JP2001311025A - 記録物、記録方法、記録装置及びインク - Google Patents

記録物、記録方法、記録装置及びインク

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JP2001311025A
JP2001311025A JP2001046849A JP2001046849A JP2001311025A JP 2001311025 A JP2001311025 A JP 2001311025A JP 2001046849 A JP2001046849 A JP 2001046849A JP 2001046849 A JP2001046849 A JP 2001046849A JP 2001311025 A JP2001311025 A JP 2001311025A
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Satoshi Yuasa
聡 湯浅
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光干渉による発色を利用した鮮やかな色を有
し、照明方向や観察の角度を変えると干渉条件が変化す
るため色調が微妙に変化し、通常の色素を用いた記録物
では得られない強い印象を与え、華やかな、表示・展示
効果が高い記録物の提供。 【解決手段】 撥液性面2上の一部に光透過性の固体微
粒子1が付着して存在する記録物において、前記微粒子
が凝集配列して規則的周期構造を形成していることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に光干渉によ
る発色を有する記録物、その記録方法、記録装置、及び
インクに関する。
【0002】
【従来の技術】通常の印刷物は、色素を被印刷面に付着
させたものであり、かかる印刷面は、付着している前記
色素の光吸収により、色素に依存した一定の波長領域の
光を反射或いは透過することにより着色して見える。印
刷物に用いることのできる上記色素としては、多種のも
のがあり、特に、合成有機色素は、多種にして多様な色
の発色を可能とする。しかし、上記色素による着色は光
エネルギーの吸収によるものであるため、吸収した光エ
ネルギーによって色素が化学変化を起こす可能性もあ
る。色素を用いた印刷物に光を当てた際に色褪せを生じ
る光褪色現象は、「ヤケ」として知られている。従っ
て、特に、屋外展示する印刷物は直射日光に曝されるた
め、この場合には、耐光性を有する色素を用いることが
必須となる。
【0003】色素の中には、吸収した光エネルギーを別
の波長の光として放出する性質を持つものも存在し、所
謂、蛍光色素として知られている。このような蛍光色素
を印刷物に用いると、その色素に依存した特定の波長領
域の光が吸収されるだけでなく、色素に依存した別の特
定波長の光が放出されるために、視覚的に強調された印
象の強い印刷物が得られる。特に、狭い波長領域に発光
エネルギーが集中している蛍光色素を印刷に用いると、
色純度の高い光が視認されるために、鮮やかな印象の印
刷物が得られる。
【0004】これに対し、上記したような色素を用いず
に着色を得る技術としては、光の干渉を利用するものが
知られている。光の干渉を利用した発色は、蛍光色素を
用いた場合のような色純度の高い光が視認されることに
加えて、対象物と照明や視線との角度により干渉条件が
変化し、明るさや色に変化が現れる。従って、蛍光色素
を用いた印刷よりも、いっそう印象的な視認効果が得ら
れる。これらの色素を用いない着色では、色素に見られ
る光褪色現象がなく、色褪せしないという利点もある。
【0005】ホログラムは、フィルムに光の干渉縞を記
録し、これに再生光を当てると、透過光或いは反射光に
干渉が生じて、着色した立体像等が表示される技術であ
るが、光/現像を必要とするホログラムは、印刷物の簡
便な大量生産には向いていない。これに対し、エンボス
ホログラムは、表面に光干渉を起こす凹凸を形成して前
記のような像の再生表示を可能としたもので、金型を使
ったスタンピング等により凹凸を形成できるので、大量
生産に向いている。しかし、光の波長に近いサイズの精
度での凹凸成形が必要であるために、印刷には、高い精
度の金型が要求される。更に、凹凸形成するための基体
の形状や材料を自由に選ぶことはできない。
【0006】そこで、エンボスホログラムを任意の基体
に印刷する方法として、先ず、エンボスホログラムを形
成した転写箔を作成し、この転写箔を基体に転写するこ
とによりホログラムを基体に印刷することが行われてい
る。しかし、この場合、転写箔には予め所定の干渉パタ
ーンが記録されているため、基体への転写時にこのパタ
ーンを変更することは難しく、転写箔を基体に転写する
際に、その干渉パターンの一部を消去するには、例え
ば、特開平5−11676号公報で提案されるような、
特別な工夫が必要である。従って、この転写箔を利用す
る印刷は、基体の任意の所定領域に、光干渉を有する部
分を形成する方法としては簡便なものとは言い難かっ
た。
【0007】コレステリック液晶材料には、液晶層のら
せんピッチが可視光と干渉し、発色するものがある。前
記のらせんピッチを温度で制御することも知られてい
る。例えば、玉置信之らは、ADVANCED MAT
ERIALS、1997年第9巻14号1102ページ
において、ジアセチレン部とコレステリル部を有する材
料が100℃付近でコレステリック液晶相を示して、温
度に応じて可視域の発色をすること、及び、発色状態の
前記材料を急冷すると発色状態が固定されることを見い
だし、前記の材料を2枚のガラス板に挟んだものに、熱
書き込み、急冷固定操作をすることにより、カラー記録
ができたことを報告している。この玉置らの方法は、加
熱・冷却により繰り返し書き換えが可能という点で、カ
ラー表示デバイスとして優れたものではあるが、特殊な
液晶材料を狭持したガラス板を使用する点において、記
録の媒体が限られてしまうという欠点がある。
【0008】粒径が一様な透明材料からなる微粒子を規
則的に配列すると、微粒子配列により光の干渉が起こ
り、着色した反射光が得られることが知られている。例
えば、MAYORALらによるADVANCED MA
TERIALS、1997年第9巻3号257ページの
記載されているように、シリカの単分散粒子を懸濁液か
ら沈殿させて熱処理することにより、着色した反射光を
示す焼結体が得られる。
【0009】又、プラスチックの微粒子についても同様
に発色が起こることが知られている。例えば、JORN
AL of the OPTICAL SOCIETY
of AMERICA、1954年44巻8号603
ページにおいて、VANDERHOFFらは、ビニル系
重合体の均一粒子系ラテックスから、強い光干渉による
発色を示す材料が得られたことを報告している。
【0010】一方、透明材料の微粒子をインク中に懸濁
させることに関しては、例えば、特開昭62−9157
4号公報で、インクの顔料の分散安定性等を向上する目
的で、シリカ微粒子を利用することが提案されている。
特開昭63−145381号公報では、やはり同様の目
的で、樹脂粒子をインクに加えることが提案されてい
る。更に、特開平6−287492号公報では、チタニ
ア或いはアルミナの微粒子をインクジェット記録用のイ
ンクに加えることで、印字濃度や滲みを改善することが
提案されている。更に、特開平7−196965号公報
では、粒径が0.2〜1μmのポリエステル単分散微粒
子を、インクジェットプリンタのインクとして用いるこ
とが提案されているが、ここでは、滲みのない画像濃度
の高い良好な記録画像を得るために、染料又は顔料で着
色した状態で、前記微粒子を用いている。
【0011】しかしながら、上記の微粒子を分散させた
状態のインクはいずれも、本発明で使用する粒子径を厳
密に揃えた微粒子の配列により光干渉を得ようとする目
的で調製されたインクではなかった。上記したように、
種々の記録物及び記録方法が知られているが、版を用い
ない、例えば、ドットマトリクス型のような任意パター
ンの印刷機で、光干渉により着色した鮮やかな反射光を
有する印刷物を得ることは未だ実現されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、光の干渉による発色を利用した鮮やかな色を有し、
照明方向や観察の角度を変えると干渉条件が変化するた
め色調が微妙に変化し、見るものに、通常の色素を用い
た記録物では得られない強い印象を与える記録物、その
記録方法及び記録装置を提供することにある。又、本発
明の目的は、一定方向から見ただけでも複数の異なる干
渉色を見ることができ、華やかな、表示・展示効果が高
い記録物、その記録方法及び記録装置を提供することに
ある。更に、本発明の別の目的は、光の干渉を利用した
上記のような優れた特性を有する記録物を、特別な版を
作成することなく製造可能な記録方法及び記録装置を提
供することにある。また本発明の目的は、上記の記録物
を与えることのできるインクを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は下記の本発明
により達成される。即ち、本発明は、撥液性面上の一部
に固体微粒子が付着して存在する記録物において、前記
微粒子が凝集配列して規則的周期構造を形成しているこ
とを特徴とする記録物、その記録方法及び記録装置であ
る。また本発明は、固体微粒子を懸濁した液体インクに
おいて、前記微粒子の粒径分布が単分散であることを特
徴とするインクである。更に本発明は、被記録材の撥液
性面上の一部に固体微粒子が付着して存在する記録物で
あって、光透過性の固体微粒子が少なくとも2種存在
し、且つ、固体微粒子の付着箇所において、それぞれ同
種の微粒子が凝集配列して規則的周期構造を形成してい
ることを特徴とする記録物、その記録方法及び記録装置
である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を挙
げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明の第一の実
施態様にかかる記録物は、撥液性面上の一部に光透過性
の固体微粒子が付着して存在する記録物において、前記
微粒子が凝集配列して規則的周期構造を形成している。
先に説明したように、従来より、インク中に微粒子を分
散させること、微粒子が配列すると光干渉が起こる構造
が形成可能なことは知られていたが、粒子を分散させた
インクを用いた印刷によって光干渉を生じる記録物が得
られることや、更には、粒子を複数種類用いて、それぞ
れの粒子の配列構造を形成することで、複数種類の干渉
構造を印刷形成することも知られていなかった。
【0015】これに対し、本発明者は、上記した従来技
術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、透明性を有する
固体微粒子を用い、これが分散された懸濁液を用い、被
記録材の撥液性面上の一部に、単分散微粒子を凝集配列
させることで規則的周期構造を形成すれば、任意パター
ンの、光干渉により発色する部分を有する従来にない印
刷物を簡易に得ることができること、更には、複数種類
の透明性を有する固体微粒子を用い、これらがそれぞれ
分散された複数の懸濁液を用い、被記録材の撥液性面上
の一部に、同種の単分散微粒子をそれぞれ凝集配列させ
ることで規則的周期構造を形成すれば、任意パターン
の、光干渉により発色する部分を有する従来にない印刷
物を簡易に得ることができることを知見して本発明に至
った。尚、本発明においては、光透過性の固体微粒子を
分散させた懸濁液を使用して粒子配列を形成するが、該
懸濁液は所謂通常のインクと異なり色材を含有しないも
のであるが、かかる懸濁液も干渉パターンによって記録
物を形成するという意味で同様であるので、これを含有
する記録液もインクと呼んでいる。
【0016】本発明で使用する固体微粒子として用いら
れる材料は、光を透過する性質を持つものが好ましい。
可視光に対しては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニ
ア、ジルコニア等の無機酸化物、SiO2・Al23
SiO2・B23、TiO2・CeO2、SnO2・Sb2
5、SiO2・Al23・TiO2、又はTiO2・Ce
2・SiO2等の複合無機酸化物、チタン酸金属塩等の
酸素酸塩といったセラミクスや、メタクリル系樹脂、ア
クリル系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ビ
ニルエステル系樹脂等の合成樹脂等を利用できる。
【0017】このような光を透過する材料は、それぞれ
に適した方法により、均一な粒子径を有する微粒子状に
調製する。前述のシリカのような無機酸化物の場合は、
例えば、対応する金属アルコキシドの溶液から加水分解
及び重縮合反応を行う、所謂、ゾル−ゲル法と呼ばれる
工程を利用することにより、均一な粒径の微粒子を調製
することができる。又、アクリル樹脂等の付加重合体の
場合には、例えば、懸濁重合・ソープフリー重合のよう
な方法を用いることにより、均一な粒径の微粒子を調製
することができる。調製の際に、付加重合体の粒子の形
状安定化の目的のために、重合性単量体の一部として、
二官能性の架橋単量体を混在させて重合させることが好
ましい。ここで言う二官能性の架橋単量体とは、例え
ば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリ
レート等のような、分子内に複数の重合可能部位を有す
る単量体のことである。
【0018】本発明にかかる記録物は、上記に挙げたよ
うな固体微粒子を、被記録材の撥液性面上の一部に密に
配列(同種の微粒子が凝集配列)させた状態で付着さ
せ、その結果生じる固体微粒子の規則的周期構造により
光を干渉せしめ、基板上に発色部分を形成するものであ
る。従って、微粒子は単分散であることが求められる。
理想的な単分散とは、粒子の径が、完全に均一に揃って
いる状態のことであるが、本発明においては、粒子の粒
径分布の変動係数(平均粒径に対する標準偏差の割合)
を求めた場合に、その値が5%以下、好ましくは、3%
以下である場合のことを単分散と定義する。粒径分布の
状態は、電子顕微鏡による直接観察や、微粒子を懸濁し
た液体の光散乱やコールターカウンター法による計測に
よって確認することができる。本発明の記録物において
は、使用する固体微粒子の粒径分布が理想的単分散に近
づくほど、得られる記録物の光干渉による着色は鮮やか
になる。逆に、粒径分布が広がり、理想的単分散から離
れると、得られる記録物の光干渉による着色は弱くな
り、鮮やかな記録物が得られにくくなる。
【0019】本発明において好適に利用可能な固体微粒
子は、その平均粒径がおよそ100〜1000nmの範
囲のものである。本発明において用いる固体微粒子の粒
径は、可視光との干渉が起こる条件、及び、微粒子が液
体に安定に分散する条件から決定すればよい。即ち上記
の範囲であれば、、その配列による可視光の確実な光干
渉が期待でき、またインクに用いる微粒子を分散させた
懸濁液の安定性が悪くなり、実用上問題になることもな
い。
【0020】固体微粒子の粒径と光干渉現象との関係に
ついては、結晶X線回折におけるブラッグの条件が要求
されると考えられる。前記の単分散微粒子が密に配列し
て規則構造を形成すると、粒子が格子面を形成する。こ
の格子面による可視光の反射が、ブラッグの条件式2n
Dcosθ=mλ(1)を満たすと考えられる。(1)
式で、mは回折の次数を表わす自然数、θは入射光が格
子面の法線となす角、Dは格子面間隔、nは粒子配列構
造の平均屈折率である。
【0021】(1)式の格子面間隔Dは、一つの格子系
に対して無数に存在するものだが、例えば、六方或いは
立方の最密充填格子で最も短いものは、粒子径をdとし
た場合には、D=d(√2/√3)と推定できる。又、
平均屈折率nは、粒子の屈折率n’と粒子の体積分率ψ
から、n=n’ψと見積もることができる。しかし、光
の波長オーダーサイズの微粒子の屈折率を正確に測定す
ることは難しく、又、同じ材料のバルクの屈折率と、微
粒子の屈折率とが同じであるとも限らないため、上記式
を使って可視光の干渉波長を予想する精度は、あまり高
くはない。むしろ、観察された粒径と干渉光とから、み
かけの平均屈折率を得て、同じ材料系による粒子サイズ
の設計に用いる方がよい。
【0022】本発明の第二の実施態様にかかる記録物
は、上記のような単分散微粒子が少なくとも2種類、被
記録材の撥液性面上に付着して存在して構成される。そ
して、それぞれ同種の単分散微粒子が凝集配列し、規則
的周期構造を形成している。かかる構成により、同一面
上に複数波長の干渉光が同時に観察される記録物が得ら
れる。この際に使用される2種類の固体微粒子は、それ
ぞれの凝集物による干渉光の中心波長が同一の測定条件
のもとで、少なくとも30nm、好ましくは40nm以
上離れて観察されるものを使用することが好ましい。即
ち、これよりも干渉光の波長が近いと、肉眼による記録
物の観察において干渉光の色が互いに類似するために、
別種粒子を利用した効果があまり顕著には得られない場
合がある。
【0023】人目につく位置に掲示した場合に、特に鮮
やかな印象を与えることのできる記録物を得るには、記
録面に約45度の角度で光を照明した際に、干渉反射光
の中心波長が、440〜460nm、520〜580n
m、600〜660nmの範囲となる凝集配列を与える
粒子を用いるべきである。45度という角度は、人が対
象物を明るく照明しながら見る普通の条件を代表するも
のである。又、前記の波長範囲は、人間の色彩感覚の3
原色に対応すること、及び、近年室内照明によく利用さ
れる3波長蛍光灯の各放射ピークの範囲に一致すること
から、干渉光波長がこの範囲にあると、とても鮮やかに
感じる記録物が得られる。
【0024】本発明の記録物においては、上記したよう
に、複数種の単分散微粒子を選ぶ際に、粒子の凝集配列
物の示す干渉反射光の中心波長が、440〜460n
m、520〜580nm及び600〜660nmの3つ
の別々の領域にある粒子を選択すると、華やかな記録物
を得ることができる。赤と緑の対比は人の目に強い印象
を与えるので、特に、干渉反射光が520〜580nm
の領域にある微粒子と、600〜660nmの2つの領
域にある微粒子とを少なくとも1種類ずつ選ぶと、表示
効果の高い記録物を得ることができる。
【0025】本発明にかかる記録物は、被記録材の撥液
性面上の一部に、上記したように、1種もしくは2種以
上の固体微粒子が付着して構成されるが、本発明で用い
る単分散微粒子の規則的配列を設けるための撥液性面と
しては、表面エネルギーが45mN/m以下、或いは、
常温で水との接触角が70度以上となる面であることが
好ましい。このような撥液性面は、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等
のポリビニル樹脂、ポリメタクリル酸イソブチル等のア
クリル樹脂、11−ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリ
エチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリフ
ッ素化エチレン等のフッ素樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルフォン樹脂、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等、耐水性を有する合
成樹脂材料によって形成された表面を用いることができ
る。この場合に、上記したような合成樹脂からなる成形
物を被記録材とし、その表面を用いてもよいし、例え
ば、紙のような別の材料からなる基材表面に、上記に挙
げたような合成樹脂層をコーティングし、そのコーティ
ングされた面を用いてもよい。
【0026】又、本発明で使用することのできる単分散
微粒子の規則的配列を設けるための撥液性面としては、
この他、ガラスやセラミクスや金属等の無機材料の表面
に、有機成分を物理吸着或いは化学結合させて撥液性と
なった面を利用することもできる。この場合に、物理吸
着させる有機成分としては、例えば、鉱物油等の炭化水
素や、脂肪、脂肪酸、脂肪酸塩、リン脂質等の脂質等を
挙げることができる。又、化学結合させる有機成分の例
としては、オクチルトリエトキシシラン、ヘキサメチル
ジシラザン等のアルキル化剤或いはフルオロアルキル化
剤等を挙げることができる。このようにして構成するこ
とによって、ガラス等の無機材料の表面に、C−H結合
或いはC−F結合を有する成分が存在することで、撥液
性を有する面となる。
【0027】次に、本発明の記録物が得られる本発明の
記録方法と、その方法によって記録を行う記録装置につ
いて説明する。本発明の記録方法は、被記録材の撥液性
面上の所望の位置に、1種もしくは2種類以上の固体微
粒子を凝集配列して規則的周期構造を形成するものであ
るが、具体的には、例えば1種類もしくは2種類以上
の、上記で説明したような光透過性の単分散固体微粒子
を用い、この微粒子もしくはこれらの微粒子をそれぞれ
液体に懸濁させた微粒子懸濁液を用いて1種類若しくは
2種類のインクを調製し、このインクもしくはこれらの
インクを被記録材の撥液性面上に液滴状に付着させ、そ
の後、該インクを乾燥させることで、被記録材の撥液性
面上の所望の位置に、単分散固体微粒子が凝集配列した
規則的周期構造を形成する。
【0028】この場合に使用する単分散固体微粒子を懸
濁させた微粒子懸濁液を得るための液体としては、微粒
子を実用上溶解しない液体であって、しかも、揮発性を
有するものが好適に用いられる。又、これらの液体は1
種類を単独で利用することもできるが、2種類以上を混
合して利用することもできる。2種類以上の液体を混合
して利用する場合には、混合する液体が均一に混ざるよ
うな組み合わせを用いることが好ましい。
【0029】このような液体として普通に利用できるも
のの例としては、水、或いは水に溶解する有機液体と水
との混合物が挙げられる。有機液体を用いることによっ
て、固体微粒子を懸濁させた微粒子懸濁液が含有された
インクを、インクジェット手段で液滴状に吐出して、撥
液性面上に微粒子を固着させる場合における吐出安定性
と、液滴が撥液性面に付着した後の懸濁粒子の凝集配列
性が改善される。この際に用いることのできる有機液体
の例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノ
ール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノ
ール、2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−2
−ブタノール等の低級アルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、チ
オジグリコール、トリエチレングリコール等のアルキレ
ングリコール類、1,3−ブタンジオール、2−メトキ
シエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ
−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール
等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、アセト
ン、ブタノン等のケトン類、ジアセトンアルコール等の
ケトアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロピラン等
のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド等のアミド類、N−メチル−2−ピロリドン、2
−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン等を挙げることができる。
【0030】勿論、これらの有機液体を用いずに、微粒
子懸濁液を作成するための液体として、水のみを用いて
もよい。しかし、先に述べたように、記録物の形成に後
述するインクジェット手段を用いる場合における吐出の
安定性の向上、及び、微粒子懸濁液を撥液性面に吐出さ
せて、乾燥することによって形成される固着した微粒子
の配列性を改善する目的で、水に上記に挙げたような有
機液体を加えた混合物を用いることが好ましい。
【0031】インクジェット手段の吐出安定化に有効な
上記した有機液体成分の割合としては、粒子懸濁液(イ
ンク)重量の3〜50重量%の範囲とすること、更に
は、3〜40重量%の範囲とすることが好ましい。又、
使用する水の量は、インク全重量の10〜90重量%、
好ましくは30〜80重量%の範囲である。又、前記懸
濁液(インク)に対する単分散微粒子の含有量は、1〜
20重量%、好ましくは2〜15重量%とする。微粒子
のインク中における含有量が低いと、撥液性面に吐出さ
れる微粒子の量が少なくなり、発色が弱くなる。一方、
微粒子の含有量が高いと、付着させる手段として後述す
るインクジェット方式を用いた場合において、吐出が難
しくなる。
【0032】本発明で用いるインクを、所望の物性値を
もつインクとするために、上記した微粒子懸濁液成分の
他に、必要に応じて、界面活性剤、消泡材、防腐剤等、
水溶性染料等を添加することもできる。例えば、界面活
性剤は、前記懸濁液に対して保存安定性等に悪影響を及
ぼさないものであればよく、例示するならば、脂肪酸塩
類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸
エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イ
オン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキ
シエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレン
アルコール、アセチレングリコール等の非イオン性界面
活性剤が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上
を適宜選択して使用できる。
【0033】これらの界面活性剤の使用量は、インクに
対して0.01〜1重量%が望ましい。但し、インクの
表面張力が、55dmM/m以上になるように界面活性
剤の添加量を決定することが好ましい。これより小さい
表面張力を示すインクを用いた場合には、インクジェッ
ト記録方式においてはノズル先端の濡れによる印字よれ
等、好ましくない事態を起こす場合があり、又、前記し
たような撥液性記録面での乾燥時に、懸濁されている単
分散微粒子の配列構造形成を乱し、記録物の発色に悪い
影響を与える場合があるので好ましくない。
【0034】本発明の記録方法においては、前記したよ
うな単分散微粒子の懸濁液を有するインクを液滴状とし
て、被記録材の撥液性面に付着させる。この工程に用い
る手段としてはインクジェット方式が便利である。イン
クの液溜りを、先に説明したような被記録材の撥液性面
の所望の部位に形成できる印刷手段であれば、必ずしも
インクジェット方式に限られるものではない。しかし、
前記したように、使用するインクの表面張力が大きく、
撥液性面の表面エネルギーが低いので、インクを接触転
写する方式では、撥液性面に付着させることは難しい。
【0035】インクジェット方式には、記録ヘッドの室
内の記録液に記録信号に対応した熱エネルギーを与えそ
のエネルギーにより液滴を発生させる熱エネルギー方式
や、電歪材料に電圧を加えて変形させることによって液
滴を吐出するピエゾ方式等があるが、インクとして用い
る、先に説明したような構成の単分散微粒子懸濁液を吐
出可能ならば、いずれの方式も利用できる。
【0036】インクジェット方式の画像形成装置は、コ
ンピュータの出力装置として記録信号に応じて二次元画
像を形成することができることが知られている。このよ
うな装置を用いるならば、前記の単分散微粒子を懸濁し
た液体(インク)を、前記の撥液性面上に任意の二次元
パターン状に吐出することができる。
【0037】前述の熱エネルギー方式のインクジェット
装置の主要部であるヘッド構成例を図1〜図3に示す。
図1はインク流路に沿ったヘッド13の構成例を説明す
る断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面を説
明する断面図である。図3は、図1に示すヘッドを多数
並べたマルチヘッドの外観図を示す。図4は、このよう
なヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を
示す。
【0038】図1において、ヘッド13はインクを通す
溝14を有するガラス、セラミックス、又はプラスチッ
ク板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15とを接
着して得られる。発熱ヘッド15は、酸化シリコン等で
形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1及び
17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、
蓄熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基板20よりな
っている。インク21は、吐出オリフィス(微細孔)2
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成し
ている。
【0039】いま、電極17−1及び17−2に電気信
号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急
激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生
し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が
吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり撥液性
面を有する被記録体25に向かって飛翔する。
【0040】図3に示すマルチヘッドは、マルチ溝26
を有する天板27と、図1に説明したものと同様な発熱
ヘッド28を接着して作られている。
【0041】図4において、61はワイピング部材とし
てのブレードであり、その一端はブレード保持部材によ
って保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をな
す。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接し
た位置に配設され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動
経路中に突出した形態で保持される。62はキャップで
あり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設
され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐
出面と当接し、キャッピングを行う構成を具える。キャ
ップ62は、後述のヘッド65の数と対応させて同じ形
状のものが複数連動する。更に、63はブレード61に
隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61
と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持
される。上記ブレード61、キャップ62、吸収体63
によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及び
吸収体63によって、インク吐出口面の水分、塵や埃等
の除去が行われる。
【0042】図4において、65は、吐出エネルギー発
生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記
録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66
は、記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を
行うためのキャリッジである。図3では、記録ヘッド6
5をキャリッジ66に2つ装着している例を示している
が、更に大型のキャリッジに3つ以上の記録ヘッドを装
着してもよい。複数の記録ヘッド65には、それぞれ異
なる粒子サイズの単分散微粒子が分散されているインク
を充填する。キャリッジ66は、ガイド軸67と摺動可
能に係合し、キャリッジ66の一部は、モータ68によ
って駆動されるベルト69と接続(不図示)している。
これにより、キャリッジ66はガイド軸67に沿った移
動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びそ
の隣接した領域の移動が可能となる。
【0043】図4では、記録ヘッド65を独立した同等
な2つのヘッドの組として示したが、図3のように一つ
のヘッドに複数の吐出ノズルを設け、これに複数のイン
クタンク(不図示)を接続するならば、外見上ひとつの
ヘッドのみであっても、本発明の記録方法を実施可能な
装置となる。又、複数の記録ヘッド65をそれぞれ別の
キャリッジ66とキャリッジ駆動系により移動してもよ
い。
【0044】51は、撥液性表面を有する被記録材を挿
入するための給紙部、52は不図示のモータにより駆動
される紙送りローラである。これら構成によって記録ヘ
ッドの吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、
記録が進行するにつれて排紙ローラ53を配した排紙部
へ排紙される。
【0045】上記構成において、記録ヘッド65が記録
終了等でホームポジションに戻る際、ヘッドの吐出回復
部64のキャリッジ62は記録ヘッド65の移動経路か
ら退避しているが、ブレード61は、移動経路中に突出
している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイ
ピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐
出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62
は記録ヘッドの移動経路中へ突出するように移動する。
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ
移動する場合、キャップ62及びブレード61は上述し
たワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、
この移動においても、記録ヘッド65の吐出口面はワイ
ピングされる。
【0046】上述した記録ヘッドのホームポジションへ
の移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録
ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間
隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、こ
の移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0047】図5は、ヘッドにインク供給チューブを介
して供給されるインクを収容したインクカートリッジ4
5の一例を示す図である。ここで40は、供給用インク
を収納したインク袋であり、その先端にはゴム製の栓4
2が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入
することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供
給可能にできる。44は、廃インクを受容するためのイ
ンク吸収体である。
【0048】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジと
が別体となったものに限らず、図5に示す如きそれらが
一体になったものも好適に用いられる。図6は、ヘッド
とインクカートリッジが一体となったインクジェット記
録装置の一実施例の斜視図である。図6において、70
はインクジェットカートリッジであって、この中にはイ
ンクを含浸させたインク吸収体が収納されており、かか
るインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有する
ヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっ
ている。72は、カートリッジ内部を大気に連通させる
ための大気連通口である。このインクジェットカートリ
ッジ70は、図4で示す記録ヘッド65に代えて用いら
れるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在に
なっている。
【0049】上記したような構成のインクジェット方式
の記録装置によって、単分散微粒子を懸濁した液体(イ
ンク)の液滴を被記録材の撥液面に対して付与し、その
後、乾燥させると、撥液面上に微粒子の凝集物が形成さ
れる。形成された単分散微粒子凝集物は、均一な粒径の
粒子が密に配列しているので、光を当てると干渉による
着色が見られる。更に、凝集物の表面形状は図7に示す
ように、通常、図7(A)に示したような球の一部、或
いは、図7(B)に示したような中央の凹んだカルデラ
状である。このように、被記録材の撥液面上に形成され
る単分散微粒子凝集物は、表面が平面的でないために、
種々の方向からの光に対して干渉して着色光を反射でき
る。更に、撥液性面における光の反射や散乱を抑制する
と、前記の着色光の視認が容易となり、より高い表示効
果を有する記録物となる。撥液性面における光の反射や
散乱を抑制するには、例えば、撥液性面自体或いはその
下地を、透明又は暗色とすると良い。
【0050】本発明の記録方法により光干渉の起こる微
粒子配列が形成される過程を、図8によって説明する。
図8に示した例では、インクジェット方式によって、被
記録材の撥液面上に単分散微粒子の凝集配列を形成し
た。図8(A)に示したように、単分散微粒子3が懸濁
されている液体(インク)の液滴4−1及び4−2が、
インクジェット装置の記録ヘッド5−1及び5−2から
吐出され、撥液性面2に付着すると、撥液面の表面エネ
ルギーが低いために、液滴4は面上を広がることができ
ずに、その場で液溜り6−1及び6−2を形成する。図
8(B)に示したように、この液溜り6は、液体の乾燥
に伴って収縮する。この液溜りの収縮の際に、内部の微
粒子3が濃縮され、最後に、液溜り6−1及び6−2の
あった位置のほぼ中央を中心として、微粒子の凝集物1
−1及び1−2が残る。微粒子が単分散である場合に
は、凝集物の内部では同一サイズの粒子が密に充填され
て、面心立方格子或いは六方最密格子、又は、それに近
い粒子配列が形成される。この規則配列の繰り返し周期
は、単分散微粒子のサイズに依存するので、所望の周期
構造を得るためには、微粒子に適切なサイズのものを選
択して用いればよい。
【0051】更に、記録ヘッド5と撥液性面2のいずれ
か一方、或いは双方の移動手段(不図示)を用いれば、
所望の二次元記録物を製造することもできる。即ち、こ
のように構成すれば、上記のようにして液滴4を撥液性
面2に付着させた後、移動手段によって記録ヘッド5と
撥液性面2との相対位置を変えてから液滴4を撥液性面
2に再び吐出し、撥液性面2の上の任意の位置に液溜ま
り6を形成し、更に、これを乾燥することによって、撥
液性面2上に任意の2次元パターン形状の凝集物1を形
成することができる。移動手段と液滴吐出とを所定のタ
イミングで制御することで、凝集物からなる所望の二次
元記録物の製造が可能となる。
【0052】更に、図8において、粒子3−1と粒子3
−2とに、互いに同じ材質で、且つ異なる粒径のものを
利用するならば、それらの液滴の吐出/乾燥の結果とし
て得られる凝集物1−1と凝集物1−2の粒子配列の構
造の周期が異なるものとなる。こうして同一面上に、周
期の異なる粒子配列構造を形成することができる。この
周期の異なる粒子配列構造は、同じ方向から入射する光
に対して異なる干渉特性を持つ。従って、同一面上に異
なる波長の干渉光が見えるため、1種類の粒子のみを用
いて作成した2次元パターンよりも、いっそう華やかな
印象の記録物が得られる。
【0053】又、粒子3−1と粒子3−2とに、同じ粒
径であるが、異なる屈折率を有する材質からなる粒子を
用いるならば、それぞれの粒子からなる凝集物は、同じ
周期構造を有していても、光学的周期が異なるため、異
なる光干渉特性を持つ。従って、かかる方法によって
も、上記と同様に本発明の記録物が製造できる。
【0054】上記した本発明の記録方法において、使用
する微粒子を含んだインクの表面張力が不充分であった
り、粒子配列を形成するための下地が液濡れし易い面で
あったりすると、微粒子の凝集が起こらず、光干渉に充
分な規則的構造が得られなくなる。光の干渉が見られる
ような微粒子の規則的配列を形成するためには、上記イ
ンクの液溜りが乾燥する際に表面張力による収縮力が強
く働くことと、液溜りの下地が、液濡れしがたい撥液性
面であることが重要である。
【0055】上記のようにして形成される凝集物のサイ
ズは、前記したような構成のインクジェット装置で吐出
される懸濁液(インク)内の微粒子量を増すことと、懸
濁液の吐出量を増すことのいずれか、或いは、両方によ
って大きくすることができる。更に、被記録材の撥液性
面の同じ位置に複数回の液滴吐出を行うことによって
も、懸濁液の吐出量を増すことと同等の効果が得られ
る。又、一般に、撥液性面の上では、充分近接した位置
に液滴を吐出すると、撥液性面の上で液滴の融合が起こ
り、融合した場所のほぼ中央に大きな液溜りができるの
で、所定の範囲内に充分近接して液滴を密集吐出する方
法によっても、凝集物のサイズを大きくすることができ
る。 なお、図8において、粒子3−1と3−2とに同
一の材質からなり、且つ同一の粒径を有するもの、即ち
2種類の固体微粒子を用いることも本発明の一態様であ
ることは言うまでもない。
【0056】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更
に具体的に説明する。尚、本発明は、この実施例に限ら
れるものではない。部とあるのは、重量基準である。 実施例1 テトラエチルシラン8部、エタノール28部、水6部を
混合し、攪拌しながら、この溶液に28%アンモニア水
8部、エタノール8部、水8部の混合液を約1時間かけ
て滴下した。得られたシリカ粒子の懸濁液の一部をアル
ミ板に滴下乾燥するとシリカ粒子の乾燥膜は淡い赤紫色
を呈した。この乾燥膜を走査電子顕微鏡観察すると、お
よそ270nmの直径を有する微粒子からなることが分
かった。前記のシリカ粒子の懸濁液1部に水1部を加え
て、この液体をキヤノン(株)製のBC−02バブルジ
ェットヘッド(商品名)を用いて液滴とし、低密度ポリ
エチレンフィルム上に所定の二次元パターン状に吐出し
た。前記のフィルム上に吐出された液が乾燥すると、フ
ィルム上にシリカ粒子の凝集物が残り、フィルム面に対
して小さい入射角で照明し、法線方向から観察すると鮮
やかなオレンジ色に着色した反射光が見られた。この着
色した反射光の強さは観察角度に著しく依存した。同じ
フィルムを大きい入射角で照明して斜め方向から観察す
ると緑色の反射光が見られた。 実施例2、3 被吐出フィルムとして実施例1に示したポリエチレンフ
ィルムに代えて、ポリエチレンテレフタレートフィルム
及び「ラピロ」#300Wタイプ(商品名)(株式会社
きもと社製)を用いて、実施例1と同じ液体の液滴吐
出を行った。ポリエチレンテレフタレートフィルム及び
「ラピロ」#300Wタイプのいずれの上にも、実施例
1と同様のシリカ凝集体が生じた。この凝集物は実施例
1と同じ様に照明と観察の方向により反射光の色が変化
した。 比較例1 被吐出フィルムとして実施例1に示したポリエチレンフ
ィルムの代わりに、親水性表面コート層を有するカラー
BJトランスペアレンシーフィルム CF−102(商
品名)(キヤノン(株)社製)を用いて、実施例1と同
じ液体の液滴吐出を行った。前記フィルム上には液滴吐
出した部位に白色のパターンが生じた。この白色パター
ン部は、乾燥しても実施例1〜3の様に着色した反射光
を示さなかった。 実施例4 厚さ1.1mmの白板ガラスを60℃の純水で洗浄し乾
燥した。このガラス板をオクチルトリエトキシシランを
室温で飽和させたアクリル樹脂ケースの中に45分入
れ、取り出してから90℃の加熱器中で15分加温し、
その後放冷した。テトラエチルシラン7.5部、エタノ
ール28部、水6部を混合し、攪拌しながら、この溶液
に28%アンモニア水8部、エタノール8部、水8部の
混合液を約1時間かけて滴下した.得られたシリカ粒子
の懸濁液の一部をアルミ板に滴下乾燥したところ、シリ
カ粒子の乾燥膜は淡い緑色を呈した。この乾燥膜を走査
電子顕微鏡観察すると、約250nmの直径を有する微
粒子からなることが分かった。前記のシリカ粒子懸濁液
1部に水1部とエチレングリコール0.1部を加えて、
この液体をBC−02バブルジェットヘッド(商品名)
(キヤノン(株)社製)により上記の放冷したガラス板
の上に所定の二次元パターン状に吐出した。前記のガラ
ス板上に吐出された液が乾燥すると、フィルム上にシリ
カ粒子の凝集物が残り、フィルム面に対して小さい入射
角で照明し、ほぼ法線方向から観察すると鮮やかな緑に
着色した反射光が見られた。 比較例2 ガラス板をオクチルトリエトキシシランを飽和させたア
クリル樹脂ケースに入れることのみを省略した以外は実
施例4と同様にして、ガラス板上にシリカ粒子の液滴を
パターン状に吐出した。吐出された液滴が乾燥すると、
液滴が吐出されたガラス板上の部位に白色のパターンが
生じた。このパターンは、非常にわずかに緑色の着色が
感じられたが、実施例4のような鮮やかな色ではなかっ
た。 実施例5 本実施例で用いる第1〜第3のインクを下記のようにし
て調製した。
【0057】<第1のインクの作製>テトラエトキシシ
ラン9部、エタノール28部及び水6部を混合し、攪拌
しながら、この混合溶液に、28%アンモニア水8部、
エタノール8部、水8部の混合液を約1時間かけて滴下
して、加水分解及び重縮合させた。得られた乳白色のシ
リカ粒子の懸濁液の一部をアルミ板に滴下した後、乾燥
させると、得られるシリカ粒子からなる乾燥膜は淡い赤
紫色を呈した。この乾燥膜を走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、約280nmの均一な直径を有し、平均粒径
に対する粒径の標準偏差の比率(=変動係数、以下、粒
径ばらつきと呼ぶ)が4.8%である、単分散微粒子か
らなるものであることが判った。上記で得られた約28
0nmの粒径のシリカ微粒子を有する懸濁液1部に、水
1部、エチレングリコール0.02部を加えて、第1の
インクとした。
【0058】<第2のインクの作製>テトラエトキシシ
ラン7部、エタノール28部及び水6部を混合し攪拌し
ながら、この溶液に、28%アンモニア水8部、エタノ
ール8部、水8部の混合液を.約1時間かけて滴下し
て、加水分解及び重縮合させた。得られたシリカ粒子の
懸濁液の一部をアルミ板に滴下した後、乾燥させると、
得られるシリカ粒子の乾燥膜は淡い緑色を呈した。この
乾燥膜を走査型電子顕微鏡で観察した結果、およそ25
0nmの均一な直径を有し、粒径ばらつきが2.6%の
単分散微粒子からなる膜であることが判った。上記で得
られた約250nm粒径のシリカ微粒子を有する懸濁液
1部に、水1部、エチレングリコール0.02部を加え
て第2のインクとした。
【0059】<第3のインクの作製>テトラエトキシシ
ラン6.3部、エタノール28部、水6部を混合し、攪
拌しながら、この溶液に28%アンモニア水8部、エタ
ノール8部、水8部の混合液を約1時間かけて滴下し
て、加水分解及び重縮合させた。得られたシリカ粒子の
懸濁液の一部をアルミ板に滴下した後、乾燥させると、
得られるシリカ粒子からなる乾燥膜は、淡い緑色を呈し
た。この乾燥膜を走査電子顕微鏡観察したところ、およ
そ205nmの均一な直径を有し、粒径ばらつきが2.
4%の微粒子からなることが判った。上記で得られた2
05nm粒径のシリカ粒子の懸濁液1部に、水1部、エ
チレングリコール0.02部を加えて第3のインクとし
た。
【0060】(実施例5−1)上記で得られた第1及び
第2のインクをキヤノン(株)製のBC−02バブルジ
ェットヘッド65−1及び65−2にそれぞれ充填し、
図4に示したような記録装置のキャリッジに固定した。
又、撥液性表面を有する被記録材として、「ラピロ」#
300Wタイプ(商品名)(株式会社きもと製)を用
い、上記の記録装置を用いて所定の二次元パターンのイ
ンク吐出を行った。吐出されたインクが自然乾燥乾燥す
るまで数十秒ほど前記の被記録材を静置して待つと、図
9に例示したように、表面に緑色の干渉反射光の見える
領域と赤色の干渉反射光の見える領域が現われた。3波
長型昼白色蛍光管(松下電器産業(株)FHL27−E
X−N)で、記録面の法線に対して約20度ないし60
度方向より照明すると、干渉反射光が非常に鮮やかに観
察された。緑色の反射光は第1のインク、赤色の反射光
は第2のインクが付着している部位から生じていること
が、吐出パターンとの照合により確認できた。
【0061】更に、ハロゲンランプ(PHILIPS社
製7027型)の照明下でも前記の緑色及び赤色の反射
光は確認できたので、このハロゲンランプの光を石英ガ
ラスファイバーで着色反射光のある部分に導き、それぞ
れの反射スペクトルを、硫酸バリウム粉末を比較標準と
して測定した。この結果、45度方向の照明のもとで、
緑色の光は、中心波長553nm、中心波長の相対反射
強度1900%、半値幅約30nmの単色光であり、赤
色の光は、中心波長608nm、中心波長の相対反射強
度780%、半値幅約40nmの単色光であることが確
認できた。
【0062】(実施例5−2)第1及び第3のインクを
キヤノン(株)製のBC−02バブルジェットヘッドに
それぞれ充填し、実施例1と同様にして、「ラピロ」#
300Wタイプ(株式会社きもと製)の撥液表面に所定
の二次元パターンのインク吐出を行った後、同様にして
乾燥させた。インクが乾燥すると、第3のインクを吐出
した領域からは青、第1のインクを吐出した領域からは
赤色の干渉反射光が観察された。実施例1の記録物と同
様に、3波長型蛍光管の照明下に置くといっそう鮮やか
な青と赤色を感じることができた。第3のインクによっ
て形成した青色部分の干渉反射光について、実施例1と
同様のスペクトル測定を行ったところ、中心波長452
nm、半値幅およそ25nmの、硫酸バリウム粉末を比
較標準とした場合に、相対反射強度820%の単色光が
確認できた。
【0063】(実施例5−3及び5−4)被吐出フィル
ムとして実施例5−1で使用した「ラピロ」#300W
タイプに代えて、透明ポリエステルフィルム(ルミラー
100T−60(パナック株式会社製))を用いた以
外は、実施例1及び実施例2と同様にして、上記透明ポ
リエステルフィルム上にインク吐出を行った。この結
果、インクが乾燥すると、透明ポリエステルフィルム面
上に実施例1及び2と同様にシリカ凝集物が付着し、そ
れぞれ赤色と緑色、或いは赤色と青色の2つの鮮やかな
単色光色が見える記録物となった。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光の干渉による発色を利用した、鮮やかな色を有する記
録物が用意に得られる。該記録物においては、照明方向
や観察の角度を変えると干渉条件が変化するため、色調
が微妙に変化する記録物となっている。このため、本発
明で得られる記録物は、通常の色素を用いて形成した記
録物では得られない、強い印象を見るものに与えること
ができる。又、本発明によれば、上記したような優れた
特性を有する光の干渉を利用した記録物を、特別な版を
作成することなく製造できる記録方法が提供される。更
に、本発明によれば、電気信号に応じて光の干渉を利用
した任意パターンの記録物を容易に製造できる記録装置
が提供される。又、本発明によれば、光の干渉による発
色を利用した、表示・展示効果の高い記録物の製造に用
いることのできるインクが提供される。本発明によれ
ば、複数種(少なくとも2種)の光干渉部分が同一面に
共存する一定方向から見ただけでも複数の異なる干渉色
を見ることができる華やかな記録物が提供され、更に
は、上記の特徴と相まって、より一層表示・展示効果の
高い記録物の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録装置を構成するヘッドの一例を示
す断面図である。
【図2】本発明の記録装置を構成するヘッドの一例を示
す断面図である。図1のA−B線での断面図である。
【図3】図1に示した記録ヘッドを多数並べたマルチヘ
ッドを説明する外観図である。
【図4】図1に示した記録ヘッドを組み込んだインクジ
ェット記録装置を説明するための斜視図である。
【図5】図1に示した記録ヘッドにインク供給チューブ
を介して供給されるインクを収容したインクカートリッ
ジの一例を説明する断面図である。
【図6】ヘッドとインクカートリッジが一体となったイ
ンクカートリッジ記録装置の例を説明するための斜視図
である。
【図7】撥液性面上に形成された微粒子凝集物の形状を
説明するための概念図である。(A)は球面状、(B)
は中央の凹んだ形状を示す。
【図8】撥液性面上に微粒子凝集物が形成される過程を
説明するための概念図である。(A)は液滴を付与した
状態、(B)は、液滴を乾燥させた状態を表す。
【図9】撥液性面上に、直径280nmシリカ粒子及び
250nmシリカ粒子のそれぞれからなる単分散微粒子
凝集物により描かれた、2色の干渉反射光が見られるパ
ターン記録物の写真を図化したものである。
【符号の説明】
1:微粒子凝集物 2:撥液性面 3:微粒子 4:液滴 5:液滴吐出手段 6:液溜り 13:ヘッド 14:溝 15:発熱ヘッド 16:保護膜 17:アルミニウム電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス 23:メニスカス 24:記録小滴 25:被記録体 26:マルチ溝 27:天板 28:発熱ヘッド 40:インク袋 42:栓 44:インク吸収体 45:インクカートリッジ 51:給紙部 52:紙送りローラ 53:排紙ローラ 61:ブレード 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モータ 69:ベルト 70:インクジェットカートリッジ 71:ヘッド部 72:大気連通口

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撥液性面上の一部に光透過性の固体微粒
    子が付着して存在する記録物において、前記微粒子が凝
    集配列して規則的周期構造を形成していることを特徴と
    する記録物。
  2. 【請求項2】 被記録材の撥液性面上の一部に固体微粒
    子が付着して存在する記録物であって、光透過性の固体
    微粒子が少なくとも2種存在し、且つ、固体微粒子の付
    着箇所において、それぞれ同種の微粒子が凝集配列して
    規則的周期構造を形成していることを特徴とする記録
    物。
  3. 【請求項3】 固体微粒子の付着箇所において、該微粒
    子の少なくとも1種の粒径分布が単分散である請求項1
    または2に記載の記録物。
  4. 【請求項4】 固体微粒子の少なくとも1種がセラミク
    スである請求項1〜3の何れかに記載の記録物。
  5. 【請求項5】 固体微粒子の少なくとも1種が無機酸化
    物である請求項4に記載の記録物。
  6. 【請求項6】 無機酸化物が、シリカ、アルミナ、チタ
    ニア、ジルコニア、SiO2・Al23、SiO2・B2
    3、TiO2・CeO2、SnO2・Sb25、SiO2
    ・Al23・TiO2、又はTiO2・CeO2・SiO2
    のいずれかである請求項5に記載の記録物。
  7. 【請求項7】 固体微粒子の少なくとも1種が合成樹脂
    である請求項1〜3の何れかに記載の記録物。
  8. 【請求項8】 合成樹脂が付加重合体である請求項7に
    記載の記録物。
  9. 【請求項9】 合成樹脂が、メタクリル系樹脂、アクリ
    ル系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、或いは
    ビニルエステル系樹脂である請求項7に記載の記録物。
  10. 【請求項10】 固体微粒子の少なくとも1種の数平均
    粒径が100〜1000nmの範囲にある請求項1〜9
    のいずれか1項に記載の記録物。
  11. 【請求項11】 撥液性面の表面がC−H結合或いはC
    −F結合を有する請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の記録物。
  12. 【請求項12】 撥液性面が合成樹脂よりなる請求項1
    1記載の記録物。
  13. 【請求項13】 撥液性面の表面エネルギーが45mN
    /m以下である請求項1〜12のいずれか1項に記載の
    記録物。
  14. 【請求項14】 撥液性面に対する水の接触角が70度
    以上である請求項1〜12のいずれか1項に記載の記録
    物。
  15. 【請求項15】 記録面上の所望の位置に光透過性の固
    体微粒子を凝集配列して規則的周期構造を形成する記録
    方法において、単分散の固体微粒子を懸濁した液体を液
    滴状として撥液性面に付着させ、次いで前記液体を乾燥
    させることを特徴とする記録方法。
  16. 【請求項16】 被記録材の撥液性面上の所望の位置に
    固体微粒子を凝集配列して規則的周期構造を形成する記
    録方法において、光透過性の単分散固体微粒子を少なく
    とも2種用い、撥液性面上の所望の位置に、前記微粒子
    をそれぞれを懸濁させた少なくとも2種の懸濁液を液滴
    状に付着させた後、該懸濁液を乾燥させてそれぞれの単
    分散微粒子が凝集配列した規則的周期構造を形成するこ
    とを特徴とする記録方法。
  17. 【請求項17】 固体微粒子の少なくとも1種がセラミ
    クスである請求項16に記載の記録方法。
  18. 【請求項18】 固体微粒子の少なくとも1種が無機酸
    化物である請求項16に記載の記録方法。
  19. 【請求項19】 無機酸化物が、シリカ、アルミナ、チ
    タニア、ジルコニア、SiO2・Al23、SiO2・B
    23、TiO2・CeO2、SnO2・Sb2 5、SiO2
    ・Al23・TiO2、又はTiO2・CeO2・SiO2
    のいずれかである請求項18に記載の記録方法。
  20. 【請求項20】 固体微粒子の少なくとも1種が合成樹
    脂である請求項16に記載の記録方法。
  21. 【請求項21】 合成樹脂が、付加重合体である請求項
    20に記載の記録方法。
  22. 【請求項22】 合成樹脂が、メタクリル系樹脂、アク
    リル系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、或い
    はビニルエステル系樹脂のいずれかである請求項20に
    記載の記録方法。
  23. 【請求項23】 固体微粒子の少なくとも1種の数平均
    粒径が100〜1000nmの範囲にある請求項16〜
    22のいずれか1項に記載の記録方法。
  24. 【請求項24】 撥液性面がC−H結合或いはC−F結
    合を有する請求項16〜23のいずれか1項に記載の記
    録方法。
  25. 【請求項25】 撥液性面が合成樹脂よりなる請求項2
    4に記載の記録方法。
  26. 【請求項26】 撥液性面の表面エネルギーが45mN
    /m以下である請求項16〜25のいずれか1項に記載
    の記録方法。
  27. 【請求項27】 撥液性面に対する水の接触角が70度
    以上である請求項16〜25のいずれか1項に記載の記
    録方法。
  28. 【請求項28】 光透過性の固体微粒子を懸濁した液体
    を液滴状として撥液性面に付着させる記録装置におい
    て、前記の微粒子の粒径分布が単分散であることを特徴
    とする記録装置。
  29. 【請求項29】 少なくとも2種の光透過性で、且つ、
    その粒径分布において単分散である固体微粒子をそれぞ
    れ懸濁させた懸濁液をそれぞれ被記録材の撥液性面に液
    滴状に付着させ、被記録材の撥液性面上の所望の位置
    に、単分散固体微粒子が凝集配列した規則的周期構造を
    形成できるように構成されていることを特徴とする記録
    装置。
  30. 【請求項30】 固体微粒子の少なくとも1種がセラミ
    クスからなる請求項28又は29に記載の記録装置。
  31. 【請求項31】 固体微粒子の少なくとも1種が無機酸
    化物からなる請求項28又は29に記載の記録装置。
  32. 【請求項32】 無機酸化物が、シリカ、アルミナ、チ
    タニア、ジルコニア、SiO2・Al23、SiO2・B
    23、TiO2・CeO2、SnO2・Sb2 5、SiO2
    ・Al23・TiO2、又はTiO2・CeO2・SiO2
    のいずれかである請求項31に記載の記録装置。
  33. 【請求項33】 固体微粒子の少なくとも1種が合成樹
    脂である請求項28又は29に記載の記録装置。
  34. 【請求項34】 合成樹脂が、付加重合体である請求項
    33に記載の記録装置。
  35. 【請求項35】 合成樹脂が、メタクリル系樹脂、アク
    リル系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、或い
    はビニルエステル系樹脂のいずれかである請求項33に
    記載の記録装置。
  36. 【請求項36】 固体微粒子の少なくとも1種の数平均
    粒径が100〜1000nmの範囲にある請求項28〜
    35のいずれか1項に記載の記録装置。
  37. 【請求項37】 光透過性の固体微粒子を懸濁した液体
    インクにおいて、前記微粒子の粒径分布が単分散である
    ことを特徴とするインク。
  38. 【請求項38】 前記微粒子がセラミクスからなる請求
    項37に記載のインク。
  39. 【請求項39】 前記セラミクスが、無機酸化物からな
    る請求項38記載のインク。
  40. 【請求項40】 前記無機酸化物がシリカ、アルミナ、
    チタニア、ジルコニア、SiO2・Al23、SiO2
    23、TiO2・CeO2、SnO2・Sb25、Si
    2・Al23・TiO2、またはTiO2・CeO2・S
    iO2である請求項39に記載のインク。
  41. 【請求項41】 前記微粒子が合成樹脂からなる請求項
    37に記載のインク。
  42. 【請求項42】 前記合成樹脂が付加重合体からなる請
    求項41に記載のインク。
  43. 【請求項43】 前記付加重合体が、メタクリル系樹
    脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹
    脂、ビニルエステル系樹脂またはビニルエステル系樹脂
    である請求項42記載のインク。
  44. 【請求項44】 前記微粒子の粒径が100〜1000
    nmの範囲にある請求項37〜43の何れかに記載のイ
    ンク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008273180A (ja) * 2007-03-30 2008-11-13 Fujifilm Corp 液滴吐出方法および液滴吐出装置
US7601386B2 (en) 2003-07-11 2009-10-13 Seiko Epson Corporation Process for forming a film, process for manufacturing a device, electro-optical device and electronic equipment
KR20120127294A (ko) * 2011-05-13 2012-11-21 제록스 코포레이션 저장 안정성 이미지
US8715774B2 (en) 2005-05-30 2014-05-06 Seiko Epson Corporation Liquid droplet ejection method

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