JP2001308492A - 炭酸ガスレーザーによる銅張板への孔形成方法 - Google Patents
炭酸ガスレーザーによる銅張板への孔形成方法Info
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Abstract
ト配線板に適した孔形状、孔品質、孔径の良好な小径の
貫通孔及び/又はブラインドビア孔の形成方法、並び
に、fθレンズの汚染の少ない孔あけ方法をも得る。 【解決手段】 銅張板の銅箔b表面に補助材料aを配置
し、この上から、好適には、10〜60mJ/パルスより選ば
れた出力の炭酸ガスレーザーを直接照射して、1ショッ
ト目で補助材料を孔あけ加工し(2)、2ショット目で
表面の銅箔を孔あけ加工して貫通孔及び/又はブライン
ドビア孔を形成する(3)。更に貫通孔あけの際には、
下側に樹脂層の付着した金属板を置き、下面の銅箔加工
時に下側から飛散する溶融した銅飛沫を押さえるように
した。 【効果】 孔形状、孔品質、孔径の優れた小径の貫通孔
及び/又はブラインドビア孔をあけることができ、且つ
孔あけ時に発生する銅箔等の飛散によるfθレンズの汚
染も押さえることができた。
Description
に炭酸ガスレーザー孔あけ用補助材料を配置し、まず1
ショット目でこの補助材料を加工後、2ショット目で表
層の銅箔を貫通する出力の炭酸ガスレーザーを照射して
銅箔を孔あけ加工した後貫通孔及び/又はブラインドビ
ア孔を形成する方法に関する。更に好ましくは内外層に
発生した孔周辺の銅箔バリを、薬液にて溶解除去すると
同時に銅箔表面の一部を平面的にエッチングし、全体を
銅メッキして作成される銅張板を用いて得られたプリン
ト配線板は、小径の孔を有し、細密なパターンが形成さ
れた高密度の小型プリント配線板として、半導体プラス
チックパッケージ用等に主に使用される。
に用いられる高密度のプリント配線板は、メカニカルド
リルで貫通孔あけを行っていた。近年、ますますドリル
の径は小径となり、孔径が0.15mmφ以下となってきてお
り、このような小径の孔をあける場合、ドリル径が細い
ため、孔あけ時にドリルが曲がる、折れる、加工速度が
遅い等の欠点があり、生産性、信頼性等に問題のあるも
のであった。また、表裏の銅箔にあらかじめネガフィル
ムを使用して所定の方法で同じ大きさの孔をあけてお
き、更には内層の銅箔にも同様の孔を予めエッチングで
形成したものを配置しておき、炭酸ガスレーザーで表裏
を貫通するスルーホール用孔を形成しようとすると、内
層銅箔の位置ズレ、上下の孔の位置のズレを生じ、接続
不良、及び表裏のランドが形成できない等の欠点があっ
た。
層の銅箔をエッチングしておき、この上から低エネルギ
ーの炭酸ガスレーザーエネルギーを照射して孔あけして
いた。これは表層にエッチングレジストを使用し、露
光、現像、エッチング、レジスト剥離などの工程が必要
であり、作業性に劣っていた。また、多層板において
は、内層の寸法収縮におけるブラインドビア孔の底部の
銅箔の位置ズレなどが問題となっていた。
場合、60mJを超えるような非常に高エネルギーの炭酸
ガスレーザーを銅箔表面に照射して銅箔に孔を形成する
ことは可能であるが、あまりにも高エネルギーである場
合には、孔あけ時に銅が溶融して飛散し、Fθレンズを
汚し、その後の孔あけにおいて不良発生の原因になって
おり、加えて孔あけ時に樹脂が大きく加工され、孔形
状、孔品質、孔径などに問題が生じ、実用上使用できる
レベルではなかった。5〜60mJ程度のエネルギーを使
用した場合、炭酸ガスレーザービームは銅箔表面で反射
され、孔が形成されないものであった。
補助材料を使用し、かつ孔あけに適した5〜60mJのエ
ネルギーの炭酸ガスレーザーを選択的に照射して以上の
ような問題点を解決した、銅張板への孔形成方法、特に
高密度プリント配線板用に適した小径の孔を形成する方
法を提供する。
に、融点900℃以上で、且つ結合エネルギー300kJ/mol以
上の金属化合物粉、カーボン粉、又は金属粉を3〜97容
積%含む樹脂組成物からなる補助材料を配置し、この上
から好適には5〜60mJ から選ばれる炭酸ガスレーザーエ
ネルギーを照射して、1ショット目で補助材料を孔あけ
加工し、2ショット目で1ショット目より高エネルギー
で表層の銅箔を加工除去して銅箔に孔をあける方法であ
る。その後、目的に応じてエネルギーを選択して貫通孔
及び/又はブラインドビア孔をあけることにより、孔
径、孔品質、孔形状の優れた小径の孔を高速で、効率的
に形成できる。炭酸ガスレーザーの出力において、好ま
しくは5〜60mJから選ばれたエネルギーの炭酸ガスレー
ザーを直接補助材料の上から照射して貫通孔及び/又は
ブラインドビア孔を形成する。孔あけ加工後、孔部には
銅箔のバリが発生する。機械的研磨でバリをとることも
できるが、寸法変化等の点から、薬液によるエッチング
が好適である。孔あけ後に薬液を吹き付けるか、吸引し
て表層の銅箔を厚さ方向に一部エッチング除去すると同
時に内外層の銅箔バリをもエッチング除去する。
る両面銅張板を用い、表裏に回路形成を行い、定法にて
プリント配線板とする。表裏の回路を細密にするために
は、表裏層の銅箔を2〜7μm、好適には3〜5μmとするこ
とが好ましく、この場合には細密パターン形成時にもシ
ョートやパターン切れ等の不良の発生もなく、高密度の
プリント配線板を作成することができる。更には、加工
速度はドリルであける場合に比べて格段に速く、生産性
も良好で、経済性にも優れているものが得られた。
に、補助材料を配置し、その補助材料を加工するに十分
なエネルギーの炭酸ガスレーザーを、まず1ショット照
射して補助材料を加工除去する。次の2ショット目は、
1ショット目より高エネルギーの炭酸ガスレーザーを照
射して表層の銅箔を加工除去する。その後、適正な炭酸
ガスレーザーエネルギーを用いて、目的とする貫通孔及
び/又はブラインドビア孔を形成していく。
生するが、この場合、高圧でエッチング液を吹き付ける
か、吸引して孔内を通し、内外層の銅箔のバリを溶解除
去する。この際に、表層の銅箔が厚い場合には、同時に
厚さ方向の一部をエッチング除去し、厚さ2〜7μm、好
適には3〜5μmとする。その後、定法にて全体を銅メッ
キし、回路形成等を行ってプリント配線板を作成する。
要な銅箔とは、一般に公知の電解銅箔が挙げられる。こ
の銅箔は、外層用としては、好適には厚さ3〜12μmの電
解銅箔、内層板には厚さ9〜35μmのものが好適に使用さ
れる。
層以上、好適には2層以上の銅の層が存在する銅張板、
多層板であり、基材補強されたもの、フィルム基材のも
の、補強基材の無い樹脂単独のもの等が使用可能であ
る。しかしながら、寸法収縮等の点からガラス布基材銅
張板が好ましい。又、高密度の回路を作成する場合、表
層の銅箔は、最初から薄いものを使用できるが、好適に
は、9〜12μmの厚い銅箔を積層成形しておいて、孔あけ
後に表層の銅箔をエッチング液で2〜7μm、好適には3〜
5μmまで薄くしたものを使用する。
機、無機の織布、不織布が使用できる。具体的には、無
機の繊維としては、Eガラス、Sガラス、Dガラス、M
ガラス等の繊維が挙げらる。又、有機繊維としては、全
芳香族ポリアミド、液晶ポリエステル、ポリベンザゾー
ルの繊維等が挙げられる。これらは、混抄でも良い。ポ
リイミドフィルム等のフィルム類も使用可能である。
組成物の樹脂としては、一般に公知の熱硬化性樹脂が使
用される。具体的には、エポキシ樹脂、多官能性シアン
酸エステル樹脂、多官能性マレイミドーシアン酸エステ
ル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、不飽和基含有ポリフ
ェニレンエーテル樹脂等が挙げられ、1種或いは2種類以
上が組み合わせて使用される。出力の高い炭酸ガスレー
ザー照射による加工でのスルーホール形状の点からは、
ガラス転移温度が150℃以上の熱硬化性樹脂組成物が好
ましく、耐湿性、耐マイグレーション性、吸湿後の電気
的特性等の点から多官能性シアン酸エステル樹脂組成物
が好適である。
能性シアン酸エステル化合物とは、分子内に2個以上の
シアナト基を有する化合物である。具体的に例示する
と、1,3-又は1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシア
ナトベンゼン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-
ジシアナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレ
ン、4,4-ジシアナトビフェニル、ビス(4-ジシアナトフ
ェニル)メタン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(3,5-ジブロモー4-シアナトフェニル)プロ
パン、ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シ
アナトフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニ
ル)スルホン、トリス(4-シアナトフェニル)ホスファイ
ト、トリス(4-シアナトフェニル)ホスフェート、および
ノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得られる
シアネート類などである。
8、同44-4791、同45-11712、同46-41112、同47-26853及
び特開昭51-63149号公報等に記載の多官能性シアン酸エ
ステル化合物類も用いられ得る。また、これら多官能性
シアン酸エステル化合物のシアナト基の三量化によって
形成されるトリアジン環を有する分子量400〜6,000のプ
レポリマーが使用される。このプレポリマーは、上記の
多官能性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ル
イス酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級ア
ミン類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒とし
て重合させることにより得られる。このプレポリマー中
には一部未反応のモノマーも含まれており、モノマーと
プレポリマーとの混合物の形態をしており、このような
原料は本発明の用途に好適に使用される。一般には可溶
な有機溶剤に溶解させて使用する。
が使用できる。具体的には、液状或いは固形のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ブ
タジエン、ペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、ジシ
クロペンチルエーテル等の二重結合をエポキシ化したポ
リエポキシ化合物類;ポリオール、水酸基含有シリコン
樹脂類とエポハロヒドリンとの反応によって得られるポ
リグリシジル化合物類等が挙げられる。これらは1種或
いは2種類以上が組み合わせて使用され得る。
のが使用され得る。具体的には、多官能性マレイミド類
とポリアミン類との反応物、特公昭57-005406 に記載の
末端三重結合のポリイミド類が挙げられる。これらの熱
硬化性樹脂は、単独でも使用されるが、特性のバランス
を考え、適宜組み合わせて使用するのが良い。
本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて種々の
添加物を配合することができる。これらの添加物として
は、不飽和ポリエステル等の重合性二重結合含有モノマ
ー類及びそのプレポリマー類;ポリブタジエン、エポキ
シ化ブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジエン-
アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ブタジ
エン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、ブチルゴ
ム、フッ素ゴム、天然ゴム等の低分子量液状〜高分子量
のelAsticなゴム類;ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン、ポリ-4-メチルペンテン、ポリスチレン、
AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、スチレン-イソプレンゴ
ム、ポリエチレン-プロピレン共重合体、4-フッ化エチ
レン-6-フッ化エチレン共重合体類;ポリカーボネート、
ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエステ
ル、ポリフェニレンサルファイド等の高分子量プレポリ
マー若しくはオリゴマー;ポリウレタン等が例示され、
適宜使用される。また、その他、公知の有機、無機の充
填剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レ
ベリング剤、光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、
チキソ性付与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組
み合わせて用いられる。必要により、反応基を有する化
合物は硬化剤、触媒が適宜配合される。
組成物の中に、絶縁性無機充填剤を添加できる。特に炭
酸ガスレーザー孔あけ用としては、孔の形状を均質にす
るために10〜80重量%、好ましくは、20〜70重量%添加す
る。絶縁性無機充填剤の種類は特に限定はない。具体的
には、タルク、焼成タルク、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、カオリン、アルミナ、ウオラストナイ
ト、合成雲母等が挙げられ、1種或いは2種以上を配合
して使用する。
より硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済性等に劣
る場合には、使用した熱硬化性樹脂に対して公知の熱硬
化触媒を用い得る。使用量は、熱硬化性樹脂100重量部
に対して0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部で
ある。
融点900℃以上で、且つ、結合エネルギー300kJ/mol 以
上の金属化合物としては、一般に公知のものが使用でき
る。具体的には、酸化物としては、酸化銅等の銅酸化物
類;酸化チタン等のチタニア類;酸化マグネシウム等の
マグネシア類;酸化ニッケル等のニッケル酸化物類;二
酸化マンガン等のマンガン酸化物類;酸化亜鉛等の亜鉛
酸化物類;酸化コバルト等のコバルト酸化物類;酸化錫
等のスズ酸化物類;酸化タングステン等のタングステン
酸化物類;二酸化珪素、酸化アルミニウム、希土類酸化
物等が挙げられる。非酸化物としては、窒化硼素、窒化
珪素、窒化チタン、窒化アルミニム、硫酸バリウム、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ、希土類酸硫化物
等が挙げられる。その他、酸化金属粉の混合物である各
種ガラス粉が挙げられる。カーボン粉も挙げられる。
又、錫、銀、鉄、ニッケル等の一般に公知の金属粉が挙
げられる。これらは、1種或いは2種以上が組み合わせ
て使用される。使用量は、3〜97容積%、好ましくは5〜
95容積%であり、粒子径は、好適には1μm以下のものが
使用される。
か、溶融して飛散するために、金属が孔壁に付着して、
半導体チップ、孔壁密着性に影響の及ぼさないものが好
ましい。Na、K、Clイオン等は、特に半導体の信頼性に
悪影響を及ぼすため、これらの成分を含むものは好まし
くない。
く、一般に公知のものが使用できるが、孔あけ加工後に
除去した場合、銅箔表面に付着することがあり、その後
の溶解除去の点からは水溶性樹脂が好ましい。例えば、
ポリエステル樹脂、ポレエーテル樹脂、ポリビニルアル
コール樹脂、澱粉等が使用される。この場合、上記の各
種添加物を配合することが可能である。
作成する方法、或いはシート状にする方法は特に限定し
ないが、ニーダー等で無溶剤にて高温で練り、熱可塑性
フィルム上にシート状に押し出して付着する方法、酸性
樹脂を溶剤に溶解させ、これに上記粉体を加え、均一に
攪拌、混合して、これを用い、塗料として銅箔面に塗
布、乾燥してと膜とするか、熱可塑性フィルム上に塗
布、乾燥して膜を形成する方法等、一般に公知の方法が
使用できる。厚みは特に限定はしないが、好適には、塗
布する場合、塗膜の厚さは30〜100μm、フィルムに塗布
して塗膜付きフィルムとした場合には、総厚み30〜200
μmとする。
合、塗布樹脂層を銅箔面に向け、加熱ロールにて、温度
は一般に40〜150℃、好ましくは60〜120℃で、線圧は一
般に1〜20kgf、好ましくは2〜10kgfの圧力でラミネー
トし、樹脂を溶融させて銅箔面と密着させる。ラミネー
ト温度の選択は、使用する樹脂の融点以上であり、又、
線圧、ラミネート速度によっても異なるが、一般には樹
脂の融点より5〜20℃高い温度でラミネートする。
が使用される。エネルギーは、好適には5〜60mJ/パルス
で、所定パルス照射して孔あけする。孔あけにおいて
は、まず低エネルギーで表層の補助材料層を1ショット
で孔あけ加工除去する。この場合、補助材料層単独、或
いは補助材料層を孔あけ加工し、且つ、銅箔表面を厚さ
方向に一部加工しても良い。しかしながら、銅箔を溶融
させるようなエネルギーを照射して、銅箔を溶融させ、
それをそのままにして、その次のショットを照射する
と、溶融していた銅が飛び散り、その上にあるFθレン
ズ汚染し、その後に孔あけがうまくいかない問題点が生
じる。従って、孔径、孔形状、孔品質を良くし、レンズ
の汚染が極めて少ない孔あけ方法として、本発明で見い
だした方法が優れている。銅箔の孔あけ加工後は、貫通
孔及び/ブラインドビア孔を形成するにあたり、同一エ
ネルギーを照射して孔あけする方法、エネルギーを途中
で高くするか、低くして孔あけする方法、いずれの方法
でも使用し得る。
いて、孔周囲に銅箔のバリが発生する。孔部に発生した
銅のバリをエッチング除去する方法としては、特に限定
しないが、例えば、特開平02-22887、同02-22896、同02
-25089、同02-25090、同02-59337、同02-60189、同02-1
66789、同03-25995、同03-60183、同03-94491、同04-19
9592、同04-263488号公報で開示された、薬品で金属表
面を溶解除去する方法(SUEP法と呼ぶ)による。エ
ッチング速度は、一般には0.02〜1.0μm/秒 で行う。ま
た、内層の銅箔バリをエッチング除去する場合、同時に
銅箔の表面の一部をもエッチング除去し、厚さ2〜7μ
m,、好適には3〜5μmとすることにより、その後の銅メ
ッキされた銅箔に細密なパターンを形成でき、高密度の
プリント配線板とすることができる。
酸ガスレーザーによるレーザーマシーンテーブルの損傷
を防ぐために、単に金属板を配置することも可能である
が、好ましくは、金属板の表面の少なくとも一部を接着
させた樹脂層を銅張多層板の裏面銅箔と接着させてバッ
クアップシートとして配置し、貫通孔あけ後に樹脂層と
金属板を剥離除去する。
が接着していた面には1μm程度の樹脂層が銅箔表面に残
存する場合が殆どである。この樹脂層は、エッチング前
にデスミア処理等の一般に公知の処理で事前に除去が可
能であるが、液が小径の孔内部に到達しない場合、内層
の銅箔表面に残存する樹脂層の除去残が発生し、銅メッ
キとの接続不良になる場合がある。従って、より好適に
は、まず気相で孔内部を処理して樹脂の残存層を完全に
除去し、次いで孔内部及び表裏の銅箔バリをエッチング
除去する。
可能であるが、例えばプラズマ処理、低圧紫外線処理等
が挙げられる。プラズマは、高周波電源により分子を部
分的に励起し、電離させた低温プラズマを用いる。これ
は、イオンの衝撃を利用した高速の処理、ラジカル種に
よる穏やかな処理が一般には使用され、処理ガスとし
て、反応性ガス、不活性ガスが使用される。反応性ガス
としては、主に酸素が使用され、科学的に両面処理をす
る。不活性ガスとしては、主にアルゴンガスを使用す
る。このアルゴンガス等を使用し、物理的な表面処理を
行う。物理的な処理は、イオンの衝撃を利用して表面を
クリーニングする。低紫外線は、波長が短い領域の紫外
線であり、波長として、184.9nm、253.7nm がピークの
短波長域の波長を照射し、樹脂層を分解除去する。
能である。また銅メッキで孔内部を一部、好適には80容
積%以上充填することもできる。
明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表
す。
4−シシアナトベンゼン300部、ビス(4-マレイミド
フェニル)エーテル100部を150℃で溶融させ、撹拌しな
がら4時間反応させ、プレポリマーを得た。これをメチ
ルエチルケトンとジメチルホルムアミドの混合溶剤に溶
解した。これにビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品
名:エピコート1001、油化シェルエポキシ<株>製)80
0部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:ES
CN-220F、住友化学工業<株>製)200部を加え、均
一に溶解混合した。更に触媒としてオクチル酸亜鉛0.4
部を加え、溶解混合し、これに無機充填剤(商品名:焼成
タルク、日本タルク<株>、平均粒子径4μm)2000部、及
び黒色顔料8部を加え、均一撹拌混合してワニスAを得
た。このワニスを厚さ100μmのガラス織布に含浸し150
℃で乾燥して、ゲル化時間(at170℃)110秒、ガラス
織布の含有量が50重量%のプリプレグ(プリプレグB)を
作成した。
厚さ12μmの電解銅箔を配置し、200℃、20kgf/cm2、30m
mHg以下の真空下で2時間積層成形し、両面銅張積層板C
を得た。一方、金属化合物粉としてMgO(54重量%)、SiO2
(46重量%)からなる混合物粉(平均粒子径:0.9μm)
を、水溶性ポリエステル樹脂を水とメタノール混合溶剤
に溶解したワニスに加え、均一に攪拌混合してワニスD
を得た。このワニスDを、厚さ50μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムの片面に塗布し、110℃で乾燥し
て補助材料Eを得た。又、厚さ50μmのアルミニウム箔
の片面に塗布、乾燥してバックアップシートFとした。
これらの補助材料E及びバックアップシートFを銅張積
層板Cの上及び下面に樹脂層が銅箔側を向くように置き
(図1(1))、100℃のホットロールで、線圧5kgfで
ラミネートして貼り付けた後、100μmの孔があくように
作成したマスクを通して、この上面から出力10mJで1シ
ョット照射して表層の補助材料Dだけを孔あけした(図
1(2))。このとき、表面の銅箔は加工されていなか
った。2ショット目は出力25mJを照射し、銅箔を加工し
て孔径100μmの孔をあけた(図1(3))。その後、出
力20mJ/パルスで8ショット照射して、貫通孔をあけた
(図2(4))。
トを剥離除去し、プラズマ装置の中に入れて処理した
後、SUEP液を高速で吹き付けて、表裏のバリを溶解
除去すると同時に、表層の銅箔を4μmまで溶解した(図
2(5))。デスミア処理後、銅メッキを15μm付着さ
せ(図2(6))、既存の方法にて回路(ライン/スペー
ス=50/50μm)、ハンダボール用パッド等を形成し、少
なくとも半導体チップ搭載部、ボンディング用パッド
部、ハンダボールパッド部を除いてメッキレジストで被
覆し、ニッケル、金メッキを施し、プリント配線板を作
成した。このプリント配線板の評価結果を表1に示す。
ポキシ<株>製> 300部、及びエポキシ樹脂(商品名:ESC
N220F、住友化学工業<株>製)700部、ジシアンジアミ
ド35部、2-エチル-4-メチルイミダゾール1部をメチルエ
チルケトンとジメチルホルムアミドの混合溶剤に溶解
し、均一に攪拌混合してワニスとした。これを厚さ100
μmのガラス織布に含浸、乾燥して、ゲル化時間150秒、
ガラス布の含有量48重量%のプリプレグG、厚さ50μmの
ガラス布に含浸、乾燥させてゲル化時間170秒、ガラス
布の含有量31重量%のプリプレグHを作成した。
μmの電解銅箔を置き、190℃、20kgf/cm2、30mmHgで積
層成形し、両面銅張積層板Iを得た。この板の表裏に回
路を形成後、黒色酸化銅処理を施した後、上下に上記プ
リプレグHを各1枚置き、その両外側に厚さ12μmの電
解銅箔を重ね、同様に積層成形して4層の多層板Iを作
成した。その後、この4層板の表面に、実施例1で作成
した補助材料Eを、樹脂側が銅箔面を向くように配置
し、実施例1と同様にラミネートして接着させた。この
上側から10mJで1ショット照射して銅箔を加工せずに補
助材料を加工除去した。次に20mJで1ショット照射し、
孔径100μmのブラインドビア孔をあけた。更に、15mJ
で1ショット照射してブラインドビア孔底部の銅箔の表
層一部を加工除去した。これにSUEP処理を行い、外層の
銅箔バリを溶解除去するとともに、表層の銅箔の厚みを
3μmとした後、過マンガン酸カリウム水溶液にてデスミ
ア処理を行なって、同様に銅メッキを行い、同様にプリ
ント配線板とした。評価結果を表1に示す。
スレーザーで同様に孔あけを行なったが、孔はあかなか
った。
ーザーエネルギー80mJで10ショット照射し(図
3)、10万個の貫通孔をあけた。銅箔に孔があいたが、
溶融した銅が飛散し、Fθレンズに銅がかなり付着、汚
染され、拭いても除去できなかった。パワーモニタで出
力をチェックしたところ、出力が25%ダウンしてい
た。
アンジアミド70部、2ーエチルイミダゾール2部をメチル
エチルケトンとジメチルホルムアミドの混合溶剤に溶解
し、更に実施例1の絶縁性無機充填剤を800部加え、攪
拌混合して均一分散してワニスを得た。これを厚さ100
μmのガラス織布に含浸、乾燥して、ゲル化時間140秒
(at170℃),ガラス含有量52重量%のプリプレグJ、ゲ
ル化間180秒、厚さ50μmのガラス織布を使用しガラス含
有量35重量%のプリプレグKを得た。このプリプレグJ
を2枚使用し、両面に12μmの電解銅箔を置き、180℃、2
0kgf/cm2、30mmHg以下の真空下で2時間積層成形して両
面銅張積層板Lを得た。この積層板Lの両面に回路を形
成し、黒色酸化銅処理後、その両面にプリプレグLを各
1枚置き、その外側に12μm銅箔を配置し、同様に積層成
形した。これを用い、メカニカルドリルにて孔径150μm
の貫通孔をあけ、SUEP処理を行わず同様に銅メッキを施
し、同様にプリント配線板とした。評価結果を表1に示
す。
μmの電解銅箔を配置し、同様に積層成形して両面銅張
積層板を作成した。この両面銅張積層板を用い、内層の
スルーホールとなる箇所の銅箔を孔径100μmとなるよう
に上下銅箔をエッチング除去し、回路を形成した後、銅
箔表面を黒色酸化銅処理して、その外側にプリプレグH
を置き、その外側に12μmの電解銅箔を配置し、同様に
積層成形して4層板を作成した(図4(1))。この多
層板を用い、貫通孔を形成する表面の位置に孔径100μ
mの孔を900個、銅箔をエッチングしてあけた。同様に
裏面にも同じ位置に孔径100μmの孔を900個、銅箔をエ
ッチングしてあけた。1パターン900個を70ブロック、
合計63,000の孔を、表面から炭酸ガスレーザーで、出力
15mJ/パルスにて4ショットかけ、貫通孔をあけた(図
4(2))。後は比較例3と同様にして、SUEP処理を行
わずに、デスミア処理を1回施し、銅メッキを15μm施
し(図4(3))、表裏に回路を形成し、同様にプリン
ト配線板を作成した。評価結果を表1に示す。
ら、補助材料と銅箔を同時に加工できたが、孔径がマス
ク径より大きめとなった。
のアクリル板を使用し、35mJで10ショット照射して(図
5)貫通孔を形成した。10万孔孔あけした後、Fθレン
ズの汚れをパワーモニタで測定した、12%出力がダウン
していた。
ロック として70ブロック(孔計63,000孔)作成した。
炭酸ガスレーザー及びメカニカルドリルで孔あけを行な
い、1枚の銅張板に63,000孔をあけるに要した時間、及
び表裏ランド用銅箔と孔との隙間、及び内層銅箔のズレ
の最大値を示した。 2)回路パターン切れ、及びショート 実施例、比較例で、孔のあいていない板を同様に作成
し、ライン/スペース=50/50μmの櫛形パターンを作成
した後、拡大鏡でエッチング後の200パターンを目視に
て観察し、パターン切れ、及びショートしているパター
ンの合計を分子に示した。 3)ガラス転移温度 DMA法にて測定した。 4)スルーホール・ヒートサイクル試験 各スルーホール孔にランド径250μmを作成し、900孔を
表裏交互につなぎ、1サイクルが、260℃・ハンダ・浸せ
き30秒→室温・5分 で、500サイクルまで実施し、抵抗
値の変化率の最大値を示した。 5)スルーホール、ブラインドビア孔径 銅箔をエッチング除去し、表裏の孔径を各ブロック100
個測定した。 6)出力down 備え付けのパワーモニタで測定した。 7)耐マイグレーション性(HAST) 孔形100μm又は150μm(メカニカルドリル)のスルーホ
ールをそれぞれ表裏交互に1個ずつつないで、合計50
個つなぎ、このつないだもの2組が孔壁間150μmで
平行となるようにして、合計100セット作成し、130℃、
85%RH、1.8VDCにて所定時間処理後に、取り出し、スル
ーホール間の絶縁抵抗値を測定した。
この上から炭酸ガスレーザーを照射する際に、まず1シ
ョット目で表層の補助材料を孔あけ加工し、2ショット
目で表面の銅箔を孔あけ加工して孔をあけることによ
り、孔形状、孔品質、孔径の優れた貫通孔及び/又はブ
ラインドビア孔が形成された。又下面には樹脂層の付着
した金属板を配置することにより、下面の銅箔を孔あけ
加工除去した際の溶融した銅の上側への飛散を小さくで
き、Fθレンズの汚染を極めて少なくできる。更にメカ
ニカルドリリングに比べて格段に加工速度が速く、生産
性について大幅に改善でき、又、その後、孔部に発生し
た銅箔バリを溶解除去すると同時に、銅箔の表面の一部
を溶解し、厚さを2〜7μmとすることにより、その後の
銅メッキによるメッキアップにおいても、細密パターン
を形成することができ、高密度のプリント配線板を作成
することができた。
積層板(1)、炭酸ガスレーザーによる貫通孔あけの1
ショット目(2)、2ショット目(3)の工程図であ
る。
Pによるバリ除去及び表層の銅箔のエッチング(5)、
銅メッキ(6)の工程図である。
による孔あけ及び銅メッキの工程図である(SUEP無
し)。
Claims (4)
- 【請求項1】 銅張板の銅箔表面に、融点900℃以上
で、且つ結合エネルギー300kJ/mol 以上の金属化合物
粉、カーボン粉、又は金属粉の1種或いは2種以上を3
〜97容積%配合した樹脂組成物からなる補助材料を配置
し、この上から、銅箔を加工するに十分なエネルギーの
炭酸ガスレーザーを、パルス発振にて直接照射して貫通
孔及び/又はブラインドビア孔を形成する炭酸ガスレー
ザーによる孔形成方法において、1ショット目は表層の
補助材料層を孔あけ加工し、且つその下の銅箔は貫通し
ない程度とし、2ショット目は1ショット目より高エネ
ルギーを照射して銅箔を貫通することを特徴とする炭酸
ガスレーザーによる銅張板への孔形成方法。 - 【請求項2】 該炭酸ガスレーザーエネルギーが、5〜6
0mJの範囲から選ばれることを特徴とする請求項1記載の
炭酸ガスレーザーによる銅張板への孔形成方法。 - 【請求項3】 貫通孔を形成する際に、下面銅箔と接す
るように樹脂層を配置し、その下に樹脂と少なくとも一
部接着した金属板を配置することを特徴とする請求項1
又は2記載の炭酸ガスレーザーによる銅張板への孔形成
方法。 - 【請求項4】 該炭酸ガスレーザー孔あけ後、孔周辺に
発生した銅箔バリを薬液で除去するとともに、銅箔表面
の一部を平面的にエッチングすることを特徴とする請求
項1、2又は3記載の炭酸ガスレーザーによる銅張板へ
の孔形成方法。
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JP2000123444A JP4854834B2 (ja) | 2000-04-25 | 2000-04-25 | 炭酸ガスレーザーによる銅張板への孔形成方法 |
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