JP2001310260A - スラリの再生方法 - Google Patents

スラリの再生方法

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JP2001310260A
JP2001310260A JP2000129887A JP2000129887A JP2001310260A JP 2001310260 A JP2001310260 A JP 2001310260A JP 2000129887 A JP2000129887 A JP 2000129887A JP 2000129887 A JP2000129887 A JP 2000129887A JP 2001310260 A JP2001310260 A JP 2001310260A
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separated
abrasive grains
dispersion liquid
unused
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JP2000129887A
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English (en)
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Noboru Katsumata
昇 勝俣
Kazuto Yokogawa
和人 横川
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Nippei Toyama Corp
Original Assignee
Nippei Toyama Corp
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散剤や増粘剤などのスライス効率に有効な
成分の低下を抑えて、再生スラリの質を向上させ、良好
なスライス効率や精度を維持することができるスラリの
再生方法を提供すること。 【解決手段】 ワイヤ列11に供給された使用済みスラ
リから、第1デカンタ31で砥粒を分離し、第2デカン
タ32で二次分離液を分離する。そして、第2デカンタ
32で分離した二次分離液を、管路35を介して、第1
デカンタ31で分離した砥粒とともに調合タンク30に
供給し、第1デカンタ31で分離した砥粒と、ホッパ2
1から供給される砥粒と、タンク43から供給される未
使用の分散液とを調合させて再生スラリを生成する。所
定時間後、管路35に設けられた切換バルブ33,34
を切り換えることにより、第2デカンタ32で分離され
た二次分離液を廃棄するとともに、この廃棄した二次分
離液に相当する分の未使用の分散液をタンク43から、
管路53,35を介して調合タンク30に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワイヤソー等に
おいて使用されるスラリを調製管理するスラリ管理シス
テムにおけるスラリ再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ワイヤソーにおいては、複数の
加工用ローラ間に1本のワイヤが所定ピッチで巻回され
ている。そして、このワイヤが走行されながら、ワイヤ
上に遊離砥粒を含むスラリが供給され、この状態でワイ
ヤに対し被切削体が押し付け接触されて、その被切削体
がウェーハ状に切断加工されるようになっている。
【0003】この種のワイヤソーには、スラリを調製管
理するためのスラリ管理システムが付設されている。こ
のスラリ管理システムにおいては、調合槽内で砥粒およ
び分散液が混合されてスラリが調製され、そのスラリが
ワイヤソーに供給されるようになっている。
【0004】また、ワイヤソーで使用されたスラリは、
スラリタンクとの間で循環しながら繰り返し使用される
が、定期的或いは加工終了毎にスラリタンクから回収タ
ンクに回収され、ここから例えば所定量ずつスラリ管理
システムの分離回収機構に移送されて、その分離回収機
構の第1分離回収段階で、使用可能な砥粒と一次分離液
とに分離され、固形分として砥粒が回収される。さら
に、第1分離回収段階で分離された一次分離液は、分離
回収機構の第2分離回収段階で、切屑などの不純物でな
る固形分と、既使用の分散液である二次分離液とに分離
され、その二次分離液が回収される。そして、回収され
た砥粒と二次分離液とが調合槽に戻されて、未使用の砥
粒又は未使用の分散液を補給してスラリが再調製され、
そのスラリがワイヤソーのスラリタンクに供給されて、
加工に再使用されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、使用可能な
砥粒と既使用の分散液とは、デカンタなどによって機械
的に分離されるが、分散液を切屑などの不要な固形物と
に完全に分離するのは難しく、分離された二次分離液中
に少なからず微細な切屑が残留する。そのため、使用済
みスラリを何度も再生していくと、この切屑が二次分離
液中に徐々に累積していく。一方、一般のスラリ管理シ
ステムでは、調合槽中のスラリの比重が所定値となるよ
うに、前記分離回収された砥粒と二次分離液の全部とを
用いて、再生スラリを調合している。このように何度も
繰り返して再生して、スラリを使用していると、第2分
離回収段階で、分離された二次分離液中の分離されない
切屑の割合が大きくなって、調合タンクへ導入される二
次分離液自体の比重が大きくなるため、比重を一定にす
るために未使用の砥粒を少量しか調合槽に追加できなく
なる。従って、再生したスラリ中には、砥粒の割合が少
なくなり、スライス精度及び効率が低下する。また、ス
ラリ中の切屑が増加したことは、スラリが供給されるワ
イヤソーにおいて、ワークとの間の切削抵抗が大きくな
り、スライス効率を一層低下させる要因となっている。
【0006】逆に、分散剤や増粘剤などのスライス効率
を向上させるのに有効な成分は、固形物である場合が多
い。これは、第2分離回収段階で、不純物として廃棄さ
れる切屑と、大きさ及び比重が最も近似しており、その
ため、これら不純物と分離しにくく、第2分離回収段階
で分離された切屑と一緒に、廃棄されてしまう。従っ
て、この分離段階を何度も通過して繰り返し調合された
再生スラリを使用し続けると、この有効成分が徐々に低
下し、スライス効率を低下させることとなっていた。
【0007】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、分離手段によって分離され調合タンクへ
導入される二次分離液(これが本発明の既使用の分散液
に対応する)中の比較的小さな切屑の増加を抑えるとと
もに、分散剤や増粘剤などのスライス効率に有効な成分
の低下を抑えて、再生スラリの質を向上させ、良好なス
ライス効率や精度を維持することができるスラリの再生
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するために、請求項1に記載の発明は、分散液に
砥粒を分散してなり、ワイヤソーのワイヤ群に供給され
た使用済みスラリを、分離手段に移送して、そのスラリ
から、使用可能な砥粒を分離するとともに、切屑を除去
した既使用の分散液を分離し、この分離された使用可能
な砥粒と既使用の分散液とを調合タンクに導入し、未使
用の砥粒又は未使用の分散液と調合して再生スラリを生
成するスラリの再生方法において、前記既使用の分散液
の一部を未使用の分散液と交換して、前記調合タンクに
導入するものである。
【0009】従って、切屑が除去されると一緒に、分散
剤や増粘剤などのスライス効率に係わる成分が除去され
ても、その分が未使用のスラリで補われる。また、分離
できずに比較的小さい切屑が含まれている既使用の分散
液の一部が交換されるので、分離できなかった切屑が徐
々に既使用の分散液から排出される。そのため、ワイヤ
ソーのスライス効率をほとんど低下させることがない。
また、減少した分散剤や増粘剤などを再生したスラリに
混ぜるのではなく、これらが含有されて分散されたスラ
リを、再生スラリと混ぜるようにしたので、分散剤や増
粘剤をスラリ中に均一に混ぜることができ、より安定し
たスラリ性状とすることができる。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のスラリ再生方法において、交換される前記既使用の分
散液の一部が、既使用の分散液全体の体積比で5%〜1
5%程度のものである。従って、ワイヤソーのスライス
効率がほとんど低下しないとともに、有効に使用済みス
ラリを再生して使用することができる。
【0011】請求項3に記載の発明は、分散液に砥粒を
分散してなり、ワイヤソーのワイヤ群に供給された使用
済みスラリを、所定量ずつ分離手段に移送して、そのス
ラリから、使用可能な砥粒を分離するとともに、切屑を
除去した既使用の分散液を分離し、この分離された使用
可能な砥粒と既使用の分散液とを調合タンクに導入し、
未使用の砥粒又は未使用の分散液と調合して再生スラリ
を生成するスラリの再生方法において、前記分離手段に
よる使用済みスラリの分離毎回時、分離された既使用の
分散液の一部を未使用の分散液と交換して、前記調合タ
ンクに導入するようにしたものである。また、請求項4
に記載の発明は、分散液に砥粒を分散してなり、ワイヤ
ソーのワイヤ群に供給された使用済みスラリを、所定量
ずつ分離手段に移送して、そのスラリから、使用可能な
砥粒を分離するとともに、切屑を除去した既使用の分散
液を分離し、この分離された使用可能な砥粒と既使用の
分散液とを調合タンクに導入し、未使用の砥粒又は未使
用の分散液と調合して再生スラリを生成するスラリの再
生方法において、使用済みスラリの所定量ずつの分離が
所定回数行われた毎に、前記分離手段で分離された既使
用の分散液の全量を未使用の分散液と交換して、前記調
合タンクに導入するようにしたものである。
【0012】従って、定量的に或いは定期的に分離手段
で分離された既使用の分散液を排出して、その代わりに
分散剤や増粘剤などのスライス効率に大きく影響する成
分を含んだ未使用の分散液が補充されるので、どれだけ
分離、再生を繰り返しても再生スラリの質が低下するこ
となく、切削能力が有効な切削能力の範囲内でワイヤソ
ーを使用することができる。また、減少した分散剤や増
粘剤などを直接、調合槽に混ぜるのではなく、これらが
含有されて分散された分散液を、砥粒とともに調合槽に
導入するようにしたので、分散剤や増粘剤をスラリ中に
均一に混ぜることができる。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
何れかに記載のスラリ再生方法において、前記分散液
が、水含有系又は水可溶系としたものである。従って、
分散液が水含有系又は水可溶系である場合には、そのス
ラリに含まれている分散剤や増粘剤等が、ワイヤソーの
スライス効率に与える影響は大きいので、特に、有効に
作用する。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
何れかに記載のスラリ再生方法において、前記分離され
た砥粒と、前記切屑が除去された既使用の分散液とを、
導入した調合タンク内のスラリが、所定比重のスラリと
なるように、未使用の砥粒又は未使用の分散液を加えて
調合するものである。従って、分離できなかった切屑
が、徐々に又は所定分離回数又は所定分離量毎に排出さ
れ、未使用の分散液と交換されて調合タンクへ導入され
るので、その分、未使用の砥粒をスラリに加えることが
できる。そのため、再生したスラリをさらに繰り返し用
いてもワイヤソーの切削能力を良好に維持することがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
を具体化した一実施形態を図1又は図2に従って説明す
る。
【0016】本実施の形態において、三角形領域を形成
する3本の加工用ローラ12a、12b、12c間に
は、ワイヤを連続して巻き回して、ワイヤ列11が、張
設されている。被切削体16は例えば上方の2本のロー
ラ12a、12b間に形成されたワイヤ列11の水平面
の上方側に配置され、ワイヤ列11に向かうように下降
される。
【0017】スラリ供給ノズル13は、ワイヤ列11の
上方に配置され、ワイヤ列11と被切削体16との間に
スラリを供給するようになっている。ローラ12a〜1
2cにより形成された三角形領域の内部には、前記水平
面を構成するワイヤ列11から流れ落ちるスラリを受け
止めるための受槽14が設けられている。この受槽14
にはスラリ槽15が接続され、このスラリ槽15の内部
には撹拌機15aが配設されている。
【0018】スラリ槽15には、図2の調合タンク30
にて調合された再生スラリが供給されるための管路47
と、スラリ槽15のスラリをスラリ供給ノズル13に供
給するための供給管19と、スラリを回収槽22に排出
するための排出管路20とが接続されている。管路47
には、ポンプ55及びバルブ48が配設され、供給管1
9にはポンプ18及びバルブ17が配設され、排出管路
20にはポンプ56及びバルブ24が配設されている。
ポンプ55,18,56は、管路47、供給管19、排
出管路20のそれぞれにスラリを送給するために、スラ
リを加圧している。なお、バルブ48,17,24は、
コントローラ10によって開閉制御される。
【0019】図2に示す回収槽22には、複数(図では
1つだけ示されている)のワイヤソーからの排出管路2
0が接続されており、使用済みのスラリが一旦回収され
る。回収槽22は、管路23を介して第1デカンタ31
に接続されており、この管路23には、バルブ50とポ
ンプ25とが配設されている。
【0020】第1デカンタ31は、スクリュー40と、
固形成分のうち、大きな粒子を排出する固形物排出口4
1と、微小粒子が混在している一次分離液を排出する液
排出口42とを有している。そのため、この第1デカン
タ31は、スクリュー40の回転により生じた遠心力を
用いて、その使用済みスラリから固形成分である使用可
能な砥粒と、微小粒子が混在している一次分離液とを分
離して、それぞれを固形物排出口41又は液排出口42
から排出する。
【0021】他方、液排出口42から排出された微小粒
子が混在している一次分離液は、管路26を介して第2
デカンタ32に導入される。この第2デカンタ32は、
第1デカンタ31と同様な構造をしているが、第1デカ
ンタ31の2〜3倍程度の遠心加速度に設定されてい
る。そのため、第2デカンタ32のスクリュー40を回
転させることにより、第1デカンタ31から導入され、
微小粒子が混在している一次分離液を、固形成分である
微小粒子と、既使用の分散液としての二次分離液に分離
する。
【0022】第2デカンタ32の固形物排出口41は、
管路29を介して廃棄タンク51に接続されており、第
2デカンタ32の液排出口42は、切換バルブ33が設
けられた管路35を介して管路27に接続されている。
また、この管路35は、管路36を介して管路29に接
続されている。そのため、通常は、管路27を介してそ
のまま調合タンク30に供給している第2デカンタ32
からの二次分離液を、切換バルブ33の切り換えによ
り、管路35を途中で遮断させ、かつ第2デカンタ32
の液排出口42と管路29とを連通させて、二次分離液
を廃棄タンク51に廃棄する。
【0023】未使用の分散液が収容されたタンク43
は、管路49、52を介して調合タンク30に接続され
ており、ポンプ45を間欠的に稼動することで、固形物
排出口41から微小粒子とともに排出された液体分を調
合タンク30に補給している。管路49には、タンク4
3側からポンプ45、開閉バルブ28、切換バルブ34
が配設されている。切換バルブ34は、通常は、タンク
43の分散液を調合タンク30に管路49、52を介し
て供給しているが、切換バルブ33が切り換わって、液
排出口42と管路29とが連通するのに伴って、管路4
9の途中を遮断して、タンク43の分散液を管路53、
35を介して管路27と合流して調合タンク30へと供
給する。
【0024】調合タンク30には、固形物排出口41か
ら排出された砥粒が、管路27を介して導入されるとと
もに、未使用の砥粒が収容されたホッパ21からフィー
ダ21aを介して未使用の砥粒をその供給量を調節しな
がら、供給可能となっている。また、調合タンク30に
は、生成された再生スラリの比重を測定する比重計46
が設けられており、この比重計46の検出信号は、図示
しないコントローラに供給され、ホッパ21からの砥粒
の供給量及びタンク43から管路49、52を介して調
合タンク30へ供給する分散液の供給量を制御するよう
になっている。更に、調合タンク30は、攪拌機30a
を有しており、ホッパ21からの新規な砥粒と、管路2
7を介して供給された砥粒と、管路35を介して供給さ
れた二次分離液又は分散液とを、均一に砥粒が分散され
るように再生スラリを攪拌しながら調合している。
【0025】調合タンク30で調合された再生スラリ
は、管路57を介して供給槽58に供給され、ここから
各々のワイヤソーの管路47へと配給される。次に、本
実施の形態の作用について、説明するが、本実施の形態
で用いられるスラリは、ポリエチレングリコールなどの
水可溶性からなる分散液に、例えば5〜30μmの粒径
の砥粒を分散させて成る。
【0026】ワイヤソーにおいて、被切削体16の切断
加工が開始されると、スラリがスラリ槽15とワイヤソ
ーとの間で循環されて、ワイヤソーのワイヤ列11上に
供給される。ワイヤ列11に供給された使用済みスラリ
は、受槽14に受け止められた後、スラリ槽15に至
る。このスラリ槽15では、図示しないフィルタによっ
て、砥粒よりも大きな切屑が除去される。その後、スラ
リ槽15中の使用済みスラリは、回収槽22内へ定期的
に回収され、その回収量に対応するように、調合タンク
30からスラリ槽15内に管路47を介して再生スラリ
が供給される。
【0027】回収槽22に至った使用済みスラリは、所
定量ずつ管路23を介して第1デカンタ31に搬送さ
れ、ここで、使用可能な砥粒と、この砥粒よりも微小の
固形物を含む一次分離液とに分離される。そして、分離
された砥粒は、管路27を介して調合タンク30に至る
とともに、分離された一次分離液は、管路26を介して
第2デカンタ32に至る。第2デカンタ32に至った一
次分離液は、再生可能な二次分離液と微小粒子とに分け
られ、分離された微小粒子は廃棄タンク51に廃棄され
る。他方、第2デカンタ32から排出された使用可能な
二次分離液は、第1デカンタ31で分離された砥粒と混
流されて調合タンク30に供給され、ホッパ21からの
新規な砥粒と、タンク43からポンプ45により加圧さ
れた未使用の分散液と調合され、再生スラリを生成す
る。
【0028】そして、使用済みスラリの分離毎回時、第
1及び第2デカンタ31,32を一定時間、運転させた
後に、切換バルブ33,34を切り換える。これによ
り、第2デカンタ32により分離された二次分離液は、
その時点から管路36、29を介して廃棄されるととも
に、未使用の分散液がタンク43から管路49,53,
35を介して管路27に合流して調合タンク30へと供
給される。その回の分離が終了するまで、この状態に維
持する。例えば、1回の分離で分離される二次分離液の
全体量150リットルの1/15の量、すなわち10リ
ットル分の二次分離液が、未使用の分散液と交換され、
つまり、140リットルの二次分離液と10リットルの
未使用の分散液が管路27に合流して調合タンク30へ
導入されることになる。一回の分離終了毎に、再び、切
換バルブ33,34を元の位置に切り換える。このよう
にして、第2デカンタ32で分離された二次分離液の一
部を未使用の分散液と交換する。
【0029】上記第1の実施形態のスラリの再生方法に
よれば、以下のような特徴を得ることができる。 (a)上記実施形態では、切換バルブ33,34を切り
換えることにより、第2デカンタ32で分離した二次分
離液の一部を廃棄して、この廃棄した分の代わりに、未
使用の分散液を調合タンク30に供給している。従っ
て、第2デカンタ32で二次分離液と分離される分散剤
や増粘剤などのスライス効率に影響する成分が、切屑と
一緒に除去されても、その分が未使用の分散液で補われ
る。また、二次分離液中に混在していた細かな切屑も廃
棄される。そのため、ワイヤソーのスライス効率を良好
に維持することができる。また、分散剤や増粘剤を使用
済みスラリ中に分散させているのではなく、これらが分
散された未使用の分散液を、砥粒とともに調合タンク3
0へ導入しているので、分散剤や増粘剤が、スラリ中に
より均一に分散され、より安定したスラリ性状を維持す
ることができる。
【0030】(b)また、このとき、用いたスラリの分
散液は、環境にやさしい水可溶性を用いているため、油
系の分散液に比べて粘度が小さく、スライス効率の点に
おいて、分散剤や増粘剤を混在させることが必要であ
る。従って、これら分散剤や増粘剤の減少は、スライス
効率に大きく影響するが、上記実施例では、この分散剤
や増粘剤が補われるので、水可溶性であっても、そのス
ライス効率をほとんど低下させることがない。
【0031】(c)上記実施の形態では、比重計46の
値によって調合タンク30内の再生スラリが所定比重の
スラリとなるように、さらに未使用の砥粒又は未使用の
分散液とが加えられて調合されるものである。第2デカ
ンタ32からの二次分離液の一部を排出していることに
より、二次分離液中に残留していた切屑の一部が排出さ
れることになり、その重量分だけ調合タンク30へ導入
される既使用の分散液が軽くなり、この軽くなった分だ
け砥粒を調合タンク30に追加することができる。従っ
て、繰り返し再生したスラリを用いてもワイヤソーの切
削能力を良好に維持することができる。
【0032】(d)また、上記実施の形態では、二次分
離液及び未使用の分散液を、管路35を介して管路27
に合流させて、調合タンク30に供給するようにした。
そのため、管路27に流れる砥粒の流れをスムーズに
し、管路27の管内で砥粒の詰まりを、防止することが
できる。
【0033】(e)上記実施の形態では、毎回の分離に
おいて、第2デカンタ32で分離された二次分離液の全
体容量の約1/10程度を未使用の分散液と交換するよ
うにした。そのため、使用したスラリを再生して再び使
用する場合であっても、少しずつ使用済みスラリの二次
分離液を未使用の分散液と交換しているので、有効に使
用済みスラリを再生して使用することができる。
【0034】(第2の実施形態)次に、第2実施の形態
のスラリの再生方法について説明するが、上記第1実施
の形態と同一の装置を用いて、その作用について説明す
る。
【0035】上記第1実施の形態と同様に、回収槽22
に至った使用済みスラリは、1回に所定量ずつ移送さ
れ、通常、第1デカンタ31で、使用可能な砥粒と、こ
の砥粒よりも微小の固形物を含む一次分離液とに分離さ
れる。そして、分離された砥粒は、調合タンク30に至
るとともに、分離された一次分離液は、第2デカンタ3
2で再生可能な二次分離液と微小粒子とに分けられ、管
路29を介して、微小粒子は廃棄される。
【0036】本実施の形態では、例えば、使用済みスラ
リが回収槽22から第1及び第2デカンタ31,32に
所定回数(例えば20回)送られ、所定回数の分離が行
われた後に、切換バルブ33,34を切り換える。これ
により、その回の分離で第2デカンタ32により分離さ
れた二次分離液の全量が廃棄されるとともに、その廃棄
された二次分離液と同量の未使用の分散液がタンク43
から管路49,53,35を介して管路27に合流し
て、調合タンク30へと導入される。そして、例えば、
使用し分離された二次分離液の全体量150リットル分
が、全て未使用の分散液と交換された後には、再び、切
換バルブ33,34を切り換えて、タンク43から管路
53への供給を停止するとともに、第2デカンタ32か
ら分離された二次分離液を管路35,27を介して調合
タンク30に導入する。
【0037】その後も、所定回数の分離が行われた後
に、切換バルブ33,34を切り換え、その回の分離終
了後に、この切換バルブ33,34の切り換えを戻すと
いう上述の一連の動作を繰り返す。
【0038】上記第2の実施形態のスラリの再生方法に
よれば、上記第1実施例の(a)〜(d)の効果と、同
様な効果を得ることができる。 (変更例)なお、上記第1及び第2の実施の形態は以下
のように変更してもよい。
【0039】・上記実施の形態においては、切換バルブ
33,34を切り換えるタイミングは、スラリの量によ
り可変としたが、被切削体16の切削状態により、その
タイミングを、適宜変えるようにしてもよい。
【0040】・上記実施の形態においては、使用済みス
ラリを回収槽22から所定量ずつ移送して分離している
が、連続的に分離を行わせる方法を用いてもよく、この
場合には分離した既使用の分散液と未使用の分散液との
交換を定期的に定量ずつ行わせるようにすればよい。
【0041】・上記実施の形態では、第2デカンタ32
で分離した二次分離液を廃棄すると同時に、その代わり
に未使用の分散液を調合タンク30に導入したが、廃棄
時には、第2デカンタ32を稼動させずに、第1デカン
タ31から砥粒が除去された一次分離液ごと捨てて、こ
れの代わりに、未使用の分散液を供給するようにしても
よい。
【0042】・上記実施の形態では、使用済みスラリか
ら、使用可能な砥粒及び二次分離液を分離するには、第
1及び第2デカンタ31,32を用いたが、これらの代
わりに、サイクロンやフィルタを用いるようにしてもよ
い。
【0043】・上記実施の形態では、調合タンク30に
比重計46を設けて、この比重計46により、導入され
た砥粒と既使用の分散液に対し、未使用の砥粒又は未使
用の分散液とを加えて調合するようにしたが、比重計4
6の代わりに粘度計を設け、この値により調合するよう
にしてもよいし、比重計46と併用して粘度計を用い
て、調合するようにしてもよい。
【0044】・上記実施の形態では、スラリの分散液と
して水可溶性のポリエチレングリコールを用いたが、他
に、水含有性の分散液に粒径を分散させたものでもよ
く、また、その砥粒の粒径も、上述で示したもの以外の
ものであっても勿論、よい。
【0045】次に上記実施形態及び別例から把握できる
請求項に記載した以外の技術的思想について、それらの
効果とともに以下に記載する。 (1)分散液に砥粒を分散してなるスラリをワイヤ群に
供給して、この被切削体16を切断加工するワイヤソー
において、使用したスラリを使用可能な砥粒と砥粒より
も小さい微小粒子と既使用の分散液とを分離して後、分
離された既使用の分散液の一部又は全部を未使用の分散
液と交換して、再び砥粒と、既使用の分散液及び/又は
未使用の分散液と調合して生成したスラリを用いたこと
を特徴とするワイヤソー。
【0046】従って、スライス効率に有効に働く成分
が、砥粒よりも小さく微小粒子とともに、廃棄されてし
まっても、未使用の分散液が補われるので、ワイヤソー
のスライス効率を低下させずに、良好な切れ味を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態におけるワイヤソー及びその関連機
構の要部を示す構成図。
【図2】実施の形態における再生システムを示す構成
図。
【符号の説明】
11…ワイヤ群、30…調合タンク、31…分離手段と
しての第1デカンタ、32…分離手段としての第2デカ
ンタ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散液に砥粒を分散してなり、ワイヤソ
    ーのワイヤ群に供給された使用済みスラリを、分離手段
    に移送して、そのスラリから、使用可能な砥粒を分離す
    るとともに、切屑を除去した既使用の分散液を分離し、
    この分離された使用可能な砥粒と既使用の分散液とを調
    合タンクに導入し、未使用の砥粒又は未使用の分散液と
    調合して再生スラリを生成するスラリの再生方法におい
    て、 前記既使用の分散液の一部を未使用の分散液と交換し
    て、前記調合タンクに導入することを特徴とするスラリ
    再生方法。
  2. 【請求項2】 交換される前記既使用の分散液の一部
    が、既使用の分散液全体の体積比で5%〜15%程度で
    ある請求項1に記載のスラリ再生方法。
  3. 【請求項3】 分散液に砥粒を分散してなり、ワイヤソ
    ーのワイヤ群に供給された使用済みスラリを、所定量ず
    つ分離手段に移送して、そのスラリから、使用可能な砥
    粒を分離するとともに、切屑を除去した既使用の分散液
    を分離し、この分離された使用可能な砥粒と既使用の分
    散液とを調合タンクに導入し、未使用の砥粒又は未使用
    の分散液と調合して再生スラリを生成するスラリの再生
    方法において、 前記分離手段による使用済みスラリの分離毎回時、分離
    された既使用の分散液の一部を未使用の分散液と交換し
    て、前記調合タンクに導入するようにしたことを特徴と
    するスラリ再生方法。
  4. 【請求項4】 分散液に砥粒を分散してなり、ワイヤソ
    ーのワイヤ群に供給された使用済みスラリを、所定量ず
    つ分離手段に移送して、そのスラリから、使用可能な砥
    粒を分離するとともに、切屑を除去した既使用の分散液
    を分離し、この分離された使用可能な砥粒と既使用の分
    散液とを調合タンクに導入し、未使用の砥粒又は未使用
    の分散液と調合して再生スラリを生成するスラリの再生
    方法において、 使用済みスラリの所定量ずつの分離が所定回数行われた
    毎に、前記分離手段で分離された既使用の分散液の全量
    を未使用の分散液と交換して、前記調合タンクに導入す
    るようにしたことを特徴とするスラリ再生方法。
  5. 【請求項5】 前記分散液が、水含有系又は水可溶系で
    ある請求項1〜4の何れかに記載のスラリ再生方法。
  6. 【請求項6】 前記分離された砥粒と、前記切屑が除去
    された既使用の分散液とを、導入した調合タンク内のス
    ラリが、所定比重のスラリとなるように、未使用の砥粒
    又は未使用の分散液を加えて調合する請求項1〜5の何
    れかに記載のスラリ再生方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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