JP2001310951A - 伝動ベルト用短繊維補強エラストマー組成物及び伝動ベルト - Google Patents

伝動ベルト用短繊維補強エラストマー組成物及び伝動ベルト

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JP2001310951A
JP2001310951A JP2000128129A JP2000128129A JP2001310951A JP 2001310951 A JP2001310951 A JP 2001310951A JP 2000128129 A JP2000128129 A JP 2000128129A JP 2000128129 A JP2000128129 A JP 2000128129A JP 2001310951 A JP2001310951 A JP 2001310951A
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power transmission
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Shigeki Okuno
茂樹 奥野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温での弾性率が高く、側圧に対する変形が
少ないので、耐摩耗性が改良され、かつ、室温・低温で
優れた耐屈曲疲労性を有する短繊維補強エラストマー組
成物及び伝動ベルトを提供する。 【解決手段】 少なくともエチレン−α−オレフィン系
コポリマー及び短繊維からなる伝動ベルト用短繊維補強
エラストマー組成物であって、加硫後の前記短繊維の配
向方向における120℃での貯蔵弾性率は、25℃での
貯蔵弾性率の46%以上である伝動ベルト用短繊維補強
エラストマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温での弾性率が
高く、側圧に対する変形が少ないので、耐摩耗性が改良
され、かつ、室温・低温で優れた耐屈曲疲労性を有する
短繊維補強エラストマー組成物及び伝動ベルトに関す
る。
【0002】
【従来の技術】伝動ベルトは、例えば、ラップドベル
ト、ローエッジベルト等のVベルトやVリブドベルト等
の摩擦伝動ベルトとして、更に、タイミングベルト等の
かみ合い伝動ベルトとして、自動車用や一般産業用等に
広く用いられている。
【0003】これらの伝動ベルトは、通常、心線が接着
埋設された接着ゴム層と、この接着ゴム層に積層された
底ゴム層とから構成されており、これに必要に応じて上
部帆布、下部帆布を接着させて構成されている。
【0004】伝動ベルトの部材用のゴムとしては、従来
からNR(天然ゴム)や、CR(クロロプレンゴム)が
用いられているが、近年、環境に配慮する観点等から、
エチレン−α−オレフィン系コポリマーを用いる試みが
なされている。
【0005】代表的なエチレン−α−オレフィン系コポ
リマーとしては、エチレン−プロピレンコポリマー(E
PM)及びエチレン−プロピレン−ジエンターポリマー
(EPDM)を挙げることができる。これらのポリマー
は耐熱性・耐寒性・耐オゾン性に優れ、比較的安価であ
り、充填剤の高充填が可能であり、更にハロゲン系元素
を含まないので、環境に対しての負荷が小さい等の理由
で、ルーフィング材、ホース、ガスケット、ウェザース
トリップ等の多くの用途で使用されている。
【0006】しかし、一般的にエチレン−α−オレフィ
ン系コポリマーは耐摩耗性や引張強度等の破壊特性、及
び、動的な疲労性に劣るので、繰り返し歪みのかからな
い静的な用途での使用が大部分であった。上記の破壊特
性等を改良するためには、エラストマーの分子量を大き
くしたり、分子量分布を狭くしたり、エチレン連鎖によ
る結晶性を高くしたポリマーが使用されるが、これらの
ポリマーはロール加工性が悪く、更に、シート間のタッ
クが低いので、加硫ゴム成形体を加工するのが非常に困
難になるという問題がある。
【0007】また、エチレン連鎖による結晶性を高くす
ると、室温での弾性率が高くなり室温下での屈曲で容易
に亀裂が発生する問題がある。更に、100℃以上の高
温下では結晶が溶融してしまうので、弾性率が下がり、
運転時に伝動ベルトのプーリからの側圧による変形が大
きくなり、ベルト表面が異常に摩耗する問題がある。高
温時の弾性率を一定値以上に高めるためにカーボンブラ
ック等の補強性充填材を増量すると、室温以下で結晶化
により弾性率が高くなり過ぎ、耐屈曲疲労性が悪くなる
問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みて、高温での弾性率が高く、側圧に対する変形が少
ないので、耐摩耗性が改良され、かつ、室温・低温で優
れた耐屈曲疲労性を有する短繊維補強エラストマー組成
物及び伝動ベルトを提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともエ
チレン−α−オレフィン系コポリマー及び短繊維からな
る伝動ベルト用短繊維補強エラストマー組成物であっ
て、加硫後の前記短繊維の配向方向における120℃で
の貯蔵弾性率は、25℃での貯蔵弾性率の46%以上で
ある伝動ベルト用短繊維補強エラストマー組成物であ
る。以下に本発明を詳述する。
【0010】本発明の伝動ベルト用短繊維補強エラスト
マー組成物は、少なくともエチレン−α−オレフィン系
コポリマー及び短繊維からなる。上記エチレン−α−オ
レフィン系コポリマーは、エチレンの含量が60重量%
以下であることが好ましい。エチレンの含量が60重量
%を超えるとエチレン−α−オレフィン系コポリマーの
結晶性が高くなりすぎるので、室温でのタックが低くな
り、このためベルト加工が困難になることがあり、ま
た、室温以下での耐屈曲疲労性に劣ることがある。好ま
しくは45〜60重量%である。
【0011】上記エチレン−α−オレフィン系コポリマ
ーとしては、例えば、エチレン−プロピレンコポリマー
(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマ
ー(EPDM)、エチレン−オクテンコポリマーが好適
に用いられる。これらのエチレン−α−オレフィン系コ
ポリマーは、単独で用いられても、2種以上が併用され
てもよい。
【0012】本発明の伝動ベルト用短繊維補強エラスト
マー組成物は、短繊維を用いて補強することにより、高
温での高弾性率と室温以下での耐屈曲疲労性とを両立す
ることができる。上記短繊維としては、モノフィラメン
トの120℃での貯蔵弾性率が25℃での貯蔵弾性率の
80%以上である繊維よりなるものが好ましい。モノフ
ィラメントの120℃での貯蔵弾性率が25℃での貯蔵
弾性率の80%未満であると、高温での高弾性率と室温
以下での耐屈曲疲労性とを両立することが難しくなる。
好ましくは80〜100%である。
【0013】上記短繊維としては、例えば、芳香族ポリ
アミド繊維よりなるものが好適に用いられる。上記芳香
族ポリアミド繊維としては特に限定されず、例えば、ポ
リパラフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニ
レン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミ
ド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド等を挙げるこ
とができる。これらは、単独で用いられても、2種以上
が併用されてもよい。
【0014】上記短繊維の配合量としては、用いる繊維
種により適宜決定すればよいが、上記エチレン−α−オ
レフィン系コポリマー100重量部に対して、1〜50
重量部であるのが好ましい。上記範囲外であると、高温
での高弾性率と室温以下での耐屈曲疲労性とを両立する
ことが難しくなる。
【0015】本発明の伝動ベルト用短繊維補強エラスト
マー組成物は、加硫後の上記短繊維の配向方向における
120℃での貯蔵弾性率が、25℃での貯蔵弾性率の4
6%以上である。室温・低温での優れた耐屈曲疲労性と
高温での伝動ベルトの耐側圧変形性とを両立させるため
には、本発明の伝動ベルト用短繊維補強エラストマー組
成物は、架橋後に120℃での貯蔵弾性率が25℃での
貯蔵弾性率の46%以上を保持していることが必要であ
る。
【0016】本発明の伝動ベルト用短繊維補強エラスト
マー組成物は、加硫後の上記短繊維の配向方向における
120℃での貯蔵弾性率が、60MPa以上であること
が好ましい。60MPa未満であると、得られた伝導ベ
ルトの耐摩耗性が不充分となることがある。
【0017】本発明の伝動ベルト用短繊維補強エラスト
マー組成物の加硫剤としては特に限定されず、例えば、
有機過酸化物、硫黄等を挙げることができる。本発明の
伝動ベルト用短繊維補強エラストマー組成物は、更に、
例えば、他のゴム、カーボンブラック、炭酸カルシウ
ム、タルク、粘度、シリカ等の充填剤;プロセスオイル
等の可塑剤;酸化防止剤、ワックス、顔料、可塑剤、軟
化剤等を含有していてもよい。
【0018】本発明の伝動ベルト用短繊維補強エラスト
マー組成物は伝動ベルトの構成部材とすることができ
る。そこで、上記伝動ベルトの一実施形態であるVベル
トについて図1に基づいて説明する。上記Vベルトは、
通常、図1に示すように、心線11が接着埋設された接
着ゴム層12と、この接着ゴム層12に積層された底ゴ
ム層13とから構成されており、これに必要に応じて上
部帆布14、下部帆布15を接着させて構成されてい
る。なお、上記接着ゴム層12に上記底ゴム層13を積
層する際には、上記接着ゴム層12と上記底ゴム層13
との界面に芯体支持層を形成した後、上記芯体支持層を
介して積層してもよい。本発明の伝動ベルト用短繊維補
強エラストマー組成物は、例えば、伝動ベルトの一実施
形態である上記Vベルトの接着ゴム層12又は底ゴム層
13として好適に用いられる。
【0019】上記心線としては、例えば、ポリエステル
系コード等を挙げることができる。上記帆布としては、
例えば、綿、綿とポリエステルとの混紡からなるもの、
綿とポリアミドとの混紡からなるもの等を挙げることが
できる。
【0020】本発明の伝動ベルト用短繊維補強エラスト
マー組成物を用いて得られる伝動ベルトとしては、通
常、伝動ベルトとして用いられるものであれば特に限定
されず、例えば、図1に示したVベルト、Vリブドベル
ト等の摩擦伝動ベルト;タイミングベルト等のかみ合い
伝動ベルト等の自動車用、一般産業用の伝動ベルト等を
挙げることができる。上記伝動ベルトも本発明の一つで
ある。
【0021】本発明の伝動ベルト用短繊維補強エラスト
マー組成物は高温での高弾性率と室温以下での耐屈曲疲
労性を両立したものである。本発明の伝動ベルト用短繊
維補強エラストマー組成物を構成部材とする伝動ベルト
は、耐熱性・耐寒性・耐久性に加えて、高温での耐側圧
変形性と室温以下での耐屈曲疲労性との双方に優れてい
る。
【0022】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0023】表1に本実施例に用いたポリマーを示し
た。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示したポリマーを用いて、ポリマー
100重量部あたり、N330カーボン70重量部、パ
ラフィン系オイル20重量部、硫黄1.5重量部、加硫
促進剤2.5重量部、ナイロン短繊維20重量部を配合
・混練し未加硫のゴム組成物を得た。なお、これらの配
合剤は、それぞれ以下のとおりである。 N330カーボン:シースト3(東海カーボン社製) パラフィン系オイル:ダイアナプロセスオイルPW38
0(出光興産社製) 加硫促進剤:ノクセラーTS(大内新興化学工業社製)
2.0phrとノクセラーM(大内新興化学工業社製)
0.5phrとの混合物 ナイロン短繊維:旭化成ナイロン66,タイプT−5
(旭化成工業社製)の1mmカットファイバー
【0026】上記の方法により作製した未加硫ゴム組成
物を160℃で3分間プレス加硫することにより2mm
厚の加硫ゴムシートを作製した。更に、未加硫ゴム組成
物を底ゴム層とするVリブドベルトを常法により成形・
加硫し作製した。
【0027】上記の未加硫ゴム組成物、加硫ゴムシー
ト、Vリブドベルトに対して以下の評価を行った。 (1)未加硫ゴム組成物のムーニー粘度の測定 JIS K 6300に準拠して、未加硫ゴム組成物の
ムーニー粘度(ML(1+4)100℃)を求めた。 (2)未加硫ゴム組成物のグリーン強度の測定 2mm厚の未加硫ゴムシートによりJIS3号ダンベル
形状の試料片を打ち抜き、常温で500cm/分の引張
速度で引張試験を行い。破断までの最大応力を未伸張時
の試料の断面積で除することによりグリーン強度を求め
た。
【0028】(3)未加硫ゴム組成物のタック力の測定 東洋精機社製のPICMAタックテスターを用いて、混
練り・シート出し後、24時間放置した未加硫ゴム組成
物のシート(1mm厚)を試料として、荷重4.9N、
ダウンスピード30cm/分、アップスピード100c
m/分、接触時間10秒でタック力の測定を行った。
【0029】(4)未加硫ゴム組成物のロール加工性の
評価 10インチロールミルのロール表面温度を80℃±5
℃、ニップ間隔を1mmに設定し、充分な量(800g
以上)の未加硫ゴム組成物をロールに巻き付かせた後、
1分ごとにニップ間隔を0.5mmずつ広げていき、ロ
ール全周にバギングが観測された時点での累積時間をバ
ギング時間とし、ロール加工性の指標とした。ロール加
工性が優れているほど、バギングが起こるニップ間隔が
広いので、バギング時間が長くなる。
【0030】(5)加硫ゴムの室温での引張強度の測定 加硫ゴムシートよりJIS3号ダンベル形状の試料を抜
き取り、JIS K 6251に準拠して、常温雰囲気
で引張強度の測定を行った。 (6)加硫ゴムシートの動的弾性率の測定(引張モー
ド) 静歪み1%、動歪み0.1%で短繊維の配向方向の貯蔵
弾性率を周波数10Hzで25℃と120℃の温度の貯
蔵弾性率を測定し、120℃での貯蔵弾性率(B)の2
5℃での貯蔵弾性率(A)に対する割合(B/A)を百
分率で求めた。
【0031】(7)ベルトの摩耗減量の測定 作製したVリブドベルトを用いて、図2に示す試験条件
で120℃雰囲気で24時間後の摩耗重量を試験前のベ
ルト重量で除することによりベルトの摩耗減量(%)と
した。耐摩耗性に優れるほど、摩耗減量は少ない。 (8)ベルトの常温屈曲寿命(クラック寿命)の評価 作製したVリブドベルトを用いて、図3に示す試験条件
で常温雰囲気で屈曲試験を行った。底ゴム層にクラック
が発生するまでの時間を屈曲疲労寿命とした。
【0032】(9)繊維の動的弾性率の測定(引張モー
ド) 加硫ゴムの補強に使われた短繊維と同種の繊維のモノフ
ィラメントを用いて、静歪み1%、動歪み0.1%、周
波数10Hzで25℃と120℃の温度の貯蔵弾性率を
測定し、120℃での貯蔵弾性率(B)の25℃での貯
蔵弾性率(A)に対する割合(B/A)を百分率で求め
た。表2に各サンプルに関しての結果を示した。
【0033】
【表2】
【0034】表2よりVリブドベルトの120℃雰囲気
下での摩耗減量を3%以下にするためには120℃での
加硫ゴムの貯蔵弾性率が60PMa以上必要であること
がわかった。そこで、全てのポリマーに関して加硫ゴム
の120℃での貯蔵弾性率が60MPaになるようにN
330カーボンブラックの量を調節したサンプルを調製
し、これらよりなるVリブドベルトの評価を行った。結
果を表3に示した。
【0035】
【表3】
【0036】全てのサンプルで加硫ゴムの120℃での
貯蔵弾性率を60MPaに調節したので、ベルトの摩耗
減量はいずれのサンプルでも3%以下になった。表3に
おいてベルトのクラック寿命を比較すると5000時間
以上のクラック寿命を達成するためには25℃での加硫
ゴムの貯蔵弾性率が130MPa以下であることが必要
あることがわかった。120℃での貯蔵弾性率が60M
Paである場合に、25℃での貯蔵弾性率が130MP
a以下であるためには120℃での貯蔵弾性率の25℃
での貯蔵弾性率に対する比が百分率で46%以上である
必要がある。上記の条件を満たすことにより、ベルトの
常温クラック寿命(耐屈曲疲労性)と120℃での耐側
圧変形性(耐摩耗性)の両立が可能となった。
【0037】表3において、上記の貯蔵弾性率の比が4
6%以上になったサンプルに用いられたポリマーはke
ltan520、keltan312、keltan5
12、keltan6380Bであり、いずれのポリマ
ーもエチレン含量は60重量%以下であることがわかっ
た。エチレン含量が60重量%を超えるポリマーを用い
た場合、いずれも貯蔵弾性率が46%を下回り、上記の
ベルト性能の両立は不可能であった。これはエチレン含
量が60重量%以上になるとポリマーの結晶性が高くな
り、室温での貯蔵弾性率が高くなり、反対に結晶の溶融
により120℃での貯蔵弾性率は低くなるためであると
考えられる。
【0038】表2、表3と同様のポリマーを用いて、短
繊維としてナイロン単繊維20重量部の代わりに芳香族
ポリアミド繊維の1つであるコポリパラフェニレン−
3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド(帝人
社製、テクノーラ)の1mmカットファイバー3.5重
量部を用いた。結果を表4に示した。
【0039】
【表4】
【0040】ここでは25℃での加硫ゴムシートの貯蔵
弾性率が100MPaになるようにN330カーボンブ
ラックの量を調整した。25℃での貯蔵弾性率が100
MPaと低いので、ベルトのクラック寿命はいずれのサ
ンプルにおいても7000時間以上と充分であった。ま
た、120℃と25℃での貯蔵弾性率比も60%以上を
保持しているので、ベルトの摩耗減量も3%以下を達成
した。
【0041】表2及び表3で用いたナイロン短繊維は繊
維そのもののモノフィラメントでの120℃と25℃で
の貯蔵弾性率の比が37%と低いのに対して、表4の例
で用いたテクノーラは86%と高い値であった。従っ
て、加硫ゴムの補強に用いる短繊維の貯蔵弾性率が80
%以上の高いものを用いるとポリマーの種類によらず、
加硫ゴムの貯蔵弾性率比が60%以上になり、ベルト特
性の両立が可能になることが示された。
【0042】
【発明の効果】本発明の伝動ベルト用短繊維補強エラス
トマー組成物は、高温での高弾性率と室温以下での耐屈
曲疲労性を両立したものになる。上記エラストマー組成
物を用いた伝動ベルト耐熱性・耐寒性・耐久性に加え
て、高温での耐側圧変形性、耐摩耗性と室温以下での耐
屈曲疲労性とのいずれにも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伝動ベルトの一の実施形態であるVベ
ルトを模式的に示した一部切り欠き斜視図である。
【図2】ベルトの摩耗減量を測定するための試験条件を
示した図である。
【図3】ベルトの常温屈曲寿命を評価するための屈曲試
験条件を示した図である。
【符号の説明】
11 芯線 12 接着ゴム層 13 底ゴム層 14、15 帆布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16G 5/06 F16G 5/06 C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともエチレン−α−オレフィン系
    コポリマー及び短繊維からなる伝動ベルト用短繊維補強
    エラストマー組成物であって、加硫後の前記短繊維の配
    向方向における120℃での貯蔵弾性率は、25℃での
    貯蔵弾性率の46%以上であることを特徴とする伝動ベ
    ルト用短繊維補強エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 加硫後の短繊維の配向方向における12
    0℃での貯蔵弾性率は、60MPa以上であることを特
    徴とする請求項1記載の伝動ベルト用短繊維補強エラス
    トマー組成物。
  3. 【請求項3】 エチレン−α−オレフィン系コポリマー
    は、エチレンの含量が60重量%以下であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の伝動ベルト用短繊維補強エ
    ラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 短繊維は、モノフィラメントの120℃
    での貯蔵弾性率が25℃での貯蔵弾性率の80%以上で
    ある繊維よりなることを特徴とする請求項1、2又は3
    記載の伝動ベルト用短繊維補強エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】 短繊維は、芳香族ポリアミド繊維よりな
    ることを特徴とする請求項4記載の伝動ベルト用短繊維
    補強エラストマー組成物。
  6. 【請求項6】 エチレン−α−オレフィン系コポリマー
    は、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロ
    ピレン−ジエンターポリマー、及び、エチレン−オクテ
    ンコポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の
    ポリマーであることを特徴とする請求項1、2、3、4
    又は5記載の伝動ベルト用短繊維補強エラストマー組成
    物。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    伝動ベルト用短繊維補強エラストマー組成物を構成部材
    とすることを特徴とする伝動ベルト。
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