JP2001316802A - 薄膜成形方法 - Google Patents

薄膜成形方法

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JP2001316802A
JP2001316802A JP2000134567A JP2000134567A JP2001316802A JP 2001316802 A JP2001316802 A JP 2001316802A JP 2000134567 A JP2000134567 A JP 2000134567A JP 2000134567 A JP2000134567 A JP 2000134567A JP 2001316802 A JP2001316802 A JP 2001316802A
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laser
thin film
forming
center
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JP2000134567A
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Yukihiko Wada
幸彦 和田
Tetsuya Takami
哲也 高見
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円形ターゲットを、その中心からの距離
(r)によらず、均一に消費することにより、プルーム
の方向を安定させて、均質の薄膜を基板上に形成する薄
膜形成方法を提供する。 【解決手段】 円形ターゲットを一定の角速度(ω)で
回転させるステップと、円形ターゲットの中心から周縁
部まで所定の走査速度でレーザスポットが移動するよう
に、レーザ光をターゲットに照射するステップと、レー
ザ光により活性化されたターゲット材料から生成された
プルームを、ターゲットに対向する基板上に付着させる
ステップとを有し、レーザスポットが円形ターゲットの
中心から半径方向の距離(r)に位置するとき、走査速
度(V(r))が次式を満足するように制御することに
より、均質の薄膜を基板上に形成することができる。 【数17】V(r)={V0 2−(rω)21/2
(V0は定数)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転するターゲッ
トにレーザ光を照射して、ターゲットに対向する基板上
にターゲット材料(プルーム)を付着させる、レーザア
ブレーション法を用いた薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6ないし図10を参照しながら、いく
つかの従来式のレーザアブレーション成膜装置およびこ
れらによる薄膜形成方法について説明する。図6(a)
は、最も基本的な従来式のレーザアブレーション成膜装
置51の構成を示す概略図である。図6(a)に示すよ
うに、従来式のレーザアブレーション成膜装置51は、
概略、レーザ発振器62、集光レンズ64、固定式ミラ
ー66、ターゲット68、およびターゲット68に対向
する基板70を備えている。ターゲット68および基板
70は図示しない真空槽内に配置されている。レーザ発
振器62から出力されたレーザ光は、集光レンズ64に
より集光され、固定式ミラー66により反射され、ター
ゲット68上に照射する。このとき、レーザ光が照射さ
れたターゲット68上の微小領域(以下、「レーザスポ
ット55」という。)において、ターゲット68を構成
する物質が高エネルギを有するレーザ光により活性化さ
れ、プラズマ状のプルーム72が発生する。こうして、
このプルーム72に含まれる物質が、ターゲット69に
対向する基板70上に堆積して、薄膜が形成される。
【0003】しかし、このような従来式のレーザアブレ
ーション成膜装置51を用いて、長時間連続して薄膜成
形すると、ターゲット68上のレーザスポット55が固
定されているので、ターゲット70の一部拡大図の図6
(b)で示すように、レーザスポット55におけるター
ゲット68の一部の表面がえぐれるように浸食される。
プルーム72は、ターゲット68の表面の法線方向に飛
散する性質があるので、ターゲット68の表面形状の変
化に伴って、その飛散方向が変化する。その結果、レー
ザアブレーション成膜装置51を使用する前のプルーム
72aの飛散方向が、ターゲット68の一部が浸食され
たことにより、プルーム72bで示すように変化する。
このように、プルーム72bの飛散方向が変化すると、
安定した特性と膜厚を有するような薄膜を基板70上に
成膜することが困難になる。つまり、このレーザアブレ
ーション成膜装置51の問題点は、長時間使用する場合
に、成膜された薄膜の特性と厚みが不安定になる点、お
よび、たとえ短時間使用する場合であっても、ターゲッ
ト68を使用するごとに真空槽から取り出して表面研磨
する必要があって、作業効率が極めて悪い点にあった。
【0004】この問題点を解消するために、図7に示す
ように、ほぼ円形のターゲット69を回転させる回転機
構74や、レーザ光の反射角度を変える可動ミラー67
を設けて、ターゲット69上のレーザスポット55の位
置を移動させる方法が提案されてきた。しかしながら、
これらの方法を用いても十分満足できるほどの長時間、
継続的に成膜することができなかった。次に、図8ない
し図10を用いて、これらの方法について詳しく説明す
る。
【0005】図7は、図6のレーザアブレーション成膜
装置51に加えて、レーザ光の反射角度を変える可動ミ
ラー67、および図7の平面と平行な回転軸の周りに円
形ターゲット69を回転させる回転機構74を設けたレ
ーザアブレーション成膜装置52を示す。上述のよう
に、可動ミラー67は、円形ターゲット69上のレーザ
スポット55が円形ターゲット69の中心部付近と周縁
部付近との間を一定の走査速度で往復運動(走査)する
ように、レーザ発振器62からのレーザ光の反射方向を
変える。これと同時に、回転機構74は、図7の平面と
平行な回転軸の周りに、一定の角速度で円形ターゲット
69を回転運動させる。したがって、レーザスポット5
5は、円形ターゲット69上を、一定の走査速度で半径
方向に走査しながら、一定の角速度で回転する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この従来式のレーザア
ブレーション成膜装置52は、解決すべき問題点が3つ
ある。これら問題点につき、以下で詳細に説明する。
【0007】第1の問題点につき説明する。(なお、添
付図面において、レーザスポット55は、例えば、円形
の形状を有するように図示するが、本発明は、レーザス
ポット55の形状のいかんにより限定して解釈されるも
のではない。)このレーザアブレーション成膜装置52
において、レーザスポット55は、円形ターゲット69
上を、一定の走査速度で半径方向に走査しながら、一定
の角速度で回転するので、円形ターゲット69の周縁部
付近にあるレーザスポット55は、中心部付近にあるレ
ーザスポット55と比べて、図2で示すように、単位時
間当たりに移動する軌跡が長くなる。一方、単位時間当
たりにレーザがレーザスポット55に与える光エネルギ
量は一定であるので、レーザスポット55の長い軌跡が
受ける光エネルギ密度は小さくなる。つまり、円形ター
ゲット69の周縁部付近にあるレーザスポット55の軌
跡の単位面積が、中心部付近にあるレーザスポット55
の軌跡の単位面積と比べて、より少ない光エネルギを受
けることになる。そのため、周縁部付近にあるターゲッ
ト材料は、中心部付近にあるターゲット材料よりも消耗
が少なく(消費速度が遅く)、この状態で、このレーザ
アブレーション成膜装置52を使用し続けると、図8の
破線で示すように、円形ターゲットが、すり鉢状に消耗
して、上述と同様に、プルーム73aがフルーム73b
のように、飛散方向が変化するので、プルーム73を基
板70上に安定的に供給できなくなり、良質の薄膜が形
成されなくなる。
【0008】レーザスポット55が円形ターゲット69
の周縁部付近にあっても、中心部付近にあっても、円形
ターゲット69の受ける光エネルギ密度を均一化するた
めの方法が、例えば、特開平7−252641号公報に
開示されている。この方法によれば、円形ターゲット6
9の中心部に近いところでは小さい孔、周縁部に近いと
ころでは大きい孔を複数有する多孔板を集光レンズ64
とターゲット69の間に配置し、ターゲット69の中心
部にあるレーザ光の相当部分を遮蔽して、その位置によ
るエネルギ密度を傾斜させることにより、ターゲット6
9全体に一様なエネルギ密度を与えようとしている。
【0009】しかし、この方法によれば、レーザスポッ
ト55がターゲットの中心部に近いところにあるとき、
相当のレーザ光が遮蔽されて無駄になっているので、エ
ネルギ効率が悪く、低消費電力が実現されない。また、
レーザ光を遮蔽する多孔板は、かなりの高温状態となる
ので冷却装置などを別途設ける必要があり、構成が複雑
となる。
【0010】要約すると、第1の問題点は、周縁部付近
にあるターゲット材料が、中心部付近にあるターゲット
材料よりも消耗が少ないことに起因して、プルームの方
向が変化して、ターゲット69を基板70上に安定的に
供給できなくなり、良質の薄膜が形成されなくなるとい
う点である。
【0011】次に、第2の問題点につき説明する。この
レーザアブレーション成膜装置52において、例えば、
円形ターゲット69が回転する回転周期が2秒(角速度
がπrad/s)で、レーザスポット55が周縁部から中心
部に移動して再び周縁部まで移動(走査)する走査周期
が3秒であったとき、円形ターゲット69上のレーザス
ポット55は、図9(a)に示すように、始点56から
矢印の方向の太い実線で示した軌跡57上をたどる。そ
して始点56から、同じ始点56に戻るまでのレーザス
ポット55の移動周期は、回転周期と走査周期の最小公
倍数である6秒となる。さらに、例えば、円形ターゲッ
ト69の回転周期が4秒で、レーザスポット55の走査
周期が6秒であったときも、レーザスポット55は全く
同じ軌跡を有し、同じ始点に戻るまでのレーザスポット
55の移動周期は12秒となる。また、ターゲット69
の回転周期が4秒で、レーザスポット55の走査周期が
5秒であったとき、レーザスポット55のターゲット6
9上の軌跡は、図9(b)のようになり、同じ始点56
に戻るまでのレーザスポット55の移動周期は、回転周
期と走査周期の最小公倍数である20秒となる。同様
に、例えば、ターゲット69の回転周期が8秒で、レー
ザスポット55の走査周期が10秒であったときも、レ
ーザスポット55は全く同じ軌跡を有し、同じ始点56
に戻るまでのレーザスポット55の移動周期は、回転周
期と走査周期の最小公倍数である40秒となる。
【0012】すなわち、レーザスポット55は、ターゲ
ット69の回転周期とレーザスポット55の走査周期の
比に依存して、回転周期と走査周期の最小公倍数を周期
としたターゲット69上の特定の軌跡を描くことにな
る。換言すると、回転周期と走査周期(角速度と走査速
度)が一定であるとき、レーザ光は、両者の周期の比に
よって決まる特定の軌跡上にしか照射しない。したがっ
て、このレーザアブレーション成膜装置52によれば、
プルーム72を発生させるために、円形ターゲット69
の表面全体が一様に活用されることなく、特定の軌跡上
のターゲット69しか消費されることがなかった。この
とき、特定の軌跡上のターゲット69が部分的に消費さ
れて、溝が形成されてしまう。こうして、ターゲット6
9の表面が部分的にしか消費されないために、このター
ゲット69を使用できる時間が短くなり、結果的には頻
繁に円形ターゲット69を交換または表面研磨しなけれ
ばならず、高コストを強いられていた。
【0013】第2の問題点をまとめると、回転周期と走
査周期(角速度と走査速度)が一定であるとき、特定の
軌跡上のターゲット69しか消費されないために、円形
ターゲット69を使用できる時間が短くなり、頻繁にタ
ーゲット69を交換または表面研磨しなければならず、
高コストを強いられていた点にある。
【0014】最後に、第3の問題点につき説明する。こ
のレーザアブレーション成膜装置52において、図10
に示すように、レーザスポット55がターゲット69の
周縁部付近にあるときと、中心部付近にあるときでは、
プルーム76a,76bのターゲット69上の発生位置
が異なることにより、プルーム76a,76bが成膜し
たい基板70の方向に飛散しない。これにより、プルー
ムを基板に安定的に供給できず、その結果、成膜された
薄膜の特性にばらつきが生じてしまう。
【0015】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたもので、レーザアブレーション法を用いて、良
質の薄膜を簡便に形成する方法を提供することを目的と
する。
【0016】さらに、本発明は、レーザアブレーション
法を用いて、ターゲットを長時間に亙って使用できるよ
うにした、簡便にして安価な薄膜形成方法を提供するこ
とにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
によれば、レーザアブレーション法を用いた薄膜形成方
法において、ターゲットを一定の角速度(ω)で回転さ
せるステップと、ターゲットの中心から周縁部まで所定
の走査速度でレーザスポットが移動するように、レーザ
光をターゲットに照射するステップと、レーザ光により
活性化されたターゲット材料から生成されたプルーム
を、ターゲットに対向する基板上に付着させるステップ
とを有し、レーザスポットがターゲットの中心から半径
方向の距離(r)に位置するとき、走査速度(V
(r))が次式を満足するように制御される薄膜形成方
法を提供することができる。これにより、ターゲット
を、その中心からの距離(r)によらず、均一に消費す
ることができる。こうして、プルームの方向を安定させ
て、均質の薄膜を基板上に形成することができる。
【数7】V(r)={V0 2−(rω)21/2
(V0は定数)
【0018】請求項2に記載の本発明によれば、レーザ
アブレーション法を用いた薄膜形成方法において、ター
ゲットの中心から周縁部まで一定の走査速度(V)でレ
ーザスポットが移動するように、レーザ光をターゲット
に照射するステップと、ターゲットを所定の角速度で回
転させるステップと、レーザ光により活性化されたター
ゲット材料から生成されたプルームを、ターゲットに対
向する基板上に付着させるステップとを有し、レーザス
ポットがターゲットの中心から半径方向の距離(r)に
位置するとき、角速度(ω(r))が次式を満足するよ
うに制御される薄膜形成方法を提供することができる。
これにより、ターゲットを、その中心からの距離(r)
によらず、均一に消費することができる。こうして、プ
ルームの方向を安定させて、均質の薄膜を基板上に形成
することができる。
【数8】ω(r)={V0 2−V21/2×1/r
(V0は定数)
【0019】請求項3に記載の本発明によれば、レーザ
アブレーション法を用いた薄膜形成方法において、ター
ゲットを一定の角速度(ω)で回転させるステップと、
ターゲットの中心から周縁部まで所定の走査速度(V)
でレーザスポットが移動するように、レーザ光をターゲ
ットに照射するステップと、レーザ光により活性化され
たターゲット材料から生成されたプルームを、ターゲッ
トに対向する基板上に付着させるステップとを有し、走
査速度(V)を、1走査周期毎に乱数を用いて変化させ
るステップと、を有する薄膜形成方法を提供することが
できる。これにより、ターゲットの全体を有効活用し
て、使用できる時間を最大限に延ばすことにより、薄膜
形成に要するコストをできるだけ低く抑えることができ
る。
【0020】請求項4に記載の本発明によれば、レーザ
アブレーション法を用いた薄膜形成方法であって、ター
ゲットを所定の角速度(ω)で回転させるステップと、
ターゲットの中心から周縁部まで一定の走査速度(V)
でレーザスポットが移動するように、レーザ光をターゲ
ットに照射するステップと、レーザ光により活性化され
たターゲット材料から生成されたプルームを、ターゲッ
トに対向する基板上に付着させるステップとを有し、角
速度(ω)を、1走査周期毎に乱数を用いて変化させる
ステップと、を有する薄膜形成方法を提供することがで
きる。これにより、ターゲットの全体を有効活用して、
使用できる時間を最大限に延ばすことにより、薄膜形成
に要するコストをできるだけ低く抑えることができる。
【0021】請求項5に記載の本発明によれば、レーザ
光をターゲットに照射して、ターゲットに対向する基板
上にプルームを付着させる、レーザアブレーション法を
用いた薄膜形成方法において、表面が回転楕円面を有す
るように、レーザ光が照射されるターゲットを成形する
ステップを有する薄膜形成方法を提供することができ
る。これにより、プルームを、成膜すべき基板の方向に
飛散させ、基板に安定的に供給して、成膜された薄膜の
特性のばらつきを最小限に抑えることができる。
【0022】請求項6に記載の本発明によれば、レーザ
アブレーション法を用いた薄膜形成方法において、表面
が回転楕円面を有するように、ターゲットを成形するス
テップと、ターゲットを一定の角速度(ω)で回転させ
るステップと、ターゲットの中心から周縁部まで所定の
走査速度でレーザスポットが移動するように、レーザ光
をターゲットに照射するステップと、レーザ光により活
性化されたターゲット材料から生成されたプルームを、
ターゲットに対向する基板上に付着させるステップとを
有し、レーザスポットがターゲットの中心から半径方向
の距離(r)に位置するとき、走査速度(V(r))が
次式を満足するように制御される薄膜形成方法を提供す
ることができる。これにより、ターゲットを、その中心
からの距離(r)によらず、均一に消費することができ
る。こうして、プルームの方向を安定させて、均質の薄
膜を基板上に形成することができる。しかも、プルーム
を、成膜すべき基板の方向に飛散させ、基板に安定的に
供給して、成膜された薄膜の特性のばらつきを最小限に
抑えることができる。
【数9】V(r)={V0 2−(rω)21/2
(V0は定数)
【0023】請求項7に記載の本発明によれば、レーザ
アブレーション法を用いた薄膜形成方法において、表面
が回転楕円面を有するように、ターゲットを成形するス
テップと、ターゲットの中心から周縁部まで一定の走査
速度(V)でレーザスポットが移動するように、レーザ
光をターゲットに照射するステップと、ターゲットを所
定の角速度で回転させるステップと、レーザ光により活
性化されたターゲット材料から生成されたプルームを、
ターゲットに対向する基板上に付着させるステップとを
有し、レーザスポットがターゲットの中心から半径方向
の距離(r)に位置するとき、角速度(ω(r))が次
式を満足するように制御される薄膜形成方法を提供する
ことができる。これにより、ターゲットを、その中心か
らの距離(r)によらず、均一に消費することができ
る。こうして、プルームの方向を安定させて、均質の薄
膜を基板上に形成することができる。しかも、プルーム
を、成膜すべき基板の方向に飛散させ、基板に安定的に
供給して、成膜された薄膜の特性のばらつきを最小限に
抑えることができる。
【数10】ω(r)={V0 2−V21/2×1/r
(V0は定数)
【0024】請求項8に記載の本発明によれば、レーザ
アブレーション法を用いた薄膜形成方法において、表面
が回転楕円面を有するように、ターゲットを成形するス
テップと、ターゲットを一定の角速度(ω)で回転させ
るステップと、ターゲットの中心から周縁部まで所定の
走査速度(V)でレーザスポットが移動するように、レ
ーザ光をターゲットに照射するステップと、レーザ光に
より活性化されたターゲット材料から生成されたプルー
ムを、ターゲットに対向する基板上に付着させるステッ
プとを有し、走査速度(V)を、1走査周期毎に乱数を
用いて変化させるステップと、を有する薄膜形成方法を
提供することができる。これにより、ターゲットの全体
を有効活用して、使用できる時間を最大限に延ばすこと
により、薄膜形成に要するコストをできるだけ低く抑え
ることができる。しかも、プルームを、成膜すべき基板
の方向に飛散させ、基板に安定的に供給して、成膜され
た薄膜の特性のばらつきを最小限に抑えることができ
る。
【0025】請求項9に記載の本発明によれば、レーザ
アブレーション法を用いた薄膜形成方法において、表面
が回転楕円面を有するように、ターゲットを成形するス
テップと、ターゲットを一定の角速度(ω)で回転させ
るステップと、ターゲットの中心から周縁部まで所定の
走査速度(V)でレーザスポットが移動するように、レ
ーザ光をターゲットに照射するステップと、レーザ光に
より活性化されたターゲット材料から生成されたプルー
ムを、ターゲットに対向する基板上に付着させるステッ
プとを有し、角速度(ω)を、1走査周期毎に乱数を用
いて変化させるステップと、を有する薄膜形成方法を提
供することができる。これにより、ターゲットの全体を
有効活用して、使用できる時間を最大限に延ばすことに
より、薄膜形成に要するコストをできるだけ低く抑える
ことができる。しかも、プルームを、成膜すべき基板の
方向に飛散させ、基板に安定的に供給して、成膜された
薄膜の特性のばらつきを最小限に抑えることができる。
【0026】請求項10に記載の本発明によれば、レー
ザアブレーション法を用いた薄膜形成方法において、表
面が回転楕円面を有するように、ターゲットを成形する
ステップと、ターゲットを一定の角速度(ω)で回転さ
せるステップと、ターゲットの中心から周縁部まで所定
の走査速度でレーザスポットが移動するように、レーザ
光をターゲットに照射するステップと、レーザ光により
活性化されたターゲット材料から生成されたプルーム
を、ターゲットに対向する基板上に付着させるステップ
と、レーザスポットがターゲットの中心から半径方向の
距離(r)に位置するとき、所定値(V0)を含む次式
を満足するように走査速度(V(r))を制御し、乱数
を用いて、1走査周期毎に所定値(V0)を変化させる
薄膜形成方法を提供することができる。これにより、タ
ーゲットを、その中心からの距離(r)によらず、均一
に消費することができる。こうして、プルームの方向を
安定させて、均質の薄膜を基板上に形成することができ
る。しかも、プルームを、成膜すべき基板の方向に飛散
させ、基板に安定的に供給して、成膜された薄膜の特性
のばらつきを最小限に抑えることができる。
【数11】V(r)={V0 2−(rω)21/2
(V0は定数)
【0027】請求項11に記載の本発明によれば、レー
ザアブレーション法を用いた薄膜形成方法において、表
面が回転楕円面を有するように、ターゲットを成形する
ステップと、ターゲットの中心から周縁部まで一定の走
査速度(V)でレーザスポットが移動するように、レー
ザ光をターゲットに照射するステップと、ターゲットを
所定の角速度で回転させるステップと、レーザ光により
活性化されたターゲット材料から生成されたプルーム
を、ターゲットに対向する基板上に付着させるステップ
とを有し、レーザスポットがターゲットの中心から半径
方向の距離(r)に位置するとき、所定値(V0)を含
む次式を満足するように、角速度(ω(r))を制御
し、乱数を用いて、1走査周期毎に所定値(V0)を変
化させる薄膜形成方法を提供することができる。これに
より、ターゲットを、その中心からの距離(r)によら
ず、均一に消費することができる。こうして、プルーム
の方向を安定させて、均質の薄膜を基板上に形成するこ
とができる。しかも、プルームを、成膜すべき基板の方
向に飛散させ、基板に安定的に供給して、成膜された薄
膜の特性のばらつきを最小限に抑えることができる。
【数12】ω(r)={V0 2−V21/2×1/r
(V0は定数)
【0028】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図を参照しなが
ら、本発明に係る薄膜形成装置の実施の形態1について
説明する。図1は、実施の形態1のレーザアブレーショ
ン成膜装置1の概略を示す構成図である。図1に示すよ
うに、このレーザアブレーション成膜装置1は、概略、
レーザ発振器12、集光レンズ14、レーザ光の反射角
度を変える可動ミラー16、回転可能な円形ターゲット
18、円形ターゲット18を回転させる回転機構20、
および円形ターゲット18に対向する基板22を備えて
いる。円形ターゲット18および基板22は図示しない
真空槽内に配置されている。また、この実施の形態1の
レーザアブレーション成膜装置1は、後述するように、
走査速度または角速度を自在に制御するための、例え
ば、パーソナルコンピュータなどからなる制御装置24
を備えおり、可動ミラー16と回転機構20とに電気的
に接続されている。
【0029】次に、このレーザアブレーション成膜装置
1の動作を説明する。レーザ発振器12から出力された
レーザ光が、集光レンズ14により集光され、可動ミラ
ー16により反射され、回転機構20に配設された円形
ターゲット18上に照射する。このとき、レーザ光が照
射された円形ターゲット18上の微小領域(以下、「レ
ーザスポット5」という。)において、円形ターゲット
18を構成する物質が高エネルギを有するレーザ光によ
り活性化され、プラズマ状のプルーム6が発生して、図
1のように飛散する。こうして、このプルーム6に含ま
れる物質が、円形ターゲット18に対向する基板22上
に堆積して、薄膜が形成される。
【0030】このとき、可動ミラー16は、レーザスポ
ット5が円形ターゲット18の中心部付近と周縁部付近
との間を一定の周期をもって往復運動(走査)するよう
に、レーザ発振器12からのレーザ光の反射方向を変え
る。これと同時に、回転機構20は、一定の角速度で円
形ターゲット18を回転運動させる。したがって、レー
ザスポット5は、図2に示すように、円形ターゲット1
8上を、半径方向に走査しながら、一定の角速度で回転
する。(図2は、始点の異なる2つのレーザスポット5
の円形ターゲット18上の軌跡を示す。)
【0031】ところで、上述のように、従来式のレーザ
アブレーション成膜装置52には、周縁部付近にあるタ
ーゲット材料が、中心部付近にあるターゲット材料より
も消耗が少ないことに起因して、プルームの方向が変化
して、円形ターゲット18を基板22上に安定的に供給
されなくなり、良質の薄膜が形成されなくなるという問
題点があった。つまり、円形ターゲット18のレーザ光
から受ける光エネルギ量が、円形ターゲット18の中心
からの位置(半径r)に依存して異なることが、良質の
薄膜が形成されない原因であった。
【0032】そこで、中心からの位置(半径r)にある
円形ターゲット18が、微小時間(△t)におけるレー
ザ光から受ける光エネルギ量について、図3を参照しな
がら考えてみる。図3は、中心から半径rだけ離れた位
置にある円形(半径d)レーザスポット5が、半径方向
に所定の速度(V)で走査しながら、一定の角速度
(ω)で回転した場合の、微小時間(△t)におけるレ
ーザスポット5の照射軌跡を示す。図3において、右方
向が回転方向で、これと直交する下方向が半径方向であ
るとする。このとき、レーザスポット5の照射軌跡が有
する面積(S)は、微小時間(△t)においてレーザ光
により照射される円形ターゲット18の面積に相当する
が、次式で表される。
【数13】 S=πd2+2d×{(rω△t)2+(V△t)21/2 (1)
【0033】上述のように、レーザ光が与える光エネル
ギ密度は一定である。したがって、円形ターゲット18
のレーザ光から受ける光エネルギ量が、円形ターゲット
18の中心からの位置(半径r)に依存しないようにす
るためには、レーザスポット5の照射軌跡が有する面積
(S)がrによらず、一定であることが必要で、次の関
係式を満足させる必要がある。
【数14】 (rω)2+(V)2=V0 2 (V0は定数) (2)
【0034】換言すると、回転方向の速度成分(角速
度)と走査方向の速度成分(走査速度)を合成した速さ
(ベクトル)の大きさ(V0)を、rによらず、一定に
する必要がある。
【0035】したがって、角速度(ω)が一定であると
き、次式を満足するように走査速度(V(r))を制御
しながら、半径方向にレーザスポット5を走査すること
により、円形ターゲットを、その中心からの距離(r)
によらず、均一に消費することができる。こうして、プ
ルームの方向を安定させて、均質の薄膜を基板22上に
形成することができる。
【数15】 V(r)={V0 2−(rω)21/2 (V0は定数) (3)
【0036】走査速度を、上記関係式(3)を満足する
ように制御するために、制御装置24が用いられる。な
お、円形ターゲット18の中心からの位置(半径r)に
対する、上記関係式(3)を満たすV(r)をプロット
すると、図4(a)のような、楕円上の軌跡が得られ、
0はレーザスポット5が中心にある瞬間の走査速度と
なる。
【0037】以上の説明において、角速度を一定にし
て、走査速度を上記関係式(2)を満足するように制御
することにより、均質な薄膜を形成する方法を説明し
た。これに加えて、走査速度(V)を一定にして、上記
関係式(2)を満足するように角速度(ω(r))を制
御することによっても、同様に、均質な薄膜を形成する
ことができる。このとき、角速度(ω(r))は、次式
を満たす。
【数16】 ω(r)={V0 2−V21/2×1/r(V0,Vは定数) (4)
【0038】角速度(ω(r))を、上記関係式(4)
を満足するように制御するために、制御装置24を用い
てもよい。なお、円形ターゲット18の中心からの位置
(半径r)に対する、上記関係式(4)を満たすω
(r)をプロットすると、図4(b)のような、双曲線
上の軌跡が得られる。ただし、この場合、当業者ならば
容易に理解されることであるが、角速度(ω(r))が
半径に反比例するので、半径がゼロとなるようにレーザ
スポット5を走査することはできない。こうして、プル
ームの方向を安定させて、均質の薄膜を基板22上に形
成することができる。
【0039】実施の形態2.実施の形態2のレーザアブ
レーション成膜装置2は、実施の形態1のレーザアブレ
ーション成膜装置1と同様の構成を有するので、詳細な
説明を省略する。また、このレーザアブレーション成膜
装置2の動作において、レーザスポット5が、円形ター
ゲット18上を、半径方向に走査しながら、一定の角速
度で回転する点を含めて、実施の形態1のレーザアブレ
ーション成膜装置1と同様の基本的動作を行うので、こ
れに関する説明を省略する。
【0040】ところで、上述のように、従来式のレーザ
アブレーション成膜装置52には、角速度と走査速度の
比が一定であるとき、レーザスポット5が特定の軌跡を
描くことになり、円形ターゲット18の表面全体が一様
に活用されず、円形ターゲット18を使用できる時間が
短くなり、結果的には頻繁に円形ターゲット18を交換
または表面研磨しなければならず、高コストを強いられ
るという問題があった。つまり、角速度と走査速度の比
(回転周期と走査周期の比)が一定していることが、コ
ストを上げる原因となっていた。
【0041】そこで、実施の形態2のレーザアブレーシ
ョン成膜装置2は、角速度と走査速度の比をランダムに
変化させて、レーザスポット5の描く軌跡が特定しない
ように構成されている。角速度が一定であるとき、走査
速度を変えることにより、角速度と走査速度の比は変化
する。具体的には、走査速度を1走査周期毎にランダム
に変化させる。さらに、走査速度をランダムに変化させ
るために、所定の走査速度(V0、一定)に対して、1
ないし10の範囲の乱数(k)の逆数を係数として掛け
た走査速度(V0/k)を有するように、走査速度を制
御する。したがって、走査速度を1走査周期毎に1ない
し10の範囲の乱数(k)を用いて、走査速度(V0
k)でレーザスポット5を走査させる。このとき、制御
装置24を用いて走査速度を制御する。また、乱数を得
るために、制御装置24が生成する擬似乱数を用いても
よい。このように乱数を用いて、走査速度を1走査周期
毎に変化させるので、レーザスポット5が描く軌跡は全
く周期性をもたず、レーザ光は円形ターゲット18の表
面全体に一様に照射される。こうして、円形ターゲット
18の全体を有効活用して、円形ターゲット18を使用
できる時間を最大限に延ばすことができる。さらに、円
形ターゲット18を頻繁に交換または表面研磨する必要
がないので、薄膜形成に要するコストをできるだけ低く
抑えることができる。
【0042】また、上述の説明においては、角速度が一
定で、走査速度を変えることにより、角速度と走査速度
の比を変化させたが、走査速度を一定にして、角速度を
ランダムに変化させることにより、角速度と走査速度の
比を変化させてもよい。つまり、所定の角速度(ω0
一定)に対して、1ないし10の範囲の乱数(k)の逆
数を係数として掛けた走査速度(ω0/k)を有するよ
うに、制御装置24を用いて角速度を制御することによ
っても、角速度と走査速度の比を変化させることができ
る。つまり、角速度を1走査周期毎に1ないし10の範
囲の乱数(k)を用いて、角速度(ω0/k)でレーザ
スポット5を回転させる。こうして、安価に薄膜形成す
ることができる。
【0043】実施の形態3.実施の形態3のレーザアブ
レーション成膜装置3は、円形ターゲット18が回転楕
円面を有するように形成されているほかは、実施の形態
1のレーザアブレーション成膜装置1と同様の構成を有
するので、詳細な説明を省略する。また、このレーザア
ブレーション成膜装置3の動作において、プルームの飛
散方向が異なるほかは、実施の形態1のレーザアブレー
ション成膜装置1と同様の基本的動作を行うので、これ
に関する説明を省略する。
【0044】ところで、図10を用いて説明したよう
に、従来式のレーザアブレーション成膜装置52には、
レーザスポットの位置によっては、プルームが成膜した
い基板の方に飛散しないことに起因して、ターゲット物
質を基板に安定的に供給できず、成膜された薄膜の特性
にばらつきが生じるといった問題があった。
【0045】そこで、実施の形態3のレーザアブレーシ
ョン成膜装置3は、レーザスポット5の位置によらず、
常に、プルームが成膜したい基板の方に飛散するよう
に、円形ターゲット18のレーザ光が照射される表面が
回転楕円面(スフェロイド)を有するように形成され
る。すると、プルームは、上述のように、ターゲット表
面の法線方向に飛散する性質があるので、円形ターゲッ
ト18のレーザ光が照射される表面が回転楕円面を有す
るとき、発生するプルームは、常に回転楕円面(スフェ
ロイド)の焦点方向に飛散する。つまり、図5に示すよ
うに、レーザ光が円形ターゲット18の中心部に照射し
て生成されたプルーム6aと、円形ターゲット18の周
縁部に照射して生成されたプルーム6bはともに、対向
する基板22の方向に飛散する。こうして、プルーム
は、図5で示すように、成膜すべき基板の方向に飛散
し、ターゲット物質を基板に安定的に供給して、成膜さ
れた薄膜の特性のばらつきを最小限に抑えることができ
る。なお、実施の形態3の円形ターゲット18は、実施
の形態1または2のレーザアブレーション成膜装置1ま
たは2で用いることが好ましい。
【0046】
【発明の効果】請求項1および2に記載の本発明によれ
ば、ターゲットを、その中心からの距離(r)によら
ず、均一に消費することができる。こうして、プルーム
の方向を安定させて、均質の薄膜を基板上に形成するこ
とができる。
【0047】請求項3および4に記載の本発明によれ
ば、ターゲットの全体を有効活用して、使用できる時間
を最大限に延ばすことにより、薄膜形成に要するコスト
をできるだけ低く抑えることができる。
【0048】請求項5に記載の本発明によれば、プルー
ムを、成膜すべき基板の方向に飛散させ、基板に安定的
に供給して、成膜された薄膜の特性のばらつきを最小限
に抑えることができる。
【0049】請求項6および7に記載の本発明によれ
ば、ターゲットを、その中心からの距離(r)によら
ず、均一に消費することができる。こうして、プルーム
の方向を安定させて、均質の薄膜を基板上に形成するこ
とができる。しかも、プルームを、成膜すべき基板の方
向に飛散させ、基板に安定的に供給して、成膜された薄
膜の特性のばらつきを最小限に抑えることができる。
【0050】請求項8および9に記載の本発明によれ
ば、ターゲットの全体を有効活用して、使用できる時間
を最大限に延ばすことにより、薄膜形成に要するコスト
をできるだけ低く抑えることができる。しかも、プルー
ムを、成膜すべき基板の方向に飛散させ、基板に安定的
に供給して、成膜された薄膜の特性のばらつきを最小限
に抑えることができる。
【0051】請求項10および11に記載の本発明によ
れば、ターゲットを、その中心からの距離(r)によら
ず、均一に消費することができる。こうして、プルーム
の方向を安定させて、均質の薄膜を基板上に形成するこ
とができる。しかも、プルームを、成膜すべき基板の方
向に飛散させ、基板に安定的に供給して、成膜された薄
膜の特性のばらつきを最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る実施の形態1のレーザ
アブレーション成膜装置の概略を示す構成図である。
【図2】 図2は、レーザアブレーション成膜装置にお
ける、円形ターゲット上を半径方向に走査しながら角速
度で回転するレーザスポットの軌跡を示す概略図であ
る。
【図3】 図3は、中心から半径rだけ離れた位置にあ
るレーザスポットが、半径方向に所定の速度(V)で走
査しながら、一定の角速度(ω)で回転した場合の、微
小時間(△t)におけるレーザスポットの照射軌跡を示
す。
【図4】 図4(a)は、角速度が一定である場合に、
円形ターゲットを、その中心からの距離(r)によら
ず、均一に消費するように走査速度を制御したときのV
(r)をプロットとしたグラフで、図4(b)は、走査
速度が一定である場合に、円形ターゲットを、その中心
からの距離(r)によらず、均一に消費するように走査
速度を制御したときのω(r)をプロットとしたグラフ
である。
【図5】 図5は、実施の形態3のレーザアブレーショ
ン成膜装置における、回転楕円面を有する円形ターゲッ
トを示す図である。
【図6】 図6(a)は、最も基本的な従来式のレーザ
アブレーション成膜装置の構成を示す概略図で、図6
(b)は、ターゲットの一部拡大図である。
【図7】 図7は、図6(a)のレーザアブレーション
成膜装置に、回転可能な円形ターゲットとレーザ光の反
射角度を変える可動ミラー67を追加した、別の従来式
のレーザアブレーション成膜装置の構成を示す概略図で
ある。
【図8】 図8は、図7の従来式のレーザアブレーショ
ン成膜装置を用いたときに、円形ターゲットが、すり鉢
状に消耗する様子を示す図である。
【図9】 図9(a)は、回転周期と走査周期の比が
2:3であるときのレーザスポットの軌跡を示し、図9
(b)は、回転周期と走査周期の比が4:5であるとき
のレーザスポットの軌跡を示す。
【図10】 図10は、従来式のレーザアブレーション
成膜装置における、平坦な表面を有する円形ターゲット
を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザアブレーション成膜装置、5 レーザスポッ
ト、6 プルーム、12レーザ発振器、14 集光レン
ズ、16 可動ミラー、18 円形ターゲット、20
回転機構、22 基板、24 制御装置(パーソナルコ
ンピュータ)。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザアブレーション法を用いた薄膜形
    成方法であって、 ターゲットを一定の角速度(ω)で回転させるステップ
    と、 ターゲットの中心から周縁部まで所定の走査速度でレー
    ザスポットが移動するように、レーザ光をターゲットに
    照射するステップと、 レーザ光により活性化されたターゲット材料から生成さ
    れたプルームを、ターゲットに対向する基板上に付着さ
    せるステップとを有し、 レーザスポットがターゲットの中心から半径方向の距離
    (r)に位置するとき、走査速度(V(r))が次式を
    満足するように制御されることを特徴とする薄膜形成方
    法。 【数1】V(r)={V0 2−(rω)21/2
    (V0は定数)
  2. 【請求項2】 レーザアブレーション法を用いた薄膜形
    成方法であって、 ターゲットの中心から周縁部まで一定の走査速度(V)
    でレーザスポットが移動するように、レーザ光をターゲ
    ットに照射するステップと、 ターゲットを所定の角速度で回転させるステップと、 レーザ光により活性化されたターゲット材料から生成さ
    れたプルームを、ターゲットに対向する基板上に付着さ
    せるステップとを有し、 レーザスポットがターゲットの中心から半径方向の距離
    (r)に位置するとき、角速度(ω(r))が次式を満
    足するように制御されることを特徴とする薄膜形成方
    法。 【数2】ω(r)={V0 2−V21/2×1/r
    (V0は定数)
  3. 【請求項3】 レーザアブレーション法を用いた薄膜形
    成方法であって、 ターゲットを一定の角速度(ω)で回転させるステップ
    と、 ターゲットの中心から周縁部まで所定の走査速度(V)
    でレーザスポットが移動するように、レーザ光をターゲ
    ットに照射するステップと、 レーザ光により活性化されたターゲット材料から生成さ
    れたプルームを、ターゲットに対向する基板上に付着さ
    せるステップとを有し、 走査速度(V)を、1走査周期毎に乱数を用いて変化さ
    せるステップと、を有することを特徴とする薄膜形成方
    法。
  4. 【請求項4】 レーザアブレーション法を用いた薄膜形
    成方法であって、 ターゲットを所定の角速度(ω)で回転させるステップ
    と、 ターゲットの中心から周縁部まで一定の走査速度(V)
    でレーザスポットが移動するように、レーザ光をターゲ
    ットに照射するステップと、 レーザ光により活性化されたターゲット材料から生成さ
    れたプルームを、ターゲットに対向する基板上に付着さ
    せるステップとを有し、 角速度(ω)を、1走査周期毎に乱数を用いて変化させ
    るステップと、を有することを特徴とする薄膜形成方
    法。
  5. 【請求項5】 レーザ光をターゲットに照射して、ター
    ゲットに対向する基板上にプルームを付着させる、レー
    ザアブレーション法を用いた薄膜形成方法であって、 表面が回転楕円面を有するように、レーザ光が照射され
    るターゲットを成形するステップを有することを特徴と
    する薄膜形成方法。
  6. 【請求項6】 レーザアブレーション法を用いた薄膜形
    成方法であって、 表面が回転楕円面を有するように、ターゲットを成形す
    るステップと、 ターゲットを一定の角速度(ω)で回転させるステップ
    と、 ターゲットの中心から周縁部まで所定の走査速度でレー
    ザスポットが移動するように、レーザ光をターゲットに
    照射するステップと、 レーザ光により活性化されたターゲット材料から生成さ
    れたプルームを、ターゲットに対向する基板上に付着さ
    せるステップとを有し、 レーザスポットがターゲットの中心から半径方向の距離
    (r)に位置するとき、走査速度(V(r))が次式を
    満足するように制御されることを特徴とする薄膜形成方
    法。 【数3】V(r)={V0 2−(rω)21/2
    (V0は定数)
  7. 【請求項7】 レーザアブレーション法を用いた薄膜形
    成方法であって、 表面が回転楕円面を有するように、ターゲットを成形す
    るステップと、 ターゲットの中心から周縁部まで一定の走査速度(V)
    でレーザスポットが移動するように、レーザ光をターゲ
    ットに照射するステップと、 ターゲットを所定の角速度で回転させるステップと、 レーザ光により活性化されたターゲット材料から生成さ
    れたプルームを、ターゲットに対向する基板上に付着さ
    せるステップとを有し、 レーザスポットがターゲットの中心から半径方向の距離
    (r)に位置するとき、角速度(ω(r))が次式を満
    足するように制御されることを特徴とする薄膜形成方
    法。 【数4】ω(r)={V0 2−V21/2×1/r
    (V0は定数)
  8. 【請求項8】 レーザアブレーション法を用いた薄膜形
    成方法であって、 表面が回転楕円面を有するように、ターゲットを成形す
    るステップと、 ターゲットを一定の角速度(ω)で回転させるステップ
    と、 ターゲットの中心から周縁部まで所定の走査速度(V)
    でレーザスポットが移動するように、レーザ光をターゲ
    ットに照射するステップと、 レーザ光により活性化されたターゲット材料から生成さ
    れたプルームを、ターゲットに対向する基板上に付着さ
    せるステップとを有し、 走査速度(V)を、1走査周期毎に乱数を用いて変化さ
    せるステップと、を有することを特徴とする薄膜形成方
    法。
  9. 【請求項9】 レーザアブレーション法を用いた薄膜形
    成方法であって、 表面が回転楕円面を有するように、ターゲットを成形す
    るステップと、 ターゲットを一定の角速度(ω)で回転させるステップ
    と、 ターゲットの中心から周縁部まで所定の走査速度(V)
    でレーザスポットが移動するように、レーザ光をターゲ
    ットに照射するステップと、 レーザ光により活性化されたターゲット材料から生成さ
    れたプルームを、ターゲットに対向する基板上に付着さ
    せるステップとを有し、 角速度(ω)を、1走査周期毎に乱数を用いて変化させ
    るステップと、を有することを特徴とする薄膜形成方
    法。
  10. 【請求項10】 レーザアブレーション法を用いた薄膜
    形成方法であって、 表面が回転楕円面を有するように、ターゲットを成形す
    るステップと、 ターゲットを一定の角速度(ω)で回転させるステップ
    と、 ターゲットの中心から周縁部まで所定の走査速度でレー
    ザスポットが移動するように、レーザ光をターゲットに
    照射するステップと、 レーザ光により活性化されたターゲット材料から生成さ
    れたプルームを、ターゲットに対向する基板上に付着さ
    せるステップと、 レーザスポットがターゲットの中心から半径方向の距離
    (r)に位置するとき、所定値(V0)を含む次式を満
    足するように走査速度(V(r))を制御し、 乱数を用いて、1走査周期毎に所定値(V0)を変化さ
    せることを特徴とする薄膜形成方法。 【数5】V(r)={V0 2−(rω)21/2
    (V0は定数)
  11. 【請求項11】 レーザアブレーション法を用いた薄膜
    形成方法であって、 表面が回転楕円面を有するように、ターゲットを成形す
    るステップと、 ターゲットの中心から周縁部まで一定の走査速度(V)
    でレーザスポットが移動するように、レーザ光をターゲ
    ットに照射するステップと、 ターゲットを所定の角速度で回転させるステップと、 レーザ光により活性化されたターゲット材料から生成さ
    れたプルームを、ターゲットに対向する基板上に付着さ
    せるステップとを有し、 レーザスポットがターゲットの中心から半径方向の距離
    (r)に位置するとき、所定値(V0)を含む次式を満
    足するように、角速度(ω(r))を制御し、 乱数を用いて、1走査周期毎に所定値(V0)を変化さ
    せることを特徴とする薄膜形成方法。 【数6】ω(r)={V0 2−V21/2×1/r
    (V0は定数)
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