JP2001313042A

JP2001313042A - アルカリ乾電池

Info

Publication number: JP2001313042A
Application number: JP2000128415A
Authority: JP
Inventors: Nobunaga Yonekawa; 信修米川; Kenji Yamanoguchi; 謙二山之口
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 2000-04-27
Filing date: 2000-04-27
Publication date: 2001-11-09

Abstract

(57)【要約】【課題】封口体のクラックにより負極集電棒と封口体
との密着性が損なわれることのない、耐漏液性に優れた
アルカリ乾電池を提供することを目的とする。【解決手段】発電要素を収容した正極ケース１の開口
部を封口する樹脂製封口体５、および前記封口体の中央
筒部１０の貫通孔に圧入された負極集電棒６を具備し、
前記封口体の中央筒部１０の負極集電棒６と接する部分
に環状の凹部１０ａを設ける。または負極集電棒６の筒
部１０と接する部分に環状の凹部６ａを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ乾電池の
封口部の改良に関するもので、特に正極ケースの開口部
を封口する樹脂製封口体と負極集電棒とを組み合わせた
封口部材の改良にに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、ビデオカメラや小型液晶テレビな
どの電子機器の高性能化、および小型軽量化が目ざまし
く、これらの電子機器の電源となる電池の高容量化への
要求が強まって来ている。こうした用途の電池として、
マンガン乾電池に代わって、より大きな容量が得られる
ものとしてアルカリ乾電池が多用されるようになってき
ている。そのため、いかなる使用条件下においても、高
い信頼性や安全性を維持できるアルカリ乾電池が強く求
められている。特にアルカリ乾電池は、電解液として高
濃度のアルカリ性水溶液を使用しているため、万一漏液
すると、機器だけでなく人体に対しても重大な損傷を与
える危険性があるので、耐漏液特性はアルカリ乾電池に
求められる最も重要な特性の一つである。

【０００３】以下にこれまでのアルカリ乾電池の構造を
図を用いて説明する。図１はアルカリ乾電池の代表的構
造を示す図であり、図６はその要部の拡大断面図であ
る。正極合剤２、セパレータ４、およびゲル状負極３を
収容した正極ケース１の開口部は、樹脂製封口体５によ
り封口されている。封口体５は、中央の筒部１０に負極
集電棒６を保持している。負極集電棒６の頂部には負極
端子板８が溶接により接合されている。そして、封口体
５の中央筒部１０の外周に嵌合させた金属ワッシャー７
および負極端子板８の周縁部と正極ケース１の開口端と
により封口体５の外周筒部１１の端部を締め付けてケー
ス１を密封した構造となっている。封口体５は、筒部１
０の近傍に肉薄部１２を設け、電池内部の圧力が異常に
上昇したとき肉薄部１２を破り、金属ワッシャー７およ
び負極端子板８に設けたガス抜き孔７ａおよび８ａから
ガスを外部に逸散させる安全機構を有する。

【０００４】一般に、アルカリ乾電池に用いられている
か性カリ電解液は、クリープ性が大きいために、封口部
材間の封口強度が弱いと、電池保存中に封口部材間から
漏液し、電池として使用できなくなる。従って耐漏液特
性を向上させるために樹脂封口体５と負極端子板８との
間に金属ワッシャー７を設置して、封口部材間の密着性
を向上させている。また、封口体５とその筒部１０の貫
通孔に挿入された負極集電棒６との隙間からの漏液を防
止するため、貫通孔の径を集電棒６の外径より小さく
し、その貫通孔に集電棒を圧入することにより、集電棒
と封口体との密着性が図られていた。

【０００５】上記の封口体５は、その材料にナイロン、
ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂が用いら
れ、これを射出成型することによって作製されている。
そして、射出成型に際しては、センタゲート方式が採用
され、成型材料をランナーから金型キャビティーの中に
注入する流路（ゲート）がちょうど筒部１０の下端部に
設けられている。そのため、封口体はその中央筒部のゲ
ート部となったところにクラックが発生しやすい。そこ
で、集電棒６は、これを封口体５の筒部に圧入する際封
口体にクラックが生じない程度の外径に設定されてい
る。

【０００６】しかし、封口体５の筒部１０の内面には圧
入された集電棒６による応力が絶えず負荷されており、
電池の保存中に強アルカリ性の電解液による脆化と相俟
って、筒部１０のゲート相当部位を起点として中心軸部
から外方向にクラックが発生し始め、そのクラックが負
極集電棒６の軸方向に進行する。こうして、負極集電棒
６と封口体５の筒部１０との密着性が緩み、両者間から
アルカリ電解液が這い上がり、漏液を招くこととなる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な封口体のクラックにより負極集電棒と封口体との密着
性が損なわれることのない、耐漏液性に優れたアルカリ
乾電池を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のアルカリ乾電池
は、発電要素を収容した正極ケースの開口部を封口する
樹脂製封口体、および前記封口体の中央筒部の貫通孔に
圧入された負極集電棒を具備し、前記封口体の中央筒部
の負極集電棒と接する部分に環状の凹部を設けたことを
特徴とする。本発明は、また発電要素を収容した正極ケ
ースの開口部を封口する樹脂製封口体、および前記封口
体の中央筒部の貫通孔に圧入された負極集電棒を具備
し、前記負極集電棒の前記中央筒部と接する部分に環状
の凹部を設けたアルカリ乾電池を提供する。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明は、上記のように、封口体
の中央筒部と負極集電棒との接する部分の少なくとも一
方に環状の凹部を設けたもので、好ましくは、負極集電
棒の頂部に接合された負極端子板、および負極端子板と
封口体との間に設置された金属ワッシャーを具備し、前
記封口体の外周部が前記金属ワッシャーおよび負極端子
板の周縁部と正極ケースの周縁部との間に締め付けられ
た構造を有する。封口体の筒部内面に設けた環状の凹部
は、応力の最もかかっている封口体の筒部内面に、応力
を分散する緩衝帯を部分的に設けたものに相当し、クラ
ックの進行を阻止する働きをする。集電棒の外面に設け
た凹部も前記の凹部と同様な作用をする。従って、封口
体の筒部と負極集電棒の両者に凹部を設けることによ
り、応力を分散する効果を増すことができる。また、封
口体または集電棒の一方に、複数の凹部を設けるのも有
効である。

【００１０】実施の形態１以下図１を参照して本発明の一実施形態における単３サ
イズのアルカリ乾電池を説明する。正極端子を兼ねる正
極ケース１内には、二酸化マンガンと黒鉛からなる円筒
状の成型正極合剤２が配置されている。正極合剤２の内
側空間部にか性カリ水溶液と粘性物質と亜鉛粉末からな
るゲル状負極３がセパレータ４を介して充填されてい
る。正極ケース１の開口部には、金属ワッシャー７、負
極集電棒６および負極端子板８を組み合わせた樹脂製封
口体５を押し込み、正極ケース１の開口端により封口体
５の外周筒部１１の端部を負極端子板８および金属ワッ
シャー７の周縁部にかしめつけて封口する。こうして素
電池が構成される。素電池は、熱収縮性の外装ラベルに
より側面から上下の周縁部にわたって被覆されている。
なお、図１では、負極端子板および金属ワッシャーのガ
ス抜き孔は示していない。本実施の形態における封口体
５を図２に示している。封口体５の中央筒部１０の内壁
のほぼ中程に環状の凹部１０ａを設けている。この筒部
１０に従来と同様の負極集電棒６を圧入する。

【００１１】実施の形態２本実施の形態では、図３に示すように、負極集電棒６の
封口体の筒部１０へ挿入される部分に環状の凹部６ａを
設ける。実施の形態３本実施の形態では、図４に示すように、負極集電棒６の
封口体の筒部１０へ挿入される部分に２条の環状の凹部
６ａ、６ａを設ける。この負極集電棒は、図２に示す封
口体と組み合わせ、負極集電棒６の凹部６ａと６ａの間
に封口体５の凹部１０ａが位置するようにするのがよ
い。

【００１２】実施の形態４本実施の形態では、図５に示すように、封口体５の筒部
１０の内面に３条の環状の凹部１０ａ、１０ａ、および
１０ａを設ける。

【００１３】

【実施例】《実施例１》実施の形態１のナイロン製封口
体を用いた。筒部１０は高さが約６．０ｍｍで、外径は
約５．０ｍｍ、集電棒６を嵌合する孔の径は約１．４ｍ
ｍである。凹部１０ａは、筒部の１／２の高さのところ
に、半径約０．２ｍｍの断面が半円弧状の凹部を設け
た。一方、負極集電棒６には、筒部１０に嵌合する部分
の外径が約１．５の黄銅製のものを用いた。

【００１４】《実施例２》実施の形態２の黄銅製負極集
電棒を用いた。凹部６ａは、半径約０．２ｍｍの断面が
半円弧状のもので、負極集電棒の頂部から約４．０ｍｍ
のところに設けた。封口体５は、凹部１０ａを有してい
ない他は実施例１と同じである。《比較例》封口体、負極集電棒のいずれも凹部を有して
いない他は実施例１と同じである。

【００１５】以上の実施例１、実施例２および比較例の
アルカリ乾電池各１００個を６０℃および８０℃の雰囲
気下で保存して、封口体のクラック発生率を調べた。加
速試験の結果を表１および表２に示す。ここで、クラッ
クとは、封口体５の筒部１０の下部から筒部内面に沿っ
て上部まで達した状態のものを指す。そのようなクラッ
クの発生した乾電池は、いずれも漏液を生じていた。

【００１６】

【表１】

【００１７】

【表２】

【００１８】

【発明の効果】本発明によれば、封口体の中央筒部にお
いて負極集電棒の圧入応力による割れの進行が抑制さ
れ、耐漏液性の優れたアルカリ乾電池を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態におけるアルカリ乾電池の
左半分を断面にした正面図である。

【図２】同アルカリ乾電池の封口体の左半分を断面にし
た正面図である。

【図３】本発明の他の実施の形態における負極集電棒の
正面図である。

【図４】本発明のさらに他の実施の形態における負極集
電棒の正面図である。

【図５】さらに他の実施の形態における封口体の左半分
を断面にした正面図である。

【図６】従来のアルカリ乾電池の要部の縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１正極ケース２正極合剤３ゲル状負極４セパレータ５封口体６負極集電棒６ａ凹部７金属ワッシャー８負極端子板９外装ラベル１０筒部１０ａ凹部１１外周筒部

フロントページの続きＦターム(参考） 5H011 AA17 EE06 FF04 GG02 5H017 AA02 CC15 DD01 HH05 5H024 CC02 CC06 CC14 DD04 DD15 HH15

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】発電要素を収容した正極ケースの開口部
を封口する樹脂製封口体、および前記封口体の中央筒部
の貫通孔に圧入された負極集電棒を具備し、前記封口体
の中央筒部の負極集電棒と接する部分に環状の凹部を設
けたことを特徴とするアルカリ乾電池。
【請求項２】発電要素を収容した正極ケースの開口部
を封口する樹脂製封口体、および前記封口体の中央筒部
の貫通孔に圧入された負極集電棒を具備し、前記負極集
電棒の前記中央筒部と接する部分に環状の凹部を設けた
ことを特徴とするアルカリ乾電池。
【請求項３】前記封口体の中央筒部の負極集電棒と接
する部分に環状の凹部を有する請求項２記載のアルカリ
乾電池。