JP2001318190A - 放射性洗濯廃液の処理方法および処理装置 - Google Patents

放射性洗濯廃液の処理方法および処理装置

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JP2001318190A JP2001103298A JP2001103298A JP2001318190A JP 2001318190 A JP2001318190 A JP 2001318190A JP 2001103298 A JP2001103298 A JP 2001103298A JP 2001103298 A JP2001103298 A JP 2001103298A JP 2001318190 A JP2001318190 A JP 2001318190A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗濯廃液から浮遊粒子状成分を分離・除去す
る手順を設けることにより、廃液処理速度の低下を防止
しかつCOD成分を十分に分離除去する。 【解決手段】予め貯槽14内に貯留されていた洗濯廃液
が、廃液供給ポンプ5によって廃液槽1に供給され廃液
加熱器6により60℃になるように加熱される。つぎに
活性炭供給機2から活性炭が全量のうちの一部だけ添加
し、その際、廃液透明度計10により浮遊粒子状成分に
よる廃液の濁りを測定し、浮遊粒子状成分が活性炭に凝
縮吸着して濁りがなくなったところで活性炭の添加を止
める。その後、廃液槽1を冷却し活性炭供給機2より残
りの活性炭が添加され、可溶性有機物成分の濃度が所定
濃度まで低下したら活性炭の添加を止める。その後、バ
ルブ4が開かれて廃液がろ過装置7に流され、残渣とし
てろ紙・ろ布上に残る活性炭が固体廃棄物として処理さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所から
排出される放射性洗濯廃液の処理方法に係わり、特に、
石鹸廃液・洗剤廃液等を含む廃液を処理する放射性洗濯
廃液の処理方法および処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、原子力発電所では、発電所作業
者が作業のあと石鹸で手洗いするとき又はシャワー・入
浴で石鹸・シャンプーを使って身体を洗うときに発生す
る石鹸廃液(=シャワードレイン)、及び発電所作業者
の汚れた衣類等を家庭用洗濯洗剤を用いて洗濯するとき
に洗い・すすぎ等で発生する洗剤廃液、すなわち界面活
性剤等を含む放射性廃液(以下適宜放射性洗濯廃液とい
う)が発生する。この洗濯廃液は、放射性液体廃棄物と
して処理されることとなるが、その処理においては、廃
棄物の減容の観点から、廃液中に含まれるCOD成分
(界面活性剤等の可溶性有機物成分及び後述する浮遊粒
子状成分を含む有機物成分)のみを廃液から分離し、そ
れだけを廃棄物として回収し処理するのが合理的であ
る。このような洗濯廃液の処理に関する公知技術として
は、例えば、特公昭60−38680号公報がある。こ
の公知技術は、洗濯廃液中に活性炭を添加して界面活性
剤等を物理吸着させた後、界面活性剤等が吸着した活性
炭と液とを遠心薄膜乾燥器で分離することにより、洗濯
廃液から界面活性剤等を除去するものである。
【0003】一方、活性炭と液との分離に関しては、近
年、効率化の点等から、ろ過による分離方法が採用され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術の方法に対し、ろ過による活性炭・液の分離を適
用する場合には、以下の課題が生じることになる。すな
わち、上記洗濯廃液には、人体の垢・脂に含まれるカル
シウム・マグネシウム等のアルカリ土類金属イオンが含
まれており、これと界面活性剤とが反応することで、直
径20μm程度の浮遊粒子状成分が生成する。したがっ
て、洗濯廃液には、原則として、この浮遊粒子状成分
と、浮遊粒子状成分と反応せずに余った界面活性剤等が
含まれている。そして、特に浮遊粒子状成分の量が多く
洗濯廃液が濁っているような場合には、活性炭粒子と浮
遊粒子状成分との比重差により、ろ布・ろ紙の上に先に
活性炭粒子が沈降して活性炭層を形成した後、その上か
ら浮遊粒子状成分が沈降して活性炭層をすきまなく覆っ
てしまう。これにより、洗濯廃液の液相部分がろ布・ろ
紙を通過しにくくなってろ布あるいはろ紙の目詰まりが
起こり、廃液処理速度が低下してろ過処理が著しく遅延
したり、ろ過が正常に機能せずCOD成分の分離除去が
十分に行えない場合がある。
【0005】一方、洗濯廃液において、人体の垢・脂に
含まれるカルシウム・マグネシウム等のアルカリ土類金
属イオンとこれに反応させる界面活性剤等の量がほぼ過
不足なく適正であった場合や、予め他の手段によって可
溶性有機物成分のみが除去されていた場合等には、界面
活性剤等が含まれず、COD成分として浮遊粒子状成分
のみが含まれる場合がある。このような場合でも、上記
従来方法による活性炭添加を行うと、上記同様の課題が
やはり生じる。
【0006】本発明の第1の目的は、洗濯廃液から浮遊
粒子状成分を分離・除去する手順を設けることにより、
廃液処理速度の低下を防止しかつCOD成分を十分に分
離除去することができる、放射性洗濯廃液の処理方法及
び処理装置を提供することにある。
【0007】本発明の第2の目的は、COD成分として
可溶性有機物成及び浮遊粒子状成分を含む洗濯廃液か
ら、浮遊粒子状成分及び可溶性有機物成分の両方を分離
・除去することにより、廃液処理速度の低下を防止しか
つCOD成分を十分に分離除去することができる、放射
性洗濯廃液の処理方法を提供することにある。
【0008】本発明の第3の目的は、COD成分として
浮遊粒子状成分のみを含む洗濯廃液からその浮遊粒子状
成分を分離・除去することにより、廃液処理速度の低下
を防止しかつCOD成分を十分に分離除去することがで
きる、放射性洗濯廃液の処理方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明によれば、界面活性剤を含む可溶性有
機物成分、及び前記界面活性剤の少なくとも一部がアル
カリ土類金属イオンと反応することで生成した浮遊粒子
状成分のうち、少なくとも該浮遊粒子状成分を含む放射
性洗濯廃液から、少なくとも該浮遊粒子状成分を分離除
去する第1の手順を有することを特徴とする放射性洗濯
廃液の処理方法が提供される。すなわち、放射性洗濯廃
液にCOD成分として浮遊粒子状成分と可溶性有機物成
分の両方が含まれている場合には、従来考え得る常温で
の活性炭添加→ろ過という方法では、ろ紙・ろ布の上に
形成された活性炭層の上を浮遊粒子状成分が覆って目詰
まりが起こったり、また、例えば紫外線照射で可溶性有
機物成分を分解しようとする場合に浮遊粒子状成分によ
る廃液の濁りで紫外線吸収効率が悪くなったりする結
果、廃液処理速度を低下させ、またCOD成分を十分に
分離除去できなかった。これに対して本発明において
は、第1の手順で放射性洗濯廃液から少なくとも浮遊粒
子状成分を分離除去する。すなわち浮遊粒子状成分及び
可溶性有機物成分の両方を含む放射性洗濯廃液から、第
1の手順で浮遊粒子状成分を分離除去した後、他の手順
で可溶性有機物成分を除去するか、若しくは、第1の手
順で浮遊粒子状成分と可溶性有機物成分との両方を除去
する。具体的には、例えば、第1の手順の吸着工程で
廃液を加熱することで浮遊粒子状成分を活性炭に吸着さ
せた後にろ過工程で活性炭を含む放射性洗濯廃液をろ過
し、さらにろ過前後の第2の手順で液相部分に残存して
いる可溶性有機物成分を例えば紫外線照射で分解除去し
たり;第1の手順の第1の部分吸着工程で廃液を加熱
し活性炭の一の部分に浮遊粒子状成分を吸着させ、第2
の部分吸着工程で活性炭の他の部分に可溶性有機物成分
を吸着させ、両成分ろ過工程で両成分が吸着した活性炭
を含む放射性洗濯廃液をろ過し両成分を分離除去した
り;第1の手順で浮遊粒子捕捉手段を用いて浮遊粒子
状成分を捕捉除去した後、第3の手順で液相部分から例
えば紫外線照射で可溶性有機物成分を除去したり;第
1の手順で浮遊粒子捕捉手段を用いて浮遊粒子状成分を
捕捉除去した後、第4の手順で液相部分の可溶性有機物
成分を活性炭に吸着させ、この活性炭を含む放射性洗濯
廃液をろ過して可溶性有機物成分を分離除去したりす
る。ここで、の吸着工程における加熱→吸着について
のメカニズムは以下の通りである。一般に、活性炭の吸
着効果は、ヘンリーの法則にしたがって温度が低いほど
大きくなる。しかし、放射性洗濯廃液中に含まれる、界
面活性剤がカルシウムイオンやマグネシウムイオンとい
ったアルカリ土類金属イオンと反応して生成した浮遊粒
子状成分の吸着に関しては、必ずしもこの依存性が該当
しない。すなわち、浮遊粒子状成分は、例えば20℃程
度の室温においてはほとんど活性炭に吸着されない。こ
れは、浮遊粒子状成分は、その大きさが活性炭の細孔の
径(せいぜい1nm程度)よりもはるかに大きいこと;
また、界面活性剤の疎水基(R基)部分を内側に、カル
シウムイオン等を外側(水溶液側)に向けた球状のミセ
ル構造となっており表面に正の電荷を帯びていること;
とにより、活性炭の細孔にほとんど拡散しないからと考
えられる。そこでこの浮遊粒子状成分を含む放射性洗濯
廃液を例えば40℃以上に加熱することにより、疎水基
を部分的に解離させて上記ミセル構造を部分的に破壊し
界面活性剤の疎水基(R基)を水溶液側に露出させ、そ
のうえで活性炭と接触させることにより、この露出部分
を介し、浮遊粒子状成分同士や浮遊粒子状成分と活性炭
とを凝集吸着させることができる。よって、この凝集吸
着した活性炭をろ過で除去すれば、ろ液側には可溶性有
機物成分のみが残ることになる。また、の第1の部分
吸着工程についてのメカニズムは以下の通りである。す
なわち、上記したように、通常の室温程度で廃液中に活
性炭を接触させると、浮遊粒子状成分は吸着せず、廃液
を加熱しある程度高温にすると凝縮吸着するようにな
る。よって、廃液を加熱して活性炭を接触させる第1の
部分吸着工程では主として浮遊粒子状成分の凝縮吸着が
起こり、活性炭を接触させる第2の部分吸着工程では主
として可溶性有機物成分の通常の拡散吸着が加熱がなく
ても起こることになる。以上のようにして、浮遊粒子状
成分及び可溶性有機物成分の両方を含む放射性洗濯廃液
から両成分を分離除去することができる。よって、従来
に比し、浮遊粒子状成分を除去でき、かつ、可溶性有機
物成分を除去する際における浮遊粒子状成分による妨害
が起こることがないので、廃液処理速度が低下すること
なくCOD成分を十分に分離除去することができる。
【0010】好ましくは、前記放射性洗濯廃液の処理方
法において、前記アルカリ土類金属イオンは、カルシウ
ムイオン及びマグネシウムイオンのうち少なくとも一方
を含んでいることを特徴とする放射性洗濯廃液の処理方
法が提供される。
【0011】また好ましくは、前記放射性洗濯廃液の処
理方法において、前記界面活性剤は脂肪酸アルカリ金属
塩を含んでおり、前記浮遊粒子状成分は脂肪酸アルカリ
土類金属塩であることを特徴とする放射性洗濯廃液の処
理方法が提供される。
【0012】また好ましくは、上記第1及び第2の目的
を達成するために、前記放射性洗濯廃液の処理方法にお
いて、前記放射性洗濯廃液は、前記浮遊粒子状成分及び
前記可溶性有機物成分の両方を含んでおり、前記第1の
手順は、この浮遊粒子状成分及び可溶性有機物成分の両
方を含む放射性洗濯廃液から、少なくとも該浮遊粒子状
成分を分離除去する手順であることを特徴とする放射性
洗濯廃液の処理方法が提供される。
【0013】さらに好ましくは、前記放射性洗濯廃液の
処理方法において、前記第1の手順は、前記放射性洗濯
廃液を加熱して活性炭と接触させることにより、前記浮
遊粒子状成分を前記活性炭に吸着させる吸着工程と、こ
の活性炭を含む放射性洗濯廃液をろ過し該活性炭を液相
部分から分離することにより、前記液相部分から前記浮
遊粒子状成分を分離除去するろ過工程とを有し、かつ、
前記ろ過工程の前後いずれか一方において、前記活性炭
に吸着されず液相部分に残存している前記可溶性有機物
成分を除去する第2の手順をさらに設けたことを特徴と
する放射性洗濯廃液の処理方法が提供される。
【0014】さらに好ましくは、前記放射性洗濯廃液の
処理方法において、前記第2の手順は、紫外線照射によ
って前記可溶性有機物成分を分解する手順であることを
特徴とする放射性洗濯廃液の処理方法が提供される。ま
た好ましくは、前記放射性洗濯廃液の処理方法におい
て、前記第1の手順は、前記放射性洗濯廃液を加熱し活
性炭の一の部分を接触させて前記浮遊粒子状成分を吸着
させる第1の部分吸着工程と、前記放射性洗濯廃液に前
記活性炭の他の部分を接触させて前記可溶性有機物成分
を吸着させる可第2の部分吸着工程と、前記浮遊粒子状
成分が吸着した活性炭と前記可溶性有機物成分が吸着し
た活性炭とを含む放射性洗濯廃液をろ過し、これらの活
性炭を液相部分から分離することにより、前記浮遊粒子
状成分及び前記可溶性有機物成分の両方を分離除去する
両成分ろ過工程とを有することを特徴とする放射性洗濯
廃液の処理方法が提供される。
【0015】また好ましくは、前記放射性洗濯廃液の処
理方法において、前記第1の手順は、前記放射性洗濯廃
液を浮遊粒子捕捉手段に通じることにより、前記浮遊粒
子状成分を捕捉除去する手順であり、かつ、該浮遊粒子
捕捉手段を通じた後の液相部分から前記可溶性有機物成
分を除去する第3の手順をさらに設けたことを特徴とす
る放射性洗濯廃液の処理方法が提供される。
【0016】さらに好ましくは、前記放射性洗濯廃液の
処理方法において、前記第3の手順は、紫外線照射によ
って前記可溶性有機物成分を分解する手順であることを
特徴とする放射性洗濯廃液の処理方法が提供される。ま
た好ましくは、前記放射性洗濯廃液の処理方法におい
て、前記第1の手順は、前記放射性洗濯廃液を浮遊粒子
捕捉手段に通じることにより、前記浮遊粒子状成分を捕
捉除去する手順であり、かつ、該浮遊粒子捕捉手段を通
じた後の液相部分を活性炭と接触させることにより、前
記可溶性有機物成分を前記活性炭に吸着させ、及びこの
活性炭を含む放射性洗濯廃液をろ過し該活性炭を液相部
分から分離することにより、前記液相部分から前記可溶
性有機物成分を分離除去する第4の手順をさらに設けた
ことを特徴とする放射性洗濯廃液の処理方法が提供され
る。
【0017】さらに好ましくは、上記放射性洗濯廃液の
処理方法において、前記浮遊粒子捕捉手段は、脱脂綿で
あることを特徴とする放射性洗濯廃液の処理方法が提供
される。
【0018】また好ましくは、前記放射性洗濯廃液の処
理方法において、前記第1の手順で、透明度の検出及び
有機物濃度の検出のうち少なくとも一方を行うことを特
徴とする放射性洗濯廃液の処理方法が提供される。すな
わち例えば、廃液を加熱しつつ活性炭を接触させて浮遊
粒子状成分を吸着させる場合に、廃液の透明度を検出す
ることにより、浮遊粒子状成分の吸着状況をリアルタイ
ムで確認しつつ活性炭の量を調整し、活性炭量を浮遊粒
子状成分除去に必要な最小限にとどめることができる。
またこれによって、使用済み活性炭の発生量を低減する
ことができる。そしてまた例えば、加熱された廃液中で
活性炭の一の部分に浮遊粒子状成分を吸着させた後、活
性炭の他の部分に可溶性有機物成分を吸着させる場合
に、廃液に含まれる有機物濃度を検出ことにより、可溶
性有機物成分の吸着状態をリアルタイムで確認しつつ活
性炭の量を調整し、活性炭量を可溶性有機物成分除去に
必要な最小限にとどめることができる。またこれによっ
て、使用済み活性炭の発生量を低減することができる。
【0019】また好ましくは、上記第1及び第3の目的
を達成するために、前記放射性洗濯廃液の処理方法にお
いて、前記放射性洗濯廃液は、前記浮遊粒子状成分及び
前記可溶性有機物成分のうち、前記浮遊粒子状成分のみ
を含んでおり、前記第1の手順は、この浮遊粒子状成分
を含む放射性洗濯廃液から、浮遊粒子状成分を分離除去
する手順であることを特徴とする放射性洗濯廃液の処理
方法が提供される。すなわち、放射性洗濯廃液にCOD
成分として浮遊粒子状成分のみが含まれている場合に
は、従来考え得る常温での活性炭添加→ろ過という方法
では、ろ紙・ろ布の上に形成された活性炭層の上を浮遊
粒子状成分が覆って目詰まりが起こる結果、廃液処理速
度を低下させ、またろ過が正常に機能せず浮遊粒子状成
分を十分に分離除去できなかった。これに対して本発明
においては、第1の手順において、例えば、吸着工程で
廃液を加熱することで浮遊粒子状成分を活性炭に吸着さ
せた後にろ過工程で活性炭を含む放射性洗濯廃液をろ過
したり、廃液を例えば脱脂綿等の浮遊粒子捕捉手段に通
じて捕捉除去させる。これにより、この浮遊粒子状成分
を含む放射性洗濯廃液から浮遊粒子状成分を分離除去す
ることができる。よって、従来のように廃液処理速度が
低下することなく、COD成分(この場合主として浮遊
粒子状成分)を十分に分離除去することができる。
【0020】さらに好ましくは、前記放射性洗濯廃液の
処理方法において、前記第1の手順は、前記放射性洗濯
廃液を加熱して活性炭と接触させることにより、前記浮
遊粒子状成分を前記活性炭に吸着させる吸着工程と、こ
の活性炭を含む放射性洗濯廃液をろ過し該活性炭を液相
部分から分離することにより、前記浮遊粒子状成分を分
離除去するろ過工程とを有することを特徴とする放射性
洗濯廃液の処理方法が提供される。また好ましくは、前
記放射性洗濯廃液の処理方法において、前記第1の手順
は、前記放射性洗濯廃液を浮遊粒子捕捉手段に通じるこ
とにより、前記浮遊粒子状成分を捕捉除去する手順であ
ることを特徴とする放射性洗濯廃液の処理方法が提供さ
れる。
【0021】さらに好ましくは、前記放射性洗濯廃液の
処理方法において、前記浮遊粒子捕捉手段は、脱脂綿で
あることを特徴とする放射性洗濯廃液の処理方法が提供
される。
【0022】また好ましくは、上記放射性洗濯廃液の処
理方法において、前記吸着工程で、前記放射性洗濯廃液
を40℃以上に加熱することを特徴とする放射性洗濯廃
液の処理方法が提供される。
【0023】また上記第1の目的を達成するために、本
発明によれば、界面活性剤を含む可溶性有機物成分、及
び前記界面活性剤の少なくとも一部がアルカリ土類金属
イオンと反応することで生成した浮遊粒子状成分のう
ち、少なくとも該浮遊粒子状成分を含む放射性洗濯廃液
が供給される廃液槽と、この廃液槽に活性炭を供給する
活性炭供給手段と、前記廃液槽を加熱する加熱手段と、
前記廃液槽に接続されたろ過手段とを有することを特徴
とする放射性洗濯廃液の処理装置が提供される。
【0024】好ましくは、前記放射性洗濯廃液処理装置
において、前記ろ過手段のろ液流出側に接続された可溶
性有機物成分除去手段をさらに有することを特徴とする
放射性洗濯廃液の処理装置が提供される。
【0025】また好ましくは、前記放射性洗濯廃液処理
装置において、前記活性炭供給手段は、活性炭を複数回
に分割して供給可能であることを特徴とする放射性洗濯
廃液の処理装置が提供される。
【0026】さらに好ましくは、前記放射性洗濯廃液の
処理装置において、前記廃液槽内の液相及び前記ろ過手
段から流出するろ液のうちいずれか一方の、透明度の検
出及び有機物濃度の検出のうち少なくとも一方を行う検
出手段と、この検出結果に応じ、前記活性炭供給手段の
分割供給動作における供給量・供給回数を制御する制御
手段とをさらに有することを特徴とする放射性洗濯廃液
の処理装置が提供される。
【0027】また上記第1の目的を達成するために、本
発明によれば、界面活性剤を含む可溶性有機物成分、及
び前記界面活性剤の少なくとも一部がアルカリ土類金属
イオンと反応することで生成した浮遊粒子状成分のう
ち、少なくとも該浮遊粒子状成分を含む放射性洗濯廃液
が導かれる浮遊粒子状成分除去手段を有することを特徴
とする放射性洗濯廃液の処理装置が提供される。
【0028】好ましくは、前記放射性洗濯廃液の処理装
置において、前記浮遊粒子状成分除去手段は、脱脂綿で
あることを特徴とする放射性洗濯廃液の処理装置が提供
される。
【0029】また好ましくは、前記放射性洗濯廃液処理
装置において、前記浮遊粒子状成分除去手段を通じた廃
液が導かれる可溶性有機物成分除去手段をさらに有する
ことを特徴とする放射性洗濯廃液の処理装置が提供され
る。
【0030】また好ましくは、前記放射性洗濯廃液の処
理装置において、前記可溶性有機物成分除去手段は、紫
外線照射装置であることを特徴とする放射性洗濯廃液の
処理装置が提供される。
【0031】また好ましくは、前記放射性洗濯廃液の処
理装置において、前記浮遊粒子状成分除去手段を通じた
廃液が供給される廃液槽と、この廃液槽に活性炭を供給
する活性炭供給手段と、前記廃液槽に接続されたろ過手
段とを有することを特徴とする放射性洗濯廃液の処理装
置が提供される。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。本実施形態の第1の実施形態を図
1〜図7により説明する。本実施形態による放射性洗濯
廃液の処理方法を実施する廃液処理装置の全体構成を表
す概念図を図1に示す。図1において、廃液処理装置
は、原子力発電所から発生する、石鹸・洗剤等の界面活
性剤の一部分が、人体中の例えば汗に含まれるカルシウ
ムと反応して生成した浮遊粒子状成分(例えばラウリン
酸カルシウムを含む脂肪酸アルカリ土類金属塩)と、界
面活性剤の残り部分等の可溶性有機物成分とが含まれた
洗濯廃液が廃液供給ポンプ5を介して供給される廃液槽
1と、この廃液槽1に活性炭を供給するために設けら
れ、供給調節機構(図示せず)を内蔵し、複数回の分割
供給が可能である活性炭供給機2と、廃液槽1内を撹拌
する廃液撹拌機3と、廃液槽1を加熱する廃液加熱器6
と、廃液槽1の下流側に接続されたろ過装置7と、廃液
槽1とろ過装置7との間に設けられたバルブ4と、廃液
槽1内の液相の透明度を検出し対応する信号を出力する
廃液透明度計10と、廃液槽1内の液相をサンプリング
する廃液サンプラー12と、この廃液サンプラー12で
サンプリングした液の有機物濃度を検出し対応する信号
を出力する有機物濃度測定器11と、廃液透明度計10
及び有機物濃度測定器11からの信号がそれぞれ入力さ
れ、これらの検出結果に応じ、活性炭供給機2に内蔵さ
れた供給調節機構の動作を制御する制御信号を出力し、
活性炭供給機2から廃液槽1内へ供給される活性炭の供
給量・供給回数を制御するコントローラ13とを有して
いる。上記構成における処理手順及び作用効果を、図2
〜図7により説明する。まず最初に、原子力発電所から
発生し予め貯槽14内に貯留されていた洗濯廃液が、廃
液供給ポンプ5によって廃液槽1に供給され、廃液は廃
液槽1の中で廃液加熱器6により例えば60℃になるよ
うに加熱される。次に、コントローラ13からの制御信
号で活性炭供給機2の供給調節機構が駆動され活性炭が
添加されるが、活性炭は一度に全部添加するのではな
く、この時点では全量のうちの一部だけ添加するにとど
める。すなわち、添加の際には、廃液透明度計10によ
り浮遊粒子状成分による廃液の濁りを測定し、対応する
検出信号がコントローラ13に入力される。コントロー
ラ13は、この検出信号に基づき、浮遊粒子状成分が活
性炭に吸着して濁りがなくなったところで、活性炭供給
機2の供給調節機構の駆動を停止する制御信号を出力
し、活性炭の添加を止めるようにする。
【0033】ここで、この加熱による浮遊粒子状成分の
吸着(凝集吸着)原理について、図2(a)〜(c)に
より説明する。なお、説明の便宜上、アルカリ土類金属
の一例としてカルシウムを、脂肪酸の一例としてラウリ
ン酸を例にとって説明する。図2(a)〜(c)におい
て、浮遊粒子状成分(この場合ラウリン酸カルシウム)
は、通常の室温では、図2(a)に示すような単体の会
合状態にあり、界面活性剤の疎水基(R基)部分を内側
に、カルシウムを外側(水溶液側)に向けた球状のミセ
ル構造となって表面に正の電荷を帯びている。これによ
り、従来の室温による活性炭添加という方法では、ろ紙
・ろ布の上に形成された活性炭層を浮遊粒子状成分が覆
って目詰まりが起こっていた。しかしながら、このよう
な状態に対して加熱を行うと、図2(b)に示すよう
に、疎水基が部分的に解離してミセル構造が部分的に破
壊され、界面活性剤の疎水基(R基)が水溶液側に露出
するようになる。これにより、この状態で活性炭を添加
することで、図2(c)に示すように、疎水基の露出部
分を介し、浮遊粒子状成分同士や浮遊粒子状成分と活性
炭とを凝集吸着させることができる。なお、以上はアル
カリ土類金属の一例としてカルシウムを、脂肪酸の一例
としてラウリン酸を用いて説明したが、上記の挙動は、
他のアルカリ金属(例えばマグネシウム等)や、他の脂
肪酸(例えばミリスチン酸、カプリル酸、カプリン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール
酸、リミノレイン酸)でも同様である。
【0034】また、このような凝集吸着が起こって濁り
がなくなるまでの間(例えば廃液温度に応じて10分程
度〜数時間)、廃液撹拌機3による撹拌は継続する。
【0035】以上のような浮遊粒子状成分の凝集吸着が
終了すると、活性炭供給機2より残りの活性炭が添加さ
れる。このとき廃液温度は室温程度にまで冷却(放置し
自然冷却、若しくは別途冷却手段を設けてもよい)す
る。そして、廃液サンプラー12で廃液槽1から廃液を
サンプリングし有機物濃度測定器11に送液する。そし
て有機物濃度測定器11により廃液中の可溶性有機物成
分濃度を測定し、対応する信号がコントローラ13に入
力される。コントローラ13は、この検出信号に基づ
き、可溶性有機物成分の濃度が所定濃度まで低下した
ら、活性炭の添加を止める。
【0036】その後、バルブ4が開かれて廃液がろ過装
置7に流される。ここで、本実施形態の最も大きな作用
効果である、ろ過時の挙動原理に関して、図3(a)〜
(c)により説明する。図3(a)は、通常の室温で廃
液に活性炭を添加した状態を表しており、単体の会合状
態(図2(a)参照)にある浮遊粒子状成分(例えばラ
ウリン酸カルシウムを含む脂肪酸アルカリ土類金属塩)
と活性炭粒子とは、廃液中に均一に分散している。この
ような状態でろ過を行うと、図3(b)に示すように、
活性炭粒子と浮遊粒子状成分との比重差により、ろ布・
ろ紙の上に先に活性炭粒子が沈降して活性炭ケーキ層を
形成した後、その上から浮遊粒子状成分が沈降して活性
炭層ケーキ層をすきまなく覆ってしまう。よって、この
ケーキ層を廃液の液相が通過しようとしても、通過時に
浮遊粒子状成分を捕捉し通過しにくくなることから、ろ
布・ろ紙の目詰まりが起こり差圧が急上昇し、廃液処理
速度が低下していた。これに対して、本実施形態では、
浮遊粒子状成分が活性炭に凝縮吸着している状態で(図
2(c)参照)ろ過を行うことから、図3(c)に示さ
れるように、活性炭ケーキ層中に浮遊粒子状成分が均一
に分散され、全体で大きな1つのケーキ層を形成する。
【0037】以上により、本実施形態においては、ろ過
装置7で、従来のようにろ布・ろ紙の目詰まりが起こる
ことがなく、迅速にろ過処理を行うことができる。この
ことを図4及び図5に示す。図4は、ろ過装置7におけ
るろ過液量とこのときにろ紙・ろ布前後に発生する差圧
を実測しその結果を従来方法の結果と比較して示したも
のである。図4中に破線で示したように、従来方法では
目詰まりが発生して(図3(b)に相当)あるろ過液量
から差圧が急激に増加するが、実線で示される本実施形
態(図3(c)に相当)ではそのようなことがなく、ろ
過液量にほぼ比例した差圧を示している。また図5は、
ろ過装置7における廃液処理速度の測定結果を従来方法
の結果と比較して示したものである。なお横軸には廃液
温度(従来では20℃、本実施形態では60℃)をと
り、縦軸は処理速度の相対値をとって表している。図5
に示されるように、本実施形態の処理方法における廃液
処理速度は、従来方法の約2.5倍に達していることが
わかる。
【0038】上記ろ過装置7でのろ過処理により、残渣
としてろ紙・ろ布上に残る、浮遊粒子状成分を凝集吸着
した活性炭及び可溶性有機物成分が吸着した活性炭が固
体廃棄物として処理される。ろ液側のドレイン液相は、
残留放射性の度合い応じた処理が施される。ここにおい
て、本実施形態においてはまた、浮遊粒子状成分と可溶
性有機物成分との両方を活性炭添加によって除去できる
ことから、廃液中のCOD成分を十分に分離除去し、C
OD成分濃度を著しく低下させることができる。このこ
とを図6及び図7に示す。図6は、エネルギー分散型X
線分析装置を用いて、ろ過装置7でのろ過でろ過残渣と
して回収された活性炭表面の元素分析を行い、活性炭に
凝集吸着した浮遊粒子状成分に含まれるカルシウムを定
量分析した結果を表した図である。図中、横軸は各元素
の特性線の波長を表し、縦軸は特性線の強度を対数相対
値表示したものである。図6に示されるように、特性線
の強度は、活性炭の主成分であるCについでCaが大き
く、活性炭表面に、カルシウムを含有する浮遊粒子状成
分が確かに吸着されていることがわかる。図7は、ろ液
装置7のろ液側におけるCOD成分濃度の実測しその結
果を、従来方法の結果と比較して示したものである。図
7に示されるように、従来方法ではCOD濃度が40p
pmから15ppmにしか下がらなかったのに比し、本
実施形態では1ppmにまで著しく低下させることがで
きることがわかる。
【0039】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、浮遊粒子状成分及び可溶性有機物成分の両方を含む
洗濯廃液から、加熱後の1回目の活性炭添加で浮遊粒子
状成分を凝縮吸着した後、2回目の活性炭添加で可溶性
有機物成分を吸着させ、これら活性炭をろ過装置7でろ
過し除去するので、浮遊粒子状成分と可溶性有機物成分
との両方を除去することができる。したがって、従来に
比し、浮遊粒子状成分を除去できることと、かつ、可溶
性有機物成分を除去する際における浮遊粒子状成分によ
る妨害が起こることがないこととによって、廃液処理速
度を向上させるとともにCOD成分を十分に分離除去す
ることができる。また、活性炭の総使用量を必要最小限
に出来るので、二次廃棄物の発生量を抑制できる効果も
ある。
【0040】なお、上記実施形態では、廃液温度を60
℃としたが、これに限られない。すなわち、前述した図
5に併せて示すように、本願発明者等は、廃液温度40
℃、50℃、80℃についても廃液速度が従来よりも向
上したことを実測した。40℃で従来の約1.6倍の速
度向上が得られ、また廃液の温度が上昇するに従いろ過
速度が大きくなる傾向を示していることから、廃液温度
は40℃以上であれば足りると判断した。また上記実施
形態においては、浮遊粒子状成分の凝集吸着終了後、廃
液温度を室温程度にまで冷却したが、例えば60℃程度
の高温のままでも可溶性有機物吸着にあまり影響はない
という結果を本願発明者等は得たので、必ずしも冷却し
なくても、同様の効果を得ることができる。さらに上記
実施形態においては、まず最初に加熱・1回目活性炭添
加で浮遊粒子状成分凝集吸着→冷却・2回目活性炭添加
で可溶性有機物成分吸着としたが、この逆、すなわちま
ず最初に室温・1回目活性炭添加で可溶性有機物成分吸
着→加熱・2回目活性炭添加で浮遊粒子状成分凝集吸着
としてもよい。この場合も、同様の効果を得る。また上
記実施形態においては、活性炭を活性炭供給機2から添
加したが、これに限られない。すなわち、少なくとも活
性炭と廃液とを接触させれば足りるので、例えば複数の
層状に形成した活性炭層に廃液を通じる方法等でも良
い。この場合も同様の効果を得る。さらに上記実施形態
では、廃液槽1内の液相の透明度を廃液透明度計10で
検出し、有機物濃度を有機物濃度測定器11で検出した
が、これに限られず、ろ過装置7からのろ液側の透明度
及び有機物濃度を検出する構成も考えられる。
【0041】本発明の第2の実施形態を図8により説明
する。図8は、本実施形態による放射性洗濯廃液の処理
方法を実施する廃液処理装置の全体構成を表す概念図で
ある。第1の実施形態と同等の部材には同一の符号を付
す。この図8に示される廃液処理装置が第1の実施形態
と異なる主要な点は、廃液透明度計10が省略され、こ
れに伴いコントローラ13には有機物濃度測定器11か
らの検出信号のみが入力されていることである。すなわ
ち、1回目の活性炭添加は、廃液の濁りを目視して活性
炭供給機2の供給調節機構をマニュアル操作する等によ
って行われる。その他の構成及び処理手順は、第1の実
施形態とほぼ同様である。本実施形態によっても、第1
の実施形態とほぼ同様の効果を得る。
【0042】本発明の第3の実施形態を図9により説明
する。図9は、本実施形態による放射性洗濯廃液の処理
方法を実施する廃液処理装置の全体構成を表す概念図で
ある。第1及び第2の実施形態と同等の部材には同一の
符号を付す。この図9に示される廃液処理装置が第1の
実施形態と異なる主要な点は、有機物濃度測定器11が
省略され、これに伴いコントローラ13には廃液透明度
計10からの検出信号のみが入力されていることであ
る。すなわち、2回目の活性炭添加は、廃棄物発生量の
抑制と活性炭添加の制御の容易さのバランスを考え、活
性炭供給機2の供給調節機構をマニュアル操作する等に
よって行われる。例えば、浮遊粒子状成分除去後に大量
の可溶性有機物成分が残っている場合には1回目活性炭
添加後の残りを一度に添加し、浮遊粒子状成分除去後に
少量の可溶性有機物成分しか残っていない場合には1回
目活性炭添加後の残りを複数回に分けて添加する。その
他の構成及び処理手順は、第1の実施形態とほぼ同様で
ある。本実施形態によっても、第1の実施形態とほぼ同
様の効果を得る。
【0043】本発明の第4の実施形態を図10により説
明する。図10は、本実施形態による放射性洗濯廃液の
処理方法を実施する廃液処理装置の全体構成を表す概念
図である。第1〜第3の実施形態と同等の部材には同一
の符号を付す。この図10に示される廃液処理装置が第
3の実施形態と異なる主要な点は、廃液透明度計10及
びコントローラ13が省略されていることである。すな
わち、2回目の活性炭添加に加え、1回目の活性炭添加
も、廃液の濁りを目視して活性炭供給機2の供給調節機
構をマニュアル操作する等によって行われる。その他の
構成及び処理手順は、第3の実施形態とほぼ同様であ
る。本実施形態によっても、第3の実施形態とほぼ同様
の効果を得る。本発明の第5の実施形態を図11により
説明する。図11は、本実施形態による放射性洗濯廃液
の処理方法を実施する廃液処理装置の全体構成を表す概
念図である。第1〜第4の実施形態と同等の部材には同
一の符号を付す。この図11に示される廃液処理装置が
第4の実施形態と異なる主要な点は、ろ過装置7のろ液
側に、例えば水銀ランプ等の紫外線照射装置などで構成
される可溶性有機物成分分解装置509が設けられてい
ることと、活性炭供給機502は、複数回の分割供給可
能に構成されていないことである。
【0044】すなわち、廃液処理手順は以下のようにな
る。まず最初に、原子力発電所から発生し予め貯槽14
内に貯留されていた洗濯廃液が、廃液供給ポンプ5によ
って廃液槽1に供給され、廃液は廃液槽1の中で廃液加
熱器6により例えば60℃になるように加熱される。そ
して活性炭供給機502から活性炭が一度に全部添加さ
れ、浮遊粒子状成分の凝集吸着が起こって濁りがなくな
るまでの間、廃液撹拌機3により撹拌を継続する。その
後、バルブ4が開かれて廃液がろ過装置7に流される。
ろ過装置7でのろ過処理により、残渣としてろ紙・ろ布
上に残る、浮遊粒子状成分を凝集吸着した活性炭のみが
分離され、固体廃棄物として処理される。一方、ろ液側
に流出した液相は、可溶性有機物成分分解装置509に
供給されて可溶性有機物成分が分解除去された後、流出
側のドレイン液相は残留放射性の度合いに応じた処理が
施される。その他の特記しない構成は、第4の実施形態
とほぼ同様である。本実施形態によっても、第4の実施
形態とほぼ同様の効果を得る。
【0045】本発明の第6の実施形態を図12により説
明する。本実施形態は、活性炭添加を行わずに浮遊粒子
状成分を除去する場合の実施形態である。図12は、本
実施形態による放射性洗濯廃液の処理方法を実施する廃
液処理装置の全体構成を表す概念図である。第1〜第5
の実施形態と同等の部材には同一の符号を付す。図12
において、廃液処理装置は、第1〜第5の実施形態と同
様の洗濯廃液が廃液供給ポンプ5を介して供給される廃
液槽1と、廃液供給ポンプ5と廃液槽1との間に設けら
れ、浮遊粒子状成分を分離除去する機能を備え、例えば
脱脂綿で構成された浮遊粒子状成分除去装置608と、
廃液槽1の下流側に接続され、例えば水銀ランプ等の紫
外線照射装置で構成された可溶性有機物成分分解装置5
09とを有している。
【0046】上記構成における廃液処理手順は以下の通
りである。まず最初に、原子力発電所から発生し予め貯
槽14内に貯留されていた洗濯廃液が、廃液供給ポンプ
5によって廃液槽1に供給されるが、その途中で洗濯廃
液中の浮遊粒子状成分が浮遊粒子状成分除去装置608
によって分離除去され、COD成分として可溶性有機物
成分のみが含まれる廃液が廃液槽1に供給される。その
後、バルブ4が開かれて廃液が可溶性有機物成分分解装
置509に供給され、可溶性有機物成分が分解除去され
る。また可溶性有機物成分分解装置509の流出側のド
レイン液相は残留放射性の度合い応じた処理が施され
る。
【0047】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、浮遊粒子状成分及び可溶性有機物成分の両方を含む
洗濯廃液から、浮遊粒子状成分除去装置608で浮遊粒
子状成分を分離除去した後、可溶性有機物成分分解装置
509で可溶性有機物成分を分解除去するので、洗濯廃
液から浮遊粒子状成分と可溶性有機物成分との両方を除
去することができる。したがって、従来に比し、浮遊粒
子状成分を除去できることと、かつ、可溶性有機物成分
を除去する際における浮遊粒子状成分による妨害が起こ
ることがない(この場合は、可溶性有機物成分分解装置
509において紫外線照射で可溶性有機物成分を分解す
るときに、浮遊粒子状成分による廃液の濁りで紫外線吸
収効率が悪くなることがない)こととによって、廃液処
理速度を向上させるとともにCOD成分を十分に分離除
去することができる。
【0048】本発明の第7の実施形態を図13により説
明する。本実施形態は、活性炭添加を可溶性有機物成分
除去のみに用いる場合の実施形態である。図13は、本
実施形態による放射性洗濯廃液の処理方法を実施する廃
液処理装置の全体構成を表す概念図である。第1〜第6
の実施形態と同等の部材には同一の符号を付す。図13
において、廃液処理装置は、第1〜第6の実施形態と同
様、洗濯廃液が廃液供給ポンプ5を介して供給される廃
液槽1、廃液槽1内を撹拌する廃液撹拌機3、廃液槽1
の下流側に接続されたろ過装置7、及び廃液槽1とろ過
装置7との間に設けられたバルブ4と、第6の実施形態
と同様の浮遊粒子状成分除去装置608と、第5の実施
形態と同様の活性炭供給機502とを有する。
【0049】上記構成における廃液処理手順は以下の通
りである。まず最初に、原子力発電所から発生し予め貯
槽14内に貯留されていた洗濯廃液が、廃液供給ポンプ
5によって廃液槽1に供給されるが、その途中で洗濯廃
液中の浮遊粒子状成分が浮遊粒子状成分除去装置608
によって分離除去され、COD成分として可溶性有機物
成分のみが含まれる廃液が廃液槽1に供給される。そし
て活性炭供給機2から活性炭が一度に全部添加され、可
溶性有機物成分を吸着させる。この吸着の間(例えば1
0分程度〜数時間)、廃液撹拌機3により撹拌を継続す
る。その後、バルブ4が開かれて廃液がろ過装置7に流
される。ろ過装置7でのろ過処理により、残渣としてろ
紙・ろ布上に残る、可溶性有機物成分を吸着した活性炭
が分離され、固体廃棄物として処理される。一方、ろ液
側に流出したドレイン液相は残留放射性の度合いに応じ
た処理が施される。
【0050】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、浮遊粒子状成分及び可溶性有機物成分の両方を含む
洗濯廃液から、浮遊粒子状成分除去装置608で浮遊粒
子状成分を分離除去した後、廃液槽1内で活性炭に可溶
性有機物成分を吸着させるので、洗濯廃液から浮遊粒子
状成分と可溶性有機物成分との両方を除去することがで
きる。したがって、従来に比し、浮遊粒子状成分を除去
できることと、かつ、可溶性有機物成分を除去する際に
おける浮遊粒子状成分による妨害が起こることがないこ
ととによって、廃液処理速度を向上させるとともにCO
D成分を十分に分離除去することができる。
【0051】なお上記実施形態においては、廃液槽1を
加熱しなかったが、撹拌機3による撹拌中、必要に応じ
て廃液加熱器(図示せず)で廃液を加熱してもよい。本
発明の第8の実施形態を図14により説明する。本実施
形態は、上記第1〜第7の実施形態とは異なり、COD
成分として、可溶性有機物成分が含まれず主として浮遊
粒子状成分のみが含まれている洗濯廃液から、その浮遊
粒子状成分を分離除去する実施形態であり、先に述べた
第5の実施形態を変形したものである。図14は、本実
施形態による放射性洗濯廃液の処理方法を実施する廃液
処理装置の全体構成を表す概念図である。第1〜第7の
実施形態と同等の部材には同一の符号を付す。この図1
4に示される廃液処理装置が先に述べた第5の実施形態
と異なる主要な点は、ろ過装置7のろ液側の可溶性有機
物成分分解装置509が省略されていることである。す
なわち、廃液処理手順は以下のようになる。まず最初
に、原子力発電所から発生し、予め可溶性有機物成分が
除去される等によってCOD成分として主として浮遊粒
子状成分のみが含まれる形で貯留されている貯槽14内
の洗濯廃液が、廃液供給ポンプ5によって廃液槽1に供
給され、廃液は廃液槽1の中で廃液加熱器6により例え
ば60℃になるように加熱される。そして活性炭供給機
2から活性炭が一度に全部添加され、浮遊粒子状成分の
凝集吸着が起こって濁りがなくなるまでの間、廃液撹拌
機3により撹拌を継続する。その後、バルブ4が開かれ
て廃液がろ過装置7に流される。ろ過装置7でのろ過処
理により、残渣としてろ紙・ろ布上に残る、浮遊粒子状
成分を凝集吸着した活性炭のみが分離され、固体廃棄物
として処理される。ここで、本実施形態の洗濯廃液には
COD成分として浮遊粒子状成分しか含まれていないの
で、このろ過によってCOD成分の分離・除去は終了し
たことになる。そしてろ液側のドレイン液相は、残留放
射性の度合い応じた処理が施される。その他の特記しな
い構成は、第5の実施形態とほぼ同様である。
【0052】以上において、本実施形態の対象であるC
OD成分として浮遊粒子状成分のみを含む洗濯廃液に対
し、従来方法である室温での活性炭添加を行ったとして
も、既に第1の実施形態で説明したように、浮遊粒子状
成分はほとんど吸着せず活性炭ケーキ層の上を覆うこと
から、廃液処理速度を低下させ、また分離除去を十分に
行うことができない。しかし本実施形態によれば、加熱
後に活性炭を添加することで浮遊粒子状成分を凝縮吸着
させ、これら活性炭をろ過装置7でろ過し除去するの
で、COD成分である浮遊粒子状成分を除去することが
できる。したがって、従来に比し、廃液処理速度を向上
させるとともにCOD成分を十分に分離除去することが
できる。
【0053】本発明の第9の実施形態を図15により説
明する。本実施形態も、上記第8の実施形態同様、CO
D成分として、可溶性有機物成分が含まれず主として浮
遊粒子状成分のみが含まれている洗濯廃液から、その浮
遊粒子状成分を分離除去する実施形態であり、先に述べ
た第6の実施形態を変形したものである。図15は、本
実施形態による放射性洗濯廃液の処理方法を実施する廃
液処理装置の全体構成を表す概念図である。第1〜第8
の実施形態と同等の部材には同一の符号を付す。この図
15に示される廃液処理装置が先に述べた第6の実施形
態と異なる主要な点は、バルブ4の下流側に接続された
可溶性有機物成分分解装置509が省略されていること
である。
【0054】すなわち、廃液処理手順は以下の通りであ
る。まず最初に、原子力発電所から発生し予め貯槽14
内に貯留されていた洗濯廃液が、廃液供給ポンプ5によ
って廃液槽1に供給されるが、その途中で洗濯廃液中の
浮遊粒子状成分が浮遊粒子状成分除去装置608によっ
て分離除去され、COD成分として可溶性有機物成分の
みが含まれる廃液が廃液槽1に供給される。ここで、本
実施形態の洗濯廃液にはCOD成分として浮遊粒子状成
分しか含まれていないので、この浮遊粒子状成分の除去
によってCOD成分の分離・除去は終了したことにな
る。その後、バルブ4が開かれてドレイン液相が導出さ
れ、残留放射性の度合いに応じた処理が施される。
【0055】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、COD成分として浮遊粒子状成分のみを含む洗濯廃
液から、浮遊粒子状成分除去装置608で浮遊粒子状成
分を分離除去することができる。したがって、上記第8
の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、放射性洗
濯廃液にCOD成分として浮遊粒子状成分のみが含まれ
ている場合には、第1の手順において、例えば、吸着工
程で廃液を加熱することで浮遊粒子状成分を活性炭に吸
着させた後にろ過工程で活性炭を含む放射性洗濯廃液を
ろ過したり、廃液を例えば脱脂綿等の浮遊粒子捕捉手段
に通じて捕捉除去させるので、浮遊粒子状成分を分離除
去することができる。よって、従来のように廃液処理速
度が低下することなく、COD成分を十分に分離除去す
ることができる。また放射性洗濯廃液にCOD成分とし
て浮遊粒子状成分と可溶性有機物成分の両方が含まれて
いる場合には、第1の手順で浮遊粒子状成分及び可溶性
有機物成分の両方を含む放射性洗濯廃液から、第1の手
順で浮遊粒子状成分を分離除去した後、他の手順で可溶
性有機物成分を除去するか、若しくは、第1の手順で浮
遊粒子状成分と可溶性有機物成分との両方を除去するの
で、浮遊粒子状成分及び可溶性有機物成分の両方を含む
放射性洗濯廃液から両成分を分離除去することができ
る。よって、従来に比し、浮遊粒子状成分を除去でき、
かつ、可溶性有機物成分を除去する際における浮遊粒子
状成分による妨害が起こることがないので、廃液処理速
度が低下することなくCOD成分を十分に分離除去する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による放射性洗濯廃液
の処理方法を実施する廃液処理装置の全体構成を表す概
念図である。
【図2】浮遊粒子状成分の凝集吸着原理を表す図であ
る。
【図3】ろ過時の挙動原理を表す図である。
【図4】ろ過装置におけるろ過液量とこのときにろ紙・
ろ布前後に発生する差圧を実測し従来方法と比較して示
した図である。
【図5】ろ過装置における廃液処理速度を従来方法と比
較して示した図である。
【図6】エネルギー分散型X線分析装置を用いて、活性
炭に凝集吸着した浮遊粒子状成分に含まれるカルシウム
を定量分析した結果を表した図である。
【図7】ろ液装置7のろ液側におけるCOD成分濃度の
実測しその結果を、従来方法の結果と比較して示した図
である。
【図8】本発明の第2の実施形態による放射性洗濯廃液
の処理方法を実施する廃液処理装置の全体構成を表す概
念図である。
【図9】本発明の第3の実施形態による放射性洗濯廃液
の処理方法を実施する廃液処理装置の全体構成を表す概
念図である。
【図10】本発明の第4の実施形態による放射性洗濯廃
液の処理方法を実施する廃液処理装置の全体構成を表す
概念図である。
【図11】本発明の第5の実施形態による放射性洗濯廃
液の処理方法を実施する廃液処理装置の全体構成を表す
概念図である。
【図12】本発明の第6の実施形態による放射性洗濯廃
液の処理方法を実施する廃液処理装置の全体構成を表す
概念図である。
【図13】本発明の第7の実施形態による放射性洗濯廃
液の処理方法を実施する廃液処理装置の全体構成を表す
概念図である。
【図14】本発明の第8の実施形態による放射性洗濯廃
液の処理方法を実施する廃液処理装置の全体構成を表す
概念図である。
【図15】本発明の第9の実施形態による放射性洗濯廃
液の処理方法を実施する廃液処理装置の全体構成を表す
概念図である。
【符号の説明】
1 廃液槽 2 活性炭供給機 3 廃液撹拌機 4 バルブ 5 廃液供給ポンプ 6 廃液加熱器 7 ろ過装置 10 廃液透明度計 11 有機物濃度測定器 12 廃液サンプラー 13 コントローラ 14 貯槽 502 活性炭供給機 509 溶解性有機物分解装置 608 浮遊粒子状成分除去装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21F 9/12 501 G21F 9/12 501C (72)発明者 松田 将省 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 雪田 篤 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可溶性有機物成分及び浮遊粒子状成分の
    うち、少なくとも該浮遊粒子状成分を含む放射性洗濯廃
    液から、少なくとも該浮遊粒子状成分を分離除去する第
    1の手順を有することを特徴とする放射性洗濯廃液の処
    理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の放射性洗濯廃液の処理方
    法において、前記界面活性剤は脂肪酸アルカリ金属塩を
    含んでおり、前記浮遊粒子状成分は脂肪酸アルカリ土類
    金属塩であることを特徴とする放射性洗濯廃液の処理方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の放射性洗濯廃液の処理方
    法において、前記放射性洗濯廃液は、前記浮遊粒子状成
    分及び前記可溶性有機物成分の両方を含んでおり、前記
    第1の手順は、この浮遊粒子状成分及び可溶性有機物成
    分の両方を含む放射性洗濯廃液から、少なくとも該浮遊
    粒子状成分を分離除去する手順であることを特徴とする
    放射性洗濯廃液の処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の放射性洗濯廃液の処理方
    法において、前記第1の手順は、前記放射性洗濯廃液を
    加熱して活性炭と接触させることにより、前記浮遊粒子
    状成分を前記活性炭に吸着させる吸着工程と、この活性
    炭を含む放射性洗濯廃液をろ過し該活性炭を液相部分か
    ら分離することにより、前記液相部分から前記浮遊粒子
    状成分を分離除去するろ過工程とを有し、かつ、前記ろ
    過工程の前後いずれか一方において、前記活性炭に吸着
    されず液相部分に残存している前記可溶性有機物成分を
    除去する第2の手順をさらに設けたことを特徴とする放
    射性洗濯廃液の処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の放射性洗濯廃液の処理方
    法において、前記第2の手順は、紫外線照射によって前
    記可溶性有機物成分を分解する手順であることを特徴と
    する放射性洗濯廃液の処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の放射性洗濯廃液の処理方
    法において、前記第1の手順は、前記放射性洗濯廃液を
    加熱し活性炭の一の部分を接触させて前記浮遊粒子状成
    分を吸着させる第1の部分吸着工程と、前記放射性洗濯
    廃液に前記活性炭の他の部分を接触させて前記可溶性有
    機物成分を吸着させる可第2の部分吸着工程と、前記浮
    遊粒子状成分が吸着した活性炭と前記可溶性有機物成分
    が吸着した活性炭とを含む放射性洗濯廃液をろ過し、こ
    れらの活性炭を液相部分から分離することにより、前記
    浮遊粒子状成分及び前記可溶性有機物成分の両方を分離
    除去する両成分ろ過工程とを有することを特徴とする放
    射性洗濯廃液の処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の放射性洗濯廃液の処理方
    法において、前記第1の手順は、前記放射性洗濯廃液を
    浮遊粒子捕捉手段に通じることにより、前記浮遊粒子状
    成分を捕捉除去する手順であり、かつ、該浮遊粒子捕捉
    手段を通じた後の液相部分から前記可溶性有機物成分を
    除去する第3の手順をさらに設けたことを特徴とする放
    射性洗濯廃液の処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項3記載の放射性洗濯廃液の処理方
    法において、前記第1の手順は、前記放射性洗濯廃液を
    浮遊粒子捕捉手段に通じることにより、前記浮遊粒子状
    成分を捕捉除去する手順であり、かつ、該浮遊粒子捕捉
    手段を通じた後の液相部分を活性炭と接触させることに
    より、前記可溶性有機物成分を前記活性炭に吸着させ、
    及びこの活性炭を含む放射性洗濯廃液をろ過し該活性炭
    を液相部分から分離することにより、前記液相部分から
    前記可溶性有機物成分を分離除去する第4の手順をさら
    に設けたことを特徴とする放射性洗濯廃液の処理方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の放射性洗濯廃液の処理方
    法において、前記放射性洗濯廃液は、前記浮遊粒子状成
    分及び前記可溶性有機物成分のうち、前記浮遊粒子状成
    分のみを含んでおり、前記第1の手順は、この浮遊粒子
    状成分を含む放射性洗濯廃液から、浮遊粒子状成分を分
    離除去する手順であることを特徴とする放射性洗濯廃液
    の処理方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の放射性洗濯廃液の処理
    方法において、前記第1の手順は、前記放射性洗濯廃液
    を加熱して活性炭と接触させることにより、前記浮遊粒
    子状成分を前記活性炭に吸着させる吸着工程と、この活
    性炭を含む放射性洗濯廃液をろ過し該活性炭を液相部分
    から分離することにより、前記浮遊粒子状成分を分離除
    去するろ過工程とを有することを特徴とする放射性洗濯
    廃液の処理方法。
  11. 【請求項11】 請求項4、6、10のいずれか1項記
    載の放射性洗濯廃液の処理方法において、前記吸着工程
    で、前記放射性洗濯廃液を40℃以上に加熱することを
    特徴とする放射性洗濯廃液の処理方法。
  12. 【請求項12】 可溶性有機物成分及び浮遊粒子状成分
    のうち、少なくとも該浮遊粒子状成分を含む放射性洗濯
    廃液が供給される廃液槽と、この廃液槽に活性炭を供給
    する活性炭供給手段と、前記廃液槽を加熱する加熱手段
    と、前記廃液槽に接続されたろ過手段とを有することを
    特徴とする放射性洗濯廃液の処理装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の放射性洗濯廃液処理
    装置において、前記ろ過手段のろ液流出側に接続された
    可溶性有機物成分除去手段をさらに有することを特徴と
    する放射性洗濯廃液の処理装置。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の放射性洗濯廃液の処
    理装置において、前記活性炭供給手段は、活性炭を複数
    回に分割して供給可能であり、かつ、前記廃液槽内の液
    相及び前記ろ過手段から流出するろ液のうちいずれか一
    方の、透明度の検出及び有機物濃度の検出のうち少なく
    とも一方を行う検出手段と、この検出結果に応じ、前記
    活性炭供給手段の分割供給動作における供給量・供給回
    数を制御する制御手段とをさらに有することを特徴とす
    る放射性洗濯廃液の処理装置。
  15. 【請求項15】 可溶性有機物成分及び浮遊粒子状成分
    のうち、少なくとも該浮遊粒子状成分を含む放射性洗濯
    廃液が導かれる浮遊粒子状成分除去手段と、前記浮遊粒
    子状成分除去手段を通じた廃液が導かれる可溶性有機物
    成分除去手段とを有し、前記浮遊粒子状成分除去手段
    は、脱脂綿であり、前記可溶性有機物成分除去手段は、
    紫外線照射装置であることを特徴とする放射性洗濯廃液
    の処理装置。
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JP2017176974A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 三菱重工業株式会社 被処理液の処理装置及び被処理液の処理方法
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