JP2014101915A - ダンパ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストな構成でありながら、リミッタ部へのグリスの付着を抑制することが可能なダンパ装置を提供する。
【解決手段】クランクシャフト12とインプットシャフト15との間の動力伝達経路に設けられ、クランクシャフト12とインプットシャフト15との間のトルク変動を吸収するダンパ装置10は、ダンパ部30と、ヒステリシス部40と、リミッタ部50とを備え、リミッタ部50は、ダンパ部30の外周側に配置されている。インプットシャフト15には、ダンパ部30のコイルスプリング34を支持するハブ20がスプライン係合され、ハブ20の外周面には、環状の溝部204が形成されている。溝部204の外周側には、溝部204と径方向で対向する筒部602が設けられており、筒部602は、ハウジング60に一体的に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転軸間のトルク変動を吸収するダンパ装置に関する。
車両においては、エンジン側回転軸と変速装置側回転軸との間の動力伝達経路にダンパ装置が設けられ、エンジン側回転軸と変速装置側回転軸との捩れによるトルク変動が吸収されるようになっている。例えば、ハイブリッド車両においては、エンジン側のクランクシャフトと動力分配装置(変速装置)側のインプットシャフトとの間にダンパ装置が設けられている。
従来では、そのようなダンパ装置として、スプリング等の弾性力によってトルク変動を吸収(抑制)するダンパ部と、摩擦力等によるヒステリシストルクによってトルク変動を吸収(抑制)するヒステリシス部と、ダンパ部やヒステリシス部によってトルク変動を吸収できなくなったときにすべりを生ずるリミッタ部とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このダンパ装置では、ダンパ部の径方向の内側(内周側)にヒステリシス部が配置されており、ダンパ部の径方向の外側(外周側)にリミッタ部が配置されている。
特開2010−223378号公報
上記特許文献1に記載のダンパ装置では、変速装置のインプットシャフトに、ダンパ部のスプリングを支持するハブが一体回転可能な状態で連結されている。インプットシャフトの外周面に形成されたスプラインと、ハブの内周面に形成されたスプラインとが係合され、その係合部分に潤滑剤としてのグリスが塗布されている。ハブの外周面には、環状の溝部が形成されている。溝部は、グリス溜まりとして設けられており、溝部内にグリスが溜まることによって、ヒステリシス部へのグリスの流入が抑制されるようになっている。また、溝部の外周側で溝部と対向する位置にフライホイールの一部(テーパ部)が設けられており、インプットシャフトおよびハブの回転による遠心力によって外周側に飛散するグリスが、テーパ部によって受け止められるようになっている。
しかし、テーパ部の内周側と外周側とを連通する貫通孔がテーパ部に設けられているため、フライホイールが回転すると、テーパ部の内周側のグリスが貫通孔から流出してテーパ部の外周側に飛散し、リミッタ部に付着する可能性がある。また、テーパ部の外周側に飛散したグリスがリミッタ部以外の場所に付着したとしても、グリスが遠心力によって付着した場所から外周側へ移動し、リミッタ部まで到達する可能性がある。そして、リミッタ部にグリスが付着することに起因して、リミッタ部においてすべりが発生しやすくなり、リミッタ部のリミットトルク値の制御性が悪化することが懸念される。
一方、上述のようなグリスの飛散による問題を解消するため、変速装置のインプットシャフトおよびダンパ装置のハブのスプラインに各種のコーティングや、めっき処理を施すことによって、グリスを不要とする対策も考えられる。しかし、この対策では、各種のコーティングや、めっき処理によって大幅なコストアップを招くことが懸念される。
本発明は、そのような問題点に鑑みてなされたものであり、低コストな構成でありながら、リミッタ部へのグリスの付着を抑制することが可能なダンパ装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、エンジン側回転軸と変速装置側回転軸との間の動力伝達経路に設けられ、前記エンジン側回転軸と前記変速装置側回転軸との間のトルク変動を吸収するダンパ装置であって、弾性力によってトルク変動を吸収するダンパ部と、摩擦力によるヒステリシストルクによってトルク変動を吸収するヒステリシス部と、前記ダンパ部の外周側に配置され、且つ前記エンジン側回転軸と前記変速装置側回転軸との間の変動トルクが上限値を越えたときにすべりを生ずるリミッタ部とを備え、前記変速装置側回転軸には、前記ダンパ部の弾性体を支持するハブがスプライン係合され、前記ハブの外周面には、環状の溝部が形成され、前記溝部の外周側には、当該溝部と径方向で対向する対向部材が設けられており、前記対向部材は、非回転の部材に一体的に設けられていることを特徴としている。
上記構成では、変速装置側回転軸とハブとのスプライン係合部分に、潤滑剤としてのグリスが塗布される。ハブの外周面に形成された環状の溝部にグリスが溜まることによって、ヒステリシス部へのグリスの流入が抑制される。そして、上記構成によれば、低コストな構成でありながら、リミッタ部へのグリスの付着を抑制することが可能なダンパ装置を提供することができる。
本発明において、前記対向部材は、筒状に形成されており、前記ハブと同心状に設けられていることが好ましい。この場合、前記対向部材の外周面は、先端から他方の端部に向かうにつれて大径となるような傾斜面に形成されていることが好ましい。この構成によれば、対向部材の外周面が上記のような傾斜面となっているので、対向部材の内部から流れ出たグリスが対向部材の外周面を先端側から他方の端部側へ伝わるように案内されるため、自重によるグリスの落下を抑制することができ、リミッタ部へのグリスの付着をより効果的に抑制することができる。
本発明によれば、変速装置側回転軸が回転すると、ハブの溝部に溜まったグリスが遠心力によって外周側に飛散するが、この際、対向部材によって外周側に飛散したグリスが受け止められる。対向部材は、非回転の部材に一体的に設けられているため、対向部材に付着したグリスが、遠心力によって外周側に移動することがなくなる。これにより、ダンパ部の外周側に配置されるリミッタ部へのグリスの付着を抑制することができ、グリスの付着に起因するリミッタ部の制御性の悪化を抑制できる。
しかも、変速装置側回転軸およびハブのスプラインに各種のコーティングや、めっき処理を施すといったようなグリスを不要とする対策を採用しなくてもよくなる。これにより、各種のコーティングや、めっき処理によるコストアップを回避することができる。したがって、低コストな構成でありながら、リミッタ部へのグリスの付着を抑制することが可能なダンパ装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係るダンパ装置の概略構成を示す断面図である。 図1のダンパ装置を軸方向の一方側から見た図である。 図1のダンパ装置の要部の拡大図である。 比較例のダンパ装置の断面図である。
本発明を具体化した実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
実施形態に係るダンパ装置は、エンジン側回転軸と変速装置側回転軸との間の動力伝達経路に設けられ、エンジン側回転軸と変速装置側回転軸との捩れによるトルク変動を吸収する。ダンパ装置は、特に、エンジンとモータ(モータジェネレータ)との間で共振振動を起こすハイブリッド車両に適用することが可能である。
以下では、ハイブリッド車両に備えられるダンパ装置について、図1〜図3を参照して説明する。なお、「前側」は、図1における右側を示し、「後側」は、図1における左側を示している。図2では、図1のダンパ装置10を軸方向の一方側(ここでは後側)から見た図を示しているが、インプットシャフト15、ハウジング60、ボルト14、リベット39などを省略している。
図1、図2に示すように、ダンパ装置10は、ハイブリッド車両の動力源の一例としてのエンジン11で発生したトルクに基づき回転するクランクシャフト(エンジン側回転軸)12にフライホイール13を介して連結されている。また、ダンパ装置10の内周部は、動力分配装置(変速装置)のインプットシャフト(変速機装置側回転軸)15に連結されている。エンジン11で発生したトルクは、クランクシャフト12およびダンパ装置10を介してインプットシャフト15に伝達されるようになっている。クランクシャフト12およびインプットシャフト15は、回転軸線S1(図1に一点鎖線で示す)を中心にそれぞれ回転する。
ダンパ装置10は、弾性力によってトルク変動を吸収するダンパ部30と、摩擦力によるヒステリシストルクによってトルク変動を吸収するヒステリシス部40と、トルク変動をダンパ部30やヒステリシス部40によって吸収できなくなったときにすべりを生ずるリミッタ部50とを備えている。
この実施形態では、ダンパ装置10において、ダンパ部30の内周側にヒステリシス部40が配置され、ダンパ部30の外周側にリミッタ部50が配置されている。また、ダンパ部30は、動力伝達経路上において、ヒステリシス部40と並列に配置されている。リミッタ部50は、動力伝達経路上において、ダンパ部30およびヒステリシス部40と直列に配置されている。
ダンパ装置10の具体的な構成について、図1、図2を参照して説明する。
ダンパ装置10は、動力分配装置のインプットシャフト15に一体回転可能な状態で連結されるハブ20を備えている。ハブ20には、回転軸線S1を中心とする略円筒状の筒部201と、筒部201の軸方向(前後方向)における中間位置に位置する略円環状のフランジ部202とが設けられている。そして、筒部201の内周面に形成されたスプライン203が、インプットシャフト15の外周面に形成されたスプライン151と係合されている。筒部201のスプライン203と、インプットシャフト15のスプライン151との係合部分には、潤滑剤としてのグリスが塗布されている。
筒部201の軸方向の両端部の外周面には、環状の溝部204がそれぞれ形成されている。溝部204は、グリス溜まりとして設けられている。溝部204内にグリスが溜まることによって、ヒステリシス部40へのグリスの流入が抑制されるようになっている。また、フランジ部202の軸方向の両側には、ダンパ部30のサイドプレート31、32が配置されている。ハブ20とサイドプレート31、32との間には、スラスト部材41、42が介在されており、サイドプレート31、32は、スラスト部材41、42を介してハブ20に相対回転可能に支持されている。
ダンパ部30は、トルク伝達経路上においてクランクシャフト12側に配置されるサイドプレート31、32と、インプットシャフト15側に配置されるハブ20のフランジ部202と、サイドプレート31、32とフランジ部202との間に設けられるトルク変動吸収部材としてのコイルスプリング34とを備えている。コイルスプリング34は、ダンパ部30(フランジ部202)の周方向に略等間隔で複数(例えば、3つ)配置されている。コイルスプリング34は、サイドプレート31、32とフランジ部202との間に捩れが生じたときに弾性変形(収縮)し、クランクシャフト12とインプットシャフト15との間のトルク変動を吸収する。
コイルスプリング34は、サイドプレート31、32、およびフランジ部202に形成された窓部(開口部)311、321、205に収容されており、コイルスプリング34がサイドプレート31、32、およびフランジ部202に支持されている。具体的には、フランジ部202の径方向の中間部分には、複数の窓部205が形成されている。また、サイドプレート31、32の径方向の中間部分にも同様に、複数の窓部311、321が形成されている。フランジ部202の窓部205と、サイドプレート31、32の窓部311、321とは軸方向で重なり合う位置に設けられており、各窓部205、311、321内にコイルスプリング34が収容されるようになっている。コイルスプリング34の両端部と各窓部205、311、321との間には、スプリングシート35、36が配設されている。コイルスプリング34の内側には、例えば合成樹脂製の弾性部材37が収容されている。弾性部材37は、コイルスプリング34が収縮したときに対向する2つのスプリングシート35、36と当接し、クランクシャフト12とインプットシャフト15との間のトルク変動を吸収する。なお、ハブ20に一体に設けられたプレート部材などを介してコイルスプリング34をハブ20に支持するようにしてもよい。
また、サイドプレート31、32は、コイルスプリング34よりも外周側の部分においてリベット39により一体的に固定されており、サイドプレート31、32の外周側の部分の間には、リミッタ部50のライニングプレート55が挟み込まれている。
ヒステリシス部40は、サイドプレート31、32と、ハブ20のフランジ部202とが相対回転するときに、摩擦力によって相対回転を妨げる向きに作用するヒステリシストルクを発生させて回転振動を減衰させるようになっている。ヒステリシス部40は、フランジ部202の軸方向の両側に配置されるスラスト部材41、42と、スラスト部材42とサイドプレート32との間に配置される皿ばね43とを備えている。
スラスト部材41は、軸方向(前後方向)において、サイドプレート31とフランジ部202との間に設けられており、フランジ部202にスライド可能に圧接されている。スラスト部材42は、軸方向において、皿ばね43とフランジ部202との間に設けられている。スラスト部材42は、皿ばね43の弾性力によってフランジ部202側に付勢されており、フランジ部202にスライド可能に圧接されている。このように、皿ばね43の弾性力がスラスト部材42に付与されることによって、フランジ部202が軸方向における両側からスラスト部材41、42によって挟持され、これにより、摩擦力が発生するようになっている。
なお、スラスト部材41、42は、径方向においても、サイドプレート31、32とハブ20の筒部201との間に介在されており、スラスト部材41、42は、サイドプレート31、32をハブ20に相対回転可能に支持するためのすべり軸受(ブッシュ)となっている。
リミッタ部50は、クランクシャフト12とインプットシャフト15との間の変動トルクが所定の上限値(リミットトルク値)に達すると、すべりを生ずることによってクランクシャフト12からインプットシャフト15へのトルク伝達を制限するようになっている。リミッタ部50は、フライホイール13の外周部にボルト14によって固定されるサポートプレート51およびカバープレート52と、サポートプレート51に相対回転不能に支持されるプレッシャプレート53と、サポートプレート51とプレッシャプレート53との間に配置される皿ばね54と、ダンパ部30のサイドプレート31、32の間に挟持されるライニングプレート55とを備えている。
サポートプレート51の外周部と、カバープレート52の外周部とは、ボルト14によってフライホイール13の外周部に取り付けられている。サポートプレート51の内周部と、カバープレート52の内周部とは離間しており、サポートプレート51の内周部には、皿ばね54が圧接されている。カバープレート52の内周部には、ライニングプレート55に設けられた摩擦材552がスライド可能に圧接されている。サポートプレート51には、図示しない穴部が形成されており、この穴部にプレッシャプレート53に設けられた図示しない凸部が挿入されている。これにより、サポートプレート51に対しプレッシャプレート53が相対回転不能かつ軸方向に移動可能に支持されている。
プレッシャプレート53は、皿ばね54と、ライニングプレート55に設けられた摩擦材551との間に配置されている。プレッシャプレート53は、皿ばね54の弾性力によって摩擦材551側に付勢されており、摩擦材551にスライド可能に圧接されている。
摩擦材551、552は、例えば、リベット、接着剤等によって、ライニングプレート55の外周部の両面(軸方向の両側の面)に取り付けられている。ライニングプレート55の内周部は、上述したように、サイドプレート31、32の外周部の間に挟み込まれており、サイドプレート31、32とともにリベット39によって固定されている。ライニングプレート55の外周部に設けられた摩擦材551、552は、カバープレート52とプレッシャプレート53との間に挟み込まれている。
そして、皿ばね54の弾性力(付勢力)によってリミッタ部50のリミットトルク値が設定され、このリミッタ部50を介してフライホイール13とダンパ部30とが摩擦係合状態になる。具体的には、クランクシャフト12とインプットシャフト15との間の変動トルクがリミットトルク値以下の場合には、カバープレート52およびプレッシャプレート53は、ライニングプレート55(摩擦材551、552)との間に発生する摩擦力によってライニングプレート55と一体回転する。
一方、例えば、エンジン11側から非常に大きなトルクが入力されることによって、クランクシャフト12とインプットシャフト15との間の変動トルクがリミットトルク値を越えた場合には、カバープレート52およびプレッシャプレート53が、ライニングプレート55との間に発生する摩擦力に抗してライニングプレート55に対して相対回転する(すべる)ことにより、クランクシャフト12からインプットシャフト15へのトルクの伝達が遮断される。これにより、エンジン11から動力分配装置に過大なトルクが伝達されることが防止される。また同様に、エンジン11の始動時に動力分配装置のモータ(モータジェネレータ)のトルクがインプットシャフト15からクランクシャフト12に伝達される際、クランクシャフト12とインプットシャフト15との間の変動トルクがリミットトルク値を越えた場合には、カバープレート52およびプレッシャプレート53がライニングプレート55に対して相対回転することにより、インプットシャフト15からクランクシャフト12へのトルクの伝達が遮断される。これにより、動力分配装置のモータからエンジン11に過大なトルクが伝達されることが防止される。
この実施形態では、上記構成のダンパ装置10において、ハブ20の筒部201の外周面に形成された溝部204の外周側には、当該溝部204と径方向で対向する対向部材が設けられており、この対向部材は、非回転の部材に一体的に設けられていることを特徴としている。この特徴について、図1、図3を参照して説明する。
図1、図3に示すように、動力分配装置のモータ(モータジェネレータ)を収容するハウジング60には、対向部材としての筒部602が一体的に設けられている。ハウジング60は、非回転の部材とされており、ハウジング60にインプットシャフト15が回転自在に支持されている。ハウジング60の軸方向の一端部(図1、図3では、前端部)には、フライホイール13に対向して設けられる隔壁部601が形成されており、この隔壁部601とフライホイール13との間の空間にダンパ装置10が配設されている。つまり、隔壁部601の軸方向の一方側にダンパ装置10が配置され、隔壁部601の軸方向の他方側にモータが配置されている。
ハウジング60の隔壁部601の内周側の部分には、軸方向の一方側に向けて突出する筒部602が形成されている。筒部602は、リミッタ部50よりも径方向の内側に配置されており、この実施形態では、隔壁部601の最も内周側の部分に筒部602が設けられている。筒部602は、回転軸線S1を中心とする略円筒状に形成され、ハブ20の筒部201と同心状に設けられている。筒部602は、筒部201の外周を覆うように配置され、筒部602の内周面と筒部201の外周面との間にはクリアランスが設けられている。
ハウジング60の筒部602と、ハブ20の筒部201とは軸方向にオーバーラップしている。この実施形態では、筒部602の軸方向の一端(図1、図3では、前端)は、少なくとも筒部201の溝部204と径方向で対向する位置まで延びている。具体的には、筒部602の軸方向の一端(先端)がサイドプレート32の後端面322よりも、前方側に位置している。また、筒部201の溝部204がサイドプレート32の後端面322よりも、後方側に位置している。
筒部602の内周面は、筒部201の外周面と略平行に設けられており、軸方向に平行に延びている。一方、筒部602の外周面603は、筒部201の外周面に対し傾斜して設けられており、軸方向に平行には延びていない。筒部602の外周面603は、軸方向の他端側(図1、図3では、後端側)に向かうほど大径となるような傾斜面に形成されている。言い換えれば、筒部602の外周面603は、先端が最も小径となっており、その先端から他方の端部に向かうにつれて大径となるような傾斜面に形成されている。この場合、筒部602の外周面603を、テーパ面としたり、湾曲面としたりすることが可能である。図3に示す例では、回転軸線S1に対し、約45度の角度で傾斜するテーパ面となっている。
この実施形態によれば、ダンパ装置10において、次のような効果が得られる。
筒部201の溝部204に溜まったグリスは、インプットシャフト15が回転すると、遠心力によって外周側に飛散する。外周側に飛散したグリスは、ハウジング60の筒部602によって受け止められる。ハウジング60は、非回転の部材であるため、筒部602に付着したグリスが、遠心力によって外周側に移動することがなくなる。これにより、リミッタ部50へのグリスの付着を抑制することができ、グリスの付着に起因するリミッタ部50のリミットトルク値の制御性の悪化を抑制でき、その結果、ダンパ装置10の信頼性を向上させることができる。
ここで、ダンパ装置10に軸方向で互いに重なり合う筒部201、602が設けられていない場合、例えば、図4の比較例のように、遠心力によって外周側に飛散するグリスが筒部602によって受け止められにくくなる。つまり、図4中の破線の矢印X1で示すように、筒部201の溝部204に溜まったグリスが筒部602にほとんど妨げられることなく外周側に飛散することが可能となり、外周側に飛散したグリスは、例えば、サイドプレート32等に付着する。しかし、サイドプレート32は、非回転の部材ではないため、サイドプレート32に付着したグリスは、サイドプレート32の回転に伴い、図4中の実線の矢印X2で示すように、遠心力によりさらに外周側に移動し、リミッタ部50まで到達する可能性がある。
これに対し、この実施形態では、ダンパ装置10に軸方向で互いに重なり合う筒部201、602が設けられているので、図4の比較例よりも、遠心力によって外周側に飛散するグリスが筒部602によって受け止められやすくなっている。これに加え、筒部602は、非回転の部材であるハウジング60に設けられており、筒部602に付着したグリスが外周側へ移動しにくくなっているため、リミッタ部50へのグリスの付着を効果的に抑制することができる。
しかも、この実施形態では、上述のようなグリスの飛散による問題を解消するため、インプットシャフト15のスプライン151およびハブ20のスプライン203に各種のコーティングや、めっき処理を施すといったようなグリスを不要とする対策を採用しなくてもよくなる。これにより、各種のコーティングや、めっき処理によるコストアップを回避することができる。筒部602は、新規部品の追加や設置スペースの増加、工数の増加を伴わず、ハウジング60の成形時(鋳造時)にハウジング60に一体に形成することができる。したがって、この実施形態によれば、低コストな構成でありながら、リミッタ部50へのグリスの付着を抑制することが可能なダンパ装置10を提供することができる。
また、この実施形態では、筒部602の外周面603が上述したような傾斜面となっているので、筒部602の内部からグリスが流れ出たとしても、グリスが筒部602の外周面603に案内され、リミッタ部50へのグリスの付着を抑制できる。すなわち、筒部602の外周面603が回転軸線S1に対し平行に設けられていれば、筒部602の内部から流れ出たグリスが自重によって下方に落下してリミッタ部50あるいはサイドプレート32などの回転部材に付着する可能性がある。しかし、この実施形態では、筒部602の内部から流れ出たグリスが筒部602の外周面603を先端側から他方の端部側へ伝わるように案内されるので、自重によるグリスの落下を抑制することができ、リミッタ部50へのグリスの付着を抑制することができる。
上記実施形態では、筒部602が一体的に設けられる非回転の部材を、動力分配装置のモータ(モータジェネレータ)を収容するハウジング60とした場合について説明したが、非回転の部材はハウジング60以外の部材であってもよい。なお、筒部602をハウジング60とは別体に設ける構成としてもよい。
また、上記実施形態では、変速装置側回転軸の一例としてインプットシャフト15を挙げたが、変速装置側回転軸はインプットシャフト15以外の回転軸であってもよい。
以上では、ハイブリッド車両に備えられるダンパ装置に本発明を適用した実施形態について説明したが、ハイブリッド車両以外の車両に備えられるダンパ装置に本発明を適用することも可能である。
本発明は、回転軸間のトルク変動を吸収するダンパ装置であって、スプリングの弾性力によってトルク変動を吸収するダンパ部と、摩擦力によるヒステリシストルクによってトルク変動を吸収するヒステリシス部と、回転軸間の変動トルクが上限値を越えたときにすべりを生ずるリミッタ部とを備えたものに利用可能である。
10 ダンパ装置
12 クランクシャフト(エンジン側回転軸)
15 インプットシャフト(変速装置側回転軸)
151 スプライン
20 ハブ
203 スプライン
204 溝部
30 ダンパ部
34 コイルスプリング(弾性体)
40 ヒステリシス部
50 リミッタ部
60 ハウジング(非回転の部材)
602 筒部(対向部材)
603 外周面

Claims (3)

  1. エンジン側回転軸と変速装置側回転軸との間の動力伝達経路に設けられ、前記エンジン側回転軸と前記変速装置側回転軸との間のトルク変動を吸収するダンパ装置であって、
    弾性力によってトルク変動を吸収するダンパ部と、摩擦力によるヒステリシストルクによってトルク変動を吸収するヒステリシス部と、前記ダンパ部の外周側に配置され、且つ前記エンジン側回転軸と前記変速装置側回転軸との間の変動トルクが上限値を越えたときにすべりを生ずるリミッタ部とを備え、
    前記変速装置側回転軸には、前記ダンパ部の弾性体を支持するハブがスプライン係合され、
    前記ハブの外周面には、環状の溝部が形成され、前記溝部の外周側には、当該溝部と径方向で対向する対向部材が設けられており、前記対向部材は、非回転の部材に一体的に設けられていることを特徴とするダンパ装置。
  2. 請求項1に記載のダンパ装置において、
    前記対向部材は、筒状に形成されており、前記ハブと同心状に設けられていることを特徴とするダンパ装置。
  3. 請求項2に記載のダンパ装置において、
    前記対向部材の外周面は、先端から他方の端部に向かうにつれて大径となるような傾斜面に形成されていることを特徴とするダンパ装置。
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