JP2001316570A - ポリエステル樹脂組成物および成形品 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物および成形品

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JP2001316570A
JP2001316570A JP2000133254A JP2000133254A JP2001316570A JP 2001316570 A JP2001316570 A JP 2001316570A JP 2000133254 A JP2000133254 A JP 2000133254A JP 2000133254 A JP2000133254 A JP 2000133254A JP 2001316570 A JP2001316570 A JP 2001316570A
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polyester
mass
resin composition
compound
polyester resin
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English (en)
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Makoto Tokumizu
眞 徳水
Jun Yoshida
純 吉田
Manabu Kaneko
学 金子
Kazuyo Omori
和世 大森
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた機械特性、耐熱性、柔軟性および成形
性を有するポリエステルエラストマーを得ること。 【解決手段】 結晶性芳香族ポリエステルからなる短鎖
単位と脂肪族ポリエステルからなる長鎖単位が結合され
ているポリエステル系エラストマー(A)、多メチロー
ル型アルキルフェノール化合物(B)、3官能以上のエ
ポキシ化合物(C)および付加反応性基含有化合物
(D)からなるポリエステル樹脂組成物およびその成形
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形性に優れ、かつ
柔軟性を有し、しかも耐熱性、耐薬品性等の優れた特性
を有するポリエステル樹脂組成物およびその成形品に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステルエラストマーは、
ポリエステルとポリエーテル繰り返し単位、あるいはポ
リエステルとこれを主鎖中に有する多重ブロック共重合
体からなり、機械的性質、耐熱性および耐油性が優れて
いる。このように、熱可塑性ポリエステルエラストマー
はすぐれた特徴を有しているため、その用途は、シー
ト、フィルム、繊維などの産業資材や自動車、電気電子
部品に用いられている。
【0003】しかし、例えば、特開昭56−14525
号公報には成形時に分子鎖を架橋する方法が提案されて
いるが、耐熱性に優れたものはエラストマーとして硬度
が高く柔軟性に劣るという欠点があり、満足する結果は
得られていない。そこで、この欠点を解決すべく種々の
提案がなされている。
【0004】特開平5−239198号公報には、2,
6−ナフタレンジカルボン酸等を使用しTgをあげる方
法が提案されているが、ここで得られるポリエステルエ
ラストマーは100℃以上の温度領域では使用に満足で
きるものではなかった。また、通常のゴムで行われてい
るように、加硫可能なゴムを配合したゴムロール上で架
橋剤を添加した後加硫することによって、柔軟性と耐熱
性を両立させる方法も提案されている。(特公昭55−
35057号)しかし、この方法では架橋剤を添加する
温度がポリエステルの融点よりも著しく低温であるた
め、架橋剤を分散混練することが難しく、また実際の製
造にあたって安定な組成物を得ることが困難であり、さ
らに耐熱性もまだ十分ではなかった。さらに、特開平1
0−152604号公報にはシリコーン化合物を使用す
ることにより、初期の柔軟性と機械特性に優れた組成物
が提案されているが、シリコーン化合物が経時的にブリ
ードアウトしてくる問題点があり、低コストで成形性、
耐熱性の良好なエラストマーが望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
エステルエラストマーの持つ優れた機械特性、耐熱性等
の物性を維持しながら、柔軟性や成形性を向上させるこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、結晶性
芳香族ポリエステルからなる短鎖単位と脂肪族ポリエス
テルからなる長鎖単位が結合されているポリエステル系
エラストマー(A)、多メチロール型アルキルフェノー
ル化合物(B)、3官能以上のエポキシ化合物(C)お
よび付加反応性基含有化合物(D)からなるポリエステ
ル樹脂組成物およびその成形品にある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリエステル
系エラストマー(A)は、結晶性芳香族ポリエステルか
らなる短鎖単位と脂肪族ポリエステルからなる長鎖単位
が結合していることを特徴とし、好適なものとして芳香
族ジカルボン酸及びこれらのエステル形成誘導体を主た
る酸成分とし、ジオールをグリコール成分とする短鎖ポ
リエステルと、ジカルボン酸と脂肪族ポリエーテル、脂
肪族ポリエステルから選ばれる少なくとも1種からなる
長鎖ポリエステルとから構成される。
【0008】脂肪族ポリエーテルとしては、ポリオキシ
エチレングリコール、ポリー1,2−プロピレンオキシ
ドグリコール、ポリー1,3−プロピレンオキシドグリ
コール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオ
キシヘキサメチレングリコール、エチレンオキシドとプ
ロピレンオキシドの共重合体、エチレンオキシドとテト
ラヒドロフランの共重合体、上記ポリグリコールのブロ
ック共重合体、両末端にポリエチレングリコールを有す
るポリプロピレンオキシドブロック共重合体等が挙げら
れ、これらのうちで特に耐久性や成形性が要求される用
途には、ポリオキシテトラメチレングリコールが好適で
ある。ポリオキシテトラメチレングリコールは、単独あ
るいは混合物として用いることができ、数平均分子量
は、約400〜3000が好ましく、より好ましくは5
00〜3000である。分子量が3000を超えるとポ
リオキシテトラメチレングリコールの相溶性が悪化し低
温特性が低下する傾向にある。逆に分子量が300未満
では短鎖ポリエステルの結晶性が損なわれ、弾性回復性
が低下するため好ましくない。
【0009】脂肪族ポリエステルとしては、炭素数2〜
12の脂肪族または脂環族グリコールと炭素数2〜12
のジカルボン酸からなるポリエステル、具体的にはポリ
エチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート、
ポリエチレンセバケート、ポリネオペンチルセバケー
ト、ポリテトラメチレンデカンジカルボキシレート、ポ
リテトラメチレンドデカンジカルボキシレート、ポリテ
トラメチレンアゼレート、ポリヘキサメチレンアゼレー
ト等が挙げられる。さらに、長鎖ポリエステルとしてポ
リーε−カプロラクトン等の脂肪族ポリエステルも用い
ることができる。
【0010】さらに、長鎖ポリエステルとして、上記脂
肪族ポリエーテルと脂肪族ポリエステルの一種以上を併
用することもできる。
【0011】本発明に用いられるポリエステル系エラス
トマーは短鎖および長鎖エステル単位からなり、短鎖エ
ステルを22〜55[質量%]含有するブロック共重合体
である。短鎖エステル単位が22[質量%]未満では、高
温特性や成形性が損なわれるのみならず、重合速度が遅
くなるため経済性も損なわれる。また55[質量%]を超
えると柔軟性が損なわれ場合がある。特に好ましい短鎖
エステル含有量は、22〜48[質量%]である。
【0012】本発明に用いられるポリエステル系エラス
トマーの短鎖エステルにおいて、芳香族ジカルボン酸の
具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レン−1,4もしくは2,6−ジカルボン酸、アントラ
センジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン
酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−
スルホイソフタル酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウ
ム等が挙げられ、これらのエステル形性成誘導体として
は低級アルキルエステルやアリールエステル、炭酸エス
テル、酸ハロゲン化物等が挙げられ、これらの中でもテ
レフタル酸およびそのエステル形成性誘導体が安価であ
り好ましく使用される。芳香族ジカルボン酸成分は、短
鎖エステルの全酸成分中80[モル%]以上含有されてい
ることが好ましい。芳香族ジカルボン酸成分が80[モ
ル%]未満であると成形品の機械的強度が低下する恐れ
があり、生産性も低下する場合がある。
【0013】本発明に用いられるポリエステル系エラス
トマーの短鎖エステルには、上記芳香族ジカルボン酸以
外の酸成分として脂肪族ジカルボン酸、またはこれらの
エステル形成性誘導体を全酸成分中に20[モル%]未満
の範囲で含有させることもできる。これは20[モル%]
以上含有させると成形品の機械的強度の低下を招く恐れ
があるためである。本発明で使用される脂肪族ジカルボ
ン酸としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデ
カンジオン酸、ダイマー酸、1,3もしくは1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン
酸、4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸等が挙げ
られる。
【0014】本発明に用いられるポリエステル系エラス
トマーには、色調、透明性、耐熱性、耐衝撃性等の付与
のため以下のグリコール成分を共重合することができ
る。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、2,2−ジエチループロパンジオー
ル、ダイマージオール、シクロヘキサンジオール、シク
ロヘキサンジメタノール、下記一般式(1)、(2)、
および(3)で表されるアルコール成分、及びこれらの
誘導体のエチレンオキサイド付加物等が含有されること
ができる
【化1】
【化2】
【化3】 また本発明に用いられるポリエステル系エラストマーに
は、3価以上の多価カルボン酸及び多価アルコールを使
用することもできる。具体例としてはトリメリット酸、
ピロメリット酸及びこれらの無水物等の多価カルボン
酸、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
グリセリン等の多価アルコールが挙げられる。
【0015】多価カルボン酸および多価アルコールを使
用する場合は、0.01〜5[モル%]の範囲が好まし
い。この範囲を超えて使用する場合はゲル化により反応
の制御が難しい傾向にあるので注意が必要である。
【0016】本発明のポリエステル系エラストマーを得
る方法としては、公知の直接重合法やエステル交換法等
により製造する事ができ、重合度としては、25[℃]の
フェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中で測定
される極限粘度[η]が0.5[dl/g]以上の重合度
であることが好ましく、さらには0.6[dl/g]以上
であることがより好ましい。0.5[dl/g]よりも
小さいと粘度が低く、ストランドの冷却が難しかった
り、ペレタイズ時のロスが大きい傾向にある。
【0017】本発明に用いられる多メチロール型アルキ
ルフェノール(B)は、フェノールまたは、アルキルフ
ェノールとホルムアルデヒドを塩基性触媒の存在下で反
応させて得られる化合物または、そのメチロール基の水
酸基の一部あるいは全部を塩素、臭素等のハロゲン原子
で置換した化合物が挙げられる。具体例としては、下記
一般式(4)または(5)のすくなくとも1種類のユニット
を有する化合物であり、ポリ(2−ヒドロキシ−1,4
−フェニレンメチレン)、ポリ(2ヒドロキシ−1,3
−フェニレンメチレン)、ポリ4−ヒドロキシ−1,3
−フェニレンメチレン)、ポリ(3−ヒドロキシ−1,
2−フェニレンメチレン)、ポリ(2−ヒドロキシ−3
−メチル−1,4−フェニレンメチレン)、ポリ(4−ヒ
ドロキシ−5−メチル−1,3−フェニレンメチレ
ン)、ポリ(3−ヒドロキシ−4−メチル−フェニレン
メチレン)、ポリ(オキシメチレン−2−ヒドロキシ−
1,4フェニレンメチレン)、ポリ(オキシメチレン−
2−ヒドロキシ−1,3−フェニレンメチレン)、ポリ
(オキシメチレン−4−ヒドロキシ−1,3−フェニレ
ンメチレン)等が挙げられる。
【0018】
【化4】
【化5】 多メチロール型アルキルフェノールは耐熱性付与成分で
あると同時に架橋点となる。本発明のポリエステル樹脂
組成物において使用される量に関して特に制限はない
が、ポリエステル系エラストマー(A)100[質量
部]に対し、0.1〜10[質量部]の範囲が好ましい。
0.1[質量部]未満であると後架橋での増粘効果が不足
し、10[重量部]を越えても溶融樹脂の粘度増加には効
果なく、逆に可塑剤として粘度低下が起こる傾向があ
る。より好ましい添加範囲は、0.5〜5[重量部]であ
る。
【0019】本発明のポリエステル樹脂組成物に用いる
3官能以上のエポキシ化合物(C)としては、フェノー
ルノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂とエピク
ロルヒドリンとの反応によって得られるノボラック系エ
ポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、トリス
(α−メチルグリシジル)イソシアヌレート、トリス
(β−メチルグリシジル)イソシアヌレート、トリス
(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテ
ル、1,3,5−トリ(グリシジルオキシ)ベンゼン、
1,3,5−トリメシン酸トリグリシジルエステル等が
挙げられる。脂肪族系エポキシ化合物として、グリセリ
ンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリ
グリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリ
シジルエーテル等のポリオールポリグリシジルエーテル
類を併用しても良い。
【0020】以上の3官能以上のエポキシ化合物の好ま
しい使用比率は、本発明のポリエステル樹脂組成物中の
水酸基1当量に対して、0.7〜1.4当量である。こ
の範囲を越えると、過剰のエポキシ基同士の重合といっ
た副反応化合物が起こり機械特性の低下を招き、この範
囲未満では架橋反応による増粘および耐熱性付与効果が
十分でなく、未反応水酸基に由来する耐薬品性低下が起
こる可能性がある。
【0021】さらに、本発明で使用する付加反応性基含
有化合物(D)としては、グリシジル基含有化合物、カ
ルボン酸無水物含有化合物、オキサゾリル基含有化合
物、エチレンイミノ基含有化合物、チオイソシアネート
基含有化合物、β―ラクトン基、ケテン基含有化合物、
アズラクトン基含有化合物、アルデヒド基含有化合物、
ビニル基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物、イ
ソシアネート基含有化合物等が挙げられ、特に反応性と
物性のバランスが良好であることから、多官能性エポキ
シ基含有化合物が好ましい。具体例としては、グリシジ
ルメタクリレート(以下GMA)−アクリロニトリル共重合
体、GMA-スチレン共重合体、GMA-メチルメタクリレート
共重合体、GMA-スチレンーメチルメタクリレート共重合
体、GMA―グラフトポリ塩化ビニル、GMA-エチレンー酢
酸ビニル共重合体、GMA−イソプレン共重合体、グリシ
ジルエチルマレエートースチレン共重合体、グリシジル
エチルフマレートースチレン共重合体等が挙げられる。
【0022】本発明の付加反応性基含有化合物の使用量
は、前記ポリエステル系エラストマー(A)100[質
量部]に対し0.1〜10[質量部]が好ましい。この範
囲未満では生成する本発明のポリエステル樹脂組成物か
ら得られる成形品の耐溶剤性、成形性が低下する傾向に
あり、この範囲を超えるとゲル化が起こる可能性があ
る。より好ましい使用量の範囲は、0.5〜5[質量部]
である。
【0023】また、アミノ基含有化合物、メルカプト基
含有化合物、スルホン酸クロリド基含有化合物等、付加
反応性ではない反応性基を有する化合物を使用すると、
反応に伴う置換物,ガス、等の脱離物により、本発明の
ポリエステル樹脂組成物から得られる成形品の機械特
性、外観等が著しく低下する場合がある。
【0024】本発明のポリエステル樹脂組成物を使用し
た成形品に、さらに特定の性能を付与するために従来公
知の各種加工処理を施したり、適当な添加剤を配合する
ことができる。加工処理の例としては、紫外線、α線、
β線、γ線あるいは電子線等の照射、コロナ処理、プラ
ズマ照射処理、火炎処理等の処理、塩化ビニリデン、ポ
リビニルアルコール、ポリアミド、ポリオレフィン等の
樹脂の塗布、ラミネート、あるいは金属の蒸着等が挙げ
られる。添加剤の例としては、ポリエーテル、ポリアミ
ド、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート等の樹
脂、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無
機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、紫外
線吸収剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤等が挙げられ
る。
【0025】本発明のポリエステル樹脂組成物を得る方
法としては、通常の溶融ブレンドの手法により製造する
ことができる。例えば、一軸押出機、二軸押出機、ブラ
ベンダー、バンバリーミキサー、カレンダーロール等の
溶融混練機を用いる事ができる。
【0026】本発明のポリエステル樹脂組成物は、溶融
成形が可能であり、溶融成形により各種形状のポリエス
テルエラストマー材料が容易に得られる。例えば、押出
成形、カレンダー成形、射出成形、ブロー成形などの任
意の方法によって、フィルム、シート、成形品等の種々
のポリエステルエラストマー材料を円滑に製造すること
ができる。
【0027】本発明のポリエステル樹脂組成物として
は、そのショアA硬度(A)と、動的弾性率の低下開始
温度(T)が下記式を満たすことが望ましい。
【0028】3. 5×A−155≦T≦4.5×A−2
00 (45≦A≦100) Tが4.5×A−200を超えると、樹脂組成物の柔軟
性が不足し、Tが3.5×A−155未満では、耐熱性
が不足する可能性がある。
【0029】尚、ショアA硬度が45未満では当該式は
成り立たず、定義上、ショアAは100を超えない。
【0030】なお、ショアA硬度はASTM−K721
5に準拠して求めることができ、動的弾性率の低下開始
温度は、DMSによる100[Hz]において2[℃/
min.]で昇温した場合の動的粘弾性率変化のショル
ダー値である。ショルダー値は、温度vs動的弾性率の
プロットにおいて、動的弾性率が低下する前のベースラ
インと、低下後に傾きが一定となった点の接線との交点
から求まる。
【0031】以上より、本発明のポリエステル樹脂組成
物は、中空容器、ブーツ、パイプ、チューブ等、部品類
のダイレクトブロー成形品、押出シート、板、インフレ
ーションフィルム、ラミネートコーティング等の押出成
形法による成形品の用途に特に適している。
【0032】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。
【0033】[ポリエステルエラストマー1の調整]テレ
フタル酸ジメチルを890.3[g]と、1,4−ブタン
ジオールを578.6[g]と、数平均分子量1000の
ポリーεーカプロラクトンを3.80[kg]と、テトラ
ブチルチタネート0.89[g]とを反応容器に入れ、
150〜225[℃]で3時間加熱攪拌してエステル交換
反応を行った。ついで250[℃]に昇温し、重合反応を
進行させた。得られたポリエステル樹脂は極限粘度
[η]=1.00であった。極限粘度は、25[℃]のフ
ェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中で測定し
た。
【0034】この樹脂を130[℃]、8[時間]乾燥し得
られたポリマーを、エラストマー1と称する。
【0035】[ポリエステルエラストマー2の調整]テレ
フタル酸ジメチルを2.05[kg]と、1,4−ブタン
ジオールを1.23[kg]と、1,4−シクロへキサン
ジメタノールを151.9[g]と、数平均分子量100
0のポリーεーカプロラクトンを2.50[kg]と、テ
トラブチルチタネートを2.0[g]とをポリエステル
エラストマー1の調整と同様にして重合反応を進行させ
た。得られたポリエステル樹脂は極限粘度[η]=0.
92であった。得られたポリマーを、エラストマー2と
称する。
【0036】[ポリエステル系エラストマー3の調整]
テレフタル酸ジメチルを705.2[g]と、1,4−ブ
タンジオールを458.3[g]と、数平均分子量100
0のポリーεーカプロラクトンを4.00[kg]と、テ
トラブチルチタネートを0.71[g]とをポリエステ
ルエラストマー1の調整と同様にして重合反応を進行さ
せた。得られたポリエステル樹脂は極限粘度[η]=
0.92であった。得られたポリマーを、エラストマー
3と称する。
【0037】[ポリエステルエラストマー4の調整]テレ
フタル酸ジメチルを2.79[kg]と、1,4−ブタン
ジオールを1.81[kg]と、数平均分子量1500の
ポリテトラメチレングリコールを1.75[kg]と、テ
トラブチルチタネート2.8[g]とを反応容器に入
れ、150〜225[℃]で3時間加熱攪拌してエステル
交換反応を行った。ついで250[℃]に昇温し、重合反
応を進行させた。得られたポリエステル樹脂は極限粘度
[η]=1.10であった。さらに、別の反応容器でテ
レフタル酸ジメチルを2.79[kg]と、1,4−ブタ
ンジオールを1.81[kg]と、数平均分子量1000
のポリーε−カプロラクトンを1.75[kg]と、テト
ラブチルチタネートを2.8[g]とを同様にして重合
反応を進行させた。得られたポリエステル樹脂は極限粘
度[η]=0.98であった。
【0038】この樹脂を130[℃]、8[時間]乾燥した
ペレットそれぞれ50[質量部]/50[質量部]の割合
で、40φ二軸押し出し機を使用して280[℃]、20
0[rpm]で混練した。得られたポリマーを、エラスト
マー4と称する。
【0039】[実施例1、2]表1に示すように、各ポ
リエステルエラストマーを100[質量部]に対して、重
量平均分子量が2200、水酸基当量が120のポリ
(4−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−フェニレンメ
チレン)を5[質量部]と、GMAを30質量%含有する重
量平均分子量13000のGMA−スチレン共重合体を3
[質量部]と、表1に示すエポキシ樹脂をエポキシ当量/
水酸基当量比が1.0となるように、40φ二軸押出機
を使用して210[℃]、200[rpm]で混練後、21
0[℃]で各試験用サンプルを射出成形した。各サンプル
について、ショアA硬度、耐熱性、アイゾッド衝撃、耐
薬品性、経時変化の各試験、評価を行った。
【0040】[実施例3]ポリエステルエラストマー1
を100[質量部]に対して、重量平均分子量2200、
水酸基当量120のポリ(4−ヒドロキシ−5−メチル
−1,3−フェニレンメチレン)を1[質量部]と、GMA
を30質量%含有する重量平均分子量13000のGMA
−スチレン共重合体を1[質量部]と、トリグリシジルイ
ソシアヌレート(「TEPIC−G」日産化学(株)製:
エポキシ当量91)をエポキシ当量/水酸基当量比が
1.3となるように1[質量部]混練した組成物を、実施
例1と同様にして評価した結果を表1に示した。
【0041】[実施例4]ポリエステルエラストマー4
を100[質量部]に対して、重量平均分子量2200、
水酸基当量120のポリ(4−ヒドロキシ−5−メチル
−1,3−フェニレンメチレン)を1[質量部]と、GMA
を30質量%含有する重量平均分子量13000のGMA
−スチレン共重合体を1[質量部]と、トリグリシジルイ
ソシアヌレート(「TEPIC−G」日産化学(株)製:
エポキシ当量91)をエポキシ当量/水酸基当量比が
1.3となるように1[質量部]混練した組成物を、実施
例1と同様にして評価した結果を表1に示した。
【0042】[比較例1]ポリエステルエラストマー1
を100[重量部]に対して、平均分子量が2200、
水酸基当量が120のポリ(4−ヒドロキシ−5−メチ
ル−1,3−フェニレンメチレン)を5[重量部]と、ト
リス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエー
テル(「タクティクス742」ダウケミカル(株)製:エ
ポキシ当量144)をエポキシ当量/水酸基当量比が
1.0となるように6[質量部]混練した組成物を、実施
例1と同様にして評価した結果を表1に示した。
【0043】[比較例2]ポリエステルエラストマー1
を100[重量部]に対して、平均分子量が2200、
水酸基当量が120のポリ(4−ヒドロキシ−5−メチ
ル−1,3−フェニレンメチレン)を5[重量部]と、GMA
を30質量%含有する重量平均分子量13000のGMA
−スチレン共重合体を15[質量部]と、トリス(ヒドロ
キシフェニル)メタントリグリシジルエーテル(「タク
ティクス742」ダウケミカル(株)製:エポキシ当量1
44)をエポキシ当量/水酸基当量比が1.0となるよ
うに6[質量部]混練した組成物を、実施例1と同様にし
て評価した結果を表1に示した。
【0044】[比較例3]ポリエステルエラストマー3
を100[重量部]に対して、平均分子量が2200、
水酸基当量が120のポリ(4−ヒドロキシ−5−メチ
ル−1,3−フェニレンメチレン)を2[重量部]と、GMA
を30質量%含有する重量平均分子量13000のGMA
−スチレン共重合体を1[質量部]と、ビスフェノールA
グリシジルエーテル縮合物(「エピコート1001」油
化シェルエポキシ(株)製:エポキシ当量457)をエポ
キシ当量/水酸基当量比が1.0となるように4.9
[質量部]混練した組成物を、実施例1と同様にして評価
した結果を表1に示した。
【0045】ショアA硬度は、ASTM−K7215に
準拠して測定を行った(単位はない)。
【0046】耐熱性については、DMSによる100
[Hz]において2[℃/min.]で昇温した場合の
動的粘弾性変化のショルダー値を、動的弾性率の低下温
度[℃]とし、これを表示した。ショルダー値は、温度
vs動的弾性率のプロットにおいて、動的弾性率が低下
する前のベースラインと、低下後傾きが一定となった点
の接線との交点から求めた。
【0047】アイゾッド衝撃は、ASTM−D256に
準拠して行った。
【0048】耐薬品性は、ASTM−D638引張試験
片を、高級不飽和脂肪酸混合物中で100[℃]で80
[時間]処理し、初期値との重量変化率を評価した。
【0049】 重量変化率(%)=(処理後の質量−初期質量)/初期質量×100 重量変化率が、3%以下のものを○ 3〜8%のものを△ 8%を超えるものを×と判定した。
【0050】経時変化の評価は、成形品を50[℃]の
環境下で120[時間]放置し、その後23[℃]で2
4時間静置したサンプルについて、ブリードアウト等の
外観変化の目視による観察と、ASTM−638に準ず
る引張強度測定を行った。
【0051】引張強度の初期値をX1、50[℃]試験
後の値をX2とし、下式によって保持率Y[%]を算出
した。
【0052】 MFRは、ASTM−D1238に準じ、230℃、
2.16kg荷重で評価した。
【0053】
【表1】 表1から分かるように、比較例1は、耐熱、ショアA硬
度のバランスは良好であるが、MFRが高く、成形性が
不十分である。比較例2はゲル化が起こり実用上成形不
可である。比較例3は十分柔らかいが、{3.5×A−
155≦T≦4.5×A−200}式に当てはまらず、
耐熱性不足であり、成形後の耐溶剤性や外観、機械強度
保持率において、実用上の使用には満足しない成形品と
なる。これに対し、本実施例のポリエステル樹脂組成物
であると、得られる成形品は、アイゾッド衝撃、耐薬品
性に優れ、経時的に安定であるものとなる。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるポリエ
ステル樹脂組成物は従来のポリエステルエラストマーの
持つ優れた機械特性、耐熱性等の物性を維持しながら、
これまでにない柔軟性、成形性、耐薬品性に優れた材料
である。従って、本ポリエステル樹脂組成物を用いた成
形品はポリエステルの有する加工性、耐熱性を損なうこ
となく、柔軟性、高機械物性、耐久性を満足し、電気電
子部品、自動車部品、機械部品、ボトル、ブーツ、フィ
ルム、シート、板等広範な軟質材料用途に極めて有効に
使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63/00 C08L 63/00 A 101/02 101/02 // B29K 19:00 B29K 19:00 B29L 22:00 B29L 22:00 (72)発明者 大森 和世 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 Fターム(参考) 4F071 AA04 AA13 AA41 AA42 AA43X AA45X AA75 AF02 AF14 AF26 AF45 AH05 AH19 BA01 BB04 BB05 BB06 BC01 BC03 BC04 4F208 AA24 AA45 AB12 LA01 LB01 4J002 AA03Z CC04X CD00Y CF03W CF17W GG01 GM00 GN00 GQ00 GT00 4J036 AJ02 AJ03 FB01 FB07 FB11 JA01 JA15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性芳香族ポリエステルからなる短鎖
    単位と脂肪族ポリエステルからなる長鎖単位が結合され
    ているポリエステル系エラストマー(A)、多メチロー
    ル型アルキルフェノール化合物(B)、3官能以上のエ
    ポキシ化合物(C)および付加反応性基含有化合物
    (D)からなるポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリエステル樹脂組成物
    を成形してなる成形品。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリエステル樹脂組成物
    100[質量部]に対して、顔料0.05〜5.0[質量
    部]を配合し、ブロー成形してなる中空成形品。
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