JP2001312064A - ポジ型感光性樹脂組成物、パターンの製造法及び電子部品 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物、パターンの製造法及び電子部品

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JP2001312064A
JP2001312064A JP2000132927A JP2000132927A JP2001312064A JP 2001312064 A JP2001312064 A JP 2001312064A JP 2000132927 A JP2000132927 A JP 2000132927A JP 2000132927 A JP2000132927 A JP 2000132927A JP 2001312064 A JP2001312064 A JP 2001312064A
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誠 鍛治
Mitsuru Ueda
充 上田
Kazumasa Takeshi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度、解像度及び耐熱性に優れるポジ型感光
性樹脂組成物、前記組成物の使用により、感度、解像度
及び耐熱性に優れ、良好な形状のパターンが得られるパ
ターンの製造法並びに良好な形状と特性のパターンを有
することにより、信頼性の高い電子部品を提供する。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は、ハロゲン原子又は炭素数1〜9のアル
キル基を示し、複数ある場合は、各々同一でも異なって
いてもよく、xは0〜3の整数であり、R2は酸の作用
で分解し水素原子に変換し得る一価の有機基を示す)で
表される繰り返し単位を有するポリフェニレンオキシド
(A)と、光により酸を発生する化合物(B)を含有し
てなるポジ型感光性樹脂組成物、このポジ型感光性樹脂
組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工
程、アルカリ水溶液を用いて現像する工程を含むパター
ンの製造法並びにこの製造法により得られるパターンを
表面保護膜又は層間絶縁膜として有してなる電子部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感度、解像度及び
耐熱性に優れたポジ型感光性樹脂組成物、これを用いた
パターンの製造法及び電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、耐熱性樹脂、その前駆体など
を用いたフォトレジストやその用途としては、例えば、
ネガ型フォトレジストとして、ポリイミド前駆体にエス
テル結合またはイオン結合を介してメタクリロイル基を
導入したもの(特開昭49-11541号公報、特開昭50-40922
号公報、特開昭54-145794号公報、特開昭56-38038号公
報等)、ポリベンゾオキサゾール前駆体を同様に用いた
もの(特開平2-60659号公報、1988年高分子学会予稿集p
664等)などが提案され、また、ポジ型フォトレジスト
として、ポリイミド前駆体にエステル結合を介してo−
ニトロベンジル基を導入したもの(J Macromol.Sci.Che
m.,A 24,10,1407,1987等)、可溶性ヒドロキシルイミド
またはポリオキサゾール前駆体にナフトキノンジアジド
化合物を混合したもの(特公昭64-60630号公報、USP-43
95482号明細書等)、ポリイミド前駆体にナフトキノン
ジアジドを混合したもの(特開昭52-13315号公報等)な
どが提案されている。
【0003】しかしながら、ネガ型フォトレジストはそ
の機能上解像度に問題があったり、用途によっては製造
時の歩留まりの低下を招くなどの問題があった。また、
従来のポジ型フォトレジストは、感光剤の吸収波長に伴
う問題や耐熱性樹脂またはその前駆体の光線透過率が低
いためから感度や解像度が低かったり、ポリマ−の構造
が限定されるため最終的に得られる被膜の物性が限定さ
れ、多目的用途には不向きであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感度、解像
度及び耐熱性に優れるポジ型感光性樹脂組成物を提供す
るものである。また本発明は、前記組成物の使用によ
り、感度、解像度及び耐熱性に優れ、良好な形状のパタ
ーンが得られるパターンの製造法を提供するものであ
る。また、本発明は、良好な形状と特性のパターンを有
することにより、信頼性の高い電子部品を提供するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【化4】 (式中、R1は、ハロゲン原子又は炭素数1〜9のアル
キル基を示し、複数ある場合は、各々同一でも異なって
いてもよく、xは0〜3の整数であり、R2は酸の作用
で分解し水素原子に変換し得る一価の有機基を示す)で
表される繰り返し単位を有するポリフェニレンオキシド
(A)と、光により酸を発生する化合物(B)を含有し
てなるポジ型感光性樹脂組成物に関する。
【0006】また本発明は、前記ポリフェニレンオキシ
ド(A)が、一般式(1)として、一般式(2)
【化5】 (式中、R1は、ハロゲン原子又は炭素数1〜9のアル
キル基を示し、複数ある場合は、各々同一でも異なって
いてもよく、xは0〜3の整数であり、R2は酸の作用
で分解し水素原子に変換し得る一価の有機基を示す)で
表される繰り返し単位を有するものであるポジ型感光性
樹脂組成物に関する。
【0007】また本発明は、前記ポリフェニレンオキシ
ド(A)が、さらに、一般式(3)
【化6】 (式中、R3は、各々独立に、ハロゲン原子又は炭素数
1〜9のアルキル基を示し、複数ある場合は、各々同一
でも異なっていてもよく、yは0〜4の整数である)で
表される繰り返し単位を有するものであるポジ型感光性
樹脂組成物に関する。
【0008】また本発明は、前記のポジ型感光性樹脂組
成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工
程、アルカリ水溶液を用いて現像する工程を含むパター
ンの製造法に関する。さらに本発明は、前記の製造法に
より得られるパターンを表面保護膜又は層間絶縁膜とし
て有してなる電子部品に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感光性樹脂組成物
について詳細に説明する。本発明のポリフェニレンオキ
シド(A)は、前記一般式(1)で表される繰り返し単
位を有するもので、露光及びその後の加熱工程を経てフ
ェノール性水酸基を発現する。この繰り返し単位を有す
ることにより、本発明の感光性樹脂組成物に良好なアル
カリ水溶液可溶性を付与する。保護基を施した水酸基
(OR2基)の結合位置に特に制限はないが、合成の容
易性などから、前記一般式(2)で示される繰り返し単
位のように、エーテル結合に対して、オルト位に結合す
るものが好ましい。
【0010】本発明のポリフェニレンオキシド(A)
は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位ととも
に、前記一般式(3)で表される繰り返し単位を有して
いてもよい。この場合、一般式(1)で表される繰り返
し単位の数をm、一般式(3)で表される繰り返し単位
の数をnとすると、その共重合比(m/n)は、10/
90以上が好ましく、50/50〜85/15がより好
ましい。共重合比m/nが10/90未満であるとアル
カリ水溶液での現像性が低下する傾向にある。
【0011】本発明のポリフェニレンオキシド(A)の
分子量に特に制限はないが、膜物性等の面で、重量平均
分子量で4千〜10万が好ましく、1万〜4万がより好
ましい。なお、本発明において分子量は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリ
スチレン検量線を用いて求めることができる。
【0012】本発明のポリフェニレンオキシド(A)の
製造方法に特に制限はなく、種々の方法が使用できる。
たとえば、カテコール又はその誘導体等のフェノール性
水酸基を2つ有する化合物を、p−トルエンスルホン酸
ピリジン塩(PPTS)等の触媒の存在下で、ジヒドロ
ピラン等の保護化剤と反応させて、片方のフェノール性
水酸基にあらかじめ保護基を導入する。ついで、得られ
た化合物及び必要に応じてその他のフェノール類を原料
として、触媒の存在下、重合させて目的のポリフェニレ
ンオキシドを合成することができる。この反応の一例を
以下に示す。
【0013】
【化7】 (m及びnは、繰り返し数を示し、得られる共重合体
は、各繰り返し単位のランダム共重合体となる)
【0014】本発明において、ポリフェニレンオキシド
の原料として用いられる前記フェノール性水酸基を2つ
有する化合物としては、カテコール、3−メチルカテコ
−ル、3−エチルカテコール、3−プロピルカテコー
ル、3−クロロカテコール、3−ブロモカテコール、3
−フルオロカテコール、3−ヨードカテコール、4−メ
チルカテコール、4−エチルカテコール、3,4−ジメ
チルカテコール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシ
ノールなどがあげられ、これと併用できるその他のフェ
ノール類としては、フェノール、o−クレゾール、m−
クレゾール、o−エチルフェノール、2,3−キシレノ
ール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、
2,6−キシレノール、3,5−キシレノール、チモー
ル、カルバクロールなどがあげられる。
【0015】上記一般式(1)にて示される構造単位中
のR2は、酸の作用で分解し、水素原子に変換しうる一
価の有機基は酸の作用で分解し、水素原子に変換しうる
ものであれば、特に制限はない。例えば、アルコキシカ
ルボニル基(好ましい炭素数2〜5)、アルコキシアル
キル基(好ましい炭素数2〜5)、アルキルシリル基
(好ましい炭素数1〜20)又はアセタール若しくはケ
タールを構成する基である、アルカリ可溶性基の保護基
が好ましいものとして挙げられる。
【0016】アセタール若しくはケタールを構成する基
としては、例えば次の構造を有するものが挙げられる。
【化8】 (式中、R4、R5及びR6は各々独立に炭素数5以下の
アルキル基であり、Xは炭素数3以上(好ましくは20
以下)の2価のアルキレン基(側鎖を有していても良
い)である)
【0017】具体的には、t−ブトキシカルボニル基等
のアルコキシカルボニル基、メトキシメチル基、エトキ
シエチル基等のアルコキシアルキル基、メチルシリル
基、エチルシリル基等のアルキルシリル基、テトラヒド
ロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、アルコキシ置
換テトラヒドロピラニル基、アルコキシ置換テトラヒド
ロフラニル基等が典型的な例として例示されるが、これ
らに限定されるものではない。最も好ましい基はテトラ
ヒドロピラニル基である。
【0018】これらのR2で示される保護基の、水素原
子に対する置換率は、1%以上とすることが好ましく、
30%以上とすることがより好ましい。これよりも置換
率が低い場合には、未露光部の膜減りが大きくなる等、
悪影響を与える場合がある。
【0019】本発明に使用する光により酸を発生する化
合物(B)としては、例えば、以下の化合物が挙げられ
る。
【0020】本発明に使用する光により酸を発生する化
合物(B)は、紫外線の如き活性光線の照射によって酸
性を呈すると共に、(A)成分であるポリフェニレンオ
キシド中の保護基R2を脱離させる作用を有する。この
ような(B)成分の化合物としては具体的にはジアリー
ルスルホニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジア
ルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアリールヨードニ
ウム塩、アリールジアゾニウム塩、芳香族テトラカルボ
ン酸エステル、芳香族スルホン酸エステル、ニトロベン
ジルエステル、芳香族N‐オキシイミドスルフォネー
ト、芳香族スルファミド、ナフトキノンジアジド‐4‐
スルホン酸エステルなどが用いられる。このような化合
物は必要に応じて2種類以上併用したり、他の増感剤と
組合せて使用することができる。
【0021】なかでも芳香族N‐オキシイミドスルフォ
ネートは高感度が期待でき、ジアリールヨードニウム塩
は、未露光部に適度な溶解阻止効果が期待できるので好
ましい。
【0022】光により酸を発生する化合物(B)のポリ
フェニレンオキシド(A)への配合量は、ポリフェニレ
ンオキシド(A)100重量部に対して0.1〜100
重量部であることが好ましく、0.1〜20重量部であ
ることがより好ましい。配合量が0.1重量部未満であ
るとパタ−ニング性が不良となる傾向にあり、また、1
00重量部を越えると被膜の形成性が低下する傾向にあ
る。
【0023】本発明におけるポジ型感光性樹脂組成物に
は、必要により密着性付与のための有機ケイ素化合物、
シランカップリング剤、レベリング剤等の密着性付与剤
を添加してもよい。
【0024】これらの例としては、例えば、γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエ
トキシシラン、トリス(アセチルアセトネート)アルミ
ニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピ
レートなどがあげられる。密着性付与剤を用いる場合
は、ポリフェニレンオキシド(A)100重量部に対し
て、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量
部がより好ましい。
【0025】本発明においてはこれらの成分を溶剤に溶
解し、ワニス状にして使用する。溶剤としては、N−メ
チル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−
ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチ
ル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレ
ングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール
アセテート、シクロヘサノン、テトラヒドロフラン、2
−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等があ
り、単独でも混合して用いてもよい。
【0026】本発明のポジ型感光性樹脂組成物を使用
し、パターンを製造する方法は、まず該組成物を適当な
支持体、例えば、シリコンウエハ、セラミック、アルミ
基板等に塗布する。塗布方法としてはスピンナ−を用い
た回転塗布、スプレーコータを用いた噴霧塗布、浸漬、
印刷、ロールコーティング等があげられる。次に、好ま
しくは60〜120℃でプリベ−クして塗膜を乾燥後、
所望のパターン形状に化学線を照射することができる。
化学線としてはX線、電子線、紫外線、可視光線等が使
用できるが、200nm〜500nmの波長のものが好まし
い。次に現像して照射部を溶解除去することによりパタ
−ンを得ることができる。
【0027】現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪
酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチ
ルアミン、n−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエ
チルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2アミン
類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3
アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノール
アミン等のアルコ−ルアミン類、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキ
シド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ水溶液、及
び、これに水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加し
た水溶液を好適に使用することができる。
【0028】現像方法としてはスプレー、パドル、浸
漬、超音波等の方式が可能である。次に現像によって形
成したパターンをリンスすることができる。リンス液と
しては蒸留水を使用することができる。次に加熱処理を
行い、耐熱性に富む最終パターンを得ることができる。
【0029】本発明の感光性樹脂組成物は、半導体装置
や多層配線板等の電子部品に使用することができ、具体
的には、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配
線板の層間絶縁膜等の形成に使用することができる。本
発明の半導体装置は、前記組成物を用いて形成される表
面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限され
ず、様々な構造をとることができる。
【0030】本発明の半導体装置の製造工程の一例を以
下に説明する。図1は多層配線構造の半導体装置の製造
工程図である。図において、回路素子を有するSi基板
等の半導体基板は、回路素子の所定部分を除いてシリコ
ン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上
に第1導体層が形成されている。前記半導体基板上にス
ピンコート法等で層間絶縁膜4が形成される(工程
(a))。
【0031】次に塩化ゴム系やフェノールノボラック系
の感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピンコート
法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の
層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられている
(工程(b))。
【0032】前記窓6Aの層間絶縁膜4は、酸素、四フ
ッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によっ
て選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられている。
ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食すること
なく、感光樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶
液を用いて感光樹脂層5が完全に除去される(工程
(c))。
【0033】さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2
導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完
全に行われる(工程(d))。3層以上の多層配線構造
を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を
形成することができる。
【0034】次に表面保護膜8が形成される。この図の
例では、この表面保護膜を前記感光性重合体組成物をス
ピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形
成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後ア
ルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、加熱して
樹脂膜とする。この樹脂膜は、導体層を外部からの応
力、α線などから保護するものであり、得られる半導体
装置は信頼性に優れる。なお、上記例において、層間絶
縁膜を本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成すること
も可能である。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0036】実施例1 〔テトラヒドロピラニル基を有するポリフェニレンオキ
シドの合成〕トルエン6.0mlに、3−メチルカテコー
ル4.96gとジヒドロピラン1.81mlを溶解させ、
反応系を0〜5℃に保ちながらp−トルエンスルホン酸
ピリジン塩0.025gを加えた。数分撹拌後、さらに
トルエン2.0mlに溶解させたジヒドロピラン3.62
mlをゆっくり滴下した。さらにパラトルエンスルホン酸
ピリジン塩0.025gを加え、窒素雰囲気中、室温で
1時間撹拌した。反応溶液をエーテル60mlで薄め、
0.2%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。エーテル
層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、エーテルを留去した。
残った無色のオイル状の物質をカラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル、トルエン)により精製し、2−(テト
ラヒドロピラン−2−イル)オキシ−6−メチルフェノ
ールを得た。
【0037】次に、塩化第一銅0.030gにピリジン
1.0mlを加え、窒素雰囲気下で撹拌し、銅(II)−ピ
リジン錯体の溶液を得た。これに2−(テトラヒドロピ
ラン−2−イル)オキシ−6−メチルフェノールと2.
6−キシレノールを合わせて6.0ミリモル(モル比7
5:25)、硫酸ナトリウム及びトルエン5.0mlを加
え、室温で2時間反応を行った。反応終了後、反応溶液
をメタノール中に投じ褐色の沈澱物を得た。得られた沈
澱物を洗浄してポリフェニレンオキシド共重合体(A−
1、一般式(1)においてモル比m:n=75:25、
重量平均分子量2万3千)を得た。
【0038】〔ポジ型感光性樹脂組成物の作製〕合成し
たポリフェニレンオキシド(A−1)100重量部、ジ
フェニルヨードニウム−9,10−ジメトキシアントラ
セン−2−スルホネート(B−1)15重量部を2−メ
トキシエタノール200重量部に溶解した後、0.2μ
mのテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、感光性
樹脂組成物を得た。
【0039】〔特性評価〕この感光性樹脂組成物をシリ
コンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、オ
ーブン中100℃で10分間乾燥し、膜厚約2μmの塗
膜を得た。この塗膜にガラスマスクを通して高圧水銀灯
からの紫外光線を照射した後、2.38%のテトラメチ
ルアンモニウムヒドロキシド水溶液に30秒間パドル現
像することによって露光部を溶解除去し純水でリンスし
た。その結果、シリコンウエハ上に1μmの抜きパター
ンが解像しているのが確認できた。また、別に感光性ワ
ニスを同様にシリコンウエハ上に塗布し、オーブン中で
100℃/30分間、200℃/30分間、350℃/
30分間の順序で加熱し、樹脂を硬化させ膜厚を測定
し、残膜率を求めた。
【0040】実施例2 実施例1における酸発生剤をナフチルイミジルトリフレ
ート(B−2)に替えた以外は実施例1と同様に評価し
た。
【0041】実施例3 実施例1における保護基をt−ブトキシカルボニル基に
替えた以外は実施例1と同様に評価した。
【0042】比較例1 実施例1における酸発生剤(B−1)を添加しないで、
実施例1と同様に評価した。
【0043】比較例2 実施例1における水酸基の保護基を導入しないで、実施
例1と同様に評価した。
【0044】比較例3 〔ポリフェニレンオキシドの合成〕塩化第一銅0.03
0gにピリジン1.0mlを加え、窒素雰囲気下で撹拌
し、銅(II)−ピリジン錯体の溶液を得た。これに2.
6−キシレノールを6.0ミリモル、硫酸ナトリウム及
びトルエン5.0mlを加え、室温で2時間反応を行っ
た。反応終了後、反応溶液をメタノール中に投じてポリ
フェニレンオキシド共重合体(A−2、一般式(1)に
おいてモル比m/n=0/100)を得た。そして実施
例1における(A−1)を(A−2)に替えた以外は実
施例1と同様に評価した。
【0045】以上の実施例1〜3及び比較例1〜4の評
価結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、感
度、解像度及び耐熱性に優れる。また本発明のパターン
の製造法によれば、前記組成物の使用により、感度、解
像度及び耐熱性に優れ、良好な形状のパターンが得られ
る。また、本発明の電子部品は、良好な形状と特性のパ
ターンを有することにより、信頼性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】多層配線構造の半導体装置の製造工程図であ
る。
【符号の説明】
1…半導体基板 2…保護膜 3…第1導体層 4…層間絶縁膜層 5…感光樹脂層 6A、6B、6C…窓 7…第2導体層 8…表面保護膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/312 H01L 21/30 502R Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA03 AA10 AB17 AC01 AD03 BE00 BG00 FA03 FA17 4J002 CH071 EV296 FD206 GP03 4J005 AA23 BA00 5F058 AC07 AC08 AE04 AF04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は、ハロゲン原子又は炭素数1〜9のアル
    キル基を示し、複数ある場合は、各々同一でも異なって
    いてもよく、xは0〜3の整数であり、R2は酸の作用
    で分解し水素原子に変換し得る一価の有機基を示す)で
    表される繰り返し単位を有するポリフェニレンオキシド
    (A)と、光により酸を発生する化合物(B)を含有し
    てなるポジ型感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリフェニレンオキシド(A)が、一般
    式(1)として、一般式(2) 【化2】 (式中、R1は、ハロゲン原子又は炭素数1〜9のアル
    キル基を示し、複数ある場合は、各々同一でも異なって
    いてもよく、xは0〜3の整数であり、R2は酸の作用
    で分解し水素原子に変換し得る一価の有機基を示す)で
    表される繰り返し単位を有するものである請求項1記載
    のポジ型感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリフェニレンオキシド(A)が、さら
    に、一般式(3) 【化3】 (式中、R3は、各々独立に、ハロゲン原子又は炭素数
    1〜9のアルキル基を示し、複数ある場合は、各々同一
    でも異なっていてもよく、yは0〜4の整数である)で
    表される繰り返し単位を有するものである請求項1又は
    2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3に記載のポジ型感光
    性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光
    する工程、アルカリ水溶液を用いて現像する工程を含む
    パターンの製造法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の製造法により得られるパ
    ターンを表面保護膜又は層間絶縁膜として有してなる電
    子部品。
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JP2010513650A (ja) * 2006-12-20 2010-04-30 エイゼット・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・コーポレイション 反射防止膜組成物

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