗浄する第1のノズルと、
前記被処理基板の表面に、被処理基板表面の金属層を除去する第2の処理剤を供給する第2のノズルと、
を具備する処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の処理装置であって、前記除去される金属層の終点を検出する手段を更に具備することを特徴とする処理装置。
【請求項3】
前記保持する手段は、前記被処理基板の主面に第3の処理剤を供給する機構を備えることを特徴とする請求項1記載の処理装置。
【請求項4】
被処理基板の端部を保持する筒状の保持手段と、
前記保持手段の内側に前記被処理基板と対向して配設され前記被処理基板の一方の面に第1の洗浄剤を供給する洗浄剤供給手段と、
前記被処理基板の他方の面と対向して配設され、前記保持された被処理基板の外周縁部に、前記被処理基板の半径方向外側かつ板面に傾斜した方向に第2の洗浄剤を供給して前記被処理基板の他方の面の外周縁部を洗浄する第1のノズルと、
前記被処理基板の他方の面と対向して配設され、前記被処理基板の他方の面に形成された金属層を除去するエッチング処理剤を前記被処理基板の他方の面に供給する第2のノズルと
を具備する処理装置。
【請求項5】
開口端が前記被処理基板の中心に向けて折曲し、前記被処理基板を保持する前記保持手段を包囲する筒体をさらに具備したことを特徴とする請求項4記載の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体の製造技術に係り、更に詳細にはシリコンウエハなどの被処理基板上にメッキ処理を施して銅の配線層を形成したり、この配線層を切削処理するなどして半導体装置を製造する方法及びその製造に用いる処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、LSIなどの半導体装置は、シリコンウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)の上に導体や半導体、絶縁体の薄膜層を作り込むことにより製造されている。このとき半導体装置の基板としてのウエハの材料であるシリコンは絶縁体であるため、配線層を形成するためには銅などの導体層をメッキ処理などにより形成する。更に詳しく述べると、ウエハの表面には微細な凹凸が形成されているため、最初にバリアメタル層を形成し、その上から銅等を析出させてシード層と呼ばれる導体層を形成し、このシード層を介して電解メッキを施すことにより配線層となるメッキ層を銅で形成する。できたメッキ層を図12に示したような、CMPと呼ばれる表面研磨装置で削って薄い銅層を形成し、この層を利用して各種の層を作り込んで半導体装置が製造される。
【0003】
図12は表面研磨処理装置(CMP)の概略垂直断面図である。この表面研磨処理装置はモータ221により鉛直な回転軸222を介して水平に回転する回転テーブル202と、この回転テーブル202の表面に貼着された研磨層である研磨布203と、被研磨体であるウエハWを保持して前記研磨布203に所定の圧力で接触させるウエハ保持部204と、前記研磨布203の表面に研磨液を供給する研磨液供給ノズル205とを備えている。ウエハ保持部204は例えば真空チャック機構を備え、回転テーブル202の中心部から変位した位置でウエハWを被研磨面が下側になるように吸着保持し、この被研磨面を研磨布203に接触させるように構成されるとともに、モータ241により鉛直な回転軸272を介して水平に回転するようになっている。このモータ241は、固定板243に取り付けられた昇降部244により昇降軸245を介して昇降可能な昇降体246に取りつけられている。前記研磨液供給ノズル205は、研磨液供給源251よりの化学的な研磨作用を有する化学的研磨材、例えばフッ素化合物を含む研磨液を、例えば研磨布203の回転中心付近に供給するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この表面研磨装置(CMP)はメッキ層を機械的に研磨して削り取るための専用の装置であり、表面を削り取るだけのためにこのCMPをシステムに組み込むには製造コストや保守管理などの費用と手間がかかるという問題がある。また、この表面研磨装置(CMP)をシステム外に設置すると、半導体製造装置の占有面積が大型化してフットプリントやスループットが低下するという問題がある。
【0005】
本発明は上記従来の問題を解決するためになされたものである。即ち、本発明は機械的にメッキ層の表面を研磨して削り取る表面研磨装置(CMP)を用いることなく半導体装置を製造することができる半導体装置の製造方法や処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの態様に係る処理装置は、被処理基板を回転可能に保持する手段と、回転する被処理基板の外周縁部に、被処理基板の半径方向外側かつ板面に傾斜した方向に第1の処理剤を供給して被処理基板の外周縁部表面を洗浄する第1のノズルと、被処理基板の表面に、被処理基板表面の金属層を除去する第2の処理剤を供給する第2のノズルと、を具備する。
【0007】
この処理装置では、前記前記被処理基板の表面に、被処理基板表面の金属層を除去する処理剤を供給する第2のノズルを備えているので、表面研磨装置(CMP)のような研磨専用の機械的研磨装置を省略することが出来る。
【0008】
本発明の他の態様に係る処理装置は、被処理基板の端部を保持する筒状の保持手段と、保持手段の内側に被処理基板と対向して配設され被処理基板の一方の面に第1の洗浄剤を供給する洗浄剤供給手段と、被処理基板の他方の面と対向して配設され、保持された被処理基板の外周縁部に、被処理基板の半径方向外側かつ板面に傾斜した方向に第2の洗浄剤を供給して被処理基板の他方の面の外周縁部を洗浄する第1のノズルと、被処理基板の他方の面と対向して配設され、被処理基板の他方の面に形成された金属層を除去するエッチング処理剤を被処理基板の他方の面に供給する第2のノズルとを具備する。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第一の実施の形態)以下、本発明の第一の実施の形態に係る銅メッキ用のメッキ処理システムについて説明する。図1は本実施形態に係るメッキ処理システムの斜視図であり、図2は同メッキ処理システムの平面図であり、図3は同メッキ処理システムの正面図であり、図4は同メッキ処理システムの側面図である。図1〜図4に示したように、このメッキ処理システム1はウエハWを出し入れしたり運搬するキャリアステーション2とウエハWに実際に処理を施すプロセスステーション3とから構成されている。
【0010】
キャリアステーション2はウエハWを収容する載置台21と載置台21上に載置されたキャリアカセットCにアクセスしてその中に収容されたウエハWを取り出したり、処理が完了したウエハWを収容したりする第2の搬送手段としてのサブアーム22とから構成されている。キャリアカセットC内には複数枚、例えば25枚のウエハWを等間隔毎に水平に保った状態で垂直方向に収容されるようになっている。
【0011】
載置台21上には図中X方向に例えば4個のキャリアカセットCが配設されている。サブアーム22は図中X方向に配設されたレール上を移動するとともに鉛直方向(Z方向)即ち図中紙面に垂直な方向に昇降可能かつ水平面内で回転可能な構造を備えており、載置台21上に載置されたキャリアカセットC内にアクセスして未処理のウエハWをキャリアカセットCから取り出したり、処理が完了したウエハWをキャリアカセットC内に収納するようになっている。またこのサブアーム22は後述するプロセスステーション3との間でも、処理前後のウエハWを受け渡しするようになっている。
【0012】
プロセスステーション3は図1〜図4に示すように直方体又は立方体の箱型の外観を備えており、その周囲全体は耐腐食性の材料、例えば樹脂や表面を樹脂でコーティングした金属板などでできたハウジング31で覆われている。プロセスステーション3の内部は図1及び図4に示すように略立方形或いは直方形の箱型の構成となっており、内部には処理空間Sが形成されている。処理空間Sは図1及び図4に示したように直方体型の処理室であり、処理空間Sの底部には底板33が取り付けられている。処理空間Sには、複数の処理ユニット、例えば4基のメッキ処理ユニットM1〜M4が例えば処理空間室S内の、次に説明するメインアーム35の周囲にそれぞれ配設されている。
【0013】
図1及び図2に示すように底板33のほぼ中央にはウエハを搬送するための第1の搬送手段としてのメインアーム35が配設されている。このメインアーム35は昇降可能かつ水平面内で回転可能になっており、更に略水平面内で伸縮可能な上下二本のウエハ保持部材を備えており、これらのウエハ保持部材を伸縮させることによりメインアーム35の周囲に配設された処理ユニットに対して処理前後のウエハWを出し入れできるようになっている。
【0014】
またメインアーム35は垂直方向に移動して上側の処理ユニットへも出入りできるようになっており、下段側の処理ユニットから上段側の処理ユニットへウエハWを運んだり、その逆に上側の処理ユニットから下段側の処理ユニットへウエハWを運ぶこともできるようになっている。更にこのメインアーム35は保持したウエハWを上下反転させる機能を備えており、一の処理ユニットから他の処理ユニットへウエハWを搬送する間にウエハWを上下反転できる構造を備えている。なおこのウエハWを反転できる機能はメインアーム35に必須の機能ではない。上段側には他の処理ユニット、例えば第2の液処理装置としての洗浄処理ユニット(SRD)270が例えば2基キャリアステーションに近い側、即ち前記メッキ処理ユニットM1,M2の上側にそれぞれ配設されている。このように複数の処理ユニットが上下方向に多段配置されているので、液処理システムの面積効率を向上させることが出来る。
【0015】
プロセスステーション3のハウジング31のうち、キャリアステーション2に対面する位置に配設されたハウジング31aには、図3に示すように3つの開閉可能な開口部G1〜G3が配設されている。これらのうちG1は下段側に配設されたメッキ処理ユニットM1とM2との間に配設された中継載置台36の位置に対応する開口部であり、キャリアカセットCからサブアーム22が取り出した未処理のウエハWをプロセスステーション3内に搬入する際に用いられる。搬入の際には開口部G1が開かれ、未処理ウエハWを保持したサブアーム22が処理空間S内にウエハ保持部材を伸ばしてアクセスし、中継載置台36上にウエハWを置く。この中継載置台36にメインアーム35がアクセスし、中継載置台36上に載置されたウエハWを保持してメッキ処理ユニットM1〜M4などの処理ユニット内まで運ぶ。
【0016】
残りの開口部G2及びG3は処理空間Sのキャリアステーション2に近い側に配設されたSRDに対応する位置に配設されており、これらの開口部G2、G3を介してサブアームが処理空間S内にアクセスし、上段側に配設されたSRDに直接アクセスして処理が完了したウエハWを受け取ることができるようになっている。そのためSRDで洗浄されたウエハWが汚れたメインアームに触れて汚染されることが防止される。
【0017】
また、処理空間S内には図4中上から下向きのエアフローが形成されており、システム外から供給された清浄なエアが処理空間Sの上部から供給され、洗浄処理ユニット、メッキ処理ユニットM1〜M4に向けて流下し、処理空間Sの底部から排気されてシステム外に排出されるようになっている。このように処理空間S内を上から下に清浄な空気を流すことにより、下段側のメッキ処理ユニットM1〜M4から上段側の洗浄装置の方には空気が流れないようになっている。そのため、常に洗浄処理ユニット側は清浄な雰囲気に保たれている。
【0018】
更に、メッキ処理ユニットM1〜M4や洗浄処理ユニット等の各処理ユニット内はシステムの処理空間Sよりも陰圧に維持されており、空気の流れは処理空間S側から各処理ユニット内に向って流れ、各処理ユニットからシステム外に排気される。そのため、処理ユニット側から処理空間S側に汚れが拡散するのが防止される。
【0019】
図5はメッキ処理ユニットM1の垂直断面図である。図5に示すように、このメッキ処理ユニットM1では、ユニット全体が密閉構造のハウジング41で覆われている。このハウジング41も樹脂等の耐腐食性の材料で構成されている。ハウジング41の内側は概ね上下二段に分かれた構造になっており、排気路を内蔵したセパレータ72により、セパレータ72の上側に位置する第1の処理部Aと、セパレータ72の下側に位置する第2の処理部Bとに仕切り分けられている。そのため、第2の処理部B側から上側の第1の処理部A側に汚れが拡散するのが防止される。
【0020】
セパレータ72の中央には貫通孔74が設けられており、この貫通孔74を介して後述するドライバ61に保持されたウエハWが第1の処理部Aと第2の処理部Bとの間を行き来できるようになっている。処理部Aと処理部Bとの境界にあたる部分のハウジングには開口部とこの開口部を開閉するゲートバルブ73が設けられている。このゲートバルブ73を閉じるとメッキ処理ユニットM1内はその外側の処理空間Sとは隔絶された空間となるので、メッキ処理ユニットM1から外側の処理空間S内への汚れの拡散が防止される。
【0021】
またメッキ処理ユニットM1〜M4はそれぞれ別個独立に運転することができ、処理システムに対してそれぞれが着脱可能に構成されている。そのため、一つのメッキ処理ユニットについての保守管理時など運転できない場合には、他のメッキ処理ユニットを代替使用することができ、保守管理が容易に行なえる。
【0022】
第1の処理部AにはウエハWを略水平に保持して回転させる基板保持機構としてのドライバ61が配設されている。このドライバ61はウエハWを保持するホルダ62と、このホルダ62ごとウエハWを略水平面内で回転させるモータ63とから構成されており、モータ63の外套容器にはドライバ61を支持する支持梁67が取りつけられている。支持梁67の端はハウジング41の内壁に対してガイドレール68を介して昇降可能に取り付けられている。支持梁67は更にシリンダ69を介してハウジング41に取りつけられており、このシリンダ69を駆動することによりドライバ61の位置を上下できるようになっている。
【0023】
具体的には図5に示したように、ドライバ61の位置はウエハWを搬出入するための搬送位置(I)と、ウエハW下面側の被処理面を洗浄する洗浄位置(II)後述するスピンドライを行なうためのスピンドライ位置(IV)、及びウエハWをメッキ液に浸漬した状態でメッキを行なうメッキ位置(V)の主に4つの異なる高さの間で上下動させる。なお、ドライバ61の内部にはウエハWだけを昇降させる昇降機構(図示省略)が配設されており、この昇降機構を作動させることにより、ドライバ61の高さを変えずにウエハWの高さだけを位置(III)までドライバ61内部で変えることができる。この昇降機構はウエハW下面外周縁部で接触して電圧を印加するカソードコンタクト64と呼ばれる接点とウエハWとを接離させるときに作動させるものであり、例えばカソードコンタクト64を洗浄する際にウエハWを上昇させて接点表面を露出させ、ノズルから噴射された水により洗浄しやすくする。
【0024】
第2の処理部Bには例えば硫酸銅などの、銅メッキ用のメッキ液を収容するメッキバス42が配設されている。メッキバス42は二重構造になっており、内槽42aの外側に外槽42bが略同軸的に配設されている。メッキバス42は前述したドライバ61の真下に配設されており、メッキ液で内槽42aを満たしたときにメッキ液の液面がメッキ位置(V)で停止させたドライバ61に保持されたウエハWよりもメッキ液液面の方が高くなる高さに内槽42aが固定されている。
【0025】
内槽42aの内部にはメッキ液を底部側から上面に向けて噴出させる噴出管43が内槽42aの底部略中心から内槽42aの深さ方向略中間付近まで伸びており、噴出管43の周囲には電解メッキ処理時にアノードとして機能する電極44が配設されている。噴出管43の端部外周と内槽42aとの間には隔膜45が配設されており、電解メッキ時に電極44から混入する異物がメッキ液液面に浮上してメッキの障害になるのを防止している。内槽42a底部の中心から偏心した位置にはメッキ液を循環させるための循環配管4717が配設されており、図示しないポンプによりメッキ液を循環させ、循環配管47で吸い込んだメッキ液を循環配管46から供給するようになっている。
【0026】
外槽42bは内槽42aの外壁面との間にメッキ液の流れる流路42を形成している。更に外槽42bの底部には流路42に流れ込んだメッキ液を内槽42a内に戻すための配管48が接続されている。この配管48は前記噴出管43とポンプ49を介して繋がっており、このポンプ49を作動させることにより内槽42aから溢れ出して流路42、配管48に流れ込んだメッキ液を再び内槽42a内に戻すと共にウエハW下面側の被処理面に向けて噴出できるようになっている。
【0027】
セパレータ72の下方には第2の処理部が形成されている。この第2の処理部Bは前記第1の処理部Aとは別個独立に形成された空間であり、第1の処理部Aを流れる空気が第2の処理部Bに流れ込んだり、第2の処理部Bの空気が第1の処理部Aに流れ込むことはない。このように処理部B側から処理部A側に空気が流れないようにすることで処理部A内を清浄雰囲気に保っている。
【0028】
セパレータ72の下側には排気口71が配設されている。この排気口71は図示しない排気系に繋がれており、第2の処理部Bの空気中に飛散したメッキ液の微粒子等をこの排気口71で吸い込んで排気とともにメッキ処理システム外へ排出する。このように処理部Bの空気中に含まれる微粒子をメッキ処理システム外へ排出することによりメッキ処理ユニット内やメッキ処理システム内を清浄な雰囲気に維持している。
【0029】
セパレータ72のうち、ドライバ61が出入りする貫通口74の内壁下部には複数の洗浄ノズル70,70,…が配設されており、洗浄位置で停止したウエハWの下面に向けて例えば純水を噴出して洗浄するようになっている。なお、この貫通口74の部分に水平方向のエアカーテンを形成することも可能である。例えば、セバレータ72の一方から清浄な空気を平面状に吹き出す一方、吹出口の反対側に吸気口を設けてメッキバス42の上部を通過してきた空気を吸引しシステム外へ排気する方法などが挙げられる。このように処理部Aと処理部Bとの境界にエアカーテンを形成することにより、メッキバス42からのメッキ液を含んだミストが処理部A側に拡散するのを防止することができる。
【0030】
また、このメッキ処理ユニットM1内には温度調節装置や湿度調節装置を配設することも可能である。その場合にはメッキ処理ユニットM1内を所定の温度や湿度を維持するように制御されるので、メッキ液などのミストの発生を防止することができ、メッキ処理ユニットM1内の空気が汚染されるのを防止している。
【0031】
図6および図7は、本実施形態に係るアニーリングユニットの構成を示す平面図および断面図である。なお、図7では図解のために水平遮蔽板112を省略してある。このアニーリングユニットの処理室110は両側壁111と水平遮蔽板112とで形成され、処理室110の正面側(メインアーム35側)および背面側はそれぞれ開口部170A,170Bとなっている。遮蔽板112の中心部には円形の開口113が形成され、この開口113内には円盤状のサセプタ120が設けられる。
【0032】
サセプタ120には例えば3つの貫通孔121が設けられ、各貫通孔121内には支持ピン122が遊嵌状態で挿通されており、ウエハWのローディング・アンローディング時には各支持ピン122がサセプタ120の表面より上に突出または上昇してメインアーム35の保持部材35aとの間でウエハWの受け渡しを行うようになっている。サセプタ120の外周囲には、円周方向にたとえば2°間隔で多数の通気孔12を形成したリング状の帯板からなるシャッタ126が設けられている。このシャッタ126は、通常はサセプタ120より下の位置に退避しているが、アニーリングなどの熱処理時には図7に示すようにサセプタ120の上面よりも高い位置まで上昇して、サセプタ120とカバー体128との間にリング状の側壁を形成し、図示しない気体供給系より送り込まれるダウンフローの空気や窒素ガス等の不活性ガスを通気孔124より周方向で均等に流入させるようになっている。
【0033】
カバー体128の中心部には熱処理時にウエハW表面から発生するガスを排出するための排気口128aが設けられ、この排気口128aに排気管130が接続されている。この排気管130は、装置正面側(メインアーム35側)のダクト(図示省略)に通じている。遮蔽板112の下には、遮蔽板112、両側壁111および底板114によって機械室115が形成されており、室内にはサセプタ支持板116、シャッタアーム117、支持ピンアーム118、シャッタアーム昇降駆動用シリンダ119、支持ピンアーム昇降駆動用シリンダ125が設けられている。
【0034】
図6に示すように、ウエハWの外周縁部が載るべきサセプタ120の表面位置に複数個たとえば4個のウエハW案内支持突起部131が設けられている。サセプタ120内部にはニクロム線等の電熱ヒータ(図示省略)が設けられており、この電熱ヒータを加熱することによりサセプタ120を所定温度に維持するようになっている。
【0035】
図8は本実施形態に係る洗浄処理ユニット(SRD)270の構造を模式的に示した垂直断面図である。この洗浄処理ユニット270では略直方体の箱型ハウジング271内に固定カップ272が配設され、この固定カップ272の内側に回転カップ273とリフタ274とが配設された構造を備えている。ハウジング271には前記メインアーム35に面する開口部277が配設されており、開口部277を開閉するためのゲートバルブ278が配設されている。このゲートバルブ278を閉じることにより洗浄処理ユニット270は処理空間Sから遮断され、洗浄処理ユニット270内部からその外側の処理空間Sに汚れた空気が拡散しないようになっている。
【0036】
また、この洗浄処理ユニット270内には圧力をその外側よりも陰圧に保つ圧力制御装置や、温度や湿度を制御する装置などを配設してもよい。内部の圧力を処理空間Sより陰圧に保つことにより、洗浄処理ユニット70からその外側に汚染が拡散するのが防止される。また、温度や湿度を制御することにより汚染源を含んだミストの発生が防止される。
【0037】
回転カップ273はウエハWを保持して回転するようになっており、保持されたウエハWの上下各面に洗浄液を供給することでウエハWを洗浄する。回転カップ273の側壁は図8の小円中に示したように、チャック部材292が傾くようになっており、回転カップ273静止時には小円Aに示したように先端部292aがウエハW外周縁から離間してウエハWを着脱可能に載置し、回転カップ273の回転時には、小円Bに示したように遠心力で先端部292aがウエハWの外周縁を半径方向内向きに押圧してしっかりと固定する。また回転カップ273の上方には第1のノズルとしてのエッジノズル301が回転カップ273の回転軸300を中心とする円の半径方向に水平移動するようになっており、回転カップ273内でチャック部材292により固定されたウエハWの外周縁部を洗浄する。
【0038】
即ち、図8に示したように、ウエハWの外周縁を洗浄する際には、回転カップ273内でチャック部材292により固定されたウエハWの外周縁部にエッジノズル301が近接してウエハW外周縁に洗浄液や水を吐出して、ウエハW外周縁を洗浄する。また、回転カップ273の上方には洗浄水ノズル302と、第2のノズルとしてのケミカルノズル303の2本のノズルがそれらの開口部を鉛直方向下向きにして取りつけられている。これらは共に回転カップ273に保持されたウエハWの中心から半径方向に水平移動可能に取りつけられており、図示しない移動機構により水平方向に移動できるようになっている。更に洗浄水ノズル302には洗浄水タンクタンクからの洗浄水を供給する洗浄水供給配管が取り付けられ、ケミカルノズル303には薬液タンクからの薬液を供給する薬液供給配管が取り付けられており、それぞれノズル先端の開口部からウエハWに向けて洗浄水や薬液を供給できるようになっている。
【0039】
この洗浄処理ユニット270でウエハWの洗浄を行なう際には、回転カップ273を回転させた状態で洗浄水ノズル302から洗浄水を供給することによりウエハW表面が洗浄される。特にウエハWの外周縁を洗浄するには、回転カップ273を回転させた状態でエッジノズル301からウエハWの外周縁に向って斜めに薬液や洗浄水を供給すると同時に、洗浄水ノズル302からウエハWの表面に洗浄水を供給しながら外周縁を洗浄する。こうすることにより外周縁で飛散した洗浄水や薬液をウエハWの外側へ流去できるので、ウエハW表面を常に清浄な状態に出来る。回転カップ273上に載置した状態のウエハWの下面側には液体流路とシャワーヘッド状の複数の貫通孔を備えたリフタ284が対向するようになっており、この貫通孔から薬液や洗浄水を供給することにより裏面側も洗浄できるようになっている。
【0040】
更に、この洗浄処理ユニット270では、薬液ノズル303からエッチング液を供給することが出来る。回転カップ273を回転させながらこの薬液ノズル303からエッチング液を供給することにより、ウエハWのウェットエッチバックを行なうことが出来る。即ち、回転するウエハW表面上にエッチング液を供給し、表面の金属層をエッチングして余分なメッキ層を除去することが出来る。ここで、余分なメッキ層とは、溝や孔に埋め込まれたメッキ層以外のメッキ層である。従って、この洗浄処理ユニット270でウェットエッチバックを行なうことにより余分なメッキ層を除去できるので、表面研磨装置(CMP)などの機械的に研磨してメッキ層表面を削り取る装置の使用や機械的研磨処理を省略することが出来る。
【0041】
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程について説明する。図9は本実施形態に係る半導体装置の製造プロセスフローを示すフローチャートであり、図10は本実施形態に係る半導体装置の製造過程を模式的に示した垂直断面図である。
【0042】
図9に示すように、電源を投入してこのメッキ処理システムを立ち上げると、載置台21上に載置されたキャリアカセットC内にサブアーム22がアクセスして中に収容されている未処理のウエハWを取り出し、このウエハWをメインアーム35に引き渡す。このときのウエハWは図10(a)にその垂直断面図を示したように、表面の溝にシード層403aが薄く形成されている。メインアーム35はメッキ処理ユニットM1内にアクセスし、中のホルダ62にウエハWを引き渡し、ウエハWの搬入が完了する(ステップ1)。
【0043】
次いで、このメッキ処理ユニットM1内で第1のメッキ処理が施される(ステップ2)。
【0044】
こうして第1のメッキ処理が完了すると、図10(b)に示したように、メッキ層403が形成される。メッキ処理が完了したら、メッキ処理ユニットM1内にメインアーム35がアクセスして処理後のウエハWを取り出し、洗浄処理ユニット270へ移送し、この中で洗浄する(ステップ3)。
【0045】
洗浄処理が完了したら、ウエハWをアニーリング処理ユニットへ移送し、ここでアニーリングを行なう(ステップ4)。
【0046】
次いでアニーリング処理が完了したら、再びウエハWを洗浄処理ユニット270内に移送し、今度はこの洗浄処理ユニット270内でウエットエッチバックを行なう(ステップ5)。
【0047】
なお、ステップ35を同時に行なっても良い。即ち図8に示したように、ウエハWが載置された回転カップ273を回転させながら、薬液ノズル303からウエハWに向けてエッチング液を供給してウエハW表面の余分なメッキ層を除去する。この様子を模式的に示したのが図10(c)である。
【0048】
この図10(c)に示したように、薬液ノズル303から供給されたエッチング液404がメッキ層403の上表面をエッチングしながら流去している。所定時間エッチング液を供給しながらウエットエッチバックを行なうことにより、図10(d)のようにウエハW表面から余分なメッキ層が除去される。ウェットエッチバックが完了したら、洗浄処理ユニット270からウエハWを搬出し(ステップ6)、一連の処理工程が完了する。
【0049】
以上説明したように、本発明ではウエハWの表面に形成されたメッキ層の余分な部分を除去するのに機械的に研磨する表面研磨装置CMPを用いるのではなく、エッチング液を供給するための専用ノズルとしての薬液ノズル303を備えた洗浄処理ユニット(SRD)を用いて、この薬液ノズル303からエッチング液を供給することにより化学的に除去する機構を採用しているので、機械的な表面研磨装置(CMP)を使用することなく、半導体装置を製造することが出来る。
【0050】
なお本発明は上記実施形態に記載された範囲に限定されるものではない。例えばこの実施形態てはシリコンウエハ上にメッキする場合について説明したが、LCD用ガラス基板などシリコンウエハ以外の基板についても適用できることは言うまでもない。
【0051】
(第2の実施の形態)本実施形態では、前記第1の実施の形態で洗浄処理装置によりメッキ層をウエットエッチバックする際に、ウェットエッチバックされるメッキ層の終点を検出する手段を更に具備している。図12に本実施形態に係る装置の概略構成を示した。図12に示すように、本実施形態に係る装置では、メッキ層の表面状態を検出する装置、例えばCCDのような光学的にメッキ層の表面を監視し、その反射光を検出して表面状態の変化を検出する機構304を備えている。
【0052】
本実施形態に係る装置によれば、ウェットエッチバックの終点を検出する手段を備えているので、高精度にメッキ層の最終的な厚さを検出することが出来る。そのため、品質の高い半導体装置を高収率で製造することが出来る。なおエッジ除去は省略しても良い。
【0053】
【発明の効果】
本発明の液処理システムでは、機械的な表面研磨装置(CMP)を使用することなく、半導体装置を製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメッキ処理システムの斜視図である。
【図2】本発明に係るメッキ処理システムの平面図である。
【図3】本発明に係るメッキ処理システムの正面図である。
【図4】本発明に係るメッキ処理システムの側面図である。
【図5】本発明に係るメッキ処理ユニットの垂直断面図である。
【図6】本発明に係るアニーリング処理ユニットの平面図である。
【図7】本発明に係るアニーリング処理ユニットの垂直断面図である。
【図8】本発明に係る表面研磨処理ユニットの垂直断面図である。
【図9】本発明に係る半導体装置の製造工程を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る半導体装置の製造過程を示した垂直断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る処理装置の垂直断面図である。
【図12】従来の機械的表面研磨処理装置CMPの垂直断面図である。
【符号の説明】
W…ウエハ(被処理基板)、
M1〜M4…メッキ処理ユニット、
270…洗浄処理ユニット、
273…回転カップ(保持する手段)
301…エッジノズル(第1のノズル)、
302…洗浄水ノズル、
303…薬液ノズル(第2のノズル)、
403…メッキ層、
403a…シード層。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体の製造技術に係り、更に詳細にはシリコンウエハなどの被処理基板上にメッキ処理を施して銅の配線層を形成したり、この配線層を切削処理するなどして半導体装置を製造する方法及びその製造に用いる処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、LSIなどの半導体装置は、シリコンウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)の上に導体や半導体、絶縁体の薄膜層を作り込むことにより製造されている。このとき半導体装置の基板としてのウエハの材料であるシリコンは絶縁体であるため、配線層を形成するためには銅などの導体層をメッキ処理などにより形成する。更に詳しく述べると、ウエハの表面には微細な凹凸が形成されているため、最初にバリアメタル層を形成し、その上から銅等を析出させてシード層と呼ばれる導体層を形成し、このシード層を介して電解メッキを施すことにより配線層となるメッキ層を銅で形成する。できたメッキ層を図12に示したような、CMPと呼ばれる表面研磨装置で削って薄い銅層を形成し、この層を利用して各種の層を作り込んで半導体装置が製造される。
【0003】
図12は表面研磨処理装置(CMP)の概略垂直断面図である。この表面研磨処理装置はモータ221により鉛直な回転軸222を介して水平に回転する回転テーブル202と、この回転テーブル202の表面に貼着された研磨層である研磨布203と、被研磨体であるウエハWを保持して前記研磨布203に所定の圧力で接触させるウエハ保持部204と、前記研磨布203の表面に研磨液を供給する研磨液供給ノズル205とを備えている。ウエハ保持部204は例えば真空チャック機構を備え、回転テーブル202の中心部から変位した位置でウエハWを被研磨面が下側になるように吸着保持し、この被研磨面を研磨布203に接触させるように構成されるとともに、モータ241により鉛直な回転軸272を介して水平に回転するようになっている。このモータ241は、固定板243に取り付けられた昇降部244により昇降軸245を介して昇降可能な昇降体246に取りつけられている。前記研磨液供給ノズル205は、研磨液供給源251よりの化学的な研磨作用を有する化学的研磨材、例えばフッ素化合物を含む研磨液を、例えば研磨布203の回転中心付近に供給するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この表面研磨装置(CMP)はメッキ層を機械的に研磨して削り取るための専用の装置であり、表面を削り取るだけのためにこのCMPをシステムに組み込むには製造コストや保守管理などの費用と手間がかかるという問題がある。また、この表面研磨装置(CMP)をシステム外に設置すると、半導体製造装置の占有面積が大型化してフットプリントやスループットが低下するという問題がある。
【0005】
本発明は上記従来の問題を解決するためになされたものである。即ち、本発明は機械的にメッキ層の表面を研磨して削り取る表面研磨装置(CMP)を用いることなく半導体装置を製造することができる半導体装置の製造方法や処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの態様に係る処理装置は、被処理基板を回転可能に保持する手段と、回転する被処理基板の外周縁部に、被処理基板の半径方向外側かつ板面に傾斜した方向に第1の処理剤を供給して被処理基板の外周縁部表面を洗浄する第1のノズルと、被処理基板の表面に、被処理基板表面の金属層を除去する第2の処理剤を供給する第2のノズルと、を具備する。
【0007】
この処理装置では、前記前記被処理基板の表面に、被処理基板表面の金属層を除去する処理剤を供給する第2のノズルを備えているので、表面研磨装置(CMP)のような研磨専用の機械的研磨装置を省略することが出来る。
【0008】
本発明の他の態様に係る処理装置は、被処理基板の端部を保持する筒状の保持手段と、保持手段の内側に被処理基板と対向して配設され被処理基板の一方の面に第1の洗浄剤を供給する洗浄剤供給手段と、被処理基板の他方の面と対向して配設され、保持された被処理基板の外周縁部に、被処理基板の半径方向外側かつ板面に傾斜した方向に第2の洗浄剤を供給して被処理基板の他方の面の外周縁部を洗浄する第1のノズルと、被処理基板の他方の面と対向して配設され、被処理基板の他方の面に形成された金属層を除去するエッチング処理剤を被処理基板の他方の面に供給する第2のノズルとを具備する。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第一の実施の形態)以下、本発明の第一の実施の形態に係る銅メッキ用のメッキ処理システムについて説明する。図1は本実施形態に係るメッキ処理システムの斜視図であり、図2は同メッキ処理システムの平面図であり、図3は同メッキ処理システムの正面図であり、図4は同メッキ処理システムの側面図である。図1〜図4に示したように、このメッキ処理システム1はウエハWを出し入れしたり運搬するキャリアステーション2とウエハWに実際に処理を施すプロセスステーション3とから構成されている。
【0010】
キャリアステーション2はウエハWを収容する載置台21と載置台21上に載置されたキャリアカセットCにアクセスしてその中に収容されたウエハWを取り出したり、処理が完了したウエハWを収容したりする第2の搬送手段としてのサブアーム22とから構成されている。キャリアカセットC内には複数枚、例えば25枚のウエハWを等間隔毎に水平に保った状態で垂直方向に収容されるようになっている。
【0011】
載置台21上には図中X方向に例えば4個のキャリアカセットCが配設されている。サブアーム22は図中X方向に配設されたレール上を移動するとともに鉛直方向(Z方向)即ち図中紙面に垂直な方向に昇降可能かつ水平面内で回転可能な構造を備えており、載置台21上に載置されたキャリアカセットC内にアクセスして未処理のウエハWをキャリアカセットCから取り出したり、処理が完了したウエハWをキャリアカセットC内に収納するようになっている。またこのサブアーム22は後述するプロセスステーション3との間でも、処理前後のウエハWを受け渡しするようになっている。
【0012】
プロセスステーション3は図1〜図4に示すように直方体又は立方体の箱型の外観を備えており、その周囲全体は耐腐食性の材料、例えば樹脂や表面を樹脂でコーティングした金属板などでできたハウジング31で覆われている。プロセスステーション3の内部は図1及び図4に示すように略立方形或いは直方形の箱型の構成となっており、内部には処理空間Sが形成されている。処理空間Sは図1及び図4に示したように直方体型の処理室であり、処理空間Sの底部には底板33が取り付けられている。処理空間Sには、複数の処理ユニット、例えば4基のメッキ処理ユニットM1〜M4が例えば処理空間室S内の、次に説明するメインアーム35の周囲にそれぞれ配設されている。
【0013】
図1及び図2に示すように底板33のほぼ中央にはウエハを搬送するための第1の搬送手段としてのメインアーム35が配設されている。このメインアーム35は昇降可能かつ水平面内で回転可能になっており、更に略水平面内で伸縮可能な上下二本のウエハ保持部材を備えており、これらのウエハ保持部材を伸縮させることによりメインアーム35の周囲に配設された処理ユニットに対して処理前後のウエハWを出し入れできるようになっている。
【0014】
またメインアーム35は垂直方向に移動して上側の処理ユニットへも出入りできるようになっており、下段側の処理ユニットから上段側の処理ユニットへウエハWを運んだり、その逆に上側の処理ユニットから下段側の処理ユニットへウエハWを運ぶこともできるようになっている。更にこのメインアーム35は保持したウエハWを上下反転させる機能を備えており、一の処理ユニットから他の処理ユニットへウエハWを搬送する間にウエハWを上下反転できる構造を備えている。なおこのウエハWを反転できる機能はメインアーム35に必須の機能ではない。上段側には他の処理ユニット、例えば第2の液処理装置としての洗浄処理ユニット(SRD)270が例えば2基キャリアステーションに近い側、即ち前記メッキ処理ユニットM1,M2の上側にそれぞれ配設されている。このように複数の処理ユニットが上下方向に多段配置されているので、液処理システムの面積効率を向上させることが出来る。
【0015】
プロセスステーション3のハウジング31のうち、キャリアステーション2に対面する位置に配設されたハウジング31aには、図3に示すように3つの開閉可能な開口部G1〜G3が配設されている。これらのうちG1は下段側に配設されたメッキ処理ユニットM1とM2との間に配設された中継載置台36の位置に対応する開口部であり、キャリアカセットCからサブアーム22が取り出した未処理のウエハWをプロセスステーション3内に搬入する際に用いられる。搬入の際には開口部G1が開かれ、未処理ウエハWを保持したサブアーム22が処理空間S内にウエハ保持部材を伸ばしてアクセスし、中継載置台36上にウエハWを置く。この中継載置台36にメインアーム35がアクセスし、中継載置台36上に載置されたウエハWを保持してメッキ処理ユニットM1〜M4などの処理ユニット内まで運ぶ。
【0016】
残りの開口部G2及びG3は処理空間Sのキャリアステーション2に近い側に配設されたSRDに対応する位置に配設されており、これらの開口部G2、G3を介してサブアームが処理空間S内にアクセスし、上段側に配設されたSRDに直接アクセスして処理が完了したウエハWを受け取ることができるようになっている。そのためSRDで洗浄されたウエハWが汚れたメインアームに触れて汚染されることが防止される。
【0017】
また、処理空間S内には図4中上から下向きのエアフローが形成されており、システム外から供給された清浄なエアが処理空間Sの上部から供給され、洗浄処理ユニット、メッキ処理ユニットM1〜M4に向けて流下し、処理空間Sの底部から排気されてシステム外に排出されるようになっている。このように処理空間S内を上から下に清浄な空気を流すことにより、下段側のメッキ処理ユニットM1〜M4から上段側の洗浄装置の方には空気が流れないようになっている。そのため、常に洗浄処理ユニット側は清浄な雰囲気に保たれている。
【0018】
更に、メッキ処理ユニットM1〜M4や洗浄処理ユニット等の各処理ユニット内はシステムの処理空間Sよりも陰圧に維持されており、空気の流れは処理空間S側から各処理ユニット内に向って流れ、各処理ユニットからシステム外に排気される。そのため、処理ユニット側から処理空間S側に汚れが拡散するのが防止される。
【0019】
図5はメッキ処理ユニットM1の垂直断面図である。図5に示すように、このメッキ処理ユニットM1では、ユニット全体が密閉構造のハウジング41で覆われている。このハウジング41も樹脂等の耐腐食性の材料で構成されている。ハウジング41の内側は概ね上下二段に分かれた構造になっており、排気路を内蔵したセパレータ72により、セパレータ72の上側に位置する第1の処理部Aと、セパレータ72の下側に位置する第2の処理部Bとに仕切り分けられている。そのため、第2の処理部B側から上側の第1の処理部A側に汚れが拡散するのが防止される。
【0020】
セパレータ72の中央には貫通孔74が設けられており、この貫通孔74を介して後述するドライバ61に保持されたウエハWが第1の処理部Aと第2の処理部Bとの間を行き来できるようになっている。処理部Aと処理部Bとの境界にあたる部分のハウジングには開口部とこの開口部を開閉するゲートバルブ73が設けられている。このゲートバルブ73を閉じるとメッキ処理ユニットM1内はその外側の処理空間Sとは隔絶された空間となるので、メッキ処理ユニットM1から外側の処理空間S内への汚れの拡散が防止される。
【0021】
またメッキ処理ユニットM1〜M4はそれぞれ別個独立に運転することができ、処理システムに対してそれぞれが着脱可能に構成されている。そのため、一つのメッキ処理ユニットについての保守管理時など運転できない場合には、他のメッキ処理ユニットを代替使用することができ、保守管理が容易に行なえる。
【0022】
第1の処理部AにはウエハWを略水平に保持して回転させる基板保持機構としてのドライバ61が配設されている。このドライバ61はウエハWを保持するホルダ62と、このホルダ62ごとウエハWを略水平面内で回転させるモータ63とから構成されており、モータ63の外套容器にはドライバ61を支持する支持梁67が取りつけられている。支持梁67の端はハウジング41の内壁に対してガイドレール68を介して昇降可能に取り付けられている。支持梁67は更にシリンダ69を介してハウジング41に取りつけられており、このシリンダ69を駆動することによりドライバ61の位置を上下できるようになっている。
【0023】
具体的には図5に示したように、ドライバ61の位置はウエハWを搬出入するための搬送位置(I)と、ウエハW下面側の被処理面を洗浄する洗浄位置(II)後述するスピンドライを行なうためのスピンドライ位置(IV)、及びウエハWをメッキ液に浸漬した状態でメッキを行なうメッキ位置(V)の主に4つの異なる高さの間で上下動させる。なお、ドライバ61の内部にはウエハWだけを昇降させる昇降機構(図示省略)が配設されており、この昇降機構を作動させることにより、ドライバ61の高さを変えずにウエハWの高さだけを位置(III)までドライバ61内部で変えることができる。この昇降機構はウエハW下面外周縁部で接触して電圧を印加するカソードコンタクト64と呼ばれる接点とウエハWとを接離させるときに作動させるものであり、例えばカソードコンタクト64を洗浄する際にウエハWを上昇させて接点表面を露出させ、ノズルから噴射された水により洗浄しやすくする。
【0024】
第2の処理部Bには例えば硫酸銅などの、銅メッキ用のメッキ液を収容するメッキバス42が配設されている。メッキバス42は二重構造になっており、内槽42aの外側に外槽42bが略同軸的に配設されている。メッキバス42は前述したドライバ61の真下に配設されており、メッキ液で内槽42aを満たしたときにメッキ液の液面がメッキ位置(V)で停止させたドライバ61に保持されたウエハWよりもメッキ液液面の方が高くなる高さに内槽42aが固定されている。
【0025】
内槽42aの内部にはメッキ液を底部側から上面に向けて噴出させる噴出管43が内槽42aの底部略中心から内槽42aの深さ方向略中間付近まで伸びており、噴出管43の周囲には電解メッキ処理時にアノードとして機能する電極44が配設されている。噴出管43の端部外周と内槽42aとの間には隔膜45が配設されており、電解メッキ時に電極44から混入する異物がメッキ液液面に浮上してメッキの障害になるのを防止している。内槽42a底部の中心から偏心した位置にはメッキ液を循環させるための循環配管4717が配設されており、図示しないポンプによりメッキ液を循環させ、循環配管47で吸い込んだメッキ液を循環配管46から供給するようになっている。
【0026】
外槽42bは内槽42aの外壁面との間にメッキ液の流れる流路42を形成している。更に外槽42bの底部には流路42に流れ込んだメッキ液を内槽42a内に戻すための配管48が接続されている。この配管48は前記噴出管43とポンプ49を介して繋がっており、このポンプ49を作動させることにより内槽42aから溢れ出して流路42、配管48に流れ込んだメッキ液を再び内槽42a内に戻すと共にウエハW下面側の被処理面に向けて噴出できるようになっている。
【0027】
セパレータ72の下方には第2の処理部が形成されている。この第2の処理部Bは前記第1の処理部Aとは別個独立に形成された空間であり、第1の処理部Aを流れる空気が第2の処理部Bに流れ込んだり、第2の処理部Bの空気が第1の処理部Aに流れ込むことはない。このように処理部B側から処理部A側に空気が流れないようにすることで処理部A内を清浄雰囲気に保っている。
【0028】
セパレータ72の下側には排気口71が配設されている。この排気口71は図示しない排気系に繋がれており、第2の処理部Bの空気中に飛散したメッキ液の微粒子等をこの排気口71で吸い込んで排気とともにメッキ処理システム外へ排出する。このように処理部Bの空気中に含まれる微粒子をメッキ処理システム外へ排出することによりメッキ処理ユニット内やメッキ処理システム内を清浄な雰囲気に維持している。
【0029】
セパレータ72のうち、ドライバ61が出入りする貫通口74の内壁下部には複数の洗浄ノズル70,70,…が配設されており、洗浄位置で停止したウエハWの下面に向けて例えば純水を噴出して洗浄するようになっている。なお、この貫通口74の部分に水平方向のエアカーテンを形成することも可能である。例えば、セバレータ72の一方から清浄な空気を平面状に吹き出す一方、吹出口の反対側に吸気口を設けてメッキバス42の上部を通過してきた空気を吸引しシステム外へ排気する方法などが挙げられる。このように処理部Aと処理部Bとの境界にエアカーテンを形成することにより、メッキバス42からのメッキ液を含んだミストが処理部A側に拡散するのを防止することができる。
【0030】
また、このメッキ処理ユニットM1内には温度調節装置や湿度調節装置を配設することも可能である。その場合にはメッキ処理ユニットM1内を所定の温度や湿度を維持するように制御されるので、メッキ液などのミストの発生を防止することができ、メッキ処理ユニットM1内の空気が汚染されるのを防止している。
【0031】
図6および図7は、本実施形態に係るアニーリングユニットの構成を示す平面図および断面図である。なお、図7では図解のために水平遮蔽板112を省略してある。このアニーリングユニットの処理室110は両側壁111と水平遮蔽板112とで形成され、処理室110の正面側(メインアーム35側)および背面側はそれぞれ開口部170A,170Bとなっている。遮蔽板112の中心部には円形の開口113が形成され、この開口113内には円盤状のサセプタ120が設けられる。
【0032】
サセプタ120には例えば3つの貫通孔121が設けられ、各貫通孔121内には支持ピン122が遊嵌状態で挿通されており、ウエハWのローディング・アンローディング時には各支持ピン122がサセプタ120の表面より上に突出または上昇してメインアーム35の保持部材35aとの間でウエハWの受け渡しを行うようになっている。サセプタ120の外周囲には、円周方向にたとえば2°間隔で多数の通気孔12を形成したリング状の帯板からなるシャッタ126が設けられている。このシャッタ126は、通常はサセプタ120より下の位置に退避しているが、アニーリングなどの熱処理時には図7に示すようにサセプタ120の上面よりも高い位置まで上昇して、サセプタ120とカバー体128との間にリング状の側壁を形成し、図示しない気体供給系より送り込まれるダウンフローの空気や窒素ガス等の不活性ガスを通気孔124より周方向で均等に流入させるようになっている。
【0033】
カバー体128の中心部には熱処理時にウエハW表面から発生するガスを排出するための排気口128aが設けられ、この排気口128aに排気管130が接続されている。この排気管130は、装置正面側(メインアーム35側)のダクト(図示省略)に通じている。遮蔽板112の下には、遮蔽板112、両側壁111および底板114によって機械室115が形成されており、室内にはサセプタ支持板116、シャッタアーム117、支持ピンアーム118、シャッタアーム昇降駆動用シリンダ119、支持ピンアーム昇降駆動用シリンダ125が設けられている。
【0034】
図6に示すように、ウエハWの外周縁部が載るべきサセプタ120の表面位置に複数個たとえば4個のウエハW案内支持突起部131が設けられている。サセプタ120内部にはニクロム線等の電熱ヒータ(図示省略)が設けられており、この電熱ヒータを加熱することによりサセプタ120を所定温度に維持するようになっている。
【0035】
図8は本実施形態に係る洗浄処理ユニット(SRD)270の構造を模式的に示した垂直断面図である。この洗浄処理ユニット270では略直方体の箱型ハウジング271内に固定カップ272が配設され、この固定カップ272の内側に回転カップ273とリフタ274とが配設された構造を備えている。ハウジング271には前記メインアーム35に面する開口部277が配設されており、開口部277を開閉するためのゲートバルブ278が配設されている。このゲートバルブ278を閉じることにより洗浄処理ユニット270は処理空間Sから遮断され、洗浄処理ユニット270内部からその外側の処理空間Sに汚れた空気が拡散しないようになっている。
【0036】
また、この洗浄処理ユニット270内には圧力をその外側よりも陰圧に保つ圧力制御装置や、温度や湿度を制御する装置などを配設してもよい。内部の圧力を処理空間Sより陰圧に保つことにより、洗浄処理ユニット70からその外側に汚染が拡散するのが防止される。また、温度や湿度を制御することにより汚染源を含んだミストの発生が防止される。
【0037】
回転カップ273はウエハWを保持して回転するようになっており、保持されたウエハWの上下各面に洗浄液を供給することでウエハWを洗浄する。回転カップ273の側壁は図8の小円中に示したように、チャック部材292が傾くようになっており、回転カップ273静止時には小円Aに示したように先端部292aがウエハW外周縁から離間してウエハWを着脱可能に載置し、回転カップ273の回転時には、小円Bに示したように遠心力で先端部292aがウエハWの外周縁を半径方向内向きに押圧してしっかりと固定する。また回転カップ273の上方には第1のノズルとしてのエッジノズル301が回転カップ273の回転軸300を中心とする円の半径方向に水平移動するようになっており、回転カップ273内でチャック部材292により固定されたウエハWの外周縁部を洗浄する。
【0038】
即ち、図8に示したように、ウエハWの外周縁を洗浄する際には、回転カップ273内でチャック部材292により固定されたウエハWの外周縁部にエッジノズル301が近接してウエハW外周縁に洗浄液や水を吐出して、ウエハW外周縁を洗浄する。また、回転カップ273の上方には洗浄水ノズル302と、第2のノズルとしてのケミカルノズル303の2本のノズルがそれらの開口部を鉛直方向下向きにして取りつけられている。これらは共に回転カップ273に保持されたウエハWの中心から半径方向に水平移動可能に取りつけられており、図示しない移動機構により水平方向に移動できるようになっている。更に洗浄水ノズル302には洗浄水タンクタンクからの洗浄水を供給する洗浄水供給配管が取り付けられ、ケミカルノズル303には薬液タンクからの薬液を供給する薬液供給配管が取り付けられており、それぞれノズル先端の開口部からウエハWに向けて洗浄水や薬液を供給できるようになっている。
【0039】
この洗浄処理ユニット270でウエハWの洗浄を行なう際には、回転カップ273を回転させた状態で洗浄水ノズル302から洗浄水を供給することによりウエハW表面が洗浄される。特にウエハWの外周縁を洗浄するには、回転カップ273を回転させた状態でエッジノズル301からウエハWの外周縁に向って斜めに薬液や洗浄水を供給すると同時に、洗浄水ノズル302からウエハWの表面に洗浄水を供給しながら外周縁を洗浄する。こうすることにより外周縁で飛散した洗浄水や薬液をウエハWの外側へ流去できるので、ウエハW表面を常に清浄な状態に出来る。回転カップ273上に載置した状態のウエハWの下面側には液体流路とシャワーヘッド状の複数の貫通孔を備えたリフタ284が対向するようになっており、この貫通孔から薬液や洗浄水を供給することにより裏面側も洗浄できるようになっている。
【0040】
更に、この洗浄処理ユニット270では、薬液ノズル303からエッチング液を供給することが出来る。回転カップ273を回転させながらこの薬液ノズル303からエッチング液を供給することにより、ウエハWのウェットエッチバックを行なうことが出来る。即ち、回転するウエハW表面上にエッチング液を供給し、表面の金属層をエッチングして余分なメッキ層を除去することが出来る。ここで、余分なメッキ層とは、溝や孔に埋め込まれたメッキ層以外のメッキ層である。従って、この洗浄処理ユニット270でウェットエッチバックを行なうことにより余分なメッキ層を除去できるので、表面研磨装置(CMP)などの機械的に研磨してメッキ層表面を削り取る装置の使用や機械的研磨処理を省略することが出来る。
【0041】
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程について説明する。図9は本実施形態に係る半導体装置の製造プロセスフローを示すフローチャートであり、図10は本実施形態に係る半導体装置の製造過程を模式的に示した垂直断面図である。
【0042】
図9に示すように、電源を投入してこのメッキ処理システムを立ち上げると、載置台21上に載置されたキャリアカセットC内にサブアーム22がアクセスして中に収容されている未処理のウエハWを取り出し、このウエハWをメインアーム35に引き渡す。このときのウエハWは図10(a)にその垂直断面図を示したように、表面の溝にシード層403aが薄く形成されている。メインアーム35はメッキ処理ユニットM1内にアクセスし、中のホルダ62にウエハWを引き渡し、ウエハWの搬入が完了する(ステップ1)。
【0043】
次いで、このメッキ処理ユニットM1内で第1のメッキ処理が施される(ステップ2)。
【0044】
こうして第1のメッキ処理が完了すると、図10(b)に示したように、メッキ層403が形成される。メッキ処理が完了したら、メッキ処理ユニットM1内にメインアーム35がアクセスして処理後のウエハWを取り出し、洗浄処理ユニット270へ移送し、この中で洗浄する(ステップ3)。
【0045】
洗浄処理が完了したら、ウエハWをアニーリング処理ユニットへ移送し、ここでアニーリングを行なう(ステップ4)。
【0046】
次いでアニーリング処理が完了したら、再びウエハWを洗浄処理ユニット270内に移送し、今度はこの洗浄処理ユニット270内でウエットエッチバックを行なう(ステップ5)。
【0047】
なお、ステップ35を同時に行なっても良い。即ち図8に示したように、ウエハWが載置された回転カップ273を回転させながら、薬液ノズル303からウエハWに向けてエッチング液を供給してウエハW表面の余分なメッキ層を除去する。この様子を模式的に示したのが図10(c)である。
【0048】
この図10(c)に示したように、薬液ノズル303から供給されたエッチング液404がメッキ層403の上表面をエッチングしながら流去している。所定時間エッチング液を供給しながらウエットエッチバックを行なうことにより、図10(d)のようにウエハW表面から余分なメッキ層が除去される。ウェットエッチバックが完了したら、洗浄処理ユニット270からウエハWを搬出し(ステップ6)、一連の処理工程が完了する。
【0049】
以上説明したように、本発明ではウエハWの表面に形成されたメッキ層の余分な部分を除去するのに機械的に研磨する表面研磨装置CMPを用いるのではなく、エッチング液を供給するための専用ノズルとしての薬液ノズル303を備えた洗浄処理ユニット(SRD)を用いて、この薬液ノズル303からエッチング液を供給することにより化学的に除去する機構を採用しているので、機械的な表面研磨装置(CMP)を使用することなく、半導体装置を製造することが出来る。
【0050】
なお本発明は上記実施形態に記載された範囲に限定されるものではない。例えばこの実施形態てはシリコンウエハ上にメッキする場合について説明したが、LCD用ガラス基板などシリコンウエハ以外の基板についても適用できることは言うまでもない。
【0051】
(第2の実施の形態)本実施形態では、前記第1の実施の形態で洗浄処理装置によりメッキ層をウエットエッチバックする際に、ウェットエッチバックされるメッキ層の終点を検出する手段を更に具備している。図12に本実施形態に係る装置の概略構成を示した。図12に示すように、本実施形態に係る装置では、メッキ層の表面状態を検出する装置、例えばCCDのような光学的にメッキ層の表面を監視し、その反射光を検出して表面状態の変化を検出する機構304を備えている。
【0052】
本実施形態に係る装置によれば、ウェットエッチバックの終点を検出する手段を備えているので、高精度にメッキ層の最終的な厚さを検出することが出来る。そのため、品質の高い半導体装置を高収率で製造することが出来る。なおエッジ除去は省略しても良い。
【0053】
【発明の効果】
本発明の液処理システムでは、機械的な表面研磨装置(CMP)を使用することなく、半導体装置を製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメッキ処理システムの斜視図である。
【図2】本発明に係るメッキ処理システムの平面図である。
【図3】本発明に係るメッキ処理システムの正面図である。
【図4】本発明に係るメッキ処理システムの側面図である。
【図5】本発明に係るメッキ処理ユニットの垂直断面図である。
【図6】本発明に係るアニーリング処理ユニットの平面図である。
【図7】本発明に係るアニーリング処理ユニットの垂直断面図である。
【図8】本発明に係る表面研磨処理ユニットの垂直断面図である。
【図9】本発明に係る半導体装置の製造工程を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る半導体装置の製造過程を示した垂直断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る処理装置の垂直断面図である。
【図12】従来の機械的表面研磨処理装置CMPの垂直断面図である。
【符号の説明】
W…ウエハ(被処理基板)、
M1〜M4…メッキ処理ユニット、
270…洗浄処理ユニット、
273…回転カップ(保持する手段)
301…エッジノズル(第1のノズル)、
302…洗浄水ノズル、
303…薬液ノズル(第2のノズル)、
403…メッキ層、
403a…シード層。
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