JP2001307567A - 透明導電膜付き基板及びその製造方法 - Google Patents

透明導電膜付き基板及びその製造方法

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JP2001307567A
JP2001307567A JP2000123845A JP2000123845A JP2001307567A JP 2001307567 A JP2001307567 A JP 2001307567A JP 2000123845 A JP2000123845 A JP 2000123845A JP 2000123845 A JP2000123845 A JP 2000123845A JP 2001307567 A JP2001307567 A JP 2001307567A
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conductive film
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etching
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Shunji Wada
俊司 和田
Shiyougo Kiyota
正悟 清田
Yukihiro Katou
之啓 加藤
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比抵抗が低く、しかも下地層の材質や表面性
状の相違に影響されることなく所望の電極パターンを容
易に製造することのできるようにした。 【解決手段】 ガラス基板1上にR・G・Bの色素膜か
らなる所定パターンの着色層2をストライプ状に形成し
(図3(a))、次いでガラス基板1が一部露出した形
で前記着色層2を高分子樹脂膜3で被覆し(図3
(b))、この後スパッタリング条件を調整し、比抵抗
が1.5×10-1Pa〜3.0×10-1Pa、膜厚が5
nm〜50nmの第1のITO膜4を積層し(図3
(c))、次いでアーク放電イオンプレーティング法に
より膜厚が100〜300nmの第2のITO膜を積層
し(図3(d))、しかる後、フォトレジストによりマ
スキングパターンを形成し、次いでHCl−FeCl3
をエッチング液としてエッチング処理を施し、その後レ
ジストを除去して電極パターンを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明導電膜付き基板
の製造方法に関し、特にカラー液晶ディスプレイの液晶
表示素子として使用される透明導電膜付き基板の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の透明導電膜付き基板は、一般
に、高分子樹脂膜を部分的に形成したガラス基板の表面
に透明導電膜が所定の電極パターンでもって積層されて
いる。また、透明導電膜材料としては酸化インジウムス
ズ(Indium Tin Oxide;以下、「ITO」という)が広
く使用されている。そして、透明導電膜の電極パターン
は、通常、フォトリソグラフィ法により形成されるが、
近年では、カラー表示化による画像の高精細化に伴い、
膜質の均一な電極パターンをパターニングすることが重
要となってきている。特に、高分子樹脂膜はガラス基板
の全面に形成されるのではなく、上述したようにガラス
基板上に部分的にしか形成されておらず、したがって、
異なる下地層間で均一な電極パターンを形成することが
要請される。
【0003】そして、斯かる透明導電膜付き基板として
は、従来より、高分子樹脂膜が部分的に形成されたガラ
ス基板とITO膜との間にSiO2膜を介在させること
により、均一なパターニング特性を得るようにした技術
が知られている(特開昭63−197903号公報;以
下、「第1の従来技術」という)。
【0004】該第1の従来技術では、ガラス基板と高分
子樹脂膜との材質の相違に起因する所謂アンダーエッチ
ングやオーバーエッチングが生じるのを回避し、均一な
電極パターンを有する透明導電膜付き基板を得ることが
できる。
【0005】また、他の従来技術としては、部分的に高
分子樹脂膜が形成されたガラス基板の表面に高抵抗な第
1のITO膜と低抵抗な第2のITO膜とをスパッタリ
ング法により順次積層し、ITO膜を二層構造とした技
術が知られている(特開平3−261005号公報;以
下「第2の従来技術」という)。
【0006】高分子樹脂膜上でのオーバーエッチングを
回避するには高抵抗なITO膜が有利とされていること
から、前記第2の従来技術では、低抵抗な膜厚100〜
1000nmの第2のITO膜と高分子樹脂膜との間に
高抵抗な膜厚10〜100nmの第1のITO膜を介在
させ、これによりパターニング特性の向上を図ってい
る。
【0007】一方、上述した透明導電膜付き基板の性能
面を考慮すると、電気抵抗が低いことが必要とされ、し
たがって比抵抗(抵抗率)の低い方が望ましく、また、
ITO膜と下地層との密着性が良好であることが必要と
されることから、ITO膜の圧縮応力が小さいことが望
まれる。
【0008】そこで、斯かる点に着目し、比抵抗を低く
し、圧縮応力を小さくした透明導電膜付き基板として、
スパッタリング法によりカラーフイルタの表面に第1の
ITO膜を形成し、アーク放電イオンプレーティング法
(アーク放電プラズマ法)により前記第1のITO膜の
表面に第2のITO膜を形成した技術が知られている
(特開平11−335815合公報;以下、「第3の従
来技術」という)。
【0009】該第3の従来技術では、スパッタリング法
により形成された第1のITO膜で圧縮応力を低減させ
て耐剥離性を向上させる一方、アーク放電イオンプレー
ティング法により形成された第2のITO膜で比抵抗を
低くし、これにより小さい圧縮応力と低い比抵抗を兼備
した透明導電膜付き基板を得ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の従来技術では、上述したSiO2膜の成膜速度が遅
く、SiO2膜を形成するために長時間を要するため、
生産性が悪く、生産コストが高くなるという問題点があ
った。
【0011】また、第2の従来技術では、ガラス基板上
と高分子樹脂膜上とではエッチング速度が異なり、高分
子樹脂膜上の方がガラス基板上よりもエッチング速度が
速いため、高分子樹脂膜上の方がガラス基板上よりもエ
ッチングされ易いという欠点がある。このため第2の従
来技術では、高分子樹脂膜上ではレジスト膜の下部にも
エッチング液が浸入してレジスト膜に覆われているIT
O膜までがエッチングされ、その結果高分子樹脂膜上の
ITO膜の幅(電極幅)がガラス基板上のITO膜の幅
に比べて狭くなってやせ細る所謂「やせ細り現象」が生
じるという問題点があった。すなわち、高分子樹脂膜は
内部にガスを含んでいるため、ITO膜は前記高分子樹
脂膜上では結晶性が低下してエッチング液に溶解され易
くなり、その結果、高分子樹脂膜上でのエッチング処理
はガラス基板上でのエッチング処理よりも早期に完了す
る。このため、ガラス基板上でのエッチング処理が完了
した時点でエッチング工程を終了すると、高分子樹脂膜
上ではITO膜を被覆しているレジスト膜の下部にまで
エッチング液が浸入して該ITO膜を侵食し、その結
果、上述した「やせ細り現象」が生じるという問題点が
あった。
【0012】一方、斯かる「やせ細り現象」の発生を回
避するために、高分子樹脂膜上でのエッチング処理が完
了した時点でエッチング工程を終了させた場合は、ガラ
ス基板上にはエッチングされるべきITO膜が残存し、
したがってエッチング残滓が生じ、電気的な絶縁不良を
招来する虞があるという問題点があった。
【0013】すなわち、上記第2の従来技術では、高分
子樹脂層とガラス基板とのエッチング速度差による影響
を受け、上述した「やせ細り現象」やガラス基板上での
エッチング残滓が生じ、その結果所望の均一な電極パタ
ーンを形成することができなくなって液晶表示素子とし
ての表示機能を損なう虞があるという問題点があった。
【0014】さらに、第3の従来技術では、小さい圧縮
応力と低い比抵抗を兼備した透明導電膜付き基板を得る
ことができるものの、電極パターンを均一にパターニン
グする点に着目したものではなく、したがって均一な電
極パターンを形成するという点については何ら解決され
ていないという問題点があった。
【0015】また、液晶表示素子は、通常、大判のガラ
ス板から多数の液晶セルを作製する所謂「多面取り」に
より製造されるが、上記第3の従来技術では、ガラス基
板の一方の表面全域にカラーフィルタが形成され、さら
に該カラーフィルタの表面全域に第1及び第2のITO
膜が形成されているため、多面取り作業で所望の電極取
出部を得るのが困難であるという問題点があった。
【0016】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであって、比抵抗が低く、しかも下地層の材質や表
面性状の相違に影響されることなく所望の電極パターン
を容易に得ることのできる透明導電膜付き基板及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】部分的に高分子樹脂膜が
形成されたガラス基板のように表面性状の異なる異種材
質を下地層とする場合、フォトリソグラフィ法を適用し
て所望の均一なパターンニングを行うには、下地層に積
層される積層膜のエッチング液に対する溶解性を増大さ
せるのが好ましいと考えられる。すなわち、エッチング
液に対する積層膜の溶解性が増大するとエッチング速度
が速くなり、したがって、下地層の材質や表面形状の相
違に起因するエッチング速度差よりも前記積層膜自体の
有するエッチング速度が支配的となり、このため下地層
が異なる場合であっても下地層の差異によるエッチング
速度の影響は相対的に低下し、これにより所望の均一な
パターニングを行うことができると考えられる。
【0018】そこで、本発明者等は斯かる観点から、透
明導電膜のエッチング液に対する溶解性について鋭意研
究したところ、部分的に高分子樹脂膜が形成されたガラ
ス基板上にスパッタリング法で透明導電膜を形成すると
共に、スパッタリング条件を調整して比抵抗を所定値以
下とすることにより、エッチング液に対する溶解性が増
大してエッチング速度が上昇し、これにより部分的に高
分子樹脂膜が形成された透明基板上に透明導電膜の電極
パターンを形成する場合であっても、下地層(透明基板
及び高分子樹脂膜)の差異によるエッチング速度差の影
響を受けることなく所望の均一な電極パターンを形成す
ることができるという知見を得た。
【0019】ところが、液晶表示素子に使用される透明
導電膜付き基板においては、性能面を考慮すると、透明
導電膜の比抵抗を極力低くするのが望ましいが、スパッ
タリング法ではスパッタリング条件を調整しても比抵抗
を低くするには限界がある。
【0020】一方、透明導電膜をアーク放電イオンプレ
ーティング法で形成した場合は、スパッタリング法で形
成した場合に比べ、比抵抗を相対的に低くすることがで
き(約0.8倍)、しかもスパッタリング法に比べ、短
時間で膜形成を行なうことができることが知られてい
る。例えば、スパッタリング法における成膜速度が2×
10-9m/secであるのに対し、アーク放電イオンプレ
ーティング法における成膜速度は9×10-9m/secと
速く、アーク放電イオンプレーティング法は、スパッタ
リング法に比べ、約5倍の成膜速度で膜形成を行なうこ
とができる。
【0021】すなわち、本発明者等は、スパッタリング
法で比抵抗が所定値以下の第1の透明導電膜を形成した
後、アーク放電イオンプレーティング法で第2の透明導
電膜を形成することにより、透明導電膜を二層構造と
し、該二層構造からなる透明導電膜にエッチング処理を
施すことにより、比抵抗が低く、しかもパターニング特
性に優れた透明導電膜付き基板を得ることができるとい
う知見を得た。
【0022】本発明はこのような知見に基づきなされた
ものであって、本発明に係る透明導電膜付き基板の製造
方法は、部分的に高分子樹脂膜が形成された透明基板上
に所定値以下の比抵抗を有する第1の透明導電膜をスパ
ッタリング法で形成した後、アーク放電イオンプレーテ
ィング法により前記第1の透明導電膜の表面に第2の透
明導電膜を形成し、その後、前記第2の透明導電膜の表
面を所定パターンのレジストで被覆し、しかる後、前記
レジストで被覆されていない部位の前記第1及び第2の
透明導電膜をエッチング液でエッチング除去することを
特徴としている。
【0023】上記製造方法によれば、スパッタリング法
により比抵抗が所定値以下に制御された第1の透明導電
膜を形成しているので、透明導電膜のエッチング速度が
大きくなり、透明基板上と高分子樹脂膜上のエッチング
速度差の影響が相対的に低下して透明基板上と高分子樹
脂膜上とでエッチング速度は略同等となり、これにより
高分子樹脂膜を覆っているレジストの下部にエッチング
液が浸入してアンダーエッチングされたり、透明基板上
にエッチング残滓が生じるのを回避することができる。
【0024】さらに、該第1の透明導電膜上にはアーク
放電イオンプレーティング法により第2の透明導電膜が
積層されているので、膜全体の比抵抗を所望の低比抵抗
に制御することが可能となる。
【0025】このように上記製造方法によれば、下地層
の材質や表面状態の相違に影響されることのないパター
ニング特性に優れた低比抵抗の透明導電膜付き基板を得
ることができる。
【0026】しかも、スパッタリング法により形成され
る膜は、下地層との密着性にも優れ、したがって、耐剥
離性にも優れた透明導電膜付き基板を得ることができ
る。
【0027】前記第1の透明導電膜の比抵抗の前記所定
値は、具体的には、3.0×10-2Ω・m以下とするの
が好ましく、第1の透明導電膜の比抵抗を、3.0×1
-2Ω・m以下に制御することにより、該第1の透明導
電膜のエッチング液に対する溶解性が増大してエッチン
グ速度を上昇させることができ、エッチング液に対する
下地層の及ぼす影響を抑制することができる。
【0028】また、透明導電膜のエッチング速度を上昇
させるためには、エッチング液として、特にHCl(塩
酸)とFeCl3(塩化第二鉄)の混合物を使用するの
が好ましい。
【0029】また、第1の透明導電膜の膜厚は5nm〜
50nmとすることが好ましく、このように第1の透明
導電膜の膜厚を5nm〜50nmとすることにより、第
2の透明導電膜の膜厚が過度に厚くならない範囲で該第
2の透明導電膜の膜厚を前記第1の透明導電膜に比べて
相対的に厚くすることにより、透明導電膜の全体の比抵
抗を小さくすることができる。また、第1及び第2の透
明導電膜の膜厚の総計が過度に厚くなるのを回避するこ
とにより、透明導電膜の透過性を損なうのを回避するこ
ともできる。
【0030】また、本発明に係る透明導電膜付き基板
は、部分的に高分子樹脂膜が形成された透明基板上に所
定値(3.0×10-2Ω・m)以下の比抵抗を有する第
1の透明導電膜がスパッタリング法により形成され、さ
らに該第1の透明導電膜の表面に第2の透明導電膜がア
ーク放電イオンプレーティング法により形成されている
ことを特徴としている。
【0031】上記透明導電膜付き基板によれば、第1及
び第2の透明導電膜が透明基板上にも積層されているの
で、所望の電極取出部を透明基板上に容易に形成するこ
とができ、多面取り作業にも好適したものとなる。
【0032】また、前記第1及び第2の透明導電膜の比
抵抗の総計が、1.5×10-2Ω・m以下とすることに
より、導電性の優れた透明導電膜付き基板を得ることが
できる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳説する。
【0034】図1は本発明に係る製造方法で製造された
透明導電膜付き基板の要部平面図であり、図2は図1の
X−X断面図である。
【0035】図1及び図2において、1はソーダライム
シリケート等からなる矩形形状のガラス基板であって、
該ガラス基板1の上面にはR(赤)・G(緑)・B
(青)のカラーフィルタとしての着色層2が色素膜幅
W、色素膜間隔Tでもってストライプ状に形成され、さ
らに、該着色層2には、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、
或いはポリイミド樹脂等からなる高分子樹脂膜3(オー
バーコート層)がガラス基板1の一部を露出した形で被
覆されている。そして、高分子樹脂膜3及びガラス基板
1の露出部1aには透明導電膜としての膜厚5nm〜5
0nmの第1のITO膜4が前記着色層2と直交状に所
定の電極パターン形状でもって積層され、さらに該第1
のITO膜4の表面には膜厚100nm〜300nmの
第2のITO膜5が積層されている。すなわち、透明導
電膜は、第1のITO膜4と第2のITO膜5の二層構
造とされると共に、電極幅D及び電極間スペースSの電
極パターンを形成している。
【0036】また、本実施の形態では、第1及び第2の
ITO膜4、5の比抵抗の総計が、1.5×10-2Ω・
m以下に設定されており、これにより該透明導電膜付き
基板に要求される導電性を確保している。
【0037】そして、本透明導電膜付き基板は、第1及
び第2のITO膜4、5がガラス基板1の露出部1a上
にも形成されており、これにより、該露出部1a上の第
1及び第2のITO膜4、5が電極取出部を形成し、多
面取り作業で容易に多数の透明導電膜付き基板を得るこ
とができる。
【0038】図3及び図4は、上記透明導電膜付き基板
の製造方法を示す製造工程図である。
【0039】まず、公知の感光性樹脂マトリックスに染
料や顔料を含有した樹脂材料を使用し、周知のフォトリ
ソグラフィ法により、図3(a)に示すように、膜厚1
μm〜3μmの着色層2を形成する。すなわちR・G・
Bの3色の色素膜パターンがストライプ状に順次繰り返
し並ぶように列設され、着色層2を形成する。
【0040】次いで、図3(b)に示すように、着色層
2を覆うと共に、第1及び第2のITO膜4、5の電極
取出部に相当するガラス基板1上の部位が露出するよう
に高分子樹脂を塗布して乾燥させ、これにより膜厚が約
0.5μmの高分子樹脂膜3を形成する。
【0041】尚、高分子樹脂としては、例えばアクリル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂を使用することが
できる。
【0042】次いで、スパッタリング法により、図3
(c)に示すように、高分子樹脂膜3が部分的に形成さ
れたガラス基板1の表面に膜厚5nm〜50nmの第1
のITO膜4を形成する。
【0043】図5は、第1のITO膜4の膜形成に使用
されるスパッタリング装置の概略構成図である。
【0044】すなわち、該スパッタリング装置8は、ス
パッタリングガスが導入されるガス導入口9と、装置内
部を減圧状態にするための真空排気口10と、被成膜物
としてのガラス基板1の供給・排出を行う開閉バルブ1
1a、11bが設けられている。そして、装置下部には
直流電源により負電圧が印加されるカソード12が配設
され、また、装置上部には加熱ヒータ14が配設されて
いる。
【0045】そして、該スパッタリング装置8では、カ
ソード12の表面にターゲット13として10wt%の
SnO2粉末を含有したIn23粉末の焼結成型体が載
置され、所定のスパッタリング条件下、スパッタリング
ガスをガス導入口9から供給し、加速されたスパッタリ
ングガスイオンをターゲット13に照射して弾き飛ば
す。そして、加熱ヒータ14により130℃〜250℃
に加熱されてコンベヤ15上を矢印A方向に搬送されて
いるガラス基板1の表面(図では下面)に成膜し、比抵
抗が1.5×10-2Ω・m〜3.0×10-2Ω・mの第
1のITO膜4を形成する。
【0046】すなわち、本実施の形態では、スパッタリ
ング条件を調整して比抵抗が1.5×10-2Ω・m〜
3.0×10-2Ω・mの第1のITO膜4を形成してい
る。具体的には、スパッタリング条件として、0.1vo
l%〜2vol%の酸素を含有したアルゴンガスをスパッタ
リングガスに使用し、スパッタリングガスのガス圧を
1.33×10-1Pa〜6.65×10-1Pa(1.0
×10-3Torr〜5.0×10-3Torr)、供給電力を10
0W〜600Wの範囲内に夫々制御し、これにより比抵
抗が1.5×10-2Ω・m〜3.0×10-2Ω・mの範
囲内に制御された第1のITO膜4を形成している。
【0047】このように本実施の形態で、第1のITO
膜4の比抵抗を1.5×10-2Ω・m〜3.0×10-2
Ω・mとしたのは以下の理由による。
【0048】すなわち、第1のITO膜4のエッチング
液に対する溶解性を増大させて該第1のITO膜4のエ
ッチング速度を上昇させると、下地層(ガラス基板1及
び高分子樹脂膜3)の相違に起因するエッチング速度差
の影響が相対的に低下し、このため異なる下地層間にお
いても均一な電極パターンを形成することが可能とな
る。
【0049】そして、エッチング液に対する第1のIT
O膜4の溶解性は,膜質の結晶性を低下させることによ
り増大し、さらに、ITO膜を構成する酸化インジウム
(In23)の酸素含有量を、化学量論的量よりも化学
式In23-Xで示されるような若干の酸素欠乏状態とす
ることにより第1のITO膜4の結晶性を低下させるこ
とができる。
【0050】すなわち、酸素含有量を化学量論的量より
も若干の酸素欠乏状態とすることにより化学量論的量を
保持している酸化インジウム(In23)に比べて結晶
配列に欠陥が生じ、これにより結晶性が低下してエッチ
ング液に対する溶解性が増大し、エッチング速度が上昇
する。つまり、第1のITO膜4が化学量論的量を保持
して形成された場合は、結晶性が良好であるためエッチ
ング性(エッチング液に対する溶解性)に劣り、その結
果エッチング速度が遅くなって下地層の材質や表面性状
に起因するエッチング速度差の影響をより大きく受け、
異なる下地層間では均一な電極パターンを形成するのが
困難となる。これに対し、第1のITO膜4が化学量論
的量よりも若干の酸素不足状態にある場合は結晶性が低
下し、その結果エッチング性が増大してエッチング速度
が上昇し、これにより下地層の材質や表面性状の相違の
影響が相対的に低下し、所望の均一な電極パターンを形
成することが可能となる。
【0051】そして、このように第1のITO膜4の結
晶性を低下させることによりエッチング液に対する溶解
性を増大させることができるが、結晶性を低下させると
比抵抗も小さくなることが知られている。そして、本実
施の形態では、上述したように、スパッタリングガスと
して0.1vol%〜2vol%の酸素を含有したアルゴンガ
スを使用し、スパッタリングガスのガス圧を1.33×
10-1Pa〜6.65×10-1Pa(1.0×10-3Tor
r〜5.0×10-3Torr)に調整することにより比抵抗
を1.5×10-2Ω・m〜3.0×10-2Ω・mの範囲
内に設定し、これにより第1のITO膜4のエッチング
性を向上させている。
【0052】すなわち、比抵抗が3.00×10-2Ω・
mを超えると第1のITO膜4における膜中の結晶配列
が良好となってエッチング液に対する第1のITO膜4
の溶解性が小さくなり、このためエッチング速度が低下
して下地層(ガラス基板1及び高分子樹脂膜3)間にお
けるエッチング速度差の影響を受け、所期の作用・効果
を得る上で好ましくない状態となる。
【0053】一方、比抵抗を1.5×10-2Ω・m未満
とすることは、現在のスパッタリング技術では工業的に
量産するのが困難であるという事情がある。すなわち、
比抵抗が1.5×10-2Ω・m未満のITO膜をスパッ
タリング法で形成する場合は、ガラス基板1の温度を3
00℃以上の高温に加熱して行う必要があり、しかもこ
の場合、成膜の再現性を良好なものとするためには、極
めて低い成膜速度で膜形成を行なわなければならず、量
産性に欠けるという事情がある。
【0054】そこで、本実施の形態では、比抵抗を1.
5×10-2Ω・m〜3.0×10-2Ω・mの範囲内に設
定している。
【0055】尚、後述するアーク放電イオンプレーティ
ング法では、低比抵抗のITO膜を容易に形成すること
ができるが、スパッタリング法で形成される膜とは膜質
が異なることから、アーク放電イオンプレーティング法
で上述した比抵抗の範囲のITO膜を形成しても、下地
層間において生じるエッチング速度差の影響は解決する
ことができない。
【0056】さらに、本実施の形態では、第1のITO
膜4の膜厚を5nm〜50nmに設定されているが、そ
れは以下の理由による。
【0057】すなわち、比抵抗が3.0×10-2Ω・m
以下の第1のITO膜4をスパッタリング法で形成する
ことにより、上述したように第1のITO膜4のエッチ
ング液に対する溶解性を増大させてエッチング速度を上
昇させることができるが、膜厚を5nm未満にすると膜
厚が薄すぎて上述した作用・効果を奏することができな
い。
【0058】一方、膜厚を50nm以上とすると比抵抗
の高い第1のITO膜4の膜厚が厚くなり過ぎ、したが
ってITO膜全体(第1のITO膜4及び第2のITO
膜5)の比抵抗を低くするためには第2のITO膜5の
膜厚を過度に厚くする必要があり、透明導電膜としての
透過性を損なう虞が生じる。つまり、所望の性能を有す
る液晶表示素子を得るためには、第1及び第2のITO
膜4、5の比抵抗を極力低くするのが望ましく、好まし
は1.5×10-2Ω・m以下とする必要があるが、第2
のITO膜5に比べて比抵抗の高い第1のITO膜4の
膜厚を50nm以上にすると、第2のITO膜5を過度
に厚くする必要があり、透明導電膜としての透過性を損
なう虞が生じる。
【0059】そこで、本実施の形態では、第1のITO
膜4の膜厚を5nm〜50nmに設定した。
【0060】次いで、アーク放電イオンプレーティング
法により、図3(d)に示すように、第1のITO膜4
の表面に膜厚100nm〜300nmの第2のITO膜
5を形成した。
【0061】図6は、第2のITO膜5の膜形成に使用
されるプラズマ蒸着装置の概略構成図である。
【0062】すなわち、該プラズマ蒸着装置16は、放
電ガスが導入されるガス導入口17と、装置内部を減圧
状態にするための真空排気口18と、被成膜物としての
ガラス基板1の供給・排出を行う開閉バルブ19a、1
9bとが設けられ、また装置側壁には円筒形状の水平磁
場発生用磁気コイル石21が装着され、さらに該水平磁
場発生用磁気コイル石21にはプラズマ発生ガン20が
挿着されている。また、装置下部には垂直磁場発生用磁
石22が配設され、さらに該垂直磁場発生用磁石22に
はITOの蒸着材料が充填された坩堝23が載置されて
いる。また、装置上部には加熱ヒータ24が配設されて
いる。
【0063】そして、該プラズマ蒸着装置16では、装
置内部を4×10-1Pa(3×10 -3Torr)に減圧する
と共に、ガス導入口17から10vol%〜20vol%の酸
素を含有したアルゴンガスを供給し、放電電流50A〜
200A下、プラズマ発生ガン20内でプラズマを発生
させる。そしてプラズマ発生ガン20内で発生したプラ
ズマは、水平磁場発生用磁気コイル21で水平方向に磁
場を形成して装置内部に引き出され、垂直磁場発生用磁
石22により破線で示すように約90°に折曲されて坩
堝23内の蒸着材料を照射し(符号25で示す)、これ
により蒸着材料を蒸発させ、コンベヤ26を矢印B方向
に搬送されているガラス基板1の第1のITO膜4の表
面に膜厚100〜300nmの第2のITO膜5を形成
する。
【0064】尚、第2のITO膜5の膜厚を100〜3
00nmに設定したのは以下の理由による。
【0065】すなわち、アーク放電イオンプレーティン
グ法で形成された第2のITO膜5は、比抵抗を小さく
する作用を呈するが、その膜厚を100nm未満にする
と、第1のITO膜4が有する比抵抗との関係から膜全
体の比抵抗を充分に低くすることができず、また、前記
膜厚が300nmを超えると、第1のITO膜4を含め
た全体の膜厚が厚くなりすぎる。
【0066】そこで、本実施の形態では、第2のITO
膜5の膜厚を100〜300nmに設定した。
【0067】次いで、このように第1及び第2のITO
膜4、5が形成されたガラス基板1に対し、図4(e)
〜(h)に示すように、周知のフォトリソグラフィ法を
適用して透明導電膜付き基板を製造する。
【0068】すなわち、図4(e)に示すように第2の
ITO膜5上にフォトレジスト6を塗布してプリべーク
した後、マスキング部7aを有するフォトマスク7を介
して上方から紫外線をガラス基板1上に照射し、フォト
レジスト6を感光し、次いで、現像、ポストベークを施
し、図4(f)に示すように、フォトマスクパターンを
レジストパターンに転写する。
【0069】次いで、エッチング液を使用し、図4
(g)に示すように、フォトレジスト6で被覆されてい
ない部分の第1及び第2のITO膜4、5をエッチング
除去する。
【0070】エッチング液としては、酸性エッチング液
であれば、特に限定されるものではなく、例えば、HC
lとFeCl3の混合液やHBr、或いはHCl、HN
3、及び水との混合物を使用することができるが、下
地層間の差異に起因するエッチング速度差の影響を回避
するためには、エッチング速度のより速いことが望まし
く、斯かる観点からはHClとFeCl3の混合液を使
用するのが最も好ましい。
【0071】そして、最後に、図4(h)に示すよう
に、フォトレジスト6を除去し、これにより透明導電膜
付き基板が製造される。
【0072】図7は図4(h)のY−Y矢視図である。
【0073】従来においては、ガラス基板1上と高分子
樹脂膜3上とのエッチング速度の相違から、フォトレジ
ストで覆われているレジスト下部にまでエッチング液が
浸入してレジスト下部のITO膜までもがエッチングさ
れ、その結果、仮想線に示すように、第1及び第2のI
TO膜4、5の電極幅Dがやせ細ってしまって狭くな
り、所望の均一な電極パターンの形成を行なうことがで
きない。
【0074】一方、電極幅Dがやせ細るのを回避するた
めに高分子樹脂膜3上でのエッチング処理が完了した時
点でエッチング工程を終了した場合は、エッチング除去
されるべきITO膜が残存してガラス基板1上にエッチ
ング残滓が生じる。そして、これは並設されている第1
及び第2のITO膜4、5間で電気的な絶縁不良を招来
する虞がある。
【0075】これに対して、本実施の形態では、第1の
ITO膜4のスパッタリング条件を調整して比抵抗が
1.5×10-2Ω・m〜3.0×10-2Ω・mとなるよ
うに第1のITO膜4を形成しているので、第1のIT
O膜4のエッチング液に対する溶解性が増大してエッチ
ング速度が上昇し、ガラス基板1上と高分子樹脂膜3上
とのエッチング速度差による影響が相対的に低くなり、
斯かる影響を受けることのない所望の均一な電極パター
ンを有する透明導電膜付き基板を製造することができ
る。
【0076】しかも、第1のITO膜4上にはアーク放
電イオンプレーティング法で形成された第2のITO膜
5が積層されているので、所望の低比抵抗を確保するこ
とができる。
【0077】
【実施例】次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0078】〔第1の実施例〕本発明者は、まず、スパ
ッタリング法によりガラス基板1上に第1のITO膜4
を形成した試験片と、アーク放電イオンプレーティング
法によりガラス基板1上に第2のITO膜5を形成した
試験片とを、夫々3枚ずつ作製し、異なる3種類のエッ
チング液(HCl−FeCl3、HBr、HCl−HN
3−H2O)を使用して各試験片に対するエッチング液
のエッチング特性を評価した。
【0079】具体的には、感光性樹脂としてのアクリル
樹脂に染料と顔料を含有した樹脂材料を使用し、周知の
フォトリソグラフィ法を適用してガラス基板1上にカラ
ーフィルタとしての膜厚1μmの着色層2を形成した。
すなわちR・G・Bの色素膜パターンがストライプ状に
順次繰り返し並ぶように列設し、色素膜幅Wが100μ
m、色素膜間隔Tが30μmの着色層2を形成した。
【0080】次いで、ガラス基板1の一部が露出するよ
うに着色層2の表面をアクリル樹脂で塗布し該アクリル
樹脂を乾燥させ、膜厚約0.5μmの高分子樹脂膜3を
形成した。
【0081】そして、このように高分子樹脂膜3が積層
されたガラス基板を総計で6枚作製し、その内の3枚に
ついては以下に示すスパッタリング条件によりスパッタ
リングを行い、比抵抗3.0×10-2Ω・mであって膜
厚150nmの第1のITO膜4を有する試験片を作製
した(以下、「スパッタ膜試験片」という)。
【0082】〔スパッタリング条件〕 ターゲット:10wt%のSnO2を含有したIn23 スパッタリングガス:Ar+O2(但し、O2:5vol
%) スパッタリングガスのガス圧:4×10-1Pa 供給ガス量:300sccm 供給電力:300W ガラス基板の基板温度:200℃ また、スパッタリングに使用されなかった残りの3枚に
ついては以下に示す放電条件によりアーク放電を行い、
比抵抗1.2×10-2Ω・mであって膜厚150nmの
第2のITO膜5を有する試験片を作製した(以下、
「アーク放電膜試験片」という)。尚、比抵抗は、4端
子法によりシート抵抗を測定して算出した。
【0083】〔放電条件〕 放電ガス:Ar+O2(但し、O2:10vol%) 放電ガスのガス圧:4.0×10-1Pa 供給ガス量:1000sccm 放電電流: 150A そして、このようにして作製されたスパッタ膜試験片及
びアーク放電膜試験片の一部をフォトレジスト6で被覆
し、次いでエッチング温度を47℃に設定し、前記フォ
トレジスト6で被覆されなかった部分を上述した3種類
のエッチング液に1分間、浸漬し、その後スパッタ膜試
験片及びアーク放電膜試験片から前記フォトレジスト6
をアルカリ溶液で除去し、該除去して形成された第1及
び第2のITO膜4、5とガラス基板1又は高分子樹脂
膜3との間に形成される段差を触針表面粗さ計で測定
し、単位時間当りのエッチング深さによりエッチング速
度を算出した。
【0084】表1は、その測定結果を示している。
【0085】
【表1】
【0086】実施例1はHCl−FeCl3を使用して
各試験片にエッチング処理を施した場合を示し、実施例
2はHBrを使用して各試験片にエッチング処理を施し
た場合を示し、実施例3はHCl−HNO3−H2Oを使
用して各試験片にエッチング処理を施した場合を示して
いる。
【0087】尚、表1中、HCl−FeCl3は、濃度
が35vol%〜37vol%の濃塩酸と濃度が35vol%〜
37vol%の塩化第二鉄溶液を容量比で1:1に調合し
て使用し、HBrは濃度が47vol%の溶液を使用し、
HCl−HNO3−H2Oは、濃度が35vol%〜37vol
%の濃塩酸及び濃硝酸と水とが容量比で1:0.08:
1となるように調合して使用した。
【0088】この表1から明らかなように、実施例1は
アーク放電膜試験片でのエッチング速度が25.9×1
-10m/secと最も速く、またスパッタ膜試験片でも1
4.4×10-10m/secと比較的速く、実施例1は実施
例2、3に比べてエッチング処理を施すと膜の断面方向
全域に亙って短時間でエッチング処理を行うことができ
ることが予測される。すなわち、実施例1では短時間で
エッチング処理を終了することが可能となるため、フォ
トレジストで被覆されているITO膜にエッチング液が
侵入して所謂サイドエッチングされるのを極力回避する
ことができると考えられる。
【0089】また、実施例3はアーク放電膜試験片での
エッチング速度が15.1×10-1 0m/secと実施例1
及び実施例2に比べて遅く、したがって実施例1及び実
施例2に比べ、上層に位置する第2のITO膜5が溶解
除去されるのに比較的長時間を要する結果、下地層間の
エッチング速度差の影響を受けて高分子樹脂膜3上のレ
ジストに被覆されているITO膜までがエッチングされ
る虞が生じると予測され、またスパッタ膜試験片でのエ
ッチング速度も9.5×10-10m/secと実施例1及び
実施例2に比べて遅く、下層に位置する第1のITO膜
4が溶解除去されるのにも比較的長時間を要し、ガラス
基板1上にエッチング残滓が生じる虞があり得ると予測
される。
【0090】また、実施例2は、実施例1と実施例3の
中間のエッチング特性を有していることが判る。
【0091】したがって、本第1の実施例では、第1の
ITO膜4の比抵抗が、3.0×10-2Ω・mであるの
で、上記3種類のエッチング液のいずれを使用しても従
来に比べると、電極パターンのやせ細りやエッチング残
滓が生じるのを大幅に改善することができるが、エッチ
ング特性を考慮すると、HCl−FeCl3を使用する
のが最も好ましい。
【0092】〔第2の実施例〕次に、本発明者等は、上
記第1の実施例と同様、3種類のエッチング液(HCl
−FeCl3、HBr、HCl−HNO3−H2O)を使
用し、各エッチング溶液に対するパターニング特性を評
価した。
【0093】すなわち、本発明者等は、第1の実施例と
同様、ガラス基板1の表面に着色層2を積層した後、該
着色層2の表面に一部がガラス基板を露出させる形でア
クリル樹脂を塗布して乾燥させ、高分子樹脂膜3を形成
した。
【0094】次いで、第1の実施例と同様のスパッタリ
ング条件でガラス基板1上に第1のITO膜4を積層
し、さらに、第1のITO膜4の表面にも第1の実施例
と同様の放電条件で第2のITO膜5を積層した。尚、
第1のITO膜4及び第2のITO膜5の比抵抗は、前
記第1の実施例と同様、夫々3.0×10-2Ω・m及び
1.2×10-2Ω・mであり、これら比抵抗も、第1の
実施例と同様、4端子法によりシート抵抗を測定して算
出した。
【0095】そして、第2のITO膜5の表面にフォト
レジスト6を塗布し、第1及び第2のITO膜4、5の
電極幅Dが20μm、電極間スペースSが20μmとな
るようにフォトマスクパターンを使用してレジストパタ
ーンを作製し、第1の実施例と同様、3種類のエッチン
グ液(HCl−FeCl3、HBr、HCl−HNO3
2O)を使用し、エッチング温度を47℃に設定して
エッチング処理を行った。そして、エッチング処理後に
アルカリ溶液を使用してフォトレジスト6を除去し、電
極幅Dを測定すると共にエッチング残滓の有無を確認
し、パターニング特性を評価した。
【0096】表2はその実験結果を示す。
【0097】
【表2】
【0098】実施例11はHCl−FeCl3を使用し
て各試験片にエッチング処理を施した場合を示し、実施
例12はHBrを使用して各試験片にエッチング処理を
施した場合を示し、実施例13はHCl−HNO3−H2
Oを使用して各試験片にエッチング処理を施した場合を
示している。
【0099】実施例11では高分子樹脂膜3上のやせ細
りは2μm〜3μmに留めることができ、またガラス基
板11上にもエッチング残滓が認められず電極間の電気
的な絶縁状態は確保されていることが判った。
【0100】また、実施例12では、高分子樹脂膜3上
のやせ細りは3μm〜4μmとなって実施例11よりは
大きくなり、エッチング残滓も僅かに認められたが電極
間の電気的な絶縁状態は確保されていることが判った。
【0101】また、実施例13では、高分子樹脂膜3上
のやせ細りは5μm〜6μmとなって実施例11及び実
施例12よりは更に大きくなり、エッチング残滓も実施
例12よりは多く認められたが電極間の電気的な絶縁状
態は確保されていることが判った。
【0102】尚、実施例13では、やせ細りが大きくな
り、エッチング残滓も実施例12よりは多く認められた
のは、第1の実施例で述べたように(表1参照)、HC
l−HNO3−H2Oは、3種類のエッチング液の中では
第1のITO膜4及び第2のITO膜5の双方に対する
エッチング速度が最も遅く、このため高分子樹脂膜3上
ではレジストに被覆されている部分がエッチングされ易
くなり、或いはガラス基板1上ではエッチング残滓が生
じ易くなるためと考えられる。
【0103】このように本第2の実施例でも第1のIT
O膜4の比抵抗は、3.0×10-2Ω・mであるので、
上記3種類のエッチング液のいずれを使用しても従来に
比べると、電極パターンのやせ細りやエッチング残滓が
生じるのを大幅に改善することができるが、パターニン
グ特性を考慮すると、HCl−FeCl3を使用するの
が最も好ましいことが判る。
【0104】〔第3の実施例〕次に、本発明者等は、膜
厚及び比抵抗の異なる第1及び第2のITO膜4、5を
ガラス基板1上に積層し、第1及び第2の実施例で最適
なエッチング液とされたHCl−FeCl3を使用して
エッチング処理を行い、透明導電膜付き基板としての総
合評価を行った。
【0105】すなわち、本発明者等は、第1及び第2の
実施例と同様、ガラス基板1の表面に着色層2及びアク
リル樹脂からなる高分子樹脂膜3を積層し、次いで、以
下に示すスパッタリング条件でもって膜厚及び/又は比
抵抗の異なる第1のITO膜4を形成した。
【0106】〔スパッタリング条件〕 ターゲット:10wt%のSnO2を含有したIn23 スパッタリングガス:Ar+O2(但し、O2:0.1vo
l%〜2.0vol%) スパッタリングガスのガス圧:1.33×10-1Pa〜
6.65×10-1Pa 供給ガス量:300sccm 供給電力:100W〜600W ガラス基板の温度:130℃〜250℃ 次いで、第1のITO膜4が形成されたガラス基板1
に、以下の放電条件でもって第2のITO膜5を形成し
た。
【0107】〔放電条件〕 放電ガス:Ar+O2(但し、O2:10vol%〜20vol
%) 放電ガスのガス圧:4.0×10-1Pa 供給ガス量:1000sccm 放電電流:50A〜200A そして、その後、該第2のITO膜5が形成されたガラ
ス基板1にフォトレジスト6を塗布し、フォトマスク7
を介して紫外線をフォトレジスト6に照射し、マスクパ
ターンをガラス基板1上に転写してレジストパターンを
生成し、この後、HCl−FeCl3をエッチング液と
してエッチング処理を施し、これにより比抵抗及び膜厚
の異なる所定電極パターンの二層構造からなる透明導電
膜付き基板を作製した(実施例21〜実施例31)。
尚、比抵抗は、上記第1及び第2の実施例と同様、4端
子法でシ−ト抵抗を測定し算出した。
【0108】また、比較例として、ガス圧を2.0×1
-1Pa、供給電力を600Wに設定し、膜厚の異なる
比抵抗が4.0×10-2Ω・mの第1のITO膜4を有
する透明導電膜付き基板を作製し、またガス圧を1.0
×10-1Pa、供給電力を600Wに設定し、膜厚が5
nmであって比抵抗が6.0×10-2Ω・mの第1のI
TO膜4を有する透明導電膜付き基板を作製した(比較
例21、22、23)。
【0109】さらに、他の比較例として、第1のITO
膜4を形成せずに、アーク放電イオンプレーティング法
により、膜厚150nmであって比抵抗が1.2×10
-2Ω・mの第2のITO膜5のみを形成した試験片を作
製し(比較例24)、また、第2のITO膜5を形成せ
ずに、スパッタリング法により、膜厚300nmであっ
て比抵抗が1.5×10-2Ω・mの第1のITO膜4の
みを形成した試験片を作製した(比較例25)。
【0110】表3は、各種試験片の実験結果を示してい
る。
【0111】
【表3】
【0112】比較例21及び比較例22は、第1のIT
O膜4の比抵抗が4.0×10-2Ω・mと高いため、高
分子樹脂膜3上でのエッチング速度がガラス基板1上で
のエッチング速度よりも速くなり、その結果ガラス基板
1上でのエッチング処理の完了を待っていたのでは、高
分子樹脂膜3上のレジスト下部の第1及び第2のITO
膜4、5までがエッチング液により侵食されて電極パタ
ーンのやせ細りが顕著となり、一方、高分子樹脂膜3上
の第1及び第2のITO膜のエッチング完了と同時にエ
ッチング工程を終了したのではガラス基板1上にエッチ
ング残滓が生じ、したがって絶縁不良を招来する虞があ
るということが判った。すなわち、第1のITO膜4の
比抵抗が4.0×10-2Ω・mと高いため、エッチング
液(HCl−FeCl3)に対する第1のITO膜4の
溶解性が小さくなってエッチング速度が低下し、その結
果下地層間(高分子樹脂膜3及びガラス基板1)間にお
けるエッチング速度差の影響を受けるものと推察され
る。
【0113】しかも、第1のITO膜4の比抵抗が上述
の如く4.0×10-2Ω・mと高いため、第2のITO
膜5の膜厚を150nmとした場合は、第2のITO膜
5の比抵抗を1.2×10-2Ω・mとした場合であって
もITO膜全体の比抵抗が1.55×10-2Ω・m〜
1.60×10-2Ω・mと高くなり、したがってITO
膜全体の比抵抗を1.50×10-2Ω・m以下とするた
めには、第2のITO膜5の膜厚を厚くしなければなら
ず、液晶表示素子としての透過性を損なう虞があること
も判明した。
【0114】また、比較例23は、第1のITO膜4の
比抵抗が6.0×10-2Ω・mと高いため、比較例21
及び比較例22と同様の理由から、高分子樹脂膜3上で
のエッチング速度がガラス基板1上でのエッチング速度
よりも速くなり、電極パターンのやせ細りが顕著とな
り、或いはガラス基板1上にエッチング残滓が生じて絶
縁不良を招来する虞があることが判った。
【0115】しかも、第1のITO膜4の比抵抗が上述
したように6.0×10-2Ω・mと高いため、第1のI
TO膜4の膜厚を5nmと薄くした場合であっても、第
2のITO膜5の膜厚が150nm、比抵抗が1.2×
10-2Ω・mの条件下ではITO膜全体の比抵抗が1.
53×10-2Ω・mと高く、したがってITO膜全体の
比抵抗を1.50×10-2Ω・m以下とするためには、
比較例21及び比較例22と同様、第2のITO膜5の
膜厚を厚くしなければならず、液晶表示素子としての透
過性を損なう虞があることも判った。
【0116】また、比較例24は、第1のITO膜4を
形成せずに、第2のITO膜5のみを形成しているた
め、電極パターンのやせ細りが生じる結果となった。す
なわち、アーク放電イオンプレーティング法で形成され
る第2のITO膜5は、スパッタリング法で形成される
第1のITO膜4に比べ、ITOがガラス基板1上に堆
積するときの蒸発粒子の入射エネルギが極端に小さく、
したがってITOのガラス基板1への打ち込み力が殆ど
ない状態でガラス基板1に堆積されることとなるため、
高分子樹脂膜3との密着力が弱く、第2のITO膜5は
高分子樹脂膜3から剥離し易い状態となる。このため、
部分的に高分子樹脂膜3が形成されたガラス基板1の表
面に直接第2のITO膜5を形成した場合は、第2のI
TO膜5の比抵抗の如何に拘わらず、高分子樹脂膜3上
でのエッチングがガラス基板1上に比べて容易に進行
し、その結果電極パターンのやせ細りが生じるものと推
察される。
【0117】また、比較例25は、第2のITO膜5を
形成せずに、膜厚300nmの第1のITO膜4のみを
形成しており、第2のITO膜4の膜厚が厚すぎるた
め、不良の判定結果を得た。すなわち、第1の実施例で
検証したように(表1参照)、スパッタリング法で形成
された第1のITO膜4はアーク放電イオンプレーティ
ング法で形成された第2のITO膜5に比べ、エッチン
グ速度が遅く、且つ、膜厚が300nmと厚いためエッ
チング時間がかかり過ぎ、その結果、下地層(高分子樹
脂膜3及びガラス基板1)間におけるエッチング速度差
の影響を受け、高分子樹脂膜3上でのエッチング速度と
ガラス基板1上でのエッチング速度との差がより大きく
なり、高分子樹脂膜3上での電極パターンのやせ細りが
生じたり、或いはガラス基板1上でエッチング残滓が生
じて絶縁不良の招来する虞があることが判った。
【0118】これに対して、実施例21〜実施例31
は、第1のITO膜4の比抵抗が3.0×10-2Ω・m
以下と本発明の範囲内にあるため、第1のITO膜4の
エッチング速度が速く、下地層(ガラス基板1及び高分
子樹脂膜3)の材質の差異や表面性状の影響が相対的に
低下してガラス基板1上と高分子樹脂膜3上とでエッチ
ング速度が略同等となり、これにより、高分子樹脂膜3
上での電極パターンの「やせ細り現象」やガラス基板1
上でのエッチング残滓が生じるのが抑制され、所望の電
極パターンを形成することができる。
【0119】しかも、第1のITO膜4の膜厚を5nm
〜50nmと薄くしているので、第2のITO膜5の膜
厚を100nm〜300nmと比較的薄くしても膜全体
の比抵抗は1.5×10-2Ω・m以下とすることがで
き、透明導電膜としての透過性を損なうこともなく、比
抵抗の低い所望の均一な電極パターンを有し、且つ液晶
表示素子としての性能も確保することのできる透明導電
膜付き基板を得ることができる。
【0120】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る透明導
電膜付き基板は、部分的に高分子樹脂膜が形成された透
明基板上に所定値以下の比抵抗を有する第1の透明導電
膜をスパッタリング法で形成した後、アーク放電イオン
プレーティング法により前記第1の透明導電膜の表面に
第2の透明導電膜を形成し、その後、前記第2の透明導
電膜の表面を所定パターンのレジストで被覆し、しかる
後、前記レジストで被覆されていない部位の前記第1及
び第2の透明導電膜をエッチング液でエッチング除去す
るので、第1の透明導電膜のエッチング液に対する溶解
性が増大して該第1の透明導電膜のエッチング速度が上
昇し、したがって透明基板と高分子樹脂膜との差異によ
るエッチングに対する影響を相対的に低下させることが
でき、透明基板上と高分子樹脂膜上とでエッチング速度
は略同等となり、所望の均一な電極パターンを形成する
ことが可能となる。
【0121】具体的には、前記比抵抗の所定値を、3.
0×10-2Ω・m以下とすることにより、第1の透明導
電膜の比抵抗は3.0×10-2Ω・m以下に制御され、
これにより第1の透明導電膜のエッチング液に対する溶
解性を増大させてエッチング速度が上昇し、エッチング
に対する下地層の及ぼす影響を抑制することができる。
【0122】また、前記エッチング液として、塩酸と塩
化鉄の混合物を使用することにより、透明導電膜に対す
るエッチング速度を最も増大させることができ、下地層
の影響を最小限に抑制することができる。
【0123】さらに、前記第1の透明導電膜の膜厚を、
5nm〜50nmとすることにより、第2の透明導電膜
の膜厚を比較的薄くすることが可能となり、透明導電膜
としての透過性を損なうことなく、低比抵抗であって所
望の均一な電極パターンが形成された透明導電膜付き基
板を得ることができる。
【0124】また、本発明に係る透明導電膜付き基板
は、部分的に高分子樹脂膜が形成された透明基板上に所
定値(3.0×10-2Ω・m)以下の比抵抗を有する第
1の透明導電膜がスパッタリング法により形成され、さ
らに該第1の透明導電膜の表面に第2の透明導電膜がア
ーク放電イオンプレーティング法により形成されている
ので、第1及び第2の透明導電膜が透明基板上にも形成
されることとなり、電極取出部を容易に形成することが
でき、多面取りにも好適したものとなる。
【0125】さらに、前記第1及び第2の透明導電膜の
比抵抗の総計が、1.5×10-2Ω・m以下とすること
により、導電性の優れた透明導電膜付き基板を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造方法により製造される透明導
電膜付き基板の要部平面図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】本発明に係る透明導電膜付き基板の製造方法を
示す製造工程図(1/2)である。
【図4】本発明に係る透明導電膜付き基板の製造方法を
示す製造工程図(2/2)である。
【図5】スパッタリング装置の概略構成図である。
【図6】プラズマ蒸着装置の概略構成図である。
【図7】図4のY−Y矢視図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板(透明基板) 3 高分子樹脂膜 4 第1のITO膜(第1の透明導電膜) 5 第2のITO膜(第2の透明導電膜) 6 フォトレジスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/00 342 G09F 9/00 342Z 5F043 H01B 5/14 H01B 5/14 A 5F103 H01L 21/203 H01L 21/203 S 5G307 21/28 21/28 E 5G323 21/306 21/306 F 5G435 21/3213 21/88 C 21/3205 M (72)発明者 加藤 之啓 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HA04 HB08X HB13X HC12 2H092 HA04 JB57 KA18 MA05 MA06 MA18 MA35 NA27 NA28 4K029 AA09 BA45 BA47 BA50 BB02 BC09 BD00 CA03 CA05 DC05 DD06 EA01 4M104 BB36 BB37 DD36 DD37 DD64 FF13 5F033 GG04 HH38 MM05 PP15 PP20 QQ08 QQ10 QQ20 WW00 WW02 XX00 XX10 5F043 AA21 BB14 GG02 GG04 5F103 AA08 BB22 DD30 GG02 HH04 LL20 RR05 RR06 5G307 FA01 FB01 FC03 5G323 BB05 BB06 CA01 5G435 AA04 AA17 BB12 CC09 CC12 KK05 KK10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部分的に高分子樹脂膜が形成された透明
    基板上に所定値以下の比抵抗を有する第1の透明導電膜
    をスパッタリング法で形成した後、アーク放電イオンプ
    レーティング法により前記第1の透明導電膜の表面に第
    2の透明導電膜を形成し、その後、前記第2の透明導電
    膜の表面を所定パターンのレジストで被覆し、しかる
    後、前記レジストで被覆されていない部位の前記第1及
    び第2の透明導電膜をエッチング液でエッチング除去す
    ることを特徴とする透明導電膜付き基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記比抵抗の所定値を、3.0×10-2
    Ω・m以下とすることを特徴とする請求項1記載の透明
    導電膜付き基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記エッチング液として、塩酸と塩化鉄
    の混合物を使用することを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の透明導電膜付き基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の透明導電膜の膜厚を、5nm
    〜50nmとすることを特徴とする請求項1乃至請求項
    3のいずれかに記載の透明導電膜付き基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 部分的に高分子樹脂膜が形成された透明
    基板上に所定値以下の比抵抗を有する第1の透明導電膜
    がスパッタリング法により形成され、さらに該第1の透
    明導電膜の表面に第2の透明導電膜がアーク放電イオン
    プレーティング法により形成されていることを特徴とす
    る透明導電膜付き基板。
  6. 【請求項6】 前記所定値は、3.0×10-2Ω・m以
    下であることを特徴とする請求項5記載の透明導電膜付
    き基板。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2の透明導電膜の比抵抗
    の総計が、1.5×10-2Ω・m以下であることを特徴
    とする請求項5又は請求項6記載の透明導電膜付き基
    板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008547232A (ja) * 2005-07-04 2008-12-25 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング 酸化物透明導電層のエッチング用の媒体
WO2011081023A1 (ja) 2009-12-28 2011-07-07 東レ株式会社 導電積層体およびそれを用いてなるタッチパネル

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