JP2001309966A - コンテナ内の装置を滅菌処理するための方法 - Google Patents

コンテナ内の装置を滅菌処理するための方法

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JP2001309966A JP2000389384A JP2000389384A JP2001309966A JP 2001309966 A JP2001309966 A JP 2001309966A JP 2000389384 A JP2000389384 A JP 2000389384A JP 2000389384 A JP2000389384 A JP 2000389384A JP 2001309966 A JP2001309966 A JP 2001309966A
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トラランス・オウ・アディー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 拡散制限状態のコンテナの中において医療装
置および同様の器具を滅菌処理するための方法を提供す
る。 【解決手段】 本発明による滅菌処理方法は過酸化水素
のような蒸発可能な殺菌剤を含有する液体溶液を拡散制
限状態のコンテナの中に入れてこの殺菌剤を蒸発させる
工程を含む。このコンテナは滅菌処理システムに対して
着脱自在であり、真空チャンバーとして使用できる。滅
菌処理する物品を収容する着脱自在のコンテナは第2の
コンテナにより収容可能であり、この内側のコンテナの
物品および内部および外部が滅菌処理される。収容され
たコンテナ内の滅菌状態の物品は輸送可能であり、滅菌
処理した物品を収容する滅菌状態の内側コンテナは外側
のコンテナから取り出して滅菌状態の環境を汚染するこ
となく滅菌状態の環境内に配置できる。その後、この滅
菌状態の物品は滅菌状態のコンテナから取り出して使用
できる。あるいは、この滅菌処理方法は殺菌剤蒸気を着
脱自在のコンテナ内に導入する工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸気化可能な殺菌剤
の供給源および負圧を利用してコンテナ内の装置を滅菌
処理する装置および方法に関し、特に、負圧またはプラ
ズマと組み合わせた負圧に曝す前に、蒸気化可能な殺菌
剤に物品または物品を収容するコンテナを接触させる工
程を含む方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、医療器具は蒸気により供給さ
れる熱、またはガスや蒸気の状態のホルムアルデヒドま
たはエチレン・オキシドのような化学薬品のいずれかに
より滅菌処理していた。しかしながら、これらの方法は
いずれも欠陥を有している。すなわち、光ファイバー装
置、内視鏡、電動器具等の多くの医療装置は熱、湿気、
またはこれらの両方に対して敏感である。また、ホルム
アルデヒドおよびエチレン・オキシドは共に毒性ガスで
あり、健康管理者に対して潜在的に障害を与える恐れが
ある。滅菌処理した物品からガスを除去するために長い
通気時間が必要になるので、エチレン・オキシド・ガス
に伴う問題は特に深刻である。すなわち、このような長
い通気時間により、この滅菌処理工程の時間が負所望に
長くなる。
【0003】過酸化水素溶液を用いる滅菌処理は高濃度
の滅菌剤、延長した曝露時間、および/または上昇した
温度を必要とすることが知られている。しかしながら、
過酸化水素蒸気を用いる滅菌処理はその他の化学的な滅
菌処理方法に優る幾つかの利点を有していることが示さ
れている(例えば、米国特許第4,169,123号お
よび同第4,169,124号参照)。さらに、198
7年2月17日にJacobs他に発行された米国特許第4,
643,876号に開示されるように、過酸化水素をプ
ラズマと組み合わせる方法はさらに別の幾つかの利点を
有している。また、1988年7月12日にJacobs他に
発行された米国特許第4,756,882号はプラズマ
発生装置により発生される反応性物質の前駆体として過
酸化水素の水溶液から発生した過酸化水素蒸気の使用を
開示している。滅菌処理する物品の近接領域への過酸化
水素蒸気の拡散とプラズマとの組み合わせにより密閉し
たパッケージ内の物品さえも滅菌処理できる。さらに、
過酸化水素とプラズマを組み合わせるこれらの方法は、
「開放(open)」システムにおいて有用であるが、拡散
制限領域(diffusion-restricted areas)を有する物品
に滅菌処理を行なうのに不適当であることが分かってい
る。この理由は、これらの方法が、滅菌処理が可能にな
る前に、物品の近接領域に滅菌剤蒸気を拡散させること
に依存しているためである。従って、これらの方法は、
長くて狭い内孔部分について使用する場合に、高濃度の
滅菌剤、延長された曝露時間、および/または上昇した
温度を必要とすることが知られている。例えば、27c
m以上の長さで内径が0.3cm以下であるような内孔
部分は特に滅菌処理が困難であった。従って、従来技術
においては、比較的小さい内孔部を滅菌処理する簡単安
全で有効な方法が無かった。
【0004】それゆえ、長くて狭い内孔部分のような拡
散制限領域を含む物品の滅菌処理には特別な対処を必要
とする。この場合に、以下の二つの理由により過酸化水
素の水溶液から発生した過酸化水素蒸気を使用する方法
は不都合である。 1.水は過酸化水素よりも蒸気圧が高いので、水溶液に
おいて過酸化水素よりも速く蒸気化する。 2.水は過酸化水素よりも分子量が小さいため、蒸気の
状態で過酸化水素よりも速く拡散する。
【0005】このため、過酸化水素の水溶液を滅菌処理
する物品の周囲領域内で蒸気化すると、水が先に比較的
高濃度で物品に到達する。それゆえ、この水の蒸気が過
酸化水素蒸気の小さい割れ目や長くて狭い内孔部のよう
な拡散制限領域内への浸透に対するバリヤ(障壁)にな
る。しかしながら、別の理由の中で、とりわけ、65重
量%以上の過酸化水素の濃縮溶液がその酸化作用により
有害であるために、水溶液から水を除去すること、およ
び過酸化水素の濃度を高めることによりこの問題を解決
することができない。
【0006】Cummings他に発行された米国特許第4,9
52,370号は、過酸化水素蒸気を滅菌処理する物品
上でまず濃縮した後に、真空供給源を滅菌処理チャンバ
ーに適用して水および過酸化水素を物品から蒸発させる
滅菌処理方法を開示している。この方法は表面を滅菌処
理するのに適しているが、滅菌処理を行なうために内孔
部の中への過酸化水素蒸気の拡散に依存しすぎているた
めに、内孔部を有する装置に見られるような拡散制限領
域を迅速に拡散処理する場合に効果的でない。
【0007】Jacobs他に発行された「内孔部を有する物
品の蒸気滅菌処理のための方法(Method for Vapor Ste
rilization of Articles Having Lumens)」と題する米
国特許第4,943,414号は、少量の蒸気化可能な
液体滅菌剤溶液を収容する容器を内孔部に取り付けて、
滅菌処理工程中に圧力を減少しながら物品の内孔部の中
に滅菌剤を蒸発させて流す方法を開示している。このシ
ステムは存在する圧力差により内孔部の中に水および過
酸化水素蒸気が引き込まれて内孔部の滅菌処理速度が高
まるという利点を有しているが、容器を滅菌処理する各
内孔部に取り付ける必要がある点で不都合である。さら
に、水が過酸化水素よりも速く蒸発して内孔部の中に先
行してしまう。
【0008】さらに、米国特許第5,492,672号
は狭い内孔部を滅菌処理するための方法を開示してい
る。この方法は多成分系の滅菌剤蒸気を使用し、滅菌剤
蒸気の流れの連続的な交流時間およびこの流れの中断を
必要とする。従って、この方法を実行するためには複雑
な装置を使用する必要がある。さらに、蒸気の流通を利
用するために、閉塞端部を有する内孔部をこの方法によ
り滅菌処理することは容易でない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、長くて狭い内
孔部のような蒸気拡散が制限される領域を有する物品の
蒸気滅菌処理の簡単で有効な方法が依然として要望され
ている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の一態様は減圧下
で拡散制限環境内の物品を滅菌処理するための方法に関
する。この方法はコンテナ内に物品を配置する工程を含
み、このコンテナは少なくとも1個の連通ポートを備え
ていて、当該連通ポートを介して真空供給源に対して着
脱可能である。この方法はさらに蒸気化可能な殺菌剤の
溶液を上記コンテナの中に導入する工程と、コンテナを
上記連通ポートを介して真空供給源に取り付ける工程
と、滅菌処理する物品の周囲に拡散制限環境を形成する
工程とを含み、上記の配置工程、導入工程、取り付け工
程、および形成工程は任意の順番で行うことができ、さ
らに、コンテナ内の圧力を減少する工程と、蒸気化可能
な殺菌剤から殺菌剤蒸気を発生する工程とを含み、この
殺菌剤蒸気はコンテナの内側から連通ポートを介してコ
ンテナの外側に拡散し、さらに、コンテナ内の物品を滅
菌処理する工程を含む。さらに、この方法はコンテナを
真空供給源から取り外す工程と、物品の滅菌度を維持す
る工程を含む。
【0011】望ましくは、上記のコンテナは蒸気通過性
で微生物非通過性のフィルターを通して換気される。特
定の実施形態においては、コンテナ内の圧力が当該コン
テナを真空供給源から取り外す時に大気圧よりも高い場
合もあり、また、低い場合もある。
【0012】実施形態の一例において、上記の拡散制限
環境が拡散制限ポートにより形成される。実施形態の一
例において、この拡散制限ポートは1.0cmの長さを
有するポート、63.62mm2 の断面積を有するポー
ト、または0.157mm-1の(長さ/断面積)の値を
有するポートと少なくとも同様に拡散制限されている。
【0013】上記の殺菌剤を導入する工程は蒸気化可能
な殺菌剤を含有する溶液を注入、静的浸透、スプレーま
たは液体またはミストの流通、または蒸気濃縮のような
1種類以上の方法によりコンテナ内に供給する工程を含
む。この殺菌剤の導入工程はは物品を蒸気化可能な殺菌
剤を含有する溶液に接触させることにより行なうことも
できる。
【0014】実施形態の一例において、上記の滅菌処理
する物品は拡散制限領域を有する装置である。好ましく
は、上記の蒸気化可能な殺菌剤は過酸化水素である。望
ましくは、上記の圧力は上記減圧工程中において蒸気化
可能な殺菌剤の蒸気圧よりも低く減圧される。
【0015】上記の連通ポートは必要に応じてバルブを
備えることができる。望ましくは、このバルブはヒンジ
式バルブである。あるいは、このバルブは隔壁または隔
膜であり、この方法はさらに針状の装置をこの隔壁に挿
通する工程を含む。
【0016】望ましくは、上記の方法は少なくとも1個
の付加的なコンテナを上記真空供給源に取り付ける工程
を含む。好ましくは、これらのコンテナおよび付加的な
コンテナはそれぞれ滅菌処理する物品を収容しており、
各物品は独立的に、同時に、同期的に、非同期的に、あ
るいは多動作的様式で滅菌処理できる。
【0017】実施形態の一例において、第1のコンテナ
の中に第2のコンテナを収容させることができる。望ま
しくは、この第2のコンテナはガス通過性および微生物
非通過性のフィルターを備えている。必要に応じて、こ
の第2のコンテナは柔軟性のパウチである。好ましく
は、蒸気化可能な殺菌剤の溶液が圧力を減少する前に第
2のコンテナの中に導入されている。
【0018】本発明の別の態様は減圧下でコンテナ内の
物品を滅菌処理するための方法に関する。この方法は物
品をコンテナ内に配置する工程を含み、このコンテナは
少なくとも1個の連通ポートを有していて、当該連通ポ
ートを介して真空供給源に対して着脱可能である。さら
に、この方法は上記コンテナを連通ポートを介して真空
供給源に取り付ける工程を含み、上記の配置工程および
この取り付け工程の順番は任意である。さらに、この方
法は連通ポートを介して真空供給源によりコンテナ内の
圧力を減少する工程と、連通ポートを介してコンテナ内
に殺菌剤蒸気を導入する工程と、物品を滅菌処理する工
程を含む。さらに、この方法はコンテナを真空供給源か
ら取り外す工程と、物品の滅菌度を維持する工程を含
む。
【0019】望ましくは、上記の方法はさらに蒸気通過
性で微生物非通過性のフィルターを通してコンテナを換
気する工程を含む。好ましくは、コンテナ内の圧力は当
該コンテナを真空供給源から取り外す時に大気圧よりも
高いか、大気圧よりも低い。実施形態の一例において、
上記の滅菌剤蒸気は過酸化水素を含有している。望まし
くは、上記の連通ポートはバルブを備えている。
【0020】好ましくは、少なくとも1個の付加的なコ
ンテナが上記真空供給源に取り付けられる。望ましく
は、これらのコンテナおよび付加的なコンテナはそれぞ
れ滅菌処理する物品を収容しており、各滅菌処理する物
品は独立的に、同時に、同期的に、非同期的に、あるい
は多動作的様式で滅菌処理できる。実施形態の一例にお
いて、少なくとも1個の連通ポートを備えている第2の
コンテナが上記コンテナの内側に収容されている。望ま
しくは、この第2のコンテナはガス通過性で微生物非通
過性のフィルターを備えている。実施形態の一例におい
て、この第2のコンテナは柔軟性のパウチである。
【0021】
【発明の実施の形態】内孔部を有する各種装置の内部の
滅菌処理は滅菌処理システムにおいて常に目標とされて
きた課題である。さらに、低温度および低濃度の滅菌剤
により内孔部を有する装置またはその他の拡散制限領域
を有する物品の迅速な滅菌処理を行なうことが重要な課
題である。本発明においては、真空または必要に応じて
プラズマに曝露する前に滅菌処理する物品を過酸化物の
供給源により予備処理することまたはこれに接触させる
ことにより従来技術の滅菌処理システムにおける欠陥が
解消できる。あるいは、滅菌処理する物品を収容する拡
散制限環境を真空への曝露の前に過酸化物供給源に接触
させることができる。物品を接触させる場合の過酸化物
供給源は液体または濃縮蒸気により構成されている。ま
た、拡散制限環境を接触させる場合は、この過酸化物供
給源はさらに固体により構成できる。液体の場合は、過
酸化水素または過酢酸の水溶液により構成されている。
また、固体の場合は、尿素−過酸化物複合体、またはソ
ジウム・ピロホスフェート−過酸化物複合体等の過酸化
物複合体により構成できる。さらに、蒸気の場合は、過
酸化水素または過酢酸の蒸気により構成できる。なお、
本発明の好ましい方法は滅菌処理する物品に接触させる
過酸化物供給源として過酸化水素の水溶液を使用する。
本発明の方法は物品を損傷することなく、また、滅菌処
理した物品上に毒性残留物を残さない条件下で内孔部を
有するまたは内孔部の無い物品の迅速な滅菌処理を実行
する。
【0022】本発明の方法において、上記の過酸化物供
給源は滅菌処理する物品または当該滅菌処理する物品を
収容する拡散制限環境に直接的に接触するように供給さ
れる。内孔部を有する装置の場合は、過酸化物供給源を
その内孔部の中に直接的に供給することができる。ま
た、蒸気の拡散が制限される領域を有する物品の場合
は、過酸化物供給源をこの拡散制限領域の内部に供給で
きる。さらに、拡散制限されない物品の場合は、過酸化
物供給源を拡散制限環境内のどの場所に導入してもよ
い。この過酸化物供給源は、直接的供給または物理的配
置、静的浸透法、液体流通法、アエロゾル・スプレーま
たは蒸気濃縮により、内孔部の中に供給されるか、また
は滅菌処理する物品に接触するか、滅菌処理する物品を
収容する拡散制限環境に接触するように供給できる。物
理的配置は過酸化物供給源を収容する液だめを配置する
ことを含む。本発明の好ましい方法においては、過酸化
水素の水溶液を例えば1重量%以下程度乃至6重量%以
下程度の比較的希釈した状態で使用できる。すなわち、
この滅菌処理は過酸化水素の溶液自体に接触して行なう
のではなく、低温度で減圧条件下またはプラズマを伴う
減圧条件下における短時間の過酸化水素蒸気に対する曝
露により行なわれる。本発明の方法は接近不能または到
達困難な場所を有する物品に対して特に有効である。す
なわち、このような物品は長くて狭い内孔部、ヒンジ
部、係合面を有する物品であり、蒸気拡散が制限される
空間部分を有する物品も含まれる。
【0023】長くて狭い内孔部の内面を滅菌処理するの
に有用な本発明の好ましい方法の一実施形態の概略的な
動作を以下に示す。 1.滅菌処理する内孔部を過酸化物供給源に接触させ
る。この過酸化物供給源は少量で内孔部の中に直接的
に、または、静的浸透、液体流通、アエロゾル・スプレ
ーまたは蒸気濃縮等の手段により物理的に供給できる。 2.滅菌処理する内孔部をチャンバーの中に配置して、
このチャンバーを密封して排気する。(過酸化物供給源
はチャンバー内に物品を配置した後に物品の内側に供給
することもできる。) 3.内孔部を一定時間の間、滅菌処理を行なうのに十分
な温度で真空に曝露する。 4.滅菌処理した内孔部をチャンバーから取り出す。
【0024】本発明の方法の別の実施形態において、同
様の方法が物品の内側および外側の両方を滅菌処理する
ために用いられる。この別の実施形態において、滅菌処
理する物品は拡散制限環境内に配置される。この拡散制
限環境は少なくとも1個の連通ポートを有する剛体コン
テナまたは柔軟性パウチとすることができる。さらに、
この連通ポートは出口用チューブ、穴、または通路とす
ることができる。この実施形態において、連通ポートは
拡散制限状態であるのが好ましい。あるいは、滅菌剤の
蒸気が制限された拡散領域または滅菌処理する物品の内
孔部の中を流通する必要がある場合のように、滅菌剤蒸
気の拡散が滅菌処理する物品により制限される場合に
は、連通ポートが拡散制限状態である必要はない。この
ことはコンテナの構成により決まる。出口用チューブは
ガラス、金属およびプラスチックのような種々の材料に
より構成でき、フィルターを備えることができる。この
フィルターは環境からコンテナ内へのバクテリアの侵入
を十分に阻止できる。次に、過酸化物供給源を物品の内
部に導入する。この過酸化物供給源は物品の拡散制限環
境内への配置前または配置後のいずれでも導入できる。
その後、上記の工程2乃至工程4のように、物品を収容
した拡散制限環境をチャンバー内に配置し、真空に曝露
して取り出す。
【0025】本発明の別の実施形態において、滅菌処理
する装置は真空供給源に対して着脱自在な拡散制限状態
のコンテナの中に配置される。真空供給源は真空チャン
バーとすることができ、真空チャンバーに接続していな
い真空供給源でもよい。
【0026】長くて狭い拡散制限状態の内孔部の内部を
滅菌処理するのに有用である本発明の方法の別の実施形
態の概略的な動作を以下に示す。 1.滅菌処理する物品をコンテナのような拡散制限環境
の中に配置する。このコンテナは出口チューブまたは空
気および蒸気通過性のウインドウ(窓部)を備えている
少なくとも1個の連通ポートを有している。 2.拡散制限環境を過酸化物供給源に接触させる。これ
らの工程1および工程2は任意の順番で行なうことがで
きる。 3.拡散制限環境を物品の滅菌処理を完全に行なうのに
十分な時間の間、負圧に曝露する。
【0027】上記の連通ポートはコネクターを介して物
品に連通しているのが好ましく、これにより、滅菌剤の
蒸気が物品の中を流れてコンテナから流出できる。この
実施形態において、出口用チューブまたは空気および蒸
気通過性のウインドウを備えている連通ポートもまた拡
散制限状態であるのが好ましい。あるいは、滅菌剤の蒸
気が制限された拡散領域または滅菌処理する物品の内孔
部の中を流通する必要がある場合のように、滅菌剤蒸気
の拡散が滅菌処理する物品により制限される場合には、
連通ポート、特に、空気および蒸気通過性のウインドウ
が制限された拡散ポートである必要はない。このことは
コンテナの構成によって決まる。出口用チューブはガラ
ス、金属およびプラスチックのような種々の材料により
構成でき、フィルターを備えることができる。このフィ
ルターは環境からコンテナ内へのバクテリアの侵入を十
分に阻止できる。さらに、上記の空気および蒸気通過性
のウインドウはタイベック(Tyvek)のような通気性の
材料により構成できる。
【0028】さらに、上記の全ての方法に関係する本発
明のさらに別の実施形態において、滅菌処理する物品が
真空に曝露された後に低温プラズマにより滅菌処理を行
なうのに十分な時間だけ処理される。なお、本明細書お
よび特許請求の範囲において使用する場合の用語の「プ
ラズマ(plasma)」は発生可能なあらゆる付随的な放射
線を含む、電子、イオン、遊離ラジカル、印加された電
場により生じる解離および/または励起状態の原子また
は分子を含むガスまたは蒸気のあらゆる部分を含むもの
を言う。この印加された場は広い周波数領域にわたる
が、高周波またはマイクロ波を一般に用いる。
【0029】本発明の滅菌処理方法はさらに米国特許第
4,643,876号に開示されている方法により発生
されるプラズマを用いて使用することもできる。あるい
は、本発明の方法は米国特許第5,115,166号ま
たは同第5,087,418号に開示されるプラズマを
用いて使用することができ、この場合に、処理する物品
はプラズマ供給源から分離されたチャンバーの中に配置
される。
【0030】本発明は、(1)内孔部を有する装置およ
び拡散制限状態の物品の迅速な滅菌処理が低温度で行な
えること、(2)濃縮した、潜在的に有害な抗微生物剤
の溶液の使用が回避できること、(3)滅菌剤蒸気を長
くてい狭い内孔部の中に供給するための特別な容器を取
り付ける必要が無いこと、(4)無毒性の残留物が残る
こと、(5)処理終了時において生産物が乾燥している
ので、これらの物品の滅菌状態での貯蔵が可能であるこ
と、(6)閉塞端部を有する内孔部が滅菌処理できるこ
と、および(7)過度の作用を生じることなく処理を必
要に応じて繰り返すことができることのような従来の蒸
気滅菌処理システムに優る幾つかの利点を提供する。そ
れゆえ、本発明の方法は高効率で無害な、比較的安価な
滅菌処理方法を提供できる。
【0031】本発明の好ましい滅菌処理方法の効果を評
価するために、予備的な試験を先ず行って開放した非拡
散制限状態の環境内における汚染した表面についての希
釈過酸化水素溶液の作用を評価した。これらの試験を以
下の実施例1において説明する。
【0032】実施例1 希釈過酸化水素溶液単独の滅菌処理効果を評価するため
に、ステンレス・スチール製外科用メス・ブレード上の
2.5×106 個のバシラス属脂肪好熱菌類(Bacillus
stearothermopilus spores)から成る生物学的試料を
用いた。この接種したブレードを100mlのビーカー
の中の40mlの過酸化水素溶液の中に浸けた。3%、
6%、9%および12%の4種類の異なる濃度の過酸化
水素溶液を使用した。さらに、各ブレードを種々の時間
で過酸化水素溶液の中に浸漬した。その後、各ブレード
を溶液から取り出して、その滅菌度を評価した。この評
価結果を処理後に汚染状態である接種ブレードの数の試
験した接種ブレード全体の数に対する比率として表1に
示す。表12 2 溶液の殺菌作用についてのH2 2 濃度および浸漬時間の関係 H2 2 溶液の濃度浸漬時間 3% 6% 9% 12% 1分 4/4 4/4 4/4 4/4 5分 4/4 4/4 4/4 4/4 30分 4/4 4/4 4/4 4/4 60分 4/4 4/4 4/4 4/4 90分 N/D 4/4 2/4 0/4 120分 N/D 4/4 N/D N/D N/D=測定せず
【0033】以上の結果から、完全な滅菌処理はブレー
ドを少なくとも90分間で12%の過酸化水素溶液に浸
漬する条件まで行なわれなかったことが分かる。さら
に、6%の過酸化水素溶液中で2時間処理した後でも試
験したブレードは全く滅菌処理されなかった。このこと
から、浸漬時間を延長して濃縮した溶液を使用しない限
り、希釈過酸化水素溶液単独との接触処理は滅菌処理に
効果が無いことが明らかとなった。
【0034】次に、真空に曝露する前に滅菌処理する内
孔部を過酸化水素溶液に曝す予備処理工程について長く
て狭い内孔部の滅菌処理効果を評価するための試験を行
った。この試験においては、各内孔部の内部における過
酸化水素蒸気による滅菌処理効果を評価した。この試験
を以下の実施例2において説明する。
【0035】実施例2 ステンレス・スチール製外科用メス・ブレード上の1.
9×106 個のバシラス属脂肪好熱菌類から成る生物学
的試料を用いた。一部の接種したブレードを過酸化水素
水溶液で予備処理した。また、残りの接種したブレード
は対照のブレードとして過酸化水素による予備処理を行
なわなかった。この予備処理は過酸化水素溶液中におけ
る5分間の静的浸漬により構成した。このように予備処
理したブレードを吸い取り紙で拭いて乾燥した後に、各
ブレードを3mmの内径(ID)×50cmの長さのス
テンレス・スチール製内孔部の中に入れた。この内孔部
は内径が1.3cmおよび長さが5cmの中心部分を有
している。予備処理したブレードをこの中心部分の中に
入れて、付加的な過酸化水素溶液を種々の量でこの中心
部分の中に加えた。さらに、過酸化水素溶液での予備処
理を行なわなかった対照のブレードを同様に処理した。
その後、各内孔部を真空チャンバーの中に入れて、チャ
ンバーを1トールに減圧して15分間維持した。この時
間中において、温度を約23ECから約28ECまで増
加した。この真空への曝露に続いて、チャンバーを換気
し、ブレードをチャンバーから取り出してその滅菌度を
評価した。この評価結果を表2に示す。表2 内孔部の内部の滅菌処理についての予備処理および過酸化水素濃度の影響 (A)1%過酸化水素溶液および真空処理の場合 中心部分に加えた 過酸化物溶液で予備 過酸化物溶液で予備付加的な過酸化物 処理しないブレード 処理したブレード 10μL + + 20μL + + 30μL + + 40μL + + 50μL + + 100μL + − 150μL + − 200μL − − 250μL − − (B)3%過酸化水素溶液および真空処理の場合 中心部分に加えた 過酸化物溶液で予備 過酸化物溶液で予備付加的な過酸化物 処理しないブレード 処理したブレード 10μL − − 20μL − − 30μL − − 40μL − − 50μL − − 100μL − − 150μL − − 200μL − − 250μL − − (C)6%過酸化水素溶液および真空処理の場合 中心部分に加えた 過酸化物溶液で予備 過酸化物溶液で予備付加的な過酸化物 処理しないブレード 処理したブレード 10μL − − 20μL − − 30μL − − 40μL − − 50μL − −
【0036】以上の結果から、比較的希釈した過酸化物
の溶液および負圧に対する曝露により滅菌処理が行なえ
ることが分かった。すなわち、真空を供給すると、内孔
部の中心部分に加えた過酸化物が蒸発して滅菌処理を行
なうのに十分な量の過酸化物の蒸気がブレードに接触す
る。さらに、上記のデータから、上記の予備処理は滅菌
処理効果を高めるが、このような予備処理は過酸化物が
内側から外側に拡散する条件下において必要でないこと
が分かる。
【0037】過酸化物による予備処理後の種々の寸法の
内孔部の内部の滅菌処理を予備処理工程を行なわない内
孔部の内部の滅菌処理に対して比較した。この評価を以
下の実施例3において説明する。
【0038】実施例3 ステンレス・スチール製外科用メス・ブレード上の1.
9×106 個のバシラス属脂肪好熱菌類から成る生物学
的試料を用いた。以下の表3における試験Aは3%の過
酸化水素水溶液により予備処理されている接種したブレ
ードにより構成されている。さらに、この予備処理は過
酸化水素溶液内における5分間の浸漬により構成されて
いる。予備処理したブレードを吸い取り紙で拭いて乾燥
させた後に、10μlの3%過酸化水素溶液と共に、寸
法の異なるステンレス・スチール製内孔部の中心部分の
中に入れた。この中心部分は内径が1.3cmで長さが
5cmである。また、表3における試験Bは過酸化水素
による予備処理を行わない同等に接種した対照のブレー
ドにより構成されている。各接種した対照用ブレードを
10μlの3%過酸化水素溶液と共にステンレス・スチ
ール製内孔部の中心部分の中に直接的に入れた。この中
心部分は試験Aの寸法と同一の寸法を有している。次
に、種々の寸法の内孔部を用いて内孔部の内径および長
さの滅菌処理における影響を評価した。すなわち、各内
孔部を真空チャンバーの中に入れて、チャンバーを1ト
ールで15分間減圧処理した。この滅菌処理工程におけ
る15分間中に、温度を約23ECから約28ECまで
高めた。真空への曝露に続いて、チャンバーを換気し、
ブレードをチャンバーから取り出してその滅菌度を評価
した。これらの結果を表3に示す。なお、同表3におけ
る「L/D比」は長さの内径に対する比率値を意味す
る。表3 種々の寸法の内孔部における希釈過酸化水素による予備処理の影響 SS内孔部寸法 L/D比 試験A 試験B 1mm×50cm 500 − − 1mm×40cm 400 − − 1mm×27cm 270 − − 1mm×15cm 150 − − 3mm×50cm 1662/3 − − 3mm×40cm 1331/3 − − 3mm×27cm 90 − + 3mm×15cm 50 + + 6mm×50cm 831/3 − − 6mm×40cm 662/3 − − 6mm×27cm 45 + + 6mm×15cm 25 + + SS:ステンレス・スチール製
【0039】実施例3における試験Aの条件下で試験し
た50よりも大きいL/D比を有する全ての内孔部はこ
のシステムにおいて滅菌処理する場合に十分に拡散制限
されていることが分かった。従って、50よりも大きい
L/D比を有する別の内孔部もまた本発明による滅菌処
理において十分な拡散制限の程度を有すると考えられ
る。この試験により、従来技術の方法に比して、物品の
内側から物品の外側への過酸化水素蒸気の拡散による滅
菌処理が短くて広い内孔部におけるよりも長くて狭い内
孔部において比較的容易に行なえることが分かる。この
理由は、比較的大きな内孔部においては、過度に多量の
過酸化水素蒸気が滅菌処理中に内孔部の内側から拡散し
て流出してしまうためであると考えられる。従って、こ
のような蒸気は滅菌処理を行なうのに十分な時間または
十分な濃度で内部表面に接触できない。
【0040】既に説明したように、内孔部の過酸化水素
蒸気による滅菌処理の従来法は一般に比較的短くて広い
内孔部に用途が限られている。このような従来法に対し
て、本発明の方法は27cmよりも長く、3mm以下の
内径を有する長くて狭い内孔部の内部に有効である。
【0041】滅菌剤蒸気のシステム内での拡散能力が滅
菌処理を行なう場合に重要な条件となるか否かを決定す
るために、さらに別の試験を行って拡散制限状態および
開放した非拡散制限状態のシステムを比較した。非拡散
制限状態のシステムは物品の内部および周囲における蒸
気の拡散が狭い開口部、長くて狭い内孔部等により制限
されないシステムである。なお、本明細書において使用
する用語の「拡散制限状態(diffusion-restricted)」
とは以下の特性の任意の1個以上を言う。すなわち、
(1)本発明の滅菌処理システム内に配置された物品が
40ECで10トールにおいて1時間後に0.17mg
/L以上の過酸化水素溶液を保持する能力、(2)9m
m以下の内径および1cm以上の長さの単一の出入ポー
トにより与えられるものと同一またはそれ以上の拡散制
限能力を有すること、(3)27cmの長さおよび3m
mの内径を有する内孔部により与えられるものと同一ま
たはそれ以上の拡散制限能力を有すること、(4)50
よりも大きい長さ対内径の比率値を有する内孔部により
与えられるものと同一またはそれ以上の拡散制限能力を
有すること、(5)本発明の滅菌処理システム内に配置
された物品が40ECで10トールにおいて1時間後に
17%以上の過酸化水素溶液を保持する能力、または
(6)本発明により40ECで1時間10トールの真空
度において1mm×50cmのステンレス・スチール製
出口チューブを内部に備えたゴム停止部材を有する2.
2cm×60cmのガラス管内においてステンレス・ス
チール製ブレードを完全に滅菌処理するのに十分な拡散
制限状態であることである。なお、上記の特性(1)お
よび特性(5)は物品内に供給される過酸化水素の初期
濃度における依存度が極めて高いが、この結果は当該技
術分野における通常の熟練者により容易に決定できる。
【0042】本明細書における「従来の技術(発明の背
景)」において説明したように、拡散制限領域を有する
物品は既知の過酸化水素蒸気による滅菌処理方法により
滅菌処理することが困難である。すなわち、このような
従来の既知の滅菌処理方法は物品の外側から内側への過
酸化物蒸気の拡散に依存しているからである。そこで、
滅菌剤蒸気の拡散の重要性を評価するために行なった試
験を実施例4において説明する。
【0043】実施例4 開放状態および拡散制限状態のシステムの両方において
過酸化水素蒸気による滅菌処理を試験した。開放状態の
システムは1mm,3mmおよび6mmの内径、および
15cm,27cm,40cmおよび50cmの長さを
有するステンレス・スチール製内孔部により構成されて
いる。ステンレス・スチール製外科用メス・ブレードを
1.9×106 個のバシラス属脂肪好熱菌類により接種
し、これらのブレードを10μlの3%過酸化水素溶液
と共に内孔部の中心部分の中に配置した。この中心部分
の寸法は内径が1.3cm、長さが5cmで容積が6.
6ccであった。
【0044】拡散制限状態のシステムは図1に示すもの
である。同様に接種処理した外科用メス・ブレード5を
上記の寸法と同一寸法を有する内孔部15の中心部分1
0の中に配置した。さらに、10μlの3%過酸化水素
溶液を内孔部15の中心部分10に加えた。その後、こ
の内孔部15を2.2cm×60cmのガラス管20の
中に配置した。このガラス管20は一端部が閉塞されて
おり、その開口端部に1mm×10cmのステンレス・
スチール製チューブ30を挿通したゴム停止部材25が
挿入されている。従って、このガラス管20を出入りす
るガスはこの1mm×10cmの開口部のみを通過でき
る。
【0045】さらに、上記の開放状態の内孔部システム
および拡散制限状態のシステムを真空チャンバーの中に
配置した。その後、チャンバーを1トールの圧力まで減
圧して15分間維持し、この時間の間に、温度を約23
ECから約28ECまで上昇させた。その後、チャンバ
ーを換気し、ブレードを内孔部から取り出してその滅菌
度を評価した。これらの結果を以下に示す。表4 開放状態および拡散制限状態のシステムにおける過酸化水素蒸気による 滅菌処理 システム 過酸化物の量 長さ 内径 内径 内径 1mm 3mm 6mm 開放状態 3%で10μl 50cm − − − 40cm − − − 27cm − + + 15cm − + + 拡散制限 3%で10μl 50cm − − − 状態の環境 40cm − − − 27cm − − − 15cm − − −
【0046】実施例4の試験条件下においては、過酸化
水素による予備処理無しでの開放状態のシステムにおけ
るさらに短くてさらに広い内孔部における滅菌処理を行
なわなかった。予備処理、およびさらに高い過酸化物濃
度またはさらに長い処理時間のような別の試験条件を採
用することにより、50よりも大きなL/D比を有する
27cm×3mmの内孔部の滅菌処理が可能になると考
えられる。一方、拡散制限状態のシステム内において
は、3%の過酸化水素溶液により全ての内孔部の中でブ
レードを滅菌処理することができた。
【0047】以上の結果から、拡散制限環境内に過酸化
水素の供給源を供給することによりこのシステム内にお
いて完全な滅菌処理が可能になることが分かる。すなわ
ち、この場合における過酸化水素蒸気による滅菌処理の
効果を決定する要因は内孔部自体の長さや内径ではな
く、システム内における蒸気拡散の制限性であると言え
る。しかも、これらのデータはさらに、従来技術の内孔
部の過酸化水素蒸気による滅菌処理とは異なり、本発明
の方法が拡散制限環境内に配置した場合の非拡散制限状
態の物品にも有効であることを示している。
【0048】このようにシステム内における蒸気拡散の
制限性がシステムの滅菌処理能力に影響を及ぼすことを
さらに調べるために、以下の実施例を行なった。
【0049】実施例5 図2に示すような一端部が閉塞されている2.2cm×
60cmのガラス管20の中にステンレス・スチール製
の外科用メス・ブレード5を配置した。各ブレード5は
1.9×106 個のバシラス属脂肪好熱菌類により接種
してある。一部の試験において、ガラス管20の一端部
を開放状態のままにして開放状態のシステムを構成し
た。一方、拡散制限環境を形成するために、ガラス管2
0の開口端部を1mm×10cmのステンレス・スチー
ル製チューブ30を中心部に挿通したゴム停止部材25
により密封した。これらの開放状態および拡散制限状態
のシステムの両方の場合において、3%または6%のい
ずれかの濃度の過酸化水素溶液を50μl,100μ
l,150μlまたは200μlの量でガラス管20の
中に加えた。その後、このガラス管20を真空チャンバ
ーの中に入れて、チャンバーを1トールで15分間減圧
処理し、この時間の間に、温度を約23ECから約28
ECまで上昇させた。さらに、拡散制限状態のシステム
のみを1トールで30分間処理し、この時間の間に、温
度を約23ECから約33ECまで上昇させた。その
後、真空チャンバーを換気し、ブレード5をガラス管2
0から取り出してその滅菌度を評価した。これらの結果
を以下の表5に示す。表5 開放状態および拡散制限状態のシステムにおける過酸化水素蒸気による 滅菌処理 開放状態のシステム、1トールで15分 50μl 100μl 150μl 200μl 3%過酸化水素 + + + + 6%過酸化水素 + + + + 拡散制限状態のシステム、1トールで15分 50μl 100μl 150μl 200μl 3%過酸化水素 + − − − 6%過酸化水素 − − − − 拡散制限状態のシステム、1トールで30分 50μl 100μl 150μl 200μl 3%過酸化水素 − − − −
【0050】以上の結果から、過酸化水素溶液を加えた
後に真空に曝露する処理は開放状態のシステムにおいて
迅速な滅菌処理を行なう場合に効果的でないことが分か
る。これに対して、拡散制限状態のシステムにおける同
一の処理は、50μlの量の過酸化水素溶液という極め
て低濃度の場合を除いて、完全な滅菌処理を行なうこと
ができる。しかしながら、この50μlでの滅菌処理も
真空に対する曝露時間を増加することにより実行可能で
あることが分かった。
【0051】従って、真空に対する曝露の前に滅菌処理
する物品に少量の過酸化水素溶液を供給する本発明の方
法は滅菌処理において有効な方法であると言える。しか
も、この方法は滅菌処理中の物品内に滅菌剤蒸気を拡散
することに依存していない。むしろ、過酸化水素蒸気を
システム内の真空により形成している。すなわち、この
滅菌剤蒸気の物品の内側から物品の外側への拡散が制限
されているために、当該蒸気がシステム外に尚早に消散
することが阻止される。それゆえ、このような拡散制限
環境内においては、滅菌剤蒸気が滅菌処理を完了するの
に十分な時間だけ滅菌処理する物品に接触できる。さら
に、過酸化物溶液中の水が先ず蒸発して過酸化物蒸気の
浸透に対する障壁を形成するような従来技術の方法とは
異なり、本発明の方法はあらゆる水分をシステムから先
ず除去することにより、濃縮した過酸化水素蒸気をシス
テム内に残すことができる。さらに重要なことは、上記
の本発明の好ましい方法においては、蒸気拡散が従来技
術のように物品の外側から内側に行なわれるのではな
く、むしろ、内側から外側に行なわれる。この結果、本
発明における拡散制限は従来技術のように滅菌処理効果
を低下させるのではなく、当該滅菌処理効果を高めるよ
うに作用する。
【0052】さらに、拡散制限状態の滅菌処理システム
における種々の圧力の影響を調べるために以下の実験を
行なった。
【0053】実施例6 図2に示すような一端部を閉塞した2.2cm×60c
mのガラス管20の中にステンレス・スチール製の外科
用メス・ブレード5を配置した。各ブレード5は1.9
×106 個のバシラス属脂肪好熱菌類により接種してあ
る。拡散制限環境を形成するために、ガラス管20の開
口端部を1mm×10cmのステンレス・スチール製チ
ューブ30を中心部に挿通したゴム停止部材25により
密封した。その後、接種したブレード5と共に、3%の
濃度の過酸化水素溶液を50μl,100μl,150
μlまたは200μlの量でガラス管20の中に加え
た。次に、このガラス管20を真空チャンバーの中に入
れて、種々の圧力で15分間減圧処理し、この時間の間
に、温度を約23ECから約28ECまで上昇させた。
さらに、システムにおける温度上昇の影響を調べるため
に、ガラス管20を先ず45ECまで加熱した後に、5
0トールで15分間処理した。これらの結果を以下に示
す。表6 拡散制限状態のシステムにおける温度および圧力の影響 3%過酸化水素溶液による15分間の真空処理 50μl 100μl 150μl 200μl 1トール圧 + − − − 5トール圧 − − − − 10トール圧 − − − − 15トール圧 − − − − 20トール圧 − − − − 25トール圧 − − − − 30トール圧 + + + + 35トール圧 + + + + 40トール圧 + + + + 45トール圧 + + + + 50トール圧 + + + + 45ECにおける3%過酸化水素溶液による15分間の真空処理 50μl 100μl 150μl 200μl 50トール圧 − − − −
【0054】これらのデータから、28ECで約25ト
ールまでの圧力における拡散制限環境内において滅菌処
理が行なえることが分かる。一方、30トール以上の圧
力においては滅菌処理が行なわれず、この理由は、28
ECにおける過酸化水素の蒸気圧が約28トールである
ためと考えられる。従って、比較的高い圧力において
は、ガラス管内の液体の過酸化水素が蒸発しなかったと
思われる。このことは45ECで50トール圧において
行なった試験により確認でき、この場合には、滅菌処理
が行われていた。すなわち、45ECにおいて過酸化水
素の蒸気圧が上昇するために、過酸化水素が50トール
でも蒸発してガラス管内に配置したブレードを有効に滅
菌処理した。
【0055】従って、過酸化水素水溶液を用いる本発明
の方法により滅菌処理を行なうためには、真空チャンバ
ー内の温度および圧力を過酸化水素溶液の蒸発が行なえ
るように設定する必要があり、システムを過酸化水素の
蒸気圧以下の条件で動作することが必要である。すなわ
ち、圧力を過酸化水素の蒸気圧よりも低くすることによ
り、システム内に存在する過酸化水素溶液が蒸発して拡
散制限環境の内部からその外側に拡散できる。あるい
は、過酸化水素の部位にマイクロ波、高周波等のエネル
ギー供給源を介してエネルギーを導入することにより、
蒸気圧よりも高い状態のシステムにおいて過酸化水素を
局所的に蒸発させることができる。
【0056】実施例6において説明した拡散制限状態の
システム内の圧力および温度の変化の影響をさらに調べ
るために以下の実験を行なった。
【0057】実施例7 図2に示すような一端部を閉塞した2.2cm×60c
mのガラス管20の中にステンレス・スチール製の外科
用メス・ブレード5を配置した。各ブレード5は1.9
×106 個のバシラス属脂肪好熱菌類により接種してあ
る。拡散制限環境を形成するために、ガラス管20の開
口端部を1mm×10cmのステンレス・スチール製チ
ューブ30を中心部に挿通したゴム停止部材25により
密封した。その後、接種したブレード5と共に、3%の
濃度の過酸化水素溶液を50μl,100μl,150
μlまたは200μlの量でガラス管20の中に加え
た。次に、このガラス管20を真空チャンバーの中に入
れて、チャンバーを5トールの圧力まで減圧した。チャ
ンバー内の圧力を変化するために、真空ポンプのバルブ
を閉じて、チャンバー内の圧力を15分後に5トールか
ら6.15トールまで上昇させ、この時間の間に、温度
を約23ECから約28ECまで上昇させた。さらに別
の試験において、ガラス管20をチャンバーの中に配置
してチャンバーを50トールに減圧した。このチャンバ
ーの減圧処理が完了した後にガラス管20の温度を45
ECまで上昇させた。さらに、このガラス管20を15
分間処理した。これらの結果を以下に示す。表7 拡散制限状態の滅菌処理システムにおける温度および圧力の変化の影響 5トールから6.15トールに圧力を上昇した場合 50μl 100μl 150μl 200μl 滅菌処理効果 − − − − ガラス管の温度を45ECに上昇した場合 50μl 100μl 150μl 200μl 滅菌処理効果 − − − −
【0058】以上の結果から、滅菌処理を行なうために
拡散制限環境内においては圧力または温度を一定に保つ
ことが必要でないことが分かる。すなわち、上記の各試
験条件下において、過酸化水素は蒸発して滅菌処理を完
了するのに必要な時間だけ滅菌処理する装置に対してそ
の接触状態を保つことができる。
【0059】本発明の好ましい方法は真空またはプラズ
マ処理の前に滅菌処理する物品に対して液体の過酸化水
素を供給することに依存している。そこで、拡散制限環
境内に過酸化水素を供給する位置の影響を調べるために
以下の試験を行った。
【0060】実施例8 ステンレス・スチール製の外科用メス・ブレード5を
1.9×106 個のバシラス属脂肪好熱菌類により接種
して、各ブレードを図1に示すような内孔部15の中心
部分10の中に入れた。この中心部分10の寸法は内径
が1.3cm、長さが5cmで容積が6.6ccであ
り、内孔部自体は1mm,3mmまたは6mmの内径、
および15cm,27cm,40cmまたは50cmの
長さに寸法を変化させた。この内孔部15を2.2cm
×60cmのガラス管20の中に配置した。このガラス
管20はその一端部が閉塞されていて、その開口端部に
1mm×10cmのステンレス・スチール製チューブ3
0を挿通したゴム停止部材25が挿入されている。それ
ゆえ、ガラス管20を出入りするガスはこの1mm×1
0cmの開口部のみを通して通流できる。さらに、10
μlの3%過酸化水素溶液を内孔部15の中に入れる
か、100μlの3%過酸化水素溶液をステンレス・ス
チール製内孔部15の外側におけるガラス管20の中に
入れた。その後、ガラス管20を真空チャンバーの中に
入れ、チャンバーを密封してから1トールで15分間減
圧処理した。この減圧処理中に、温度を約23ECから
約28ECまで上昇させた。この試験の結果を以下に示
す。表8 内孔部の外側に過酸化水素溶液を供給した場合の影響 過酸化物の量 長さ 内径1mm 内径3mm 内径6mm 内孔部内に10 50cm − − − μlの3%溶液 40cm − − − 27cm − − − 15cm − − − ガラス管内に 50cm + + + 100μlの 40cm + + + 3%溶液 27cm + + + 15cm + + +
【0061】以上のデータから、実施例8の試験条件下
において、拡散制限環境内の内孔部の外側に過酸化水素
溶液を供給した場合に内孔部の内側に滅菌処理が行なわ
れないが、拡散制限環境内の内孔部の内側に過酸化水素
溶液を供給した全ての場合において完全な滅菌処理が行
なえることが分かる。すなわち、過酸化水素の蒸気が外
側から内側に拡散する場合は、内孔部が十分に大きくな
い限り、拡散制限環境内の内孔部の内側に滅菌剤蒸気が
入り込むことができない。従って、過酸化水素溶液を内
孔部の外側に供給する場合は、最も短くて、最も広い内
孔部のみが十分な滅菌剤蒸気の浸透を可能にしてその内
孔部の内側を滅菌処理することができる。さらに、上記
のデータから、物品の外側から物品の内部への滅菌剤蒸
気の拡散を必要とする従来技術の方法では、上記の条件
下での拡散制限環境内における滅菌処理を行なうことが
できないことが分かった。これに対して、過酸化水素溶
液を物品の内側に供給したことを除いた同一の条件下に
おいては、過酸化水素が物品の内側から外側に拡散する
ことが可能であるために、はるかに少ない量の過酸化水
素により完全な滅菌処理を行なうことができる。
【0062】それゆえ、本発明の方法は滅菌剤蒸気の拡
散が制限される環境内において有用であると言える。そ
こで、拡散制限環境内における拡散制限の程度の変化に
よる影響を評価するために以下の試験を行った。
【0063】実施例9 ステンレス・スチール製の外科用メス・ブレード5を
1.9×106 個のバシラス属脂肪好熱菌類により接種
して、図2に示すような2.2cm×60cmのガラス
管20の中に入れた。このガラス管20はその一端部に
おいて閉塞されており、その開口端部にはゴム停止部材
25が挿入されている。さらに、種々の寸法のステンレ
ス・スチール製チューブ30を停止部材25の中心部に
挿通した。この結果、ガラス管20を出入りするガスは
1mm乃至6mmに変化させた直径を有するチューブ3
0の開口部のみを流通できる。その後、3%の過酸化水
素溶液を50μl乃至200μlの容量でガラス管20
の中に加えた。次に、このガラス管20を真空チャンバ
ーの中に入れて、チャンバーを密封してから、5トール
の圧力で15分間減圧処理した。この減圧処理中に、温
度を約23ECから約28ECまで上昇させた。さら
に、3個の内孔部を3%の過酸化水素により10トール
で15分間処理した。この試験結果を表9に示す。表9 滅菌処理におけるチューブ径および真空圧の影響 3%過酸化水素による5トールで15分間の減圧処理 SSチューブ 50μl 100μl 150μl 200μl 1mm×10cm − − − − 1mm×5cm − − − − 1mm×2.5cm + − − − 3mm×10cm − − − − 3mm×5cm − − − − 3mm×2.5cm + − − − 6mm×10cm − − − − 6mm×5cm + − − − 6mm×2.5cm + − − − 3%過酸化水素による10トールで15分間の減圧処理 SSチューブ 50μl 1mm×2.5cm − 3mm×2.5cm − 6mm×2.5cm −
【0064】各試験環境内の大部分において完全な滅菌
処理が行なえた。滅菌処理が行なえなかったのはステン
レス・スチール製・チューブの最短の長さで5トールの
圧力の場合および50μlの過酸化水素溶液の場合に限
られていた。従って、50μlよりも多い量の過酸化水
素をこれらのシステムにおいて用いる必要がある。
【0065】さらに、上記のデータから、真空圧が滅菌
処理効果に影響を及ぼすことが分かり、最も短く最も広
い出口用チューブを入れたコンテナが10トールで滅菌
処理できるが5トールではできないことが確認できた。
すなわち、過剰に低い圧力(この場合の試験条件におけ
る5トール以下の圧力)においては、過酸化水素蒸気が
滅菌処理する物品の内部から引き出される速度が速すぎ
るために、滅菌処理を行なうのに不十分な量の過酸化水
素蒸気しか装置の内部に接触できないと思われる。従っ
て、5トールの圧力でも許容可能な結果が得られるが、
この場合の試験条件下では約10トールの圧力の方が優
れていると思われる。
【0066】従って、本発明の方法は金属およびガラス
から成る拡散制限環境内において有効であることが分か
った。そこで、その他の材料により形成された拡散制限
環境内において本発明の方法が有効であるか否かを調べ
るために、以下の実施例10および実施例11に記載す
る各実験を行なった。
【0067】実施例10 この試験の場合に、拡散制限状態のシステムを評価し
た。先ず、不織ポリプロピレン部材片上に1.2×10
6 個のバシラス属脂肪好熱菌類を接種した。図1に示す
ように、接種した部材片5を10μlの3%過酸化水素
溶液と共にプラスチック内孔部15の中心部分10の中
に入れた。この中心部分10はテフロン(登録商標)製
で1.3cm×5cmの寸法を有している。一方、内孔
部15の内径を1mm乃至6mmに変化させ、長さを1
5cm乃至50cmに変化させた。この場合に、1mm
の内孔部に対してテフロン(登録商標)を使用し、3m
mおよび6mmの内孔部に対してポリエチレンを使用し
た。その後、この内孔部15を2.2cm×60cmの
ガラス管20の中に入れた。ガラス管20はその一端部
が閉塞されており、その開口端部は1mm×10cmの
PTFEチューブ片30を挿通したゴム停止部材25に
より密封されている。このガラス管20を真空チャンバ
ーの中に入れて、1トールの圧力で15分間減圧処理
し、この減圧処理中に、温度を約23ECから約28E
Cまで上昇させた。この試験結果を以下に示す。表10A プラスチック内孔部による拡散制限システム内の滅菌処理 システム 圧力 長さ 内径1mm 内径3mm 内径6mm 拡散制限 1トール 50cm − − − 状態の 40cm − − − システム 27cm − − − 15cm − − −
【0068】内孔部の材料が金属またはプラスチックの
如何によらず、拡散制限環境内における滅菌処理が短く
て広い内孔部および長くて狭い内孔部の両方において行
なうことができた。従って、本発明の方法は拡散制限状
態の物品に対して有効な方法であり、種々の物品につい
てそれらの成分によらず使用できる。
【0069】このことをさらに確認するために、ステン
レス・スチール製ブレード上に2.1×106 個のバシ
ラス属脂肪好熱菌類を接種し、不織ポリプロピレン部材
片上に1.2×106 個のバシラス属脂肪好熱菌類を接
種した。図2に示すように、接種したブレード5または
不織ポリプロピレン部材片5を50μlの3%過酸化水
素溶液と共に2.2cm×60cmのガラス管20の中
に入れた。ガラス管20はその一端部が閉塞されてお
り、その開口端部は1mm×10cmのステンレス・ス
チール・チューブ30または1mm×10cmのテフロ
ン(登録商標)チューブ片30を挿通したゴム停止部材
25により密封されている。このガラス管20を真空チ
ャンバーの中に入れて、5トールの圧力で15分間減圧
処理し、この減圧処理中に、温度を約23ECから約2
8ECまで上昇させた。この試験結果を以下に示す。表10B 拡散制限システム内の滅菌処理における金属およびプラスチックの 影響 SSチューブ テフロン・チューブ 金属ブレード − − ポリプロピレン − −
【0070】この結果、上記の金属およびプラスチック
の4種類の組み合わせの全てが拡散制限環境内において
有効な過酸化水素蒸気による滅菌処理を示した。さら
に、この試験により、本発明の方法が拡散制限状態の物
品に対して有効な滅菌処理方法であり、種々の物品に対
してそれらを形成する材料によらず使用できることが分
かった。
【0071】次に、拡散制限状態のシステムの滅菌処理
における種々の温度および圧力の影響を評価するために
以下の試験を行なった。この試験を以下に説明する。
【0072】実施例11 ステンレス・スチール製ブレード上に2.1×106
のバシラス属脂肪好熱菌類を接種した。図2に示すよう
に、この接種したブレード5を種々の量の3%過酸化水
素溶液と共に2.2cm×60cmのガラス管20の中
に入れた。このガラス管20を真空チャンバーの中に入
れて、異なる圧力および異なる温度において種々の時間
で処理した。表11Aに記載する各滅菌処理工程中に、
温度約23ECからそれぞれ記載する温度まで上昇させ
た。さらに、表11Bに記載する各実験において、チャ
ンバーを約45ECに加熱した。さらに、別の実施形態
においては、チャンバーを加熱する代わりに、過酸化物
溶液自体の温度を上昇させることができる。表11Cに
記載する各実験においては、15分間の真空曝露処理中
に温度を約23ECから約28ECまで上昇させた。表11A 拡散制限環境内での滅菌処理における時間および過酸化物の量の影響 5トール圧の場合 5分 10分 15分 (約24EC) (約26EC) (約28EC) 50μlの3%過酸化物 − − − 100μlの3%過酸化物 − − − 150μlの3%過酸化物 + − − 200μlの3%過酸化物 + − − 表11B 拡散制限環境内での滅菌処理における上昇したチャンバー温度および 過酸化物の量の影響 約45ECにおけるチャンバー 5分 150μlの3%過酸化物 − 200μlの3%過酸化物 − 表11C 拡散制限環境内での滅菌処理における圧力および過酸化物の量の影響 15分間の曝露時間の場合 約28EC 1トール 5トール 10トール 20μlの3%過酸化物 N/D + − 50μlの3%過酸化物 + − − 100μlの3%過酸化物 − − −
【0073】上記実施例11の試験条件下において、真
空を短時間だけ供給する場合には、比較的多量の過酸化
水素溶液は滅菌処理を行なうのに効果的でなかった。こ
のことは、水が過酸化水素よりも速く蒸発することが少
なくとも部分的に影響しているためと考えられる。すな
わち、水溶液中の水が先ず蒸発し、過酸化水素が蒸発す
るためにはさらに多くの時間がかかる。このことは、さ
らに、比較的多量の過酸化水素が比較的高い温度で滅菌
処理を行なう場合に有効であったことについても説明で
きる。すなわち、過酸化水素の蒸発が比較的高い温度に
おいて速められるからである。それゆえ、システム内に
水が多量に存在しているほど、滅菌処理を行なうために
さらに高い温度またはより長い処理時間が必要になる。
【0074】加えて、上記のデータから、さらに僅かに
高い圧力、すなわち、10トールの場合に上記の処理条
件下においてさらに有効な滅菌処理が行なえると思われ
る。すなわち、このような比較的高い圧力においては、
より多量の過酸化水素がシステム内に留まると考えられ
るからである。一方、過度に低い圧力においては、過酸
化水素蒸気がシステム外に引き出される速度が必要以上
に大きくなる。
【0075】さらに、拡散制限状態のコンテナ内におけ
る液体/真空システム内の推定される最小の過酸化物濃
度を調べるために実施例12を行なった。
【0076】実施例12 図2に基づいて説明した処理とほぼ同様にシステム内に
おいて種々の濃度の過酸化物を使用した。このシステム
においては、出口用チューブ35は長さ50cmで内径
が1mmのステンレス・スチール製チューブを使用し
た。先ず、1.9×106 個のバシラス属脂肪好熱菌類
を接種したステンレス・スチール製の外科用ブレードを
2.2cm×60cmのガラス管であるコンテナ内に入
れた。次に、種々の量の3%過酸化水素を各コンテナ内
に導入した。このコンテナを173リットルの真空チャ
ンバーの中に入れて、圧力を1時間にわたり10トール
に減圧し、この時間中に、温度を約23ECから約40
ECに上昇させた。その後、各酸化物濃度における滅菌
作用を評価した。さらに、滅菌処理後にコンテナ内に残
留する過酸化物の量を標準的な滴定技法、すなわち、過
酸化物をヨウ化カリウムに反応させてソジウム・チオサ
ルフェートで滴定する方法により調べた。これらの結果
を表12に示す。なお、表12における「N/D」は決
定しなかったことを意味する。 表12 ガラス管内の 滅菌作用 残留過酸化物 過酸化物の量 0.5mg/L液体 + N/D 0.6mg/L液体 + N/D 0.7mg/L液体 + N/D 0.8mg/L液体 + N/D 0.9mg/L液体 + N/D 1.0mg/L液体 − 0.17mg/L
【0077】表12における結果から、1.0mg/L
の3%過酸化水素がこの試験システム内で滅菌処理を行
なうのに必要であることが分かった。さらに、上記の試
験条件下において、0.17mg/Lの濃度の過酸化物
がシステム内に残留することが完全な滅菌処理を行なう
ための十分条件であることが分かった。また、以上のデ
ータから、各実験において使用したガラス管は内部に供
給した過酸化水素の17%を保持するのに十分な程度の
拡散制限状態であることが分かる。
【0078】本発明者はさらに実施例12と同一のシス
テム内において用いる出口用チューブの長さおよび内径
の影響について調べた。この試験を以下の実施例13に
おいて説明する。
【0079】実施例13 1時間ではなく15分の真空処理を除いて、上記実施例
12に基づいて説明したのと同一のシステムを使用し
た。さらに、温度は約28ECまでだけ上昇させた。こ
の試験において、出口用チューブ35の寸法を変えると
共に、3%過酸化物溶液の量を変えた。これらの結果を
表13に示す。 表13 50μl 100μl 150μl 200μl チューブ無しの開放状態 + + + + 内径6mm、長さ1cm + − − − 内径9mm、長さ1cm + − − − 内径13mm、長さ1cm + + + +
【0080】以上の結果から、十分な量の過酸化物が存
在している条件下では、9mm以下の内径または1cm
以上の長さを有する単一の出入ポートにより構成される
拡散制限状態により滅菌処理が十分に行なえることが分
かった。
【0081】次に、システム内の蒸気拡散制限の程度の
変化による滅菌処理効果の影響を調べるために以下の試
験を行った。
【0082】実施例14 ステンレス・スチール製ブレードを2.1×106 個の
バシラス属脂肪好熱菌類により接種した。このブレード
5を図3に示すような2.2cm×60cmのガラス管
20の中に種々の量の3%過酸化水素溶液と共に入れ
た。ガラス管20の一端部は閉塞状態であり、その開口
端部は注入フィルター35を備えたゴム停止部材25に
より密封されている。このガラス管20を真空チャンバ
ーの中に入れて、5トールで15分間処理し、この処理
中に、温度約23ECから約28ECまで上昇させた。
さらに、対照として、同様に接種処理したブレードを
2.2cm×60cmのガラス管の中に入れた。このガ
ラス管の開口端部は開放したままにして、停止部材また
は注入フィルターを使用しなかった。従って、このガラ
ス管の内部からの蒸気拡散は制限されない状態であっ
た。
【0083】0.2μm膜フィルターおよび0.5μm
膜フィルターを備えたMFS・PTFE25mm注入フ
ィルター、0.2μm膜フィルターおよび0.45μm
膜フィルターを備えたナルゲン(Nalgene)・PTFE
50mm注入フィルター、0.02μm膜フィルターお
よび0.1μm膜フィルターを備えたWhatman Anotop
(登録商標)10プラス滅菌注入フィルター、および
0.2μm、0.45μm、および1.0μm膜を備え
たGelman Acrodisc(登録商標)CR・PTFE注入フ
ィルターを含む種々の気孔サイズを有する注入フィルタ
ーを試験した。これらの結果を以下に示す。表14 注入フィルターを備えたコンテナ内における真空を伴うH2 2 の滅菌 作用 15分間の真空処理および3%過酸化水素 (a)注入フィルターおよび停止部材無しの場合 50μl 100μl 150μl 200μl 5トール + + + + 10トール + + + + (b)MEF(登録商標)PTFE注入フィルター有りの場合 (1)0.2μm膜フィルター 50μl 100μl 150μl 200μl 5トール + − − − 10トール − − − − (2)0.5μm膜フィルター 50μl 100μl 150μl 200μl 5トール + − − − 10トール − − − − (3)2個のMFS(登録商標)フィルター有りで5トール圧の場合 50μl 2個の0.2μmフィルター − 2個の0.5μmフィルター − (c)Nalgene(登録商標)PTFE50mm注入フィルター有りの場合 (1)0.2μm膜フィルター 50μl 100μl 150μl 200μl 5トール − − − − 10トール − − − − (2)0.45μm膜フィルター 50μl 100μl 150μl 200μl 5トール − − − − 10トール − − − − (d)Whatman Anatop(登録商標)10プラス注入フィルター有りの場合 (1)0.02μm膜フィルター 50μl 100μl 5トール − − 10トール − − (2)0.1μm膜フィルター 50μl 100μl 5トール − − 10トール − − (e)Gelman Acrodisc(登録商標)CR・PTFE注入フィルター有りの場合 (1)0.2μm膜フィルター 50μl 100μl 5トール + − 10トール − − (2)0.45μm膜フィルター 50μl 100μl 5トール + − 10トール − − (3)1.0μm膜フィルター 50μl 100μl 5トール + − 10トール − −
【0084】上記の結果から明らかなように、特定品種
のフィルターは50μlのみの過酸化水素溶液をシステ
ム内に入れた場合に5トールの圧力で十分な拡散制限環
境を形成しない。しかしながら、別の品種のフィルター
では十分な拡散制限環境を構成するものもあり、これら
の品種のフィルターは長い内孔部を有しているか比較的
小さい気孔サイズを有している。また、比較的多量の過
酸化物溶液を使用する場合は、10トールの圧力におい
て、一連のフィルターがその滅菌処理システムにおける
効果を高める。このことは、Tyvek(登録商標)により
形成される物を含むフィルターがバクテリアによる汚染
を防止するために滅菌処理した物品のパッケージ化に使
用される場合が多いために、重要な事実である。一般
に、これらのフィルターは1μm以下の気孔サイズを有
しており、Tyvek(登録商標)の場合においては、その
曲がりくねった気孔経路によりバクテリアが通過できな
いようになっている。本発明においては、これらのフィ
ルターをその他のパッケージ化手段と組み合わせて使用
して滅菌処理を行なうための拡散制限環境を形成するこ
とができ、滅菌処理した物品を使用前の貯蔵中にそのパ
ッケージ内に保存でき、さらに、そのフィルターにより
滅菌処理した物品の再汚染が防げる。
【0085】図4はチューブにより構成された拡散制限
ポートまたは連通ポートを有するコンテナにより構成さ
れる拡散制限環境の一実施形態の断面図である。この連
通ポート30はフィルターのような通気性の微生物バリ
ヤを有していて、コンテナ20を真空供給源から取り外
した後にコンテナ20内の装置15および40の滅菌度
を維持できる。非内孔型装置40および内孔型装置15
の外部はコンテナ20内の過酸化物供給源により発生し
た過酸化物蒸気により滅菌処理できる。さらに、内孔型
装置15の内部を効果的に滅菌処理するためには、過酸
化物蒸気をこの内孔型装置15の内部において発生する
必要がある。それゆえ、この内孔型装置15を液体過酸
化物により予備処理する必要がある。
【0086】図5および図6は滅菌処理を行なうための
拡散制限環境を形成する別のパッケージ化手段を用いた
本発明の別の実施形態をそれぞれ示している図である。
すなわち、過酸化物供給源により内孔型装置15の内部
を予備処理することなく内孔型装置15の内部を滅菌処
理するために別の手法を使用することができる。例え
ば、内孔型装置15の内部を通してコンテナ20の内部
で発生した過酸化物蒸気を流通させるために、コネクタ
ーを用いて内孔型装置15をコンテナ20の連通ポート
30に連通させることができる。図5(a)および図5
(b)はこの手法を示している図である。図5(a)は
チューブにより構成されている拡散制限ポートすなわち
連通ポート30、および内孔型装置15をコンテナ20
の連通ポート30に連通するための管状コネクター45
を有するコンテナ20により構成されている拡散制限環
境の一実施形態の断面図である。一方、図5(b)は拡
散制限ポート(チューブにより構成されている連通ポー
ト30)、および内孔型装置15をコンテナ20の連通
ポート30に連通するための閉鎖容器状のコネクター5
0を有するコンテナ20により構成されている拡散制限
環境の一実施形態の断面図である。この閉鎖容器状のコ
ネクター50はコンテナ20と当該閉鎖容器状コネクタ
ー50との間に境界面部51を有している。この境界面
部51は、内孔型装置15の一部分が閉鎖容器状コネク
ター50の中に挿入できて、空気や蒸気の圧力に対する
シール部を部分15および50の間で維持するような異
なる方法で構成できる。このような境界面部51を構成
する方法の一例として、Edmund Scientific社による高
精度アイリス・ダイアグラフのようなアイリス・ダイア
グラフを用いるカメラ・シャッター手法による方法があ
る。さらに、必要に応じて、このシャッターの閉塞を確
実に行なうためのスプリングを使用することができる。
また、許容可能な境界面部51を構成する別の方法とし
て2枚のプレートを使用する方法があり、2枚のプレー
トの間の領域にはゴム材料のような圧縮可能な材料が備
えられる。この場合に、内孔型装置15は2枚のプレー
トの間に配置でき、2枚のプレートを一体に移動するこ
とによりガスおよび蒸気を通過しないシール部を内孔型
装置15の周囲に形成することができる。必要に応じ
て、スポンジや通気性材料のような多孔質材料を上記の
圧縮可能な材料として使用できる。この場合は、滅菌剤
蒸気の一部がこの圧縮可能な材料と内孔型装置の間に拡
散するが、大部分の滅菌剤蒸気は内孔型装置の内部に強
制的に拡散する。さらに、1個以上の内孔型装置15の
ための穴または水平な開口部を使用するために許容可能
な境界面部を構成する別の方法があり、この穴または開
口部はガスまたは液体により膨張可能なポートになって
いる。従って、このコネクターは内孔型装置15または
当該内孔型装置15の一部分を収容する閉鎖容器50に
取り付けできる管状アダプター45とすることができ
る。内孔型装置15の開口部の1個がコネクター45ま
たは50を介して連通ポート30に連通しているので、
蒸発した過酸化物は必然的に内孔型装置15を通過して
排気される。なお、管状コネクター45はシステムにお
ける熱的、圧力的、ガスおよび蒸気との相容性等の諸条
件に適合するシリコーン、テフロン(登録商標)等の任
意の材料により構成できる。さらに、これらの配慮は本
明細書に開示する別の部品に対して利用される材料につ
いても適用される。さらに、上記の拡散制限ポートは連
通ポート30または内孔型装置15のいずれによっても
形成可能である。
【0087】図6は別の可能な配列構成を示している図
である。すなわち、図6は拡散制限環境の一実施形態を
示しており、この拡散制限環境は通気性バリヤを有する
ウインドウ30と内孔型装置15を当該ウインドウ30
に連接している閉鎖容器状コネクター50から成る連通
ポート30を有するコンテナ20により構成されてい
る。この実施形態において、内孔型装置15はコネクタ
ー50に連通していて、コンテナ20の中に拡散制限領
域を形成するための装置として使用されている。それゆ
え、図4,図5(a)および図5(b)における連通ポ
ート30を必要に応じて通気性ウインドウ30に置き換
えることができる。この多孔質ウインドウ30は空気お
よび蒸気の拡散を可能にするが、コンテナまたはパウチ
20の中の滅菌処理した装置15または40が外部から
微生物により汚染されることを阻止する。減圧環境下に
おいて、過酸化物蒸気はコンテナまたはパウチ20の中
に先ず発生した後に、内孔型装置15を通過してコネク
ター50の中に拡散する。なお、コネクター50の全体
は通気性材料により形成できる。図6はさらに減圧にす
る方法も示している図である。すなわち、真空チャンバ
ー65内にポート55を介して減圧処理を行い、このポ
ート55が減圧環境を形成するための真空ポンプ60に
連通している。別の滅菌剤が拡散制限環境内において滅
菌処理を行なうことができるか否かを調べるために、以
下の試験を行った。
【0088】実施例15 ステンレス・スチール製ブレードを1.9×106 個の
バシラス属脂肪好熱菌類により接種した。このブレード
5を種々の量の4.74%の過酢酸(英国、ウェリント
ンのSolvay Interox社)と共に図2に示すような2.2
cm×60cmのガラス管20の中に入れた。このガラ
ス管20を真空チャンバーの中に入れて5トール圧で1
5分間処理し、この時間の間に、温度を約23ECから
約28ECまで上昇させた。この試験結果を以下に示
す。表15 拡散制限システム内における過酢酸による滅菌処理 50μl 100μl 150μl 200μl 滅菌処理効果 − − − −
【0089】上記の結果から、過酸化水素を共存させた
過酢酸もまた本発明の滅菌処理方法において使用できる
ことが分かった。
【0090】以上の結果から、真空への曝露処理の前に
少量の過酸化水素溶液を滅菌処理する物品に供給するこ
とにより滅菌処理が低温且つ短時間で行なえることが分
かった。以下の実験を行なって、過酸化水素溶液を滅菌
処理する物品に供給するための異なる方法を評価した。
さらに、過酸化水素水溶液による予備処理に続く減圧処
理およびプラズマ処理の効果を比較した。この試験を以
下の実施例16において説明する。
【0091】実施例16 第1の一連の試験において、ステンレス・スチール製ブ
レードを2.5×10 6 個のバシラス属脂肪好熱菌類に
より接種した。これらのブレードを3mm×50cmの
ステンレス・スチール製内孔部における拡張した中心部
分の中に入れた。さらに、この内孔部を800mlの過
酸化水素溶液を入れた1000mlのビーカーの中に入
れた。その後、内孔部を3%過酸化水素溶液中に5分間
浸漬した。この初期的な浸漬処理の後に生存している微
生物の数を測定した。次に、各内孔部を過酸化水素溶液
から取り出して、ペーパー・タオルにより外側を拭き取
り乾燥した。さらに、各内孔部の一端部をフラスコの中
に入れて圧縮空気を3秒間吹き付けることにより内孔部
の内部を乾燥した。この場合に、各内孔部を振盪し、吹
き付け処理と振盪処理を溶液が吹き出なくなるまで繰り
返した。次に、内孔部を滅菌処理チャンバーの中に入
れ、0.5トールで15分間の真空処理、または0.5
トールで15分間のプラズマ処理のいずれかに曝した。
各15分間の真空処理の後に、温度を約23ECから約
28ECまで上昇させた。これらの結果を以下の表16
Aに示す。表16A プラズマまたは真空処理のいずれかの前におけるステンレス・ スチール製内孔部の中の滅菌作用におけるH2 2 溶液の浸漬効果 滅菌処理試験結果 2 2 濃度(%) 浸漬処理のみ 浸漬処理 浸漬処理+ 浸漬処理+ 5分間の浸漬 の後に生存して のみ 真空処理 プラズマ処理 いた微生物の数 3.0 8.2×105 4/4 0/4 0/4
【0092】3%過酸化水素溶液中における5分間の浸
漬処理は真空またはプラズマ処理の前に内孔部の中に過
酸化水素を供給するための有効な手段であった。既に述
べたように、過酸化水素溶液のみによる処理は希釈溶液
および短時間による滅菌処理の場合に有効でない。しか
しながら、静的浸漬による過酸化水素溶液の供給は装置
の内孔部の中に直接的に少量の過酸化水素を供給して滞
留させる場合に少なくとも有効であると言える。
【0093】次に、過酸化水素の流動供給による滅菌効
果について調べた。先ず、ステンレス・スチール製ブレ
ードを2.5×106 個のバシラス属脂肪好熱菌類によ
り接種した。これらのブレードを3mm×50cmのス
テンレス・スチール製内孔部における拡張した中心部分
の中に入れた。その後、3%濃度の過酸化水素溶液を蠕
動ポンプにより0.1L/分の流速で内孔部に供給し
た。次に、内孔部を上述のように乾燥した。この過酸化
水素溶液による処理に続いて、各内孔部を滅菌処理チャ
ンバーの中に入れて、0.5トールで15分間の真空処
理、または0.5トールで15分間のプラズマ処理のい
ずれかに曝した。これらの結果を以下の表16Bに示
す。表16B ステンレス・スチール製内孔部のプラズマまたは真空処理のいずれか の前の滅菌作用におけるH2 2 溶液の流動供給効果 滅菌処理試験結果 2 2 濃度(%) 流動供給処理のみ 流動供給+ 流動供給+ 5分間の流動 の後に生存して 真空処理 プラズマ処理 いた微生物の数 3.0 6.2×105 0/4 0/4
【0094】以上の結果から、一定流動による過酸化水
素溶液の供給もまたシステムに対して過酸化水素を供給
するための有効な方法であることが分かった。
【0095】さらに、アエロゾル・スプレーによる過酸
化水素の供給の有効性を調べた。先ず、ステンレス・ス
チール製ブレードを2.5×106 個のバシラス属脂肪
好熱菌類により接種した。これらのブレードを3mm×
50cmのステンレス・スチール製内孔部における拡張
した中心部分の中に入れた。その後、3%の過酸化水素
溶液を3秒間のアエロゾル・スプレー処理により内孔部
に供給した。このアエロゾル・スプレーの供給量は0.
04L/分に設定した。この過酸化水素溶液による処理
の5分後に、各内孔部を上述のように乾燥してから滅菌
処理チャンバーの中に入れて、0.5トールで15分間
の真空処理、または0.5トールで15分間のプラズマ
処理のいずれかに曝した。これらの結果を以下の表16
Cに示す。表16C 金属製内孔部における真空処理またはプラズマ処理前の滅菌作用に おけるH2 2 溶液のアエロゾル供給の効果 滅菌処理試験結果 2 2 濃度(%) アエロゾルのみ アエロゾル+ アエロゾル+ の後に生存して 真空処理 プラズマ処理 いた微生物の数 3.0 7.4×105 0/4 0/4
【0096】溶液またはアエロゾルのいずれかによる過
酸化水素の流動供給は滅菌処理する物品の供給側端部を
加圧するか出口側端部を減圧することにより行なうこと
も可能である。
【0097】表16A乃至表16Cのデータから、物品
に対して過酸化水素溶液を供給するための上述の3種類
の方法が全て有効な滅菌処理に使用できることが明らか
になった。従って、過酸化水素が真空処理またはプラズ
マ処理への曝露の前にシステム内に存在させることがで
きれば、多数の異なる供給方法が使用可能であることは
明らかである。
【0098】さらに、過酸化水素蒸気、真空処理、およ
びプラズマ処理への曝露を組み合わせる滅菌処理工程の
前における過酸化水素による予備処理の効果を調べた。
この試験について以下に説明する。
【0099】実施例17 ステンレス・スチール製ブレードを2.5×106 個の
バシラス属脂肪好熱菌類により接種した。これらのブレ
ードを3%過酸化水素溶液中で1分または5分の間浸漬
した。その後、各ブレードを3mm×50cmのステン
レス・スチール製内孔部における拡張した中心部分の中
に入れた。さらに、この内孔部を滅菌処理チャンバーの
中に入れて、チャンバーを約0.5トールに減圧した。
この滅菌処理工程は15分間の最低で6mg/Lの濃度
の過酸化水素蒸気の拡散と、これに続く15分間の40
0ワットでのプラズマ処理により構成されている。この
プラズマ処理の後に、チャンバーを換気して各ブレード
の滅菌度を評価した。これらの結果を以下に示す。表17 過酸化水素蒸気およびプラズマ処理前のステンレス・スチール製内孔部 の滅菌作用におけるH2 2 溶液浸漬の効果 滅菌処理試験結果 2 2 濃度(%) 浸漬時間 浸漬処理のみ 浸漬処理+後続処理 3.0 1分 4/4 0/4 5分 4/4 0/4
【0100】過酸化水素蒸気およびプラズマ処理のみに
おける内孔部の滅菌処理ではブレード1個当たりに平均
で30個の微生物が生存していた。一方、3%過酸化水
素溶液内での5分間の浸漬処理によるブレードの予備処
理だけの場合は、ブレード1個当たりに平均で8.2×
105 個の微生物が生存していた。従って、これらの特
定の試験条件下においては、多くの物品に対して有効で
あると知られていた過酸化水素蒸気への曝露およびプラ
ズマへの曝露の組み合わせが拡散制限環境内において十
分に効果的でなかった。しかしながら、過酸化水素蒸気
およびプラズマへの曝露処理の前に希釈過酸化水素溶液
により滅菌処理する物品を予備処理することにより、完
全な滅菌処理を行なうことができた。
【0101】拡散制限状態のコンテナの別の形態 以下の図面は本発明の方法の各実施形態において使用で
きる拡散制限状態のコンテナの種々の異なる実施形態を
示している。本発明の方法の一実施形態において、滅菌
処理する物品は拡散制限状態のコンテナの中に入れられ
て、蒸発可能な殺菌剤から成る溶液が当該拡散制限状態
のコンテナの中または滅菌処理する物品上に供給され、
物品を収容した拡散制限状態のコンテナが真空に曝露さ
れて殺菌剤が蒸発することにより物品が滅菌処理され
る。必要に応じて、この物品はプラズマに対して曝露で
きる。
【0102】本発明の別の実施形態において、上記の滅
菌処理する物品は内孔部、ヒンジ部、または係合面部の
ような拡散制限領域を有している。また、本発明の方法
の別の実施形態においては、物品を収容した拡散制限状
態のコンテナを減圧して殺菌剤を蒸発させる前に、この
蒸発可能な殺菌剤から成る溶液が上記の拡散制限領域内
に入れられる。このように物品の拡散制限領域内に予め
殺菌剤を入れることにより、拡散制限領域を有する物品
の内部および外部の両方を滅菌処理することが可能にな
る。
【0103】本発明において広範囲の蒸発可能な殺菌剤
が使用可能であるが、過酸化水素および過酢酸を本発明
の方法において使用する蒸発可能な殺菌剤として例示し
ている。なお、これらの蒸発可能な殺菌剤は「過酸化
物」として表現できるが、本発明の方法および装置は過
酸化水素および過酢酸に制限されるものではなく、当該
過酸化水素、過酢酸、またはグルタルアルデヒドを含む
がこれらに限らない蒸発可能な広範囲の殺菌剤に適用可
能である。
【0104】さらに、上記のコンテナは拡散制限状態の
コンテナとして説明したが、この拡散制限環境は必ずし
もコンテナ内で生じる必要はない。すなわち、この拡散
制限環境はコンテナと真空供給源との間のどの場所で生
じてもよい。
【0105】また、上記の連通ポート30は出口用チュ
ーブまたはウインドウのいずれかであって、図示の各連
通ポート30の形状を丸形として説明したが、この連通
ポート30および/または出入ポートは出口用チュー
ブ、ウインドウ、あるいは丸形の形状に限られない。そ
こで、この連通ポート30または出入ポートの別の実施
形態を以下の図面において説明する。
【0106】図7(a)乃至図7(d)は本発明の各実
施形態における使用に適する連通ポート30または出入
ポートの種々の形状を示している図である。すなわち、
上記連通ポート30の任意の実施形態がこれらの形状を
有し得る。さらに、これらの図7(a)乃至図7(d)
に示す形状もまた例示されているに過ぎない。つまり、
さらに別の形状もまた本発明の各実施形態において使用
する連通ポート30の各実施形態に適用し得る。
【0107】図7(a)は円形状を有する連通ポート3
0を示しており、図7(b)は卵形状を有する連通ポー
ト30を示している図である。また、図7(c)の連通
ポート30は丸みを付けた角部を有する方形の形状を有
している。さらに、図7(d)の連通ポート30は丸形
であるが、フィルター72により被覆および/または充
填されている。
【0108】図7(a)乃至図7(d)に示す連通ポー
ト30の各形状は出入ポートの任意の実施形態に適した
形状である。すなわち、これらの形状は出口用チューブ
またはウインドウとして説明した連通ポート30および
以下に説明する出入ポートの両方の実施形態に対して適
している。例えば、既に説明した実施例における出口用
チューブは丸形の出口用チューブである。しかしなが
ら、図7(b)に示すような卵形状の断面を有する出口
用チューブもまた図7(a)に示すような丸形状の出口
用チューブと同等に適用可能である。同様に図7(c)
に示すような方形断面の出口用チューブも適用可能であ
り、丸形状の出口用チューブは図7(d)に示すように
フィルター72により被覆および/または充填できる。
同様に、ウインドウとしての出入ポートもまた図7
(a)乃至図7(d)に示す形状を有し得る。なお、以
下に説明する別の出入ポートまたは連通ポート30の形
状もまた図7(a)乃至図7(d)またはその他の適当
な形状を有し得ると理解するべきである。
【0109】種々の形状を有する出入ポートの種々の実
施形態が拡散制限環境を構成するか否かを決定する上で
の判断基準は出口用チューブが拡散制限環境を構成する
か否かを決定する上での判断基準と類似している。すな
わち、少なくとも1.0cmの長さの出口用チューブは
拡散制限環境を形成できる。同様に、少なくとも1.0
cmの長さの出入ポートもまたその形状に拘わらず拡散
制限環境を形成できる。また、内径が9mm以下の出口
用チューブはコンテナ20内において拡散制限環境を構
成し得る。この内径が9mm以下の出口用チューブは6
3.62mm2以下の断面積を有している。従って、出
入ポートが63.62mm2 以下の断面積を有する場合
は、それらの形状に拘わらず、図7(a)乃至図7
(d)に示すような別の形状を有する出入ポートもまた
拡散制限環境を構成し得る。また、この出入ポートが図
7(d)に示すように、例えば、フィルター72により
充填されている場合は、その断面積はフィルター72の
中実部分により充填された面積だけ減少する。例えば、
フィルター72の中実部分が出入ポートの断面積の10
%を被覆している場合は、この出入ポートの断面積がフ
ィルター72により10%だけ減少されることになる。
従って、拡散制限環境を構成するためには、断面積が1
0%だけフィルター72により実質的に充填されている
出入ポートは70.69mm2 (63.62mm2
0.9)以下の断面積を有する必要がある。それゆえ、
拡散制限環境を構成し得る出入ポートの範囲は広いが、
例えば、図7(a)乃至図7(d)に示すような異なる
形状の出入ポートが拡散制限環境を構成し得るか否かを
決定するためには一定の判断基準が存在する。すなわ
ち、拡散制限環境は少なくとも1.0cmの長さまたは
63.62mm2 以下の断面積を有する拡散制限状態の
ポートにより構成できる。あるいは、コンテナ内におけ
る拡散制限環境は少なくとも10mmの長さの63.6
2mm2 の断面積に対する比率値すなわち0.157m
-1を有する出入ポートにより形成できる。
【0110】一般に、好ましい実施形態は出入ポートの
上および/またはその中にフィルター72を備えてい
て、このフィルター72がガス通過性であるが微生物非
通過性である。このように出入ポートがフィルター72
により被覆および/または充填されていると、コンテナ
20の内部またはコンテナ20の中に収容されるあらゆ
る物品を汚染することなく当該コンテナ20を換気でき
る。
【0111】上記のフィルター72と言う用語は繊維質
材料に限られない。すなわち、このフィルター72はガ
ス通過性であるが微生物非通過性であるあらゆる材料を
含む広範囲な材料を意味する。例えば、本特許出願にお
いて用いるフィルター72と言う用語はCSRラップま
たはTYVEK(商標)のような単純な材料も含み、これらは
共にガス通過性であるが微生物非通過性の材料である。
あるいは、このフィルター72は微生物を排除できる従
来的な繊維質フィルターであってもよい。
【0112】図8は拡散制限環境が概ね垂直状態のチュ
ーブ70から成る連通ポート30により構成されている
拡散制限状態のコンテナ20の一実施形態を示している
図である。好ましくは、フィルター72が垂直状のチュ
ーブ70の中またはこれに取り付けられており、このフ
ィルター72はガス通過性であるがバクテリアを通過さ
せない。図8において、フィルター72は概ね垂直状態
のチューブ70の中に備えられている。このフィルター
72は物品の処理後にシステムを換気する際にコンテナ
内に微生物が入り込むことを阻止する。あるいは、この
ガス通過性で微生物非通過性のフィルター72はこのシ
ステムの別の部分に配置することができる。従って、図
8のコンテナ20の中の拡散制限環境は概ね垂直状のチ
ューブ70、フィルター72、またはこれらのチューブ
70およびフィルター72の組み合わせにより構成され
る。コンテナ20の中の拡散制限環境が垂直状のチュー
ブ70により構成される場合は、このコンテナ20内の
拡散制限環境は少なくとも1.0cmの長さの垂直状チ
ューブ70により形成される。また、このコンテナ20
内の拡散制限環境は9mm以下の内径または63.62
mm2 以下の断面積を有する出入ポートにより形成する
ことも可能である。
【0113】図9は拡散制限状態のコンテナの別の実施
形態を示しており、このコンテナにおいては、連通ポー
ト30が概ね水平状のチューブ74およびフィルター7
2により構成されており、当該フィルター72がガス通
過性であるが微生物非通過性である。概ね水平状のチュ
ーブ74の一端部はコンテナ20の内部に対して開口し
ており、この概ね水平状のチューブ74の多端部は拡散
制限状態のコンテナ20の外側の環境に対して開口して
いる。コンテナ20内の拡散制限環境はこの概ね水平状
のチューブ74、フィルター72、または、これらのチ
ューブ74およびフィルター72の組み合わせにより構
成される。また、コンテナ20内の拡散制限環境は出入
ポートによっても構成でき、この場合の出入ポートは少
なくとも1.0cmの長さであるか、9mm以下の内径
または63.63mm2 以下の断面積を有している。な
お、この出入ポートはコンテナに対して任意の角度に設
置できる。
【0114】図10および図11は拡散制限環境が連通
ポートとしての穴76により形成されている拡散制限環
境状態のコンテナの実施形態をそれぞれ示している図で
ある。すなわち、このコンテナ20の中の拡散制限環境
は9mm以下の内径または63.62mm2 以下の断面
積を有する穴76、または1.0cm以上の長さの穴7
6により構成できる。図10に示す実施形態において
は、コンテナ20の蓋78の穴76の領域における厚さ
が蓋の78の残りの部分よりも厚くなっている。それゆ
え、穴76は垂直状の出入ポートのように形成されてい
て、蓋78が均一な厚さの場合に比べて、その厚さより
も大きな長さを有している。好ましくは、フィルター7
2がこの穴76を被覆しており、このフィルター72は
ガス通過性であるが微生物非通過性であって、滅菌処理
後にシステムを換気する際に穴76からバクテリアが入
り込むことを阻止する。従って、コンテナ20内の拡散
制限環境は穴76、フィルター72、またはこれらの穴
76およびフィルター72の組み合わせにより構成され
る。拡散制限環境が穴76により構成される場合は、こ
のコンテナ20内の拡散制限環境は少なくとも1.0c
mの長さ、または9mm以下の内径または63.62m
2 以下の断面積を有する穴76により形成できる。フ
ィルター72は穴76の上方、内側、または下方のいず
れにも配置可能である。なお、図10においては、フィ
ルター72は穴76の下方に配置されている。
【0115】図11において、拡散制限状態のコンテナ
20は穴76を有する連通ポートを備えた均一の厚さの
蓋78により構成されている。好ましくは、ガス通過性
で微生物非通過性のフィルター72が穴76を被覆して
いる。図11のコンテナ20内の拡散制限環境は穴7
6、フィルター72、またはこれらの穴76およびフィ
ルター72の組み合わせにより構成できる。図11のコ
ンテナ20内の拡散制限環境が穴76により構成される
場合は、蓋78は1.0cm以上の厚さを有していて、
この蓋78の穴76が少なくとも1.0cmの長さを有
するようになっている。あるいは、穴76は9mm以下
の内径または63.62mm2 以下の面積を有してい
る。別の実施形態においては、コンテナ内の拡散制限環
境が穴76およびフィルター72の組み合わせにより構
成されている。このフィルター72は穴76の内側、上
方、または下方に配置できる。なお、図11において
は、フィルター72は穴76の下方に配置されている。
【0116】また、図12に示す拡散制限状態のコンテ
ナ20の実施形態は少なくとも1個のハンドル部80を
備えている。この図12のハンドル部80は当該ハンド
ル部80を介してコンテナ20の外側と内側を連通する
連通ポート30を備えている。図12に示す実施形態は
2個のハンドル部80を備えているが、これら両方のハ
ンドル部80は連通ポート30を備えており、第2のハ
ンドル部80および第2の連通ポート30は必要に応じ
て着脱できる。例えば、コンテナ20は2個のハンドル
部80および1個のみの連通ポート30を備えることが
できる。好ましくは、ハンドル80内の連通ポート30
を被覆する少なくとも1個のガス通過性で微生物非通過
性のフィルター72を備えることにより、コンテナ20
内の装置の滅菌処理後にバクテリアが拡散制限状態のコ
ンテナ20の中に入り込むことを阻止できる。図12に
示す実施形態において、2個のフィルター72が各連通
ポート30の上に備え付けられている。また、別の実施
形態においては、1個のみのフィルター72が各連通ポ
ート30の上に備え付けられている。このフィルター7
2は連通ポート30の中にも配置できる。図12に示す
拡散制限状態のコンテナ20の実施形態における拡散制
限環境は連通ポート30、フィルター72、または連通
ポート30およびフィルター72の組み合わせにより構
成できる。
【0117】図13および図14は本発明の種々の実施
形態において使用するのに適した拡散制限状態のコンテ
ナの別の実施形態としての着脱自在なコンテナ20の2
個の実施形態をそれぞれ示している図である。先ず、図
13に示す着脱自在のコンテナ20の実施形態におい
て、コンテナ20は2個のポート55を備えている。こ
の着脱自在のコンテナ20の別の実施形態においては、
1個のみのポート55が存在している。図13に示す実
施形態において、第1のポート55は減少器81が備え
られており、この減少器81はポート55の直径を減少
している。この減少器81は任意の形状にできる。図1
3における減少器81は円筒形状であり、穴がこの円筒
体の長さに沿って貫通している。さらに、ガス通過性で
微生物非通過性のフィルター72が減少器81の穴の内
側に配置されている。図13に示す第1のポート55の
実施形態はさらにバルブ82を備えているが、このバル
ブ82は必要に応じて着脱できる。図13のコンテナ2
0における拡散制限環境はポート55、減少器81、フ
ィルター72、バルブ82、またはこれらのポート5
5、減少器81、フィルター72、およびバルブ82の
いずれかの組み合わせにより構成できる。このような実
施形態の一部において、ポート55または減少器81は
少なくとも1.0cmの長さを有しており、出入ポート
として作用してコンテナ20の中に拡散制限環境を形成
する。また、別の実施形態においては、ポート55また
は減少器81は9mm以下の直径または63.62mm
2 以下の面積を有していて、出入ポートとして作用して
コンテナ20の中に拡散制限環境を形成する。さらに、
図13に示す着脱自在のコンテナ20の実施形態におい
て、バルブ82を有する第2のポート55が示されてい
る。この第2のポート55は第1のポート55の代わり
に拡散制限環境を形成するために使用できる。必要に応
じて、バルブ82はガス通過性で微生物非通過性のフィ
ルターにより構成できる。このフィルターはバルブ82
の穴またはポート55の内部に備え付けてもよい。この
フィルターはシステムの換気時にコンテナ20の中に微
生物が入り込むことを阻止する。さらに、別の実施形態
において、ガス通過性で微生物非通過性のフィルターが
システム内の任意の場所に取り付けられている。
【0118】図14に示す着脱自在のコンテナ20の実
施形態において、コンテナ20は2個のポート55およ
び2個のバルブ82を備えている。必要に応じて、この
バルブ82はさらにガス通過性で微生物非通過性のフィ
ルターを当該バルブ82の穴の中に備えることができ
る。図14に示す着脱自在のコンテナ20における拡散
制限環境はバルブ82、フィルター、または当該バルブ
82およびフィルターの組み合わせにより構成できる。
図14に示す実施形態は2個のバルブ82を伴う2個の
ポート55を備えているが、第2のポート55およびバ
ルブ82は必要に応じて着脱できる。さらに、これら2
個のバルブ82の一方または両方が拡散制限環境を形成
できる。
【0119】図15および図16は図13および図14
に示す着脱自在のコンテナ20を真空、流体等の供給源
88に接続するための適当なコネクター85の実施形態
をそれぞれ示している図である。図15はチューブの一
端部の内側に複数のO−リング86を備えたチューブ8
4を示している図である。これらのO−リング86は過
酸化水素による劣化に対して耐性を有する材料により形
成されているのが好ましい。このようなO−リングを作
成するための適当な材料としては、VITON(商標)、
TEFLON(商標)、またはシリコーンが含まれるがこ
れらに限らない。一部の実施形態においては、1個のみ
のO−リング86がチューブ84の内側に備えられてい
る。チューブ84の第2の端部は真空、流体、および/
または、その他の供給源88に接続される。この流体と
して、液体またはガスがある。実施形態の一例におい
て、この流体は過酸化物、好ましくは過酸化水素または
過酢酸である。
【0120】また、図16は図13および図14の着脱
自在のコンテナ20を真空、流体、および/または、そ
の他の供給源88に接続するためのコネクター85の別
の実施形態を示している図である。図16に示すコネク
ター85の実施形態は2個のチューブ84および2個の
バルブ82を備えている。各チューブ84はその第1の
端部の内側に複数のO−リング86を有している。さら
に、図16に示すコネクター85の実施形態は2個の真
空供給源、流体供給源、および/または、その他の供給
源88を備えている。これら2個のチューブ84および
2個の真空、流体、および/またはその他の供給源88
は1個または2個のバルブ82を開閉することにより互
いに独立して動作できる。このようなコネクターの別の
実施形態において、1個のみのバルブ82および1個の
みの真空、流体、および/またはその他の供給源88が
備えられている。
【0121】図17乃至図20は図15のコネクター8
5に接続した状態の着脱自在のコンテナ20の種々の実
施形態を示している図である。図17に示す実施形態に
おいて、減少器81および当該減少器81の穴の中のフ
ィルター72を備えた単一ポート55を有する着脱自在
のコンテナ20が当該着脱自在のコンテナ20における
ポート55をコネクター85のチューブ84に接続する
ことにより図15のコネクター85に接続されている。
チューブ84内の各O−リング86はポート55および
チューブ84の間に気密シールを形成している。図17
に示す着脱自在のコンテナ20の実施形態において、コ
ンテナ20内の拡散制限環境はポート55、減少器8
1、フィルター72、または当該ポート55、減少器8
1、およびフィルター55の任意の組み合わせにより構
成される。
【0122】図18に示す実施形態は図17に示す実施
形態に類似しているが、着脱自在なコンテナ20がポー
ト55および、図17に示す実施形態における減少器8
1およびフィルター72の代わりに、バルブ82を有し
ている。この図18の着脱自在なコンテナ20は図15
に示すコネクター85に取り付けられている。さらに、
バルブ85はこのバルブの穴の中にフィルターを備えて
いてもよい。従って、図18の着脱自在のコンテナ内の
拡散制限環境はポート55、バルブ82、フィルター、
またはこれらのポート55、フィルター、およびバルブ
82の任意の組み合わせにより構成できる。
【0123】さらに、図19に示す実施形態において
は、着脱自在のコンテナ20がフィルター72およびバ
ルブ82を備えたポート55を有している。この着脱自
在のコンテナ20は図15のコネクター85に取り付け
られている。このような着脱自在のコンテナ20の拡散
制限環境はバルブ82、フィルター72、またはこれら
のバルブ82およびフィルター72の組み合わせにより
構成される。このフィルター72はガス通過性であるが
微生物非通過性であって、着脱自在のコンテナ20の内
部または当該着脱自在のコンテナ20に収容されている
あらゆる物品を再汚染することなく滅菌処理後に着脱自
在のコンテナ20が換気できる。
【0124】図20はフィルター72を有する着脱自在
のコンテナ20を示している図である。この着脱自在の
コンテナ20は図15のコネクター85と同様のコネク
ター85に取り付けられているが、図20におけるコネ
クター85はさらにバルブ20を備えている。このコネ
クター85のバルブ82は着脱自在のコンテナ20およ
び真空、流体、および/または、その他の供給源88の
間に配置されている。図20に示す実施形態において、
着脱自在のコンテナ20はコネクター84のバルブ82
を介して真空、流体、および/または、その他の供給源
88から換気できる。この着脱自在のコンテナ20の拡
散制限環境はバルブ82、フィルター72、またはこれ
らのバルブ82およびフィルター72の組み合わせによ
り構成できる。好ましくは、フィルター72はガス通過
性で微生物非通過性であり、着脱自在のコンテナ20の
換気時に当該着脱自在のコンテナ20およびコンテナ2
0の中の物品が再汚染されないようになっている。
【0125】図21に示す着脱自在のコンテナ20は2
個のポート55を有している。第1のポート55はフィ
ルター72およびバルブ82を備えており、第2のポー
ト55は隔壁87を有している。この隔壁87はガスを
通過しない柔軟なプラスチックまたはゴムにより形成さ
れているので、着脱自在のコンテナ20が排気可能であ
る。さらに、この隔壁87を形成するプラスチックまた
はゴム材は過酸化水素に対して安定であることが好まし
い。この隔壁87を形成するための適当な材料の例とし
ては、VITON(商標)またはシリコーンが含まれるが
これらに限らない。図21において、隔壁87が針状の
装置89により穴あけされており、この装置89は真
空、流体、および/または、その他の供給源88に接続
している。この実施形態においては、着脱自在のコンテ
ナ20内の拡散制限環境が出入ポートとして作用する針
状の装置89により構成されている。さらに、滅菌処理
全体がこの出入ポートとして作用する針状装置89を介
して行なわれる。このように、針状装置89によりコン
テナ20内の拡散制限環境が構成される場合は、この拡
散制限環境は少なくとも1.0cmの長さ、または9m
m以下の内径または63.62mm2 以下の断面積を有
する針状装置89により形成される。
【0126】図21に示す着脱自在のコンテナ20の第
1のポート55は必要に応じてコネクター85に取り付
けることができ、このコネクター85は真空、流体、お
よび/またはその他の供給源88に取り付けられてい
る。この実施形態において、着脱自在のコンテナ内の拡
散制限環境はポート55、フィルター72、バルブ8
2、またはこれらのポート55、フィルター72、およ
びバルブ82の任意の組み合わせにより構成できる。こ
れにより、着脱自在のコンテナ20の滅菌処理はバルブ
82およびフィルター72を有する第1のポート55に
より行なうことができる。
【0127】図22はフィルター72および制限装置9
1を有するポート55を備えている着脱自在のコンテナ
20を示している図である。このフィルター72はガス
通過性であるが、微生物に対して非通過性である。この
着脱自在のコンテナ20は真空、流体、および/また
は、その他の供給源88に接続している。コネクター8
5もまた制限装置91を有している。実施形態の一部に
おいて、制限装置91を有するポート55または制限装
置91を有するコネクター85がいずれも単独で着脱自
在のコンテナ20の中に拡散制限環境を形成しないもの
もある。しかしながら、制限装置91を有するポート5
5を有する着脱自在のコンテナ20が制限装置91を有
するコネクター85に取り付けられている場合は、2個
の制限装置91が、一方の制限装置91を有するポート
55および他方の制限装置91を有するコネクター85
の組み合わせによりコンテナ20の中に拡散制限環境が
形成できるのに十分な機密性を持って互いに一体に嵌合
する。なお、この実施形態において、ポート55および
その制限装置91または制限装置91を有するコネクタ
ー85はいずれも単独では拡散制限環境を形成しない。
【0128】図23に示す実施形態において、図13の
着脱自在のコンテナ20は図16のコネクター85に取
り付けられている。コネクター85のO−リング86は
着脱自在のコンテナ20のポート55により真空気密シ
ールを形成している。図23における着脱自在のコンテ
ナ20の中の制限環境はポート55、減少器81、フィ
ルター72、ポート55内のバルブ82、コネクター8
5内のバルブ82、またはこれらの組み合わせにより形
成できる。あるいは、または、さらに、この着脱自在の
コンテナ20の中の制限環境は図23に示す底部ポート
55の中のバルブ82により形成できる。さらに、この
着脱自在のコンテナ20は、図23において右側の供給
源88または図23において底部の供給源88を介し
て、真空、流体、またはその他の供給源88に接続する
ことができる。
【0129】図24は図16のコネクター85の実施形
態に取り付けた図14の着脱自在のコンテナ20を示し
ている図である。この着脱自在のコンテナ20の中の拡
散制限環境はポート55またはバルブ82のいずれか、
または、これらの両方により形成できる。真空、流体、
またはその他の供給源88は図24において右側の供給
源88または図24において底部の供給源88のいずれ
かとすることができる。別の実施形態において、1個の
みのポート55を有する着脱自在のコンテナ20が図1
6に示すコネクター85の実施形態における2個のチュ
ーブ84の一方に取り付けられている。
【0130】図17乃至図24に示す各実施形態は種々
の例示的な実施形態を示しており、本発明はこれらの図
面に示す実施形態に限られるものではない。すなわち、
着脱自在のコンテナ20およびコネクター85の別の組
み合わせが本発明の装置および方法の別の実施形態とし
て使用できる。例えば、チューブ84はポート55より
も細くてもよく、チューブ84を当該チューブ84の外
側のO−リングと共にポート55の中に挿入できる。
【0131】本発明の方法の幾つかの実施形態における
図13乃至図24に示す着脱自在のコンテナ20および
コネクター85の各実施形態により物品を滅菌処理でき
る。まず、滅菌処理する物品を着脱自在のコンテナ20
の実施形態の一例の中に入れる。例えば、過酸化水素ま
たは過酢酸のような過酸化物等の蒸気化可能な殺菌剤か
ら成る溶液を着脱自在のコンテナ20の中に入れるか、
着脱自在のコンテナ20の中で滅菌処理する物品と接触
させた状態で入れる。過酸化物の供給源を着脱自在のコ
ンテナ20に接触させる前または後において、この着脱
自在のコンテナ20をコネクター85に取り付けて、コ
ネクター85を真空、流体、および/または、その他の
供給源88に流体を介して連通させる。
【0132】その後、着脱自在のコンテナ20の中の圧
力を減少して蒸気化可能な殺菌剤の少なくとも一部分を
気化することにより、滅菌処理するべき物品を滅菌処理
する。この場合に、必要に応じて、プラズマを発生して
滅菌処理する物品に接触させることができる。次に、こ
の着脱自在のコンテナ20をガスにより換気する。この
換気処理はガスをガス通過性で微生物非通過性のフィル
ター72に通過させることにより行なわれ、このフィル
ターは着脱自在のコンテナ20の上、または、このシス
テム内の別の部分に配置されている。このようなガス通
過性で微生物非通過性のフィルターを通して着脱自在の
コンテナ20を排気することにより、この着脱自在のコ
ンテナ20の中において滅菌処理する物品が換気処理中
に微生物に再び曝露することがなくなる。
【0133】着脱自在のコンテナ20は換気処理の前ま
たは後にコネクター85から分離できる。着脱自在のコ
ンテナ20を換気処理の前にコネクター85から分離す
る場合は、この着脱自在のコンテナ20が少なくとも1
個のバルブ82を備えていて、着脱自在のコンテナ20
をコネクター85から分離する前にこのバルブ82を閉
じることができることが一般に好ましい。
【0134】さらに、密封した滅菌処理済みの物品を伴
う着脱自在のコンテナ20を必要に応じて輸送できる。
この着脱自在のコンテナ20のバルブ82が閉じている
と、このバルブ82が物品を環境から分離するために、
着脱自在のコンテナ20の中の物品は長時間にわたり滅
菌状態が維持できる。
【0135】本発明の方法の一実施形態において、物品
はバルブ82を有する着脱自在のコンテナ20の中で滅
菌処理され、このバルブ82は着脱自在のコンテナ20
をコネクター85および真空、流体、および/または、
その他の供給源88から分離する前に閉じられる。実施
形態の一例において、バルブ82を閉じた後およびコネ
クター85から分離した後の着脱自在のコンテナ20の
中の圧力は大気圧よりも低い。なお、このバルブ82は
手動または電気的に制御可能である。
【0136】滅菌処理した物品を収容する着脱自在のコ
ンテナ20が長時間にわたって貯蔵される場合に、漏れ
が生じて滅菌処理した物品が汚染されるおそれがある。
バルブ82を閉じた時に、着脱自在のコンテナ20の中
の圧力が大気圧よりも低い場合に、使用者はバルブ82
を開放することにより着脱自在のコンテナ20を換気す
る際に流入するガスの音を聞くことによりその着脱自在
のコンテナ20が漏れていたか否かを調べることができ
る。すなわち、着脱自在のコンテナ20が漏れていた場
合は、この着脱自在のコンテナは大気圧に近くなって、
使用者はバルブ82を開けた際に流入するガスの音を聞
くことができない。一方、漏れが全く生じていない場合
は、使用者はバルブ82を開けてコンテナ20を換気す
る際に音を聞くことができる。従って、滅菌処理した物
品を着脱自在のコンテナ20の中に大気圧よりも低い圧
力で貯蔵することはそのコンテナが漏れていたか否かを
調べる機会を与えることになる。さらに、換気処理にお
いてガス通過性で微生物非通過性のフィルター72を通
して換気することにより、これらの漏れ試験および換気
処理中に物品を汚染させることがなくなる。
【0137】別の実施形態において、上記着脱自在のコ
ンテナ20は1気圧よりも大きな圧力に加圧できる。こ
のような実施形態においては、使用者はバルブ82を開
けることによりコンテナ20を換気する際に流出するガ
スの音を聞くことができる。この場合に、流出ガスの音
が全くなければ、使用者は漏れが生じていたことを知る
ことができる。
【0138】別の実施形態において、圧力ゲージまたは
トランスデユーサのような1種類以上の圧力測定装置を
着脱自在のコンテナ20に配置した。この着脱自在のコ
ンテナ20内の圧力は滅菌処理が完了した後に測定され
て、コンテナ20が密封される。この圧力測定装置によ
り測定される圧力が貯蔵中に変化する場合は、着脱自在
のコンテナ20が貯蔵中に漏れを生じていたと考えられ
る。
【0139】また、別の実施形態においては、圧力測定
装置は移動可能なボールを伴う透明なバルブにより構成
されている。このバルブは着脱自在のコンテナ20に取
り付けられている。この透明なバルブは2個のチューブ
により構成されており、上方のチューブはバルブの中心
部分から上方に延出しており、下方のチューブはバルブ
の中心部分から下方に延出している。これらのチューブ
の端部および各チューブのバルブの中心部分に隣接して
いる部分の両方が各ボールの面積よりも小さい面積に制
限されていて、各ボールがチューブから出ないように、
または、バルブの中心部分を越えないようになってい
る。このような着脱自在のコンテナ20が大気圧である
場合に、両方のボールはそれぞれのチューブの下端部に
配置されている。着脱自在のコンテナ20が大気圧より
も高い場合は、上方チューブ内のボールは上方チューブ
の上部まで押し出されて、制限領域に隣接する。また、
下方チューブのボールは下方チューブの底部に移動し
て、制限領域に隣接する。一方、着脱自在のコンテナ2
0が大気圧よりも低い場合は、両方のボールが押し出さ
れてバルブの中心部分内の制限領域に隣接する。
【0140】別の実施形態において、圧力指示装置は受
容器を跨いで延在する薄いフィルムを伴う受容器により
構成されている。この受容器は着脱自在のコンテナ20
に取り付けられている。この着脱自在のコンテナ20が
大気圧であると、フィルムは内側にも外側にも膨張しな
い。また、着脱自在のコンテナ20が大気圧よりも低く
なると、フィルムの中心部分が着脱自在のコンテナ20
に向かって内側に吸引される。また、着脱自在のコンテ
ナ20が大気圧よりも高い場合は、フィルムの中心部分
が外側に押し出されて、着脱自在のコンテナ20から離
れる。
【0141】さらに、上記の圧力測定手段の任意のもの
または別の任意の圧力指示手段を使用することにより、
着脱自在のコンテナ20が大気圧よりも低いか大気圧と
等しいことが決定できる。さらに、コンテナ20が貯蔵
処理後に大気圧で貯蔵された、または、される時に着脱
自在のコンテナ20が大気圧よりも高いか低くて、貯蔵
後に大気圧になると、この着脱自在のコンテナ20はほ
とんど疑いなく漏れていると見なされる。それゆえ、特
定の圧力決定手段によりこの着脱自在のコンテナ20を
大気圧よりも高くまたは低く貯蔵することは貯蔵中の着
脱自在のコンテナ20の漏れを決定する有用な方法であ
る。
【0142】本発明の方法の実施形態において、滅菌処
理する物品が着脱自在のコンテナ20の中に置かれてお
り、この着脱自在のコンテナ20が真空、流体、および
/または、その他の供給源88に流体を介して連通して
いるコネクター85に取り付けられており、さらに、着
脱自在のコンテナ20または滅菌処理する物品を蒸発可
能な殺菌剤に接触させる代わりに、蒸発可能な殺菌剤が
真空、流体、および/または、その他の供給源88から
着脱自在のコンテナ20の中に導入される。その後、こ
の着脱自在のコンテナ20を減圧に曝して殺菌剤を気化
することにより、物品を殺菌処理する。
【0143】別の実施形態において、拡散制限領域を有
する物品は、物品の拡散制限領域を蒸発可能な殺菌剤に
接触させ、着脱自在のコンテナ20の中にこの拡散制限
領域を有する物品が配置され、この場合の接触工程およ
び配置工程はいずれの順番でもよく、さらに、着脱自在
のコンテナ20を排気して殺菌剤を蒸発させて、物品の
拡散制限領域を滅菌処理する。着脱自在のコンテナ20
が拡散制限状態である場合は、拡散制限領域を有する物
品の外部も滅菌処理される。
【0144】図25は着脱自在のコンテナ20が2個の
ポート55により構成されている場合の着脱自在のコン
テナ20の別の実施形態を示している図である。第2の
ポート55は必要に応じて備え付けることができる。図
25に示す上部ポート55は減少器81および減少器8
1の穴に配置されたフィルター72を備えており、この
場合のフィルター72はガス通過性で微生物非通過性で
ある。さらに、上部ポート55はヒンジ式バルブ90を
備えており、このヒンジ式バルブ90はヒンジ部94上
のフラップ92を備えていて、当該フラップ92は円
形、卵形、正方形、またはポート55における開口部を
閉じるその他の任意の形状を有している。このヒンジ部
94はポート55の内部に取り付けられていて、フラッ
プ92を当該ヒンジ部94の揺動により開閉可能にして
いる。このフラップ92は当該フラップ92の閉鎖時に
ポート55に対して気密または真空気密シール部を形成
する。このヒンジ式バルブ90はさらにスプリング(図
示せず)を備えており、このスプリングは、フラップ9
2を開口するための力がフラップ92に全く加えられな
い場合に、フラップ92をその閉鎖位置に反転移動す
る。ヒンジ部94は着脱自在のコンテナ20の内側のフ
ラップ92側または着脱自在のコンテナ20の外側のフ
ラップ92側のいずれでも配置可能である。一般的に、
このヒンジ部94は着脱自在のコンテナ20の内側のフ
ラップ92の側に配置することが好ましい。さらに、図
25に示す着脱自在のコンテナ20の実施形態の第2の
ポート55はヒンジ式バルブ90を備えている。
【0145】滅菌処理後に着脱自在のコンテナ20を大
気圧よりも高く加圧することにより漏れの検出が可能に
なる。この理由は、使用者がバルブまたは別の装置を開
放してコンテナ20を排気する際に、着脱自在のコンテ
ナ20から出るガスの「シュー」という音を聞くことが
できるからである。
【0146】コンテナ20を加圧することによる漏れの
試験はヒンジ式バルブ90を備えているコンテナの場合
に有利である。この理由は、コンテナ20の中で加圧さ
れたガスがフラップ92を押圧してポート55内にフラ
ップ92を押し当てることにより密封状態が形成できる
からである。
【0147】図26はコネクター85の別の実施形態を
示している図である。図26のコネクター85は図16
のコネクター85とほとんど同一であって、2個のチュ
ーブ84、2個の真空供給源、流体、および/または、
その他の供給源88、および2個のバルブ82を備えて
いる。ただし、図26に示すコネクター85において
は、複数のO−リングが、図16に示すコネクター85
の場合のようなチューブ84の内側ではなくて、チュー
ブ84の外側に配置されている。図26に示す実施形態
において、チューブ84の一端側が図26に示す実施形
態において、チューブ84の一方の側面がチューブ84
の他方の側面よりも長くなっていて、側面から見た場合
にチューブ84の端部が傾斜している。また、別の実施
形態においては、チューブ84の2個の側面が等しい長
さを有している。
【0148】図27は図26のコネクター85に取り付
けた図25の着脱自在のコンテナ20を示している図で
ある。コネクター85の上方および下方のチューブ84
は着脱自在のコンテナ20のヒンジ式バルブ90の中に
挿入されていて、当該ヒンジ式バルブ90の各フラップ
92を開口している。チューブ84の一方の側面が当該
チューブの他方の側面よりも長い実施形態においては、
チューブ84の長い方の側面がフラップ92を押し動か
すのに役立つ。各チューブ84の外側の複数のO−リン
グ86は各ポート55の内部に接触して気密または真空
気密のシール部をポート55の内部と共に形成してい
る。
【0149】一部の実施形態においては、着脱自在のコ
ンテナ20における各ポート55の一方または両方の内
側に停止部(図示せず)が備えられている。この停止部
はコネクター85のチューブ84の移動を制限して、チ
ューブ84がポート55の中に必要以上に進入してO−
リング86とポート55の内壁部との接触が解除される
ことにより上記の真空気密シール部が形成されなくなる
ことを阻止する。チューブ84がポート55の中に進入
し過ぎると、O−リング86はフラップ92に接触し
て、O−リング86が各フラップ92上にシール部を形
成することになる。例えば、この停止部はチューブ84
の端部に接触するポート55の内部における突出部であ
って、これによりチューブ84のポート55内への移動
が制限できる。コネクター85の付随的なバルブ82は
着脱自在のコンテナ20から真空、流体、および/また
は、その他の供給源88の一方または両方を分離するた
めに使用できる。
【0150】着脱自在のコンテナ20を滅菌処理して換
気した後に、図27に示すコネクター85および着脱自
在のコンテナ20を分離することができる。図27のコ
ネクター85および着脱自在のコンテナ20を互いに分
離する場合は、スプリング(図示せず)の作用により、
ヒンジ式バルブ90の各フラップ92が閉じてポート5
5の内壁部に対して気密シール部が形成されることによ
り、着脱自在のコンテナ20の内部が環境から隔絶され
る。それゆえ、図25および図27に示す着脱自在のコ
ンテナ20のヒンジ式バルブ90はコネクター85を着
脱自在のコンテナ20から分離することにより当該着脱
自在のコンテナ20の内部を環境から自動的に隔絶する
ための手段を提供する。
【0151】図28乃至図31は「収容式コンテナ(ne
sted containers)」として、着脱自在のコンテナ20
の中に収容されたコンテナ20の種々の実施形態を示し
ている図である。図28において、内側のコンテナ20
Aは着脱自在のコンテナ20Bの内部に収容されてお
り、着脱自在のコンテナ20Bはポート55上にバルブ
82を備えていて、当該着脱自在のコンテナ20Bを分
離可能にしている。
【0152】図28の内側コンテナ20Aは当該コンテ
ナの上部に連通ポート30を備えていて、殺菌剤蒸気の
ようなガスが内側コンテナ20Aから着脱自在のコンテ
ナ20Bの内部に通過できるようになっている。この連
通ポート30は穴、ウインドウ、チューブ、またはその
他のガスや蒸気を通過することのできる任意の連通ポー
ト30とすることができる。好ましくは、この連通ポー
ト30はガスを通過させるが微生物を通過させないウイ
ンドウであるか、蒸気を通過させるが微生物を通過させ
ないフィルター72により被覆されている。このウイン
ドウまたはフィルター72は外側の着脱自在のコンテナ
20Bを排気する際に微生物が内側コンテナ20Aの中
に入ることを阻止する。内側コンテナ20Aは拡散制限
状態であってもよく、または、非拡散制限状態とするこ
ともできる。一方、着脱自在のコンテナ20Bは拡散制
限状態であるのが好ましい。
【0153】図29は収容式コンテナの別の実施形態を
示しており、この場合は、内側コンテナ20Aが連通ポ
ートとして概ね水平のチューブ74を備えている。好ま
しくは、フィルター72がこの水平チューブ74の中に
配置されており、当該フィルター72はガス通過性であ
るが微生物非通過性である。従って、この水平チューブ
74は内側コンテナ20Aの内部から着脱自在のコンテ
ナ20Bの内部に殺菌剤蒸気が流れることを可能にす
る。
【0154】図29の着脱自在のコンテナ20Bはヒン
ジ式バルブ90およびフィルター72を有するポート5
5を備えており、この場合は、フィルター72がヒンジ
式バルブ90および着脱自在のコンテナ20Bの内部の
間に配置されている。このフィルター72はガス通過性
であるが微生物非通過性である。従って、このフィルタ
ー72により、着脱自在のコンテナ20Bの内部または
内側コンテナ20Aの外部を汚染させることなく着脱自
在のコンテナ20Bが排気処理できる。
【0155】図30は内側コンテナ20Aがパウチであ
る収容式コンテナの別の実施形態である。この図30に
示すパウチは非内孔型(内孔部を有さない)装置40す
なわち鋏を収容している。この内側コンテナ20Aとし
てのパウチは着脱自在のコンテナ20Bの中に配置され
ている。さらに、図30の着脱自在のコンテナ20Bは
ポート55およびバルブ82を有している。この着脱自
在のコンテナ20Bの中の拡散制限環境はポート55、
バルブ82、または当該ポート55およびバルブ82の
組み合わせにより形成されている。実施形態の一例にお
いて、内側コンテナ20Aとしてのパウチの少なくとも
一部分がTYVEK(商標)のような通気性のバリヤによ
り形成されている。このようなTYVEK(商標)または
CSRラップ・バリヤは過酸化水素蒸気を含むガスが通
過可能である。また、このパウチにおける残りの部分は
MYLAR(商標)のようなガス非通過性のバリヤにより
形成できる。
【0156】滅菌処理する装置を内側コンテナ20Aと
してパウチの中に入れる。過酸化水素から成る液体のよ
うな蒸発可能な殺菌剤を着脱自在のコンテナ20B、内
側コンテナ20Aとしてのパウチ、または当該着脱自在
のコンテナ20Bおよびパウチの中に入れて、真空を着
脱自在のコンテナ20Bに供給して蒸発可能な殺菌剤を
蒸発させる。この殺菌剤の蒸気は当該蒸発可能な殺菌剤
を入れた位置に従ってパウチのガス通過性の部分を通過
してこのパウチを出入りすることにより、装置、内側コ
ンテナ20Aとしてのパウチの内部および外部、および
着脱自在のコンテナ20Bの内部を滅菌処理する。必要
に応じて、プラズマを着脱自在のコンテナ20Bの中に
発生して流すことができる。なお、パウチの中の装置は
非内孔型(内孔を有さない)装置または内孔型(内孔を
有する)装置のいずれであってもよい。内孔部の長さお
よび内径により、当該内孔部の内部の液体による予備処
理が必要になる場合がある。
【0157】図31はヒンジ部94を有するポート55
の内側に取り付けたフラップ92により閉鎖されたヒン
ジ式バルブ90を有するポート55を備えた内側コンテ
ナ20Aを示している図である。このヒンジ式バルブ9
0はさらにスプリング(図示せず)を有しており、この
スプリングはフラップ92に圧力が加えられていない時
にこのフラップ92を押圧して閉鎖する。さらに、内側
コンテナ20Aはコンテナ20Aの上部に連通ポート3
0を備えており、この連通ポート30はフィルター72
により被覆されていて、このフィルター72はガス通過
性であるが微生物非通過性である。連通ポート30は
穴、チューブ、ウインドウ、方形状の開口部、またはそ
の他の任意の開口部とすることができる。従って、内側
コンテナ20Aを拡散制限環境にする必要はない。
【0158】内側コンテナ20Aをポート55上にヒン
ジ式バルブ90を有する着脱自在のコンテナ20Bの中
に配置した。この着脱自在のコンテナ20Bのヒンジ式
バルブ90は内側コンテナ20Aのヒンジ式バルブと同
一である。この場合に、内側コンテナ20Aの連通ポー
ト30は真空または滅菌剤蒸気が内側コンテナ20Aの
内部から着脱自在のコンテナ20Bの内部に移動するこ
とを可能にする。図31に示す実施形態において、内側
コンテナ20Aは着脱自在のコンテナ20Bの内側に取
り付けた2個の保持ガイド96の間に配置されている。
これらの保持ガイド96は内側コンテナ20Aの外部に
対してちょうど嵌合しており、内側コンテナ20Aを着
脱自在のコンテナ20Bの中の一定位置に固定保持して
いる。保持ガイド96は種々の形状を採り得る。実施形
態の一例において、保持ガイド96は外側の着脱自在の
コンテナ20Bの内壁部に取り付けた長いフラップであ
る。また、別の実施形態においては、これらの保持ガイ
ド96は内側の着脱自在のコンテナ20Bの外部に設け
たスロットに嵌合する細い片状部材である。さらに、保
持ガイド96のその他の実施形態が当該技術分野の熟練
者において明らかになる。保持ガイド96は必要に応じ
て備えられるが、着脱自在のコンテナ20Bの内側に保
持ガイド96を備える構成は好ましい実施形態であり、
その理由は、これらの保持ガイド96が内側コンテナ2
0Aを着脱自在のコンテナ20Bの内側に固定保持でき
るからである。
【0159】図32(a)は図29および図31のコン
テナ20Bに接続できるコネクター85の実施形態を示
している図である。このコネクター85はチューブ84
および当該チューブ84の外側に取り付けた複数のO−
リング86により構成されている。このチューブ84の
一端部は真空、流体、および/または、その他の供給源
88に流体を介して連通している。コネクター85は、
必要に応じて、さらに、好ましくは、停止部98をチュ
ーブ84の外側に備えている。コネクター85を図29
の着脱自在のコンテナ20Bにおけるヒンジ式バルブ9
0の中に挿入すると、停止部98がポート55の端部に
当接して、チューブ84が着脱自在のコンテナ20Bの
中に入り込み過ぎないようにする。さらに、この停止部
98は複数のO−リング86が適正な位置に確実に配置
して、ポート55の内側に良好なシール部を形成する。
O−リング86がポート55ではなくてフラップ92に
接触すると、O−リング86は真空気密シールを形成で
きなくなる。それゆえ、停止部98がポート55の端部
に接触した時に、コネクター85の移動を制限する。図
32(a)のコネクター85もまた図31に示す着脱自
在のコンテナ20Bまたはヒンジ式バルブ90を有する
その他の任意のコンテナ20と共に使用できる。さら
に、図32(a)のコネクター85はポート55内にバ
ルブ82を有していて、ポート55内にチューブ84を
挿入している着脱自在のコンテナと共に使用することも
できる。このチューブ84の外側のO−リング86はポ
ート55の内表面部と共にシール部を形成する。
【0160】図32(b)は図31に示す収容されたコ
ンテナ20Aおよび外側のコンテナ20Bに取り付ける
のに適したコネクター85を示している図である。この
図32(b)のコネクター85はチューブ84および当
該チューブ84の外側に取り付けた複数のO−リング8
6により構成されている点で図32(a)のコネクター
85と同一である。ただし、図32(b)のコネクター
85は図32(a)のコネクター85が2個のO−リン
グ86を有している代わりに4個のO−リング86を備
えている。この4個のO−リングの目的は図33(a)
および図33(b)を説明することにより明瞭になる。
チューブ84の一端部は真空、流体、および/または、
その他の供給源88に流体を介して連通している。図3
2(b)に示すコネクター85は図32(a)に示すコ
ネクター85の場合と異なって停止部を有していない
が、図32(b)のコネクター85の実施形態において
停止部を有するものもある。
【0161】図32(c)のコネクターは図32(b)
のコネクターと同一であるが、2番目および3番目のO
−リング86の間において、図32(c)のコネクター
85におけるチューブ84内に穴76が設けられてい
る。
【0162】図32(a),図32(b),および図3
2(c)の各コネクター85はチューブ84の一方の側
面がチューブ84の他方の側面よりも長くなっていて、
チューブ84の端部が側面から見た場合に傾斜線を形成
している。しかしながら、別の実施形態においては、こ
れらチューブ84の両方の側面は等しい長さになってい
る。
【0163】図33(a)および図33(b)は図32
(b)または図32(c)のコネクター85を図31の
収容型コンテナ20Aおよび外側のコンテナ20Bに取
り付ける方法を示している図である。図33(a)は図
31の着脱自在のコンテナ20Bのヒンジ式バルブ90
の中に挿入した図32(b)のコネクター85を示して
いる図である。この場合に、コネクター85のチューブ
84が着脱自在のコンテナ20Bのヒンジ式バルブ90
におけるフラップ92を押すと、フラップ92がスプリ
ング(図示せず)の力に逆らって押し動かされることに
より、着脱自在のコンテナ20Bの内部が真空、流体、
および/または、その他の供給源88に連通する。この
結果、チューブ84の外側の複数のO−リング86は着
脱自在のコンテナ20Bのポート55の内側に対して真
空気密シールを形成する。
【0164】図33(b)は図32(b)または図32
(c)のコネクター85を内側コンテナ20Aのヒンジ
式バルブ90および着脱自在のコンテナ20Bのヒンジ
式バルブ90の両方の中に挿入する方法を示している図
である。コネクター85のチューブ84を着脱自在のコ
ンテナ20Bおよび内側コンテナ20Aの各ヒンジ式バ
ルブ90におけるフラップに対して押し出すと、フラッ
プ92がスプリング(図示せず)の力に逆らって押し動
かされることにより、内側コンテナ20Aの内部が真
空、流体、および/または、その他の供給源88と連通
する。この場合に、チューブ84の外側の複数のO−リ
ング86は内側コンテナ20Aおよび着脱自在のコンテ
ナ20Bの各ポート55の内面と共に真空気密シールを
形成する。実施形態の一例において、図32(a)のコ
ネクター内にあるような停止部98をコネクター85に
備えることができる。このコネクター85の外側の停止
部98は着脱自在のコンテナ20Bのポート55の端部
に接触してチューブ84の移動を制限することにより、
各O−リング86が2個のポート55の内面に対して接
触できるようにする。
【0165】図32(b)または図32(c)のコネク
ター85がヒンジ式バルブ90の中を押し動かされる時
に、保持ガイド96が内側コンテナ20Aを外側の着脱
自在のコンテナ20Bの内部に固定保持する。図32
(c)のコネクター85を使用した場合は、穴76が最
初の2個および最後の2個のO−リング86の間に形成
されていて、コネクター85が2個のポート55の中に
挿入された後に、穴76は内側コンテナ20Aのポート
55および着脱自在のコンテナ20Bのポート55の間
に配置される。穴76は任意の様式で配向できるが、好
ましい実施形態においては、このチューブ84における
穴76は上方に向いている。すなわち、この穴76が上
方に向いていれば、真空、流体、および/または、その
他の供給源88からチューブ84の中に導入される流体
は穴76を通過することなくチューブ84の中を移動し
て内側コンテナ20Aの内部に供給できる。また、図3
2(c)のコネクター85の穴76は当該コネクター8
5を介する着脱自在のコンテナ20Bの排気を可能にし
ている。図32(c)のコネクター85を図31に示す
内側コンテナ20Aおよび外側コンテナ20Bと共に使
用すれば、内側コンテナ20Aに連通ポート30を備え
る必要がなくなる。この理由は、内側コンテナ20Aが
コネクター85を介して排気可能になり、着脱自在のコ
ンテナ20Bがコネクター内の穴76を介して排気可能
になるからである。要望に応じて、過酸化水素の蒸気ま
たはミストを図32(c)のコネクター85を介して内
側コンテナ20Aの中に導入でき、当該コネクター85
における穴76を介して着脱自在のコンテナ20Bの中
に導入できる。別の実施形態においては、過酸化物から
成る液体をコネクター85を介して真空、流体、および
/または、その他の供給源88から内側コンテナ20A
の中に導入できる。
【0166】図28乃至図31に示す内側コンテナ20
Aおよび外側コンテナ20Bによる物品の滅菌処理の一
般的な方法を以下に説明する。すなわち、この一般的方
法は、 1.内側コンテナ20Aの中に滅菌処理する物品を入れ
る。 2.蒸発可能な殺菌剤を内側コンテナ20Aの中に入れ
て、必要に応じて、滅菌処理する物品に接触させる。 3.内側コンテナ20Aを着脱自在のコンテナ20Bの
中に入れる。 4.内側コンテナ20Aおよび着脱自在のコンテナ20
Bを真空、流体、および/または、その他の供給源88
に流体を介して連通させる。実施形態の一例において、
各コンテナ20Aおよび20Bをコネクター85を介し
て供給源88に流体を介して連通させる。上記の動作
1,2,3および4は任意の順番で行なうことができ
る。必要に応じて、上記殺菌剤は着脱自在のコンテナ2
0Bの内部に入れることもできる。 5.内側コンテナ20Aおよび着脱自在のコンテナ20
Bの中の圧力を減少して殺菌剤を蒸発させることによ
り、内側コンテナ20Aの中の物品、内側コンテナ20
Aの内側および外側、および着脱自在のコンテナ20B
の内側を滅菌処理する。この場合に、殺菌剤の蒸気は内
側コンテナ20Aにおける連通ポート30を介して着脱
自在のコンテナ20Bの内側に到達する。
【0167】必要に応じて、プラズマを発生して殺菌剤
および/または滅菌処理する物品および/または2個の
コンテナ20に接触させることができる。さらに、この
プラズマは各コンテナ20の一方または両方の内側にお
いて発生できる。
【0168】また、別の実施形態においては、蒸発可能
な殺菌剤は内側コンテナ20Aおよび着脱自在のコンテ
ナ20Bの両方の中に入れられる。この場合に、着脱自
在のコンテナ20Bの中の圧力をコネクター85を介し
て真空、流体、および/または、その他の供給源88に
よる真空に曝すことにより減少すると、内側コンテナ2
0Aにおける連通ポート30はガスを内側コンテナ20
Aから着脱自在のコンテナ20Bに移動可能にして、内
側コンテナ20Aの中の圧力を減少し、殺菌剤を蒸発さ
せて、内側コンテナ20Aの中の物品を滅菌処理すると
共に、内側コンテナ20Aの内部を滅菌処理する。ま
た、別の実施形態においては、内側コンテナ20Aに連
通ポート30が備えられておらず、着脱自在のコンテナ
20Bの中の圧力が図32(c)のコネクター85にお
ける穴76を介して減少される。
【0169】この方法の別の実施形態において、過酸化
物のような殺菌剤が、内側コンテナ20Aの中に直接に
入れられる、または内側コンテナ20Aの中の滅菌処理
する物品に接触する代わりに、真空、流体、および/ま
たは、その他の供給源からコネクター85を介して内側
コンテナ20Aの中に供給される。なお、この方法の実
施形態は既に説明した方法のいずれの実施形態において
も適用できる。
【0170】必要に応じて、プラズマを上記の本発明の
方法のいずれかの実施形態におけるコンテナの一方また
は両方の中に導入できる。
【0171】本発明の方法の全ての実施形態において、
殺菌剤を内側コンテナ20Aおよび/または着脱自在の
コンテナ20Bの中に適正に配置することにより、内側
コンテナ20Aの内部および外部、外側の着脱自在のコ
ンテナ20Bの内部、および内側コンテナ20Aの中の
物品が全て滅菌状態になる。
【0172】このような滅菌状態の物品を収容するコン
テナにおいて、内側コンテナ20Aの外部が滅菌状態で
あって、その外側の着脱自在のコンテナ20Bの内部が
滅菌状態である構成は、医療設備として有用である。例
えば、滅菌状態の物品を収容している内側のコンテナを
手術室に近い領域まで移送できる。その後、外側のコン
テナ20Bを開けて内側のコンテナ20Aを取り出すこ
とができる。この場合に、内側コンテナ20Aの外部は
滅菌状態であるので、滅菌状態の物品を収容している内
側コンテナ20Aを滅菌状態の環境を汚染することなく
手術室のような滅菌状態の環境の中に移送することがで
きる。さらに、滅菌状態の内側コンテナ20Aの中の滅
菌状態の物品をコンテナから取り出して当該収容用のコ
ンテナによる汚染を配慮する必要なく自由に物品を利用
できる。
【0173】図34(a),図34(b),および図3
4(c)はそれぞれ1個、2個、および4個の着脱自在
のコンテナを滅菌処理するためのシステムを概略的に示
している図である。図34(a)において、単一の着脱
自在式コンテナ20が着脱自在式コンテナを滅菌処理す
るためのシステム100に取り付けられている。このシ
ステム100は真空、流体、および/または、その他の
供給源88を備えている。さらに、このシステム100
は着脱自在のコンテナ20および/または蒸発可能な殺
菌剤または過酸化物(図示せず)の供給源を加熱するた
めの1個以上のヒーター(図示せず)備えている。加え
て、このシステム100はプラズマ供給源(図示せず)
および/または1個以上のフィルター(図示せず)を備
えることも可能であり、この場合に、フィルターはガス
通過性であるが微生物非通過性である。
【0174】図34(a)のシステム100において、
着脱自在のコンテナ20はシステム100に取り付けら
れている。好ましくは、この着脱自在のコンテナ20は
滅菌処理する物品を収容している。さらに、この着脱自
在のコンテナ20はシステム100に対して流体を介し
て連通している。着脱自在のコンテナ20のシステム1
00への取り付けの前または後に、過酸化物またはその
他の蒸発可能な殺菌剤を着脱自在のコンテナ20の中に
入れる。次に、着脱自在のコンテナ20の中の圧力を減
少して殺菌剤を蒸発させることにより、着脱自在のコン
テナ20の中の物品を滅菌処理すると共に、当該着脱自
在のコンテナ20の内部を滅菌処理する。これらの殺菌
剤および/または着脱自在のコンテナ20は必要に応じ
て加熱できる。さらに、殺菌剤を着脱自在のコンテナ2
0の中に導入する前、同時、またはその後に、プラズマ
を必要に応じて着脱自在のコンテナ20の中に導入でき
る。プラズマを過酸化物または殺菌剤の導入前に導入す
る場合は、このプラズマは滅菌処理する物品の乾燥およ
び/または着脱自在のコンテナ20の内部の乾燥処理を
補助する。また、プラズマを過酸化物または殺菌剤の導
入中および/またはその後に導入する場合は、このプラ
ズマは着脱自在のコンテナ20の中の物品の滅菌処理お
よび着脱自在のコンテナ20の内部の滅菌処理のために
作用する。また、このプラズマはコンテナ内の残留物の
除去にも役立つ。
【0175】図34(b)は2個の着脱自在のコンテナ
20を滅菌処理するためのシステム100を概略的に示
している図である。このシステム100は真空、流体、
および/または、その他の供給源88を備えている。図
34(b)に示すシステム100においては、2個の着
脱自在のコンテナ20を同時に滅菌処理できる。なお、
一部の実施形態においては、2個の着脱自在のコンテナ
20を滅菌処理するシステム100が2個の分離した真
空、流体、および/または、その他の供給源88を備え
ている場合もあるが、一般的に、このシステム100は
単一の真空、流体、および/または、その他の供給源8
8を備えていることが好ましく、この場合に、この真
空、流体、および/または、その他の供給源はさらに1
個以上のバルブ82を当該真空、流体、および/また
は、その他の供給源88と着脱自在のコンテナ20との
間に備えていて、第1の着脱自在のコンテナ20は第2
の着脱自在のコンテナ20に生じる作用に影響を及ぼす
ことなくシステム100に対する着脱が可能になってい
る。このシステム100はさらに2個の着脱自在のコン
テナ20および/または殺菌剤または過酸化物の供給源
(図示せず)を加熱するための1個以上のヒーターを備
えることができる。さらに、このシステム100は1個
以上のプラズマ供給源(図示せず)を備えることができ
る。また、このシステム100は1個以上のフィルター
(図示せず)を備えることができ、これらのフィルター
はガス通過性であるが微生物非通過性である。必ずしも
必要ではないが、このシステム100は第1の着脱自在
のコンテナ20を第2の着脱自在のコンテナ20に生じ
る滅菌処理工程から独立して滅菌処理できることが一般
的に好ましい。それゆえ、これら2個の着脱自在のコン
テナ20は異なる時間または異なる条件下で滅菌処理で
きる。
【0176】図34(b)のシステム100の場合にお
いて、着脱自在のコンテナ20は、同期的または非同期
的様式、または少なくとも1個の真空供給源を伴う多操
作方式で、互いに独立して滅菌処理できる。
【0177】さらに、図34(c)は4個の着脱自在の
コンテナ20を滅菌処理するためのシステム100を概
略的に示している図である。好ましくは、このシステム
100における4個の着脱自在のコンテナ20はそれぞ
れ独立して取り付け、取り外し、および滅菌処理するこ
とが可能である。なお、別の、比較的好ましくない実施
形態においては、各着脱自在のコンテナ20の取り付
け、取り外し、および滅菌処理がその他の着脱自在のコ
ンテナ20の取り付け、取り外し、および滅菌処理と同
時に行なわれる。各着脱自在のコンテナ20の動作をそ
の他のコンテナの動作と同時に行なうことは余分な設備
を最少にできるが、柔軟性に欠ける。例えば、4個のコ
ンテナに対応して1個のみの真空システムが備えられて
いる場合は、設備コストが最少になるが、多操作および
4個の着脱自在のコンテナ20の全てを滅菌処理するた
めに比較的長い時間がかかる。
【0178】一方、図34(c)のシステム100の場
合には、各着脱自在のコンテナ20が、同期的または非
同期的様式、または少なくとも1個の真空供給源を伴う
多操作方式で、互いに独立して滅菌処理できる。
【0179】図34(a),図34(b),および図3
4(c)に示した各システム100において、物品を大
きな真空チャンバーの中に入れることを要さずに、当該
物品を各着脱自在のコンテナ20の中で滅菌処理するこ
とができる。このように図34(a),図34(b),
および図34(c)に示すようなシステムに対して取り
付け、滅菌処理、および取り外し可能な着脱自在のコン
テナ20の中で滅菌処理することには多くの利点があ
る。第1に、大規模な滅菌処理チャンバー内で大規模の
装填物を滅菌処理するために十分な設備が蓄積するまで
待つ代わりに、滅菌処理する個々の物品をシステム10
0に取り付けた着脱自在のコンテナ20の中に入れて任
意時間に滅菌処理できる。それゆえ、各着脱自在のコン
テナ20の中における物品の滅菌処理は個々の物品の滅
菌処理を予定する場合に柔軟性を提供できる。
【0180】第2に、着脱自在のコンテナ20において
物品を滅菌処理することは滅菌処理条件を変更する場合
に柔軟性を提供する。例えば、物品を通常でない条件の
組み合わせにより滅菌処理する場合に、大規模な滅菌処
理チャンバー内で大規模な装填物全体を同一の条件の組
み合わせにより滅菌処理することなく、その物品を着脱
自在のコンテナ20の中において滅菌処理できる。
【0181】第3に、滅菌処理する物品は滅菌処理後も
着脱自在のコンテナ20の中に収容されていることであ
る。このように滅菌処理した物品を収容した着脱自在の
コンテナ20は、当該コンテナ20内の物品がバクテリ
アに対する曝露により偶然に汚染されることを配慮する
必要なく、長い距離を輸送できる。すなわち、この滅菌
処理した物品は着脱自在のコンテナ20の中に収容され
ていることにより汚染から保護される。
【0182】第4に、システム100内で滅菌処理され
る着脱自在のコンテナ20を、例えば、図28乃至図3
1に示すような収容型コンテナ20とすることができ
る。滅菌処理する物品はこのような内側コンテナ20A
に収容され、さらにこのコンテナ20Aは外側の着脱自
在のコンテナ20Bの中に収容される。内側コンテナ2
0Aの外側および内側の両方が滅菌状態になるので、外
側の着脱自在のコンテナ20Bを手術室の近くまで輸送
し、内側コンテナ20Aを取り出して、滅菌状態の物品
を収容した滅菌状態の内側コンテナ20Aを、非滅菌状
態のコンテナによる滅菌領域の汚染等の配慮を要さず
に、手術室のような滅菌領域内に配置できる。
【0183】それゆえ、図34(a),図34(b),
および図34(c)に示す着脱自在のコンテナ20およ
び滅菌処理システムの種々の実施形態は従来の滅菌処理
システムに比して付加的な滅菌処理の予定における利便
性および柔軟性を提供する。
【0184】以上、図34(a),図34(b),およ
び図34(c)に示す滅菌処理システムを蒸発可能な殺
菌剤から成る液体を着脱自在のコンテナ20の中に導入
する点について説明した。別の実施形態においては、上
記の図34(a),図34(b),および図34(c)
に示すような着脱自在のコンテナ20および滅菌処理シ
ステムは液体ではなく殺菌剤蒸気と共に使用できる。
【0185】このような殺菌剤蒸気を使用する実施形態
においては、着脱自在のコンテナ20は任意の種類のコ
ンテナでよく、必ずしも拡散制限状態である必要はな
い。着脱自在のコンテナ20の中の物品を滅菌処理する
ために殺菌剤蒸気を使用する場合は、以下のように処理
を行なう。先ず、滅菌処理する物品を着脱自在のコンテ
ナ20の中に入れる。このコンテナ20は真空供給源に
接続している。この配置処理および接続処理の順番は任
意である。その後、着脱自在のコンテナ20を排気し、
殺菌剤蒸気を着脱自在のコンテナ20の中に導入して、
物品および着脱自在のコンテナ20の内部を滅菌処理す
る。次に、滅菌処理した物品を収容するコンテナ20を
真空供給源から取り外す。必要に応じて、殺菌剤蒸気を
着脱自在のコンテナ20の中に導入する前、同時、また
はその後に、プラズマを当該着脱自在のコンテナ20の
中に導入できる。プラズマを殺菌剤蒸気の導入前に導入
する場合は、このプラズマは滅菌処理する物品の乾燥お
よび/または着脱自在のコンテナ20の内部の乾燥を補
助する。また、プラズマを殺菌剤蒸気の導入中および/
またはその後に導入する場合は、このプラズマは着脱自
在のコンテナ20の中の物品の滅菌処理および着脱自在
のコンテナ20の内部の滅菌処理のために作用する。ま
た、このプラズマはコンテナ内の残留物の除去にも役立
つ。なお、殺菌剤蒸気の供給源は液体または固体とする
ことができる。
【0186】蒸発可能な殺菌剤から成る液体の代わりに
殺菌剤蒸気により着脱自在のコンテナ20の中の物品を
滅菌処理することは蒸発可能な殺菌剤から成る液体によ
り着脱自在のコンテナ20の中の物品を滅菌処理する場
合と同様の利点を有する。すなわち、この場合の着脱自
在のコンテナ20の中の物品を滅菌処理する利点とし
て、滅菌処理の予定における柔軟性、滅菌処理条件の変
更における柔軟性、バクテリアによる偶発的な物品の汚
染を配慮することなく着脱自在のコンテナ内の滅菌処理
した物品を輸送できること、内側コンテナの外側を滅菌
状態にしたまま収容型コンテナ内の物品を滅菌処理でき
ることが含まれる。
【0187】以上、本発明を過酸化水素を含有する好ま
しい液体滅菌剤溶液に基づいて説明したが、当該技術分
野における通常の熟練者であれば、別の過酸化物滅菌剤
の供給源に対して等価な滅菌処理方法が適応可能である
ことが理解できる。別の実施形態において、滅菌剤を提
供可能にする水またはその他の溶媒の蒸気圧よりも低い
蒸気圧を有する滅菌剤が使用される。このような滅菌剤
の場合に、唯一重要なことは、その蒸気圧が本発明が目
的とする温度範囲内で溶媒の蒸気圧よりも低いことであ
る。さらに別の実施形態においては、固体の過酸化物滅
菌剤供給源が使用可能である。このような液体および固
体の滅菌剤は、当該技術分野における通常の熟練者であ
れば容易に決定できるような、過酸化水素とその他の滅
菌剤との間の蒸気圧の差に対して若干の調節をすること
により、本明細書に記載する各技法に適応可能である。
なお、滅菌剤の所定部位における局所的な蒸気圧が当該
滅菌剤の蒸気圧よりも低ければ、上述したような滅菌処
理を概ね実行することができる。
【0188】結論 これまで低濃度の滅菌剤による低温度での内孔部を有す
る装置の迅速な滅菌処理が強く要望されてきた。そこ
で、既知の方法の種々の不都合点を解消し得る優れた滅
菌処理方法が見出された。すなわち、真空に曝露する前
に滅菌処理する物品または当該物品に含まれる拡散制限
環境を過酸化水素水溶液のような過酸化物供給源により
予備処理することにより、迅速な滅菌処理が、物品を損
傷することなく、毒性残留物を残すことなく、さらに、
特別な容器を取り付ける必要なく、低温度で行なうこと
ができる。すなわち、本発明の方法は高効率で、無害、
且つ、安価である。
【0189】さらに、着脱自在のコンテナおよび収容型
コンテナを含むコンテナの中において物品を滅菌処理す
るための方法が提供される。着脱自在のコンテナにおけ
る滅菌処理方法は滅菌処理の予定において柔軟性を提供
するだけでなく、輸送のための機会を増加して、物品を
汚染させることなく着脱自在のコンテナの中の滅菌処理
した物品を利用可能にする。
【0190】本発明の好ましい実施態様は以下の通りで
ある。 (1)さらに、前記コンテナを蒸気通過性で微生物非通
過性のフィルターを介して換気する工程から成る請求項
1に記載の方法。 (2)前記コンテナ内の圧力が当該コンテナを前記真空
供給源から取り外した時に大気圧よりも高いか低い請求
項1に記載の方法。 (3)前記拡散制限環境が拡散制限状態のポートにより
形成されている請求項1に記載の方法。 (4)前記拡散制限状態のポートが少なくとも、1.0
cmの長さを有するポート、または63.62mm2
開口断面積を有するポート、または0.157mm-1
長さ/断面積の比率値を有するポートと同程度の拡散制
限状態である実施態様(3)に記載の方法。 (5)前記導入工程が前記蒸発可能な殺菌剤により構成
されている液体溶液を、注入、静的浸漬、スプレー、液
体またはミストを伴う流動、および濃縮蒸気から成る群
から選択される少なくとも1種類の方法により、前記コ
ンテナ内に供給する工程により構成されている請求項1
に記載の方法。
【0191】(6)前記導入工程がさらに前記物品を前
記蒸発可能な殺菌剤により構成されている液体溶液に接
触させる工程により構成されている請求項1に記載の方
法。 (7)前記物品が拡散制限状態の装置により構成されて
いる請求項1に記載の方法。 (8)前記蒸発可能な殺菌剤が過酸化水素により構成さ
れている請求項1に記載の方法。 (9)前記圧力が前記圧力減少工程中に前記蒸発可能な
殺菌剤の蒸気圧も低く減少される請求項1に記載の方
法。 (10)前記連通ポートがさらにバルブを備えている請
求項1に記載の方法。
【0192】(11)前記バルブがヒンジ式バルブであ
る実施態様(10)に記載の方法。 (12)前記バルブが隔壁である実施態様(10)に記
載の方法。 (13)さらに、前記隔壁に針状の装置を挿入する工程
から成る実施態様(12)に記載の方法。 (14)さらに、前記真空供給源に少なくとも1個の別
のコンテナを取り付ける工程から成る請求項1に記載の
方法。 (15)前記コンテナおよび前記少なくとも1個の別の
コンテナがそれぞれ滅菌処理する物品を収容しており、
当該滅菌処理する物品が独立して、同時に、同期的様式
で、非同期的様式で、または多操作式様式で滅菌処理で
きる実施態様(14)に記載の方法。
【0193】(16)さらに、内部に少なくとも1個の
連通ポートを備えている第2のコンテナを収容する工程
から成る請求項1に記載の方法。 (17)前記第2のコンテナがさらにガス通過性で微生
物非通過性のフィルターを備えている実施態様(16)
に記載の方法。 (18)前記第2のコンテナが柔軟性パウチにより構成
されている実施態様(16)に記載の方法。 (19)蒸発可能な殺菌剤により構成されている液体溶
液が前記圧力減少工程の前に前記第2のコンテナ内に導
入される実施態様(16)に記載の方法。 (20)さらに、蒸気通過性で微生物非通過性のフィル
ターを介して前記コンテナを換気する工程から成る請求
項2に記載の方法。
【0194】(21)前記コンテナ内の圧力が当該コン
テナを前記真空供給源から取り外す時に大気圧よりも高
いか低い請求項2に記載の方法。 (22)前記殺菌剤蒸気が過酸化水素により構成されて
いる請求項2に記載の方法。 (23)前記連通ポートがさらにバルブにより構成され
ている請求項2に記載の方法。 (24)さらに、前記真空供給源に少なくとも1個の別
のコンテナを取り付ける工程から成る請求項2に記載の
方法。 (25)前記コンテナおよび前記少なくとも1個の別の
コンテナがそれぞれ滅菌処理する物品を収容しており、
当該滅菌処理する物品が独立して、同時に、同期的様式
で、非同期的様式で、または多操作式様式で滅菌処理で
きる実施態様(24)に記載の方法。
【0195】(26)さらに、内部に少なくとも1個の
連通ポートを備えている第2のコンテナを収容する工程
から成る請求項2に記載の方法。 (27)前記第2のコンテナがさらにガス通過性で微生
物非通過性のフィルターを備えている実施態様(26)
に記載の方法。 (28)前記第2のコンテナが柔軟性パウチにより構成
されている実施態様(26)に記載の方法。
【0196】
【発明の効果】従って、本発明によれば、長くて狭い内
孔部のような蒸気拡散が制限される領域を有する物品の
蒸気滅菌処理の簡単で有効な方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の滅菌処理方法を試験するための拡散制
限環境を形成するための狭い開口部のみを有するガラス
管内に配置された接種済みのステンレス・スチール・ブ
レードを収容する内孔部の断面図である。
【図2】本発明の滅菌処理方法を試験するための別の拡
散制限環境を形成するための狭い開口部のみを有するガ
ラス管内に直接的に配置された接種済みのステンレス・
スチール・ブレードの断面図である。
【図3】本発明の滅菌処理方法を試験するための別の拡
散制限環境を形成するための狭い開口部にフィルターを
配置したガラス管内に配置された接種済みのステンレス
・スチール・ブレードの断面図である。
【図4】制限された拡散ポート(チューブから成る連通
ポート)を有するコンテナにより示される拡散制限環境
の一実施形態の断面図である。
【図5】(a)は制限された拡散ポート(チューブまた
は内孔部を有する装置から成る連通ポート)を有するコ
ンテナにより示される拡散制限環境の一実施形態、およ
びコンテナの連通ポートに内孔部を有する装置を接続す
るための管状コネクターの断面図であり、(b)は制限
された拡散ポート(チューブまたは内孔部を有する装置
から成る連通ポート)を有するコンテナにより示される
拡散制限環境の一実施形態、およびコンテナの連通ポー
トに内孔部を有する装置を接続するための閉鎖容器状コ
ネクターの断面図である。
【図6】制限された拡散ポートを有するコンテナにより
示される拡散制限環境の一実施形態、およびウインドウ
(窓部)に内孔部を有する装置を接続するための閉鎖容
器状コネクターの断面図である。
【図7】(a)は丸形の拡散制限ポートの概略図であ
り、(b)は卵形の拡散制限ポートの概略図であり、
(c)は方形状の拡散制限ポートの概略図であり、
(d)はフィルターで被覆および/または充填された丸
形の拡散制限ポートの概略図である。
【図8】制限された拡散ポートとしてフィルターを伴う
概ね垂直のチューブを有するコンテナにより示される拡
散制限環境の一実施形態の断面図である。
【図9】制限された拡散ポートとしてフィルターを伴う
概ね水平のチューブを有するコンテナにより示される拡
散制限環境の一実施形態の断面図である。
【図10】制限された拡散ポートとしてコンテナ壁に穴
を有するコンテナにより示される拡散制限環境の一実施
形態の断面図であり、コンテナの蓋の部分における穴の
領域の厚さがその他の蓋の部分の厚さよりも厚くなって
いる。
【図11】制限された拡散ポートとして穴を有するコン
テナにより示される拡散制限環境の一実施形態の断面図
であり、コンテナの蓋が均一な厚さを有している。
【図12】制限された拡散ポートとして通路を被覆する
ガス通過性で微生物非通過性のフィルターを備えたコン
テナのハンドル部において開口通路を有するコンテナに
より示される拡散制限環境の一実施形態の断面図であ
る。
【図13】ガス通過性で微生物非通過性のフィルターお
よびバルブを備えた拡散制限ポートおよびバルブを備え
た第2のポートを有する着脱自在のコンテナにより示さ
れる拡散制限環境の一実施形態の断面図である。
【図14】バルブをそれぞれ備えた2個のポートを有す
る着脱自在のコンテナにより示される拡散制限環境の一
実施形態の断面図である。
【図15】着脱自在のコンテナを真空供給源、流体供給
源等の各種供給源に接続するためのO−リングを備えた
コネクターの断面図である。
【図16】着脱自在のコンテナを真空供給源、流体供給
源等の各種供給源に接続するためのコネクターの別の実
施形態の断面図であり、当該コネクターは1個または2
個のポートの取り付けを可能にする。
【図17】図15のコネクターに取り付けられるガス通
過性で微生物非通過性のフィルターを備えたポートを有
する着脱自在のコンテナの断面図である。
【図18】図15のコネクターに取り付けられるバルブ
を有する着脱自在のコンテナの断面図であり、当該着脱
自在のコンテナにおけるバルブは拡散制限ポートとして
作用する。
【図19】図15のコネクターに取り付けられるバルブ
およびガス通過性で微生物非通過性のフィルターを有す
る着脱自在のコンテナの断面図であり、当該着脱自在の
コンテナにおけるバルブおよび/またはフィルターは拡
散制限ポートとして作用する。
【図20】図15のコネクターに取り付けられるガス通
過性で微生物非通過性のフィルターを有する着脱自在の
コンテナの断面図であり、当該コンテナにおけるフィル
ターおよび/またはコンテナにおけるバルブは拡散制限
ポートとして作用する。
【図21】2個のポートを有する着脱自在のコンテナの
断面図であり、1個のポートはバルブおよびガス通過性
で微生物非通過性のフィルターを備えており、第2のポ
ートは隔壁を備えていて、この隔壁は真空供給源に接続
した針状の装置により穴あけされる。
【図22】コネクターに取り付けた着脱自在のコンテナ
の断面図であり、当該コンテナのポートがガス通過性で
微生物非通過性のフィルターを有しており、コンテナ内
の拡散制限環境がコンテナおよびコネクターの組み合わ
せにより形成されている。
【図23】図16のコネクターに取り付けた2個のポー
トを有する着脱自在のコンテナの断面図であり、当該着
脱自在のコンテナにおける1個のポートはガス通過性で
微生物非通過性のフィルターおよびバルブを有してお
り、第2のポートはバルブを有している。
【図24】図16のコネクターに取り付けたバルブを備
えた2個のポートを有する着脱自在のコンテナの断面図
である。
【図25】2個のポートを有する着脱自在のコンテナの
断面図であり、1個のポートはヒンジ式バルブを有して
おり、第2のポートはヒンジ式バルブおよびガス通過性
で微生物非通過性のフィルターを有している。
【図26】ヒンジ式バルブを備えた少なくとも1個のポ
ートを有する着脱自在のコンテナを1個または2個の真
空供給源、流体供給源等の各種供給源に接続するための
コネクターの断面図である。
【図27】図26のコネクターに取り付けた図25の着
脱自在のコンテナの断面図である。
【図28】バルブを有する着脱自在のコンテナの内側に
収容したガス通過性で微生物非通過性のウインドウ(窓
部)を有するコンテナの断面図である。
【図29】ヒンジ式バルブおよびガス通過性で微生物非
通過性のフィルターを備えた拡散制限ポートを有する着
脱自在のコンテナの内側に収容したほぼ水平の出入ポー
トおよびガス通過性で微生物非通過性のフィルターを有
するコンテナの断面図である。
【図30】バルブを有する着脱自在のコンテナの内側に
収容した一対の鋏を収容するパウチの断面図である。
【図31】ヒンジ式バルブを有する着脱自在のコンテナ
の内側に収容したガス通過性で微生物非通過性のウイン
ドウおよびヒンジ式バルブを備えたポートを有するコン
テナの断面図である。
【図32】(a)はヒンジ式バルブを有するコンテナを
真空供給源、流体供給源等の各種供給源に接続するため
のコネクターの断面図であり、当該コネクターはコンテ
ナの移動を制限するための停止部を有している図であ
り、(b)は内部に収容された着脱自在のコンテナを真
空供給源、流体供給源等の各種供給源に接続するための
コネクターの断面図であり、(c)は内部に収容された
着脱自在のコンテナを真空供給源、流体供給源等の各種
供給源に接続するためのコネクターの断面図であり、当
該コンテナはO−リングの間に開口部を有している図で
ある。
【図33】(a)は図32(b)のコネクターに取り付
けた図31の内部に収容されたコンテナの断面図であ
り、当該コネクターは2個のヒンジ式バルブの1個のみ
に貫通している図であり、(b)は図32(b)のコネ
クターに取り付けた図31の内部に収容されたコンテナ
の断面図であり、当該コネクターは2個のヒンジ式バル
ブの両方に貫通している図である。
【図34】(a)は単一の着脱自在のコンテナを滅菌処
理するためのシステムの概略図であり、(b)は2個の
着脱自在のコンテナを滅菌処理するためのシステムの概
略図であり、(c)は4個の着脱自在のコンテナを滅菌
処理するためのシステムの概略図である。
【符号の説明】
5 接種した部材片 10 中心部分 15 プラスチック内孔部15 20 ガラス管 25 ゴム停止部 30 PTFEチューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アンソニー・レムス アメリカ合衆国、92887 カリフォルニア 州、ヨーバ・リンダ、バイア・バラータ 24610 (72)発明者 ハロルド・アール・ウィリアムズ アメリカ合衆国、92673 カリフォルニア 州、サン・クレメンテ、ラーノ 1223 (72)発明者 ポール・テイラー・ジェイコブズ アメリカ合衆国、92679 カリフォルニア 州、トラブコ・キャニオン、レイニエ 8 (72)発明者 トラランス・オウ・アディー アメリカ合衆国、92679 カリフォルニア 州、コト・デ・カザ、パロミノ 8 (72)発明者 ジョン・モレール・ジェイコブズ アメリカ合衆国、92679 カリフォルニア 州、トラブコ・キャニオン、レイニエ 8

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧下において拡散制限環境内の物品を
    滅菌処理するための方法において、 物品をコンテナの中に入れる工程から成り、当該コンテ
    ナが少なくとも1個の連通ポートを備えており、前記コ
    ンテナが当該連通ポートを介して真空供給源に対して着
    脱自在であり、さらに、 蒸発可能な殺菌剤により構成されている液体溶液を前記
    コンテナ内に導入する工程と、 前記コンテナを前記連通ポートを介して前記真空供給源
    に取り付ける工程と、 前記滅菌処理する物品の周りに拡散制限環境を形成する
    工程とから成り、前記配置工程、導入工程、取り付け工
    程、および形成工程を任意の順番で行なうことができ、
    さらに、 前記連通ポートを介して前記真空供給源により前記コン
    テナ内の圧力を減少する工程と、 前記蒸発可能な殺菌剤により殺菌剤蒸気を発生する工程
    とから成り、当該殺菌剤蒸気が前記コンテナの内側から
    前記連通ポートを介して当該コンテナの外側に拡散する
    ことによりコンテナ内の物品を滅菌処理することがで
    き、さらに、 前記コンテナを前記真空供給源から取り外す工程と、 前記物品の滅菌度を維持する工程とから成る方法。
  2. 【請求項2】 減圧下においてコンテナ内の物品を滅菌
    処理するための方法において、 物品をコンテナの中に入れる工程から成り、当該コンテ
    ナが少なくとも1個の連通ポートを備えており、前記コ
    ンテナが当該連通ポートを介して真空供給源に対して着
    脱自在であり、さらに、 前記コンテナを前記連通ポートを介して前記真空供給源
    に取り付ける工程から成り、前記配置工程および取り付
    け工程が任意の順番で行なうことができ、さらに、 前記連通ポートを介して前記真空供給源により前記コン
    テナ内の圧力を減少する工程と、 前記連通ポートを介して前記コンテナ内に殺菌剤蒸気を
    導入することにより前記物品を滅菌処理する工程と、 前記コンテナを前記真空供給源から取り外す工程と、 前記物品の滅菌度を維持する工程とから成る方法。
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