JP2001313003A - 着色電球、車両用照明装置および車両 - Google Patents

着色電球、車両用照明装置および車両

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JP2001313003A
JP2001313003A JP2000127899A JP2000127899A JP2001313003A JP 2001313003 A JP2001313003 A JP 2001313003A JP 2000127899 A JP2000127899 A JP 2000127899A JP 2000127899 A JP2000127899 A JP 2000127899A JP 2001313003 A JP2001313003 A JP 2001313003A
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colored
film
bulb
vehicle
light bulb
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JP2000127899A
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Toshiyuki Arai
敏之 新井
Hiroyoshi Takanishi
宏佳 高西
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔料の選定が容易であるとともに電球使用中
における温度上昇や経時変化に起因する色度の変化が低
減できる、光学特性に優れた車両用等に用いる着色電球
や照明装置ならびに車両を提供することを目的とする。 【解決手段】 透光性気密容器1と、この透光性気密容
器1内にリード線31,31を介し設けられたコイル状
のフィラメント4と、上記透光性気密容器1の表面に形
成された平均粒径が140〜200nmのイソインドリ
ノン系黄色顔料を混在した被膜形成用樹脂からなる着色
膜5とを備えた着色電球L1およびこの電球L1を配設
した車両用照明装置8ならびにこの車両用照明装置8を
設けた車両7である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透光性気密容器の表
面を、黄色ないしは黄赤色に着色した車両用等の着色電
球およびこの着色電球を装着した照明装置ならびにこの
照明装置を有する車両に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両の前後部および側面に
は、車両の発進、路線変更、左折や右折等するときに用
いられるターンシグナルランプ装置が設けられている。
このターンシグナルランプ装置は、黄色ないしは黄赤色
した合成樹脂製の透光性カバー内に無色透明なガラスバ
ルブを有する白熱電球の点滅によって黄色ないしは黄赤
色信号を発光するものである。そして、この種装置は、
ターンシグナルランプを点灯することによって、後続車
のドライバーに自車の進路等の情報を知らせることがで
きる。
【0003】このターンシグナルランプ装置は夜間、薄
暮やトンネル等周囲が暗い状態では、カバーの色彩の黄
色ないしは黄赤色の点滅信号を後続車のドライバーに明
瞭に見せることができ、後続車のドライバーへの注意を
喚起できる。しかし、このようにカバー自体が着色され
ていると、このカバーに直接に太陽光等の強い光が入射
しているとき等に内部の電球が点滅して黄色ないしは黄
赤色の信号を発しても、後続車のドライバーにはよく見
えず追突等の事故を起こす寸前にまでいく、不安全な状
態になることがあった。
【0004】そこで、この視認性をよくする手段とし
て、透明なカバーを用い、装置内部の電球の透光性気密
容器を構成するガラスバルブ自体に黄色ないしは黄赤色
の着色ガラスを用いて装置を組立てていた。このガラス
バルブ自体の着色は、色度特性および耐熱性が良いこと
からたとえば黄赤(とう(橙))色を得る場合は基体ガ
ラスにカドミウムを添加することにより行われている。
【0005】しかし、基体ガラスに着色剤を加え黄赤
(とう(橙))色にすることは仕込みによりその色調に
変化をきたし、また、この着色材料であるカドミウムは
環境衛生上好ましいものではなかった。
【0006】また、電球の透光性気密容器を構成する無
色透明なガラスバルブの外周に黄色ないしは黄赤色に着
色した耐熱合成樹脂製のキャップを被せることも行われ
ているが、製造コストが高くなる不具合があった。
【0007】また、黄赤(とう(橙))色の被膜を、酸
化鉄の粉末顔料および黄色染料(アゾ系等の粉末を着色
剤として、これ等と被膜形成用樹脂とを混合して塗料を
調製し、この塗料を透光性のガラスバルブの外面に塗布
して、焼成し被膜を形成する電球も実用化されている。
【0008】しかし、この電球の場合は、密閉器具内で
点灯される電球のバルブ温度が200℃以上に昇温する
ため、被膜に亀裂や剥離が起き、また、経時とともに徐
々に変色して色度が規格外れとなるものが発生する等耐
熱性および耐久性に劣り、高温雰囲気で用いる場合には
問題があった。
【0009】そこで、これらの代替材料として、最近は
イソインドリノン系の黄色顔料を用い着色被膜を形成す
ることにより、所望の色度特性、耐熱性、退色性および
被着力に優れた被膜が得られることが知られている。
【0010】このことはたとえば特公平9−12497
6号公報に、粒径が0.1μm未満の酸化鉄からなる赤
色顔料とイソインドリノン系の黄色顔料とを被膜形成用
樹脂中に混合した塗料を透光性のガラスバルブの外面に
塗布して被膜を形成することにより、所望の色度特性を
備えた着色電球が得られることが記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そして、この公報に記
載のように赤色顔料と黄色顔料とを混合して黄赤色(ア
ンバー色)した着色被膜を形成する場合は、所望の色度
等の発光特性を得るために各顔料の粒径や混合割合等を
考慮しなければならないという複雑な手間を要する不具
合がある。
【0012】そこで、本発明者等は、さらにイソインド
リノン系の顔料について、この顔料のみでも(被膜形成
用樹脂、分散剤や溶剤を除いて)黄色ないしは黄赤(と
う(橙))色が得られないかを究明した結果、その粒度
を規制することによって、所望の色度等の発光特性およ
び耐久性に優れた着色被膜が得られることを見出したも
のである。
【0013】本発明は、顔料の選定が容易であるととも
に電球使用中における温度上昇や経時変化に起因する色
度の変化が低減できる、光学特性に優れた車両用等に用
いる着色電球や照明装置ならびに車両を提供することを
目的とする。
【0014】そして、本発明は、日本工業規格JIS
D5500等に規定される車両による交通事故等を未然
に防ぐ、厳しい規格を電球の寿命が尽きるまで終始十分
に満足できるものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の着色電球は、透光性気密容器と、この透光性気密容器
内にリード線を介し設けられたコイル状のフィラメント
と、上記透光性気密容器の表面に形成された平均粒径が
140〜200nmのイソインドリノン系黄色顔料を混
在した被膜形成用樹脂からなる着色膜とを具備している
ことを特徴とする。
【0016】イソインドリノン系黄色顔料の粒径を規制
することにより、吸収が短波長側にずれ、これにより透
過光が黄味が強く黄色を放射し、JIS D5500の
規格内に入れることが容易となる。
【0017】このイソインドリノン系黄色顔料の平均粒
径が140nm未満であると、着色力が低下しJIS
D5500の規格内に入れるのが困難となり、また、平
均粒径が200nmを超えると可視光の透過率が下がっ
て発光特性の低下を招く不具合がある。
【0018】また、この黄色顔料を混在させる被膜形成
用樹脂としては、シリコーンポリエステル樹脂、シリコ
ーンエポキシ樹脂、シリコーンアルキド樹脂、シリコー
ンフェノール樹脂、シリコーンポリウレタン樹脂、シリ
コーンメラミン樹脂やシリコーンアクリル樹脂等の耐熱
性やガラスとの接着性に優れたシリコーン系樹脂を用い
ることができるが、中でもシリコーンポリエステル樹脂
が耐久性等で優れている。
【0019】そして、イソインドリノン系黄色顔料の粉
末と、シリコーン系の樹脂粉末とをバインダーにサンド
ミルやビーズミル等の強力な分散機で分散し、粒子の凝
集を無くすることにより、点灯経過時間による変化を防
止することができる。
【0020】また、本発明は、透光性気密容器の端部に
形成される封止部は、圧潰したウエッジ形、ステムと封
止した焼き落とし形やバットシール形等その形態はどの
ような形であってもよい。また、本発明は透光性気密容
器内にアルゴン、クリプトン、キセノン、窒素等を単独
または2種以上を封入したガス入りあるいは容器内を真
空雰囲気とした真空電球に適用できる。また、電球は口
金の有無をとはない。
【0021】さらに、着色電球の用途としては、自動車
や鉄道等の車両用のほか、工場や道路等の工事現場にお
ける注意喚起や危険等の表示用として用いることができ
る。
【0022】本発明の請求項2に記載の着色電球は、透
光性気密容器と、この透光性気密容器内にリード線を介
し設けられたコイル状のフィラメントと、上記透光性気
密容器の表面に形成された平均粒度が140〜200n
mのイソインドリノン系黄色顔料を混在した被膜形成用
樹脂からなる第1の着色被膜と、この第1の着色膜の表
面に形成された平均粒度が10ないし60nmの酸化鉄
を主成分とする赤色顔料を混在した被膜形成用樹脂また
はガラスからなる第2の着色被膜とを具備していること
を特徴とする。
【0023】上記請求項1に記載の被膜の表面に、さら
に赤色顔料を混在した被膜を形成することにより、電球
からは黄赤(とう(橙))色を放射しJIS D550
0の規格内に入れることが容易となる。
【0024】そして、上記請求項1および2による電球
は、両者ともJIS D5500の規格内に入れること
ができ、幅広い使用者側の要求に応じることができる。
【0025】また、この規格内に入れるためにはその酸
化鉄Fe23 の超微粒子の粒径が10nm未満の場合
は着色能力が不足し、フィラメントから放射される白色
光を被膜が吸収して規格内に入れることが困難になる。
また、粒径が60nmを超えると黄色成分が不足して規
格から外れる。そして、粒径が上記範囲内にあれば、粒
子をよく分散して単一粒子として独立させれば凝集せ
ず、点灯経過により色度が変化することを抑制できる。
【0026】また、第2の着色被膜は、酸化鉄Fe2
3 に、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛および酸化ア
ルミニウムのうちの少なくとも一種類の微粒子を含んで
形成してもよい。
【0027】被膜を酸化鉄Fe2 O3 のみで形成した場
合は、被膜の塗料を長期間保存した場合等に凝集が発生
することがあり、光の吸収が大きくなり、明るさが不足
することがある。しかし、酸化鉄Fe23 に、この酸
化鉄Fe23 とほぼ同径の超微粒子からなる酸化ケイ
素、酸化チタン、酸化亜鉛および酸化アルミニウムのう
ちの少なくとも一種類を含有させることによって、凝集
の発生を防ぎ透過率を向上して明るさを高めることがで
きる。
【0028】また、これらの超微粒子を含有させること
によって、被膜形成塗料の粘度を調製でき、透光性気密
容器全体の膜厚を均一にでき良好な被膜が得られる。
【0029】また、この第2の着色被膜は、この被膜重
量に対して10ないし80重量%の酸化鉄Fe23
含み形成してある。
【0030】被膜重量に対して酸化鉄Fe23 が10
重量%未満であると、通常の浸漬して引上げる方法では
膜の厚さが不足し数回の重ね塗りが必要となり、また、
80重量%を越えると亀裂が発生する等膜の強度が低下
して好ましくない。
【0031】また、第2の着色被膜も、上記第1の着色
被膜の形成と同様に酸化鉄Fe2 3 微粉末とシリコー
ン系の樹脂粉末とをバインダーによく分散して塗料を製
造し、塗布形成すればよい。
【0032】本発明は、上記請求項1および2に記載の
ように、粒径を規制したイソインドリノン系黄色顔料を
用い着色被膜を単独形成あるいはこの第1の着色被膜の
表面に酸化鉄からなる赤色顔料を用いた第2の着色被膜
を重層形成することによって、黄色がかった色のJIS
D5500の色度図上の「黄赤(とう(橙)色)」に
規定された規格内に入る、その粒径や膜厚さ等を適宜選
択することにより所望の色度を呈する着色電球を得るこ
とができる。
【0033】本発明の請求項3に記載の着色電球は、黄
色顔料を混在した着色被膜の膜厚が10〜40μmの範
囲内にあることを特徴とする。
【0034】黄色顔料を混在した着色被膜の膜厚が10
μm未満であると、着色が薄くなって所定の色度が得ら
れない。また、逆に膜厚が40μmを超えると、着色し
過ぎて所定の色度が得られないとともに、電球点滅の熱
的応力により被膜が剥離する虞がある。
【0035】この膜厚は、上記範囲内ならば実用上問題
ないが、被膜形成時の条件によるばらつき等を考慮する
と、15〜35μmの範囲が好ましかった。
【0036】本発明の請求項4に記載の着色電球は、上
記請求項1ないし3に記載された着色電球の点灯中の色
度が色度図上の「黄赤(とう(橙)色)」に規定され
た、y値が0.429でx値が0.564〜0.57
1、y値が0.398でx値が0.595〜0.602
の各値点を直線で結んで囲む範囲内にあることを特徴と
する。
【0037】この構成とすることによって、上記請求項
1ないし3のいずれか一に記載と同様な作用を奏すると
ともに上記許容範囲内ならば、JIS D5500等に
規定される色度内に安定して収めることができる。
【0038】また、電球は点灯後暫くして発光特性が安
定し、その後バルブ内はゲッター等により不純ガスの吸
着は行われるが、点灯経過とともに徐々に発光源である
フィラメント材の蒸発や諸部材からの不純ガスの発生増
加あるいはこれらに起因して黒化等が発生する。このよ
うなことから、通常電球は点灯経過とともに発光特性は
徐々に低下していくが、本発明に係わる着色電球の酸化
鉄を含む被膜は、点灯経過にしたがい色度が変化するこ
とおよび不純ガスの発生が少なく、電球の寿命に至る長
期に亘り所定の色度を維持することができる。
【0039】本発明の請求項5に記載の車両用照明装置
は、反射鏡を含む器具本体と、この器具本体内に配設さ
れた請求項1ないし4のいずれか一に記載の着色電球
と、上記器具本体の開口部を覆うように設けられた透明
カバーとを具備していることを特徴とする。
【0040】車両用照明装置に上記請求項1ないし4の
着色電球を装着して、上記請求項1ないし4のいずれか
一に記載と同様な作用を奏する。電球が密閉された器具
本体内等に配設されても、耐熱性に優れた被膜を有して
いるので被膜に亀裂や剥離の虞がなく、寿命中に亘り色
度の変化が少ない。
【0041】本発明の請求項6に記載の車両は、車両本
体と、車両本体に配設された請求項5に記載の車両用照
明装置とを具備していることを特徴とする。
【0042】車両に上記車両用照明装置を配設して、上
記請求項5に記載と同様な作用を奏する。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明を適用してなるたと
えば車両のターンシグナルランプ装置に用いられるウエ
ッジ形の定格12V25Wの着色電球L1の一部断面正
面図である。
【0044】図中、1は透光性気密容器を構成するソー
ダーライムガラス等からなる管形(T形)バルブ、2は
バルブ1の端部を圧潰封止して形成したウエッジ形の封
止部である。3,3はこの封止部2内に気密に封止され
バルブ1の内外にそれぞれ延出してなるリード線で、バ
ルブ1内部分の内部リード線31,31間にはタングス
テン線を巻回したコイル状のフィラメント4が継線して
ある。
【0045】また、バルブ1外に導出したループ状の外
部リード線32,32は相互が接触しないよう封止部2
の異なる圧潰面にそれぞれ添設されている。また、5は
バルブ1の外表面に塗布形成された、後述する黄色がか
った色をなす着色被膜である。
【0046】そして、バルブ1内にはアルゴン等の不活
性ガスが所定圧封入してある。なお、11は封止部2内
を貫通する排気管、21は封止部2の外面に形成された
端子部材との係止用の凹部、3Bは両内部リード線3
1,31を橋絡固定しているガラスブリッジである。
【0047】上記着色被膜5は平均粒径が約165nm
のイソインドリノン系の黄色顔料を混在させたシリコー
ンポリエステル樹脂からなり、その膜厚は約35μmで
ある。
【0048】つぎに、この着色被膜5の形成方法の一例
を説明する。まず、たとえば球状に近い形状の平均粒径
が約165nmの微粉末状のイルガジンイエロー2RL
T(日本チバガイギー株式会社製のイソインドリノン系
黄色顔料の商品名)を約3.4重量%と、ステアリン酸
系の分散剤約5重量%と、シリコーンポリエステル樹脂
を約30重量%と、酢酸エチル等の溶剤(残部)とを混
合し、ビーズミルで攪拌分散する。なお、この溶媒は最
終的に不揮発分が20重量%になるよう調製した。
【0049】そして、この塗布液中に電球L1のバルブ
1を浸漬して引上げ乾燥した後、約250℃で約3分間
焼成することによってバルブ1の外表面に黄色がかった
色の着色被膜5を成膜した。
【0050】図2は上記着色電球L1(車両用電球)を
点灯し、発光色を調べた結果を示す色度図(JIS D
5500記載のxyz表色系の色度座標xyによる直交
座標)である。なお、本発明の電球L1(車両用電球)
の所定の色度は黄赤(とう(橙))色部分で、他の白
色、淡黄色、赤色は参考である。上記電球L1は点灯経
過時間に拘らず図3の黄赤(橙)色部分内にあり、十分
規定範囲内にあった。
【0051】図3は上記図2の色度図の黄赤(とう
(橙)色)部分の拡大図であって、A点は上記電球L1
の初期における色度を示す。図3から明らかなように色
度が色度図上の「黄赤(とう(橙)色)」に規定され
た、y値が0.429でx値が0.564〜0.57
1、y値が0.398でx値が0.595〜0.602
の各値点を直線で結んで囲んだ枠内の許容範囲内にある
ことが確認できた。
【0052】なお、点灯経過とともに色度は変化すると
予想されたが、点灯経過時間に拘らず不連続に変化し、
いずれの時間でも色度図上の「黄赤(とう(橙)色)」
に規定された枠内の許容範囲から逸脱するものはなかっ
た。
【0053】したがって、本発明に係わる電球L1(車
両用電球)は日本工業規格JISD5500等に規定さ
れる色度範囲内に、点灯(寿命)中を通じて入る光学特
性を備えているとともに亀裂や剥離等の発生もない耐熱
性や耐久性に優れた被膜5が得られた。
【0054】このように着色材料であるイソインドリノ
ン系黄色顔料の粒径を規制することにより、吸収が短波
長側にずれ、これにより透過光が淡黄色側にずれて黄色
がかった色光を放射し、JIS D5500の規格内に
入れることが容易となる。
【0055】なお、このイソインドリノン系黄色顔料の
平均粒径が140nm未満であると、着色力が低下し、
JIS D5500の規格内に入れるのが困難となり、
また、平均粒径が200nmを超えると可視光の透過率
が下がって発光特性の低下を招く不具合がある。
【0056】また、図4は本発明の他の実施の形態を示
す着色電球L2の一部断面正面図で、図中図1の着色電
球L1と同一部分には同一の符号を付してその説明は省
略する。
【0057】この着色電球L2は、上記着色電球L1の
着色被膜5の表面にさらに他の材料からなる着色被膜6
を重層形成したものである。
【0058】すなわち、この着色被膜5を第1の着色被
膜5とすると、その表面にさらに第2の着色被膜6を形
成したものである。この第2の着色被膜6は、たとえば
超微粉末の酸化鉄Fe23 からなる赤色顔料と、酸化
ケイ素SiO2 と、シリコーンポリエステル樹脂からな
り、膜厚が約100μmある。
【0059】この第2着色被膜6の形成方法の一例を説
明する。まず、例えば球状に近い形状の平均粒径が約3
5nmの超微粉末状の酸化鉄Fe23 からなる赤色顔
料(例えば堺化学工業株式会社製のフェロシリーズのα
−Fe23 )をシラン系のカップリング剤で表面処理
する。この後、この酸化鉄Fe23 を約60重量%
と、平均粒径が約12nmの酸化ケイ素SiO2 を約1
0重量%とを混合し、ステアリン酸系の分散剤約2重量
%と、シリコーンポリエステル樹脂を約28重量%とを
加え、ビーズミルで攪拌分散する。溶剤は酢酸エチルを
用い、最終的に不揮発分が20重量%になるよう調製し
た。
【0060】そして、この塗布液中に電球L1のバルブ
1を浸漬して引上げ乾燥した後、約180℃で約30分
間焼成することによってバルブ1外表面の第1の着色被
膜5上に第2の着色被膜6が重層形成できる。
【0061】そして、この着色電球L2を定格で点灯す
ると、黄赤色を放射し、初期の色度は、図3の色度図上
の「黄赤(とう(橙)色)」に規定された枠内の許容範
囲内にあり、上記着色電球L1のA点より赤味が強くな
ることで赤色方向にずれたB点にあることが確認でき
た。
【0062】また、この着色電球L2も、点灯(寿命)
中を通じてJIS D5500等に規定される色度範囲
内に入る光学特性を備えているとともに亀裂や剥離等の
発生のない耐熱性や耐久性に優れた着色被膜5,6が得
られた。
【0063】なお、この電球L2も、第1の着色被膜5
のイソインドリノン系黄色顔料の平均粒径や膜厚さおよ
び被膜形成用樹脂は上記電球L1と同じ条件でよかっ
た。また、赤色顔料からなる第2の着色被膜6は、酸化
鉄Fe23 の超微粒子の粒径が10nm未満の場合は
着色能力が不足し、フィラメントから放射される白色光
を被膜が吸収して規格内に入れることが困難になる。ま
た、粒径が60nmを超えると黄色成分が不足して規格
から外れる。そして、粒径が上記範囲内にあれば、粒子
をよく分散して単一粒子として独立させれば凝集せず、
点灯経過により色度が変化することを抑制できる。
【0064】また、第2の着色被膜は、酸化鉄Fe2
3 に、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛および酸化ア
ルミニウムのうちの少なくとも一種類の微粒子を含んで
形成してもよい。
【0065】この酸化鉄Fe23 に、この酸化鉄Fe
23 とほぼ同径の超微粒子からなる酸化ケイ素、酸化
チタン、酸化亜鉛および酸化アルミニウムのうちの少な
くとも一種類を含有させることによって、凝集の発生を
防ぎ透過率を向上して明るさを高めることができる。こ
れらの超微粒子を含有させることによって、被膜形成塗
料の粘度を調製でき、透光性気密容器全体の膜厚を均一
にでき良好な被膜が得られる。
【0066】また、この第2の着色被膜は、この被膜重
量に対して10ないし80重量%の酸化鉄Fe23
含み形成するとよい。被膜重量に対して酸化鉄Fe2
3 が10重量%未満であると、通常の浸漬して引上げる
方法では膜の厚さが不足し数回の重ね塗りが必要とな
り、また、80重量%を越えると亀裂が発生する等膜の
強度が低下して好ましくない。
【0067】また、第2の着色被膜も、上記第1の着色
被膜の形成と同様に酸化鉄Fe2 3 微粉末とシリコー
ン系の樹脂粉末とを溶剤によく分散して塗料を製造し、
塗布形成すればよい。
【0068】また、上記着色被膜5,6を形成するバイ
ンダーとしての被膜形成用材料は、シリコーンポリエス
テル樹脂、シリコーンエポキシ樹脂、シリコーンアルキ
ド樹脂、シリコーンフェノール樹脂、シリコーンポリウ
レタン樹脂、シリコーンメラミン樹脂やシリコーンアク
リル樹脂等の耐熱性やガラスとの接着性に優れたシリコ
ーン系の樹脂を用いることができるが、中でもシリコー
ンポリエステル樹脂が耐久性等で優れている。また、こ
の樹脂材料のほか酸化ケイ素を主成分とするガラスゾル
あるいはPb−B−Sn系等の低融点ガラスを用いるこ
とができる。
【0069】さらに、上記着色電球L1,L2は、JI
S D5500等に規定された色度範囲内において黄色
がかったものあるいは黄赤色がかったもの等顧客要望の
色度があり、本発明によれば材料の粒径や膜厚等を適宜
選ぶことにより顧客の要望に容易に対応することができ
る利点がある。
【0070】また、図5は本発明実施の形態の車両の一
部を示す斜視図、図6は図5中に示された照明装置部分
の横断面図である。
【0071】図中、図1と同一部分には同一の符号を付
してその説明は省略する。図5において7は車両、71
は車両本体、8,8は本体後部トランク72部左右横の
対称位置に配設された一対のコンビネーションランプ装
置で車両用照明装置を構成している。
【0072】そして、上記コンビネーションランプ装置
8は図6に示すように、たとえば器具本体91に左側か
らターンシグナルランプ部9A、中央にテールランプ部
9B、右側にブレーキランプ部9Cを備え、それぞれは
隔壁92で仕切られそれぞれには反射鏡93,94,9
5が配設されている。また、これらの外側(後方)に面
して、ターンシグナルランプ部9Aには光拡散手段が形
成された合成樹脂製の無色透明なカバー96が、テール
ランプ部9Bからブレーキランプ部9Cにかけては光拡
散手段が形成された合成樹脂製の赤色のカバー97が設
けられている。
【0073】また、上記ターンシグナルランプ部9Aの
内部には、ウエッジベースソケット98が設けられ、こ
のソケット98内の端子金具に上記着色電球L1のウエ
ッジ形の圧潰封止部2が差込まれ、機械的な保持と電気
的な接続がなされている。
【0074】また、テールランプ部9Bおよびブレーキ
ランプ部9Cも、無着色のウエッジ形等の無口金電球L
かまたは口金付き電球Lが、別個のソケット99,99
に装着して配設されてている。(なお、車両7は後部と
は異なるが、前部にもターンシグナルランプ部およびヘ
ッドライト等のランプ部が配設されているが、この図5
では省略してある。)そして、上記のターンシグナルラ
ンプ部9Aについて説明する。ドライバーが例えば左折
する等で左側のターンシグナルランプ部9A内の電球L
1に通じるスイッチをオンすると電球L1は点滅する。
この、点灯した電球L1は着色被膜5によって上述した
ような発光をして直接または光学的に対向して配設され
た反射鏡93により反射して前方にある無色透明なカバ
ー96を透過して車両の後方へと放射される。そして、
このターンシグナルランプ部9Aは電球L1の不点時に
は透明カバー96の無色のままを、また、電球L1点灯
時には着色被膜5により発色した黄色がかった色光が透
明カバー96を透過して放射される。
【0075】したがって、後続車や対向車のドライバー
へは明暗時に拘らず常時視認性のよい適確な色度の光信
号を発することができ、追突や衝突等の事故を未然に防
ぐことができ安全性を向上できる。
【0076】また、この照明装置9は防水構造をなし密
封等されていて内部電球L1の点灯時に温度が上昇して
も、被膜5の耐熱度および耐久性が高いので、経時して
も色度の変化を低減できるとともに被膜5に亀裂や剥離
等の発生することがない。
【0077】また、このターンシグナルランプ部は上述
したような種々のランプが配設されるコンビネーション
ランプ装置に設けたものに限らず、単体で設けられてい
てもよく、配設場所も車両の前後部に限らず左右の側面
部であってもよい。
【0078】また、ランプ部はターンシグナルランプ部
に限らず、パーキングランプ部、クリアランスランプ
部、サイドマーカランプ部等、黄色から黄赤色の色度を
発するランプに適用でき、無色透明のカバーと組合わせ
て最大の効果を奏することができる。
【0079】
【発明の効果】請求項1ないし請求項4に記載の発明に
よれば、色度をJIS D5500等に規定された範囲
内に入れることが容易で、かつ、その粒径や膜厚さを適
宜選ぶことにより所望の色度を有する、高い光学特性を
有する電球が得られる。
【0080】また、点灯経時後も色度の変化を低減でき
るとともに被膜に亀裂や剥離が生じにくい耐熱性および
耐久性に優れた着色電球を提供することができる。
【0081】請求項5に記載の発明によれば、着色電球
を密閉された器具本体内等に配設しても、被膜に亀裂や
剥離の虞がない耐熱性に優れ、また、寿命中に亘り色度
の変化が少ない車両用照明装置を提供することができ
る。
【0082】請求項6に記載の発明によれば、車両に配
設して、上記請求項5に記載と同様な効果を奏すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す着色電球の一部断面
正面図である。
【図2】電球を点灯し、発光色を調べた結果を示す色度
図である。
【図3】本発明に係わる着色電球の点灯経過(寿命)中
の発光色を調べた結果を拡大して示す色度図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す着色電球の一部
断面正面図である。
【図5】本発明の実施の形態の車両の一部を示す斜視図
である。
【図6】図5中に示された車両後部の照明装置部分の横
断面図である。
【符号の説明】
L1,L2:着色電球 1:ガラスバルブ(透光性気密容器) 2:封止部 4:コイル状フィラメント 5:着色被膜(第1の着色被膜) 6:着色被膜(第2の着色被膜) 7:車両 71:車両本体 8:車両用照明装置 91:器具本体 93:反射鏡 96:透明カバー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性気密容器と;この透光性気密容器
    内にリード線を介し設けられたコイル状のフィラメント
    と;上記透光性気密容器の表面に形成された平均粒径が
    140〜200nmのイソインドリノン系黄色顔料を混
    在した被膜形成用樹脂からなる着色膜と;を具備してい
    ることを特徴とする着色電球。
  2. 【請求項2】 透光性気密容器と;この透光性気密容器
    内にリード線を介し設けられたコイル状のフィラメント
    と;上記透光性気密容器の表面に形成された平均粒径が
    140〜200nmのイソインドリノン系黄色顔料を混
    在した被膜形成用樹脂からなる第1の着色被膜と;この
    第1の着色膜の表面に形成された平均粒径が10ないし
    60nmの酸化鉄を主成分とする赤色顔料を混在した被
    膜形成用樹脂またはガラスからなる第2の着色被膜と;
    を具備していることを特徴とする着色電球。
  3. 【請求項3】 黄色顔料を混在した着色被膜は、膜厚が
    10〜40μmの範囲内にあることを特徴とする請求項
    1または2に記載の着色電球。
  4. 【請求項4】 上記請求項1ないし3に記載された着色
    電球は、点灯中の色度が色度図上の「黄赤(とう(橙)
    色)」に規定された、y値が0.429でx値が0.5
    64〜0.571、y値が0.398でx値が0.59
    5〜0.602の各値点を直線で結んで囲む範囲内にあ
    ることを特徴とする着色電球。
  5. 【請求項5】 反射鏡を含む器具本体と;この器具本体
    内に配設された請求項1ないし4のいずれか一に記載の
    着色電球と;上記器具本体の開口部を覆うように設けら
    れた透明カバーと;を具備していることを特徴とする車
    両用照明装置。
  6. 【請求項6】 車両本体と;車両本体に配設された請求
    項5に記載の車両用照明装置と;を具備していることを
    特徴とする車両。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004335478A (ja) * 2003-05-07 2004-11-25 Patent Treuhand Ges Elektr Gluehlamp Mbh 有色光を発生するためのランプ

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