JP2001311068A - 複合型紫外線硬化型粘着剤組成物並びに両面粘着テープ及びその製造方法 - Google Patents

複合型紫外線硬化型粘着剤組成物並びに両面粘着テープ及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線により重合させる粘着剤として、高い
凝集力と粘着力とをバランスよく有し、低臭気のものを
使用して粘着剤層の厚い両面粘着テープを製造した場合
に、打ち抜き加工時に刃に粘着剤が付着することを防止
し、また紫外線の照射側面と裏面との接着力に実質的な
差異が生じないようにする。さらにそのような両面粘着
テープをロール状に巻いた場合に、粘着剤がはみ出さな
いようにする。 【解決手段】 紫外線硬化型粘着剤組成物に、ガラスパ
ウダー及び/又はポリオレフィンパウダーを含有させ
る。また、両面粘着テープ4は、紫外線硬化型粘着剤組
成物3を硬化させた粘着剤層中に2枚の多孔性基材2
a、2bを存在させる。紫外線硬化型粘着剤組成物に、
炭素数が4〜14個のアルキルアルコールのアクリル酸
エステルモノマーと単官能のオリゴエステルアクリレー
トを含有させ、かつその組成物を紫外線で硬化させて得
られる粘着剤のガラス転移点が−20℃以下となるよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、紫外線硬化型粘着剤
組成物、紫外線硬化型粘着剤組成物を紫外線照射により
硬化させた粘着剤及びそのような粘着剤層を有する両面
粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、両面粘着テープなどの粘着剤
層として、アクリル系粘着剤組成物を硬化させた粘着剤
が使用されている。このようなアクリル系粘着剤組成物
は、通常、主成分として、炭素数が4〜14のアルキル
アルコールのアクリル酸エステルを含有している。この
アクリル酸エステルの硬化物は、ガラス転移点が−60
℃〜−40℃であり、粘着剤としての粘着力(タック
性)には優れているが、凝集力は不十分である。
【0003】そこで、アクリル系粘着剤組成物には、粘
着力と凝集力とをバランス良く向上させるために、この
他数種のモノマーも配合される。このようなモノマーと
しては、(i) 低級アルコールとアクリル酸やメタクリル
酸とのエステル、例えばメチルアクリレート、エチルア
クリレート、プロピルアクリレート、メチルメタアクリ
レート、エチルメタアクリレート等、(ii)ビニル系モノ
マー、例えば酢酸ビニル、塩化ビニリデン等、(iii) 反
応性基を有するモノマー、例えはアクリル酸、メタアク
リル酸、ヒドキシエチルアクリレート、ヒドキシプロピ
ルアクリレート、ヒドキシエチルメタクリレート、ヒド
キシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、N−メチロールアクリルアミド、ダイアセトンアク
リルアミド等がある。
【0004】このようなモノマーと前述のアルキルアル
コールのアクリル酸エステルを配合したアクリル系粘着
剤組成物は、液状重合法やエマルジョン重合法により重
合させ、さらに架橋剤を添加し、硬化させることによ
り、例えばテープ状の粘着剤となる。
【0005】しかしながら、この硬化の工程において
は、溶媒や水を飛散させることが必要となり、多量の熱
エネルギーが必要とされ、また溶媒の回収や排ガスの処
理などの環境汚染対策も講じなくてはならないという問
題がある。
【0006】そこで、溶媒を使用することなく得られる
無溶剤型の粘着剤として、アルキルアルコールのアクリ
ル酸エステルモノマーとそれと共重合する成分とからな
る粘着剤組成物に紫外線を照射して得る粘着剤が提案さ
れており、そのような粘着剤からなる粘着テープを作製
することも提案されている(Belgium,675,
420、5/1966)。この場合、紫外線により硬化
するモノマー成分としては、炭素数が4〜14のアルキ
ルアルコールや低級アルコールのアクリル酸エステル、
例えばメチルアクリレートやエチルアクリレートなどが
使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、メチル
アクリレートやエチルアクリレートは沸点が低く臭気が
強いため、それを無溶剤型の粘着剤のモノマー成分とし
て使用することは、その取扱い性や労働安全性の点から
問題がある。また、このようなモノマーからなる組成物
を紫外線により硬化させて得られる粘着剤も強い不快臭
を有しているという問題もある。なお、硬化時に溶媒を
使用する粘着剤のモノマー成分のうち、メチルメタクリ
レートなどのメタクリレート、ビニル系モノマーである
酢酸ビニル、アクリルアミド系モノマーは紫外線により
重合しないので、無溶剤型の粘着剤のモノマー成分とし
ては使用できない。
【0008】一方、両面粘着テープの製造に際しては、
被接着物と粘着テープとの接着破壊現象が、両者の界面
で生じる界面剥離とはならなず、粘着テープの粘着剤層
自体が破壊される凝集破壊となるようにして接着強度を
向上させることが好ましく、このためには粘着剤層の厚
さを厚くすることが望まれる。
【0009】しかし、硬化時に溶媒を使用する従来の粘
着剤を使用して粘着テープの粘着剤層を厚く形成するこ
とは困難である。すなわち、液状重合やエマルジョン重
合した粘着剤組成物をテープ状の基材に塗布し、溶剤や
水を揮発させるという方法により粘着剤層を厚く形成す
ることは難しい。
【0010】粘着剤としてホットメルト粘着剤を使用
し、押し出し機でテープ状に成形し、粘着剤を厚く形成
する方法もあるが、こうして得られる粘着テープは耐熱
性が低く、またテープ状に成形する際にべたつきのため
に取扱い性が悪く作業性が低下するという問題がある。
【0011】紫外線により硬化させて得る無溶剤型の粘
着剤を使用すれば、このような問題点は解消されるが、
粘着剤層の厚さを厚くすると、金型やビク型による打ち
抜き加工時に粘着剤がそれらの刃に付着しやすいという
問題がある。また、粘着剤層の厚さを厚くすると、両面
粘着テープをロール状に巻いた場合に粘着剤がはみ出
し、そのはみ出した接着剤が相互に接着するため、その
粘着テープを巻き戻して使用することができないという
問題もある。またさらに、紫外線の照射面とその裏面と
で接着力が相違するという問題もある。すなわち、両面
テープの製造に際して、一般に、紫外線の照射時に照射
面(表面)側には剥離処理した透明ポリエステルフィル
ムが積層されており、粘着剤層を介して反対側の裏面に
は剥離紙が設けられているので、裏面からは紫外線があ
たらず、裏面の接着力は表面の接着力に比べて低くな
る。この接着力の相違の問題に対しては、紫外線の照射
方向を粘着テープの上面及び下面の双方向とすることが
考えられるが、設備的に繁雑になる。
【0012】この発明は以上のような従来技術の問題点
を解決しようとするものであり、紫外線により重合させ
て得る粘着剤として、高い凝集力と粘着力とをバランス
よく有し、しかも低臭気のものを得ること、及びそのよ
うな粘着剤を使用して粘着剤層の厚い両面テープを製造
した場合に、そのテープの打ち抜き性を優れたものと
し、金型やビク型による打ち抜き加工時にそれらの刃に
粘着剤が付着しないようにすること、また、紫外線の照
射面と裏面とで接着力に差異が生じないようにするこ
と、またさらに両面粘着テープをロール状に巻いた場合
に粘着剤がはみ出さないようにすることを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明者は、紫外線に
より硬化させる粘着剤のモノマー成分として、炭素数が
4〜14個のアルキルアルコールのアクリル酸エステル
モノマーの他に、単官能のオリゴエステルアクリレート
であって、紫外線硬化物である粘着剤のガラス転移点を
−20℃以下にするものを使用すれば、その粘着剤は低
臭気でかつ凝集力と粘着力とがバランスよく向上したも
のとなること、また、紫外線硬化型粘着剤組成物にガラ
スパウダーやポリオレフィンパウダーを配合すると、こ
の組成物を紫外線により硬化して得られる粘着剤の打ち
抜き性が向上し、また紫外線の照射面と裏面とで実質的
に接着力が等しくなること、さらに、そのようなガラス
パウダーやポリオレフィンパウダーを配合した紫外線硬
化型粘着剤組成物を使用して両面粘着テープを製造する
に際し、粘着剤層中に2枚の多孔性基材を設けると、粘
着剤層を厚く形成した場合でも両面粘着テープをロール
状に巻いたときに粘着剤がはみ出すことを防止できるこ
とを見出し、この発明を完成させるに至った。
【0014】すなわち、第1のこの発明は、炭素数が4
〜14個のアルキルアルコールのアクリル酸エステルモ
ノマーと単官能のオリゴエステルアクリレートからなる
紫外線硬化型粘着剤組成物を紫外線で硬化させて得られ
る、ガラス転移点が−20℃以下の粘着剤を提供する。
【0015】また、第2のこの発明は、紫外線硬化型粘
着剤組成物とガラスパウダー及び/又はポリオレフィン
パウダーを含有してなる複合型紫外線硬化型粘着剤組成
物を提供する。
【0016】さらに、第3のこの発明は、2枚の多孔性
基材の間に上記のこの発明の複合型紫外線硬化型粘着剤
組成物を紫外線で硬化させた粘着剤層を有し、該多孔性
基材の外側に、複合型紫外線硬化型粘着剤組成物を紫外
線で硬化させた粘着剤層、または実質的にガラスパウダ
ー及び/又はポリオレフィンパウダーを含有しない紫外
線硬化型粘着剤組成物を紫外線で硬化させた粘着剤層を
有する両面粘着テープを提供する。
【0017】また、この第3のこの発明の両面粘着テー
プの製造方法として、第1の剥離シート上に第1の多孔
性基材を重ね、その上に上記のこの発明の複合型紫外線
硬化型粘着剤組成物を塗布し、その上から第2の多孔性
基材を重ね、更にその上に第2の剥離シートを重ね、加
圧により第1の剥離シートから第2の剥離シートに至る
全体の厚さを均一化し、その後紫外線を照射して複合型
紫外線硬化型粘着剤組成物を硬化させることを特徴とす
る方法を提供する。
【0018】以下、この発明を詳細に説明する。
【0019】この第1のこの発明の粘着剤は、炭素数が
4〜14個のアルキルアルコールのアクリル酸エステル
モノマーと、単官能のオリゴエステルアクリレートとか
ら紫外線硬化型粘着剤組成物を調製し、これを紫外線で
硬化させて得られるものであり、そのガラス転移点が−
20℃以下であることを特徴としている。ここで、使用
するアクリル酸エステルモノマーとしては、従来より紫
外線硬化型粘着剤組成物に使用されていた炭素数が4〜
14個のアルキルアルコールのアクリル酸エステルモノ
マーを使用でき、例えば、ブチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレー
ト、ノニルアクリレート、デシルアクリレートなどを使
用することができる。
【0020】また、単官能のオリゴエステルアクリレー
トとしては、紫外線硬化型粘着剤組成物を紫外線で硬化
させて得られる粘着剤のガラス転移点を−20℃以下に
するものを使用する。このような単官能のオリゴエステ
ルアクリレートとしては、化学式A−M 又は A−M
−N (式中、Aはアクリル酸、Mは2価アルコール、
Nは2塩基酸を表す)を有するものを使用でき、より具
体的には、化学式A−Mを有するものとして、例えば、
2,3−ジヒドロキシプロピルフェニルエーテルとアク
リル酸から得られる2−ヒドロキシプロピルフェニルエ
ーテルアクリレート等をあげることができる。また、化
学式A−M−Nを有するものとして、2価アルコールで
ある、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネ
オペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA等と、
2塩基酸であるコハク酸、アジピン酸、無水フタール
酸、レテフタール酸等と、アクリル酸とから得られるオ
リゴエステルアクリレート、例えば、コハク酸モノヒド
ロキシエチルアクリレートやフタル酸モノヒドロキシエ
チルアクリレート等をあげることができる。
【0021】このような単官能のオリゴエステルアクリ
レートと、炭素数が4〜14個のアルキルアルコールの
アクリル酸エステルモノマーとの配合比は、紫外線硬化
型粘着剤組成物を紫外線で硬化させて得られる粘着剤の
ガラス転移点を−20℃以下とする値である。このよう
な配合比は、使用するオリゴエステルアクリレートの種
類にもよるが、一般にはアクリル酸エステルモノマー1
000重量部に対してオリゴエステルアクリレートを1
00重量部以下とすることが好ましい。オリゴエステル
アクリレートを配合することにより紫外線硬化型粘着剤
組成物の紫外線硬化性が向上し、粘着剤の凝集力が向上
するが、過剰に配合するとタック性が低下する。
【0022】この発明の粘着剤を得るに際して、紫外線
硬化型粘着剤組成物には、高温時の凝集力を高めるため
に、さらに、分子量300以上の多官能アクリル酸エス
テルモノマー及び/又はオリゴマーを配合することがで
きる。例えば、エンネアエチレングリコールジアクリレ
ート(NKエステルA−400、新中村化学(株)
製)、テトラデカエチレングリコールジアクリレート
(NKエステルA−600、新中村化学(株)製)等の
ポリアルキレングリコールジアクリレート、エチレンオ
キサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(BP−
4EA、共栄社油脂化学(株)製)、プロピレンオキサ
イド変性ビスフェノールAジアクリレート(BP−4P
A、共栄社油脂化学(株)製)、エチレンオキサイド変
性トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP−
6EO−3A、共栄社油脂化学(株)製)、ヒドロキシ
ピバリン酸ネオペンチルグリコールアクリレート(KA
YARAD MANDA、日本火薬(株)製)及びその
誘導体(KAYARAD HX−220、KAYARA
D HX−620、日本火薬(株)製)等を使用するこ
とができる。また、オリゴウレタンアクリレートも使用
することができる。
【0023】この発明の粘着剤を得るに際して、紫外線
硬化型粘着剤組成物には光開始剤などの種々の添加剤を
配合することができる。また、紫外線硬化型粘着剤組成
物の粘度を高くし、コーティング性を向上させるため
に、アクリルゴムを配合することもできる。
【0024】第2のこの発明の複合型紫外線硬化型粘着
剤組成物は、紫外線により硬化させて粘着剤を得るため
の組成物であって、紫外線硬化型粘着剤組成物とガラス
パウダー及び/又はポリオレフィンパウダーを含有する
ことを特徴としている。このようにガラスパウダーまた
はポリオレフィンパウダーあるいはその双方を使用する
ことにより、この紫外線硬化型粘着剤組成物に紫外線を
照射して得られる粘着剤の打ち抜き性を改善でき、ま
た、紫外線の照射面と裏面との接着力に実質的に差異が
生じないようにすることが可能となる。
【0025】この場合、ガラスパウダーとしては、波長
約200nm以上の光を透過するものが好ましく、紫外
線を吸収しない石英パウダーを使用することがより好ま
しい。またその形状は球状が好ましいが、粉状のものが
混入していてもよい。粒径は小さい方が良く、通常は1
00μm以下、より好ましくは50μm以下とする。粒
径が大きいと組成物を硬化して得られる粘着剤の表面の
平滑性が低下する。また、ガラスパウダーの使用量とし
ては、紫外線硬化型粘着剤組成物100容量部に対して
5〜20容量部(パウダーの真比重から算出した値)と
することが好ましい。5容量部未満とすると紫外線の透
過性が不十分となり、例えば厚さ0.1mmの粘着剤層
を形成した場合に表裏の接着力に差異が生じやすくな
る。一方、20容量部を超えて配合すると得られる粘着
剤が固くなり、接着力が低下しやすくなる。
【0026】また、ポリオレフィンパウダーとしては、
波長約350nm以上の光を透過するものであって、粉
状のポリエチレンやポリプロピレンなどを好ましく使用
することができ、特に、超高分子量ポリエチレンパウダ
ーが耐熱性の点から好ましい。ポリオレフィンパウダー
の粒径は、ガラスパウダーと同様に小さい方がよく、通
常は100μm以下、より好ましくは50μm以下とす
る。また、ポリオレフィンパウダーの使用量としては、
紫外線硬化型粘着剤組成物100容量部に対して5〜2
0容量部とすることが好ましい。5容量部未満とすると
組成物を硬化して得られる粘着剤の打ち抜き性を大きく
改善することが難しく、粘着剤を打ち抜き加工した場合
に刃に粘着剤が付着しやすくなる。一方、20容量部を
超えて配合すると得られる粘着剤が固くなり、接着力が
低下しやすくなる。
【0027】したがって、ガラスパウダーとポリオレフ
ィンパウダーはその双方を使用することが好ましく、そ
の場合の使用量としては紫外線硬化型粘着剤組成物10
0容量部に対して、ガラスパウダー5〜20容量部及び
ポリオレフィンパウダー5〜20容量部とし、且つガラ
スパウダーとポリオレフィンパウダーとの合計の使用量
を30容量部以下とすることが好ましい。
【0028】第2のこの発明の複合型紫外線硬化型粘着
剤組成物に使用する紫外線硬化型粘着剤組成物として
は、紫外線または紫外線と熱を併用して硬化させる種々
の粘着剤組成物を使用することができるが、好ましく
は、上述の第1のこの発明の粘着剤を得る場合に使用す
る紫外線硬化型粘着剤組成物を使用する。すなわち、従
来例の紫外線または紫外線と熱を併用して硬化させる紫
外線硬化型粘着剤組成物を使用した場合でも、ガラスパ
ウダーやポリオレフィンパウダーを配合することにより
第2のこの発明の効果を得ることができるが、第1のこ
の発明の粘着剤を得る場合に使用する紫外線硬化型粘着
剤組成物を使用することにより、第1のこの発明の効果
と第2のこの発明の効果とを合わせて得ることができる
ので好ましい。
【0029】第3のこの発明の両面粘着テープは、上述
の複合型紫外線硬化型粘着剤組成物を使用して得られる
両面粘着テープであり、この両面粘着テープによれば、
粘着剤層を厚く形成し、両面粘着テープをロール状に巻
いた場合でも粘着剤がはみ出さないようにすることが可
能となる。
【0030】この両面粘着テープは、特願平3−330
877号明細書に記載の両面粘着テープの製造方法に準
じて、図1に示したように製造することができる。ま
ず、同図(a)のように、第1の剥離シート1a上に第
1の多孔性基材2aを重ねる。次ぎに、第1の多孔性基
材2aの上からこの発明の複合型紫外線硬化型粘着剤組
成物3を塗布する。これにより複合型紫外線硬化型粘着
剤組成物3は、同図(b)のように第1の多孔性基材2
aに含浸する。次ぎに、同図(c)のように複合型紫外
線硬化型粘着剤組成物3の塗布層上に第2の多孔性基材
2bを重ね、この第2の多孔性基材2bにも複合型紫外
線硬化型粘着剤組成物3を含浸させる。この場合、第2
の多孔性基材2bによって空気が巻き込まれないように
することが好ましい。その後、同図(d)のように第2
の剥離シート1bを重ね、加圧により第1の剥離シート
1aから第2の剥離シート1bに至る全体の厚さを均一
化する。この第2の剥離シート1bを重ねる際にも空気
が巻き込まれないようにすることが好ましい。次いで、
同図(e)のように紫外線UVを照射して複合型紫外線
硬化型粘着剤組成物を硬化させて粘着剤とし、両面粘着
テープ4を製造する。この両面粘着テープ4をロール状
に巻く場合には、同図(f)のように、紫外線を照射し
た側の第2の剥離シート1bを剥離しながらロール状に
することが好ましい。なお、ロール状にしたものから両
面粘着テープ4の打ち抜き製品を製造する場合には、第
2の剥離シート1bを剥離した粘着剤層の上に再度剥離
処理した剥離紙をラミネートし、打ち抜けばよい。
【0031】こうして得られる両面粘着テープ4は、2
枚の多孔性基材2a、2bの間ではガラスパウダーやポ
リオレフィンパウダーが多く存在し、剥離シート1aと
多孔性基材2aとの間、及び剥離シート1bと多孔性基
材2bとの間ではガラスパウダーやポリオレフィンパウ
ダーが2枚の多孔性基材2a、2bの間よりも相当少な
く存在するか、あるいは実質的に存在しないものとな
る。
【0032】ここで、第1の剥離シート1aとしては、
紙または高分子フィルムからなる剥離シートを使用する
ことができる。また、第2の剥離シート1bとしては、
紫外線を透過する剥離シートを使用する。このような第
2の剥離シート1bとしては、例えばシリコーンで剥離
処理した厚さ25〜75μmのポリエステルフィルムを
好適に使用することができる。
【0033】第1の多孔性基材2a及び第2の多孔性基
材2bとしては、紫外線硬化型粘着剤組成物を含浸する
ものを使用する。また、その目の粗さは、ガラスパウダ
ーやポリオレフィンパウダーの平均粒径以下とすること
が好ましい。これにより、ガラスパウダーやポリオレフ
ィンパウダーのうち、粒径の小さいものは基材を透過す
るが粒径の大きいものは基材を透過しないようになる。
このような基材としては、合成繊維、天然繊維あるいは
ガラス繊維からなる不織布などを使用することができ、
中でも麻やレーヨンを混合した不織布を好ましく使用す
ることができる。
【0034】このような基材に含浸させる粘着剤組成物
としては、上述のように第2のこの発明の複合型紫外線
硬化型粘着剤組成物を使用する。特に、基材へ容易に含
浸するように、基材への塗布時の粘度が低いものを使用
することが好ましく、塗布時の粘度が500〜3000
cpsのものを好適に使用することができる。また、こ
の複合型紫外線硬化型粘着剤組成物は、必要に応じて溶
剤を含有させたものであってもよい。
【0035】こうして得られる両面粘着テープ4の粘着
剤層全体の厚さLは、2枚の多孔性基材2a、2bに挟
まれた粘着剤層の厚さをL、第1の剥離シート1aと
第1の多孔性基材2aに挟まれた粘着剤層の厚さを
、第2の剥離シート1bと第2の多孔性基材2bに
挟まれた粘着剤層の厚さをL、第1の多孔性基材2a
と第2の多孔性基材2bとの厚さを共にLとした場合
に、 L=L+L+L+L×2 となるが、この粘着剤層全体の厚さLを200μm〜2
mmとすることが好ましい。
【0036】
【作用】第1のこの発明の粘着剤は、炭素数が4〜14
個のアルキルアルコールのアクリル酸エステルモノマー
と単官能のオリゴエステルアクリレートからなる紫外線
硬化型粘着剤組成物を紫外線で硬化させることにより得
られるが、ここで使用する単官能のオリゴエステルアク
リレートは紫外線硬化性に優れているので、得られる粘
着剤は高い凝集力と粘着力とをバランスよく有するもの
となる。特に、高温における凝集力と粘着力をバランス
よく有し、耐熱性も良好となる。また、この発明により
得られる粘着剤は、ガラス転移点が−20℃以下なの
で、常温における粘着力も優れたものとなる。
【0037】また、この発明により得られる粘着剤は、
単官能のオリゴエステルアクリレートの優れた紫外線硬
化性により、重合率が高いものとなるので、モノマーに
よる臭気の問題が解消され、取扱い性や労働安全性が向
上する。
【0038】第2のこの発明の複合型紫外線硬化型粘着
剤組成物は、ガラスパウダー及び/又はポリオレフィン
パウダーを含有しているので、この組成物に紫外線を照
射して硬化させることにより得られる粘着剤の打ち抜き
性を改善できる。また、紫外線の照射面の反対側の裏面
にも紫外線が効率良く到達するようになるので、紫外線
の照射面と裏面との接着力に実質的に差異が生じなくな
る。
【0039】第3のこの発明の両面粘着テープによれ
ば、粘着剤層中に2枚の多孔性基材が入っているので、
粘着剤層を厚く形成しても、両面粘着テープをロール状
に巻いた場合に粘着剤層がはみ出ることを防止すること
ができる。したがって粘着剤層を厚く形成し、被接着物
と粘着テープとの接着破壊現象が、2枚の多孔性基材で
挟まれた粘着剤層の凝集破壊となるようにすることがで
き、これにより接着強度を向上させることが可能とな
る。
【0040】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。
【0041】実施例1 2−エチルヘキシルアクリレート900g、アクリル酸
100gからなる混合モノマー液1000gとアクリル
ゴム70g(トアクロンPS220、(株)東亜ペイン
ト製)を撹拌機の付いた容器で48時間撹拌し、それら
を溶解させた。次いで、2−ヒドロキシプロピルフェニ
ルエーテルアクリレート50g、光開始剤2−ヒドロキ
シ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダ
ロキュア1173、メルク社製)2.0gを添加し、撹
拌して、粘度2500cpsの紫外線硬化型粘着剤組成
物を得た。この組成物に不快臭はなかった。
【0042】得られた紫外線硬化型粘着剤組成物を、コ
ーターのナイフギャップを450μmにして剥離紙上に
塗布し、その上から厚さ50μmの剥離処理したポリエ
ステルフィルムを被せ、紫外線を照射して塗布した組成
物を硬化させ、両面粘着テープの形態で粘着剤を得た。
この場合、紫外線の照射は、紫外線照射ランプとして入
力160W/cm、長さ50cmのオゾンレスタイプの
メタルハライドランプを使用し、低波長の紫外線をカッ
トし、熱線反射フィルターを通し、2J/cm の線量
の紫外線を20cmの高さから照射することにより行っ
た。
【0043】得られた粘着剤の重合率、ガラス転移点T
g、凝集力、接着力、粘着性を次ぎのように測定した。
これらの結果を表1に示した。
【0044】(重合率の測定)紫外線によって硬化した
粘着剤約0.5gを精秤し、100℃、7mmHg下で
1時間放置し、残存モノマーを除去した。そして再度精
秤して除去した残存モノマーの重量を求め、さらに次式
にしたがって重合率を求めた。
【0045】重合率=(残存モノマー(重量)/仕込み
モノマー(重量))×100 (ガラス転移点Tgの測定)バイブロン(DDV−01
FP、(株)オリエンテック製)を使用して測定した。
この場合、試料の大きさは長さ30mm、幅4mm、厚
さ0.4mmとし、加振振幅16μmで引張加重のもと
で−100〜50℃の範囲を測定した。そして、加振周
波数3.5Hzにおける結果からガラス転移点を算出し
た。
【0046】(凝集力の測定)JIS Z 0237の
保持力の測定方法に準じて凝集力を測定した。この場
合、被着材としては、280番のサンドペーパーで研磨
した厚さ2mmのステンレス板と厚さ0.05mmのア
ルミニウム箔を使用し、接着面積は25mm×25mm
とした。粘着剤でこれらを接着後、150℃で1Kgf
の荷重を垂直にかけ、1時間放置し、接着部のズレの大
きさを測定した。
【0047】(接着力の測定)被着材として、280番
のサンドペーパーで研磨した厚さ2mmのステンレス板
と厚さ0.05mmのアルミニウム箔を使用し、これら
を粘着剤で接着後24時間23℃あるいは150℃に放
置した。その後、幅10mmの帯状に切断し、引張速度
300mm/minで90度方向に引き剥がし、接着力
を測定した。
【0048】(粘着性の測定)JIS Z 0237の
タック(球転法)測定方法にしたがって測定した。即
ち、傾斜角度30度の傾斜坂に、長さ250mm、幅1
5mmに切断した粘着剤を剥離紙を剥がして貼り付け、
23℃で2時間放置後、剥離処理したポリエステルフィ
ルムを剥がし、紫外線照射面の粘着性(タック)を測定
した。
【0049】実施例2 2−ヒドロキシプロピルフェニルエーテルアクリレート
の使用量を100gとする以外は実施例1と同様にして
紫外線硬化型粘着剤組成物を得た。この組成物に不快臭
はなかった。
【0050】また、得られた紫外線硬化型粘着剤組成物
を実施例1と同様に硬化させて両面粘着テープの形態で
粘着剤を得、得られた粘着剤の重合率、ガラス転移点T
g、凝集力、接着力、粘着性を測定した。これらの結果
を表1に示した。
【0051】実施例3 2−ヒドロキシプロピルフェニルエーテルアクリレート
の使用量を150gとする以外は実施例1と同様にして
紫外線硬化型粘着剤組成物を得た。この組成物に不快臭
はなかった。
【0052】また、得られた紫外線硬化型粘着剤組成物
を実施例1と同様に硬化させて両面粘着テープの形態で
粘着剤を得、得られた粘着剤の重合率、ガラス転移点T
g、凝集力、接着力、粘着性を測定した。これらの結果
を表1に示した。
【0053】実施例4 2−エチルヘキシルアクリレート475g、ブチルアク
リレート475g、アクリル酸50gからなる混合モノ
マー液1000gとアクリルゴム70g(トアクロンP
S220、(株)東亜ペイント製)を撹拌機の付いた容
器で48時間撹拌し、それらを溶解させた。次いで、フ
タル酸モノヒドロキシエチルアクリレート75g、光開
始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン(ダロキュア1173、メルク社製)2.
0gを添加し、撹拌して、粘度2500cpsの紫外線
硬化型粘着剤組成物を得た。この組成物に不快臭はなか
った。
【0054】得られた紫外線硬化型粘着剤組成物を実施
例1と同様に硬化させて両面粘着テープの形態で粘着剤
を得、得られた粘着剤の重合率、ガラス転移点Tg、凝
集力、接着力、粘着性を測定した。これらの結果を表1
に示した。
【0055】実施例5 2−エチルヘキシルアクリレート850g、アクリル酸
80g、N−ビニル−2−ピロリドン70gからなる混
合モノマー液1000gとアクリルゴム50g(トアク
ロンPS250、(株)東亜ペイント製)を撹拌機の付
いた容器で48時間撹拌し、それらを溶解させた。次い
で、コハク酸モノヒドロキシエチルアクリレート100
g、多官能オリゴアクリレートであるヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート1.56g
(0.005モル)、開始剤を添加し、撹拌して紫外線
硬化型粘着剤組成物を得た。この組成物に不快臭はなか
った。
【0056】得られた紫外線硬化型粘着剤組成物を実施
例1と同様に硬化させて両面粘着テープの形態で粘着剤
を得、得られた粘着剤の重合率、ガラス転移点Tg、凝
集力、接着力、粘着性を測定した。これらの結果を表1
に示した。
【0057】比較例1 実施例1において、2−ヒドロキシプロピルフェニルエ
ーテルアクリレートを200g使用した以外は実施例1
と同様にして紫外線硬化型粘着剤組成物を得、得られた
紫外線硬化型粘着剤組成物を使用して両面粘着テープの
形態で組成物を硬化させ、得られた硬化物の重合率、ガ
ラス転移点Tg、粘着性を測定した。これらの結果を表
1に示した。この硬化物は粘着性が2/32であり、粘
着剤としての機能に全く欠けるものであった。
【0058】比較例2 実施例4において、フタル酸モノヒドロキシエチルアク
リレートを150g使用した以外は実施例4と同様にし
て紫外線硬化型粘着剤組成物を得、得られた紫外線硬化
型粘着剤組成物を使用して両面粘着テープの形態で組成
物を硬化させ、得られた硬化物の重合率、ガラス転移点
Tg、粘着性を測定した。これらの結果を表1に示し
た。この硬化物は粘着性が0/32であり、粘着剤とし
ての機能に全くなかった。
【0059】
【表1】 オリゴエステル 重合率 Tg 凝集力 接着力 粘着性 アクリレート (150℃) (23℃) (150℃) [g] [%] [℃] [mm] [kgf/cm] [kgf/cm] 実施例1 50(*1) 99.2 -35.5 3.0 2.8 0.9 16/32 実施例2 100(*1) 99.2 -27.5 2.5 3.2 1.2 15/30 実施例3 150(*1) 99.5 -22.6 2.5 3.3 1.25 7/32 実施例4 75(*2) 99.5 -25.0 3.5 3.5 1.1 12/30 実施例5 100(*3) 99.5 -28.0 0.0 3.0 1.3 9/32 比較例1 200(*1) 99.5 -17.5 2/32 比較例2 150(*2) 99.6 -15.5 0/32 (*1)2−ヒドロキシプロピルフェニルエーテルアクリレート (*2)フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート (*3)コハク酸モノヒドロキシエチルアクリレート
【0060】表1から、紫外線硬化型粘着剤組成物の硬
化物のガラス転移点が−20℃以下である実施例の粘着
剤は凝集力及び接着力が大きく、特に高温時の接着力が
大きく耐熱性に優れていることが確認できた。
【0061】実施例6 実施例2において、光開始剤を添加後さらにポリオレフ
ィンパウダー51.7g(5容量%)(平均粒径30μ
m、比重0.94、ミペロンXM−220、三井石油化
学(株)製)とガラスパウダー275g(10容量%)
(平均粒径50μm、比重2.5、FGB−300、不
二製作所製)を添加して十分混合し、静置して脱泡した
以外は実施例2と同様にして複合型紫外線硬化型粘着剤
組成物を得、得られた組成物に紫外線を照射して両面粘
着テープの形態で硬化させた。
【0062】組成物を硬化させた粘着剤層の厚さは0.
4mmであり、その表面は平滑であった。また、この粘
着剤層を、剥離処理したポリエステルフィルムと剥離紙
とで挟んだ状態で、ビク型により抜き加工した。この場
合、直径20mmの円を100ショット連続的に抜き加
工したが、刃に粘着剤は付着しなかった。また、紫外線
の照射側面とその裏面の接着力を実施例1と同様にして
測定した。結果を表2に示した。
【0063】なお、参考のために実施例2で得た硬化物
に対しても同様にビク型による抜き加工をしたところ、
ビク刃には粘着剤が付着した。また紫外線の照射側面と
裏面の接着力を測定したところ、照射側面の接着力は
2.95kgf/cmであり、裏面の接着力は1.85
kgf/cmであった。
【0064】実施例7及び実施例8 ポリオレフィンパウダーの使用量を表2に示したように
する以外は実施例6と同様にして複合型紫外線硬化型粘
着剤組成物を得、紫外線を照射してその組成物を両面粘
着テープの形態で硬化させた。そして、ビク型により抜
き加工をしてビク刃への粘着剤の付着の有無を観察し、
また、紫外線の照射側面と裏面との接着力を測定した。
結果を表2に示した。
【0065】
【表2】 ポリオレフィン ビク刃への 接着力 パウダー添加量 粘着剤の付着 照射側面 裏面 [g] [kgf/cm] [kgf/cm] 実施例6 51.7( 5vol%) 無し 3.25 3.00 実施例7 155.1(15vol%) 無し 3.15 3.00 実施例8 206.8(20vol%) 無し 2.95 2.80
【0066】実施例9〜11 ガラスパウダーの使用量を表3に示したようにする以外
は実施例6と同様にして複合型紫外線硬化型粘着剤組成
物を得、紫外線を照射してその組成物を両面粘着テープ
の形態で硬化させた。そして、ビク型による抜き加工を
行い、また、紫外線の照射側面と裏面との接着力を測定
した。結果を表3に示した。
【0067】
【表3】 ガラスパウダー ビク刃への 接着力 添加量 粘着剤の付着 照射側面 裏面 [g] [kgf/cm] [kgf/cm] 実施例 9 137.5( 5vol%) 無し 3.05 2.85 実施例10 412.5(15vol%) 無し 3.20 3.20 実施例11 550.0(20vol%) 無し 2.80 2.85
【0068】実施例12 ポリオレフィンパウダーを103.6g(10容量%)
及びガラスパウダーを687.5g(25容量%)使用
した以外は実施例6と同様にして複合型紫外線硬化型粘
着剤組成物を得、紫外線を照射してその組成物を両面粘
着テープの形態で硬化させた。そして、ビク型による抜
き加工を行い、また、紫外線の照射側面とその裏面との
接着力を測定した。その結果、ビク刃に粘着剤の付着は
なかったが、粘着剤層が固くなり、実施例6に比べて接
着力が低下したものとなった。
【0069】表2及び表3の結果から、紫外線硬化型粘
着剤組成物にポリオレフィンパウダーとガラスパウダー
を配合すると、得られる粘着剤の打ち抜き性が改善で
き、紫外線の照射側面と裏面との接着力の差を実質的に
なくせること、特に、ポリオレフィンパウダーとガラス
パウダーの合計の配合量が、紫外線硬化型粘着剤組成物
100容量部に対して30容量%以下であると粘着剤は
固くならず、接着力も極めて良好であることが確認でき
た。
【0070】実施例13 2−エチルヘキシルアクリレート95モル%、アクリル
酸5モル%からなる混合モノマー液1000gとアクリ
ルゴム50g(トアクロンPS220、(株)東亜ペイ
ント製)を撹拌機の付いた容器で48時間撹拌し、それ
らを溶解させ、粘度1500cpsの粘稠な液を得た。
次いで、2−ヒドロキシプロピルフェニルエーテルアク
リレート100g、光開始剤2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア11
73、メルク社製)2.0g、過酸化ベンゾイル5.0
gを添加し、紫外線と熱によりラジカル重合する紫外線
硬化型粘着剤組成物を得た。さらに、ポリオレフィンパ
ウダー103.6g(10容量%)(平均粒径30μ
m、比重0.94、ミペロンXM−220、三井石油化
学(株)製)とガラスパウダー275g(10容量%)
(平均粒径50μm、比重2.5、FGB−300、不
二製作所製)を添加して十分混合し、静置して脱泡し、
複合型紫外線硬化型粘着剤組成物を得た。
【0071】両面をシリコーンで剥離処理した厚さ50
μmのポリエステルフィルム上に、厚さ約20μmの不
織布を重ね、その上から上述の複合型紫外線硬化型粘着
剤組成物を厚さ約0.4mmになるように塗布し、次い
でさらに同様の不織布を重ねた。これにより不織布の上
には複合型紫外線硬化型粘着剤組成物がしみ出した。こ
の上に片面をシリコーンで剥離処理した厚さ50μmの
ポリエステルフィルムを重ね、粘着剤層が0.4mmに
なるように厚さを調製した。その後、片面をシリコーン
で剥離処理したポリエステルフィルムの上から2J/c
の線量の紫外線を20cmの高さから照射した。複
合型紫外線硬化型粘着剤組成物は温度90℃まで上昇
し、硬化して粘着剤となり、両面粘着テープが得られ
た。
【0072】得られた両面粘着テープの断面を拡大鏡を
使用して測定したところ、粘着剤層全体の厚さは0.4
mm、2枚の不織布で挟まれた粘着剤層の厚さは0.2
mm、上下の不織布からしみ出した粘着剤層の厚さはそ
れぞれ0.06mmであった。
【0073】また、両面粘着テープの粘着剤層を、剥離
処理したポリエステルフィルムと剥離紙とで挟んだ状態
で、ビク型により抜き加工した。この場合、直径20m
mの円を100ショット連続的に抜き加工したが、刃に
粘着剤は付着しなかった。
【0074】さらに、紫外線の照射側面と裏面の接着力
を実施例1と同様にして測定した(接着後24時間の放
置温度23℃)。その結果、照射側面の接着力は2.8
5kgf/cmであり、裏面の接着力は2.80kgf
/cmで、表裏の接着力に実質的な差異はなかった。
【0075】
【発明の効果】第1のこの発明によれば、紫外線により
重合させる粘着剤として、高い凝集力と粘着力とをバラ
ンスよく有し、しかも低臭気のものを得ることが可能と
なる。また第2のこの発明によれば、粘着剤層の厚い両
面粘着テープを製造した場合でも、金型やビク型による
打ち抜き加工時にそれらの刃に粘着剤が付着しないよう
にすることが可能となり、また、紫外線の照射側面とそ
の裏面とで接着力に実質的な差異が生じないようにする
ことが可能となる。さらに第3のこの発明によれば、両
面粘着テープを、その粘着剤層を厚く形成し、ロール状
に巻いた場合でもその粘着剤がはみ出さないようにする
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の両面粘着シートの製造方法の説明図
である。
【符号の説明】
1a、1b 剥離シート 2a、2b 多孔性基材 3 複合型紫外線硬化型粘着剤組成物 4 両面粘着テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA01 AA02 AA07 AA15 AA18 AB01 AB07 CA02 CA07 CB01 DB02 EA01 EA05 GA01 4J040 DA022 FA141 FA271 HA346 JA09 JB08 JB09 KA03 KA42 LA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線硬化型粘着剤組成物とガラスパウ
    ダー及び/又はポリオレフィンパウダーを含有してなる
    複合型紫外線硬化型粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 紫外線硬化型粘着剤組成物100容量部
    に対して、ガラスパウダー5〜20容量部及びポリオレ
    フィンパウダー5〜20容量部を含有し、且つガラスパ
    ウダーの含有量とポリオレフィンパウダーの含有量の合
    計が30容量部以下である請求項1記載の複合型紫外線
    硬化型粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 2枚の多孔性基材の間に請求項1記載の
    複合型紫外線硬化型粘着剤組成物を紫外線で硬化させた
    粘着剤層を有し、該多孔性基材の外側に、複合型紫外線
    硬化型粘着剤組成物を紫外線で硬化させた粘着剤層、ま
    たは実質的にガラスパウダー及び/又はポリオレフィン
    パウダーを含有しない紫外線硬化型粘着剤組成物を紫外
    線で硬化させた粘着剤層を有する両面粘着テープ。
  4. 【請求項4】 第1の剥離シート上に第1の多孔性基材
    を重ね、その上から請求項1記載の複合型紫外線硬化型
    粘着剤組成物を塗布し、その上に第2の多孔性基材を重
    ね、更にその上に第2の剥離シートを重ね、加圧により
    第1の剥離シートから第2の剥離シートに至る全体の厚
    さを均一化し、その後紫外線を照射して複合型紫外線硬
    化型粘着剤組成物を硬化させることを特徴とする請求項
    3記載の両面粘着テープの製造方法。
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