JP2001314694A - ランドリー機器の蓋 - Google Patents

ランドリー機器の蓋

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JP2001314694A
JP2001314694A JP2000135936A JP2000135936A JP2001314694A JP 2001314694 A JP2001314694 A JP 2001314694A JP 2000135936 A JP2000135936 A JP 2000135936A JP 2000135936 A JP2000135936 A JP 2000135936A JP 2001314694 A JP2001314694 A JP 2001314694A
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resin
lid
film
styrene
coating layer
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JP2000135936A
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Kenji Kojima
健司 小嶋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外観性を損なわず、しかも力学的ストレスが
かかる部分が劣化することを極力防止できるようにす
る。 【解決手段】 蓋の主体部10をスチレン系樹脂(AB
S樹脂)で形成し、力学的ストレスがかかるヒンジ部8
の表面にポリエチレンのコーティング層11を設ける。
蓋の主体部10は、外観性が良いとされるスチレン系樹
脂で形成することで、外観性を損なわないようにでき、
そして、ヒンジ部8の表面に、洗剤などの薬剤に侵され
にくいポリエチレンのコーティング層11を設けること
で、薬剤に対してバリアとなり、ヒンジ部8が劣化する
ことを極力防止できるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂により形
成されるランドリー機器の蓋に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】ランドリー機器、例え
ば洗濯機の蓋は、一般に合成樹脂により形成されてい
る。このような蓋には、常時若しくは開閉時に力学的ス
トレスがかかる部分(ヒンジ部)がある。このような蓋
の全体を、表面光沢が良いとされる樹脂、例えばABS
樹脂(スチレン系樹脂で、アクリロニトリル、ブタジエ
ン、スチレンの共重合体)で成形した場合、上記ヒンジ
部において、洗剤などの薬剤の付着により劣化してソル
ベントクラックが発生し、破損の要因となることがあっ
た。
【0003】その改善策としては、蓋全体を、洗剤など
の薬剤に侵されにくい樹脂、例えばポリプロピレンで成
形する方法もあるが、ポリプロピレンの物性上、ABS
樹脂に比べて、表面光沢及び硬度が低下し、また、収縮
によるひけ(表面のくぼみ)や寸法変化が発生し、外観
性が低下してしまうという欠点があった。
【0004】本発明は上記した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、外観性を損なわず、しかも力学
的ストレスがかかる部分が劣化することを極力防止でき
るランドリー機器の蓋を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、主体部をスチレン系樹脂で形
成すると共に、力学的ストレスがかかる部分の少なくと
も表面を、スチレン系樹脂以外の樹脂で形成したことを
特徴とする。このような構成とした蓋によれば、蓋の主
体部は、外観性が良いとされるスチレン系樹脂で形成す
ることで、外観性を損なわないようにでき、そして、力
学的ストレスがかかる部分の少なくとも表面を、洗剤な
どの薬剤に侵されにくい樹脂で形成することで、薬剤に
対してバリアとなり、力学的ストレスがかかる部分が劣
化することを極力防止できるようになる。
【0006】この場合、請求項2の発明のように、スチ
レン系樹脂以外の樹脂は、スチレン系樹脂の表面にコー
ティングにより設け、そのコーティングの厚さは10μ
m以上とすることが好ましい。これによれば、力学的ス
トレスがかかる部分の表面に、スチレン系樹脂以外の樹
脂を容易に設けることができる。また、コーティングの
厚さを10μm以上とすることで、洗剤などの薬剤に侵
されにくい樹脂の効果を効果的に発揮できる。
【0007】請求項3の発明は、コーティングに用いら
れる樹脂の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタラート、ポリアミド、ポリテ
トラフルオロエチレンのうちのいずれかであることを特
徴としている。これによれば、力学的ストレスがかかる
部分の表面に、容易にコーティングすることができる。
【0008】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、スチレン系樹脂以外の樹脂を、成形により設けるよ
うにしたことを特徴としている。このような構成として
も、力学的ストレスがかかる部分を、洗剤などの薬剤に
侵されにくい樹脂で形成することができ、その部分が劣
化することを極力防止できるようになる。
【0009】請求項5の発明は、成形に用いられる上記
スチレン系樹脂以外の樹脂の材料としては、ポリプロピ
レン、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリエチレン
のうちのいずれかであることを特徴としている。これに
よれば、力学的ストレスがかかる部分を、洗剤などの薬
剤に侵されにくい樹脂で容易に形成することができる。
【0010】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、スチレン系樹脂以外の樹脂はフィルムにより構成
し、このフィルムを、スチレン系樹脂の表面にアウトサ
ート成形により設けるようにしたことを特徴としてい
る。このような構成としても、力学的ストレスがかかる
部分の表面を、洗剤などの薬剤に侵されにくい樹脂のフ
ィルムで形成することにより、薬剤に対してバリアとな
り、その部分が劣化することを極力防止できるようにな
る。
【0011】請求項7の発明は、上記フィルムの材料
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルの
うちのいずれかであることを特徴としている。これによ
れば、力学的ストレスがかかる部分の表面を覆うフィル
ムを良好に形成できる。
【0012】請求項8の発明は、請求項1と同様な目的
を達成するために、主体部をポリプロピレンで形成する
と共に、この主体部に、表面加工が施されたフィルムを
設けたことを特徴とする。このような構成とした蓋によ
れば、蓋の主体部は、洗剤などの薬剤に侵されにくい樹
脂とされるポリプロピレンで形成することにより、力学
的ストレスがかかる部分などが劣化することを極力防止
できるようになる。そして、この主体部に、表面加工が
施されたフィルムを設けた構成とすることにより、外観
性に劣るポリプロピレンを使用しながらも、外観性を向
上できるようになる。
【0013】この場合、請求項9の発明のように、フィ
ルムの表面加工は、印刷層と、この印刷層を覆うコーテ
ィング層とを有する構成とすることが好ましい。これに
よれば、印刷層により外観性を一層向上できる。
【0014】請求項10の発明は、上記フィルムは、主
体部の上面のほぼ全体に設けられていることを特徴とし
ている。これによれば、使用状態で見える蓋の上面のほ
ぼ全体の外観性を向上できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を洗濯機の蓋に適用
したいくつかの実施例について説明する。まず、第1実
施例について、図1ないし図5を参照して説明する。図
2には全自動式の洗濯機1の外観が示されている。この
図2において、洗濯機本体2の上部にはトップカバー3
が設けられていて、このトップカバー3には、前部に操
作パネル4が設けられ、ほぼ中央部に蓋5が設けられて
いる。なお、洗濯機本体2の内部には、図示はしない
が、水槽と、洗濯槽と脱水槽を兼ねる回転槽と、この回
転槽を回転させるモータなどが配設されている。
【0016】上記蓋5は、図3に示すように、それぞれ
矩形状をなす前蓋6と後蓋7とを回動可能に連結した二
つ折れタイプのもので、後蓋7の後端部に設けられた2
個のヒンジ部8が、図示しない軸部を介してトップカバ
ー3に回動可能に取り付けられている。各ヒンジ部8に
は、図1に示すように、軸部が挿入される軸挿通孔9が
形成されている。
【0017】さて、上記蓋5の前蓋6及び後蓋7の主体
部10は、両ヒンジ部8も含めて、表面光沢が良いとさ
れるスチレン系樹脂、この場合ABS樹脂により形成し
ている。そして、この蓋5において、力学的ストレスが
かかる部分である上記各ヒンジ部8の表面には、スチレ
ン系樹脂以外の樹脂、この場合、洗剤などの薬剤に侵さ
れにくい樹脂とされるポリエチレン(PE)のコーティ
ング層11を設けている。この場合、このコーティング
層11は、図4に示すように、ポリエチレンと、シリコ
ーンオイルと、アルコールを構成成分としたコーティン
グ材11aをスプレー方式により塗布することによって
設けるようにしている。図4では、コーティング材11
aを収容した容器12のノズルからコーティング材11
aをスプレーする状態を示している。コーティング層1
1の厚さAは、10μm以上とする。
【0018】ここで、上記コーティング層11の効果を
確認するために、次のような実験を行った。すなわち、
上記蓋5の主体部を構成する樹脂と同様なABS樹脂に
よりテストピース(プレート状)を作成し、このテスト
ピースの表面に、上記と同様なコーティング材をスプレ
ーすることによりポリエチレンのコーティング層を形成
し、これを乾燥させる。この後、そのコーティング層の
表面に液体洗剤を塗布し、テストピースに曲げ応力を加
え、一定時間放置した後、テストピースにクラックが発
生したか否かを検査するようにした。図5に、その実験
結果を示す。
【0019】図5において、未塗布(ポリエチレンのコ
ーティングなし)のものでは、クラックが発生した。ま
た、ポリエチレンのスプレーを1回は行ったが、その塗
布量が少なく、コーティング層の厚さが10μm未満の
ものでは、未塗布の場合よりも長時間持つが、マイクロ
クラックが発生した。これに対して、ポリエチレンのス
プレーは1回であるが、コーティング層の厚さが10μ
mのもの、及びスプレーが2回以上で、コーティング層
の厚さが10μm以上のものでは、クラックの発生は認
められなかった(変化なし)。
【0020】このような実験結果から、次のようなこと
がわかる。すなわち、ABS樹脂の表面にポリエチレン
のコーティング層を設けることで、そのコーティング層
が、液体洗剤がABS樹脂層へ浸透することを阻止する
バリアとなり、耐薬品性の効果があることが確認でき
る。
【0021】上記した第1実施例によれば、次のような
効果を得ることができる。すなわち、蓋5の前蓋6及び
後蓋7の主体部10は、外観性が良いとされるABS樹
脂で形成することで、外観性を損なわないようにでき
る。そして、蓋5において、力学的ストレスがかかる部
分であるヒンジ部8の表面に、洗剤などの薬剤に侵され
にくい樹脂であるポリエチレンのコーティング層11を
設けることで、そのコーティング層11が洗剤などの薬
剤に対してバリアとなり、ヒンジ部8が劣化することを
極力防止できるようになる。
【0022】しかもこの場合、薬剤に対してバリアとな
るポリエチレンのコーティング層11は、ABS樹脂製
のヒンジ部8の表面にスプレーによるコーティングによ
り設けるようにしているので、そのポリエチレンのコー
ティング層11を容易に設けることができる。また、コ
ーティング層11の厚さを10μm以上とすることで、
洗剤などの薬剤に侵されにくい樹脂の効果を効果的に発
揮できる。
【0023】上記した第1実施例において、コーティン
グに用いる樹脂の材料としては、ポリエチレンに代え
て、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラ
ート(PET)、ポリアミド(PA)、またはポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)を用いても、第1実施
例と同様な作用効果を得ることができる。
【0024】本発明の第2実施例について図6を参照し
て説明する。この第2実施例においては、ABS樹脂製
の上記ヒンジ部8の表面に、ポリエチレンのコーティン
グ層11を設ける前に、ヒンジ部8の表面にプライマー
処理を施し、この後、ポリエチレンのコーティング層1
1を設けるようにしている。この場合、プライマー処理
は、ヒンジ部8の表面に薬剤を吹き付けて表面を荒ら
し、コーティング層11の密着性をよくするために行う
処理である。
【0025】ここで、プライマー処理の効果を確認する
ために、次のような実験を行った。すなわち、まず第1
実施例の場合と同様に、ABS樹脂によりプレート状の
テストピースを作成し、このテストピースの表面にプラ
イマー処理を施す。そして、テストピースの表面にポリ
エチレンのコーティング材をスプレーすることによりコ
ーティング層を形成し、これを乾燥させる。この後、コ
ーティング層(膜)の剥離強さを測定した。その測定結
果を図6に示している。
【0026】この図6において、プライマー処理を施し
たものの剥離強さは、プライマー処理なしのものの場合
に比べて、約4倍の強さを得ることができることが確認
できた。従って、プライマー処理を施すことにより、コ
ーティング層(膜)の剥離強さが数倍に向上し、密着性
を向上でき、実用上問題がないことを確認できた。
【0027】本発明の第3実施例について図7を参照し
て説明する。この第3実施例においては、洗濯機の蓋
(前蓋6及び後蓋7)の主体部10を、PP(ポリプロ
ピレン)、ABS樹脂、AS樹脂(スチレン系樹脂で、
アクリロニトリル、スチレンの共重合体)、MBS樹脂
(スチレン系樹脂で、メタクリル酸メチル、ブタジエ
ン、スチレンの共重合体)、MS樹脂(スチレン系樹脂
で、メタクリル酸メチル、スチレンの共重合体)、PS
樹脂(スチレン系樹脂で、ポリスチレン樹脂)でそれぞ
れ成形する。そして、これらのうち、PPの成形品につ
いてはそのまま、PPを除いた、ABS樹脂、MBS樹
脂、MS樹脂、PS樹脂の成形品については、それぞれ
のヒンジ部8の表面に、第1実施例と同様に、スプレー
によりポリエチレンのコーティング層11を設けたもの
(コーティング処理したもの)と、コーティング処理し
ない未処理のABS樹脂のものとを準備し、それぞれに
ついて、ヒンジ部に洗濯機製品と同様のストレスを加え
た状態で、液体洗剤の原液を塗布して放置しておく実験
を行った。その実験結果を図7に示している。
【0028】この図7において、コーティング未処理の
ABS樹脂の成形品では、ヒンジ部にクラックが発生し
たが、コーティング未処理のPPの成形品、及びコーテ
ィング処理を行った各樹脂の成形品のものについては、
変化はなく、クラックの発生はなかった。また、グロス
メータにて外観の光沢度を測定すると、PPの成形品に
対して、ABS樹脂、AS樹脂、MBS樹脂、MS樹
脂、PS樹脂の各成形品の光沢度は高く、また、収縮量
も小さくなることが確認できた。
【0029】従って、この実施例においては、蓋の主体
部をスチレン系樹脂(ABS樹脂、AS樹脂、MBS樹
脂、MS樹脂、PS樹脂)で形成し、力学的ストレスが
かかるヒンジ部の表面に、スチレン系樹脂以外の樹脂、
この場合ポリエチレンのコーティング層を設けた構成と
することにより、光沢度が高く、しかも収縮量が小さく
て、高品位の外観を有し、しかもヒンジ部にはクラック
の発生がなく、劣化を極力防止できるようになる。
【0030】図8は本発明の第4実施例を示したもので
あり、この第4実施例は、上記した第1実施例とはコー
ティング層の設け方が異なっている。すなわち、スチレ
ン系樹脂、例えばABS樹脂製の後蓋7のヒンジ部8の
表面に、第2実施例と同様にプライマー処理を施した
後、そのヒンジ部8を、槽13に貯留されたポリエチレ
ンと、シリコーンオイルと、アルコールを構成成分とし
たコーティング材11aの液中に数秒間浸漬して、ヒン
ジ部8の表面にコーティング層11を設け、これを5〜
10分間、常温で乾燥させるようにした。
【0031】このようにしてコーティング層11を設け
た後蓋7を用いて、ヒンジ部8に洗濯機製品と同様のス
トレスを加えた状態で、液体洗剤の原液を塗布して放置
しておく実験を行った。この結果、ヒンジ部8へのクラ
ックの発生は見られず、また、第2実施例と同様な剥離
強さも得られることが確認できた。従って、コーティン
グ層11を浸漬によって設けることでも、第1及び第2
実施例と同様な作用効果を得ることができることが確認
できた。
【0032】図9及び図10は本発明の第5実施例を示
したものである。この第5実施例では、後蓋7の本体部
10は、スチレン系樹脂、例えばABS樹脂により射出
成形し、その材料が固化した後、ヒンジ部16を、スチ
レン系樹脂以外の樹脂、この場合ポリプロピレン17に
より射出成形するようにした。この場合、本体部10を
構成するABS樹脂とポリプロピレン17とは接着され
にくいため、ポリプロピレン17に、アンカー用の固定
部18を一体に設けることにより、本体部10とポリプ
ロピレン17製のヒンジ部16とを連結するようにして
いる。
【0033】このような第5実施例においては、後蓋7
の主体部10を、外観が良いとされるABS樹脂で形成
し、力学的ストレスがかかるヒンジ部16を、薬剤に対
して強いとされるポリプロピレン17で形成した構成と
することにより、第1実施例と同様に、高品位の外観を
有し、しかもヒンジ部16にはクラックの発生がなく、
劣化を極力防止できるようになる。
【0034】図11ないし図14は本発明の第6実施例
を示したものである。この第6実施例では、図11及び
図12に示すように、後蓋7のヒンジ部8に、これを外
側から覆うように、例えばポリエチレン製のフィルム2
0をアウトサート成形により設けるようにしている。
【0035】具体的には、図13に示す形状のポリエチ
レン製のフィルム20を用意し、これを点線部分で折り
曲げて、図14に示すような立体形状に形成する。この
とき、フィルム20には、軸挿通孔9に対応する部分に
切欠部21を形成している。この立体形状のフィルム2
0を、図示しない成形型のキャビティの該当部分に配置
し、スチレン系樹脂、例えばABS樹脂を用いて後蓋7
の本体部10を射出成形する。これにより、ABS樹脂
製のヒンジ部8の表面が、ポリエチレン製のフィルム2
0により覆われた構成となる。このような構成とした第
6実施例においても、第1実施例と同様な作用効果を得
ることができる。この第6実施例において、フィルム2
0を形成する材料としては、ポリエチレンに代えて、ポ
リプロピレン(PP)またはポリ塩化ビニル(PVC)
を用いても、第6実施例と同様な作用効果を得ることが
できる。
【0036】図15〜図18は本発明の第7実施例を示
したものである。この第7実施例では、蓋22を構成す
る前蓋23と後蓋24の各主体部25は、図16に示す
ように、ポリプロピレン(PP)により形成し、この主
体部25の上面の全体及び左右両側面を覆うようにフィ
ルム26をアウトサート成形により設けている。
【0037】このフィルム26は、図17に示すよう
に、ポリプロピレン(PP)製のフィルム基材27の表
面に印刷層28を設けると共に、この印刷層28の表面
に透明なアクリル製のコーティング層29を設けて構成
されており、従って、印刷層28とコーティング層29
とによって表面加工が施されている。
【0038】ここで、主体部25の表面にフィルム26
を設ける場合の手順について、図18を参照して説明す
る。まず、(a)に示すように、内部を真空加熱できる
下型30と上型31を用い、凹部30aを有する下型3
0上に上記フィルム26を水平状態に配置し、下型30
と上型31とでフィルム26の周囲を挟持する。そし
て、フィルム26を約140℃に加熱すると、高温のた
めにそのフィルム26が自重で弛んでくる。その時に、
図示しない真空ポンプで、凹部30a内を一気に約1.
0×10Pa(約0.01atm)くらいまで減圧さ
せると、(b)に示すように、フィルム26は、凹部3
0aに沿うように成形される(予備成形)。
【0039】その予備成形されたフィルム26を取り出
し、(c)で示すように、周囲のフランジ部26aをカ
ットする。そして、(d)で示すように、このフィルム
26を、蓋を成形するための射出用の成形型32,33
のキャビティ34における該当部分に配置し、この状態
で、ポリプロピレンを射出成形する。このようにするこ
とで、ポリプロピレン製の主体部25の表面にフィルム
26がアウトサート成形された前蓋23及び後蓋24を
得ることができる。この場合、ヒンジ部8は、ポリプロ
ピレン製の主体部25のままとする。
【0040】このような第7実施例によれば、前蓋23
及び後蓋24の主体部25は、洗剤などの薬剤に侵され
にくい樹脂とされるポリプロピレンで形成することによ
り、特に力学的ストレスがかかる部分であるヒンジ部8
部分が劣化することを極力防止できるようになる。そし
て、この主体部25に、表面加工が施されたフィルム2
6を設けた構成とすることにより、外観性に劣るポリプ
ロピレンを使用しながらも、そのフィルム26により外
観性を向上できるようになる。この場合、フィルム26
の印刷層28により、デザイン性を一層向上できるよう
になる。またこの場合、フィルム26のフィルム基材2
7と、主体部25とは、共にポリプロピレンであるた
め、両者を良好に接着することができる利点がある。
【0041】本発明は、洗濯機の蓋に限られず、例えば
衣類乾燥機の蓋にも適用できる。
【0042】
【発明の効果】請求項1のランドリー機器の蓋によれ
ば、蓋の主体部は、外観性が良いとされるスチレン系樹
脂で形成することで、外観性を損なわないようにでき、
そして、力学的ストレスがかかる部分の少なくとも表面
を、洗剤などの薬剤に侵されにくい樹脂で形成すること
で、薬剤に対してバリアとなり、力学的ストレスがかか
る部分が劣化することを極力防止できるようになる。
【0043】請求項8のランドリー機器の蓋によれば、
蓋の主体部は、洗剤などの薬剤に侵されにくい樹脂とさ
れるポリプロピレンで形成することにより、力学的スト
レスがかかる部分など劣化することを極力防止できるよ
うになる。そして、この主体部に、表面加工が施された
フィルムを設けた構成とすることにより、外観性に劣る
ポリプロピレンを使用しながらも、外観性を向上できる
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すもので、図3中、X
1−X1線に沿う要部の縦断側面図
【図2】洗濯機の外観斜視図
【図3】蓋の斜視図
【図4】スプレー方式でコーティング材を塗布する状態
の斜視図
【図5】コーティング層の厚さと、クラックの発生の有
無との関係の実験結果を示す図
【図6】本発明の第2実施例を示すもので、プライマー
処理の有無と、コーティング層の剥離強さとの関係の実
験結果を示す図
【図7】本発明の第3実施例を示すもので、蓋の主体部
の材質と、コーティング処理の有無とによる実験結果を
示す図
【図8】本発明の第4実施例を示すもので、浸漬方式で
コーティング材を塗布する状態の図
【図9】本発明の第5実施例を示す後蓋の平面図
【図10】図9中、X2−X2線に沿う要部の縦断側面
【図11】本発明の第6実施例を示す要部の斜視図
【図12】要部の縦断側面図
【図13】フィルムの展開図
【図14】フィルムを立体形状に折った状態の斜視図
【図15】本発明の第7実施例を示す蓋の斜視図
【図16】図15中、X3−X3線に沿う縦断正面図
【図17】要部の拡大断面図
【図18】(a)〜(e)は蓋を成形する順序を示す断
面図
【符号の説明】
図面中、1は洗濯機(ランドリー機器)、5は蓋、6は
前蓋、7は後蓋、8はヒンジ部(力学的ストレスがかか
る部分)、10は主体部(ABS樹脂、スチレン系樹
脂)、11はコーティング層(スチレン系樹脂以外の樹
脂)、16はヒンジ部(力学的ストレスがかかる部
分)、17はポリプロピレン(スチレン系樹脂以外の樹
脂)、20はフィルム(スチレン系樹脂以外の樹脂)、
22は蓋、23は前蓋、24は後蓋、25は主体部、2
6はフィルム、27はフィルム基材、28は印刷層、2
9はコーティング層を示す。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主体部をスチレン系樹脂で形成すると共
    に、力学的ストレスがかかる部分の少なくとも表面を、
    スチレン系樹脂以外の樹脂で形成したことを特徴とする
    ランドリー機器の蓋。
  2. 【請求項2】 スチレン系樹脂以外の樹脂は、スチレン
    系樹脂の表面にコーティングにより設けられていて、そ
    のコーティングの厚さは10μm以上であることを特徴
    とする請求項1記載のランドリー機器の蓋。
  3. 【請求項3】 コーティングに用いられる樹脂の材料
    は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
    フタラート、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン
    のうちのいずれかであることを特徴とする請求項2記載
    のランドリー機器の蓋。
  4. 【請求項4】 スチレン系樹脂以外の樹脂は、成形によ
    り設けるようにしたことを特徴とする請求項1記載のラ
    ンドリー機器の蓋。
  5. 【請求項5】 成形に用いられるスチレン系樹脂以外の
    樹脂の材料は、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、
    ポリアミド、ポリエチレンのうちのいずれかであること
    を特徴とする請求項4記載のランドリー機器の蓋。
  6. 【請求項6】 スチレン系樹脂以外の樹脂はフィルムに
    より構成し、このフィルムを、スチレン系樹脂の表面に
    アウトサート成形により設けるようにしたことを特徴と
    する請求項1記載のランドリー機器の蓋。
  7. 【請求項7】 フィルムの材料は、ポリエチレン、ポリ
    プロピレン、ポリ塩化ビニルのうちのいずれかであるこ
    とを特徴とする請求項6記載のランドリー機器の蓋。
  8. 【請求項8】 主体部をポリプロピレンで形成すると共
    に、この主体部に、表面加工が施されたフィルムを設け
    たことを特徴とするランドリー機器の蓋。
  9. 【請求項9】 フィルムの表面加工は、印刷層と、この
    印刷層を覆うコーティング層とを有していることを特徴
    とする請求項8記載のランドリー機器の蓋。
  10. 【請求項10】 フィルムは、主体部の上面のほぼ全体
    に設けられていることを特徴とする請求項8記載のラン
    ドリー機器の蓋。
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