JP2001305785A - Micrプリンター用磁性トナーおよびその製造方法 - Google Patents

Micrプリンター用磁性トナーおよびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 A4紙を連続的に300,000枚程度印刷
した場合であっても、優れた画像濃度や、読み取り精度
が得られるMICRプリンター用磁性トナー、およびそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 バインダー樹脂と、磁性粉とを含有する
MICRプリンター用磁性トナーにおいて、金属酸化物
粒子を外表面に含むとともに、当該金属酸化物粒子の体
積抵抗を1×105〜1×1011Ω・cmの範囲内の値
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、A4紙を
連続的に300,000枚程度印刷した場合であって
も、優れた画像濃度や、読み取り精度が得られるMIC
Rプリンター用磁性トナー(以下、MICRトナーと称
する場合がある。)、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、小切手、有価証券、請求書、チケ
ット等において、これらの偽造や変造防止を目的とし
て、フォントと呼ばれる識別マークが印刷されている。
この識別マークを用いた偽造防止方式を、一般にMIC
Rシステム(MagneticInk Charact
er Recognition system)、電子
写真方式を用いてフォントを印刷するためのトナーをM
ICRプリンター用磁性トナー(単に、MICRトナー
と称するばあいがある。)とそれぞれ呼んでおり、これ
らは、例えば、特開平2−134648号公報、特開平
5−80582号公報およびUSP5,034,298
号公報に開示されている。しかしながら、従来のMIC
Rトナーは、画像濃度が低かったり、読み取りエラーが
多い等の問題が見られた。また、MICRトナーは磁性
粉を含んでいるため比重の値が大きく、そのため流動性
や搬送性が低下する傾向があった。
【0003】そこで、特開平4−358164号公報、
特開平4−358165号公報および特開平7−778
29号公報には、2種類の磁性粉を使用し、残留磁化を
4.0〜7.0emu/gの範囲内の値に制限したMI
CRトナーが開示されている。しかしながら、依然とし
て読み取りエラーが多く、しかも画像濃度を高める必要
があったり、耐久性が低かったり、さらには含まれる磁
性粉の分散性が乏しいという問題も見られた。
【0004】そこで、本発明の発明者らは、特願平10
−137153号に、残留磁化の値が24〜40emu
/gの範囲内の値である第1の磁性粉と、残留磁化の値
が1〜24emu/g(ただし、24emu/gは含ま
ない。)の範囲内の値である第2の磁性粉とを含み、か
つ、トナー全体の残留磁化を、7〜20emu/g(た
だし、7emu/gは含まない。)の範囲内の値とし
た、画像濃度や、読み取り精度に優れたMICRトナー
を提案している。また、流動性等を改良するため、シラ
ンカップリング剤処理、およびシリコーンオイル処理し
た乾式シリカ微粉末を外添することを提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特願平
10−137153号において提案したMICRトナー
は、初期的な画像濃度や、読み取り精度に関しては優れ
ているものの、A4紙を連続印刷すると、徐々に読み取
り精度が低下し、50,000枚程度印刷すると、読み
取り精度が80%以下になる傾向が見られた。したがっ
て、アモルファスシリコン感光体を用いた場合に要求さ
れる、長期連続印刷性、例えば、A4紙、30万枚の連
続印刷にも耐え得るMICRトナーとしては、耐久性が
不十分な場合が見られた。また、MICRトナーに、乾
式シリカ微粉末を外添した場合には、当該乾式シリカ微
粉末の平均粒径が小さいために、研磨効果を発揮するこ
とができず、さらには、乾式シリカ微粉末を外添する
と、逆に帯電量が増加するため、導電性制御効果につい
ても発揮することができなかった。したがって、乾式シ
リカ微粉末を外添した場合には、A4紙を50,000
枚程度連続印刷すると、アモルファスシリコン感光体上
に、多くのMICRトナーが残存する傾向が見られた。
【0006】そこで、本発明の発明者らは、鋭意検討し
た結果、特定の体積抵抗を有する金属酸化物粒子をMI
CRトナーの外表面に固定することにより、当該金属酸
化物粒子が、SiC表面を有するアモルファスシリコン
感光体等に対して特異的な研磨機能を発揮するととも
に、優れた導電性制御機能を発揮して、MICRトナー
自身により、感光体上に残存するMICRトナーを掻き
落として、耐久性を向上させるとともに、いわゆる像流
れ現像についても効果的に防止できることを見出した。
よって、本発明は、MICRトナー自身に研磨効果を発
揮させ、アモルファスシリコン感光体上に残存するMI
CRトナー量を低下させるとともに、MICRトナーの
導電性抑制効果を発揮させ、SiC表面を有するアモル
ファスシリコン感光体等を具備した電子写真装置を用い
て、A4紙を連続的に30万枚程度印刷した場合であっ
ても、優れた画像濃度や、読み取り精度が得られるMI
CRトナー、およびその製造方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、バイン
ダー樹脂と、磁性粉を含有するMICRプリンター用磁
性トナーにおいて、金属酸化物粒子を外表面に含むとと
もに、当該金属酸化物粒子の体積抵抗を1×105〜1
×1011Ω・cmの範囲内の値としたMICRトナーが
提供され、上述した問題を解決することができる。すな
わち、このように構成することにより、MICRトナー
自身に研磨効果を発揮させるとともに、MICRトナー
の導電安定性を厳密に制御することができるため、画像
濃度や、読み取り精度についての耐久性を著しく向上さ
せることができる。
【0008】また、本発明のMICRトナーを構成する
にあたり、以下の構成を採ることが好ましい。 金属酸化物粒子を一部が露出した状態で固定してあ
る。 金属酸化物粒子の平均粒子径を50nm〜1μmの範
囲内の値とする。 金属酸化物粒子の硬度を、モース硬度で5〜7.5の
範囲内の値とする。 金属酸化物粒子の添加量を、全体量に対して、0.1
〜2重量%の範囲内の値とする。 金属酸化物粒子の種類を、酸化アルミニウム(アルミ
ナ)および酸化チタン(チタニア)、あるいはいずれか
一方の金属酸化物とする。 このように構成することにより、MICRトナー自身に
さらに優れた研磨効果を発揮させることができ、しか
も、MICRトナーの導電性制御がより良好となる。
【0009】また、本発明のMICRトナーを構成する
にあたり、磁性粉が、残留磁化の値が24〜40emu
/gの第1の磁性粉と、残留磁化の値が1〜24emu
/g未満の第2の磁性粉との混合物であることが好まし
い。このように構成することにより、MICRトナー中
における磁性粉の分散性を著しく向上させることがで
き、結果として、画像濃度や、読み取り精度について向
上させることができる。
【0010】また、本発明の別の態様は、バインダー樹
脂と、磁性粉とを含有するMICRトナーの製造方法で
あり、バインダー樹脂と、磁性粉とを混合して、球状に
成形する第1の工程と、体積抵抗が1×105〜1×1
11Ω・cmの範囲の金属酸化物粒子を外表面に添加す
る第2の工程とを含むことを特徴としている。
【0011】また、MICRトナーの製造方法を実施す
るにあたり、第2の工程において、金属酸化物粒子を流
動式混合機、機械式固定装置、高速気流中衝撃式固定装
置、または熱式固定装置を用いて外表面に添加すること
が好ましい。これらの固定装置を使用することにより、
金属酸化物粒子を外表面に一部が露出した状態で容易に
固定化することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]第1の実施形
態のMICRトナーは、バインダー樹脂および磁性粉の
球状成形品の外表面に金属酸化物粒子を含んでおり、当
該金属酸化物粒子の体積抵抗を1×105〜1×1011
Ω・cmの範囲内の値することを特徴としている。以
下、本発明におけるMICRトナーの実施の形態を、必
須構成成分であるバインダー樹脂や磁性粉、金属酸化物
粒子、任意成分であるワックス類やシリカ粒子等の観
点、および得られたトナーの形態や特性の観点から具体
的に説明する。
【0013】[バインダー樹脂] (1)種類 本発明におけるMICRトナーに使用するバインダー樹
脂の種類は特に制限されるものではないが、例えば、ス
チレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系
共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール
系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、ス
チレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用するこ
とが好ましい。ただし、ソックスレー抽出器を用いて測
定される架橋部分量(ゲル量)が10重量%以下の値、
より好ましくは0.1〜10重量%の範囲内の値であれ
ば、バインダー樹脂中に、トナーの保存安定性や形態保
持性、あるいは耐久性が向上することから、一部架橋構
造が導入されていることも好ましい。
【0014】(2)バインダー樹脂における官能基 また、このようなバインダー樹脂において、磁性粉の分
散性を向上させるために、ヒドロキシ基(水酸基)、カ
ルボキシル基、アミノ基およびグリシドキシ(エポキ
シ)基から選択される少なくとも一つの官能基を分子内
に有する樹脂を使用することが好ましい。
【0015】(3)バインダー樹脂の分子量 また、バインダー樹脂において、二つの重量分子量ピー
ク(低分子量ピークと、高分子量ピークと称する。)を
有することが好ましい。具体的に、低分子量ピークが
3,000〜20,000の範囲内であり、もう一つの
高分子量ピークが300,000〜1,500,000
の範囲内であることが好ましい。重量分子量ピークがこ
のような範囲内にあれば、MICRトナーを容易に定着
させることができ、また、耐オフセット性を向上させる
こともできる。なお、バインダー樹脂の重量分子量は、
分子量測定装置(GPC)を用いて測定することができ
る。
【0016】(4)バインダー樹脂のガラス転移点 また、バインダー樹脂において、ガラス転移点(Tg)
を55〜70℃の範囲内の値とするのが好ましい。バイ
ンダー樹脂のガラス転移点が、55℃未満では、得られ
たトナー同士が融着し、保存安定性が低下する場合があ
る。一方、バインダー樹脂のガラス転移点が、70℃を
超えると、MICRトナーの定着性が乏しくなる場合が
ある。なお、バインダー樹脂のガラス転移点は、示差走
査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。
【0017】[磁性粉] (1)種類 本発明におけるMICRトナーに使用する磁性粉の種類
は特に制限されるものではないが、例えば、酸化鉄(マ
グネタイト)、鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉およびフ
ェライト類をそれぞれ主成分とした磁性粉や、酸化鉄に
コバルトやニッケル等の金属をドーピングした磁性粉等
の1種単独または2種以上の組み合わせを挙げることが
できる。特に、コバルトやニッケル等の遷移金属をドー
ピングした磁性粉は、残留磁化の値が高いことから、本
発明への使用に好適である。なお、後述する残留磁化の
値や分散性等を調整するには、例えば、残留磁化の値が
異なる2種類の磁性粉を使用することが好ましいが、キ
ャリアを添加して、ニ成分系とする場合には、1種類の
磁性粉を使用することも好ましい。すなわち、キャリア
によりMICRトナーの流動性や搬送性を制御すること
ができるためである。
【0018】(2)残留磁化 磁性粉において、少なくとも2種以上の磁性粉(第1の
磁性粉および第2の磁性粉と称する。)を使用し、第1
の磁性粉における残留磁化の値を24〜40emu/g
の範囲内の値とし、かつ、第2の磁性粉における残留磁
化の値を1〜24emu/g(ただし、24memu/
gは含まない。)とすることが好ましい。このように残
留磁化の値が異なる、少なくとも2種類の磁性粉を混合
使用することにより、得られるMICRトナーの残留磁
化の値を容易に調節することができ、MICRトナーの
流動性、搬送性、現像特性等を任意に制御することがで
きるため、画像濃度や読み取り精度を著しく向上させる
ことができる。また、このような範囲に残留磁化の値を
調節することにより、磁性粉のアスペクト比、BET
値、嵩密度等の調節も容易になるため、バインダー樹脂
に対するこれらの磁性粉の分散性や耐久性を飛躍的に向
上させることもできる。したがって、MICRトナーの
分散性や画像濃度等の特性のバランスがより向上するこ
とから、第1の磁性粉における残留磁化を25〜38e
mu/gの範囲内の値とし、かつ、第2の磁性粉におけ
る残留磁化を5〜23emu/gの範囲内の値とするこ
とがより好ましく、さらに、第1の磁性粉における残留
磁化を26〜35emu/gの範囲内の値とし、かつ、
第2の磁性粉における残留磁化を10〜20emu/g
の範囲内の値とすることがより好ましい。なお、残留磁
化の値は、磁性粉に対して、10キロエルステッドの磁
界を印加した後に、磁界をゼロとしたときの、磁気メモ
リ量と定義することができる。より具体的には、磁力測
定器を用いて、このような条件で磁性粉のヒステリシス
曲線を測定することにより、磁性粉の残留磁化を算出す
ることができる。
【0019】また、MICRトナーに、キャリアを添加
して、ニ成分系とする場合には、キャリアによりMIC
Rトナーの流動性や搬送性を制御することができるた
め、必要な磁性粉の使用量を低下することができる。よ
って、残留磁化の値が比較的高い、具体的には、25〜
38emu/gの磁性粉を用いることにより、1種類の
磁性粉を使用した場合であっても、優れた画像濃度や読
み取り精度を得ることができる。
【0020】(3)飽和磁化 磁性粉に関して、残留磁化の値が異なる磁性粉を第1お
よび第2の磁性粉としたときに、第1の磁性粉における
飽和磁化の値を80〜85emu/gの範囲内の値と
し、かつ、第2の磁性粉における飽和磁化の値を85〜
90emu/g(ただし、85emu/gは含まな
い。)とすることが好ましい。飽和磁化の値は、残留磁
化の値に密接に関係しており、このように飽和磁化の値
が異なる、少なくとも2種類の磁性粉を混合使用するこ
とにより、残留磁化の値を微妙に調整することができ、
結果として、得られるトナーにおける画像濃度や読み取
り精度を向上させることができる。また、このような範
囲に飽和磁化の値を調節することにより、磁性粉のアス
ペクト比、BET値、嵩密度等の調節も容易になるた
め、バインダー樹脂に対するこれらの磁性粉の分散性や
耐久性を向上させることもできる。
【0021】したがって、トナーの分散性や画像濃度等
の特性のバランスがより向上することから、第1の磁性
粉における飽和磁化を81〜84emu/gの範囲内の
値とし、かつ、第2の磁性粉における飽和磁化を86〜
89emu/gの範囲内の値とすることがより好まし
く、さらに、第1の磁性粉における飽和磁化を82〜8
3emu/gの範囲内の値とし、かつ、第2の磁性粉に
おける飽和磁化を87〜88emu/gの範囲内の値と
することがより好ましい。なお、飽和磁化の値は、磁性
粉に対して、10キロエルステッドの磁界を印加し飽和
させた時の、磁気メモリ量と定義することができる。よ
り具体的には、留磁化と同様に、磁性粉のヒステリシ
ス曲線を測定することにより、磁性粉の残留磁化を算出
することができる。
【0022】(4)アスペクト比 磁性粉のアスペクト比(長径/短径)に関して、残留磁
化の値が異なる磁性粉を第1および第2の磁性粉とした
ときに、第1の磁性粉のアスペクト比(長径/短径)を
2.0〜100(−)の範囲内の値とし、かつ、第2の
磁性粉のアスペクト比(長径/短径)を1.0〜2.0
(−)(ただし、2.0は含まない。)の範囲内の値と
することが好ましい。このように、アスペクト比の値
2.0を基準として、それ以上の一定範囲内の磁性粉
と、それ未満の一定範囲内の磁性粉とを混合使用するこ
とにより、バインダー樹脂に対するこれらの磁性粉の分
散性を飛躍的に向上させることができる。また、磁性粉
の分散性が向上する結果、磁性粉が塊状で存在する傾向
が少なくなる。よって、MICRトナーが割れたり、磁
性粉が脱離する傾向が少なくなり、MICRトナーの耐
久性も飛躍的に向上させることもできる。さらに、アス
ペクト比が大きな磁性粉は、残留磁化の値が大きいため
に、かかる磁性粉を配合したMICRトナーを使用した
場合、画像濃度や読み取り精度を著しく向上させること
ができる。
【0023】したがって、MICRトナーにおける磁性
粉の分散性や印字濃度等の特性のバランスがより向上す
ることから、第1の磁性粉におけるアスペクト比を2.
5〜10.0(−)の範囲内の値とし、かつ、第2の磁
性粉におけるアスペクト比を1.2〜1.7(−)の範
囲内の値とすることがより好ましく、さらに、第1の磁
性粉におけるアスペクト比を3.0〜5.0(−)の範
囲内の値とし、かつ、第2の磁性粉におけるアスペクト
比を1.3〜1.6(−)の範囲内の値とすることがよ
り好ましい。
【0024】(5)BET値 また、磁性粉のBET値に関して、残留磁化の値が異な
る磁性粉を第1および第2の磁性粉としたときに、第1
の磁性粉のBET値を10〜30m2/gの範囲内の値
とし、かつ、第2の磁性粉のBET値を1〜10m2
g(ただし、10m2/gは含まない。)とすることが
好ましい。このようにBET値の値が異なる、少なくと
も2種類の磁性粉を混合使用することにより、得られる
MICRトナーの残留磁化の値や分散性を容易に調節す
ることができる。また、このように構成すると、MIC
Rトナーにおける画像濃度や読み取り精度を著しく向上
させることができるとともに、バインダー樹脂に対する
これらの磁性粉の分散性や耐久性を向上させることもで
きる。したがって、MICRトナーにおける磁性分の分
散性や画像濃度等の特性のバランスがより向上すること
から、第1の磁性粉におけるBET値を11〜25m 2
/gの範囲内の値とし、かつ、第2の磁性粉におけるB
ET値を2〜9m2/gの範囲内の値とすることがより
好ましく、さらに、第1の磁性粉におけるBET値を1
2〜20m2/gの範囲内の値とし、かつ、第2の磁性
粉におけるBET値を4〜8m2/gの範囲内の値とす
ることがより好ましい。なお、BET値は、BET吸着
法により、比表面積として求めることができる。
【0025】(6)嵩密度 磁性粉の嵩密度に関して、残留磁化の値が異なる磁性粉
を第1および第2の磁性粉としたときに、第1の磁性粉
の嵩密度を1〜1.2g/cm3の範囲内の値とし、か
つ、第2の磁性粉の嵩密度を1.2〜2.0g/cm3
(ただし、1.2g/cm3は含まない。)とすること
が好ましい。このように嵩密度の値が異なる、少なくと
も2種類の磁性粉を混合使用することにより、得られる
トナーの残留磁化の値や分散性を容易に調節することが
できる。また、このように構成すると、トナーにおける
画像濃度や読み取り精度を著しく向上させることができ
るとともに、バインダー樹脂に対するこれらの磁性粉の
分散性や耐久性を向上させることもできる。したがっ
て、トナーの分散性や画像濃度等の特性のバランスがよ
り向上することから、第1の磁性粉における嵩密度を
1.05〜1.2g/cm3の範囲内の値とし、かつ、
第2の磁性粉における嵩密度を1.3〜1.6g/cm
3の範囲内の値とすることがより好ましく、さらに、第
1の磁性粉における嵩密度を1.1〜1.2g/cm3
の範囲内の値とし、かつ、第2の磁性粉における嵩密度
を1.3〜1.5g/cm3の範囲内の値とすることが
より好ましい。
【0026】(7)形態 また、磁性粉の形態は特に制限されるものではないが、
針状、粒状、あるいは球状、さらには不定形の磁性粉を
使用することができる。ここで、針状の磁性粉は、一般
に嵩密度および飽和磁化の値が小さく、バインダー樹脂
に対する分散性が乏しいものの、残留磁化の値、保持力
の値、BET値およびアスペクト比(長径/短径)が大
きいという特徴がある。また、粒状の磁性粉は、一般に
残留磁化の値、飽和磁化の値、保持力の値あるいはBE
T値が比較的大きい一方、アスペクト比(長径/短径)
や嵩密度の値が比較的小さく、バインダー樹脂に対する
分散性は良好であるという特徴がある。さらに、球状の
磁性粉は、一般に残留磁化の値、保持力の値、BET値
あるいはアスペクト比(長径/短径)は小さいものの、
嵩密度および飽和磁化の値が比較的大きく、バインダー
樹脂に対する分散性は良好であるという特徴がある。
【0027】また、本発明において、残留磁化の値が異
なる磁性粉を第1および第2の磁性粉としたときに、第
1の磁性粉の形態を針状とし、かつ、第2の磁性粉の形
態を粒状とすることが好ましい。この理由は、形状が異
なる少なくとも2種類の磁性粉を混合使用することによ
り、得られるトナーの残留磁化の値や分散性を容易に調
節することができるためである。すなわち、針状の磁性
粉は、一般に、残留磁化の値やBET表面積の値が大き
いが、分散性が乏しく、飽和磁化の値が小さいという問
題がある。一方、粒状の磁性粉は、一般に、分散性が良
好で、飽和磁化の値が大きいが、残留磁化の値やBET
表面積の値が比較的小さいという問題がある。したがっ
て、針状および粒状の磁性粉のいずれか一方のみを使用
しても、残留磁化や分散性等の相反する特性において、
バランスの採れたトナーを得ることが困難な場合がる。
それに対して、このように磁性粉を混合使用することに
より、トナーにおける画像濃度や読み取り精度を著しく
向上させることができるとともに、バインダー樹脂に対
するこれらの磁性粉の分散性や耐久性を容易に向上させ
ることができる。
【0028】(8)添加量 また、磁性粉の添加量に関しても特に制限されるもので
はないが、例えば、磁性粉の添加量をバインダー樹脂1
00重量部あたり、1〜60重量部の範囲内の値とする
のが好ましい。この理由は、磁性粉の添加量が1重量部
未満となると、いわゆるカブリ現象が発生しやすく、ま
た、読み取り性が低下する場合があるためである。一
方、磁性粉の添加量が60重量部を超えると、分散性や
攪拌性が低下し、さらには画像濃度等が低下する場合が
あるためである。したがって、MICRトナーの画像濃
度等と、分散性等とのバランスがより良好なことから、
磁性粉の添加量をバインダー樹脂100重量部あたり、
20〜55重量部の範囲内の値とするのがより好まし
く、30〜50重量部の範囲内の値とするのがさらに好
ましい。
【0029】次に、残留磁化の値が異なる磁性粉を第1
および第2の磁性粉とした場合の、これらの磁性粉にお
ける添加比率について説明する。すなわち、第1および
第2の磁性粉における添加量の比率については特に制限
されるものではないが、第1の磁性粉を100重量部と
したときに、第2の磁性粉を10〜1000重量部の範
囲内の値とすることが好ましい。この理由は、第2の磁
性粉の添加量が10重量部未満となると、磁性粉の分散
性やMICRトナーの耐久性が低下する場合があるため
であり、一方、第2の磁性粉の添加量が1000重量部
を超えると、MICRトナーの画像濃度等が低下する場
合があるためである。したがって、第1の磁性粉を10
0重量部としたときに、第2の磁性粉を20〜500重
量部の範囲内の値とすることがより好ましく、さらに好
ましくは、第2の磁性粉を50〜300重量部の範囲内
の値とすることである。
【0030】(9)表面処理 次に、磁性粉の表面処理について説明する。磁性粉の分
散性や、MICRトナーの耐久性を向上させることがで
きることから、第1および第2の磁性粉あるいはいずれ
か一方の磁性粉を、表面処理剤を用いて処理することが
好ましい。その場合の表面処理剤として、カチオン系界
面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、シ
ラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アル
ミニウム系カップリング剤、フェノール系樹脂、エポキ
シ系樹脂、シアネート系樹脂、ウレタン系樹脂等を単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することが好
ましい。また、表面処理剤の使用量を、磁性粉100重
量部あたり、0.1〜100重量部の範囲内の値とする
のが好ましい。表面処理剤の使用量が0.1重量部未満
となると、表面処理効果が発揮されない場合があり、一
方、100重量部を超えると、トナーの画像濃度等が低
下する場合がある。したがって、表面処理効果およびト
ナーの画像濃度等とのバランスがより良好なことから、
表面処理剤の使用量を、磁性粉100重量部あたり、
0.5〜20重量部の範囲内の値とするのがより好まし
く、1.0〜10重量部の範囲内の値とするのがさらに
好ましい。
【0031】[金属酸化物粒子]図1を参照しながら、
金属酸化物粒子(導電性研磨剤微粒子)15について説
明する。図1は、金属酸化物粒子を外表面に含むMIC
Rトナーの部分的なモデル図であり、当該MICRトナ
ー11は、バインダー樹脂6と、2種類の磁性粉8、9
とからなるトナー母粒子13の外表面に、一部が露出し
た状態で金属酸化物粒子15が固定されている状態を示
している。以下、かかる金属酸化物粒子15の種類、体
積抵抗および特性等につき、詳細に説明する。
【0032】(1)種類 金属酸化物粒子の種類としては、硬度が大きな微粒子、
例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン
(チタニア)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)等の1
種単独または2種以上の組み合わせが挙げられる。ま
た、これらの金属酸化物粒子のうち、酸化アルミニウム
および酸化チタン、あるいはいずれか一方であることが
より好ましい。例えば、酸化チタンや、酸化アルミニウ
ムは、それぞれ白色性が高いため、MICRトナーに使
用しても、印刷したMICRトナーが本来有する色を、
変色させるおそれが少ないことから好適である。また、
これらの金属酸化物粒子は、化学的にも安定であり、し
かも耐熱性にも優れているため、現像後、可視像を加熱
定着した場合であっても、劣化が少ないことから好適で
ある。また、結晶構造がルチル型の酸化チタンは、アナ
タ−ゼ型の酸化チタン等と比較して、さらに研磨性によ
り優れていることから好適である。
【0033】(2)体積抵抗 範囲 金属酸化物粒子の体積抵抗を、1×105〜1×1011
Ω・cmの範囲内の値とすることが必要であり、1×1
6〜1×1010Ω・cmの範囲内の値とすることが好
ましく、1×107〜1×109Ω・cmの範囲内の値と
することがより好ましい。この理由を、図4を参照しな
がら具体的に説明する。図4は、実施例1、2および比
較例1、2のデータの一部を示したものであり、横軸
に、MICRトナーにおける金属酸化物粒子の体積抵抗
(Ω・cm)を採って示してあり、縦軸に、当該MIC
Rトナーを用いて、A4紙、30万枚、MICRフォン
ト(E−13B)からなる画像評価パターンを印刷した
場合の画像濃度の値を採って示してある。なお、当該画
像濃度の値は、マクベス濃度計を用いて測定した値であ
り、例えば、基準値として、非印刷状態のA4紙(白と
表示する場合がある。)の場合には0.07となり、画
像評価パターンをベタ状態に印刷した場合には1.78
となる。図4から理解されるように、使用する金属酸化
物粒子の体積抵抗が、1×10 5Ω・cm以上となる
と、長期間連続印刷後であっても、約80%以上の高い
画像濃度の値を得ることができる。これは、金属酸化物
粒子の体積抵抗が、逆に1×105Ω・cm未満となる
と、帯電量を過度に低下させるために、粒子径が大きい
トナーが帯留するためである。一方、図4から同様に理
解されるように、使用する金属酸化物粒子の体積抵抗
が、1×1011Ω・cm以下となると、長期間連続印刷
後に、約80%以上の高い画像濃度の値を得ることがで
きる。これは、金属酸化物粒子の体積抵抗が、逆に1×
1011Ω・cmを超えると、導電量が上がりすぎて、チ
ャージアップし、選択現像を加速するためである。よっ
て、金属酸化物粒子の体積抵抗を、1×10〜1×1
10Ω・cmの範囲内の値とすることにより、導電性
制御機能を有効に発揮して、長期間連続印刷後であって
も、優れた画像濃度、すなわちより高い読取率を得るこ
とができる。
【0034】測定方法 金属酸化物粒子の体積抵抗は、上下の電極(電極面積5
cm2)間に、測定対象の金属酸化物粒子を挟み込み、
荷重1kgの条件で押圧して、電極間距離を0.5cm
に調整した後、電極間に1〜500Vの電圧を印加し
て、流れる電流値を測定することにより、換算して求め
ることができる。なお、後述するキャリアの体積抵抗に
ついても、同様の方法で測定することができる。
【0035】調整方法 また、金属酸化物粒子の体積抵抗は、上述した種類の金
属酸化物粒子に対して、酸化スズ処理や、酸化インジウ
ム処理等の導電化処理剤を施すことにより、1×105
〜1×1011Ω・cmの範囲内の値に容易に調整するこ
とができる。例えば、ヘンシェルミキサー等の混合装置
内に、金属酸化物粒子および導電化処理剤をそれぞれ収
容し、混合攪拌することにより、付着する導電化処理剤
量により、金属酸化物粒子の体積抵抗を調整することが
できる。より具体的には、導電化処理剤の処理量を、全
体量に対して、0.01〜10重量%の範囲内の値とす
ることが好ましく、0.05〜5重量%の範囲内の値と
することがより好ましい。
【0036】(3)硬度 また、金属酸化物粒子の硬度を、モース硬度で5〜7.
5の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、金
属酸化物粒子のモース硬度が5未満となると、感光体に
対して、優れた研磨効果を発揮することが困難となる場
合があるためであり、一方、モース硬度が7.5を超え
ると、アモルファスシリコン感光体や搬送ローラ等の部
材についても研磨するおそれが生じるためである。な
お、感光体の表面保護層21(図2及び図3参照)とし
て、シリコンカーバイド(SiC)層を有するアモルフ
ァスシリコン感光体(α―Si感光体)を研磨する場合
を考えても、金属酸化物粒子のモース硬度を6〜7.5
の範囲内の値とすることが好ましい。
【0037】(4)平均粒子径 また、金属酸化物粒子の平均粒子径を、50nm〜1μ
mの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、金
属酸化物粒子の平均粒子径が50nm未満となると、研
磨効果を発揮するのが困難となる場合があるためであ
り、一方、かかる平均粒子径が1μmを超えると、一部
を露出した状態で固定することが困難となり、金属酸化
物粒子が脱離しやすくなる場合があるためである。した
がって、金属酸化物粒子の研磨効果と、脱離防止とのバ
ランスがより良好となることから、金属酸化物粒子の平
均粒子径を100nm〜900nmの範囲内の値とする
ことがより好ましく、200nm〜800nmの範囲内
の値とすることがさらに好ましい。また、均一な研磨力
が得られることから、金属酸化物粒子の粒度分布は狭い
ほうが好ましいが、具体的に、粒度分布計で測定される
粒度分布において、平均粒子径の±100nmの範囲内
に、粒子重量の80重量%が分布していることが好まし
い。さらに、金属酸化物粒子の固定が容易となることか
ら、金属酸化物粒子の平均粒子径をdとし、トナー母粒
子の平均粒子径をDとしたときに、D/dを10〜50
0の範囲内の値とすることが好ましく、50〜300の
範囲内の値とすることがより好ましい。
【0038】(5)添加量 また、金属酸化物粒子の添加量を、全体量に対して、
0.5〜2重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、金属酸化物粒子の添加量が0.5重量%未
満となると、研磨効果を発揮するのが困難となったり、
あるいは、導電安定性の調整が困難となる場合があるた
めであり、一方、かかる添加量が2重量%を超えると、
やはり導電安定性の調整が困難となったり、金属酸化物
粒子が脱離しやすくなる場合があるためである。したが
って、金属酸化物粒子の脱離防止と、研磨効果と、導電
安定性の調整とのバランスがより良好となることから、
金属酸化物粒子の添加量を1〜1.5重量%の範囲内の
値とすることがより好ましく、1.3〜1.4重量%の
範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0039】この点、下記表1に示すMICRトナーに
おける金属酸化物粒子(酸化チタン)の添加量を検討した
結果を踏まえて、さらに詳細に説明する。すなわち、実
施例1のMICRトナーにおいて、酸化チタンの添加量
を0.1〜5重量%の範囲で変えて、MICRトナーを
作成するとともに、印刷試験(A4紙、5万枚)を行
い、導電安定性および脱離性を下記基準で評価したもの
である。 (導電安定性の評価) ◎:選択現像や、トナー付着が全く見られない。 〇:選択現像や、トナー付着がわずかに見られる。 △:選択現像や、トナー付着が少々見られる。×:顕著
な選択現像や、トナー付着が見られる。 (脱離性の評価) ◎:MICRトナーから金属酸化物粒子の脱離が全く見
られない。 〇:MICRトナーから金属酸化物粒子の脱離がわずか
に見られる。 △:MICRトナーから金属酸化物粒子の脱離が少々見
られる。 ×:顕著なMICRトナーから金属酸化物粒子の脱離が
見られる。
【0040】
【表1】
【0041】したがって、金属酸化物粒子の脱離防止
と、導電安定性の調整との評価結果が優れていることか
ら、金属酸化物粒子の添加量を1〜1.5重量%の範囲
内の値とすることが好ましいことが理解される。
【0042】(6)露出程度 また、金属酸化物粒子の露出程度として、トナー母粒子
の外部に突出した金属酸化物粒子の容積を、金属酸化物
粒子の体積を100容量%としたときに、10〜90容
量%の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、
かかる金属酸化物粒子の露出程度が10容量%未満とな
ると、金属酸化物粒子が容易に脱離する場合があるため
であり、一方、90容量%を超えると、研磨効果を発揮
することが困難となる場合があるためである。したがっ
て、金属酸化物粒子の脱離防止と、研磨効果とのバラン
スがより良好となることから、金属酸化物粒子の露出程
度を20〜80容量%の範囲内の値とすることがより好
ましく、30〜40容量%の範囲内の値とすることがさ
らに好ましい。
【0043】[添加剤] (1)ワックス類 本発明のMICRプリンター用磁性トナーにおいて、画
像濃度を高め、読取ヘッドへのオフセットや像スミアリ
ングを有効に防止することができることから、ワックス
類を添加することが好ましい。好ましいワックス類は、
例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワック
ス、テフロン(登録商標)系ワックス、フィッシャート
ロプッシュワックス等が挙げられる。また、ワックス類
の添加量を、例えば、トナー全体量を100重量%とし
たときに、1〜5重量%の範囲内の値とするのが好まし
い。この理由は、ワックス類の添加量が1重量%未満と
なると、読取ヘッドへのオフセットや像スミアリング等
を効率的に防止することができない場合があり、一方、
ワックス類の添加量が5重量%を超えると、ワックスが
遊離して、感光体ドラム表面に付着し、濃度低下を生じ
る場合があるためである。
【0044】(2)電荷制御剤 また、帯電レベルや帯電立ち上がり性(短時間で、一定
の電荷レベルに帯電するかの指標)の向上および優れた
流動性が得られることから、MICRトナーに対して、
電荷制御剤を添加することが好ましい。ここで、電荷制
御剤には、電荷(帯電量)を一定範囲内に調整する機能
を有する電荷調整剤(CCA)と、電荷(帯電量)を増
化させる機能を有する電荷増強樹脂(CCR)とがあ
る。したがって、本発明のMICRトナーにおいて、電
荷調整剤および電荷増強樹脂あるいはいずれか一方を添
加することが好ましい。
【0045】具体的に、好ましい電荷調整剤(CCA)
としては、アジン化合物、アジン化合物からなる直接染
料、ニグロシン化合物、金属塩類、アルコキシル化アミ
ン、アルキルアミド、4級アンモニウム塩等の1種また
は2種以上が挙げられる。特に、ニグロシン化合物は、
帯電量についての瞬時の立ち上げが可能であり、また、
飽和帯電量の制御が容易なことから、本発明において最
適である。また、好ましい電荷増強樹脂(CCR)とし
ては、4級アンモニウム塩を有する樹脂またはオリゴマ
ー、カルボン酸塩を有する樹脂またはオリゴマー、カル
ボキシル基を有する樹脂またはオリゴマー等の1種また
は2種以上が挙げられる。特に、4級アンモニウム塩、
カルボン酸塩あるいはカルボキシル基を有するスチレン
−アクリル系共重合体の使用は、帯電量の立ち上がりを
より助長することができることら、本発明において最適
である。
【0046】また、電荷制御剤の添加量を、具体的に、
MICRトナーの全体量を100重量%としたときに、
0.1〜10重量%の範囲内の値とするのが好ましい。
この理由は、電荷制御剤の添加量が0.1重量%未満と
なると、電荷を制御する機能が有効に発揮されない場合
があり、一方、電荷制御剤の添加量が10重量%を超え
ると、トナーの分散性や耐久性が低下する場合があるた
めである。
【0047】(3)内添剤 また、本発明のMICRトナーには、上述したワックス
類および電荷制御剤以外の内添剤、例えば、着色剤、染
料、顔料、カップリング剤、シリカ粒子等を配合するこ
とも好ましい。
【0048】(4)外添剤 また、本発明のMICRトナーには外添剤を添加するこ
とも好ましく、流動性をより制御できることから、外添
剤として、シリカ粒子(シリカ微粉末)を添加すること
が好ましい。この場合、乾式シリカ微粉末と湿式シリカ
微粉末とを併用して添加することが好ましい。このよう
に種類の異なるシリカ微粉末を併用することにより、M
ICRトナーの帯電性が環境条件(湿度条件)により影
響されることを有効に防止することができる。また、外
添剤の添加量を、例えば、MICRトナーを100重量
部としたときに、0.1〜5重量部の範囲内の値とする
ことが好ましい。この理由は、かかる添加量が0.1重
量部未満の値となると、トナーの流動性が低下して、結
果として画像濃度が低下する場合があるためである。一
方、かかる添加量が5重量部を超えると、MICRトナ
ーの耐久性が低下したり、帯電制御が困難となる場合が
あるためである。したがって、外添剤の添加量を、1〜
3重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
【0049】[MICRトナー] (1)残留磁化 本発明において、MICRトナーの残留磁化を、7.0
〜20emu/g(ただし、7.0emu/gは含まな
い。)の範囲内の値とすることが好ましい。この理由
は、MICRトナーにおける残留磁化の値が、7.0e
mu/g以下となると、MICRトナーの画像濃度や読
み取り精度が著しく低下するためであり、一方、MIC
Rトナーにおける残留磁化の値が、20emu/gを超
えると、逆にMICRトナーの読み取り精度が低下した
り、分散性や耐久性が低下する場合があるためである。
したがって、より優れたMICRトナーの読み取り精度
等を得るために、残留磁化を8〜18emu/gの範囲
内の値とするのがより好ましく、10〜15emu/g
の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
【0050】(2)飽和磁化 次に、MICRトナーの飽和磁化の値について説明す
る。かかるMICRトナーの飽和磁化の値は特に制限さ
れるものではないが、例えば、20〜45emu/gの
範囲内の値とすることが好ましい。MICRトナーにお
ける飽和磁化の値が、20emu/g未満となると、画
像濃度や読み取り精度が著しく低下する場合があるため
であり、一方、MICRトナーにおける残留磁化の値
が、45emu/gを超えると、逆に読み取り精度が低
下する場合があるためである。したがって、より優れた
MICRトナーの読み取り精度等を得るために、MIC
Rトナーの飽和磁化を、25〜40emu/gの範囲内
の値とするのがより好ましく、30〜32.5emu/
gの範囲内の値とするのがさらに好ましい。
【0051】(3)形態および平均粒子径 また、MICRトナーの形態についても特に制限される
ものでないが、具体的に、トナーの読み取り精度や画像
濃度が向上し、しかも容易に製造できることから、球状
または粒状であることが好ましい。また、MICRトナ
ーの平均粒子径を1〜20μmの範囲内の値とするのが
好ましい。この理由は、平均粒子径がかかる範囲外とな
ると、トナーの読み取り精度や画像濃度が低下する場合
があり、また、製造上の制御も困難となる場合があるた
めである。したがって、MICRトナーの平均粒子径
を、4〜15μmの範囲内の値とするのがより好まし
く、5〜13μmの範囲内の値とするのがさらに好まし
い。
【0052】[第2の実施形態]第2の実施形態は、M
ICRトナーの製造方法に関し、バインダー樹脂と、磁
性粉とを混合して、球状に成形する第1の工程と、体積
抵抗が1×105〜1×1011Ω・cmの範囲の金属酸
化物粒子を外表面に添加する第2の工程とを含んでい
る。
【0053】(1)第1の工程 第1の工程は、バインダー樹脂と、磁性粉とを混合し、
成形することにより、球状のトナー母粒子を作成する工
程である。かかるトナー母粒子の製造方法は特に制限さ
れるものではなく、例えば、プロペラミキサー、ニー
ダ、Vブレンダ、ヘンシェルミキサー等を用いて、バイ
ンダー樹脂と磁性粉とを均一に混練し、次いで、粉砕機
を用いて粉砕し、さらに分級することにより、所望の平
均粒子径を有するトナーを得ることができる。また、こ
の時点で、上述したワックス類や、荷電制御剤等の内添
剤を添加することが好ましい。なお、トナー母粒子の平
均粒径を、MICRトナーおよび金属酸化物粒子の平均
粒子径を考慮して、具体的に、0.5〜18μmの範囲
内の値とすることが好ましく、0.8〜15μmの範囲
内の値とすることがより好ましい。
【0054】(2)第2の工程 第2の工程は、金属酸化物粒子の一部分をトナー母粒子
の表面から突き出した状態で固定化する工程である。す
なわち、トナー母粒子と金属酸化物粒子とを均一に混合
し、例えば、静電力によりトナー母粒子の表面に金属酸
化物粒子を付着させた後、固定化装置等を用いて、機械
的または熱的衝撃を与えることにより、金属酸化物粒子
をトナー母粒子中に打ち込む工程である。
【0055】ここで、第2の工程で使用する固定化装置
としては、表面改質装置や表面改質システムとしての市
販品を用いることができ、例えば、流動式混合機の代表
例としては、三井鉱山(株)製のヘンシェルミキサー
(商品名)が挙げられ、機械式固定装置(乾式メカノケ
ミカル法)によるものとしては、岡田精工(株)製のメ
カノケミカル(商品名)や、ホソカワミクロン株式会社
製のメカノフュージョンシステム(商品名)等が挙げら
れる。また、高速気流中衝撃法式固定装置によるものと
しては、(株)奈良機械製作所製のハイブリダイゼーシ
ョンシステム(商品名)や、川崎重工(株)製のクリプ
トロンシステム(商品名)を挙げることができる。ま
た、熱式固定装置としては、日本ニューマチック工業
(株)製のサーフュージング(商品名)を挙げることが
できる。なお、これらの固定装置における処理条件につ
いては、金属酸化物粒子の固定の状態を考慮して適宜定
めれば良いが、例えば、上述したヘンシェルミキサーを
用いた場合、トナー50Kgに対して、1重量%の金属
酸化物粒子を固定する場合、表2に示す結果から判断で
きるように、回転数1200〜2000rpm,2〜6
分の条件とするか、あるいは回転数1400〜1800
rpm,1〜6分の条件とすることが好ましい。
【0056】
【表2】
【0057】[第3の実施形態]次に、本発明のMIC
Rトナーを用いた、画像形成方法についての実施形態を
説明する。
【0058】(1)感光体 先ず、図2を参照して、現像剤を適用する画像形成装置
の感光体の構成について説明する。図2は、感光体ドラ
ムの感光層の層構成を説明するための要部断面模式図で
ある。図2に示すように、この感光体21の感光層は、
導電性基体23上に、Si/Ge/H等の元素からなる
光吸収層25、Si/H/B/O等の元素からなるキャ
リア注入阻止層27、Si/H等の元素からなるキャリ
ア励起・輸送層29(光導電層)、及び、表面保護層3
1が順次に形成された層構成を有する。
【0059】この表面保護層31は、例えば厚さが0.
3〜1×10μm程度のSiC層から形成されており、
このように構成することにより、感光体ドラムの寿命を
著しく伸ばすことができる。しかしながら、SiC層か
らなる表面保護層31の表面は、一般に平滑でなく、微
小突起物(コーン)が多数存在しており、また、このS
iC層は、親水性が強いために、コロナ放電によって生
じる硝酸アンモニウム等の親水性化合物が、イオン生成
物として、SiC層の微小突起物間に溜まりやすいとい
う傾向がある。したがって、例えば、連続印刷を行った
り、高湿条件下で印刷すると、感光体ドラム表面に、M
ICRトナーが多量に付着したり、トナーフィルミング
が発生したり、あるいは、イオン生成物の付着が発生し
やすくなる場合が見られた。そのため、感光体の電荷が
リークして、いわゆる「像流れ」の現象が発生しやすい
という問題が見られた。
【0060】これに対して、本発明のMICRトナーを
用いることにより、表面に固定された金属酸化物粒子1
5が、SiC層の微小突起物の先端付近を研摩して、S
iC層表面を平滑化するとともに、微小突起物どうしの
間に堆積したイオン生成物を効率的に取り除くことがで
きる。したがって、表面保護層31として、SiC層を
有する感光体を使用した場合であっても、「像流れ」の
発生を有効に防止することができる。また、本発明のM
ICRトナーは、外表面に金属酸化物粒子が適度に固定
されているため、押圧された場合に、内側に向かって適
度に変形することができ、過度に研磨力を発揮すること
がない。したがって、クリーニングブレードや摺擦ロー
ラ等で押圧して、MICRトナーにより研摩した場合に
おいても、感光体表面を傷付けることがない。
【0061】(2)画像形成方法 次に、画像形成装置の構成を説明するための模式図であ
る図3を参照しながら、MICRトナーを含む現像剤を
用いて画像形成する方法について、画像形成装置の構成
例とともに説明する。かかる画像形成装置において、ド
ラム状のα−Si系感光体21の周囲には、コロナ帯電
器41、LEDヘッド43(露光器)、現像ローラ4
5、転写機47、摺擦ローラ49、クリーニングブレー
ド51が配設されている。したがって、コロナ帯電器4
1による感光体21の表面の均一帯電、およびLEDヘ
ッド43による選択画像露光による静電潜像の形成後
に、現像ローラ45により現像剤61が感光体21の表
面に供給され、現像によりMICRトナー11からなる
可視像が形成されることになる。このとき、現像剤61
中のMICRトナー11表面に固定された金属酸化物粒
子15により、感光体21の表面が適度に摩擦されて、
表面保護層であるSiC層31を研摩することができ
る。また、金属酸化物粒子15は、トナー母粒子13に
固定されているので、脱落するおそれが少なく、現像不
良、画像欠陥などの原因となることがない。
【0062】また、感光体21の表面のMICRトナー
11は、転写機47により紙63(被転写材)に転写さ
れ、続いて、定着器(図示せず)により、紙63上に定
着されることになる。ただし、この転写工程において
は、感光体21の表面上のMICRトナー11がすべて
紙63に対して、転写されるのではなく、一部分のMI
CRトナー11(残存トナー)が感光体21上に残るこ
とになる。したがって、本発明のMICRトナーを用い
た場合、残存トナー11として、摺擦ローラ49により
感光体21の表面に対して圧接されるため、MICRト
ナー11の金属酸化物粒子15による研摩効果が大きく
なり、SiC層31を効果的に研摩することができる。
【0063】次に、感光体21上の残存トナー11は、
クリーニングブレード51により感光体21の表面から
除かれるが、このときも、感光体21上の残存トナー1
1は、クリーニングブレード51と感光体21との間に
付与される機械的な力により、残存トナー11表面に露
出した金属酸化物粒子15によって、感光体21の表面
におけるSiC層31を効果的に研摩することができ
る。なお、摺擦ローラ49としては、弾性ローラが用い
られ、感光体21の表面に対して摺擦ローラ49を圧接
することが好ましい。すなわち、摺擦ローラ49を、感
光体21に対してずり応力が掛かるように回転させるこ
とにより、感光体21におけるSiC層31を、さらに
効果的に研摩、クリーニングすることができる。その
他、本発明のMICRトナーを用いることにより、Si
C層31を有する感光体21であっても、有効に像流れ
を防止することができるが、像流れ防止効果をさらに改
善できることから、感光体21の内面にヒータ(図示せ
ず。)を取付けて,加熱することも好ましい。
【0064】
【実施例】[実施例1] (1)MICRトナーの作成 第1の工程 混合容器内に、磁性粉として、表3に示すような残留磁
化の値が異なる、第1の酸化鉄20重量部と、第2の酸
化鉄20重量部とをそれぞれ収容した。
【0065】
【表3】
【0066】次いで、スチレン−アクリル共重合体(軟
化点123℃、Tg:65℃)100重量部と、フィシ
ャートロプッシュワックス(サゾールワックスC2、重
量平均分子量:1262)2.5重量部とを混合容器内
に収容した後、均一に混合分散して磁性粉との混合物と
した。なお、第1および第2の磁性粉については、それ
ぞれ100重量部あたり、1重量部のγ−アミノプロピ
ルトリエトキシシランを添加混合し、これらの磁性粉表
面を予め表面処理を施しておいた。また、疎水化処理し
た乾式シリカ微粉末は、乾式シリカ微粉末に対してγ−
アミノプロピルトリエトキシシランを用いてアミノ基を
導入した後、シリコーンオイルによりさらに疎水化処理
したものである。
【0067】次いで、得られた混合物を、粉砕機を用い
て粗粒子に粉砕し、さらに分級して、平均粒子径が7μ
mのトナー母粒子を作成した。なお、粒度分布計を用い
て、トナー母粒子の粒度分布を測定し、5〜10μmの
範囲内に粒子重量の80重量%が分布していることを確
認した。
【0068】第2の工程 次いで、得られたトナー母粒子100重量部あたり、導
電化処理した金属酸化物粒子である酸化チタン(平均粒
径0.4μm)1.4重量部と、疎水化処理した乾式シ
リカ微粉末(平均粒径0.01μm)1.0重量部とを
それぞれ添加し、トナー母粒子の周囲に酸化チタンおよ
び乾式シリカ微粉末を均一に帯電付着させた後、ヘンシ
ェルミキサーFM20C/I(三井鉱山(株)製)を用
い、回転数1600rpm、4分の条件で、金属酸化物
粒子をトナー母粒子の外表面に一部露出した状態で固定
し、MICRトナーとした。
【0069】(2)MICRトナーの評価 得られたMICRトナーについて、以下の特性評価を行
った。また、かかるMICRトナーを京セラ(株)製プ
リンター(エコシス、FS−3700)に収容し、小切
手に相当するA4紙上に、フォント(E−13Bタイ
プ)の連続印刷を行い、画像濃度等の評価を行った。
【0070】(2−1)残留磁化、飽和磁化および保持
力の測定 得られたMICRトナーの残留磁化、飽和磁化および保
持力を、磁力測定器VSM(東英工業(株)製)を用い
て、それぞれ測定した。得られた結果を表4に示す。
【0071】(2−2)分散性評価 ミクロトームMT6000−XL(RMC社製)を用い
て、MICRトナーを切断した。次いで、電子顕微鏡を
用いてトナー断面を観察し、以下の基準で、MICRト
ナーにおける磁性粉の分散性を評価した。結果を表4に
示す。なお、評価が×であれば磁性粉の分散性が悪くて
MICRトナーとして使用することはできないが、評価
が△であれば許容範囲であり、評価が〇であれば好まし
くMICRトナーとして使用することができることを意
味している。 〇:磁性粉の塊(100倍写真にて直径1mm以上)は
全く観察されない。 △:磁性粉の塊(100倍写真にて直径1mm以上)が
1個観察される。 ×:磁性粉の塊(100倍写真にて直径1mm以上)が
2個以上観察される。
【0072】(2−3)画像濃度評価 得られたMICRトナーを京セラ(株)製プリンター
(エコシス、FS−3750)に収容し、ソリッドブラ
ックパターンをプリントし、マクベス反射型濃度計RD
914(マクベス社製)を用いて、画像濃度測定を行っ
た。得られた結果を表4に示す。
【0073】(2−4)耐久性評価 得られたMICRトナーを京セラ(株)製プリンター
(エコシス、FS−3750)に収容した後、MICR
フォントであるE−13BおよびCMC−7により、画
像評価用パターンをA4紙に連続印刷し、MICRトナ
ーの耐久性を評価した。得られた結果を表4に示す。
【0074】(2−5)読取性評価 得られたMICRトナーを京セラ(株)製プリンター
(エコシス、FS−3750)に収容し、MICRフォ
ントであるE−13BおよびCMC−7をそれぞれA4
紙30万枚分連続印刷した後、MICRトナー用読取機
マイカクオリファイヤ(RDM社製)を用いて、読取率
を測定した。結果を表4および図5(10万枚連続印刷
まで)に示す。なお、E−13BおよびCMC−7の読
取率(%)がそれぞれ80〜200%の範囲内であれ
ば、適性にフォントが読み取れたということができる。
【0075】[実施例2〜4および比較例1〜3]金属
酸化物粒子の体積抵抗を表4に示すように変えたほか
は、実施例1と同様に、MICRトナーをそれぞれ製造
して、評価した。得られた結果を、表4および図4、5
に示す。
【0076】[実施例5〜8および比較例4〜6]ま
た、実施例1および2における金属酸化物粒子の種類
を、乾式シリカ微粉末からアルミナ(平均粒径0.4μ
m)に変えたほかは、実施例1〜4および比較例1〜3
と同様に、MICRトナーを作成して評価した。得られ
た結果を表5に示す。
【0077】
【表4】
【0078】
【表5】
【0079】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
MICRトナー(MICRプリンター用現像剤を含
む。)によれば、体積抵抗を1×105〜1×1011Ω
・cmの範囲内の値とした金属酸化物粒子を外表面に固
定することにより、優れた研磨効果や、電荷調整効果を
発揮して、例えば、A4紙を連続的に300,000枚
程度印刷した場合であっても、優れた画像濃度や、読み
取り精度が得られるようになった。
【0080】また、本発明のMICRトナーによれば、
親水性のSiC表面を有するアモルファスシリコン感光
体等に適用しても、特異的な研磨機能や、優れた導電性
制御機能を発揮することができ、MICRトナー自身に
より、感光体上に残存するMICRトナーを掻き落とす
ことができるとともに、いわゆる像流れ現像を防止でき
るようになった。
【0081】さらに、本発明のMICRトナーの製造方
法によれば、例えば、A4紙を連続的に300,000
枚程度印刷した場合であっても、優れた画像濃度や、読
み取り精度が得られるMICRトナーを、効率的に得る
ことができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】MICRトナーを説明するための模式図であ
る。
【図2】感光体の要部断面模式図である。
【図3】画像形成装置の構成を説明するための模式図で
ある。
【図4】金属酸化物粒子の体積抵抗と、画像濃度との関
係を示す図である。
【図5】実施例1のA4紙の印刷枚数と、読取率との関
係を示す図である。
【図6】実施例2および比較例1におけるA4紙の印刷
枚数と、読取率との関係を示す図である。
【符号の説明】
11 トナー 13 トナー母粒子 15 金属酸化物粒子 21 感光体 23 導電性基体 25 光吸収層 27 キャリア注入阻止層 29 キャリア励起・輸送層 31 表面保護層 41 コロナ帯電器 43 LEDヘッド 45 現像ローラ 47 転写機 49 摺擦ローラ 51 クリーニングブレード 61 現像剤 63 紙

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダー樹脂と、磁性粉とを含有する
    MICRプリンター用磁性トナーにおいて、 金属酸化物粒子を外表面に含むとともに、当該金属酸化
    物粒子の体積抵抗を1×105〜1×1011Ω・cmの
    範囲内の値とすることを特徴とするMICRプリンター
    用磁性トナー。
  2. 【請求項2】 前記金属酸化物粒子の一部が露出してい
    ることを特徴とする請求項1に記載のMICRプリンタ
    ー用磁性トナー。
  3. 【請求項3】 前記金属酸化物粒子の平均一次粒子径を
    50nm〜1μmの範囲内の値とすることを特徴とする
    請求項1または2に記載のMICRプリンター用磁性ト
    ナー。
  4. 【請求項4】 前記金属酸化物粒子の硬度を、モース硬
    度で5〜7.5の範囲内の値とすることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか一項に記載のMICRプリンター
    用磁性トナー。
  5. 【請求項5】 前記金属酸化物粒子の添加量を、全体量
    に対して、0.1〜2重量%の範囲内の値とすることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のMIC
    Rプリンター用磁性トナー。
  6. 【請求項6】 前記金属酸化物粒子が、酸化アルミニウ
    ムおよび酸化チタン、あるいはいずれか一方の金属酸化
    物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項
    に記載のMICRプリンター用磁性トナー。
  7. 【請求項7】 前記磁性粉が、残留磁化の値が24〜4
    0emu/gの第1の磁性粉と、残留磁化の値が1〜2
    4emu/g未満の第2の磁性粉との混合物であること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のMI
    CRプリンター用磁性トナー。
  8. 【請求項8】 バインダー樹脂と、磁性粉とを含有する
    MICRプリンター用磁性トナーの製造方法において、 バインダー樹脂と、磁性粉とを混合して、球状に成形す
    る第1の工程と、 体積抵抗が1×105〜1×1011Ω・cmの範囲の金
    属酸化物粒子を外表面に添加する第2の工程と、 を含むことを特徴とするMICRプリンター用磁性トナ
    ーの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第2の工程において、流動式混合
    機、機械式固定化装置、高速気流中衝撃式固定化装置、
    または熱式固定化装置を用いて前記金属酸化物粒子を外
    表面に固定化することを特徴とする請求項8に記載のM
    ICRプリンター用磁性トナーの製造方法。
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