JP2001319355A - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置

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JP2001319355A
JP2001319355A JP2001042879A JP2001042879A JP2001319355A JP 2001319355 A JP2001319355 A JP 2001319355A JP 2001042879 A JP2001042879 A JP 2001042879A JP 2001042879 A JP2001042879 A JP 2001042879A JP 2001319355 A JP2001319355 A JP 2001319355A
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Japan
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protector
objective lens
disk
driving device
mounting portion
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JP2001042879A
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Masanari Mori
政就 毛利
Hiroshi Yamamoto
寛 山本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動部とディスクとの衝突による対物レンズ
もしくはディスクに対する傷付きを防止するプロテクタ
ーの材質は、シリコンゴム等は有効であるが、その反
面、接着剤との結合力が極端に小さい。このようなプロ
テクターを確実に可動部に固定する手段が必要である。 【解決手段】 プロテクターをシリコンゴム等で形成さ
れた球状部材とし、それを長穴形状をしたプロテクター
取り付け部に、変形を伴って挿入させることにより、接
着剤等を用いることなく十分な保持力が得られるプロテ
クター手段が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円盤状記録媒体に
光学的に情報を記録もしくは再生する装置の対物レンズ
駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】対物レンズ駆動装置は円盤状記録媒体
(以下、ディスクという)の情報記録面に対する対物レ
ンズの焦点ずれやディスクトラックに対する対物レンズ
の光軸ずれに対し、それらのずれを抑制するように対物
レンズをディスクに対して垂直な方向(以下フォーカシ
ング方向)と、ディスクの半径方向(以下トラッキング
方向)との2軸方向に制御駆動するものである。
【0003】近年、ディスク情報の高密度化やディスク
回転数の高速化にともない、上記制御性能の高精度化が
必要となり、対物レンズ駆動装置の動特性における周波
数帯域の広域化、不要共振等の低減化などが要求されて
いる。
【0004】一方、ドライブ装置の小型化、特に薄型化
に対する必要性もまた高まっており、対物レンズ駆動装
置を含めた光ヘッドにおいては、対物レンズの動作距離
(Working Distance 以下、WDという)の短縮化
や、ディスクとレンズホルダとの機械的空隙の削減など
によって薄型化に対する取り組みがなされている。
【0005】ところが、ディスクの面振れ量等は規格値
(例えばCD規格は±0.5mm)であるから、対物レ
ンズWDの短縮化を進めていくと対物レンズもしくはレ
ンズホルダとディスクとの衝突という状況が生じ、衝突
に伴うディスクや対物レンズの傷付きなどの問題に対す
る対策手段が必要となる。
【0006】このような要求に応えるために従来の対物
レンズ駆動装置では、特開平11−312322号公報
に開示されているように、衝突に対するプロテクター方
式が提案されている。
【0007】以下、従来の対物レンズ駆動装置(特開平
11−312322号公報)について図面を参照しなが
ら説明する。図6は従来の対物レンズ駆動装置の構成を
示す分解斜視図である。
【0008】図6において、101は対物レンズ、10
2はレンズホルダ、103はフォーカスコイル、104
a、104bはトラッキングコイル、105a、105
bはコイル基板である(コイル基板105bは図示せ
ず)。レンズホルダ102には対物レンズ101、コイ
ル基板105a、105bがそれぞれ所望の位置に固着
されている。さらに、レンズホルダ102には、フォー
カスコイル103と、トラッキングコイル104a、1
04bとが直接巻回されおり、各コイルのリード端子は
コイル基板105a、105b上に形成された回路パタ
ーンのランド部に半田固定されている。以下、レンズホ
ルダ102および上述した部品で構成されたものを可動
部とする。
【0009】107はホルダー基板、109はサスペン
ションホルダである。ホルダー基板107にはコイル基
板105a、105bと同様に回路パターンおよびラン
ド部が形成されている。サスペンションホルダ109
と、ホルダー基板107は、取付ネジ115によって、
後述するバックヨーク112bに固定されている。10
6a、106b、106c、106dは金属線バネであ
り(金属線バネ106dは図示せず)、それらの一端は
可動部のコイル基板105a、105bのランド部に、
他端はホルダー基板107のランド部にそれぞれ半田付
け固定されており、可動部をフォーカス方向Fとトラッ
キング方向Tへ移動可能に弾性支持している。ホルダー
基板107の端子(図示せず)に印可された駆動電流は
金属線バネ106a〜106dを介してフォーカスコイ
ル103およびトラッキングコイル104a、104b
に供給される。
【0010】112はアクチュエータベースであり、デ
ィスク116に対し平行な面を有するベース部112a
と、このベース部112aからディスク116側に凸と
なるよう、かつディスク116に対し垂直に配置した板
状のバックヨーク112b、112cとが一体に形成さ
れている。バックヨーク112b、112cには、それ
ぞれマグネット113a、113bが固着されており、
その磁界方向は互いのN極が対向する方向である。そし
て、マグネット113a、113bとバックヨーク11
2b、112cとで形成された磁気回路の磁気ギャップ
にはフォーカスコイル103の一部と、トラッキングコ
イル104a,104bの一部が配置されている。そし
て、磁気ギャップ内の磁界と各コイルに通電された駆動
電流とで発生する電磁力によって可動部はフォーカス方
向Fとトラッキング方向Tとに駆動される。114はシ
ールドヨークであり、外部からの磁気の影響を遮断す
る。
【0011】110はプロテクターであり、対物レンズ
101の周囲を覆い、かつ可動部からディスク116方
向へ最も突出するようにレンズホルダ102の上部に接
着剤111で固着されている。
【0012】以下に、プロテクター110の動作につい
て説明する。可動部がフォーカス方向Fの誤動作等でデ
ィスク116に異常接近した場合には、可動部からディ
スク116側に最も突出したプロテクター110のみが
ディスク116に衝突し、ディスク116と対物レンズ
101との衝突を防止している。また、プロテクター1
10はシリコンゴムやPOM樹脂等の材質で構成されて
おり、衝突時のディスク116に対する傷付け等を回避
している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成からなる従来の対物レンズ駆動装置では、シリコンゴ
ムで形成されたプロテクター110を接着剤111でレ
ンズホルダ102に固着している。確かにプロテクター
110をシリコンゴムやPOM樹脂等で形成すること
は、ディスクの傷付き防止の観点から適切であるが、そ
の反面、シリコンゴムやPOM樹脂は接着剤との結合力
が極端に小さい。
【0014】従って、衝突を繰り返すうちにプロテクタ
ー110がレンズホルダ102から剥離するという問題
点がある。
【0015】また、プロテクター110の固着作業にお
いて、衝突面に接着剤が付着しないように塗布しなけれ
ばならないので、その作業効率は低下するという問題点
もあげられる。
【0016】本発明はこのような従来の対物レンズ駆動
装置の有する上記問題点に鑑み、シリコンゴム等の弾性
部材で形成された保護部材を接着剤を用いることなく取
り付けることができ、かつ繰り返し衝突に対しても十分
な保持力が得られる傷付き防止手段を有した対物レンズ
駆動装置を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の対物レンズ駆動装置は、以下のような構成を
有している。
【0018】本発明の対物レンズ駆動装置が備える傷付
き防止手段は、弾性部材からなる保護部材と、レンズホ
ルダに設けられ、かつ保護部材が変形を伴って挿入され
る取り付け部とからなる。保護部材を弾性変形させて取
り付け部に挿入するだけで、傷付き防止手段の取付が完
了する。従って、接着剤等を用いなくても安定した傷付
き防止機能が得られるだけでなく、組立工数の大幅な削
減が図れるプロテクター方式が実現できる。
【0019】また、上記保護部材は略球状であることが
好ましい。これにより、取り付け部に挿入する際に保護
部材を弾性変形させる方向や挿入する方向を考慮する必
要がなくなる。従って、組立の簡略化が可能になる。ま
た、挿入方向にかかわらず、常に安定した傷付き防止機
能が得られる。
【0020】また、上記保護部材は弾性樹脂で形成され
ていることが好ましい。
【0021】例えば、上記保護部材をシリコン樹脂で形
成しても良い。ここで、シリコン樹脂は、ゴム状(シリ
コーンゴム)及び樹脂状(狭義のシリコーン樹脂)を包
含する概念である。
【0022】あるいは、上記保護部材をPOM(ポリオ
キシメチレン)樹脂で形成しても良い。
【0023】本発明の傷付き防止手段は、保護部材の材
質をPOM樹脂等に置き換えても、保護部材が、その弾
性係数に応じて最適な変形量となるように、取り付け部
の形状及び大きさを設定することができる。従って、保
護部材の材料選択の余地が拡大し、かつ、任意の材料の
保護部材に対して同様の作用及び効果を得ることができ
る。
【0024】また、取り付け部は長穴形状を有してお
り、その幅は上記略球状の保護部材の直径よりも小さ
く、かつその深さは保護部材の半径よりも大きいことが
好ましい。取り付け部の幅を保護部材の直径より小さく
することで、保護部材を弾性変形させて保持することが
できる。また、取り付け部の深さを保護部材の半径より
大きくすることにより、保護部材と取り付け部の内壁面
との接触面積を十分に確保することができる。そして、
これらにより保護部材が取り付け部から脱落するのを防
止できる。
【0025】また、取り付け部である長穴の長手方向の
長さは、保護部材が取り付け部の幅と同じ厚さまで圧縮
変形されたことによって増大した、圧縮方向と直角方向
の長さ(直径)よりも少なくとも大きいことが好まし
い。これにより、保護部材を取り付け部に挿入したとき
に、取り付け部の長手方向の両端の内壁面に保護部材が
同時に接触しない。このため、保護部材とディスクとが
衝突したときに、その衝撃で保護部材が取り付け部から
脱落するのを防止できる。
【0026】また、取り付け部である長穴の長手方向
は、ディスクの回転方向に対して略垂直であることが好
ましい。これにより、保護部材とディスクとが衝突した
ときに保護部材とディスクとの間の摩擦力等で生じる保
護部材への抜去力に対して十分な保持力が得られる。ま
た、取り付け部に対する保護部材の位置決め精度が確保
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0028】図1は本発明の実施の形態における対物レ
ンズ駆動装置の全体構成を示す分解斜視図である。
【0029】図1において、1は対物レンズ、2はレン
ズホルダ、3はフォーカスコイル、4a、4bはトラッ
キングコイル、5a、5bはコイル基板である(コイル
基板5bは図示せず)。レンズホルダ2には対物レンズ
1、コイル基板5a、5b、フォーカスコイル3、トラ
ッキングコイル4a、4bがそれぞれ所望の位置に固着
されている。また、各コイルのリード端子はコイル基板
5a、5b上に形成された回路パターンのランド部に半
田固定されている。10はプロテクター(保護部材)、
11はレンズホルダの上面に設けられたプロテクター取
り付け部である。プロテクター10はシリコンゴムで形
成された球状部材であり、プロテクター取り付け部11
に挿入保持されている。挿入保持についての詳細説明は
後述する。ここで、レンズホルダ2および上述した部品
で構成されたものを以下では、可動部とする。
【0030】7はホルダー基板、9はサスペンションホ
ルダ、14はアクチュエータ用フレキシブル基板、15
は取り付けネジである。ホルダー基板7にはコイル基板
5と同様に回路パターンおよびランド部が形成されてお
り、その所望のランド部にフレキシブル基板14のラン
ド部が半田固定されている。フレキシブル基板14が取
り付けられたホルダー基板7とサスペンションホルダ9
は、後述する固定部12cに取り付けネジ15で固定さ
れている。
【0031】6a、6b、6c、6dは金属線バネであ
り、それらの一端は可動部のコイル基板5a、5bのラ
ンド部に、他端はホルダー基板7のランド部にそれぞれ
半田固定されている。それらは可動部をフォーカス方向
Fとトラッキング方向Tへ移動可能なように弾性支持し
ている。ホルダー基板7の端子(図示せず)に印可され
た駆動電流は金属線バネ6a〜6dを介してフォーカス
コイル3およびトラッキングコイル4a、4bに供給さ
れる。8はシリコン系のゲルであり、サスペンションホ
ルダ9に設けた容器内に充填されており、金属線バネ6
a〜6dの動きをその粘性抵抗で制動し、それらに弾性
支持された可動部の共振等の振動特性を抑制する。
【0032】12はアクチュエータベースであり、ディ
スク16に対して垂直かつ互いに平行な面を有した板状
のバックヨーク12a、12b、および固定部12cが
折り曲げ加工等で形成されている。バックヨーク12
a、12bには、それぞれマグネット13a、13bが
固着され磁気回路を形成しており、その磁界方向は各マ
グネットの異極が対向する方向である。そして、その磁
気回路の磁気ギャップにはフォーカスコイル3の一部
と、トラッキングコイル4a、4bの一部が所望の空隙
を介して配置されている。そして、磁気ギャップ内の磁
界と各コイルに通電された駆動電流とで発生する電磁力
によって可動部はフォーカス方向Fとトラッキング方向
Tとに駆動される。
【0033】以下に、プロテクター10の挿入保持につ
いて図2〜図5を用いて説明する。図2は図1における
可動部の斜視図、図3は図2におけるプロテクター10
およびプロテクター取り付け部11を示した部分IIIの
拡大斜視図、図4はプロテクター取り付け部11内のプ
ロテクター10の変形状態、及びプロテクター10に作
用する力を示した透視図、図5は図4の仮想平面Sにお
ける断面を矢印Xの方向から見た部分断面図である。
【0034】図2に示すように、プロテクター取り付け
部11はレンズホルダ2の上面に3箇所設けられる。し
かしながら、本発明においては、可動部の振動やディス
ク16の面振れが生じたときに、レンズホルダ2や対物
レンズ1ではなく、プロテクター10がディスク16に
接触するように、プロテクター取り付け部11の設置位
置及び設置個数を決定すれば良く、図2の構成に限定さ
れない。通常、ディスク16の法線方向の投影図におい
て、可動部の重心位置が複数のプロテクター取り付け部
11を順に結んでできる多角形(図2の場合では三角
形)内に存在するように、プロテクター取り付け部11
を配置するのが好ましい。
【0035】図3に示すようにプロテクター10、およ
びプロテクター取り付け部11の外形寸法を以下のよう
に定義する。プロテクター10は上述したように、シリ
コンゴムで形成された球状部材であり、その直径をdと
定義する。また、プロテクター取り付け部11は、長手
方向の両端部に離間して配された一対の半円筒面と、両
半円筒面を結ぶ一対の平行平面とからなる長穴形状であ
る。ここで、該半円筒面の半径をR、半径Rの2つの半
円筒面の中心軸間距離をLとする。また、長穴の幅(該
一対の平行平面の間隔)をW(W≒2R)、深さをDと
定義する。
【0036】上記で定義した各寸法はプロテクター10
の直径dを基準として以下の関係を満足することが好ま
しい。
【0037】 d<L<1.5d ・・・(1) 0.5d<W<d ・・・(2) D>0.5d ・・・(3) まず、図4を用いて、可動部が通常の動作をしており、
ディスク16と衝突していない場合のプロテクター10
の保持状態について述べる。図4において、10yはプ
ロテクター10と取り付け部11の平行な対向する内壁
面との接触面、10zはプロテクター10の中心を通
り、かつディスク16と平行な平面におけるプロテクタ
ー10の断面、Sはプロテクター10の中心を通り、デ
ィスク16の半径方向と直交する仮想平面、記号Xは視
点方向、Pyは接触面10yにおける圧力、Fzは接触
面10yにおけるディスク16の法線方向の摩擦力であ
る。
【0038】上述したように、プロテクター10および
プロテクター取り付け部11の形状は上式(1)〜
(3)満たすように設定されているので、プロテクター
10は式(2)を満足する幅Wに応じた変形量に比例し
た圧縮力を受けてプロテクター取り付け部11に挿入さ
れる。そして、プロテクター10とプロテクター取り付
け部11の内側面との間には挿入による接触面圧力Py
に比例した摩擦力Fzが生じ、その摩擦力Fzによって
プロテクター10はプロテクター取り付け部11に保持
される。
【0039】従って、この摩擦力Fzを上式(1)〜
(3)を満たす範囲内で適切に設定することにより、可
動部の動作加速度によって生じる慣性力等によってプロ
テクター10が取り付け部11から離脱しないような摩
擦力が得られる。
【0040】次に、プロテクター10がディスク16に
衝突した場合の保持状態について述べる。図5におい
て、記号Dyはディスク16の回転方向、記号Fyはプ
ロテクター10がディスク16から受けるディスク16
の回転方向Dyの摩擦力、記号Izはプロテクター10
がディスク16から受けるフォーカシング方向の衝突
力、記号Pyは接触面10yにおける圧力、記号Fzは
接触面10yにおけるディスク16の法線方向の摩擦
力、記号2aはプロテクター取り付け部11のエッジ部
である。ここで、図3のプロテクター取り付け部にて定
義した記号Lの方向(プロテクター取り付け部11の長
手方向)はディスク回転方向Dyに対して垂直であるの
で、摩擦力Fyの方向もまた記号Lに対して垂直とな
る。
【0041】図5に示すように、ディスク16がプロテ
クター10に衝突すると、プロテクター10は衝突力I
zを受け、プロテクター10の上面に回転方向Dyの摩
擦力Fyが作用する。摩擦力Fyは、衝突力Izと、デ
ィスク16とプロテクター10との間の摩擦係数とに比
例する。その摩擦力Fyはプロテクター10に対してエ
ッジ部2aを支点とした回転力、すなわち抜去力として
作用する。
【0042】一方、プロテクター10の下端はプロテク
ター取り付け部11の底面に接触しているから、プロテ
クター10はディスク16の法線方向の変位を制限され
ている。従って、衝突力Izは上述の抜去力を生じさせ
るだけでなく、プロテクター10を図5の2点鎖線1
0’のように変形させる。衝突力Izに比例したプロテ
クター10の変形は、接触面10y(図4参照)の面積
と図5中の接触面圧力Pyとを増加させ、その結果、上
述した摩擦力Fzが増加する。
【0043】従って、プロテクター取り付け部11のプ
ロテクター10に対する保持力である摩擦力Fzは、デ
ィスク16との衝突力Izに比例して増加するので、衝
突時に発生する抜去力によってプロテクター10が取り
付け部11から離脱することがない。このように、衝突
力Izの大きさが変化すると、抜去力の大きさもそれに
応じて変化するが、この抜去力を一定以上上回る摩擦力
Fzが常に発生する。従って、強さが異なる衝突が繰り
返し起こっても、プロテクター10がプロテクター取り
付け部11から脱落することはない。
【0044】上記から明らかなように、プロテクター取
り付け部11の深さDは、上記(3)の関係を満足しな
がら、プロテクター10をプロテクター取り付け部11
内に底面に接するまで挿入したときに、プロテクター1
0の上端部がレンズホルダ2の上面から所定の高さだけ
突出することができるように設定することが特に好まし
い。深さDが深すぎると、衝突力Izによってプロテク
ター10を2点鎖線10’のように変形させることがで
きず、衝突力Izの大きさに対応した摩擦力Fzが発生
しないので、プロテクター10は脱落するか、又は下方
向に変位してしまう。
【0045】また、プロテクター取り付け部11の長手
方向の長さ(上記の例ではL+2R)は、プロテクター
10をプロテクター取り付け部11内に弾性変形させて
挿入した状態において、プロテクター10の該方向と平
行な方向の寸法より大きいことが好ましい。即ち、プロ
テクター取り付け部11内のプロテクター10は、プロ
テクター取り付け部11の長手方向において、プロテク
ター取り付け部11の内壁面と離間していることが好ま
しい。プロテクター取り付け部11の長手方向におい
て、プロテクター10の両端がプロテクター取り付け部
11の内壁面と接触していると、衝突力Izがプロテク
ター10に作用したときにプロテクター10とプロテク
ター取り付け部11の内壁面との間で発生する接触面圧
力は、ディスク16の回転方向Dy以外の方向成分を有
することになる。この結果、抜去力に対向し得るだけの
摩擦力が発生せず、プロテクター10の脱落を生じるこ
とがある。
【0046】なお、プロテクター10の材質をPOM樹
脂等に置き換えても、その弾性係数に応じて挿入に伴う
変形量を設定し、その変形量に合わせてプロテクター取
り付け部11の寸法及び形状を設定することにより、同
様の作用および効果が得られる。
【0047】また、プロテクター取り付け部11にて定
義した記号Lの方向(長穴の長手方向)はディスク回転
方向Dyに対して垂直であるので、ディスク16がプロ
テクター10に衝突しても、プロテクター取り付け部1
1に対してプロテクター10がW方向(回転方向Dy)
に移動するすることがない。従って、衝突によるプロテ
クター10の位置ずれ等が発生せず、位置決め精度も確
保できる。
【0048】本発明のプロテクター取り付け部11の平
面形状は、上記の例に限定されず、例えば、楕円やこれ
に近似した長円形状であっても良い。いずれの場合であ
っても、ディスク回転方向Dyにプロテクター10を圧
縮して保持できる形状であることが好ましい。
【0049】また、プロテクター10の材料も、弾性変
形可能な材料であればシリコンゴムやPOM樹脂に限定
されない。例えば、シリコンゴム以外のシリコン系樹脂
や、これら以外の周知の弾性材料を用いることができ
る。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、プロテク
ターをシリコンゴム等の弾性樹脂部材で形成し、好まし
くはその形状を球状形状とし、それを長穴形状のプロテ
クター取り付け部に変形を伴って挿入させるので、接着
剤等を用いなくても安定したプロテクト機能が得られる
だけでなく、組立工数の大幅な削減が図れるプロテクタ
ー方式が実現できる。
【0051】また、プロテクターの材質をPOM樹脂等
に置き換えても、その弾性係数に応じた変形量が得られ
るようにプロテクター取り付け部の形状を任意に設定す
ることが可能であるから、同様の作用および効果が得ら
れるプロテクター方式が実現できる。
【0052】また、長穴形状をしたプロテクター取り付
け部の長手方向をディスク回転方向に対して垂直となる
ように設定することにより、ディスクとプロテクターと
の摩擦力等で生じるプロテクターへの抜去力に対して十
分な保持力が得られ、かつプロテクター取り付け部に対
するプロテクターの位置決め精度が確保できるプロテク
ター方式が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における対物レンズ駆動装
置の全体構成を示す分解斜視図
【図2】図1の対物レンズ駆動装置の可動部を示した斜
視図
【図3】図2の部分IIIの拡大斜視図
【図4】プロテクター取り付け部内のプロテクターの変
形状態、及びプロテクターに作用する力を示した透視図
【図5】図4の仮想平面Sにおける部分断面図
【図6】従来の対物レンズ駆動装置の構成を示した分解
斜視図
【符号の説明】
1,101 対物レンズ 2,102 レンズホルダ 3,103 フォーカスコイル 4a〜4b,104a〜104b トラッキングコイル 5a〜5b,105a〜105b コイル基板 6a〜6d,106a〜106d 金属線バネ 7,107 ホルダー基板 8 シリコンゲル 9,109 サスペンションホルダ 10,110 プロテクター 11 プロテクター取り付け部 111 接着剤 12,112 アクチュエータベース 12a〜12b バックヨーク 12c 固定部 112a ベース部 112b〜112c バックヨーク 13a〜13b,113a〜113b マグネット 14 アクチュエータ用フレキシブル基板 114 シールドヨーク 15 取り付けネジ 115 取り付けネジ 16,116 ディスク T トラッキング方向 F フォーカス方向 S 仮想平面 d 直径 R 半径 L 中心間距離 W 幅 D 深さ X 視点方向 Py 接触面圧力 Fy 摩擦力 Fz 摩擦力 Iz 衝突力 2a エッジ部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクへの記録もしくは再生のための
    対物レンズと、 前記対物レンズを保持するレンズホルダと、 前記ディスクに前記対物レンズ又は前記レンズホルダが
    衝突して前記ディスク及び前記対物レンズが傷付くのを
    防止する傷付き防止手段と、 基台と、 前記レンズホルダを前記基台に対して弾性的に支持する
    支持手段と、 前記基台に対して前記レンズホルダを少なくとも前記対
    物レンズの光軸に略平行な方向へ移動させる駆動手段と
    を備えた対物レンズ駆動装置において、 前記傷付き防止手段は、弾性部材からなる保護部材と、
    前記レンズホルダに設けられ、かつ前記保護部材が変形
    を伴って挿入される取り付け部とからなることを特徴と
    する対物レンズ駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記保護部材は略球状であることを特徴
    とする請求項1記載の対物レンズ駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記保護部材は弾性樹脂からなることを
    特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記保護部材はシリコン樹脂からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記保護部材はPOM樹脂からなること
    を特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記取り付け部は長穴形状を有してお
    り、その幅は前記保護部材の直径よりも小さく、かつそ
    の深さは前記保護部材の半径よりも大きいことを特徴と
    する請求項2記載の対物レンズ駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記取り付け部は長穴形状を有してお
    り、その長手方向の長さは、前記保護部材が前記取り付
    け部の幅と同じ厚さまで圧縮変形されたことによって増
    大した、圧縮方向と直角方向の長さよりも少なくとも大
    きいことを特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆動装
    置。
  8. 【請求項8】 前記取り付け部は長穴形状を有してお
    り、その長手方向は前記ディスクの回転方向に対して略
    垂直であることを特徴とする請求項1記載の対物レンズ
    駆動装置。
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