JP2001319393A - ピンチローラ及びピンチローラ装置 - Google Patents
ピンチローラ及びピンチローラ装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】自己潤滑性樹脂製のすべり軸受を用いて、十分
な自動調芯作用によりテープを安定して走行させ、十分
な耐久性を有し、しかもキャプスタンモータの電力消費
量を軽減できるピンチローラ及びピンチローラ装置を提
供するものである。 【解決手段】ピンチローラ軸にすべり軸受を介して円筒
状の弾性体よりなるピンチローラ本体が回転自在に取り
付けられたピンチローラにおいて、前記すべり軸受がヤ
ング率1600kgf/mm2以上の自己潤滑性樹脂で形
成し、キャプスタンとの平行度の変化に直ちに追随して
自動調芯を行うようにしたものである。前記すべり軸受
は、中実の円筒形状としてもよいが、内筒と外筒からな
り、前記内筒と外筒との間には少なくとも一方の端面に
開口する空隙を設けたピンチローラ装置とする。
な自動調芯作用によりテープを安定して走行させ、十分
な耐久性を有し、しかもキャプスタンモータの電力消費
量を軽減できるピンチローラ及びピンチローラ装置を提
供するものである。 【解決手段】ピンチローラ軸にすべり軸受を介して円筒
状の弾性体よりなるピンチローラ本体が回転自在に取り
付けられたピンチローラにおいて、前記すべり軸受がヤ
ング率1600kgf/mm2以上の自己潤滑性樹脂で形
成し、キャプスタンとの平行度の変化に直ちに追随して
自動調芯を行うようにしたものである。前記すべり軸受
は、中実の円筒形状としてもよいが、内筒と外筒からな
り、前記内筒と外筒との間には少なくとも一方の端面に
開口する空隙を設けたピンチローラ装置とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ビデオテープレ
コーダやオーディオテープレコーダー等におけるテープ
駆動装置に使用するピンチローラ及びピンチローラ装置
に関する。
コーダやオーディオテープレコーダー等におけるテープ
駆動装置に使用するピンチローラ及びピンチローラ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】テープ駆動装置に使用するピンチローラ
装置は、キャプスタンとの間にテープを挟み、キャプス
タンの駆動によって移送するものである。このようなピ
ンチローラ装置は、キャプスタンとの間を走行するテー
プを安定した状態で確実に移送させるために、キャプス
タンの傾きに追従するように自動調芯作用を有すること
が要求される。ピンチローラ装置の自動調芯作用は、ピ
ンチローラ軸と軸受とのクリアランスによって、ピンチ
ローラ本体の回転軸とキャプスタンとを平行にするもの
である。このような、自動調芯作用を有するピンチロー
ラ装置の軸受には、近年、高価なボールベアリングに代
えて樹脂製軸受が用いられている。このような樹脂製軸
受を用いたピンチローラ装置に、例えば、特開平10−
228692号公報に記載されているようなピンチロー
ラ及びピンチローラ装置がある。
装置は、キャプスタンとの間にテープを挟み、キャプス
タンの駆動によって移送するものである。このようなピ
ンチローラ装置は、キャプスタンとの間を走行するテー
プを安定した状態で確実に移送させるために、キャプス
タンの傾きに追従するように自動調芯作用を有すること
が要求される。ピンチローラ装置の自動調芯作用は、ピ
ンチローラ軸と軸受とのクリアランスによって、ピンチ
ローラ本体の回転軸とキャプスタンとを平行にするもの
である。このような、自動調芯作用を有するピンチロー
ラ装置の軸受には、近年、高価なボールベアリングに代
えて樹脂製軸受が用いられている。このような樹脂製軸
受を用いたピンチローラ装置に、例えば、特開平10−
228692号公報に記載されているようなピンチロー
ラ及びピンチローラ装置がある。
【0003】前記公報に開示されているピンチローラ
は、次のように構成されている。即ち、ローラ軸にすべ
り軸受を介して円筒状の弾性体よりなるローラ本体が回
転自在に取り付けられたピンチローラにおいて、前記軸
受が樹脂よりなり、かつ、前記樹脂のヤング率が10k
gf/mm2以上200kgf/mm2以下であることを要
旨とする。また、ローラ軸にすべり軸受を介して円筒状
の弾性体よりなるローラ本体が回転自在に取り付けられ
たピンチローラにおいて、前記軸受が樹脂よりなるとと
もに、該軸受にその形状変化を容易にする1ないし複数
個の空隙部が設けられ、かつ、前記樹脂のヤング率が5
0kgf/mm2以上1500kgf/mm2以下であって
も良い。
は、次のように構成されている。即ち、ローラ軸にすべ
り軸受を介して円筒状の弾性体よりなるローラ本体が回
転自在に取り付けられたピンチローラにおいて、前記軸
受が樹脂よりなり、かつ、前記樹脂のヤング率が10k
gf/mm2以上200kgf/mm2以下であることを要
旨とする。また、ローラ軸にすべり軸受を介して円筒状
の弾性体よりなるローラ本体が回転自在に取り付けられ
たピンチローラにおいて、前記軸受が樹脂よりなるとと
もに、該軸受にその形状変化を容易にする1ないし複数
個の空隙部が設けられ、かつ、前記樹脂のヤング率が5
0kgf/mm2以上1500kgf/mm2以下であって
も良い。
【0004】さらに、前記公報に開示されているピンチ
ローラ装置は、前記ピンチローラのローラ軸の一端がア
ームに取り付けられ、前記アームを移動させることによ
ってキャプスタンに前記ローラ本体を押し付けるものと
なされたピンチローラ装置において、前記ローラ本体を
キャプスタンに押し付けた際のローラ軸とすべり軸受と
の接触面積が、軸受内周面の投影面積に対して30〜8
0%の範囲に設定されるか、または、前記ローラ軸は、
他端がキャプスタンに近接する方向にキャプスタンの軸
線に対して傾斜角(α)が0゜<α≦7゜の範囲で傾斜
状に設定されるか、または、その両方が設定されてなる
ことを特徴とするものである。
ローラ装置は、前記ピンチローラのローラ軸の一端がア
ームに取り付けられ、前記アームを移動させることによ
ってキャプスタンに前記ローラ本体を押し付けるものと
なされたピンチローラ装置において、前記ローラ本体を
キャプスタンに押し付けた際のローラ軸とすべり軸受と
の接触面積が、軸受内周面の投影面積に対して30〜8
0%の範囲に設定されるか、または、前記ローラ軸は、
他端がキャプスタンに近接する方向にキャプスタンの軸
線に対して傾斜角(α)が0゜<α≦7゜の範囲で傾斜
状に設定されるか、または、その両方が設定されてなる
ことを特徴とするものである。
【0005】そして、前記公報に開示されているピンチ
ローラ及びピンチローラ装置は、軸受を構成する樹脂の
弾性によって、ローラ本体の回転軸とキャプスタンの回
転軸が平行になるとともに、軸受の内周面は傾いたロー
ラ軸と面接触に近い状態で摺動することができる。した
がって、自動調芯機能が発揮された状態でもローラ軸と
軸受の内周面は点接触状態とはならないため、軸受の一
部が異常に摩耗することがなく、樹脂製の軸受でも十分
にピンチローラとしての耐久性を確保することができる
ものである。
ローラ及びピンチローラ装置は、軸受を構成する樹脂の
弾性によって、ローラ本体の回転軸とキャプスタンの回
転軸が平行になるとともに、軸受の内周面は傾いたロー
ラ軸と面接触に近い状態で摺動することができる。した
がって、自動調芯機能が発揮された状態でもローラ軸と
軸受の内周面は点接触状態とはならないため、軸受の一
部が異常に摩耗することがなく、樹脂製の軸受でも十分
にピンチローラとしての耐久性を確保することができる
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記ピンチローラ及び
ピンチローラ装置は、軸受を構成する樹脂の弾性によっ
て自動調芯させるために、長時間使用すると軸受が疲労
破壊を起こすおそれがある。また、前記ピンチローラ及
びピンチローラ装置は、クリアランスによる自動調芯で
はなく樹脂の弾性によって自動調芯するために、ピンチ
ローラ本体がキャプスタンに対して平行になるまでに時
間がかかり、短時間で自動調芯することができないとい
う問題がある。
ピンチローラ装置は、軸受を構成する樹脂の弾性によっ
て自動調芯させるために、長時間使用すると軸受が疲労
破壊を起こすおそれがある。また、前記ピンチローラ及
びピンチローラ装置は、クリアランスによる自動調芯で
はなく樹脂の弾性によって自動調芯するために、ピンチ
ローラ本体がキャプスタンに対して平行になるまでに時
間がかかり、短時間で自動調芯することができないとい
う問題がある。
【0007】また、前記ピンチローラ及びピンチローラ
装置は、軸受に複数個の空隙部を設けた場合、空隙部と
非空隙部とでは弾性作用が異なるから、軸受の空隙部の
内周面がローラ軸に接触したときと軸受の非空隙部の内
周面がローラ軸に接触したときでは軸受の撓み量が異な
り、テープの走行が不均一になるおそれがある。さら
に、前記ピンチローラ及びピンチローラ装置は、ローラ
本体をキャプスタンに押し付けた際のローラ軸とすべり
軸受との接触面積が、軸受内周面の投影面積に対して3
0〜80%の範囲に設定しているために、キャプスタン
モータの電力消費量が著しく増大することとなり、バッ
テリーで駆動させるカメラ一体型の小型ビデオテープレ
コーダや小型オーディオテープレコーダには好ましくな
い。
装置は、軸受に複数個の空隙部を設けた場合、空隙部と
非空隙部とでは弾性作用が異なるから、軸受の空隙部の
内周面がローラ軸に接触したときと軸受の非空隙部の内
周面がローラ軸に接触したときでは軸受の撓み量が異な
り、テープの走行が不均一になるおそれがある。さら
に、前記ピンチローラ及びピンチローラ装置は、ローラ
本体をキャプスタンに押し付けた際のローラ軸とすべり
軸受との接触面積が、軸受内周面の投影面積に対して3
0〜80%の範囲に設定しているために、キャプスタン
モータの電力消費量が著しく増大することとなり、バッ
テリーで駆動させるカメラ一体型の小型ビデオテープレ
コーダや小型オーディオテープレコーダには好ましくな
い。
【0008】この発明は、かかる現況に鑑みてなされた
ものであって、すべり軸受が、十分な自動調芯作用によ
りテープを安定して走行させることができると共に、十
分な耐久性を有し、かつ製造、組み立てが簡単で、しか
もキャプスタンモータの電力消費量を軽減できるピンチ
ローラ及びピンチローラ装置を提供するものである。
ものであって、すべり軸受が、十分な自動調芯作用によ
りテープを安定して走行させることができると共に、十
分な耐久性を有し、かつ製造、組み立てが簡単で、しか
もキャプスタンモータの電力消費量を軽減できるピンチ
ローラ及びピンチローラ装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するために次のような構成とした。即ち、この発明
に係るピンチローラは、ピンチローラ軸にすべり軸受を
介して円筒状の弾性体よりなるピンチローラ本体が回転
自在に取り付けられたピンチローラにおいて、前記すべ
り軸受がヤング率1600kgf/mm2以上の自己潤滑
性樹脂からなることを特徴とする。前記ピンチローラに
用いるすべり軸受は、中実の円筒形状に形成することが
できるが、内筒と外筒からなり、前記内筒と外筒との間
には少なくとも一方の端面に開口する空隙を設けること
が好ましい。また、前記すべり軸受は、前記内筒と外筒
とを半径方向の連結リブによって連結した構成とするこ
ともできる。さらに、前記すべり軸受は、前記内筒と外
筒とを軸方向の連結リブによって連結してもよい。
達成するために次のような構成とした。即ち、この発明
に係るピンチローラは、ピンチローラ軸にすべり軸受を
介して円筒状の弾性体よりなるピンチローラ本体が回転
自在に取り付けられたピンチローラにおいて、前記すべ
り軸受がヤング率1600kgf/mm2以上の自己潤滑
性樹脂からなることを特徴とする。前記ピンチローラに
用いるすべり軸受は、中実の円筒形状に形成することが
できるが、内筒と外筒からなり、前記内筒と外筒との間
には少なくとも一方の端面に開口する空隙を設けること
が好ましい。また、前記すべり軸受は、前記内筒と外筒
とを半径方向の連結リブによって連結した構成とするこ
ともできる。さらに、前記すべり軸受は、前記内筒と外
筒とを軸方向の連結リブによって連結してもよい。
【0010】また、前記すべり軸受の内周面は、一方の
端面から他方の端面まで直線状の平行面とすることもで
きるが、中央部において直線状の平行面とし、前記平行
面の両端部から軸受の端面に向かって半径方向に徐々に
拡径するテーパー状又は円弧状の拡大面とすることもで
きる。さらに、前記すべり軸受は、ポリアミド樹脂、ポ
リフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルニトリル
樹脂、ポリイミド系樹脂等によって成形すればよい。
端面から他方の端面まで直線状の平行面とすることもで
きるが、中央部において直線状の平行面とし、前記平行
面の両端部から軸受の端面に向かって半径方向に徐々に
拡径するテーパー状又は円弧状の拡大面とすることもで
きる。さらに、前記すべり軸受は、ポリアミド樹脂、ポ
リフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルニトリル
樹脂、ポリイミド系樹脂等によって成形すればよい。
【0011】次に、この発明に係るピンチローラ装置
は、一端がアームに固定されたピンチローラ軸に、すべ
り軸受を介してスリーブの外周にゴム状弾性体を設けた
ピンチローラ本体を取り付け、前記アームを移動させる
ことによってキャプスタンに前記ピンチローラ本体を押
し付けるピンチローラ装置において、前記すべり軸受が
ヤング率1600kgf/mm2以上の自己潤滑性樹脂か
らなることを特徴とする。また、前記ピンチローラ装置
に用いる前記ピンチローラ軸には、前記すべり軸受の上
端面及び下端面の両方に当接する円形摺動板を挿通する
ことが好ましい。さらに、前記ピンチローラ装置に使用
する前記すべり軸受は、一方の端面から他方の端面まで
直線状の平行面とすることもできるが、中央部において
直線状の平行面とし、前記平行面の両端部から軸受の端
面に向かって半径方向に徐々に拡径するテーパー状又は
円弧状の拡大面としてもよい。さらに、前記すべり軸受
は、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリイミド系樹脂等に
よって成形すればよい。
は、一端がアームに固定されたピンチローラ軸に、すべ
り軸受を介してスリーブの外周にゴム状弾性体を設けた
ピンチローラ本体を取り付け、前記アームを移動させる
ことによってキャプスタンに前記ピンチローラ本体を押
し付けるピンチローラ装置において、前記すべり軸受が
ヤング率1600kgf/mm2以上の自己潤滑性樹脂か
らなることを特徴とする。また、前記ピンチローラ装置
に用いる前記ピンチローラ軸には、前記すべり軸受の上
端面及び下端面の両方に当接する円形摺動板を挿通する
ことが好ましい。さらに、前記ピンチローラ装置に使用
する前記すべり軸受は、一方の端面から他方の端面まで
直線状の平行面とすることもできるが、中央部において
直線状の平行面とし、前記平行面の両端部から軸受の端
面に向かって半径方向に徐々に拡径するテーパー状又は
円弧状の拡大面としてもよい。さらに、前記すべり軸受
は、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリイミド系樹脂等に
よって成形すればよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、図示する実施形態につい
て詳細に説明する。図1において11はピンチローラ
軸、12は自己潤滑性樹脂よりなるすべり軸受、13は
前記ピンチローラ軸11にすべり軸受12を介して回転
自在に取り付けられたピンチローラ本体である。前記す
べり軸受12は、軸中心に前記ピンチローラ軸11を挿
通し得る貫通孔を有する中実の円筒形状となされてい
る。ピンチローラ本体13は、外周面を予め研磨したゴ
ムからなるゴムローラ15を金属製のスリーブ17の外
周面に取り付け、このスリーブ17の内周面の適位置に
すべり軸受12を配設し、前記すべり軸受12にフレー
ム19に固定された段付きのピンチローラ軸11を挿入
し、エンドキャップ20で固定したものである。
て詳細に説明する。図1において11はピンチローラ
軸、12は自己潤滑性樹脂よりなるすべり軸受、13は
前記ピンチローラ軸11にすべり軸受12を介して回転
自在に取り付けられたピンチローラ本体である。前記す
べり軸受12は、軸中心に前記ピンチローラ軸11を挿
通し得る貫通孔を有する中実の円筒形状となされてい
る。ピンチローラ本体13は、外周面を予め研磨したゴ
ムからなるゴムローラ15を金属製のスリーブ17の外
周面に取り付け、このスリーブ17の内周面の適位置に
すべり軸受12を配設し、前記すべり軸受12にフレー
ム19に固定された段付きのピンチローラ軸11を挿入
し、エンドキャップ20で固定したものである。
【0013】上記構成におけるピンチローラ本体13
は、キャプスタンに押し付けられた際に、傾くことによ
って自動調芯作用を発揮する。前記すべり軸受12を構
成する樹脂のヤング率は、1600kgf/mm2以上で
ある必要がある。前記樹脂のヤング率が1600kgf
/mm2より小さいと、すべり軸受12とピンチローラ軸
11とのクリアランスによって自動調芯するのではな
く、軸受自体の弾性によって自動調芯作用を発揮するこ
とになり、長時間使用すると疲労破壊を起こすおそれが
あるからである。
は、キャプスタンに押し付けられた際に、傾くことによ
って自動調芯作用を発揮する。前記すべり軸受12を構
成する樹脂のヤング率は、1600kgf/mm2以上で
ある必要がある。前記樹脂のヤング率が1600kgf
/mm2より小さいと、すべり軸受12とピンチローラ軸
11とのクリアランスによって自動調芯するのではな
く、軸受自体の弾性によって自動調芯作用を発揮するこ
とになり、長時間使用すると疲労破壊を起こすおそれが
あるからである。
【0014】ヤング率が1600kgf/mm2以上の樹
脂を使用することにより、すべり軸受12とローラ軸1
1とが点接触の状態となったまま摺動しても、すべり軸
受12の摩耗はきわめて小さい。また、すべり軸受12
の自動調芯作用は、樹脂の弾性によって発揮されるので
はなくローラ軸とのクリアランスによって発揮される。
従って、ピンチローラ本体は、キャプスタンの傾きに直
ちに追随することができ、キャプスタンに対して平行に
なるまでの時間、即ち、自動調芯時間は短時間で済むこ
とになり、テープを良好な状態で走行させることができ
る。
脂を使用することにより、すべり軸受12とローラ軸1
1とが点接触の状態となったまま摺動しても、すべり軸
受12の摩耗はきわめて小さい。また、すべり軸受12
の自動調芯作用は、樹脂の弾性によって発揮されるので
はなくローラ軸とのクリアランスによって発揮される。
従って、ピンチローラ本体は、キャプスタンの傾きに直
ちに追随することができ、キャプスタンに対して平行に
なるまでの時間、即ち、自動調芯時間は短時間で済むこ
とになり、テープを良好な状態で走行させることができ
る。
【0015】前記エンドキャップ20とすべり軸受12
との間には、軸方向に所定の隙間が形成されている。ま
た、ピンチローラ軸11の段部21にはすべり軸受12
の下端面に当接する円形摺動板23を装着し、すべり軸
受12の上部にはすべり軸受12の上端面が当接する円
形摺動板25を装着してなる。前記円形摺動板23、2
5は合成樹脂または金属によって形成し、合成樹脂の場
合は、モリブデン等の添加剤を加えた自己潤滑性樹脂に
よって形成することが好ましい。すべり軸受け12と前
記円形摺動板23、25との隙間によって、すべり軸受
12の傾き量、即ち、自動調芯量を調整するように構成
することもできる。尚、すべり軸受12をスリーブ17
内部に固定する方法は、上記実施形態に限定されるもの
ではない。例えば、スリーブ17の内部に段部を形成し
てすべり軸受12の端面を係止させ、前記段部を抜け止
め防止用のストッパーとしてもよい。
との間には、軸方向に所定の隙間が形成されている。ま
た、ピンチローラ軸11の段部21にはすべり軸受12
の下端面に当接する円形摺動板23を装着し、すべり軸
受12の上部にはすべり軸受12の上端面が当接する円
形摺動板25を装着してなる。前記円形摺動板23、2
5は合成樹脂または金属によって形成し、合成樹脂の場
合は、モリブデン等の添加剤を加えた自己潤滑性樹脂に
よって形成することが好ましい。すべり軸受け12と前
記円形摺動板23、25との隙間によって、すべり軸受
12の傾き量、即ち、自動調芯量を調整するように構成
することもできる。尚、すべり軸受12をスリーブ17
内部に固定する方法は、上記実施形態に限定されるもの
ではない。例えば、スリーブ17の内部に段部を形成し
てすべり軸受12の端面を係止させ、前記段部を抜け止
め防止用のストッパーとしてもよい。
【0016】前記すべり軸受12を構成する樹脂は、前
記ヤング率を満たすものであれば特に限定されるもので
はない。例えば、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサル
ファイド樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリイミド
系樹脂等を用いることができる。また、すべり軸受を構
成する樹脂は、前記ヤング率を満たす範囲でカーボンフ
ァイバー、グラスファイバー、チタン酸カリウィスカー
等の強化剤やモリブデン等の潤滑剤を添加してもよい。
記ヤング率を満たすものであれば特に限定されるもので
はない。例えば、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサル
ファイド樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリイミド
系樹脂等を用いることができる。また、すべり軸受を構
成する樹脂は、前記ヤング率を満たす範囲でカーボンフ
ァイバー、グラスファイバー、チタン酸カリウィスカー
等の強化剤やモリブデン等の潤滑剤を添加してもよい。
【0017】さらに、すべり軸受12の形状について説
明する。すべり軸受12は、図2に示すように、中実の
円筒形状であり、内周面が一方の端面から他方の端面ま
で直線状とした平行面としてもよいが、図3に示すよう
に、前記すべり軸受12が内筒と外筒からなり、前記内
筒と外筒との間には少なくとも一方の端面に開口する空
隙を設ける形状としてもよい。すべり軸受12は、内筒
12aの外側に軸方向の空隙12bを設けて外筒12c
を配設してなり、前記内筒12aと外筒12cとは一方
の端面に設けた半径方向の連結リブ12dによって連結
され、断面コ字状に形成されている。前記空隙12b
は、型抜きを容易にするために、端面開口部に向かって
徐々に幅が大きくなっている。
明する。すべり軸受12は、図2に示すように、中実の
円筒形状であり、内周面が一方の端面から他方の端面ま
で直線状とした平行面としてもよいが、図3に示すよう
に、前記すべり軸受12が内筒と外筒からなり、前記内
筒と外筒との間には少なくとも一方の端面に開口する空
隙を設ける形状としてもよい。すべり軸受12は、内筒
12aの外側に軸方向の空隙12bを設けて外筒12c
を配設してなり、前記内筒12aと外筒12cとは一方
の端面に設けた半径方向の連結リブ12dによって連結
され、断面コ字状に形成されている。前記空隙12b
は、型抜きを容易にするために、端面開口部に向かって
徐々に幅が大きくなっている。
【0018】また、内筒12aの内径は自動調芯作用を
有するように、中央部よりも両端部が半径方向に拡径し
ている。すなわち、中央部12eはピンチローラ軸との
間に一定のクリアランスを有する直線状とした平行面に
形成され、前記中央部12eの両端部から軸受の端面に
向かって半径方向に徐々に拡径するテーパー状又は円弧
状の拡大面に形成されている。中央部12eの平行面と
軸受の両端面における内周面との間には、差tを有する
テーパー状または円弧状に形成されている。
有するように、中央部よりも両端部が半径方向に拡径し
ている。すなわち、中央部12eはピンチローラ軸との
間に一定のクリアランスを有する直線状とした平行面に
形成され、前記中央部12eの両端部から軸受の端面に
向かって半径方向に徐々に拡径するテーパー状又は円弧
状の拡大面に形成されている。中央部12eの平行面と
軸受の両端面における内周面との間には、差tを有する
テーパー状または円弧状に形成されている。
【0019】尚、前記内筒12aと外筒12cとは、上
記実施形態のように、一方の端面において連結してもよ
いが、中央部において半径方向の連結リブによって連結
し、空隙12bの開口を両端面に設ける構成としてもよ
い。また、前記内筒12aと外筒12cとは、図4に示
すように、軸方向の連結リブ12fによって連結し、軸
方向に複数の空隙12bを設ける構成としてもよい。
記実施形態のように、一方の端面において連結してもよ
いが、中央部において半径方向の連結リブによって連結
し、空隙12bの開口を両端面に設ける構成としてもよ
い。また、前記内筒12aと外筒12cとは、図4に示
すように、軸方向の連結リブ12fによって連結し、軸
方向に複数の空隙12bを設ける構成としてもよい。
【0020】上記のように、内筒12aの内面をテーパ
ー状または円弧状の拡大面に成形した場合には、キャプ
スタンの傾きにピンチローラが容易に追随してゴムロー
ラの安定した接触状態を保持することができる。また、
内筒12aの内面をテーパー状または円弧状の拡大面に
成形した場合には、中央部12eにおける平行面とピン
チローラ軸との間のクリアランスを小さくすることがで
きる。また、内筒12aと外筒12cとの間には空隙1
2bを設けた場合にも、すべり軸受12は、ヤング率が
1600kgf/mm2以上の樹脂で形成することによ
り、空隙部と非空隙部とでの弾性作用が異なることがな
いために、すべり軸受の空隙部の内周面がローラ軸に接
触したときとすべり軸受の非空隙部の内周面がローラ軸
に接触したときではすべり軸受の撓み量がほぼ一定とな
る。従って、テープの蛇行や上下移動によってワウ・フ
ラッタが増大することなく、テープの安定走行性を確保
することができる。
ー状または円弧状の拡大面に成形した場合には、キャプ
スタンの傾きにピンチローラが容易に追随してゴムロー
ラの安定した接触状態を保持することができる。また、
内筒12aの内面をテーパー状または円弧状の拡大面に
成形した場合には、中央部12eにおける平行面とピン
チローラ軸との間のクリアランスを小さくすることがで
きる。また、内筒12aと外筒12cとの間には空隙1
2bを設けた場合にも、すべり軸受12は、ヤング率が
1600kgf/mm2以上の樹脂で形成することによ
り、空隙部と非空隙部とでの弾性作用が異なることがな
いために、すべり軸受の空隙部の内周面がローラ軸に接
触したときとすべり軸受の非空隙部の内周面がローラ軸
に接触したときではすべり軸受の撓み量がほぼ一定とな
る。従って、テープの蛇行や上下移動によってワウ・フ
ラッタが増大することなく、テープの安定走行性を確保
することができる。
【0021】次に、図5及び図6に示す他の実施形態の
ピンチローラ及びピンチローラ装置について説明する。
この実施形態では、すべり軸受の両端面を軸の中心部か
ら外周面に向かって半径方向にテーパー状又は円弧状の
傾斜面とした点において異なる。即ち、この実施形態で
は、すべり軸受の摺動面とピンチローラ軸とのクリアラ
ンスとともに、あるいは、すべり軸受の摺動面とピンチ
ローラ軸とのクリアランスによることなく、すべり軸受
の軸方向の端面における隙間長さによってすべり軸受の
傾斜角を調整するものである。
ピンチローラ及びピンチローラ装置について説明する。
この実施形態では、すべり軸受の両端面を軸の中心部か
ら外周面に向かって半径方向にテーパー状又は円弧状の
傾斜面とした点において異なる。即ち、この実施形態で
は、すべり軸受の摺動面とピンチローラ軸とのクリアラ
ンスとともに、あるいは、すべり軸受の摺動面とピンチ
ローラ軸とのクリアランスによることなく、すべり軸受
の軸方向の端面における隙間長さによってすべり軸受の
傾斜角を調整するものである。
【0022】すべり軸受30は、すべり軸受30の傾き
に応じて両端面に配設した円形摺動板23a、25aに
当接するように形成したもので、すべり軸受30の両端
面を軸の中心部から外周面に向かって半径方向にテーパ
ー状又は円弧状の傾斜面31とし、外周縁部にフランジ
32を形成したものである。
に応じて両端面に配設した円形摺動板23a、25aに
当接するように形成したもので、すべり軸受30の両端
面を軸の中心部から外周面に向かって半径方向にテーパ
ー状又は円弧状の傾斜面31とし、外周縁部にフランジ
32を形成したものである。
【0023】前記フランジ32には、すべり軸受30を
スリーブ33内に圧入したとき、スリーブ33の段部3
5に突き当てられ、また、他端面のフランジ32にはス
トッパー37が突き当てられる。従って、フランジ32
の高さは、すべり軸受30の中心部と同じ高さである必
要はなく、すべり軸受30の中心部よりも突出していて
もよく、あるいは低くてもよい。尚、前記フランジ32
の形成は省略することが可能である。フランジ32を省
略し、前記傾斜面31をすべり軸受30の外周面に達す
るように形成し、すべり軸受30の端面全体を傾斜面3
1としてもよい。すべり軸受30の端面全体を傾斜面3
1とした場合には、スリーブ33の段部35及びストッ
パー37の当接面を前記傾斜面31と一致する傾斜面と
することが好ましい。
スリーブ33内に圧入したとき、スリーブ33の段部3
5に突き当てられ、また、他端面のフランジ32にはス
トッパー37が突き当てられる。従って、フランジ32
の高さは、すべり軸受30の中心部と同じ高さである必
要はなく、すべり軸受30の中心部よりも突出していて
もよく、あるいは低くてもよい。尚、前記フランジ32
の形成は省略することが可能である。フランジ32を省
略し、前記傾斜面31をすべり軸受30の外周面に達す
るように形成し、すべり軸受30の端面全体を傾斜面3
1としてもよい。すべり軸受30の端面全体を傾斜面3
1とした場合には、スリーブ33の段部35及びストッ
パー37の当接面を前記傾斜面31と一致する傾斜面と
することが好ましい。
【0024】尚、図5に示す実施形態では、円形摺動板
25aとエンドキャップ20とは、それぞれ別途形成し
たが、一体に形成してもよい。円形摺動板とエンドキャ
ップとを一体に形成した場合には、部品点数とともに、
組み立て工数を削減することができる。この実施形態の
ように、すべり軸受30の両端面を傾斜面31とした場
合には、すべり軸受30の傾斜面31が、円形摺動板2
3a、25aにほとんど当接した状態ですべり軸受30
が傾くことができるから、円形摺動板と軸受との間の軸
方向の間隙長さは僅かで足りる。従って、すべり軸受3
0の軸方向のクリアランスは、必要最小限に抑えること
ができテープの安定走行にきわめて有利である。
25aとエンドキャップ20とは、それぞれ別途形成し
たが、一体に形成してもよい。円形摺動板とエンドキャ
ップとを一体に形成した場合には、部品点数とともに、
組み立て工数を削減することができる。この実施形態の
ように、すべり軸受30の両端面を傾斜面31とした場
合には、すべり軸受30の傾斜面31が、円形摺動板2
3a、25aにほとんど当接した状態ですべり軸受30
が傾くことができるから、円形摺動板と軸受との間の軸
方向の間隙長さは僅かで足りる。従って、すべり軸受3
0の軸方向のクリアランスは、必要最小限に抑えること
ができテープの安定走行にきわめて有利である。
【0025】図5に示す実施形態においても、すべり軸
受30はヤング率1600kgf/mm2以上の自己潤滑
性樹脂によって形成される。また、前記円形摺動板23
a、25aは合成樹脂又は金属によって形成し、合成樹
脂の場合は、モリブデン等の添加剤を加えた自己潤滑性
樹脂によって形成することが好ましい。すべり軸受30
を樹脂の弾性作用がないヤング率1600kgf/mm2
以上の自己潤滑性樹脂で形成することによって、軸受の
傾斜面31が円形摺動板23a、25aに当接しても変
形することがない。従って、すべり軸受30の傾きの規
制が確実に行われ、自動調芯作用がスムーズに発揮され
る。
受30はヤング率1600kgf/mm2以上の自己潤滑
性樹脂によって形成される。また、前記円形摺動板23
a、25aは合成樹脂又は金属によって形成し、合成樹
脂の場合は、モリブデン等の添加剤を加えた自己潤滑性
樹脂によって形成することが好ましい。すべり軸受30
を樹脂の弾性作用がないヤング率1600kgf/mm2
以上の自己潤滑性樹脂で形成することによって、軸受の
傾斜面31が円形摺動板23a、25aに当接しても変
形することがない。従って、すべり軸受30の傾きの規
制が確実に行われ、自動調芯作用がスムーズに発揮され
る。
【0026】次に、前記構成のすべり軸受30を組み込
んだピンチローラ装置40について説明する。ピンチロ
ーラ装置40は、外周面を予め研磨したゴム状弾性体4
1を金属製のスリーブ33の外周面に取り付けてピンチ
ローラ本体43を形成し、このスリーブ33の内周面に
形成した段部35に係止するようにすべり軸受30を圧
入することによって配設し、さらに圧入した抜け止め防
止用のストッパー37によってすべり軸受30の他端面
を係止してなる。前記すべり軸受30にアーム47に一
端を固定された段付きのピンチローラ軸45を挿入し、
ピンチローラ軸45の先端部にはエンドキャップ20を
固定してなる。
んだピンチローラ装置40について説明する。ピンチロ
ーラ装置40は、外周面を予め研磨したゴム状弾性体4
1を金属製のスリーブ33の外周面に取り付けてピンチ
ローラ本体43を形成し、このスリーブ33の内周面に
形成した段部35に係止するようにすべり軸受30を圧
入することによって配設し、さらに圧入した抜け止め防
止用のストッパー37によってすべり軸受30の他端面
を係止してなる。前記すべり軸受30にアーム47に一
端を固定された段付きのピンチローラ軸45を挿入し、
ピンチローラ軸45の先端部にはエンドキャップ20を
固定してなる。
【0027】前記エンドキャップ20とすべり軸受30
との間のすべり軸受方向には、所定の隙間が形成されて
いる。また、ピンチローラ軸45の段部49には、すべ
り軸受30の下端面に当接する円形摺動板23aを装着
し、すべり軸受30の上部にはすべり軸受30の上端面
が当接する円形摺動板25aを装着してなる。前記円形
摺動板23a、25aは合成樹脂又は金属によって形成
し、合成樹脂の場合は、モリブデン等の添加剤を加えた
自己潤滑性樹脂によって形成することが好ましい。尚、
すべり軸受30のスリーブ33内部への固定方法は上記
実施形態に限定されるものではなく、すべり軸受30の
両端面を抜け止め防止用のストッパー37によって係止
してもよく、図1に示すピンチローラ本体と同様に、単
にスリーブ33内にすべり軸受30を圧入するのみでも
よい。
との間のすべり軸受方向には、所定の隙間が形成されて
いる。また、ピンチローラ軸45の段部49には、すべ
り軸受30の下端面に当接する円形摺動板23aを装着
し、すべり軸受30の上部にはすべり軸受30の上端面
が当接する円形摺動板25aを装着してなる。前記円形
摺動板23a、25aは合成樹脂又は金属によって形成
し、合成樹脂の場合は、モリブデン等の添加剤を加えた
自己潤滑性樹脂によって形成することが好ましい。尚、
すべり軸受30のスリーブ33内部への固定方法は上記
実施形態に限定されるものではなく、すべり軸受30の
両端面を抜け止め防止用のストッパー37によって係止
してもよく、図1に示すピンチローラ本体と同様に、単
にスリーブ33内にすべり軸受30を圧入するのみでも
よい。
【0028】上記構成において、図6に示すように、前
記すべり軸受の上端部に装着した円形摺動板25aとす
べり軸受30との間の軸方向の隙間長さをAとし、円形
摺動板25aの外径長さをBとすると、A/Bによって
調芯幅を決定することができる。調芯幅を決定するA/
Bは0.007よりも大きく、0.06よりも小さいも
のとする。調芯幅A/Bが0.007よりも小さい場合
には、ピンチローラ本体43の回転軸は僅かにしか傾斜
することができないために、ピンチローラ本体43がキ
ャプスタン50に押し付けられてもキャプスタン50に
対してピンチローラ本体43の回転軸が平行にならず、
十分な自動調芯作用を有することができない。一方、調
芯幅A/Bが0.06よりも大きい場合には、自動調芯
量を大きく取ることができるものの、ピンチローラ本体
43はキャプスタン方向とは直交する方向、即ち、テー
プの走行方向にも大きく傾くことになるから、テープの
安定走行が確保できなくなる。
記すべり軸受の上端部に装着した円形摺動板25aとす
べり軸受30との間の軸方向の隙間長さをAとし、円形
摺動板25aの外径長さをBとすると、A/Bによって
調芯幅を決定することができる。調芯幅を決定するA/
Bは0.007よりも大きく、0.06よりも小さいも
のとする。調芯幅A/Bが0.007よりも小さい場合
には、ピンチローラ本体43の回転軸は僅かにしか傾斜
することができないために、ピンチローラ本体43がキ
ャプスタン50に押し付けられてもキャプスタン50に
対してピンチローラ本体43の回転軸が平行にならず、
十分な自動調芯作用を有することができない。一方、調
芯幅A/Bが0.06よりも大きい場合には、自動調芯
量を大きく取ることができるものの、ピンチローラ本体
43はキャプスタン方向とは直交する方向、即ち、テー
プの走行方向にも大きく傾くことになるから、テープの
安定走行が確保できなくなる。
【0029】前記円形摺動板23a、25aは、すべり
軸受30の傾きを規制するものであるから、すべり軸受
30との間の軸方向の隙間長さが上記のように、0.0
07≦A/B≦0.06の関係を満たすとともに、スリ
ーブ33の傾きを妨害しないように形成することが必要
である。即ち、円形摺動板23a、25aの外径は、す
べり軸受の端面に当接するようにすべり軸受の最大内径
長さよりも大きく、スリーブ33又はストッパー37の
内径よりも小さく形成し、スリーブ33が所定量傾くこ
とができるように形成されている。
軸受30の傾きを規制するものであるから、すべり軸受
30との間の軸方向の隙間長さが上記のように、0.0
07≦A/B≦0.06の関係を満たすとともに、スリ
ーブ33の傾きを妨害しないように形成することが必要
である。即ち、円形摺動板23a、25aの外径は、す
べり軸受の端面に当接するようにすべり軸受の最大内径
長さよりも大きく、スリーブ33又はストッパー37の
内径よりも小さく形成し、スリーブ33が所定量傾くこ
とができるように形成されている。
【0030】
【発明の効果】この発明は、上述の通りであり、ピンチ
ローラ軸にすべり軸受を介して円筒状の弾性体よりなる
ローラ本体が回転自在に取り付けられたピンチローラに
おいて、前記すべり軸受をヤング率が1600kgf/
mm2以上の樹脂により構成したので、長時間使用しても
疲労破壊を起こすおそれがない。また、前記ピンチロー
ラ及びピンチローラ装置は、樹脂の弾性によってではな
くピンチローラ軸とすべり軸とのクリアランスによって
自動調芯するために、短時間で自動調芯することができ
る。また、前記ピンチローラ及びピンチローラ装置は、
すべり軸受に複数個の空隙部を設けた場合でも、空隙部
と非空隙部における弾性作用が異ならないから、ほぼ一
定の撓み量が得られ、均一なテープ走行を確保すること
ができる。さらに、前記ピンチローラ及びピンチローラ
装置は、すべり軸受とローラ軸との接触面積が小さいた
めに、キャプスタンモータの電力消費量を小さく押さえ
ることができバッテリーで駆動させるカメラ一体型の小
型ビデオテープレコーダや小型オーディオテープレコー
ダに好適である。
ローラ軸にすべり軸受を介して円筒状の弾性体よりなる
ローラ本体が回転自在に取り付けられたピンチローラに
おいて、前記すべり軸受をヤング率が1600kgf/
mm2以上の樹脂により構成したので、長時間使用しても
疲労破壊を起こすおそれがない。また、前記ピンチロー
ラ及びピンチローラ装置は、樹脂の弾性によってではな
くピンチローラ軸とすべり軸とのクリアランスによって
自動調芯するために、短時間で自動調芯することができ
る。また、前記ピンチローラ及びピンチローラ装置は、
すべり軸受に複数個の空隙部を設けた場合でも、空隙部
と非空隙部における弾性作用が異ならないから、ほぼ一
定の撓み量が得られ、均一なテープ走行を確保すること
ができる。さらに、前記ピンチローラ及びピンチローラ
装置は、すべり軸受とローラ軸との接触面積が小さいた
めに、キャプスタンモータの電力消費量を小さく押さえ
ることができバッテリーで駆動させるカメラ一体型の小
型ビデオテープレコーダや小型オーディオテープレコー
ダに好適である。
【0031】また、すべり軸受の両端面に軸の中心部か
ら外周面に向かって半径方向にテーパー状又は円弧状の
傾斜面を形成するとともに、エンドキャップとすべり軸
受との間の軸方向の隙間長さ又はすべり軸受の上端面に
当接する円形摺動板とすべり軸受との間のすべり軸受方
向の隙間長さをAとし、円形摺動板の外径長さをBとす
ると、0.007≦A/B≦0.06の範囲で傾斜する
ように設定するものであるから、すべり軸受の両端面は
円形摺動板に摺動した状態で傾くことが可能となるか
ら、軸方向におけるクリアランスを必要最小限に抑える
ことができ、テープを安定した状態で走行させることが
できる。また、自動調芯幅を小さくすることができ、従
って、テープ走行方向への傾きも小さく抑えられ、良好
なテープ走行を確保することができる。さらに、前記す
べり軸受をヤング率が1600kgf/mm2以上の樹脂
により構成したので、すべり軸受の傾斜面が円形摺動板
に当接しても変形することがなく、すべり軸受の傾きの
規制が確実に行われ、自動調芯作用がスムーズに発揮さ
れる。
ら外周面に向かって半径方向にテーパー状又は円弧状の
傾斜面を形成するとともに、エンドキャップとすべり軸
受との間の軸方向の隙間長さ又はすべり軸受の上端面に
当接する円形摺動板とすべり軸受との間のすべり軸受方
向の隙間長さをAとし、円形摺動板の外径長さをBとす
ると、0.007≦A/B≦0.06の範囲で傾斜する
ように設定するものであるから、すべり軸受の両端面は
円形摺動板に摺動した状態で傾くことが可能となるか
ら、軸方向におけるクリアランスを必要最小限に抑える
ことができ、テープを安定した状態で走行させることが
できる。また、自動調芯幅を小さくすることができ、従
って、テープ走行方向への傾きも小さく抑えられ、良好
なテープ走行を確保することができる。さらに、前記す
べり軸受をヤング率が1600kgf/mm2以上の樹脂
により構成したので、すべり軸受の傾斜面が円形摺動板
に当接しても変形することがなく、すべり軸受の傾きの
規制が確実に行われ、自動調芯作用がスムーズに発揮さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るピンチローラの縦断面図であ
る。
る。
【図2】すべり軸受の一実施形態を示す断面図である。
【図3】同じくすべり軸受の他の実施形態を示す断面図
である。
である。
【図4】同じくすべり軸受の他の実施形態を示す斜視図
である。
である。
【図5】ピンチローラ装置の一実施形態を示す断面図で
ある。
ある。
【図6】すべり軸受の軸方向における隙間長さを示す要
部断面図である。
部断面図である。
11:ピンチローラ軸 12:すべり軸受 13:ピンチローラ本体 15:ゴムローラ 17:スリーブ 20:エンドキャップ 23,23a,25,25a:円形摺動板 30:すべり軸受 31:傾斜面 32:フランジ 33:スリーブ 35:段部 37:ストッパー
Claims (10)
- 【請求項1】 ピンチローラ軸にすべり軸受を介して円
筒状の弾性体よりなるピンチローラ本体が回転自在に取
り付けられたピンチローラにおいて、前記すべり軸受が
ヤング率1600kgf/mm2以上の自己潤滑性樹脂か
らなることを特徴とするピンチローラ。 - 【請求項2】 前記すべり軸受が内筒と外筒からなり、
前記内筒と外筒との間には少なくとも一方の端面に開口
する空隙を設けたことを特徴とする請求項1記載のピン
チローラ。 - 【請求項3】 前記すべり軸受が前記内筒と外筒とを半
径方向の連結リブによって連結したことを特徴とする請
求項2記載のピンチローラ。 - 【請求項4】 前記すべり軸受が前記内筒と外筒とを軸
方向の連結リブによって連結したことを特徴とする請求
項2記載のピンチローラ。 - 【請求項5】 前記すべり軸受の内周面が一方の端面か
ら他方の端面まで直線状の平行面とすることを特徴とす
る請求項1〜4のいずれか1項に記載のピンチローラ。 - 【請求項6】 前記すべり軸受の内周面が中央部におい
て直線状の平行面とし、前記平行面の両端部から軸受の
端面に向かって半径方向に徐々に拡径するテーパー状又
は円弧状の拡大面としたことを特徴とする請求項1〜4
のいずれか1項に記載のピンチローラ。 - 【請求項7】 前記すべり軸受がポリアミド樹脂、ポリ
フェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルニトリル樹
脂、ポリイミド系樹脂等よりなることを特徴とする請求
項1〜6のいずれか1項に記載のピンチローラ。 - 【請求項8】 一端がアームに固定されたピンチローラ
軸に、すべり軸受を介してスリーブの外周にゴム状弾性
体を設けたピンチローラ本体を取り付け、前記アームを
移動させることによってキャプスタンに前記ピンチロー
ラ本体を押し付けるピンチローラ装置において、前記す
べり軸受がヤング率1600kgf/mm2以上の自己潤
滑性樹脂からなることを特徴とするピンチローラ装置。 - 【請求項9】 前記ピンチローラ軸には前記すべり軸受
の上端面及び下端面の両方に当接する円形摺動板を挿通
したことを特徴とする請求項8記載のピンチローラ装
置。 - 【請求項10】 前記すべり軸受の内周面が中央部にお
いて直線状の平行面とし、前記平行面の両端部から軸受
の端面に向かって半径方向に徐々に拡径するテーパー状
又は円弧状の拡大面としたことを特徴とする請求項8又
は9記載のピンチローラ装置。
Priority Applications (14)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28960499A JP2001319393A (ja) | 1999-10-12 | 1999-10-12 | ピンチローラ及びピンチローラ装置 |
GB0021654A GB2355844B (en) | 1999-07-22 | 1999-12-01 | Pinch roller apparatus |
GB0316561A GB2387474B (en) | 1999-07-22 | 1999-12-01 | Pinch roller apparatus |
PCT/JP1999/006724 WO2001008146A1 (fr) | 1999-07-22 | 1999-12-01 | Galet presseur |
IDW20002259A ID27975A (id) | 1999-07-22 | 1999-12-01 | Peralatan penjepit gulungan |
CNB998042773A CN1191582C (zh) | 1999-07-22 | 1999-12-01 | 压轮设备 |
KR1020007013827A KR100640983B1 (ko) | 1999-07-22 | 1999-12-01 | 핀치 롤러 장치 |
KR1020047019525A KR100641011B1 (ko) | 1999-07-22 | 1999-12-01 | 핀치 롤러 장치 |
US09/600,178 US6467669B1 (en) | 1999-07-22 | 1999-12-01 | Pinch roller device |
CNB2005100047121A CN100495554C (zh) | 1999-07-22 | 1999-12-01 | 压轮设备 |
MYPI20001037A MY125778A (en) | 1999-07-22 | 2000-03-15 | Pinch roller device |
HK02102516.9A HK1040818B (zh) | 1999-07-22 | 2002-04-04 | 壓輪設備 |
US10/273,253 US6752306B2 (en) | 1999-07-22 | 2002-10-18 | Pinch roller apparatus |
HK06101481.8A HK1081717A1 (en) | 1999-07-22 | 2006-02-03 | Pinch roller apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28960499A JP2001319393A (ja) | 1999-10-12 | 1999-10-12 | ピンチローラ及びピンチローラ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001319393A true JP2001319393A (ja) | 2001-11-16 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28960499A Pending JP2001319393A (ja) | 1999-07-22 | 1999-10-12 | ピンチローラ及びピンチローラ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001319393A (ja) |
-
1999
- 1999-10-12 JP JP28960499A patent/JP2001319393A/ja active Pending
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Legal Events
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