JP2008047496A - アルカリ乾電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】多湿環境下において、優れた耐漏液性を有するアルカリ乾電池を提供する。
【解決手段】発電要素を収容した正極ケース、中央に負極集電子を保持し正極ケースの開口部を封口する樹脂製封口体、および負極集電子の頂部に接合された負極端子板を具備し、封口体の外周部が負極端子板の周縁部と正極ケースの開口端縁部との間に締め付けられたアルカリ乾電池において、負極端子板の封口体側の表面を亜鉛層または絶縁層で被覆する。
【選択図】図3
【解決手段】発電要素を収容した正極ケース、中央に負極集電子を保持し正極ケースの開口部を封口する樹脂製封口体、および負極集電子の頂部に接合された負極端子板を具備し、封口体の外周部が負極端子板の周縁部と正極ケースの開口端縁部との間に締め付けられたアルカリ乾電池において、負極端子板の封口体側の表面を亜鉛層または絶縁層で被覆する。
【選択図】図3
Description
本発明は、アルカリ乾電池に関するもので、特にアルカリ乾電池における封口部の改良に関するものである。
近年、電子機器の小型軽量化に伴いその電源用としてアルカリ乾電池の需要が急増している。特にヘッドホンステレオ、カメラ、ステレオなどの携帯型精密機器への需要が大幅に増大しているため、いかなる使用条件下においても、高い信頼性や安全性を維持できるアルカリ乾電池が強く求められている。特にアルカリ乾電池は、電解液として高濃度のアルカリ性水溶液を使用しているため、万一漏液すると、機器だけでなく人体に対しても重大な損傷を与える危険性があるので、耐漏液特性はアルカリ乾電池に求められる最も重要な特性の一つである。
以下に一般的なアルカリ乾電池の構造を、図1を用いて説明する。
正極合剤2、セパレータ4、およびゲル状負極3を収容した正極ケース1の開口部は、樹脂製封口体13により封口されている。封口体13は、中央筒部9において負極集電子5を保持する。負極集電子5の頂部には負極端子板6が溶接により接合されている。そして、封口体13の中央筒部9の外周に嵌合させた金属ワッシャー7および負極端子板6の周縁部と正極ケース1の開口端縁部とにより封口体13の外周部を締め付けて正極ケース1を密封した構造となっている。
正極合剤2、セパレータ4、およびゲル状負極3を収容した正極ケース1の開口部は、樹脂製封口体13により封口されている。封口体13は、中央筒部9において負極集電子5を保持する。負極集電子5の頂部には負極端子板6が溶接により接合されている。そして、封口体13の中央筒部9の外周に嵌合させた金属ワッシャー7および負極端子板6の周縁部と正極ケース1の開口端縁部とにより封口体13の外周部を締め付けて正極ケース1を密封した構造となっている。
一般に、アルカリ乾電池に用いられているか性カリ電解液は、クリープ性が大きいために、封口部材間の封口強度が弱いと、電池保存中に封口部材間から漏液し、電池として使用できなくなる。従って耐漏液特性を向上させるために封口体13と負極端子板6との間に金属ワッシャー7を設置して、封口部材間の密着性を向上させている。
上記のアルカリ乾電池の高温多湿環境下における耐漏液性を改善するために、例えば、特許文献1および2では、金属ワッシャー7の表面を絶縁層または亜鉛層で被覆することが提案されている。
上記のアルカリ乾電池の高温多湿環境下における耐漏液性を改善するために、例えば、特許文献1および2では、金属ワッシャー7の表面を絶縁層または亜鉛層で被覆することが提案されている。
ところで、高温多湿環境下における漏液は、カリウムイオンの封口体13中の透過、または負極集電子表面上のカリウムイオンの負極端子板への移動、すなわち負極集電子5と封口体13との間のカリウムイオンのはい上がりにより起こると考えられている。
上記のように金属ワッシャー7を絶縁層または亜鉛層で被覆する特許文献1および2の方法では、金属ワッシャー7の封口体側の亜鉛層とゲル状負極中の亜鉛との間の電位差がほとんどない、または金属ワッシャー7の封口体側の絶縁層とゲル負極中の亜鉛との間が導通しないことにより、カリウムイオンの封口体13中の透過による漏液を十分に抑制することができる。
上記のように金属ワッシャー7を絶縁層または亜鉛層で被覆する特許文献1および2の方法では、金属ワッシャー7の封口体側の亜鉛層とゲル状負極中の亜鉛との間の電位差がほとんどない、または金属ワッシャー7の封口体側の絶縁層とゲル負極中の亜鉛との間が導通しないことにより、カリウムイオンの封口体13中の透過による漏液を十分に抑制することができる。
しかし、ニッケルめっき鋼板からなる負極端子板と、ゲル負極中に存在する亜鉛の間には電位差が存在するため、上記の負極集電子と封口体との間のカリウムイオンのはい上がりによる漏液を抑制することは困難である。
また、金属ワッシャー7を用いることにより封口部分が占める体積が大きくなるため、正極合剤2およびゲル状負極3が占有し得る容積が小さくなり、電池容量が制限される。さらに、金属ワッシャー7の使用により材料費等の製造コストが増大する。
特開平1−283760号公報
特開2001−283870号公報
また、金属ワッシャー7を用いることにより封口部分が占める体積が大きくなるため、正極合剤2およびゲル状負極3が占有し得る容積が小さくなり、電池容量が制限される。さらに、金属ワッシャー7の使用により材料費等の製造コストが増大する。
本発明は、上記従来の問題を解決するために、高温多湿環境下において、優れた耐漏液性を有するアルカリ乾電池を提供することを目的とする。
本発明は、発電要素を収容した正極ケース、中央に負極集電子を保持し前記正極ケースの開口部を封口する樹脂製封口体、および前記負極集電子の頂部に接合された負極端子板を具備し、前記封口体の外周部が前記負極端子板の周縁部と正極ケースの開口端縁部との間に締め付けられたアルカリ乾電池であって、前記負極端子板の前記封口体側の表面が亜鉛層または絶縁層で被覆されていることを特徴とする。
さらに、前記負極端子板と前記封口体との間に金属ワッシャーが配され、前記封口体の外周部が前記金属ワッシャーの周縁部と前記正極ケースの開口端縁部との間に締め付けられ、前記金属ワッシャーの少なくとも前記封口体側の表面が亜鉛層または絶縁層で被覆されているのが好ましい。
本発明によれば、高温多湿環境下において、優れた耐漏液性を有するアルカリ乾電池を提供することができる。
また、金属ワッシャーを用いる場合、金属ワッシャーの少なくとも封口体側表面を絶縁層または亜鉛層で被覆することにより、より優れた耐漏液性を有するアルカリ乾電池が得られる。
また、金属ワッシャーを用いる場合、金属ワッシャーの少なくとも封口体側表面を絶縁層または亜鉛層で被覆することにより、より優れた耐漏液性を有するアルカリ乾電池が得られる。
さらに、金属ワッシャーを用いなくても、優れた耐漏液性が得られるため、金属ワッシャーを使用しないことによりコスト低減を図ることができるとともに、電池内容積をより大きく確保することができるため、活物質の充填量を増やして電池容量を増大させることができる。
以下、本発明の一実施形態におけるアルカリ乾電池を説明する。図1は一般的なアルカリ乾電池の一部を断面とした正面図である。
正極端子を兼ねる有底円筒形の正極ケース1内には、中空円筒状の正極合剤2、正極合剤2の中空部に充填されたゲル状負極3、および正極合剤2とゲル状負極3との間に配されたセパレータ4からなる発電要素が収納されている。正極合剤2は、例えば、正極活物質、導電材としての黒鉛粉末、および電解液としてのか性カリ水溶液の混合物からなる。正極活物質には、例えば、二酸化マンガン粉末、オキシ水酸化ニッケル粉末、またはこれらの混合粉末が用いられる。ゲル状負極3は、例えば、電解液としてのか性カリ水溶液、ゲル化剤としてのポリアクリル酸ソーダ、および負極活物質としての亜鉛粉末または亜鉛合金粉末の混合物からなる。
正極端子を兼ねる有底円筒形の正極ケース1内には、中空円筒状の正極合剤2、正極合剤2の中空部に充填されたゲル状負極3、および正極合剤2とゲル状負極3との間に配されたセパレータ4からなる発電要素が収納されている。正極合剤2は、例えば、正極活物質、導電材としての黒鉛粉末、および電解液としてのか性カリ水溶液の混合物からなる。正極活物質には、例えば、二酸化マンガン粉末、オキシ水酸化ニッケル粉末、またはこれらの混合粉末が用いられる。ゲル状負極3は、例えば、電解液としてのか性カリ水溶液、ゲル化剤としてのポリアクリル酸ソーダ、および負極活物質としての亜鉛粉末または亜鉛合金粉末の混合物からなる。
ここで、本発明のアルカリ乾電池の封口部分の要部断面図を図2に示す。
正極ケース1の開口部には、金属ワッシャー7、負極集電子5および負極端子板6を組み合わせた樹脂製封口体13が配されている。より具体的には、正極ケース1の開口端により封口体13の外周筒部9上部を負極端子板5および金属ワッシャー7の周縁部にかしめ付けることにより正極ケース1の開口部が封口されている。封口体13は、例えばナイロン製であり、負極集電子5が挿入される貫通孔を有する中央筒部9、負極端子板5の周縁部と正極ケース1の開口端部との間に介在する外周筒部8、および中央筒部9と外周筒部8とを連結する連結部12を備える。
正極ケース1の開口部には、金属ワッシャー7、負極集電子5および負極端子板6を組み合わせた樹脂製封口体13が配されている。より具体的には、正極ケース1の開口端により封口体13の外周筒部9上部を負極端子板5および金属ワッシャー7の周縁部にかしめ付けることにより正極ケース1の開口部が封口されている。封口体13は、例えばナイロン製であり、負極集電子5が挿入される貫通孔を有する中央筒部9、負極端子板5の周縁部と正極ケース1の開口端部との間に介在する外周筒部8、および中央筒部9と外周筒部8とを連結する連結部12を備える。
リング状の金属ワッシャー7は負極端子板6と封口体13との間に配され、金属ワッシャー7の内周側端部が中央筒部9に当接し、外周側端部が外周筒部8に当接している。上記のように、封口体13の中央筒部9の貫通孔に負極集電子5が挿入されていることにより、封口体13は負極集電子5を保持する。負極端子板6の下面は、負極集電子5の頂部と溶接により接合されている。
正極ケース1の外表面は、外装ラベル10で被覆されている。封口体13の連結部12における中央筒部9側の近傍には肉薄部10が設けられ、負極端子板6および金属ワッシャー7には、ガス抜き孔6aおよび7aが設けられている。このようにして、電池内部の圧力が大幅に上昇すると、肉薄部が破断して、負極端子板6および金属ワッシャー7のガス抜き孔6aおよび7aからガスを外部に逸散する安全機構が備えられている。
正極ケース1の外表面は、外装ラベル10で被覆されている。封口体13の連結部12における中央筒部9側の近傍には肉薄部10が設けられ、負極端子板6および金属ワッシャー7には、ガス抜き孔6aおよび7aが設けられている。このようにして、電池内部の圧力が大幅に上昇すると、肉薄部が破断して、負極端子板6および金属ワッシャー7のガス抜き孔6aおよび7aからガスを外部に逸散する安全機構が備えられている。
負極端子板6の封口体13側(連結部12側)の表面は、亜鉛層または絶縁層で被覆されている(ただし、絶縁層で被覆する場合、負極集電子5の頂部との接合部分は除く)。負極端子板6の封口体13側の表面を亜鉛層で被覆することにより、負極集電子5を介して正極ケース1内のゲル負極3に含まれる亜鉛粉末と、負極端子板6との間に電位差が生じない。また、負極端子板6の封口体13側の表面を絶縁層で被覆することにより、負極集電子5を介して正極ケース1内のゲル状負極3に含まれる亜鉛粉末と、負極端子板6との間の導通を防ぐことができる。このため、高温多湿環境下において、カリウムイオンの封口体中の透過が抑制されるとともに、負極集電子5の表面上におけるカリウムイオンの負極端子板6への移動、すなわち負極集電子5と封口体13との間におけるカリウムイオンのはい上がりによるクリープ現象が抑制される。これにより、高温多湿環境下において優れた耐漏液性が得られる。
負極端子板6はニッケルめっき鋼板からなる。ニッケルめっき鋼板の厚さは、例えば0.3〜0.5mmである。
負極端子板6の封口体13側表面に形成される亜鉛層の厚さは、例えば2〜35μmである。封口体13側表面が亜鉛層で被覆された負極端子板6は、例えば、ニッケルめっき鋼板からなる負極端子板6の封口体13側表面に、ローバル社製のめっきスプレーを用いて亜鉛めっき(めっき量15〜252g/m2)を施した後、ニッケルめっき鋼板からなる負極端子板6の下面に負極集電子5の頂部を接合することにより得られる。このように、負極端子板の下面(封口体13側表面)全体を亜鉛層で被覆しても、負極端子板の負極集電子の頂部との接合面は良好な電子伝導性が得られる。さらに、負極端子板の上面(封口体13側と反対側の表面)を亜鉛層で被覆してもよく、負極端子としての機能を十分に発揮することができる。
負極端子板6の封口体13側表面に形成される亜鉛層の厚さは、例えば2〜35μmである。封口体13側表面が亜鉛層で被覆された負極端子板6は、例えば、ニッケルめっき鋼板からなる負極端子板6の封口体13側表面に、ローバル社製のめっきスプレーを用いて亜鉛めっき(めっき量15〜252g/m2)を施した後、ニッケルめっき鋼板からなる負極端子板6の下面に負極集電子5の頂部を接合することにより得られる。このように、負極端子板の下面(封口体13側表面)全体を亜鉛層で被覆しても、負極端子板の負極集電子の頂部との接合面は良好な電子伝導性が得られる。さらに、負極端子板の上面(封口体13側と反対側の表面)を亜鉛層で被覆してもよく、負極端子としての機能を十分に発揮することができる。
また、負極端子板6の封口体13側表面に形成される絶縁層の厚さは、例えば10〜100μmである。絶縁層は、例えば、クロロスルホン化ポリエチレン、ピッチ、アスファルト、アクリル樹脂、合成ゴム、またはエポキシ樹脂などからなる。材料コストの面から、ピッチまたはアスファルトを用いるのが好ましい。
封口体13側表面が絶縁層で被覆された負極端子板6は、例えば、ニッケルめっき鋼板からなる負極端子板6の下面に負極集電子5の頂部を接合した後、負極端子板6の封口体13側表面に絶縁剤としてクロロスルホン化ポリエチレンを塗布(塗布量10〜200g/m2)することにより得られる。このように、負極端子板6と負極集電子5の頂部とを接合した後に絶縁層を形成することにより、負極端子板6の負極集電子5頂部との接合面は絶縁層で被覆されることがないため、負極端子板6と負極集電子5の頂部との間で良好な電子伝導性が確保される。負極端子面、すなわち図2に示す負極端子板6の上面は、絶縁層で被覆されていないため、負極端子板6は負極端子としての機能を十分に発揮することができる。
金属ワッシャー7は、少なくとも封口体13側(連結部12側)の表面が絶縁層または亜鉛層で被覆されている。上記により、金属ワッシャー7の封口体13側の表面と、ゲル状負極中の亜鉛粉末との間において電位差を生じない、または導通しないため、カリウムイオンの封口体13中の透過が抑制され、耐漏液性がさらに向上する。金属ワッシャー7は、例えば、工業的に広く用いられている亜鉛めっき鋼板に所定のプレス加工をすることにより得られる。なお、金属ワッシャー7の表面に形成される亜鉛層および絶縁層の厚さ、ならびに亜鉛層および絶縁層の形成方法は、負極端子板7の場合と同様である。
また、上記構成では金属ワッシャー7が配されているが、図3に示すように、金属ワッシャー7を用いずに電池を構成しても、負極端子板6の表面が亜鉛層または絶縁層で被覆されているため、十分に優れた耐漏液性が得られる。また、金属ワッシャー7を用いないため、コスト低減が可能となる。さらに、電池内容積をより大きく確保することができるため、活物質充填量を増やして、電池容量を増大させることができる。
封口体13には、相対湿度50%における平衡水分率が0.9〜1.7%のポリアミドを用いるのが好ましい。ここでいう相対湿度50%の平衡水分率は、温度45℃および相対湿度50%の環境下で試料を所定時間放置し平衡状態に達した際の、試料中に含まれる水分量のことを意味する。上記のポリアミドとしては、6,10−ナイロン、6,12−ナイロンなどが用いられる。封口体13の相対湿度50%における平衡水分率が0.9%未満であると、靭性が低下するため、負極集電子5を封口体13の中央筒部9の貫通孔へ圧入する時、または電池をかしめ封口する時に封口体13が割れて漏液し易い。封口体13の相対湿度50%における平衡水分率が1.7%を超えると、負極集電子5と封口体13との間へ水分が供給されやすくなるため、負極集電子5と封口体13の間で生じるクリープ現象を確実に防止することが困難となる。
また、封口体13の中央筒部9における負極集電子5との接触部分の高さ寸法は2〜6mmであるのが好ましい。封口体13の中央筒部9における負極集電子5との接触部分の高さ寸法が6mm以下であると、電池内容積が十分に確保され、十分な量の活物質を充填できるため、高容量の電池が得られる。封口体13の中央筒部9における負極集電子5との接触部分の高さ寸法が2mm未満であると、負極集電子5と中央筒部9との密着が不十分となり漏液を生じる場合がある。
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
《実施例1》
図2と同じ構成の単3形アルカリ乾電池を作製した。
ニッケルめっき鋼板からなる負極端子板6(厚さ4mm)における封口体13側の表面に、ローバル社製のめっきスプレーを用いて亜鉛めっき(めっき量50g/m2)を施すことにより、負極端子板6の封口体13側の表面に亜鉛層(厚さ7μm)を形成した。
《実施例1》
図2と同じ構成の単3形アルカリ乾電池を作製した。
ニッケルめっき鋼板からなる負極端子板6(厚さ4mm)における封口体13側の表面に、ローバル社製のめっきスプレーを用いて亜鉛めっき(めっき量50g/m2)を施すことにより、負極端子板6の封口体13側の表面に亜鉛層(厚さ7μm)を形成した。
鉄製の金属ワッシャー7(厚さ6mm)の両面にローバル社製のめっきスプレーを用いて亜鉛めっき(めっき量50g/m2)を施すことにより、金属ワッシャー7の表面全体に亜鉛層(厚さ7μm)を形成した。
正極合剤2には、二酸化マンガン粉末、黒鉛粉末、および電解液の混合物(重量比94:6:3)からなる成形体を用いた。ゲル状負極3には、電解液、ゲル化剤としてポリアクリル酸ソーダ、および負極活物質として亜鉛粉末を、重量比35:1:64で混合したものを用いた。電解液には、濃度40重量%のか性カリ水溶液を用いた。セパレータ4には、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を主体として混抄した不織布を用いた。
正極合剤2には、二酸化マンガン粉末、黒鉛粉末、および電解液の混合物(重量比94:6:3)からなる成形体を用いた。ゲル状負極3には、電解液、ゲル化剤としてポリアクリル酸ソーダ、および負極活物質として亜鉛粉末を、重量比35:1:64で混合したものを用いた。電解液には、濃度40重量%のか性カリ水溶液を用いた。セパレータ4には、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を主体として混抄した不織布を用いた。
《実施例2》
金属ワッシャーを用いない以外は、実施例1と同様の方法によりアルカリ乾電池を作製した。
なお、実施例2では、金属ワッシャーを用いないため、実施例1と比べて、封口体の体積を約30%小さくすることができ、その分電池内容積が大きくなり、正極活物質量を3%、および負極活物質量を3%増量することができた。
金属ワッシャーを用いない以外は、実施例1と同様の方法によりアルカリ乾電池を作製した。
なお、実施例2では、金属ワッシャーを用いないため、実施例1と比べて、封口体の体積を約30%小さくすることができ、その分電池内容積が大きくなり、正極活物質量を3%、および負極活物質量を3%増量することができた。
《比較例1》
負極端子板6の封口体13側の表面に亜鉛めっきを施さない以外は、実施例1と同様の方法によりアルカリ乾電池を作製した。
負極端子板6の封口体13側の表面に亜鉛めっきを施さない以外は、実施例1と同様の方法によりアルカリ乾電池を作製した。
《実施例3》
負極端子板6として、一方の面にニッケルめっき(めっき量50g/m2)を施し、他方の面に、ローバル社製のめっきスプレーを用いて、亜鉛めっき(めっき量50g/m2)を施した鋼板から作製したものを用いた。そして、ニッケル層が形成された面が端子面となり、亜鉛層が形成された面が封口体13に対向する面となるように、負極端子板6を作製した。なお、上記の鋼板に形成されたニッケル層の厚さは3μmであり、亜鉛層の厚さは7μmであった。この負極端子板6を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりアルカリ乾電池を作製した。
負極端子板6として、一方の面にニッケルめっき(めっき量50g/m2)を施し、他方の面に、ローバル社製のめっきスプレーを用いて、亜鉛めっき(めっき量50g/m2)を施した鋼板から作製したものを用いた。そして、ニッケル層が形成された面が端子面となり、亜鉛層が形成された面が封口体13に対向する面となるように、負極端子板6を作製した。なお、上記の鋼板に形成されたニッケル層の厚さは3μmであり、亜鉛層の厚さは7μmであった。この負極端子板6を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりアルカリ乾電池を作製した。
《実施例4》
ニッケルめっき鋼板からなる負極端子板6を、負極集電子5の頭部に溶接した後、負極端子板6の封口体13側の表面にクロロスルホン化ポリエチレン(スリーボンド社製)(塗布量30g/m2)を塗布し、絶縁層(厚さ50μm)を形成した。この負極端子板6を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりアルカリ乾電池を作製した。
ニッケルめっき鋼板からなる負極端子板6を、負極集電子5の頭部に溶接した後、負極端子板6の封口体13側の表面にクロロスルホン化ポリエチレン(スリーボンド社製)(塗布量30g/m2)を塗布し、絶縁層(厚さ50μm)を形成した。この負極端子板6を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりアルカリ乾電池を作製した。
上記で作製した各アルカリ乾電池を20個ずつ準備し、温度60℃および相対湿度90%の環境下で保存した際に、漏液した電池の数を調べた。また、各電池を1000mWの定電力で閉路電圧が1.0Vに達するまで放電した。その結果を表1に示す。表1中の放電容量は、実施例1の電池の放電容量を100とした指数として表した。
表1から、本発明による実施例1〜4の電池は、比較例1および2の電池と比べて、耐漏液性が大幅に向上していることがわかった。さらに、封口部分に金属ワッシャーを用いない実施例2〜4の電池では、封口部分に金属ワッシャーを使用した実施例1の電池の場合と同様に、優れた耐漏液性が得られた。また、実施例2〜4の電池では、実施例1の電池と比較して、金属ワッシャーを使用しないことにより、電池内容積をより大きく確保することができ、活物質をより多く充填することができたため、放電容量が増大した。
一方、比較例1および2では、負極集電子と封口体との間においてクリープ現象が生じて漏液した電池がみられた。
一方、比較例1および2では、負極集電子と封口体との間においてクリープ現象が生じて漏液した電池がみられた。
本発明のアルカリ乾電池は、電子機器や携帯機器等の電源として好適に用いられる。
1 正極ケース
2 正極合剤
3 ゲル状負極
4 セパレータ
5 負極集電子
6 負極端子板
7 金属ワッシャー
8 外周筒部
9 中央筒部
10 肉薄部
12 連結部
13 封口体
2 正極合剤
3 ゲル状負極
4 セパレータ
5 負極集電子
6 負極端子板
7 金属ワッシャー
8 外周筒部
9 中央筒部
10 肉薄部
12 連結部
13 封口体
Claims (2)
- 発電要素を収容した正極ケース、中央に負極集電子を保持し前記正極ケースの開口部を封口する樹脂製封口体、および前記負極集電子の頂部に接合された負極端子板を具備し、前記封口体の外周部が前記負極端子板の周縁部と正極ケースの開口端縁部との間に締め付けられたアルカリ乾電池であって、
前記負極端子板の前記封口体側の表面が亜鉛層または絶縁層で被覆されていることを特徴とするアルカリ乾電池。 - さらに、前記負極端子板と前記封口体との間に金属ワッシャーが配され、
前記封口体の外周部が前記金属ワッシャーの周縁部と前記正極ケースの開口端縁部との間に締め付けられ、
前記金属ワッシャーの少なくとも前記封口体側の表面が亜鉛層または絶縁層で被覆された請求項1記載のアルカリ乾電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006224392A JP2008047496A (ja) | 2006-08-21 | 2006-08-21 | アルカリ乾電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006224392A JP2008047496A (ja) | 2006-08-21 | 2006-08-21 | アルカリ乾電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008047496A true JP2008047496A (ja) | 2008-02-28 |
Family
ID=39181015
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006224392A Pending JP2008047496A (ja) | 2006-08-21 | 2006-08-21 | アルカリ乾電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008047496A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11817591B2 (en) | 2020-05-22 | 2023-11-14 | Duracell U.S. Operations, Inc. | Seal assembly for a battery cell |
-
2006
- 2006-08-21 JP JP2006224392A patent/JP2008047496A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11817591B2 (en) | 2020-05-22 | 2023-11-14 | Duracell U.S. Operations, Inc. | Seal assembly for a battery cell |
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