JP2001317827A - 極低温冷凍機 - Google Patents

極低温冷凍機

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍効率を高める。 【解決手段】 蓄冷器３の高温端に接続された第１バッ
ファタンク７および第２バッファタンク８と、蓄冷器３
と第１バッファタンク７との間に接続された第２切り換
えバルブ９と、蓄冷器３と第２バッファタンク８との間
に接続された第３切り換えバルブ１０と、各切り換えバ
ルブを制御する制御部とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、超伝導動作を行
わせることができる低温などの極低温を生じさせること
ができる極低温冷凍機に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来から、ＳＱＵＩＤなどの超伝導素子
を超伝導動作させるための低温などの極低温を生じさせ
るために、ＧＭ（ギフォード・マクマフォン）冷凍機、
パルス管冷凍機などが採用されている。
【０００３】図７は従来のＧＭ冷凍機を示す概略図であ
る。
【０００４】このＧＭ冷凍機においては、冷媒ガスを圧
縮する圧縮機５１に対して、メインバルブ５２を介して
蓄冷器５３を接続し、蓄冷器５３の低温端に対して流路
抵抗部材５４を介してディスプレーサ５５を接続し、蓄
冷器５３の高温端とディスプレーサ５５の高温端とを接
続している。そして、ディスプレーサ５５を動作させる
ためのディスプレーサ駆動機構５６を有している。
【０００５】図８はメインバルブ５２の開度の時間変化
を示す図である。
【０００６】したがって、メインバルブ４２を切り換え
動作させることにより、圧縮機４１から高圧冷媒ガスを
蓄冷器４３に供給する状態と低圧冷媒ガスを圧縮機４１
に戻す状態とを選択することができ、ディスプレーサ駆
動機構５６によりディスプレーサ５５を動作させること
ができる。この結果、冷媒ガスの圧縮、膨脹を繰り返し
て冷熱を発生させることができる。
【０００７】図９は従来のパルス管冷凍機を示す概略図
である。
【０００８】このパルス管冷凍機においては、冷媒ガス
を圧縮する圧縮機７１に対して、メインバルブ７２を介
して蓄冷器７３を接続し、蓄冷器７３の低温端に対して
流路抵抗部材７４を介してパルス管７５を接続し、パル
ス管７５の高温端に対してサブバルブ（例えば、オリフ
ィスバルブ）７６を介してバッファタンク７７を接続し
ている。
【０００９】図１０中（Ａ）はメインバルブ７２の開度
の時間変化を示す図、図１０中（Ｂ）はサブバルブ７６
の開度の時間変化を示す図である。
【００１０】したがって、メインバルブ７２を切り換え
動作させることにより、圧縮機７１から高圧冷媒ガスを
蓄冷器７３に供給する状態と低圧冷媒ガスを圧縮機７１
に戻す状態とを選択することができる。そして、この状
態選択に起因して、蓄冷器７３および流路抵抗部材７４
を通してパルス管７５に圧力波が供給されるので、パル
ス管７５の高温端部にガスが出入りすることによりパル
ス管７５の内部においてガスピストン（図９中の破線参
照）が往復動し、冷媒ガスの圧縮、膨脹を繰り返して冷
熱を発生させることができる（ガスピストンの変位とガ
ス圧の変動とにより、パルス管の低温端部の冷媒ガスに
仕事をさせて冷熱を発生させることができる）。
【００１１】
【発明が解決しようとする課題】図７に示す構成のＧＭ
冷凍機を採用した場合には、高圧冷媒ガスの供給開始時
における蓄冷器５３の内部圧力が小さく、膨脹後の冷媒
ガスの還流開始時における蓄冷器５３の内部圧力が大き
いので、冷媒ガスの吸排気を行わせるメインバルブにお
ける圧力損失に起因する仕事損失が大きく、冷凍効率が
低いという不都合がある。
【００１２】図９に示す構成のパルス管冷凍機を採用し
た場合には、パルス管７５とバッファタンク７７とをサ
ブバルブ７６を介して接続しているので安定性を高める
ことができるが、サブバルブ７６により受動的に位相を
制御しているだけであるから位相差が不充分であるとと
もに、高圧冷媒ガスの供給開始時における蓄冷器７３の
内部圧力が小さく、膨脹後の冷媒ガスの還流開始時にお
ける蓄冷器７３の内部圧力が大きいので、冷媒ガスの吸
排気を行わせるメインバルブにおける圧力損失に起因す
る仕事損失が大きく、冷凍効率が低いという不都合があ
る。
【００１３】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、冷凍効率が高い極低温冷凍機を提供する
ことを目的としている。
【００１４】
【課題を解決するための手段】請求項１の極低温冷凍機
は、圧縮機からの高圧冷媒ガスとこの圧縮機に戻る低圧
冷媒ガスとを第１切り換えバルブにより切り換えて冷熱
を発生するものであって、前記蓄冷器の高温端と接続さ
れた第１バッファタンク、第２バッファタンクと、これ
らの第１バッファタンク、第２バッファタンクの接続部
にそれぞれ設けられ、かつ前記第１切り換えバルブの切
り換え動作に対応付けられて開度が変化される第２切り
換えバルブ、第３切り換えバルブとを含むものである。
【００１５】請求項２の極低温冷凍機は、前記冷却ステ
ージとしてディスプレーサを採用し、ディスプレーサを
駆動するディスプレーサ駆動機構をさらに含むものであ
る。
【００１６】請求項３の極低温冷凍機は、前記冷却ステ
ージとしてパルス管を採用し、パルス管の高温端と接続
された第３バッファタンクと、この第３バッファタンク
の接続部に設けられ、かつ流体抵抗を変化させることが
できる流路抵抗部材とをさらに含むものである。
【００１７】請求項４の極低温冷凍機は、前記流路抵抗
部材を、開路状態と閉路状態とを選択できるバルブを介
して第３バッファタンクと接続したものである。
【００１８】請求項５の極低温冷凍機は、圧縮機からの
高圧冷媒ガスとこの圧縮機に戻る低圧冷媒ガスとを第１
切り換えバルブにより切り換えて冷熱を発生するもので
あって、前記蓄冷器の高温端と接続された第１バッファ
タンク、第２バッファタンクと、これらの第１バッファ
タンク、第２バッファタンクの接続部にそれぞれ設けら
れ、かつ前記第１切り換えバルブの切り換え動作に対応
付けられて開度が変化される第２切り換えバルブ、第３
切り換えバルブと、前記パルス管の高温端に設けられた
ムービングプラグとを含むものである。
【００１９】請求項６のパルス管冷凍機は、前記ムービ
ングプラグと圧縮機との間に介在して開路状態と閉路状
態とを選択できるバルブをさらに含むものである。
【００２０】
【作用】請求項１の極低温冷凍機であれば、圧縮機から
の高圧冷媒ガスとこの圧縮機に戻る低圧冷媒ガスとを第
１切り換えバルブにより切り換えて冷熱を発生するに当
たって、第１切り換えバルブにより高圧冷媒ガスの供給
を開始させる前に第２切り換えバルブによって第１バッ
ファタンクと蓄冷器とを連通させて蓄冷器の内部圧力を
高め、逆に、第１切り換えバルブにより低圧冷媒ガスを
圧縮機に戻す動作を開始させる前に第３切り換えバルブ
によって第２バッファタンクと蓄冷器とを連通させて蓄
冷器の内部圧力を低下させるので、第１切り換えバルブ
により上記の何れかの動作を開始させる時点において第
１切り換えバルブの両端における圧力差を小さくするこ
とができ、第１切り換えバルブにおける圧力損失を小さ
くし、仕事損失を小さくすることができ、ひいては冷凍
効率を高めることができる。
【００２１】請求項２の極低温冷凍機であれば、前記冷
却ステージとしてディスプレーサを採用し、ディスプレ
ーサを駆動するディスプレーサ駆動機構をさらに含むの
であるから、ＧＭ冷凍機の冷凍効率を高めることができ
る。
【００２２】請求項３の極低温冷凍機であれば、前記冷
却ステージとしてパルス管を採用し、パルス管の高温端
と接続された第３バッファタンクと、この第３バッファ
タンクの接続部に設けられ、かつ流体抵抗を変化させる
ことができる流路抵抗部材とをさらに含むのであるか
ら、パルス管冷凍機の冷凍効率を高めることができる。
【００２３】請求項４の極低温冷凍機であれば、前記流
路抵抗部材を、開路状態と閉路状態とを選択できるバル
ブを介して第３バッファタンクと接続しているのである
から、バルブの制御を行うことによって請求項３と同様
の作用を達成することができる。
【００２４】請求項５のパルス管冷凍機であれば、圧縮
機からの高圧冷媒ガスとこの圧縮機に戻る低圧冷媒ガス
とを第１切り換えバルブにより切り換えて冷熱を発生す
るに当たって、第１切り換えバルブにより高圧冷媒ガス
の供給を開始させる前に第２切り換えバルブによって第
１バッファタンクと蓄冷器とを連通させて蓄冷器の内部
圧力を高め、逆に、第１切り換えバルブにより低圧冷媒
ガスを圧縮機に戻す動作を開始させる前に第３切り換え
バルブによって第２バッファタンクと蓄冷器とを連通さ
せて蓄冷器の内部圧力を低下させるので、第１切り換え
バルブにより上記の何れかの動作を開始させる時点にお
いて第１切り換えバルブの両端における圧力差を小さく
することができ、第１切り換えバルブにおける圧力損失
を小さくし、仕事損失を小さくすることができる。
【００２５】また、前記パルス管の高温端にムービング
プラグを設けているので、冷凍機の内部で発生する循環
流を防止し、安定性を高めることができる。
【００２６】これらの結果、冷凍効率を高めることがで
きるとともに、パルス管冷凍機の性能安定性を高めるこ
とができる。
【００２７】請求項６のパルス管冷凍機であれば、前記
ムービングプラグと圧縮機との間に介在して開路状態と
閉路状態とを選択できるバルブをさらに含むのであるか
ら、バルブによってムービングプラグを動作させること
により、請求項５と同様の作用を達成することができ
る。
【００２８】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明の極低温冷凍機の実施の態様を詳細に説明する。
【００２９】図１はこの発明の極低温冷凍機の一実施態
様としてのＧＭ冷凍機を示す概略図である。
【００３０】このＧＭ冷凍機は、冷媒ガスを圧縮する圧
縮機１と、圧縮機１からの高圧冷媒ガスの供給と圧縮機
１への低圧冷媒ガスの吸入とを切り換える第１切り換え
バルブ２と、第１切り換えバルブ２に対して高温端が接
続された蓄冷器３と、蓄冷器３の低温端に対して第１流
路抵抗部材４を介して低温端が接続されたディスプレー
サ５と、ディスプレーサ５を駆動するディスプレーサ駆
動機構６とを有している。そして、蓄冷器３の高温端と
ディスプレーサ５の高温端とを接続してディスプレーサ
駆動機構６による駆動力を小さくできるようにしてい
る。そして、蓄冷器３の高温端に接続された第１バッフ
ァタンク７および第２バッファタンク８と、蓄冷器３と
第１バッファタンク７との間に接続された第２切り換え
バルブ９と、蓄冷器３と第２バッファタンク８との間に
接続された第３切り換えバルブ１０と、各切り換えバル
ブを制御する制御部（図示せず）とを有している。
【００３１】図２は制御部による各切り換えバルブの制
御を説明する概略図である。
【００３２】図２中（Ａ）は第１切り換えバルブ２の動
作を説明する図であり、ガス吸入工程とガス吐出行程と
を示している。ここで、ガス吸入工程は、圧縮機１から
高圧冷媒ガスを吐出し、蓄冷器３に導入する工程であ
り、ガス吐出行程は、蓄冷器３から低圧冷媒ガスを圧縮
機１に戻す工程である。
【００３３】図２中（Ｂ）は第２切り換えバルブ９の動
作を説明する図であり、第１切り換えバルブ２のガス吸
入工程に先行して開路し、第１切り換えバルブ２のガス
吸入工程が終了するまで開路状態を継続する。
【００３４】図２中（Ｃ）は第３切り換えバルブ１０の
動作を説明する図であり、第１切り換えバルブ２のガス
吐出工程に先行して開路し、第１切り換えバルブ２のガ
ス吐出工程が終了するまで開路状態を継続する。
【００３５】上記の構成のＧＭ冷凍機の作用は次のとお
りである。
【００３６】このＧＭ冷凍機においては、従来のＧＭ冷
凍機と同様に、第１切り換えバルブ２を制御するととも
に、ディスプレーサ駆動機構６によりディスプレーサ５
を駆動することによって、冷媒ガスの圧縮、膨脹を反復
して冷熱を発生させ、蓄冷器３に蓄冷することができ
る。
【００３７】そして、上記の動作を行う間において、各
切り換えバルブの動作タイミングが図２に示すように設
定されているのであるから、ガス吸入工程を開始する前
に第２切り換えバルブ９を通して第１バッファタンク７
から高圧冷媒ガスが蓄冷器３に供給されて、蓄冷器３の
内部圧力と圧縮機１から吐出される高圧冷媒ガスの圧力
との差を小さくすることができ、ひいてはガス吸入工程
開始時における圧力差を小さくして圧力損出を小さく
し、仕事損失を小さくすることができる。なお、第２切
り換えバルブ９はガス吸入工程の終了時点まで開路して
いるのであるから、第１バッファタンク７の内部圧力は
高圧冷媒ガスにより再び上昇され、次の動作に備える。
逆に、ガス吐出行程を開始する前に第３切り換えバルブ
１０を通して膨脹後の冷媒ガスが第２バッファタンク８
に供給されて、蓄冷器３の内部圧力と圧縮機１の吸入側
の圧力との差を小さくすることができ、ひいてはガス吐
出行程開始時における圧力差を小さくし、仕事損失を小
さくすることができる。なお、第３切り換えバルブ１０
はガス吐出行程の終了時点まで開路しているのであるか
ら、第２バッファタンク８の内部圧力は圧縮機１の吸入
側の圧力により再び低下され、次の動作に備える。
【００３８】したがって、仕事損失を小さくできること
に伴って冷凍効率を高めることができる。
【００３９】図３はこの発明の極低温冷凍機の他の実施
態様としてのパルス管冷凍機を示す概略図である。
【００４０】このパルス管冷凍機は、冷媒ガスを圧縮す
る圧縮機１１と、圧縮機１からの高圧冷媒ガスの供給と
圧縮機１１への低圧冷媒ガスの吸入とを切り換える第１
切り換えバルブ１２と、第１切り換えバルブ１２に対し
て高温端が接続された蓄冷器１３と、蓄冷器１３の低温
端に対して第１流路抵抗部材１４を介して低温端が接続
されたパルス管１５と、パルス管１５の高温端に接続さ
れた第２流路抵抗部材（例えば、オリフィスバルブ）１
６と、第２流路抵抗部材１６を介してパルス管１５に接
続された第３バッファタンク１７と、第２流路抵抗部材
１６と第３バッファタンク１７との間に接続されてパル
ス管１５と第３バッファタンク１７との間の流路抵抗を
変化させる第４切り換えバルブ１８と、蓄冷器１３の高
温端に接続された第１バッファタンク１９および第２バ
ッファタンク２０と、蓄冷器３と第１バッファタンク１
９との間に接続された第２切り換えバルブ２１と、蓄冷
器１３と第２バッファタンク２０との間に接続された第
３切り換えバルブ２２と、各切り換えバルブを制御する
制御部（図示せず）とを有している。
【００４１】図４は制御部による各切り換えバルブの制
御を説明する概略図である。
【００４２】図４中（Ａ）は第１切り換えバルブ２２の
動作を説明する図であり、ガス吸入工程とガス吐出行程
とを示している。
【００４３】図４中（Ｂ）は第２切り換えバルブ２１の
動作を説明する図であり、第１切り換えバルブ１２のガ
ス吸入工程に先行して開路し、第１切り換えバルブ１２
のガス吸入工程が終了するまで開路状態を継続する。
【００４４】図４中（Ｃ）は第３切り換えバルブ２２の
動作を説明する図であり、第１切り換えバルブ１２のガ
ス吐出工程に先行して開路し、第１切り換えバルブ１２
のガス吐出工程が終了するまで開路状態を継続する。
【００４５】図４中（Ｄ）は第４切り換えバルブ１８の
動作を説明する図であり、第１切り換えバルブ１２のガ
ス吸入工程が終了とほぼ同時に開路し、所定時間だけ開
路状態を継続する。
【００４６】上記の構成のパルス管冷凍機の作用は次の
とおりである。
【００４７】このパルス管冷凍機においては、従来のパ
ルス管冷凍機と同様に、第１切り換えバルブ２を制御し
て、蓄冷器１３を通してパルス管１５に圧力波を供給す
ることによって、パルス管１５の内部のガスピストン
（図３中の破線参照）により冷媒ガスの圧縮、膨脹を反
復して冷熱を発生させ、蓄冷器３に蓄冷することができ
る。
【００４８】そして、上記の動作を行う間において、各
切り換えバルブの動作タイミングが図２に示すように設
定されているのであるから、ガス吸入工程を開始する前
に第２切り換えバルブ２１を通して第２バッファタンク
１９から高圧冷媒ガスが蓄冷器１３に供給されて、蓄冷
器１３の内部圧力と圧縮機１１から吐出される高圧冷媒
ガスの圧力との差を小さくすることができ、ひいてはガ
ス吸入工程開始時における圧力差を小さくして圧力損出
を小さくし、仕事損失を小さくすることができる。な
お、第２切り換えバルブ２１はガス吸入工程の終了時点
まで開路しているのであるから、第２バッファタンク１
９の内部圧力は高圧冷媒ガスにより再び上昇され、次の
動作に備える。逆に、ガス吐出行程を開始する前に第３
切り換えバルブ２２を通して膨脹後の冷媒ガスが第３バ
ッファタンク２０に供給されて、蓄冷器１３の内部圧力
と圧縮機１１の吸入側の圧力との差を小さくすることが
でき、ひいてはガス吐出行程開始時における圧力差を小
さくし、仕事損失を小さくすることができる。なお、第
３切り換えバルブ２２はガス吐出行程の終了時点まで開
路しているのであるから、第３バッファタンク２０の内
部圧力は圧縮機１１の吸入側の圧力により再び低下さ
れ、次の動作に備える。
【００４９】したがって、仕事損失を小さくできること
に伴って冷凍効率を高めることができる。
【００５０】図５はこの発明の極低温冷凍機のさらに他
の実施態様としてのパルス管冷凍機を示す概略図であ
る。
【００５１】このパルス管冷凍機が図３のパルス管冷凍
機と異なる点は、第２流路抵抗部材１６、第１バッファ
タンク１７および第４切り換えバルブ１８に代えて、パ
ルス管１５の高温端に設けられたムービングプラグ２３
と、このムービングプラグ２３の上部空間を圧縮機１１
の吐出側、吸入側の一方に接続し、または何れとも接続
されないように制御する第５切り換えバルブ２４とを設
けた点のみである。
【００５２】前記ムービングプラグ２３は、パルス管１
５の高温端部に内装されたピストンであり、第５切り換
えバルブ２４によって圧縮機１１に対する接続状態を制
御することによってパルス管１５内のガスピストン（図
５中の破線参照）の変位をアクティブに、かつ確実に制
御することができる。
【００５３】図６は制御部による各切り換えバルブの制
御を説明する概略図である。
【００５４】図６中（Ａ）は第１切り換えバルブ１２の
動作を説明する図であり、ガス吸入工程とガス吐出行程
とを示している。
【００５５】図６中（Ｂ）は第２切り換えバルブ２１の
動作を説明する図であり、第１切り換えバルブ１２のガ
ス吸入工程に先行して開路し、第１切り換えバルブ１２
のガス吸入工程が終了するまで開路状態を継続する。
【００５６】図６中（Ｃ）は第３切り換えバルブ２２の
動作を説明する図であり、第１切り換えバルブ１２のガ
ス吐出工程に先行して開路し、第１切り換えバルブ１２
のガス吐出工程が終了するまで開路状態を継続する。
【００５７】図６中（Ｄ）は第５切り換えバルブ２４の
動作を説明する図であり、第１切り換えバルブ１２のガ
ス吸入工程の途中から第１切り換えバルブ１２のガス吐
出行程の途中までの間にムービングプラグ２３の上部空
間と圧縮機１１の吐出側とを連通し、次いで、第１切り
換えバルブ１２のガス吐出工程の途中から第１切り換え
バルブ１２の吸入工程の途中までの間にムービングプラ
グ２３の上部空間と圧縮機１１の吸入側とを連通すべく
切り換え動作される。
【００５８】したがって、パルス管１５の高温端部でム
ービングプラグ２３が隔壁の働きをして、パルス管冷凍
機の性能不安定性の原因の１つと考えられている、パル
ス管冷凍機の内部で発生する循環流を防止することがで
きる。
【００５９】その他、図３のパルス管冷凍機と同様の作
用を達成することができる。
【００６０】なお、ムービングプラグ２３を圧縮機１１
以外の圧力源と接続した場合にも同様の作用を達成する
ことができる。
【００６１】
【発明の効果】請求項１の発明は、第１切り換えバルブ
により何れかの動作を開始させる時点において第１切り
換えバルブの両端における圧力差を小さくすることがで
き、第１切り換えバルブにおける圧力損失を小さくし、
仕事損失を小さくすることができ、ひいては冷凍効率を
高めることができるという特有の効果を奏する。
【００６２】請求項２の発明は、請求項１の効果に加
え、ＧＭ冷凍機の冷凍効率を高めることができるという
特有の効果を奏する。
【００６３】請求項３の発明は、請求項１の効果に加
え、パルス管冷凍機の冷凍効率を高めることができる。
【００６４】請求項４の発明は、バルブの制御を行うこ
とによって請求項３と同様の効果を奏する。
【００６５】請求項５の発明は、第１切り換えバルブに
より何れかの動作を開始させる時点において第１切り換
えバルブの両端における圧力差を小さくすることがで
き、第１切り換えバルブにおける圧力損失を小さくし、
仕事損失を小さくすることができ、しかも冷凍機の内部
で発生する循環流を防止し、安定性を高めることができ
る、ひいては冷凍効率を高めることができるとともに、
パルス管冷凍機の性能安定性を高めることができるとい
う特有の効果を奏する。
【００６６】請求項６の発明は、バルブによってムービ
ングプラグを動作させることにより、請求項５と同様の
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の極低温冷凍機の一実施態様としての
ＧＭ冷凍機を示す概略図である。
【図２】制御部による各切り換えバルブの制御を説明す
る概略図である。
【図３】この発明の極低温冷凍機の他の実施態様として
のパルス管冷凍機を示す概略図である。
【図４】制御部による各切り換えバルブの制御を説明す
る概略図である。
【図５】この発明の極低温冷凍機のさらに他の実施態様
としてのパルス管冷凍機を示す概略図である。
【図６】制御部による各切り換えバルブの制御を説明す
る概略図である。
【図７】従来のＧＭ冷凍機を示す概略図である。
【図８】メインバルブの制御を説明する概略図である。
【図９】従来のパルス管冷凍機を示す概略図である。
【図１０】メインバルブおよびサブバルブの制御を説明
する概略図である。
【符号の説明】
１、１１ 圧縮機 ２、１２ 第１切り換えバルブ ３、１３ 蓄冷器 ５ ディスプレーサ ６ ディスプレーサ駆動機構 ７、１９ 第１バッフ
ァタンク ８、２０ 第２バッファタンク ９、２１ 第２切り
換えバルブ １０、２２ 第３切り換えバルブ １５ パルス管 １６ 第２流路抵抗部材 １７ 第３バッファタンク １８ 第４切り換えバルブ ２３ ムービングプラグ ２４ 第５切り換えバルブ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 圧縮機（１）（１１）からの高圧冷媒ガ
    スとこの圧縮機（１）（１１）に戻る低圧冷媒ガスとを
    第１切り換えバルブ（２）（１２）により切り換えて冷
    熱を発生する極低温冷凍機において、 前記蓄冷器（３）（１３）の高温端と接続された第１バ
    ッファタンク（７）（１９）、第２バッファタンク
    （８）（２０）と、 これらの第１バッファタンク（７）（１９）、第２バッ
    ファタンク（８）（２０）の接続部にそれぞれ設けら
    れ、かつ前記第１切り換えバルブ（２）（１２）の切り
    換え動作に対応付けられて開度が変化される第２切り換
    えバルブ（９）（２１）、第３切り換えバルブ（１０）
    （２２）とを含むことを特徴とする極低温冷凍機。
  2. 【請求項２】 前記冷却ステージ（５）はディスプレー
    サ（５）であり、ディスプレーサ（５）を駆動するディ
    スプレーサ駆動機構（６）をさらに含む請求項１に記載
    の極低温冷凍機。
  3. 【請求項３】 前記冷却ステージ（１５）はパルス管
    （１５）であり、パルス管（１５）の高温端と接続され
    た第３バッファタンク（１７）と、この第３バッファタ
    ンク（１７）の接続部に設けられ、かつ流体抵抗を変化
    させることができる流路抵抗部材（１６）（１８）とを
    さらに含む請求項１に記載の極低温冷凍機。
  4. 【請求項４】 前記流路抵抗部材（１６）は、開路状態
    と閉路状態とを選択できるバルブ（１８）を介して第３
    バッファタンク（１７）と接続されている請求項３に記
    載の極低温冷凍機。
  5. 【請求項５】 圧縮機（１１）からの高圧冷媒ガスとこ
    の圧縮機（１１）に戻る低圧冷媒ガスとを第１切り換え
    バルブ（１２）により切り換えて冷熱を発生する極低温
    冷凍機において、 前記蓄冷器（１３）の高温端と接続された第１バッファ
    タンク（１９）、第２バッファタンク（２０）と、 これらの第１バッファタンク（１９）、第２バッファタ
    ンク（２０）の接続部にそれぞれ設けられ、かつ前記第
    １切り換えバルブ（１２）の切り換え動作に対応付けら
    れて開度が変化される第２切り換えバルブ（２１）、第
    ３切り換えバルブ（２２）と、 前記パルス管（１５）の高温端に設けられたムービング
    プラグ（２３）とを含むことを特徴とする極低温冷凍
    機。
  6. 【請求項６】 前記ムービングプラグ（２３）と圧縮機
    （１１）との間に介在して開路状態と閉路状態とを選択
    できるバルブ（２４）をさらに含む請求項５に記載の極
    低温冷凍機。
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