JP2004301445A - パルス管冷凍機 - Google Patents
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- F25B2309/1424—Pulse tubes with basic schematic including an orifice and a reservoir
- F25B2309/14241—Pulse tubes with basic schematic including an orifice reservoir multiple inlet pulse tube
Abstract
【課題】インピーダンス要素の個性差や外部要因による変化に拘わらず、最適な圧力−流量関係を得て、製造時のチューニング作業を省略あるいは簡略化すると共に、外部要因による冷凍機性能の変化を少なくする。
【解決手段】位相調節手段のインピーダンス要素として、可変オリフィス30、32を用いて、圧力センサ34、36、38によって検出されるガスの圧力に応じて、その開度をダイナミックに制御する。
【選択図】 図2
【解決手段】位相調節手段のインピーダンス要素として、可変オリフィス30、32を用いて、圧力センサ34、36、38によって検出されるガスの圧力に応じて、その開度をダイナミックに制御する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力振動発生器、蓄冷器、低温端熱交換器、パルス管、高温端熱交換器、及び、パルス管内ガス圧力波とパルス管低温端ガス流動速度波の位相差を調節するための位相調節手段を備えたパルス管冷凍機に係り、特に、製造時のチューニング作業を省略あるいは簡単化すると共に、使用過程における性能変化を少なくすることが可能なパルス管冷凍機、及び、これを用いた低温装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘリウムガス等の動作ガスの圧力変化と体積変化との位相差を利用して、極低温を発生するパルス管冷凍機が、例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
このパルス管冷凍機は、例えば、図1にバッファタンク式を例示する如く、例えば圧縮機10A、低圧切換弁10B、高圧切換弁10Cを有する圧力振動発生器10、銅、ステンレス製金網等の蓄冷材13が充填された蓄冷器12、整流器を含むパルス管低温端16Lの熱交換器(低温端熱交換器と称する)14、パルス管16、整流器を含むパルス管高温端16Hの熱交換器(高温端熱交換器と称する)18、及び、位相調節手段としての第1、第2インピーダンス要素(例えば固定オリフィス)20、22、バッファタンク24で構成されている。
【0004】
前記圧力振動発生器10は、圧力振動を起こし、蓄冷器12を通してパルス管16中のガスを圧縮したり、膨張させたりする。
【0005】
前記位相調節手段(20、22、24)は、パルス管内ガス圧力波とパルス管低温端ガス流動速度波の位相差を調節する。
【0006】
このパルス管冷凍機において、圧縮機10Aで圧縮された高圧のヘリウムガスは、高圧切換弁10Cが開、低圧切換弁10Bが閉の状態になると、蓄冷器12に流入し、蓄冷材13で冷却されて温度を下げながら、蓄冷器12の低温端12Lから低温端熱交換器14で更に冷却されて、パルス管16の低温端16Lへ流入する。
【0007】
パルス管16内に既に存在していた低圧ガスは、新たに流入された作動ガスにより圧縮されるため、パルス管16内の圧力がバッファタンク24内の圧力よりも高くなり、作動ガスはオリフィス20を通ってバッファタンク24へ流入する。
【0008】
次に、高圧切換弁10Cが閉となり、低圧切換弁10Bが開に切り換わると、パルス管16内の作動ガスは、蓄冷器12の低温端12Lから蓄冷器12内を通過し、高温端12Hから低圧切換弁10Bを通って圧縮機10Aへ回収される。
【0009】
パルス管16とバッファタンク24とはオリフィス20を介して連通されているため、圧力変動の位相と作動ガスの体積変化の位相とが一定の位相差をもって変化する。この位相差によって、パルス管16の低温端16Lにおいて作動ガスの膨張に伴う寒冷が発生し、上記過程が反復されることにより、冷凍機として作用している。
【0010】
このようなパルス管冷凍機の位相調節手段は、一定体積のバッファタンク24と、1個以上のインピーダンス要素20、22が必須である。
【0011】
図1は、従来のパルス管冷凍機の一つであるダブルインレットタイプのバッファタンク式パルス管冷凍機の一例を示したもので、位相調節手段として、バッファタンク24が、第1インピーダンス要素であるオリフィス20を介して高温端熱交換器18に接続され、該高温端熱交換器18と圧力振動発生器10の出口10Dの間に第2インピーダンス要素であるオリフィス22が接続されている。従って、パルス管16中のガス圧力と流量は、第1インピーダンス要素(20)と第2インピーダンス要素(22)により決められる。
【0012】
【特許文献1】
特開平7−310961号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来は、インピーダンス要素として、固定オリフィス20、22や、開度が固定された流量調節弁や、固定寸法の細長いチューブ等を使っており、インピーダンス要素を流れるガスの流量とインピーダンス要素両側ガスの圧力との関係は固定されている。従って、高い性能を得るための最適なガス流量とガス圧力との関係を得るのが困難である。又、インピーダンス要素の個性差によって冷凍機の性能差は大きいが、性能を出すためにインピーダンス要素をチューニングするのが困難である等の問題点を有していた。
【0014】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、製造時のチューニング作業を省略あるいは簡単化すると共に、使用過程における性能変化を少なくすることを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、圧力振動発生器、蓄冷器、低温端熱交換器、パルス管、高温端熱交換器、及び、パルス管内ガス圧力波とパルス管低温端ガス流動速度波の位相差を調節するための位相調節手段を備えたパルス管冷凍機において、前記位相調節手段のインピーダンス要素の少なくとも一つをダイナミックに制御可能とすることにより、前記課題を解決したものである。
【0016】
又、前記インピーダンス要素に流れるガスの流量を、ガスの圧力に応じてダイナミックに制御するようにして、最適な圧力−流量関係を得ることができるようにしたものである。
【0017】
又、前記インピーダンス要素を可変オリフィスとしたものである。
【0018】
本発明は、又、前記のパルス管冷凍機を備えたことを特徴とする低温装置を提供するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0020】
本実施形態は、図1に示した従来例と同様のパルス管冷凍機において、図2に示す如く、固定オリフィス20、22を可変オリフィス30、32に変えると共に、該可変オリフィス30、32の開度を、該可変オリフィス30、32の前後に配置した圧力センサ34、36、38の出力に応じてダイナミックに制御するようにしたものである。
【0021】
他の点については、図1に示した従来例と同じであるので、説明は省略する。
【0022】
本実施形態において、圧力振動発生器10で発生した周期的な圧力波は、蓄冷器12を経由して、パルス管16に入る。パルス管16中のガスは、第1インピーダンス要素である可変オリフィス30を経由してバッファタンク24に入ったり出たりし、第2インピーダンス要素である可変オリフィス32を経由して圧力振動発生器10の出口10Dと連通する。
【0023】
制御系は、パルス管16の高温端16Hの出側の近傍と、バッファタンク24の入口と、圧力振動発生器10の出口10Dに設置している圧力センサ38、36、34、図示しない制御回路、及び、可変オリフィス30、32で構成される。
【0024】
各部に設定している圧力センサ34、36、38は、各部ガスの圧力を、電子信号あるいは機械信号に変更する。制御回路は、圧力センサ34、36、38から入力された電子信号あるいは機械信号を基準として、図3に示す如く、最適なインピーダンス要素の開度を計算し、可変オリフィス30、32に出力する。
【0025】
即ち、パルス管冷凍機には、蓄冷機12、低温端熱交換器14、パルス管16、高温端熱交換器18、オリフィス32に通路として循環する直流成分が存在しているが、高圧時と低圧時のオリフィス32開度差によって、この循環する直流成分を調節することができる。開度差xは、圧力センサ38と圧力センサ34の値の処理結果によって制御する。
【0026】
この際、制御回路によって、可変オリフィス30、32の開度は、図4に例示する如く、周期的に大きくしたり、小さくしたり、ダイナミックに制御される。
【0027】
その制御によって、パルス管内ガスの圧力P−体積V曲線の面積は、図5に実線Aで示す如く、破線Bで示す従来例に比べて大きくなるので、パルス管冷凍機の性能が向上する。
【0028】
このような制御系は、冷凍機中各部の圧力を正確に制御できるので、製造するときのチューニング作業を省略したり、あるいは簡単にすることができ、製造工数とコストを減らすことができる。又、環境温度、圧縮機10Aの入力電源、切換弁10B、10Cの開閉位相等の変動によって、パルス管冷凍機の圧力は変動するが、制御回路により可変オリフィス30、32の開度を調節することによって、冷凍機中のガス圧力が自動的に調節される。従って、冷凍機性能の変化が少なくなる。
【0029】
本実施形態においては、制御可能なインピーダンス要素として、可変オリフィスを用いていたが、制御可能なインピーダンス要素の種類はこれに限定されず、例えば流量調節弁であってもよい。
【0030】
又、本実施形態においては、圧力センサ34、36、38と可変オリフィス30、32が別体とされていたが、インピーダンス要素と圧力センサを一体として、コンパクトな制御系を構成することも可能である。圧力センサの数も3個に限定されず、1、2個又は4個以上であっても良い。
【0031】
又、本実施形態においては、圧縮機10Aと切換弁10B、10Cを用いた圧力振動発生器10が用いられていたが、圧力振動発生器の構成はこれに限定されず、例えば、機械式ピストンを外力により駆動する圧力振動発生器を用いた往復ピストン式パルス管冷凍機や、熱音響式の圧力振動発生器を用いたパルス管冷凍機等にも適用できる。
【0032】
又、前記実施形態においては、本発明が1段式のパルス管冷凍機に適用されていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、パルス管を2段備えた2段式あるいは3段以上備えた多段式パルス管冷凍機に適用できる。更に、該パルス管冷凍機を使った、各種超伝導磁石装置、各種センサ冷却システム、液化装置、液化ガス再凝縮装置、クライオポンプ、MRI診断機器、理化学機器等に適用可能である。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、インピーダンス要素の個性差や経時変化に拘わらず、常に最適な圧力−流量関係を得ることができる。従って、製造時のチューニング作業を省略したり、簡略化して、製造工数やコストを減らすことができる。又、外部要因に拘わらず、冷凍機中のガス圧力を自動的に調節することができ、冷凍機性能の変化が少なくなる。従って、冷凍効率が高く、性能調節が簡単なパルス管冷凍機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のオリフィス型パルス管冷凍機の一例の構成を示す断面図
【図2】1段パルス管冷凍機に適用した本発明の実施形態の構成を示す断面図
【図3】前記実施形態における圧力とオリフィス開度の関係の例を示す線図
【図4】同じくオリフィス開度の変化状態の例を示すタイムチャート
【図5】本発明の効果を示すためのPV曲線を従来例と比較して示す線図
【符号の説明】
10…圧力振動発生器
12…蓄冷器
14…低温端熱交換器
16…パルス管
18…高温端熱交換器
30、32…可変オリフィス
34、36、38…圧力センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力振動発生器、蓄冷器、低温端熱交換器、パルス管、高温端熱交換器、及び、パルス管内ガス圧力波とパルス管低温端ガス流動速度波の位相差を調節するための位相調節手段を備えたパルス管冷凍機に係り、特に、製造時のチューニング作業を省略あるいは簡単化すると共に、使用過程における性能変化を少なくすることが可能なパルス管冷凍機、及び、これを用いた低温装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘリウムガス等の動作ガスの圧力変化と体積変化との位相差を利用して、極低温を発生するパルス管冷凍機が、例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
このパルス管冷凍機は、例えば、図1にバッファタンク式を例示する如く、例えば圧縮機10A、低圧切換弁10B、高圧切換弁10Cを有する圧力振動発生器10、銅、ステンレス製金網等の蓄冷材13が充填された蓄冷器12、整流器を含むパルス管低温端16Lの熱交換器(低温端熱交換器と称する)14、パルス管16、整流器を含むパルス管高温端16Hの熱交換器(高温端熱交換器と称する)18、及び、位相調節手段としての第1、第2インピーダンス要素(例えば固定オリフィス)20、22、バッファタンク24で構成されている。
【0004】
前記圧力振動発生器10は、圧力振動を起こし、蓄冷器12を通してパルス管16中のガスを圧縮したり、膨張させたりする。
【0005】
前記位相調節手段(20、22、24)は、パルス管内ガス圧力波とパルス管低温端ガス流動速度波の位相差を調節する。
【0006】
このパルス管冷凍機において、圧縮機10Aで圧縮された高圧のヘリウムガスは、高圧切換弁10Cが開、低圧切換弁10Bが閉の状態になると、蓄冷器12に流入し、蓄冷材13で冷却されて温度を下げながら、蓄冷器12の低温端12Lから低温端熱交換器14で更に冷却されて、パルス管16の低温端16Lへ流入する。
【0007】
パルス管16内に既に存在していた低圧ガスは、新たに流入された作動ガスにより圧縮されるため、パルス管16内の圧力がバッファタンク24内の圧力よりも高くなり、作動ガスはオリフィス20を通ってバッファタンク24へ流入する。
【0008】
次に、高圧切換弁10Cが閉となり、低圧切換弁10Bが開に切り換わると、パルス管16内の作動ガスは、蓄冷器12の低温端12Lから蓄冷器12内を通過し、高温端12Hから低圧切換弁10Bを通って圧縮機10Aへ回収される。
【0009】
パルス管16とバッファタンク24とはオリフィス20を介して連通されているため、圧力変動の位相と作動ガスの体積変化の位相とが一定の位相差をもって変化する。この位相差によって、パルス管16の低温端16Lにおいて作動ガスの膨張に伴う寒冷が発生し、上記過程が反復されることにより、冷凍機として作用している。
【0010】
このようなパルス管冷凍機の位相調節手段は、一定体積のバッファタンク24と、1個以上のインピーダンス要素20、22が必須である。
【0011】
図1は、従来のパルス管冷凍機の一つであるダブルインレットタイプのバッファタンク式パルス管冷凍機の一例を示したもので、位相調節手段として、バッファタンク24が、第1インピーダンス要素であるオリフィス20を介して高温端熱交換器18に接続され、該高温端熱交換器18と圧力振動発生器10の出口10Dの間に第2インピーダンス要素であるオリフィス22が接続されている。従って、パルス管16中のガス圧力と流量は、第1インピーダンス要素(20)と第2インピーダンス要素(22)により決められる。
【0012】
【特許文献1】
特開平7−310961号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来は、インピーダンス要素として、固定オリフィス20、22や、開度が固定された流量調節弁や、固定寸法の細長いチューブ等を使っており、インピーダンス要素を流れるガスの流量とインピーダンス要素両側ガスの圧力との関係は固定されている。従って、高い性能を得るための最適なガス流量とガス圧力との関係を得るのが困難である。又、インピーダンス要素の個性差によって冷凍機の性能差は大きいが、性能を出すためにインピーダンス要素をチューニングするのが困難である等の問題点を有していた。
【0014】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、製造時のチューニング作業を省略あるいは簡単化すると共に、使用過程における性能変化を少なくすることを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、圧力振動発生器、蓄冷器、低温端熱交換器、パルス管、高温端熱交換器、及び、パルス管内ガス圧力波とパルス管低温端ガス流動速度波の位相差を調節するための位相調節手段を備えたパルス管冷凍機において、前記位相調節手段のインピーダンス要素の少なくとも一つをダイナミックに制御可能とすることにより、前記課題を解決したものである。
【0016】
又、前記インピーダンス要素に流れるガスの流量を、ガスの圧力に応じてダイナミックに制御するようにして、最適な圧力−流量関係を得ることができるようにしたものである。
【0017】
又、前記インピーダンス要素を可変オリフィスとしたものである。
【0018】
本発明は、又、前記のパルス管冷凍機を備えたことを特徴とする低温装置を提供するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0020】
本実施形態は、図1に示した従来例と同様のパルス管冷凍機において、図2に示す如く、固定オリフィス20、22を可変オリフィス30、32に変えると共に、該可変オリフィス30、32の開度を、該可変オリフィス30、32の前後に配置した圧力センサ34、36、38の出力に応じてダイナミックに制御するようにしたものである。
【0021】
他の点については、図1に示した従来例と同じであるので、説明は省略する。
【0022】
本実施形態において、圧力振動発生器10で発生した周期的な圧力波は、蓄冷器12を経由して、パルス管16に入る。パルス管16中のガスは、第1インピーダンス要素である可変オリフィス30を経由してバッファタンク24に入ったり出たりし、第2インピーダンス要素である可変オリフィス32を経由して圧力振動発生器10の出口10Dと連通する。
【0023】
制御系は、パルス管16の高温端16Hの出側の近傍と、バッファタンク24の入口と、圧力振動発生器10の出口10Dに設置している圧力センサ38、36、34、図示しない制御回路、及び、可変オリフィス30、32で構成される。
【0024】
各部に設定している圧力センサ34、36、38は、各部ガスの圧力を、電子信号あるいは機械信号に変更する。制御回路は、圧力センサ34、36、38から入力された電子信号あるいは機械信号を基準として、図3に示す如く、最適なインピーダンス要素の開度を計算し、可変オリフィス30、32に出力する。
【0025】
即ち、パルス管冷凍機には、蓄冷機12、低温端熱交換器14、パルス管16、高温端熱交換器18、オリフィス32に通路として循環する直流成分が存在しているが、高圧時と低圧時のオリフィス32開度差によって、この循環する直流成分を調節することができる。開度差xは、圧力センサ38と圧力センサ34の値の処理結果によって制御する。
【0026】
この際、制御回路によって、可変オリフィス30、32の開度は、図4に例示する如く、周期的に大きくしたり、小さくしたり、ダイナミックに制御される。
【0027】
その制御によって、パルス管内ガスの圧力P−体積V曲線の面積は、図5に実線Aで示す如く、破線Bで示す従来例に比べて大きくなるので、パルス管冷凍機の性能が向上する。
【0028】
このような制御系は、冷凍機中各部の圧力を正確に制御できるので、製造するときのチューニング作業を省略したり、あるいは簡単にすることができ、製造工数とコストを減らすことができる。又、環境温度、圧縮機10Aの入力電源、切換弁10B、10Cの開閉位相等の変動によって、パルス管冷凍機の圧力は変動するが、制御回路により可変オリフィス30、32の開度を調節することによって、冷凍機中のガス圧力が自動的に調節される。従って、冷凍機性能の変化が少なくなる。
【0029】
本実施形態においては、制御可能なインピーダンス要素として、可変オリフィスを用いていたが、制御可能なインピーダンス要素の種類はこれに限定されず、例えば流量調節弁であってもよい。
【0030】
又、本実施形態においては、圧力センサ34、36、38と可変オリフィス30、32が別体とされていたが、インピーダンス要素と圧力センサを一体として、コンパクトな制御系を構成することも可能である。圧力センサの数も3個に限定されず、1、2個又は4個以上であっても良い。
【0031】
又、本実施形態においては、圧縮機10Aと切換弁10B、10Cを用いた圧力振動発生器10が用いられていたが、圧力振動発生器の構成はこれに限定されず、例えば、機械式ピストンを外力により駆動する圧力振動発生器を用いた往復ピストン式パルス管冷凍機や、熱音響式の圧力振動発生器を用いたパルス管冷凍機等にも適用できる。
【0032】
又、前記実施形態においては、本発明が1段式のパルス管冷凍機に適用されていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、パルス管を2段備えた2段式あるいは3段以上備えた多段式パルス管冷凍機に適用できる。更に、該パルス管冷凍機を使った、各種超伝導磁石装置、各種センサ冷却システム、液化装置、液化ガス再凝縮装置、クライオポンプ、MRI診断機器、理化学機器等に適用可能である。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、インピーダンス要素の個性差や経時変化に拘わらず、常に最適な圧力−流量関係を得ることができる。従って、製造時のチューニング作業を省略したり、簡略化して、製造工数やコストを減らすことができる。又、外部要因に拘わらず、冷凍機中のガス圧力を自動的に調節することができ、冷凍機性能の変化が少なくなる。従って、冷凍効率が高く、性能調節が簡単なパルス管冷凍機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のオリフィス型パルス管冷凍機の一例の構成を示す断面図
【図2】1段パルス管冷凍機に適用した本発明の実施形態の構成を示す断面図
【図3】前記実施形態における圧力とオリフィス開度の関係の例を示す線図
【図4】同じくオリフィス開度の変化状態の例を示すタイムチャート
【図5】本発明の効果を示すためのPV曲線を従来例と比較して示す線図
【符号の説明】
10…圧力振動発生器
12…蓄冷器
14…低温端熱交換器
16…パルス管
18…高温端熱交換器
30、32…可変オリフィス
34、36、38…圧力センサ
Claims (4)
- 圧力振動発生器、蓄冷器、低温端熱交換器、パルス管、高温端熱交換器、及び、パルス管内ガス圧力波とパルス管低温端ガス流動速度波の位相差を調節するための位相調節手段を備えたパルス管冷凍機において、
前記位相調節手段のインピーダンス要素の少なくとも一つをダイナミックに制御可能としたことを特徴とするパルス管冷凍機。 - 前記インピーダンス要素に流れるガスの流量を、ガスの圧力に応じてダイナミックに制御することを特徴とする請求項1に記載のパルス管冷凍機。
- 前記インピーダンス要素が可変オリフィスであることを特徴とする請求項1又は2に記載のパルス管冷凍機。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のパルス管冷凍機を備えたことを特徴とする低温装置。
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