JP2001304287A - クラッチディスク組立体 - Google Patents

クラッチディスク組立体

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JP2001304287A
JP2001304287A JP2000117785A JP2000117785A JP2001304287A JP 2001304287 A JP2001304287 A JP 2001304287A JP 2000117785 A JP2000117785 A JP 2000117785A JP 2000117785 A JP2000117785 A JP 2000117785A JP 2001304287 A JP2001304287 A JP 2001304287A
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clutch
drive shaft
main drive
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shielding member
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Keisuke Fujioka
啓介 藤岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチの切れの劣化を抑えられるクラッチ
ディスク組立体を提供する。 【解決手段】 クラッチディスク組立体2は、エンジン
側のフライホイール4からトルクを入力し、トランスミ
ッションのメインドライブシャフト9にトルクを出力す
るものであって、クラッチディスク21と、ハブフラン
ジ24と、遮蔽部材27とを備えている。クラッチディ
スク21は、外周部に設けられており、フライホイール
4に接触し得る。ハブフランジ24は、クラッチディス
ク21からトルクが伝達されるもので、内周部がメイン
ドライブシャフト9とスプライン係合する。遮蔽部材2
7は、ハブフランジ24に固定され、メインドライブシ
ャフト9の回りを覆う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン側のフラ
イホイールからトルクを入力し、トランスミッションの
メインドライブシャフトにトルクを出力するクラッチデ
ィスク組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両等におけるクラッチは、エ
ンジンの回転によって回るフライホイールとトランスミ
ッションのメインドライブシャフトとの間でトルクの伝
達及び遮断を切り替える役割を果たす。このようなクラ
ッチは、例えば特開平8−303483号公報に示され
ているように、主として、クラッチディスク組立体と、
クラッチカバー組立体と、レリーズ装置とから構成され
ている。
【0003】上記公報に示されているクラッチでは、レ
リーズ装置8のレリーズベアリング31がエンジン側に
移動すると、環状レバープレート28がプレッシャープ
レート26をエンジン側に押し、クラッチディスク組立
体6の摩擦連結部(クラッチディスク)15がフライホ
イール2と摩擦係合してクラッチが連結される。一方、
レリーズベアリング31がトランスミッション側に移動
すると、クラッチディスク組立体6の摩擦連結部15と
フライホイール2との摩擦係合が解除され、クラッチが
切断される。
【0004】ところで、クラッチの一般的な構造は上記
公報の図1に示すようなものであり、クラッチディスク
組立体(6)は、摩擦連結部(15)、ハブフランジ
(14)、摩擦連結部(15)及びハブフランジ(1
4)を円周方向に弾性連結するコイルスプリング(2
0)等を有している。そして、摩擦連結部(15)がフ
ライホイール(2)とクラッチカバー組立体(7)のプ
レッシャープレート(26)との間に配置され、ハブフ
ランジ(14)にはトランスミッションのメインドライ
ブシャフト(3)が貫通しスプライン係合する。
【0005】また、上記公報に示されているクラッチは
レリーズベアリングをトランスミッション側に引くこと
によってクラッチを切断するプルタイプのクラッチであ
るが、プッシュタイプのクラッチにおいても、ハブフラ
ンジとメインドライブシャフトとのスプライン係合部分
及びその周辺の構造は上記公報の図1の構造と同様であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般にクラッチにおい
ては、上記のようにクラッチディスク組立体のハブ(ハ
ブフランジ)とトランスミッションのメインドライブシ
ャフトとをスプライン係合させる構造が採られるが、メ
インドライブシャフトは剥き出しの状態でハブを貫通し
てハブに係合している。
【0007】このため、メインドライブシャフトのスプ
ライン部に粉塵が付着して、メインドライブシャフトと
ハブとの摺動が妨げられる恐れがある。具体的には、摩
擦連結部からの摩耗した摩擦部材の小片、クラッチを覆
うハウジングの空気穴から入ってくるゴミ等がメインド
ライブシャフトに付着して、時間が経つにしたがってメ
インドライブシャフトとハブとの軸方向摺動のスムーズ
性が損なわれ、いわゆるクラッチの切れが劣化する現象
が起こる。
【0008】また、メインドライブシャフトが剥き出し
でハブに係合しているため、摺動性向上のために両者の
間に充填されているグリースが、遠心力によって飛散し
やすい。従来のクラッチにおいては、このグリースの飛
散を抑えるような構造は採られておらず、時間の経過に
したがいクラッチの切れが劣化する。本発明の課題は、
クラッチの切れの劣化を抑えられるクラッチディスク組
立体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のクラッ
チディスク組立体は、エンジン側のフライホイールから
トルクを入力し、トランスミッションのメインドライブ
シャフトにトルクを出力するものであって、クラッチデ
ィスクと、ハブと、遮蔽部材とを備えている。クラッチ
ディスクは、外周部に設けられており、フライホイール
に接触し得る。ハブは、クラッチディスクからトルクが
伝達されるもので、内周部がメインドライブシャフトと
円周方向に係合する。遮蔽部材は、ハブに固定され、メ
インドライブシャフトの回りを覆う。
【0010】本請求項のクラッチディスク組立体は、ク
ラッチディスクがフライホイールに接触しているときに
は、クラッチディスクがフライホイールからトルクを入
力して、ハブがメインドライブシャフトにトルクを出力
する。また、クラッチディスクがフライホイールと接触
していないときには、フライホイールからのトルクの入
力が断たれ、メインドライブシャフトにはフライホイー
ルのトルクは伝達されない。
【0011】そして、ここではハブの内周部がメインド
ライブシャフトに係合することでクラッチディスク組立
体からメインドライブシャフトにトルクを伝達(出力)
させているが、メインドライブシャフトの回りを覆うよ
うに遮蔽部材を配置し、その遮蔽部材をハブに固定させ
ている。このハブに固定される遮蔽部材がメインドライ
ブシャフトの回りを覆うため、ここでは、メインドライ
ブシャフトとハブとの係合部分に外部からの粉塵やクラ
ッチディスクからの粉塵が付着することが抑えられる。
また、反対に、メインドライブシャフトとハブとの係合
部分に摺動性を向上させるためのグリースが充填されて
いる場合には、そのグリースの遠心力による飛散が抑え
られる。
【0012】したがって、時間が経過していってもメイ
ンドライブシャフトとハブとの軸方向の摺動性があまり
悪化しなくなり、クラッチの切れの確実性の経年劣化が
小さくなる。なお、メインドライブシャフトを覆うトラ
ンスミッションの筒状スリーブなどに対して、遮蔽部材
が干渉しないようにすることが望ましい。トランスミッ
ションの筒状スリーブと本クラッチディスク組立体の遮
蔽部材とを回転軸方向にずらしてもよいし、メインドラ
イブシャフトを確実にカバーするために、筒状スリーブ
の一部を覆うように遮蔽部材を配置してもよい。
【0013】請求項2に記載のクラッチディスク組立体
は、請求項1に記載のものであって、遮蔽部材は、筒状
の部材であって、少なくともハブのトランスミッション
側に固定される。ここでは、遮蔽部材が筒状の部材であ
り、メインドライブシャフトの周囲全体を覆っている。
また、ハブのエンジン側に較べて粉塵の侵入や発生箇所
の多いトランスミッション側に遮蔽部材を配置し、粉塵
のメインドライブシャフトへの付着を抑えている。望ま
しくはハブの両側に遮蔽部材を配すればよいが、トラン
スミッション側だけに遮蔽部材を配しても高い効果が期
待できる。
【0014】請求項3に記載のクラッチディスク組立体
は、請求項1又は2に記載のものであって、遮蔽部材は
伸縮性を有している。また、遮蔽部材は、その一端がハ
ブに固定され、その他端がメインドライブシャフトに固
定される。ここでは、遮蔽部材の両端をハブ及びメイン
ドライブシャフトに固定し、ハブ及びメインドライブシ
ャフトの軸方向相対移動を確保するために、遮蔽部材に
伸縮性を持たせている。このように遮蔽部材の他端をメ
インドライブシャフトに固定することにより、粉塵がメ
インドライブシャフトと遮蔽部材との間から侵入した
り、メインドライブシャフトと遮蔽部材との間からグリ
ースが飛散したりすることが抑えられ、メインドライブ
シャフトとハブとの軸方向の摺動性がより長く保たれる
ようになる。
【0015】請求項4に記載のクラッチディスク組立体
は、請求項3に記載のものであって、遮蔽部材は、フラ
イホイールとクラッチディスクとが接触している状態に
おいて、ハブをトランスミッション側に付勢する。ここ
では、フライホイールとクラッチディスクとが接触して
いる状態において、クラッチディスク組立体のハブが、
メインドライブシャフトに固定された遮蔽部材によっ
て、トランスミッション側に付勢されている。すなわ
ち、クラッチ接続時において、クラッチディスク組立体
は、フライホイールから離れる方向に付勢されている。
このため、クラッチを切断するときにクラッチが切れや
すくなる。
【0016】なお、クラッチ切断時には、クラッチディ
スク組立体のクラッチ切断位置を確保するために、遮蔽
部材による付勢力がなくなることが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】<全体構成>本発明の一実施形態
に係るクラッチディスク組立体を含むクラッチを図1に
示す。図1において、軸O−Oはクラッチの回転中心線
(回転軸)である。クラッチは、エンジン側(図1の左
側)のフライホイール4からトランスミッション側(図
1の右側)のメインドライブシャフト9にトルクを伝達
及び遮断するための装置である。このクラッチは、主と
して、クラッチカバー組立体1と、クラッチディスク組
立体2と、レリーズ装置3とから構成されている。
【0018】フライホイール4は、エンジンの作動によ
って回転するクランクシャフト50の端部に固定されて
いる。メインドライブシャフト9は、後述するクラッチ
ディスク組立体2のハブフランジ24にスプライン係合
し、そのエンジン側の端部がベアリング51を介してク
ランクシャフト50に軸支されている。クラッチカバー
組立体1の後方(図1の右側)には、トランスミッショ
ンハウジング10が配置されている。クラッチディスク
組立体2のハブフランジ24(後述)にスプライン係合
するメインドライブシャフト9の後部は、トランスミッ
ションハウジング10内に延びている。このトランスミ
ッションハウジング10の前端部には、クラッチカバー
組立体1やフライホイール4を外周側から覆うクラッチ
ハウジング11が、トランスミッションハウジング10
と一体となるように固定される。また、トランスミッシ
ョンハウジング10の前壁10aには、その中心部にカ
ラー12が配置されている。カラー12は前方に突出し
ており、メインドライブシャフト9は、カラー12内を
挿通する。
【0019】<クラッチカバー組立体>クラッチカバー
組立体1は、エンジン側のフライホイール4に固定され
たクラッチカバー5と、クラッチカバー5の内側に配置
されたプレッシャープレート6と、ダイヤフラムスプリ
ング7とを有している。ダイヤフラムスプリング7は、
その外周端部がクラッチカバー5に支持され、さらにそ
の内周側の部分でプレッシャープレート6をフライホイ
ール4側に圧接している。また、ダイヤフラムスプリン
グ7は、径方向の中間部から内周部にかけて放射状のス
リットを備えており、内周端7aがレリーズ装置3に連
結される。
【0020】<クラッチディスク組立体>クラッチディ
スク組立体2は、クラッチディスク21と、クラッチプ
レート22及びリティニングプレート23と、ハブフラ
ンジ24と、コイルスプリング25と、摩擦発生機構2
6と、遮蔽部材27とを有している。クラッチディスク
21は、クラッチディスク組立体2の外周部に配置され
るもので、クッショニングプレート21aと、クッショ
ニングプレート21aの両面に接着される摩擦フェーシ
ング21bとから構成されている。このクラッチディス
ク21は、フライホイール4の摩擦面に対向するように
配置されている。
【0021】プレート22,23は、複数のリベット2
9により一体化されており、クラッチプレート22の外
周部がクラッチディスク21の内周部に固定されてい
る。ハブフランジ24は、内周側のハブ部24aと、外
周側のフランジ部24bとが一体形成された部材であ
る。ハブフランジ24のフランジ部24bは、両プレー
ト22,23間に配置される。ハブフランジ24のハブ
部24aは、軸O−O方向に貫通する孔を有しており、
その内周面にスプライン溝が形成され、メインドライブ
シャフト9のスプライン溝9aに係合(スプライン係
合)する。このハブフランジ24とメインドライブシャ
フト9とのスプライン係合部分には、軸O−O方向に沿
った摺動をスムーズにするためのグリースが充填され
る。
【0022】コイルスプリング25は、ハブフランジ2
4のフランジ部24bと両プレート22,23とを円周
方向に弾性的に連結する。摩擦発生機構26は、コイル
スプリング25の伸縮により両プレート22,23とハ
ブフランジ24とが相対回転するときに、摩擦を発生さ
せる。遮蔽部材27は、筒状の部材であり、そのエンジ
ン側の端部がハブフランジ24のハブ部24aのトラン
スミッション側の端部に固定されている(図2参照)。
この遮蔽部材27は、その内周径がメインドライブシャ
フト9の外径よりも大きく、軸O−O方向に延びてメイ
ンドライブシャフト9の周囲を覆う。また、遮蔽部材2
7のトランスミッション側の端部は、図1のようなクラ
ッチ接続状態において、後述するレリーズ装置3のレリ
ーズベアリング17やスリーブ13の近傍に位置する。
【0023】<レリーズ装置>レリーズ装置3は、主と
して、スリーブ13と、レリーズベアリング17とから
構成されている。筒状のスリーブ13は、カラー12の
外周側に軸O−O方向にスライド自在に嵌合している。
このスリーブ13にはレリーズレバー19の先端が連結
されており、外部からの操作によりスリーブ13は軸O
−O方向に移動させられる。スリーブ13のエンジン側
端部は、ウェッジカラーやワイヤリング等を介して、レ
リーズベアリング17のインナーレースに連結されてい
る。レリーズベアリング17のアウターレースは、レバ
ープレート等を介して、ダイヤフラムスプリング7の内
周端7aに連結される。
【0024】<クラッチ動作>次に、クラッチの動作に
ついて説明する。 (クラッチ連結)レリーズレバー19の動きに従ってレ
リーズベアリング17がエンジン側に移動すると、レバ
ー比に応じてレリーズベアリング17からの荷重の数倍
の荷重が、ダイヤフラムスプリング7を介してプレッシ
ャープレート6に与えられる。プレッシャープレート6
がクラッチディスク21をエンジン側に押すと、クラッ
チディスク21とフライホイール4とが摩擦係合し、フ
ライホイール4からのトルクはクラッチディスク組立体
2に伝達され、ハブフランジ24からメインドライブシ
ャフト9にトルクが出力される(図1に示す状態)。
【0025】なお、クラッチディスク組立体2では、コ
イルスプリング25の伸縮及び摩擦発生機構26の働き
により、振動が減衰される。 (クラッチ切断)レリーズレバー19の動きにしたがっ
てレリーズベアリング17がトランスミッション側に移
動すると、プレッシャープレート6もトランスミッショ
ン側に移動し、クラッチディスク21がフライホイール
4から離れ、クラッチ連結が解除される。
【0026】<本クラッチの特徴>本クラッチでは、ク
ラッチディスク組立体2が従来にない遮蔽部材27を備
えているため、ハブフランジ24とメインドライブシャ
フト9とのスプライン係合部分に粉塵が付着することが
抑えられる。すなわち、図1に示すようにメインドライ
ブシャフト9がハブフランジ24のトランスミッション
側において周囲を遮蔽部材27で覆われるため、クラッ
チハウジング11内で発生した粉塵やクラッチハウジン
グ11外から空気穴等を通って侵入してくる粉塵がメイ
ンドライブシャフト9に付着し難くなる。これにより、
時間が経過して粉塵が増えてもメインドライブシャフト
9とハブフランジ24との摺動性はあまり悪化せず、ク
ラッチの切れの確実性が長く保たれる。
【0027】また、遮蔽部材27は、ハブフランジ24
とメインドライブシャフト9とのスプライン係合部分に
充填されているグリースが遠心力で飛散することを抑え
る役割も果たし、この点でもメインドライブシャフト9
とハブフランジ24との摺動性の劣化が抑えられる。 [他の実施形態] (A)上記実施形態では、ハブフランジ24のトランス
ミッション側の端部に遮蔽部材27を固定して、ハブフ
ランジ24のトランスミッション側においてメインドラ
イブシャフト9の周囲を覆っているが、ハブフランジ2
4のエンジン側においても同様の構造を採ることが可能
である。トランスミッション側に比較するとハブフラン
ジ24のエンジン側には粉塵が入り込みにくいが、クラ
ッチディスク21の摩耗による粉塵の発生が想定される
場合には、例えば図3に示すように、遮蔽部材27に加
えて遮蔽部材28を配備すればよい。このように、ハブ
フランジ24のハブ部24aのエンジン側の端部から筒
状の遮蔽部材28をエンジン側に延ばせば、ハブフラン
ジ24のエンジン側においてもメインドライブシャフト
9の周囲が覆われ、メインドライブシャフト9に粉塵が
付着したりスプライン係合部分からグリースが飛散した
りすることが抑えられる。
【0028】(B)上記実施形態では、ハブフランジ2
4に一端を固定した遮蔽部材27の他端を自由端として
いるが、遮蔽部材に伸縮性を持たせて他端をメインドラ
イブシャフト9に固定することもできる。例えば、図4
に示すように、ジャバラ状の遮蔽部材37の一端をハブ
フランジ24のハブ部24aに固定し、他端をメインド
ライブシャフト9に固定する。こうすれば、ハブフラン
ジ24のトランスミッション側において、ハブフランジ
24とメインドライブシャフト9とのスプライン係合部
分は遮蔽部材37によって完全に外部と隔絶される。し
たがって、トランスミッション側からはスプライン係合
部分への粉塵の侵入が完全になくなり、また飛散による
グリースの減少もなくなる。
【0029】さらに、ジャバラ状の遮蔽部材37に所定
の弾性を持たせて、クラッチ連結状態において遮蔽部材
37がハブフランジ24をトランスミッション側に付勢
するように構成すれば、クラッチ切断時においてクラッ
チディスク21がフライホイール4から離反し易くな
り、いわゆるクラッチの切れが向上する。但し、遮蔽部
材37によるハブフランジ24の付勢がクラッチ切断状
態においても続いていると、クラッチディスク21が逆
にプレッシャープレート6に接触してクラッチが切れな
くなるため、クラッチ切断状態においては遮蔽部材37
による付勢がなくなっている必要がある。具体的には、
クラッチ切断状態では遮蔽部材37に力がかかっておら
ず、クラッチ連結状態では遮蔽部材37が引き伸ばされ
るように遮蔽部材37をセットすればよい。このように
すれば、引き伸ばされた遮蔽部材37が元の状態に戻ろ
うとする力が付勢力となって、クラッチ連結時にはクラ
ッチディスク組立体2のハブフランジ24がトランスミ
ッション側に付勢される。そして、クラッチ連結状態か
らハブフランジ24がプレッシャープレート6の移動量
の約半分の距離だけ移動するまで遮蔽部材37の付勢力
が続き、そこでジャバラ状の遮蔽部材37が元の状態に
戻って付勢力がなくなる。
【0030】(C)上記実施形態では、図1及び図2に
示すように、遮蔽部材27のトランスミッション側の端
部は、図1のようなクラッチ接続状態において、レリー
ズ装置3のスリーブ13のフライホイール側の端部の外
周側に配置されているが、図5及び図6に示すように、
遮蔽部材127がスリーブ113の一部を覆うように構
成することもできる。遮蔽部材127とスリーブ113
との干渉が回避されさえすれば、このように遮蔽部材1
27でスリーブ113のフライホイール側の一部分を覆
う構造としたほうが、メインドライブシャフト9への粉
塵の付着やスプライン係合部分からのグリースの飛散を
より抑えることができるようになる。
【0031】
【発明の効果】本発明では、ハブに固定される遮蔽部材
がメインドライブシャフトの回りを覆うため、メインド
ライブシャフトとハブとの係合部分に粉塵が付着するこ
とが抑えられ、係合部分からのグリースの飛散も抑えら
れる。これにより、メインドライブシャフトとハブとの
軸方向の摺動性の悪化が抑えられ、クラッチの切れの確
実性の経年劣化が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るクラッチディスク組
立体を含むクラッチの縦断面図。
【図2】ハブフランジ及びメインドライブシャフトのス
プライン係合部分近傍の拡大図。
【図3】他の実施形態(A)の図2に相当する図。
【図4】他の実施形態(B)の図2に相当する図。
【図5】他の実施形態(C)の図1に相当する図。
【図6】他の実施形態(C)の図2に相当する図。
【符号の説明】
2 クラッチディスク組立体 4 フライホイール 9 メインドライブシャフト 21 クラッチディスク 24 ハブフランジ(ハブ) 24a ハブ部(ハブ) 27,28,37,127 遮蔽部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン側のフライホイールからトルクを
    入力し、トランスミッションのメインドライブシャフト
    にトルクを出力するクラッチディスク組立体であって、 外周部に設けられ、前記フライホイールに接触し得るク
    ラッチディスクと、 前記クラッチディスクからトルクが伝達され、内周部が
    前記メインドライブシャフトと円周方向に係合するハブ
    と、 前記ハブに固定され、前記メインドライブシャフトの回
    りを覆う遮蔽部材と、を備えたクラッチディスク組立
    体。
  2. 【請求項2】前記遮蔽部材は、少なくとも前記ハブのト
    ランスミッション側に固定される筒状の部材である、請
    求項1に記載のクラッチディスク組立体。
  3. 【請求項3】前記遮蔽部材は、伸縮性を有し、一端が前
    記ハブに他端が前記メインドライブシャフトに固定され
    る、請求項1又は2に記載のクラッチディスク組立体。
  4. 【請求項4】前記遮蔽部材は、前記フライホイールと前
    記クラッチディスクとが接触している状態において、前
    記ハブをトランスミッション側に付勢する、請求項3に
    記載のクラッチディスク組立体。
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