JP2001314394A - チップ - Google Patents

チップ

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JP2001314394A
JP2001314394A JP2000137736A JP2000137736A JP2001314394A JP 2001314394 A JP2001314394 A JP 2001314394A JP 2000137736 A JP2000137736 A JP 2000137736A JP 2000137736 A JP2000137736 A JP 2000137736A JP 2001314394 A JP2001314394 A JP 2001314394A
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Japan
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tip
chip
blood
wall surface
opening
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JP2000137736A
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English (en)
Inventor
Koichi Sonoda
耕一 園田
Hisao Nishikawa
尚穂 西川
Masao Takinami
雅夫 滝浪
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】検体をより確実に採取できるチップを提供する
こと。 【解決手段】 本発明のチップ13は、穿刺針14と、
穿刺針14を摺動可能に収納する針ハウジング15と、
針ハウジング15の外周部に設置されたチップ本体16
と、チップ本体16の外周部に設置された試験紙固定部
17と、試験紙固定部17に固定された試験紙18とで
構成されている。チップ本体16の先端には、検体採取
部位が当接する環状を呈し、先端方向に向かって突出し
た当接部163が形成されている。当接部163の少な
くとも先端部は、その厚さが基端から先端に向かって漸
減するよう構成されており、その先端が尖っている。ま
た、当接部の先端には、チップ本体16が有する内腔部
161が開放する先端開口162が形成されている。チ
ップ13では、この先端開口162に検体採取部位を吸
着して使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えば血糖値の測
定に用いられる成分測定装置に装着して使用されるチッ
プに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、糖尿病患者の増加に伴い、日常の
血糖値の変動を患者自身がモニターする自己血糖測定が
推奨されてきている。
【0003】この血糖値の測定は、血中のブドウ糖量に
応じて呈色する試験紙を装着し、該試験紙に血液を供
給、展開して呈色させ、その呈色の度合いを光学的に測
定(測色)して血糖値を定量化する血糖測定装置を用い
て行われる。
【0004】この測定に先立ち、患者が自分の血液を採
取する方法としては、穿刺針や小刀を備えた穿刺装置を
用いて指先の皮膚を穿刺した後、その穿刺部周辺を指等
で圧迫して血液を絞り出すことが行われる。
【0005】しかしながら、このような方法では、効率
よく血液を得ることが困難な場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、検体をより
確実に採取できるチップを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(12)の本発明により達成される。
【0008】(1) 内腔部を有するチップ本体と、前
記チップ本体の先端に形成され、検体採取部位が当接す
る環状に突出した当接部とを有するチップであって、前
記当接部の少なくとも先端部は、その厚さが基端から先
端に向かって漸減するよう構成されていることを特徴と
するチップ。
【0009】(2) 前記当接部の先端は、尖っている
上記(1)に記載のチップ。
【0010】(3) 前記当接部は、その内側に内壁面
と、その外側に外壁面とを有し、前記内壁面および/ま
たは前記外壁面がテーパ状をなすことにより、前記当接
部の厚さが変化する上記(1)または(2)に記載のチ
ップ。
【0011】(4) 前記当接部の先端付近における前
記内壁面と前記外壁面とのなす角度は、0.5〜60°
である上記(3)に記載のチップ。
【0012】(5) 前記チップ本体は、その先端部外
周にフランジを有し、前記当接部の先端は、前記フラン
ジの先端面から先端方向に向かって突出している上記
(1)ないし(4)のいずれかに記載のチップ。
【0013】(6) 前記当接部の高さは、0.1〜5
mmである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の
チップ。
【0014】(7) 前記当接部は、その先端に前記内
腔部が開放するよう形成された開口を有し、該開口を前
記検体採取部位で塞いだ状態で、前記内腔部を減圧する
ことにより、前記検体採取部位を前記開口に吸着して使
用される上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のチ
ップ。
【0015】(8) 前記開口の開口面積は、10〜5
0mm2である上記(7)に記載のチップ。
【0016】(9) 針先が前記内腔部を通過して、前
記検体採取部位を穿刺する穿刺針を有する上記(1)な
いし(8)のいずれかに記載のチップ。
【0017】(10) 前記針先は、前記当接部の先端
付近またはそれを越える位置まで移動可能である上記
(9)に記載のチップ。
【0018】(11) 試験紙と、該試験紙に検体を供
給する検体通路とを有する上記(1)ないし(10)の
いずれかに記載のチップ。
【0019】(12) 成分測定装置に装着して使用さ
れる上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のチッ
プ。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明者は、従来の問題点を解決
するため、血液を絞り出すための吸引手段を備えた血糖
測定装置を開発し、特許出願した(特願平10−183
794号、特願平10−330057号)。
【0021】これらの血糖測定装置では、まず、チップ
先端に指先を押し当て、この先端開口を気密性を保持す
るように封止する。次に、先端開口から突出する穿刺針
で指先を穿刺した後、この状態で吸引手段を作動させ、
先端開口に指先を吸着し、穿刺部位から血液を吸い出す
ことが行なわれる。
【0022】したがって、効率よく血液を採取するため
には、より確実に指先を先端開口に密着する必要があ
る。
【0023】かかる観点から、本発明者は、チップ先端
に指先が当接する部位を設け、この部位の形状の選択に
より、指先の先端開口への密着性が向上することを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0024】まず、本発明のチップを説明する前に、本
発明のチップを装着して使用する成分測定装置について
説明する。以下、成分測定装置の一例として、血液(検
体)中のブドウ糖量(所定成分)を測定するものについ
て説明する。なお、検体採取部位を指先とする場合につ
いて説明する。
【0025】図1は、本発明のチップを装着して使用す
る成分測定装置の構成を模式的に示す斜視図である。図
2および図3は、それぞれ、成分測定装置が有する穿刺
手段および穿刺手段を内蔵するハウジングの構成を示す
縦断面図、図4は、本発明のチップをハウジングに装着
し、チップの先端に指先を当接しているところを模式的
に示す図である。なお、図1〜図4中、右側を「基
端」、左側を「先端」として説明する。
【0026】図1に示すように、成分測定装置(血糖測
定装置)1は、本体2と、本体2に設置された指当て部
3と、ハウジング5内に収納された穿刺手段4と、ハウ
ジング5の基端側に設けられたチップ退避機構6と、血
液中のブドウ糖の量(血糖値)を測定する測定手段7
と、ハウジング5内を減圧状態とするポンプ8と、電池
9と、回路基板10上に設けられた制御手段11と、表
示部12とを備えている。この成分測定装置1は、本発
明のチップ13を装着して使用する。以下、これらの各
構成要素について説明する。
【0027】本体2は、対向する筐体21と蓋体22と
で構成されている。この本体2は、その内部に収納空間
23が形成されており、この収納空間23内には、前記
の各構成要素4〜12が収納されている。
【0028】筐体21の先端側の壁部211には、筐体
21の内外を貫通して断面形状が円形の開口212が形
成されている。この開口212を介して後述のハウジン
グ5にチップ13が装着(保持)される。
【0029】また、壁部211の先端側の面には、開口
212の外周を囲んで、指先の形状に対応して形成され
た指当て部3が設置されている。この指当て部3の先端
側には、指当て面31が形成されている。指当て部3
(指当て面31)に指先を当接させつつ、成分測定装置
1を作動させる。これにより、指先が穿刺され、採取さ
れた血液中のブドウ糖の量が測定される。
【0030】蓋体22の上面には、蓋体22の内外を貫
通して表示窓(開口)221が形成され、透明な材料で
構成される板状部材で塞がれている。
【0031】この表示窓221に対応する収納空間23
内の位置には、表示部12が設置され、表示窓221を
介して、表示部12で表示される各種情報を確認するこ
とができる。
【0032】表示部12は、例えば、液晶表示素子(L
CD)等で構成されている。この表示部12には、例え
ば、電源のオン/オフ、電源電圧(電池残量)、測定
値、測定日時、エラー表示、操作ガイダンス等を表示す
ることができる。
【0033】また、蓋体22の上面には、操作ボタン2
22が設置されている。成分測定装置1では、この操作
ボタン222を押圧することにより、後述の穿刺手段4
に続き、ポンプ(減圧手段)8が順次あるいはほぼ同時
に作動するよう構成されている。
【0034】表示部12の図1中下側には、回路基板1
0が設置され、この回路基板10上には、マイクロコン
ピュータで構成される制御手段11が搭載されている。
この制御手段11は、成分測定装置1の諸動作を制御す
る。また、この制御手段11は、測定手段7からの信号
に基づいて血液中のブドウ糖量(血糖値)を算出する演
算部を内蔵している。
【0035】回路基板10の図1中左下側には、減圧手
段(吸引手段)として、ポンプ8が設置されている。こ
のポンプ8は、電力により作動するものであり、後述の
ハウジング5に形成された通気路54とチューブ81を
介して連結されている。このチューブ81は、可撓性を
有しており、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、
シリコーンゴム、ポリウレタン等の高分子材料で構成さ
れている。
【0036】このポンプ8は、ハウジング5の内腔部5
2内の空気を吸引、排出することにより、ハウジング5
の内腔部52を減圧状態とする。
【0037】また、ポンプ8は、指先の穿刺部位から血
液を吸い出すことができる程度(例えば、100〜40
0mmHg程度)に、ハウジング5の内腔部52および
指先の穿刺部位を減圧状態とすることができるようなも
のであればよい。
【0038】回路基板10の図1中右下側には、電源と
して電池9が設置されている。この電池9は、ポンプ
8、制御手段11、表示部12等と電気的に接続され、
これらの作動に必要な電力を供給する。
【0039】ポンプ8の図1中手前側には、測定手段7
が設置されている。この測定手段7は、チップ13が備
える試験紙18に展開された血液中のブドウ糖量を光学
的に測定するものであり、その設置位置は、チップ13
をハウジング5に装着、保持した状態で、試験紙18が
位置する側位近傍とされる。
【0040】この測定手段7は、図示しない発光素子
(発光ダイオード)と受光素子(フォトダイオード)と
を有している。
【0041】発光素子は制御手段11と電気的に接続さ
れ、受光素子は、図示しない増幅器およびA/D変換器
を介して制御手段11と電気的に接続されている。
【0042】発光素子は、制御手段11からの信号によ
り作動し、光を発する。この光は、所定の時間間隔で間
欠的に発光するパルス光であるのが好ましい。
【0043】チップ13をハウジング5に装着した状態
で、発光素子を点灯させると、発光素子から発せられた
光は試験紙18に照射され、その反射光は、受光素子に
受光され、光電変換される。受光素子からは、その受光
光量に応じたアナログ信号が出力され、所望に増幅され
た後、A/D変換器にてデジタル信号に変換され、制御
手段11に入力される。
【0044】制御手段11では、入力された信号に基づ
き、所定の演算処理を行い、また、必要に応じ補正計算
を行って、血液中のブドウ糖の量(血糖値)を求める。
求められた血糖値は、表示部12に表示される。
【0045】測定手段7の図1中手前側には、穿刺手段
4を内蔵するハウジング5とハウジング5の基端側に連
結して設けられたチップ退避機構6とが設置されてい
る。
【0046】チップ退避機構6は、筐体21に固着さ
れ、一方、ハウジング5は、筐体21には、固着され
ず、チップ退避機構6により、その軸方向(図1中左右
の方向)に移動可能とされている。
【0047】ハウジング5は、図2および図3に示すよ
うに、壁部51を底部とする有底筒状の部材で構成さ
れ、その内部には、内腔部52が形成されている。ま
た、ハウジング5の先端側は、その内径がチップ13の
外周の形状に対応して縮径した嵌合部53が形成されて
いる。この嵌合部53にチップ13が挿入され、嵌合
(固定)される。なお、図2および図3では、説明の理
解を容易にするために、チップ13の構造を簡略化して
示した。
【0048】ハウジング5の側部には、内腔部52と外
部とを連通する通気路54が形成され、この通気路54
は、チューブ81を介してポンプ8に接続されている。
内腔部52内の空気は、通気路54を介してポンプ8に
より吸引され、内腔部52は、減圧状態とされる。
【0049】壁部51には、そのほぼ中央部に孔511
が形成されている。この孔511には、内部にオリフィ
ス(通路)651が形成された細管65が設置されてい
る。このオリフィス651を介して、細管65の両側に
設けられた内腔部52と後述の容積可変室631との間
を空気が流通する。
【0050】ハウジング5の先端には、リング状のシー
ルリング(封止部材)55が嵌合されている。これによ
り、チップ13をハウジング5に装着すると、チップ1
3のフランジ164の基端とシールリング55とが当接
し、内腔部52の気密性が保持される。
【0051】このシールリング55は、弾性体で構成さ
れている。このような弾性体としては、例えば、天然ゴ
ム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタ
ジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチル
ゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒド
リンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム
のような各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン
系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル
系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、フッ素ゴム系等
の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0052】ハウジング5は、その基端部外周に、外側
に向かって突出するリング状のフランジ56が形成さ
れ、また、その基端には、円筒状の凸部59が形成され
ている。
【0053】このようなハウジング5の嵌合部53より
基端側の内腔部52内には、穿刺手段4が収納されてい
る。この穿刺手段4は、それに装着される穿刺針14を
先端方向へ移動させ、針体141の針先(刃先)により
指先の表面を穿刺する。
【0054】穿刺手段4は、プランジャ41と、プラン
ジャ41を先端方向へ付勢するコイルバネ(付勢部材)
42と、プランジャ41を基端方向へ付勢するコイルバ
ネ(付勢部材)43とを有している。
【0055】プランジャ41の先端部には、カップ状の
針ホルダ411が設けられている。この針ホルダ411
には、穿刺針14の縮径部143が着脱自在に嵌合され
る。また、プランジャ41の基端部には、先端に突起状
の係止部413を有する弾性変形可能な弾性片412が
設けられている。
【0056】チップ13をハウジング5に装着する前の
状態、すなわち、穿刺針14をプランジャ41に装着す
る前の状態(図2参照)では、係止部413は、弾性片
412の弾性力により図2中上方向へ付勢されてハウジ
ング5の内周面に当接している。一方、チップ13をハ
ウジング5に装着した状態、すなわち、穿刺針14をプ
ランジャ41に装着した状態(図3参照)では、係止部
413は、ハウジング5の内外を貫通するように形成さ
れた開口57内に挿入され、その縁部に係止する。これ
により、プランジャ41の先端方向への移動が規制され
る。なお、開口57は、平板状のシール部材(封止部
材)58で塞がれ、内腔部52の気密性が保持されてい
る。このシール部材58は、前記シールリング55と同
様の材料で構成することができる。
【0057】コイルバネ(穿刺用バネ)42は、プラン
ジャ41の基端側に設置され、その両端は、それぞれ、
プランジャ41および壁部51に当接している。一方、
コイルバネ(押し戻し用バネ)43は、プランジャ41
の先端側に設置され、その両端は、それぞれ、プランジ
ャ41および嵌合部53に当接している。
【0058】また、図2および図3に示すように、ハウ
ジング5の外部には、係止部413を内腔部52内に向
かって(図中矢印方向へ)移動させることができる係止
解除部材223が設けられている。この係止解除部材2
23は、前述の操作ボタン222の押圧に連動して移動
する。
【0059】係止部413が開口57に係止している状
態では、コイルバネ42は、圧縮状態とされ、プランジ
ャ41を先端方向へ付勢する。操作ボタン222を押圧
し、係止解除部材223を、図中矢印方向へ移動させ、
係止部413の係止状態を解除すると、コイルバネ42
は、伸張してプランジャ41を先端方向へ移動させ、針
体141の針先(刃先)が指先の表面(皮膚)を穿刺す
る。
【0060】一方、このとき、コイルバネ43は、圧縮
され、プランジャ41を基端方向へ付勢、すなわち、プ
ランジャ41を基端方向へ押し戻そうとする。その後、
プランジャ41は、減衰運動し、コイルバネ42の弾性
力とコイルバネ43の弾性力とが釣り合う位置で静止す
る。
【0061】なお、プランジャ41が静止した状態で
は、針体141の針先は、チップ13内に収納されてい
る。
【0062】図4に示すように、ハウジング5の基端側
には、チップ退避機構6が設けられている。なお、図4
では、チップ13の構造を簡略化して示した。
【0063】チップ退避機構6は、ハウジング5および
それに装着されたチップ13を指先F1から離間する方
向(基端方向)へ移動させるものである。
【0064】このチップ退避機構6は、本体部61を有
し、この本体部61内には、ハウジング5の前記のフラ
ンジ56より基端側部分と凸部59とが収納されてい
る。
【0065】また、この本体部61の内部には、気密性
を有する容積可変室(減圧室)631が形成されてい
る。
【0066】前述したように、この容積可変室631と
ハウジング5の内腔部52とは、空気の通過抵抗が大き
いオリフィス651を介して連通している。
【0067】このようなチップ退避機構6では、チップ
13をハウジング5に装着し、チップ13の先端に指先
F1を当接し、チップ13の先端開口162を封止した
状態で、ポンプ8を作動させると、まず、内腔部52が
減圧状態とされ、オリフィス651を介して、容積可変
室631内の空気が内腔部52内へ流入し、容積可変室
631の減圧が開始される。オリフィス651の空気の
通過抵抗が高いことから、容積可変室631の容積が徐
々に減少し、ハウジング5およびそれに装着されたチッ
プ13が指先F1から離間する方向へ徐々に移動する。
【0068】このようなチップ退避機構6を設けること
により、穿刺部位から血液がより確実かつ迅速に吸い出
される。
【0069】なお、成分測定装置1では、このようなチ
ップ退避機構6を必要に応じて、省略することができ
る。
【0070】以下、本発明のチップを添付図面に示す好
適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0071】図5は、チップの第1実施形態の構成を示
す縦断面図、図6は、チップの第1実施形態の先端側の
構成を示す拡大図、図7は、チップの第1実施形態を示
す正面図、図8は、試験紙固定部付近の構成を示す拡大
図である。なお、図5および図6中、右側を「基端」、
左側を「先端」として説明する。
【0072】図5に示すように、本実施形態のチップ1
3は、穿刺針14と、穿刺針14を摺動可能に収納する
針ハウジング15と、針ハウジング15の外周部に設置
されたチップ本体16と、チップ本体16の外周部に設
置された試験紙固定部17と、試験紙固定部17に固定
された試験紙18とで構成されている。
【0073】穿刺針14は、針体141と、針体141
の基端側に固着されたハブ142とで構成され、針ハウ
ジング15の内腔部152内に収納されている。
【0074】針体141は、例えば、ステンレス、アル
ミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等の
金属材料よりなる中空部材または中実部材で構成され、
その先端には、鋭利な針先(刃先)が形成されている。
この針先により、指先の表面(皮膚)が穿刺される。
【0075】また、ハブ142は、ほぼ円柱状の部材で
構成され、その外周部が針ハウジング15の内周面15
1に当接しつつ摺動する。
【0076】このハブ142の基端部には、縮径した縮
径部143が形成されている。この縮径部143は、プ
ランジャ41の針ホルダ411と嵌合する。
【0077】針ハウジング15は、壁部153を底部と
する有底筒状の部材で構成され、その内部には内腔部1
52が形成されている。
【0078】壁部153のほぼ中央部には、断面形状が
円形の孔154が形成されている。指先F1の穿刺に際
し、針体141の針先は、孔154および後述のチップ
本体16の内腔部161を通過する。また、孔154の
孔径は、ハブ142の先端外径より小さく設定されてい
る。このため、穿刺針14が内腔部152の先端方向へ
移動し、ハブ142の先端と壁部153の基端とが当接
すると、それ以上、穿刺針14が先端方向へ移動するこ
とが防止される。
【0079】これにより、針体141の針先は、後述の
当接部163の先端付近またはそれを越える位置まで移
動すると、それ以上、先端方向への移動が規制される。
すなわち、針体141の針先は、後述の当接部163の
先端付近またはそれを越える位置まで移動可能に設定さ
れている。
【0080】よって、針体141は、指先F1の穿刺に
際し、チップ13の先端からの突出長さが一定に保た
れ、針体141の針先が指先F1を必要以上に深く穿刺
してしまうことをより確実に防止することができる。
【0081】また、前記のプランジャ41の移動距離を
調節する機構を設け、これにより、針体141の針先に
よる指先F1の穿刺深さを調節するようにしてもよい。
【0082】内周面151の基端側には、内側に向かっ
て突出するリング状の凸部155が形成されており、こ
の凸部155にハブ142の外周部が係止、固定されて
いる。なお、この状態で、針体141の針先が孔154
から突出しないよう設定されている。この凸部155と
ハブ142との固定力は、穿刺針14を針ホルダ411
に支障なく装着することができ、かつ、穿刺手段4を作
動させたとき、凸部155とハブ142との固定が容易
に解除する程度とされる。
【0083】なお、ハブ142と針ハウジング15との
固定方法としては、これに限定されず、例えば、内周面
151および/またはハブ142の外周部に係止手段を
設けたり、内周面151とハブ142の外周部との摩擦
力を利用(使用)したり、内周面151とハブ142と
を弱接着あるいは弱融着したりするもの等であってもよ
い。
【0084】針ハウジング15の外周部には、チップ本
体16が固着されている。チップ本体16は、ほぼ円筒
状の部材で構成され、その内部には、内腔部161が形
成されている。
【0085】また、チップ本体16の先端には、円環状
(リング状)のような環状を呈し、先端方向に向かって
突出した当接部163が形成されている。この当接部1
63は、指先F1を押し当てる部位であり、その先端に
は、内腔部161が開放する先端開口(開口)162が
形成されている。
【0086】このチップ13は、先端開口162を指先
F1で塞いだ状態で、ポンプ8により内腔部161を減
圧し、指先F1を先端開口162に吸着して使用する。
【0087】当接部163は、その内側に内壁面163
aと、その外側に外壁面163bとを有している。内壁
面163aは、チップ本体16の中心軸900に対し
て、ほぼ平行となるように形成されている。一方、外壁
面163bは、所定角度で基端から先端に向かって、中
心軸900に近づいていくように傾斜して形成されてい
る。すなわち、外壁面163bは、テーパ状をなしてい
る。これらの内壁面163aと外壁面163bにより、
当接部163は、その厚さが基端から先端に向かって漸
減し、先端において実質的に0に近づくよう(好ましく
は0.5mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下)
に形成されている。すなわち、当接部163は、その先
端が尖っている。
【0088】当接部163の先端を、このような形状と
することにより、指先F1と先端開口162との密着性
が向上する。また、内腔部161を減圧状態としたと
き、当接部163の先端(先端開口162)と指先F1
の表面との間から空気が流入することを抑制することが
できるため、指先F1を先端開口162により確実に吸
着することができる。
【0089】さらに、指先F1と先端開口162との密
着性が高いので、前記のチップ退避機構6を作動させ、
チップ13を指先F1から離間する方向へ移動させた場
合でも、指先F1が先端開口162から外れてしまうの
を防止することができる。このため、穿刺部位から吸い
出された血液が飛散し、周囲を汚染するのをより確実に
防止することができ、安全性が高い。
【0090】このような指先F1と先端開口162との
密着性に着目した場合、当接部163の先端付近におけ
る内壁面163aと外壁面163bとのなす角度(図5
中、先端角度θ)としては、先端での肉薄形状を形成で
きればよく、0.5〜60°程度であるのが好ましく、
5〜55°程度であるのがより好ましい。先端角度θを
前記の範囲内とすることにより、前述した効果がより一
層、顕著に発揮される。
【0091】また、先端開口162は、大きな程、指先
F1のうっ血する範囲が広くなるため、より短時間で充
分な量の血液を得ることが可能であるが、指先F1から
の採血を考えた場合、その開口面積としては、10〜5
0mm2程度であるのが好ましく、12〜40mm2程度
であるのがより好ましい。また、開口面積を前記の範囲
内とすることにより、指先F1と先端開口162との密
着性を向上することもできる。
【0092】また、このような当接部163の先端形状
は、指先F1を押し当てたときに穿刺周辺部を刺激し穿
刺時の痛みを和らげる機能も有するものである。
【0093】チップ本体16の先端部外周には、チップ
13をハウジング5に装着したとき、ハウジング5に対
する位置を規定するためのリング状に突出したフランジ
164が形成されており、図5に示すように、当接部1
63の先端は、このフランジ164の先端面から先端方
向に向かって突出するよう形成されている。
【0094】また、チップ13を成分測定装置1(ハウ
ジング5)に装着した状態では、当接部163の先端
は、指当て面31とほぼ同じ位置か、もしくは、指当て
面31から若干突出している(図4参照)。このため、
成分測定装置1の指当て部3に指先F1を当接すると、
指先F1の表面は、確実に当接部163の先端に当接
し、先端開口162を塞ぐことができる。
【0095】また、この状態では、指先F1の当接部1
63の先端が当接する外周直近の部位F2は、フランジ
164の先端面に触れていないため、この部位F2付近
の毛細血管は、圧迫されず、血流を止めてしまうことが
防止される。よって、十分な血液量が確保され、精度の
良い測定ができる。
【0096】このような当接部163の高さ、すなわ
ち、当接部163の先端から基端までの長さとしては、
特に限定されないが、例えば、0.1〜5mm程度であ
るのが好ましく、0.3〜3mm程度であるのがより好
ましい。
【0097】なお、図示の構成では、当接部163の厚
さの減少率は、ほぼ一定であるが、これに限定されず、
例えば、軸方向の途中で変化しているもの等であっても
よい。
【0098】また、当接部163の形状は、その少なく
とも先端部の厚さが漸減し、先端が尖るよう形成されて
いればよく、図示のものに限定されず、例えば、基端か
ら先端に向かって所定距離(所定長さ)、厚みがほぼ一
定で、先端部において厚さが漸減するもの、あるいは、
基端から先端に向かって所定距離、厚みが漸増し、先端
部において厚さが漸減するもの等であってもよい。
【0099】チップ本体16の外周部には、凹部165
が形成され、この凹部165には、円盤状の試験紙18
が設置された試験紙固定部17が装着されている。
【0100】また、チップ本体16、試験紙固定部17
を経て、チップ本体16の内腔部161と外部とを連通
する血液通路(検体通路)19が形成されている。この
血液通路19は、穿刺により得られた血液を試験紙18
へ導くための流路であり、内腔部161へ開放する通路
開口191とチップ13の外部へ開放する通路開口19
2とを有している。なお、通路開口192は、試験紙1
8の中心部付近に位置している。
【0101】血液通路19は、図6に示すように、通路
開口191からチップ本体16の外側に向かって延在す
る通路19aと、通路19aに連続し、チップ本体16
の中心軸900に対してほぼ平行に基端側へ向かって延
在する通路19bと、通路19bに連続し、チップ本体
16の外側に向かって通路開口192まで延在する通路
19cとで構成されている。これらの通路19aおよび
19cは、それぞれ、通路19bとほほ直交するよう接
続されている。
【0102】このような血液通路19は、例えば、チッ
プ本体16および試験紙固定部17を成形、加工し、接
合することにより形成することができる。
【0103】血液通路19は、その断面形状がほぼ長方
形に形成され、その厚さは、例えば、0.05〜0.5
mm程度であるのが好ましく、その幅は、例えば、0.
5〜3mm程度であるのが好ましい。なお、血液通路1
9の形状は、測定に必要とする血液量(検体量)により
適宜選択することができ、その内部への血液残存量を少
なくできるよう設計されていればよく、その断面形状
は、例えば、管状、U字状、V字状等としてもよい。
【0104】ところで、チップ13をハウジング5に装
着した状態で、試験紙18は、測定手段7の側位近傍に
位置するようにチップ本体16に設置されている。すな
わち、成分測定装置1内における測定手段7の設置位置
により、試験紙18のチップ13に対する相対的な位置
が設定され、これに伴って血液通路19の長さも設定さ
れる。このため、血液通路19の長さは、成分測定装置
1における測定手段7の設置位置により適宜選択され、
特に限定されないが、通常、5〜15mm程度とするの
が好ましい。血液通路19の長さを前記の範囲内にする
ことにより、より迅速かつ確実に試験紙18に血液を導
くことができる。
【0105】チップ本体16の内周面には、内腔部16
1に向かって突出する血液導入ガイド166が形成され
ている。この血液導入ガイド166は、指先F1の穿刺
後、穿刺部位上に粒状に内腔部161に向かって隆起し
た血液に接触し、この血液を受け止める(導入する)機
能を有するものである。
【0106】この血液導入ガイド166は、図7に示す
ように、一対の壁部166a、166bと先端壁部16
6cとで構成され、通路開口191の3方向を囲むよう
に形成されている。このため、血液導入ガイド166で
受け止められた血液は、効率よく通路開口191から血
液通路19内に導かれる。
【0107】さらに、壁部166aと166bとは、そ
れらの対向する面が、チップ本体16の中心軸900に
近づくにしたがって離間していくように形成されてい
る。すなわち、壁部166aと166bとがハの字状に
開くように形成されている。血液導入ガイド166をこ
のような構成にすることにより、血液をより確実に受け
止め、血液通路19内へより確実かつ迅速に導くことが
できる。
【0108】このような血液導入ガイド166の壁部1
66a、壁部166bおよび先端壁部166cで画成さ
れる空間の大きさは、その幅(図7中、上下方向の長
さ)を1〜3mm程度、高さ(図7中、横方向の長さ)
を0.5〜3mm程度、長さ(図7中、紙面に垂直な方
向の長さ)を1〜3mm程度とするのが好ましい。
【0109】なお、血液導入ガイド166の形状は、血
液を確実に受け止め、血液通路19内へ確実かつ迅速に
導くことができるものであれば、図示のものに限定され
ず、例えば、壁部166aと166bとがほぼ平行とな
るように形成されたもの、あるいは、基端壁部を設け、
通路開口191の4方向を囲むように形成されたもの等
であってもよい。
【0110】試験紙固定部17の下面には、通路19a
内に向かって突出する突起部171が形成されている。
この突起部171を設けることにより、血液通路19内
でのメニスカスの発生を低減することができる。また、
試験紙18には、その中心部付近に、通路19c内に向
かって突出する突起部181が形成されており、前記の
突起部171と同様の効果を生ずる。これにより、血液
をより迅速かつ確実に試験紙18に導くことができる。
【0111】図6および図8に示すように、試験紙固定
部17の上面には、試験紙18の形状に対応した凹部1
72が形成されている。また、凹部172の底面には、
通路開口192の外周を囲むように立設した台座部17
3と、この台座部173を中心に、立設した複数(本実
施形態では、90°間隔で4個)の台座部175とが形
成され、これらの台座部173、175に、試験紙18
が、例えば融着または接着剤による接着等の方法により
固定されている。
【0112】試験紙18を試験紙固定部17に設置した
状態で、試験紙18の外周縁部と凹部172の内周面と
の間、および、試験紙18の下面と凹部172の底面と
の間には、間隙179が形成されている。
【0113】また、台座部173には、血液通路19に
連通する溝174が形成されている。図示の構成では、
溝174の形状は、十文字状をなしている。この溝17
4の外側端部は、それぞれ台座部173の外周面に開放
している。すなわち、この溝174を介して血液通路1
9と間隙179とは、連通している。
【0114】このような溝174および間隙179は、
血液通路19の空気抜きとして機能し、血液が血液通路
19の途中で止まってしまうのを防止することができ
る。
【0115】また、間隙179は、試験紙18上での血
液の展開を補助(促進)する機能を有している。すなわ
ち、血液通路19を通過した血液が通路開口192から
溝174を介して外周方向へ広がり、試験紙18上に供
給、放射状に展開されるので、試験紙18上での血液の
展開を迅速かつ均一に行うことができる。
【0116】以上のようなハブ142、針ハウジング1
5、チップ本体16および試験紙固定部17は、好まし
くは樹脂材料で構成されている。この樹脂材料として
は、例えば、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン樹脂、ポリフェニレンオキサイド、熱可塑
性ポリウレタン、ポリメチレンメタクリレート、ポリオ
キシエチレン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリア
ミド、アセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート等の射出成形で用いられる熱可塑性樹脂
や、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、
不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
チップ本体16および試験紙固定部17は、これらの中
でも、血液を迅速に導入、展開するのに特に適したもの
として、アクリル樹脂等の親水性の高い樹脂または親水
化処理されたもので構成されているのが好ましい。
【0117】親水化処理としては、例えば、オゾン処
理、プラズマ処理、グロー放電、コロナ放電、紫外線照
射等の物理活性化処理や、界面活性剤、水溶性シリコ
ン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール等の付与(塗布)等
により行うことができる。
【0118】試験紙18は、円盤状の部材で構成され、
前述したように、その中心部付近には、突起部181が
形成されている。この突起部181の先端は、血液通路
19(通路19c)内に向かって突出している。これに
より、試験紙18をさらに安定的に試験紙固定部17に
支持、固定することができ、また、試験紙18の変形
(湾曲、歪み、波打ち等)により、血液の均一な展開を
妨げることも防止される。
【0119】なお、試験紙18の平面視での形状は、図
示のような円形(円盤状)のものに限定されることはな
く、例えば、楕円形、正方形、長方形、菱形等の四角
形、三角形、六角形、八角形等、必要に応じ適宜選択し
て用いることができる。
【0120】円盤状の試験紙18の場合、試験紙18の
外径は、3〜8mm程度が好ましく、また、試験紙18
の厚さは、0.05〜0.4mm程度が好ましい。
【0121】このような試験紙18は、血液(検体)を
吸収・展開可能な担体に、試薬を担持させたものであ
る。
【0122】担体としては、例えば、不織布、織布、延
伸処理したシート等のシート状多孔質体が挙げられる。
この多孔質体は、親水性を有するものが好ましい。
【0123】担体に担持される試薬は、検体中の測定す
べき成分により、適宜決定される。例えば、血糖値測定
用の場合、グルコースオキシターゼ(GOD)と、ペル
オキシターゼ(POD)と、例えば4−アミノアンチピ
リン、N−エチルN−(2−ヒドロキシ−3−スルホプ
ロピル)−m−トルイジンのような発色剤(発色試薬)
とが挙げられ、その他、測定成分に応じて、例えばアス
コルビン酸オキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、コ
レステロールオキシダーゼ等の血液成分と反応するもの
と、前記と同様の発色剤(発色試薬)とが挙げられる。
また、さらにリン酸緩衝液のような緩衝剤が含まれてい
てもよい。なお、試薬の種類、成分については、これら
に限定されないことは言うまでもない。
【0124】次に、本発明のチップの第2実施形態につ
いて説明する。図9は、第2実施形態のチップの構成を
示す縦断面図である。
【0125】以下、図9に示す第2実施形態のチップに
ついて、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、
同様の事項については、その説明を省略する。また、以
下の説明では、図9中の右側を「基端」、左側を「先
端」という。
【0126】第2実施形態のチップでは、当接部163
の形状が異なっている。すなわち、外壁面163bは、
チップ本体16の中心軸900に対して、ほぼ平行とな
るように形成されている。一方、内壁面163aは、所
定角度で基端から先端に向かって、中心軸900から離
れていくよう傾斜して形成されている。すなわち、内壁
面163aは、テーパ状をなしている。これらの内壁面
163aと外壁面163bにより、当接部163は、そ
の厚さが基端から先端に向かって漸減し、先端において
尖るように形成されている。
【0127】このような構成とすることによっても、前
述した第1実施形態のチップと同様の効果が得られる。
【0128】次に、本発明のチップの第3実施形態につ
いて説明する。図10は、第3実施形態のチップの構成
を示す縦断面図である。
【0129】以下、図10に示す第3実施形態のチップ
について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明
し、同様の事項については、その説明を省略する。ま
た、以下の説明では、図10中の右側を「基端」、左側
を「先端」という。
【0130】第3実施形態のチップでは、当接部163
の形状が異なっている。すなわち、内壁面163aは、
所定角度で基端から先端に向かって、中心軸900から
離れていくよう傾斜して形成されている。一方、外壁面
163bは、所定角度で基端から先端に向かって中心軸
900に近づいていくよう傾斜して形成されている。す
なわち、内壁面163aと外壁面163bとは、互いに
基端から先端に向かって近づくようなテーパ状に形成さ
れている。
【0131】これにより、当接部163は、その厚さが
基端から先端に向かって漸減し、先端において尖るよう
に形成されている。
【0132】このような構成とすることによっても、前
述した第1実施形態のチップと同様の効果が得られる。
【0133】次に、本発明のチップの第4実施形態につ
いて説明する。図11は、第4実施形態のチップの構成
を示す縦断面図である。
【0134】以下、図11に示す第4実施形態のチップ
について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明
し、同様の事項については、その説明を省略する。ま
た、以下の説明では、図11中の右側を「基端」、左側
を「先端」という。
【0135】第4実施形態のチップでは、当接部163
の形状が異なっている。すなわち、内壁面163aおよ
び外壁面163bは、それぞれ、所定角度で基端から先
端に向かって、チップ本体16の中心軸900に近づい
ていくよう傾斜して形成されている。すなわち、内壁面
163aおよび外壁面163bは、それぞれ、テーパ状
に形成されている。また、外壁面163bと中心軸90
0とのなす角度が、内壁面163aと中心軸900との
なす角度より大きく設定されている。これにより、当接
部163は、その厚さが基端から先端に向かって漸減
し、先端において尖るように形成されている。
【0136】このような構成とすることによっても、前
述した第1実施形態のチップと同様の効果が得られる。
【0137】また、このような構成のチップでは、チッ
プ本体16の内腔部161の径より、先端開口162の
径を小さく設定できる利点を有する。したがって、この
ような構成のチップは、例えば、小児等に用いる場合に
適している。
【0138】次に、本発明のチップの第5実施形態につ
いて説明する。図12は、第5実施形態のチップの構成
を示す縦断面図である。
【0139】以下、図12に示す第5実施形態のチップ
について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明
し、同様の事項については、その説明を省略する。ま
た、以下の説明では、図12中の右側を「基端」、左側
を「先端」という。
【0140】第5実施形態のチップでは、当接部163
の形状が異なっている。すなわち、内壁面163aおよ
び外壁面163bは、それぞれ、所定角度で基端から先
端に向かって、チップ本体16の中心軸900から遠ざ
かるよう傾斜して形成されている。すなわち、内壁面1
63aおよび外壁面163bは、それぞれ、テーパ状に
形成されている。また、内壁面163aと中心軸900
とのなす角度が、外壁面163bと中心軸900とのな
す角度より大きく設定されている。これにより、当接部
163は、その厚さが基端から先端に向かって漸減し、
先端において尖るように形成されている。
【0141】このような構成とすることによっても、前
述した第1実施形態のチップと同様の効果が得られる。
【0142】また、このような構成のチップでは、チッ
プ本体16の内腔部161の径より、先端開口162の
径を大きく設定できる利点を有する。したがって、この
ような構成のチップは、例えば、耳たぶ、腹部等の指先
以外の検体採取部位に用いる場合に適している。
【0143】以上、本発明のチップを図示の各実施形態
に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定される
ものではなく、例えば、各部の構成は、同様の機能を発
揮し得る任意の構成と置換することができる。
【0144】検体としては、血液を挙げて説明したが、
これに限られず、その他、例えば尿、リンパ液、髄液、
胆汁、唾液等の体液またはその希釈液、濃縮液であって
もよい。
【0145】また、検体採取部位は、指先を代表して説
明したが、これに限定されるものではない。
【0146】また、測定目的とする成分は、ブドウ糖
(血糖値)に限らず、例えば、タンパク、コレステロー
ル、尿酸、クレアチニン、アルコール、ナトリウム等の
無機イオン、ヘモグロビン(潜血)等であってもよい。
【0147】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、例
えば、検体採取部位を指先とする場合、指先との密着性
が向上し、また、血流を止めてしまうことを防止できる
ので、血液をより確実に採取できる。
【0148】また、当接部の先端を尖るように形成する
ことにより、指先との密着性が向上し、上記の効果がよ
り顕著に発揮される。
【0149】このようなチップでは、その内腔部を減圧
状態にして使用した場合、指先をより確実に吸着するこ
とができ、より確実かつ迅速に血液(検体)を採取する
ことができる。
【0150】また、チップに穿刺針および試験紙を設け
た場合には、穿刺、血液の採取および試験紙への展開、
測定(成分の定量化)を連続的に行うことができ、成分
測定を容易かつ短時間で行うことができる。
【0151】また、使用に際して、例えば成分測定装置
への装着操作(準備操作)が容易であるため、定期的に
使用する場合や繰り返し使用する場合にも有利である。
【0152】以上のことから、本発明のチップは、患者
自身が自己の血糖値等を測定する際に使用するのにも適
しており、高精度の測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチップを装着して使用する成分測定装
置の構成を模式的に示す斜視図である。
【図2】成分測定装置が有する穿刺手段および穿刺手段
を内蔵するハウジングの構成を示す縦断面図(チップを
ハウジングに装着する前の状態)である。
【図3】成分測定装置が有する穿刺手段および穿刺手段
を内蔵するハウジングの構成を示す縦断面図(チップを
ハウジングに装着した状態)である。
【図4】本発明のチップをハウジングに装着し、チップ
の先端に指先を当接しているところを模式的に示す図で
ある。
【図5】チップの第1実施形態の構成を示す縦断面図で
ある。
【図6】チップの第1実施形態の先端側の構成を示す拡
大図である。
【図7】チップの第1実施形態を示す正面図である。
【図8】試験紙固定部付近の構成を示す拡大図である。
【図9】チップの第2実施形態の構成を示す縦断面図で
ある。
【図10】チップの第3実施形態の構成を示す縦断面図
である。
【図11】チップの第4実施形態の構成を示す縦断面図
である。
【図12】チップの第5実施形態の構成を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
1 成分測定装置 2 本体 21 筐体 211 壁部 212 開口 22 蓋体 221 表示窓 222 操作ボタン 223 係止解除部材 23 収納空間 3 指当て部 31 指当て面 4 穿刺手段 41 プランジャ 411 針ホルダ 412 弾性片 413 係止部 42 コイルバネ 43 コイルバネ 5 ハウジング 51 壁部 511 孔 52 内腔部 53 嵌合部 54 通気路 55 シールリング 56 フランジ 57 開口 58 シール部材 59 凸部 6 チップ退避機構 61 本体部 631 容積可変室 65 細管 651 オリフィス 7 測定手段 8 ポンプ 81 チューブ 9 電池 10 回路基板 11 制御手段 12 表示部 13 チップ 14 穿刺針 141 針体 142 ハブ 143 縮径部 15 針ハウジング 151 内周面 152 内腔部 153 壁部 154 孔 155 凸部 16 チップ本体 161 内腔部 162 先端開口 163 当接部 163a 内壁面 163b 外壁面 164 フランジ 165 凹部 166 血液導入ガイド 166a 壁部 166b 壁部 166c 先端壁部 17 試験紙固定部 171 突起部 172 凹部 173 台座部 174 溝 175 台座部 179 間隙 18 試験紙 181 突起部 19 血液通路 19a 通路 19b 通路 19c 通路 191 通路開口 192 通路開口 900 中心軸 F1 指先 F2 部位
フロントページの続き (72)発明者 滝浪 雅夫 神奈川県足柄上群中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 Fターム(参考) 4C038 KK10 KL01 KL07 KM00 KY04 TA06 UJ06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内腔部を有するチップ本体と、 前記チップ本体の先端に形成され、検体採取部位が当接
    する環状に突出した当接部とを有するチップであって、 前記当接部の少なくとも先端部は、その厚さが基端から
    先端に向かって漸減するよう構成されていることを特徴
    とするチップ。
  2. 【請求項2】 前記当接部の先端は、尖っている請求項
    1に記載のチップ。
  3. 【請求項3】 前記当接部は、その内側に内壁面と、そ
    の外側に外壁面とを有し、 前記内壁面および/または前記外壁面がテーパ状をなす
    ことにより、前記当接部の厚さが変化する請求項1また
    は2に記載のチップ。
  4. 【請求項4】 前記当接部の先端付近における前記内壁
    面と前記外壁面とのなす角度は、0.5〜60°である
    請求項3に記載のチップ。
  5. 【請求項5】 前記チップ本体は、その先端部外周にフ
    ランジを有し、 前記当接部の先端は、前記フランジの先端面から先端方
    向に向かって突出している請求項1ないし4のいずれか
    に記載のチップ。
  6. 【請求項6】 前記当接部の高さは、0.1〜5mmで
    ある請求項1ないし5のいずれかに記載のチップ。
  7. 【請求項7】 前記当接部は、その先端に前記内腔部が
    開放するよう形成された開口を有し、 該開口を前記検体採取部位で塞いだ状態で、前記内腔部
    を減圧することにより、前記検体採取部位を前記開口に
    吸着して使用される請求項1ないし6のいずれかに記載
    のチップ。
  8. 【請求項8】 前記開口の開口面積は、10〜50mm
    2である請求項7に記載のチップ。
  9. 【請求項9】 針先が前記内腔部を通過して、前記検体
    採取部位を穿刺する穿刺針を有する請求項1ないし8の
    いずれかに記載のチップ。
  10. 【請求項10】 前記針先は、前記当接部の先端付近ま
    たはそれを越える位置まで移動可能である請求項9に記
    載のチップ。
  11. 【請求項11】 試験紙と、該試験紙に検体を供給する
    検体通路とを有する請求項1ないし10のいずれかに記
    載のチップ。
  12. 【請求項12】 成分測定装置に装着して使用される請
    求項1ないし11のいずれかに記載のチップ。
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