JP2001304104A - 斜板式圧縮機用中空ピストン - Google Patents

斜板式圧縮機用中空ピストン

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JP2001304104A
JP2001304104A JP2000117924A JP2000117924A JP2001304104A JP 2001304104 A JP2001304104 A JP 2001304104A JP 2000117924 A JP2000117924 A JP 2000117924A JP 2000117924 A JP2000117924 A JP 2000117924A JP 2001304104 A JP2001304104 A JP 2001304104A
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hollow
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piston
holes
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JP2000117924A
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Takayuki Kato
崇行 加藤
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】中空頭部内部に存在する切粉等の侵入物の排出
を容易にする。 【解決手段】片頭ピストン14の中空の頭部72を構成
する有底円筒状部120の底壁124に、複数の貫通穴
130を周方向に等角度間隔に形成する。また、有底円
筒状部120の外周面132の頂面156より1/3以
上隔たった部分に、複数の貫通穴134を周方向に等角
度間隔に形成する。貫通穴134は、貫通穴130の横
断面積より大きい横断面積を有する。ピストン14を製
造するためのピストン素材を機械加工後、頭部72の内
部空間に侵入した切粉等を排出する際に、貫通穴130
の1つが最上部に位置し、その貫通穴130と直径方向
に隔たった貫通穴134が最下部に位置する姿勢で、洗
浄液に浸漬,引き上げ,排出のための揺動等を行い、貫
通穴134から切粉を良好に排出する。貫通穴130,
134の形成でピストン14を軽量化でき、また、圧縮
機運転中に貫通穴134,頭部72の内部空間,貫通穴
130を経て斜板室に潤滑油を供給できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は斜板式圧縮機用のピ
ストンに関するものであり、特に、シリンダボアに嵌合
する頭部が中空である中空ピストンに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、先に、斜板式圧縮機用のピ
ストンであって、シリンダボアに嵌合する頭部が中空で
あり、かつ、その中空頭部の内部空間が穴によって外部
空間と連通させられたものを開発した。特開平9−10
5380号公報(実願平3−13020号から出願変更
された特願平8−221417号の公開公報)に記載さ
れているものがその一例である。その後、特開平9−2
50451号公報,特開平11−107912号公報等
により同種の中空ピストンが提案されている。
【0003】上記のように頭部を中空にすればピストン
を軽量化することができ、中空頭部に穴を形成して内部
空間を外部と連通させれば、中空ピストンの内部空間を
潤滑油の供給通路として利用することが可能となり、中
空ピストンの製造工程中に実施される電子ビーム溶接時
における内部空間内の空気抜きが容易となり、あるいは
穴の形成により一層の軽量化が可能となる等の効果の少
なくとも1つが得られる。反面、中空頭部に穴を形成す
れば、その穴から種々のものが内部空間に侵入すること
を避け得ない。例えば、中空ピストン素材の熱処理時に
急冷用の水が侵入し、中空ピストンの機械加工時にクー
ラントや切粉が侵入し、あるいは、製造工程の種々の段
階で行われる洗浄時に洗浄液が侵入したりするのであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】このように種々の侵入物が侵入すれば、それらを確
実に排出することが必要であるが、従来の斜板式圧縮機
用中空ピストンにおいては、これらの排出に対する配慮
が必ずしも十分とは言えなかった。そこで、本発明は、
中空頭部の内部空間を潤滑油の供給通路として良好に利
用し得るとともに、中空頭部内への侵入物を容易にかつ
確実に排出し得るようにすることを課題としてなされた
ものであり、本発明によって、下記各態様の斜板式圧縮
機用中空ピストンが得られる。各態様は請求項と同様
に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の
項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで
も本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記
載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に
記載のものに限定されると解釈されるべきではない。ま
た、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それ
ら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけ
ではない。一部の事項のみを選択して採用することも可
能なのである。
【0005】(1)圧縮機本体のシリンダボアに嵌合さ
れる頭部と、斜板と係合する係合部とを一体に備え、か
つ、前記頭部が、中空円筒の両端開口が閉塞された中空
円筒状をなす中空頭部である斜板式圧縮機用中空ピスト
ンであって、前記中空頭部に、それの内部空間と外部と
を連通させる複数の穴が形成され、それら複数の穴が、
(a) 中空頭部の係合部側の端に形成される第一穴と、
(b) 中空頭部の外周面の、頂面から頭部軸方向長さの1
/4以上の距離隔たった部分に形成され、前記第一穴よ
り横断面積が大きい第二穴とを含むことを特徴とする斜
板式圧縮機用中空ピストン(請求項1)。このように、
第一穴を中空頭部の係合部側の端に形成するともに、第
二穴を中空頭部の外周面に形成すれば、圧縮機運転時
に、中空頭部の外周面とシリンダボアの内周面との隙間
から、第二穴を経て中空頭部内に入り、第一穴から斜板
あるいは斜板と中空ピストンの係合部との間に配設され
るシュー等に向かって流出する冷媒ガスの流れが生じ、
その冷媒ガス中に霧あるいは飛沫状で存在する潤滑油が
斜板,シュー等の摺動面に良好に供給される。この際、
冷媒ガスの流れが、中空頭部の内部空間内において急激
に方向を変える必要がないように、第一穴と第二穴との
形成位置と形成方向とを決定することが望ましい。ま
た、第二穴を第一穴より大きくすれば、この第二穴から
クーラント,切粉,冷却水,洗浄液等を排出することが
容易となる。特に、液体は、流出口とは別に空気の流入
を許容する流入口を設けることにより排出が容易になる
のであり、その点、本項に係る中空ピストンにおいて
は、第二穴を流出口、第一穴を流入口として機能させる
ことにより、液体を迅速かつ確実に排出することが可能
となる。第二穴は、中空頭部のシール性能確保の点か
ら、中空頭部の外周面の、頂面から頭部軸方向長さの1
/4以上,1/3以上,1/2以上の距離隔たった部分
に形成されることが望ましい。なお、「頭部軸方向長
さ」とは、中空ピストンが上死点にある状態において、
中空頭部の外周面の全周にわたってシリンダボアの内周
面と嵌合する部分の軸方向の長さを意味し、あるいは、
中空頭部の外周面の横断面形状が完全な円である部分の
軸方向の長さを意味する。 (2)前記第一穴が、中空頭部の係合部側の端に、等角
度間隔で複数個形成された (1)項に記載の中空ピスト
ン。このように、第一穴を等角度間隔で複数個形成すれ
ば、中空ピストンが組み込まれた斜板式圧縮機が、中空
ピストンの中心軸線にほぼ平行な姿勢で運転される際
に、中空頭部の内側に潤滑油や液状の冷媒が溜まった場
合にも、それらを良好に排出し得る。斜板式圧縮機にお
いては、斜板の回転軸線まわりに等角度間隔に複数のシ
リンダボアが形成され、それらの各々に中空ピストンが
嵌合されるため、同じ構造の中空ピストンを複数のシリ
ンダボアに共通に使用する場合には、中空ピストンがそ
れの中心軸線まわりの種々の回転位置において使用され
ることとなる。それに対し、潤滑油や液状の冷媒は、中
空頭部の内部空間の最下部に溜まるのであるが、中空頭
部に等角度間隔で複数の第一穴を形成しておけば、それ
ら第一穴のいずれかが、内部空間の最下部近傍に位置す
ることになるため、中空ピストンの往復動に伴って、潤
滑油や液状の冷媒が速やかに斜板側へ排出されることと
なる。圧縮機におけるシリンダボアの形成角度間隔と第
一穴の形成角度間隔と同じにし、かつ、圧縮機内におけ
る中空ピストンの配置を考慮して、中空ピストンがどの
シリンダボアに嵌合されても、かならず1個の第一穴が
必ず最下部に位置するようにすることが特に望ましい。 (3)前記第一穴が前記第二穴に対して、前記中空頭部
の直径方向に隔たった位置に形成された (1)項または
(2)項に記載の中空ピストン(請求項2)。第一穴と第
二穴とを中空頭部の直径方向に隔たった位置に形成すれ
ば、中空ピストンを、第一穴が最上部、第二穴が最下部
に位置する姿勢とすることによって、クーラント,冷却
水,洗浄液等を迅速に排出し得、切粉もクーラントや洗
浄液と共に良好に排出し得る。前述のように第一穴が複
数個形成される場合には、それらの1個が第二穴と直径
方向に隔たった位置に形成されることが望ましい。 (4)前記係合部が、互いに対向しかつ互いに平行に延
びる一対のアーム部とそれらアーム部の基端部同士を連
結する連結部とを備え、前記第一穴が、前記中空頭部
の、前記連結部から最も離れた位置に形成された (1)項
ないし (3)項のいずれか1つに記載の中空ピストン(請
求項3)。本項の第一穴から潤滑油が排出されれば、そ
の潤滑油は斜板の内周部に付着させられ、斜板の回転に
つれて遠心力により外周側へ移動してシューと斜板との
摺動面を良好に潤滑することとなる。 (5)前記第一穴の中心軸線が前記中空頭部の中心軸線
に平行な方向の成分を含む方向に延びている (1)項ない
し (4)項のいずれか1つに記載の中空ピストン(請求項
4)。第一穴を、それの中心軸線が中空頭部の中心軸線
に平行な方向の成分を含む方向に延びる姿勢で形成すれ
ば、その第一穴から排出される潤滑油を良好に斜板に付
着させることができる。 (6)前記第二穴の横断面積が、前記中空頭部の横断面
積の1/30以上、1/2以下である (1)項ないし (5)
項のいずれか1つに記載の中空ピストン。第二穴を大き
くすれば切粉の排出は容易となるが中空頭部の強度が低
下するため、第二穴の大きさは両者を勘案して決定すべ
きであり、上記横断面積の比の上限は1/5,1/4,
1/3,1/2とすることが望ましく、下限は、1/3
0,1/20,1/12とすることが望ましい。 (7)前記第二穴の内のり寸法の最小値が2.5mm以上
である (1)項ないし (6)項のいずれか1つに記載の中空
ピストン。第二穴の内のり寸法が最小の部分の内のり寸
法を2.5mm以上とすれば、その部分においても切粉が
良好に排出され得る。切粉排出の観点からは、3mm以
上,4mm以上,5mm以上とすることがさらに望ましい。 (8)前記第二穴が、前記中空頭部の中心軸線に平行な
方向に長い長穴である (1)項ないし (7)項のいずれか1
つに記載の中空ピストン。長穴を周方向に長く延びる状
態で形成する場合に比較して、中空頭部の強度低下を小
さく抑えることができる。 (9)前記中空ピストンの外周面に凹部が形成されてお
り、その凹部の底壁に前記第二穴が形成された (1)項な
いし (8)項のいずれか1つに記載の中空ピストン。圧縮
機の運転時に、中空ピストンの往復動に伴って凹部内に
集められた潤滑油が、その凹部の底壁に形成された第二
穴から中空頭部内へ導かれることとなり、中空ピストン
の強度低下を小さく抑えつつ斜板周辺への潤滑油の供給
を十分に行うことが可能となる。 (10)前記第二穴が前記中空頭部の周方向に隔たって
複数個形成された (1)項ないし (9)項のいずれか1つに
記載の中空ピストン。第二穴は1個形成するのみでもよ
いが、周方向に隔たった状態に複数個形成すれば、潤滑
油の中空頭部内への導入が容易になるとともに、クーラ
ント,冷却水,洗浄液,切粉等の排出が容易となる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態である車
両用空調装置に用いられる斜板式圧縮機用中空ピストン
を例に取り、図面に基づいて詳細に説明する。図1に本
実施形態における斜板式圧縮機を示す。図1において、
10はシリンダブロックであり、シリンダブロック10
の中心軸線回りの一円周上には、軸方向に延びる複数の
シリンダボア12が等角度間隔で形成されている。本実
施形態の場合5つのシリンダボア12を備え、図1には
そのうちの1つが示されている。シリンダボア12の各
々には、片頭ピストン14(以下、ピストン14と略称
する)が往復運動可能に配設されている。シリンダブロ
ック10の軸方向の一端面(図1の左側の端面であり、
前端面と称する)には、フロントハウジング16が取り
付けられ、他方の端面(図1の右側の端面であり、後端
面と称する)には、リヤハウジング18がバルブプレー
ト20を介して取り付けられている。フロントハウジン
グ16,リヤハウジング18,シリンダブロック10等
により斜板式圧縮機の本体が構成される。リヤハウジン
グ18とバルブプレート20との間には、吸気室22,
吐出室24が形成され、それぞれ、吸入ポート26,供
給ポート28を経て、図示しない冷凍回路に接続され
る。バルブプレート20には、吸入孔32,吸入バルブ
34,吐出孔36,吐出バルブ38等が設けられてい
る。
【0007】シリンダブロック10の中心軸線上には、
回転軸50が回転可能に設けられている。回転軸50
は、両端部においてそれぞれベアリングを介してフロン
トハウジング16,シリンダブロック10に支持されて
いる。シリンダブロック10の中心部には、中心支持穴
56が形成されており、その中心支持穴56において支
持されているのである。回転軸50のフロントハウジン
グ16側の端部は、図示しない駆動源の一種である外部
駆動源としての車両エンジンに、電磁クラッチ等のクラ
ッチ機構を介して連結されている。したがって、車両エ
ンジンの作動時に、クラッチ機構によって回転軸50が
車両エンジンに接続されれば、回転軸50が自身の軸線
まわりに回転させられる。
【0008】回転軸50には、斜板60が軸方向に相対
移動可能かつ傾動可能に取り付けられている。斜板60
には、中心線を通る中心穴61が形成され、この中心穴
61を回転軸50が貫通している。中心穴61は、両端
開口側ほど径が漸増させられている。回転軸50には、
また、回転伝達部材としての回転板62が固定され、ス
ラストベアリング64を介してフロントハウジング16
に係合させられている。斜板60は、ヒンジ機構66に
より、回転軸50と一体的に回転させられるとともに、
軸方向の移動を伴う傾動を許される。ヒンジ機構66
は、回転板62に固定的に設けられた支持アーム67
と、斜板60に固定的に設けられ、支持アーム67のガ
イド穴68にスライド可能に嵌合されたガイドピン69
と、斜板60の中心穴61と、回転軸50の外周面とを
含むものである。本実施形態においては、駆動部材とし
ての斜板60,回転軸50,回転伝達装置を構成するヒ
ンジ機構66等がピストン14を往復運動させる往復駆
動装置を構成している。
【0009】前記ピストン14は、中空ピストンの一種
であり、斜板60と係合させられる係合部70と、係合
部70と一体に設けられ、シリンダボア12に嵌合され
る頭部72とを備えている。頭部72は、中空円筒状を
なす中空頭部である。係合部70に形成された溝74に
球冠状の一対のシュー76を介して斜板60が係合させ
られている。シュー76は、球面部において係合部70
に摺動可能に保持され、平面部において斜板60の両側
面に当接し、斜板60の外周部を両側から摺動可能に挟
持している。ピストン14の形状についての詳細な説明
は後に行う。
【0010】斜板60の回転運動は、シュー76を介し
てピストン14の往復直線運動に変換される。ピストン
14が上死点から下死点へ移動する吸入行程において、
吸気室22内の冷媒ガスが吸入孔32,吸入バルブ34
を経てシリンダボア12内に吸入される。ピストン14
が下死点から上死点へ移動する圧縮行程において、シリ
ンダボア12内の冷媒ガスが圧縮され、吐出孔36,吐
出バルブ38を経て吐出室24に吐出される。冷媒ガス
の圧縮に伴ってピストン14には、軸方向の圧縮反力が
作用する。圧縮反力は、ピストン14,斜板60,回転
板62およびスラストベアリング64を介してフロント
ハウジング16に受けられる。ピストン14の係合部7
0には、回転規制部(図示省略)が一体的に設けられて
いる。回転規制部は、フロントハウジング16の内周面
に接触する状態とされ、ピストン14の中心軸線回りの
回転を規制し、ピストン14と斜板60との衝突を回避
する。
【0011】シリンダブロック10を貫通して給気通路
80が設けられている。この給気通路80により、吐出
室24と、フロントハウジング16とシリンダブロック
10との間に形成された斜板室86とが接続されてい
る。給気通路80の途中には、容量制御弁90が設けら
れている。容量制御弁90は、電磁弁であり、ソレノイ
ド92はコンピュータを主体とする制御装置(図示省
略)により励磁,消磁され、冷房負荷等の情報に応じて
供給電流量が制御されて容量制御弁90の開度が調節さ
れる。
【0012】回転軸50の内部には、排出通路100が
設けられている。排出通路100は、一端において前記
中心支持穴56に開口させられるとともに、他端におい
て斜板室86に開口させられている。中心支持穴56は
排出ポート104を経て吸気室22に連通させられてい
る。
【0013】本斜板式圧縮機は可変容量型であり、高圧
源としての吐出室24と低圧源としての吸気室22との
圧力差を利用して斜板室86内の圧力が制御されること
により、ピストン14の前後に作用するシリンダボア1
2の圧力と斜板室86の圧力との差が調節され、斜板6
0の傾斜角度が変更されてピストン14のストロークが
変更され、圧縮機の吐出容量が調節される。具体的に
は、容量制御弁90の消磁,励磁の制御により、斜板室
86が吐出室24に連通させられたり、遮断されたりす
ることによって、斜板室86の圧力が制御される。
【0014】シリンダブロック10およびピストン14
は、金属の一種であるアルミニウム合金製のものとさ
れ、ピストン14の外周面には、フッ素樹脂のコーティ
ングが施されている。フッ素樹脂でコーティングすれ
ば、同種金属との直接接触を回避して焼付きを防止しつ
つシリンダボア12との嵌合隙間を可及的に狭くするこ
とができる。なお、シリンダブロック10およびピスト
ン14は、アルミニウム珪素系合金製のもの等とするこ
とが望ましい。ただし、シリンダブロック10やピスト
ン14の材料、コーティング層の材料等は、上述の材料
に限らず、他の材料であってもよい。
【0015】ピストン14をさらに詳細に説明する。ピ
ストン14の係合部70の頭部72から遠い側の端部
は、図2に示すように、前記溝74の形成により概して
U字形をなし、ピストン14の中心軸線と直交する方向
に延び出す一対のアーム部110,112と、アーム部
110,112の基端部同士を連結する連結部113と
を備えている。アーム部110,112の互いに対向す
る側面には、それぞれ凹部114が形成されている。こ
れら凹部114の内面は凹球面状をなし、2つの凹球面
が一球面上に位置している。前記一対のシュー76は、
斜板60の外周部の表裏両面に接触し、斜板60を挟持
するとともに凹部114に保持されている。
【0016】ピストン14の頭部72は、一端が開口
し、他端が閉塞された有底円筒状をなす有底円筒状部1
20と、有底円筒状部120に固定され、有底円筒状部
120の開口を閉塞する閉塞部材としてのキャップ12
2とを備えている。有底円筒状部120は、底壁124
において係合部70のアーム部112側と一体に形成さ
れている。有底円筒状部120は、底壁124の外周部
から軸方向に延び出す中空円筒部126を備えている。
中空円筒部126の内周面128は、単純な円筒面とさ
れている。
【0017】底壁124には、図3に示すように、アー
ム部112側に開口する複数個(本実施形態の場合5
個)の第一穴としての貫通穴130が周方向に等角度間
隔で形成され、頭部72の内部空間と外部とが連通させ
られている。これら貫通穴130は、シリンダボア12
の配設個数および配設間隔と同じになるように設けられ
ている。したがって、5つのピストン14が圧縮機にそ
れぞれ5つの回転位置(ピストン14の中心軸線まわり
の)で組み込まれた状態では、各ピストン14の5つの
貫通穴130のいずれか1つが頭部72の内部空間の最
下部に対応する位置に開口させられることになる。貫通
穴130は、有底円筒状部120の内部空間から係合部
70側に向かうにつれて、有底円筒状部120の中心軸
線から遠ざかる向きに傾斜させられている(図2参
照)。また、図4に示すように、有底円筒状部120の
外周面132の軸方向において底壁124近傍部には、
周方向に等角度間隔で隔たった複数個(本実施形態の場
合3個)の第二穴としての貫通穴134が形成され、頭
部72の内部空間と外部とが連通させられている。貫通
穴134は、貫通穴130より横断面積が大きく、か
つ、頭部72の中心軸線に平行な方向に長い長穴であ
り、図示の例では幅5mm,軸方向長さ10mmの長穴
である。3つの貫通穴134のうちの1つは、頭部72
の周方向において連結部113に対応する位置に形成さ
れ、また、上記5つの貫通穴130のうちの1つは、周
方向において連結部113から最も離れた位置(直径方
向に隔たった位置)に形成されている。つまり、これら
貫通穴130と貫通穴134とは互いに直径方向に隔た
った位置に形成されている。
【0018】キャップ122は、図2に示すように、円
板状の底壁140と、底壁140の外周部から軸方向に
延びる中空円筒部142と、中空円筒部142の端面1
44の内周部から軸方向に延びる中空円筒状の嵌合部1
46とを備えて段付の有底円筒状をなしている。嵌合部
146,中空円筒部142の内周面と底壁140の内面
とによりキャップ122内部には嵌合部146の端面1
48に開口する凹部150が形成され、重量が軽減され
ている。凹部150の中空円筒部142の内周面と底壁
140の内面とが交差する隅には、丸みが付けられて中
空円筒部142と底壁140との境界部の剛性が高めら
れている。なお、図2においては、理解を容易にするた
めに、中空円筒部126の周壁の厚さ,中空円筒部14
2の周壁の厚さおよび底壁140の厚さ等が誇大に示さ
れている。
【0019】キャップ122の嵌合部146の外周面1
52が有底円筒状部120の内周面128に、端面14
8が有底円筒状部120の開口側端面154と当接する
深さまで嵌合させられ、開口側端面154と端面148
とが溶接面として電子ビーム溶接されることにより、キ
ャップ122と有底円筒状部120とが接合されてい
る。ピストン14の圧縮行程において頭部72の頂面1
56に作用する冷媒ガスの圧縮反力は、端面148と開
口側端面154との溶接部によって受けられる。なお、
前記貫通穴134は、外周面132の、頂面156から
頭部72の軸方向長さの1/3以上の距離隔たった部分
に形成されており、頭部72のシール性能の低下が極力
回避されている。
【0020】上記のように構成されたピストン14は、
本実施形態においては1個のピストン素材から2個製造
される。そのため、図5に示すように、ピストン14を
製造するための片頭ピストン製造用素材160(以下、
素材160と略称する)は、2つのピストン本体部材1
62(以下、本体部材162と略称する)と2つの閉塞
部材としてのキャップ164とを備えている。2つのキ
ャップ164は、互いに同心となるように、連結部16
8により互いに連結されて一体に形成されている。本実
施形態におけるピストン素材は、頭部同士が連結された
2連素材の一例である。
【0021】本体部材162は、係合部166と、係合
部166とは反対向きに開口した有底円筒状部170と
を備えている。有底円筒状部170は、底壁172と、
底壁172の外周部から軸方向に延び出す中空円筒部1
74とを備え、底壁172において係合部166と一体
に形成されている。中空円筒部174の底壁172とは
反対側には、開口側端面176が形成されている。中空
円筒部174の内周面178は、単純な円筒面とされて
いる。内周面178は、製品たるピストン14になった
場合に内周面128となる。また、係合部166に設け
られたブリッジ部182は、アーム部110,112お
よび連結部113を構成することになる部分(それぞれ
アーム部184,186,連結部188と称する)の内
側面同士を連結して、加工時の挟持作用に対して係合部
166を補強するものであり、本体部材162の剛性を
高め、あるいは熱による歪みを抑制するための補強部と
して設けられている。アーム部184の内側面とは反対
側の端面において、有底円筒状部170の中心軸線を通
る部分には、図示の例では円形断面の保持部190が突
設されている。有底円筒状部170には、前述の第一穴
としての貫通穴130,第二穴としての貫通穴134が
形成されている。本体部材162は、本実施形態におい
ては、金属の一種であるアルミニウム合金製であって、
鋳造または鍛造により製造され、貫通穴130,134
も同時に成形される。貫通穴130,134は、本体部
材162の鋳造または鍛造後に、打抜きあるいは機械加
工等により形成してもよい。
【0022】2個のキャップ164は同様に構成されて
おり、一方を代表的に説明する。図5に示すように、キ
ャップ164は、円板状の底壁192と、底壁192の
外周部から軸方向に延びる中空円筒部194と、中空円
筒部194の端面196の内周部から軸方向に延びる中
空円筒状の嵌合部198とを備えて段付の有底円筒状を
なしている。中空円筒部194の内周面と底壁192の
内面とによりキャップ164内部には嵌合部198の端
面200に開口する凹部202が形成され、重量が軽減
されている。凹部202は、製品たるピストン14とな
った場合に凹部150となる。嵌合部198の外周面2
04の直径は中空円筒部194の外径より小さくされ、
有底円筒状部170の内周面178に嵌合可能である。
このように構成されるキャップ164は、本実施形態に
おいては、金属の一種であるアルミニウム合金製であっ
て、本体部材162と同様に、鋳造または鍛造により製
造される。
【0023】次に、本体部材162とキャップ164と
が固定される。キャップ164の嵌合部198側が先端
部とされ、有底円筒状部170の開口へ、同軸に位置決
めされた状態で挿入され、嵌合部198の外周面204
が内周面178と嵌合される。内周面178と外周面2
04との嵌合によりキャップ164が有底円筒状部17
0内で半径方向に位置決めされた状態でさらに嵌合が進
行し、キャップ164の端面196と中空円筒部174
の開口側端面176との当接によりキャップ164の嵌
合深さが規定される。その状態で端面176,196が
それぞれ溶接面として電子ビーム溶接により結合され
る。電子ビーム溶接は、真空雰囲気中で行われる。この
時、有底円筒状部170内部の空気は、貫通穴130,
134から良好に外部に排出される。したがって、溶接
時に発生する熱により、有底円筒状部170内に閉じ込
められた空気が膨張させられ、外部に流出することによ
って、溶接部にブローホール等が形成されることが良好
に回避される。
【0024】このようにして本体部材162に2個のキ
ャップ164が固定された後、頭部72を構成すること
になる部分(頭部形成部208と称する)、すなわち本
体部材162の有底円筒状部170およびキャップ16
4の外周面を始めとする複数の部分に切削,研削等の機
械加工が行われる。まず、係合部166にそれぞれ設け
られた保持部190の中央部にセンタ穴210が形成さ
れる。その後、図示は省略するが、センタ穴210にセ
ンタが嵌合されて心出しがなされるとともに、2個の保
持部190がそれぞれチャックにより把持された状態
で、回転駆動装置の回転がキャップ164および本体部
材162に伝達されて頭部形成部208の外周面に加工
が行われる。また、上述のように素材160に心出しが
なされた状態で、加工工具が回転させられて係合部16
6のアーム部184,186の内側面に機械加工が施さ
れ、ピストン14となった際にシュー76を保持する凹
部114(図3に二点鎖線で図示)が形成される。な
お、本実施形態においては、ウェット加工により上記各
機械加工が行われ、潤滑成分および防錆成分を含む水溶
性切削液が使用される。
【0025】次に、頭部形成部208の外周面にコーテ
ィングが施される前に、頭部形成部208内部の清掃が
行われ、前記各機械加工時に貫通穴130,134から
頭部形成部208の内部空間に入り込んだ切粉,切削液
等の侵入物が排除される。本実施形態においては、作業
ロボットまたは作業者により素材160が保持されて洗
浄が行われる。素材160は、連結部113から最も離
れた(直径方向に隔たった)貫通穴130が最上部に位
置し、貫通穴130と直径方向に隔たった貫通穴134
が最下部に位置し、かつ、頭部形成部208の中心軸線
が水平となる姿勢で洗浄液の水槽に浸漬される。貫通穴
130からの空気の流出に伴って洗浄液が貫通穴134
から頭部形成部208内部に流入させられた後、そのま
まの姿勢で洗浄液から引き上げられ、頭部形成部208
の中心軸線に直交する水平な直線のまわりに揺動させら
れることにより、頭部形成部208内部に入り込んだ切
粉等が洗浄液とともに主として最下部に位置する貫通穴
134から排出される。素材160には、上記揺動の
他、上下動,回転等の運動のうちのいずれか1つ付与し
てもよいし、それらを任意に組み合わせ付与してもよ
い。また、上記浸漬工程と排出工程とからなる洗浄サイ
クルを複数回行ってもよく、浸漬工程において洗浄液に
超音波振動を付与してもよい。本実施形態の洗浄工程
は、コーティング工程前の頭部形成部208の塗装面の
洗浄も兼ねている。
【0026】洗浄工程後、素材160が水洗され、少な
くとも頭部形成部208の外周面に塗装が行われ、例え
ば、ポリテトラフルオロエチレンを主材料とするコーテ
ィング層が形成される。そして、保持部190が除去さ
れるとともにアーム部184の端面が切削加工された
後、コーティング層が形成された有底円筒状部170等
の外周面にセンタレス研削が行われ、頭部72が完成す
る。最後に、素材160が連結部168において2つに
切り離され、2個のピストン14が得られる。
【0027】本実施形態における貫通穴130が第一穴
を構成し、貫通穴134が第二穴を構成している。本実
施形態によれば、種々の機械加工により頭部形成部20
8内部に入り込んだ切粉と切削液とを洗浄液とともに確
実にかつ容易に排出することができる。特に、貫通穴1
34は、貫通穴130と比較して横断面積が大きくさ
れ、切粉等の侵入物の排出が容易である。また、貫通穴
130,134の形成により、ピストン14の軽量化が
可能となる利点もある。これらの効果とともに、圧縮機
運転時に貫通穴134から頭部72内部に入った潤滑油
が、最下部に溜まった場合(主として圧縮機停止中に)
には、ピストン14の中心軸線まわりの回転位置にかか
わらず頭部72の最下部に位置する貫通穴130から斜
板60側に容易に排出され、ピストン14の重量の増加
が回避される。また、圧縮機運転中に貫通穴134から
貫通穴130を経て斜板60側に向う冷媒ガスの流れが
生じ、その冷媒ガス中に霧あるいは飛沫状で存在する潤
滑油が斜板60,シュー76等の摺動面に供給される効
果も得られる。
【0028】貫通穴130は、有底円筒状部120の中
心軸線に平行な方向に延びる穴としてもよいし、有底円
筒状部120の底壁124と周壁の一部とを貫通する穴
としてもよい。
【0029】本実施形態においては、有底円筒状部17
0の外周面,アーム部184,186の内側面等の機械
加工の終了後であって、コーティング工程の前に洗浄工
程が行われていたが、これ以外にも、機械加工終了後の
種々の段階で洗浄工程を実施できる。例えば、素材16
0を2つに切り離す切離工程の後に洗浄すれば、洗浄が
一度で済む場合もある。また、機械加工終了後、機会が
ある毎に洗浄を行ってもよい。
【0030】本実施形態においては、素材160が洗浄
液中に浸漬されることにより清掃が行われるが、これは
不可欠ではない。例えば、貫通穴130あるいは134
から頭部形成部208の深奥部に洗浄ノズルを挿入し、
洗浄液を噴射させて主として貫通穴134から流出させ
ることにより、頭部形成部208内を洗浄することも可
能である。洗浄液は、清掃用流体の一例であり、これ以
外にも、加圧エア等の気体を貫通穴130あるいは13
4から吹き込むことによって切粉等を排除してもよい。
【0031】本発明の別の実施形態を図6および図7に
示す。なお、図1〜図5に示す実施形態と同様に機能す
る構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。図6
に示すように、中空ピストンである片頭ピストン300
は、底壁124にシリンダボアの配設個数に応じて複数
個の貫通穴130が周方向に等角度間隔に形成されてい
る。また、ピストン300の中空の頭部72の外周面1
32には、その頂面156近傍部にリング状の潤滑油保
持用の円環状溝310が形成されている。円環状溝31
0は、ピストン300が下死点まで移動させられた場合
でも、シリンダボア12内に留まる位置に形成されてい
る。また、外周面132には、円環状溝310より係合
部70側の部分に、頭部72の中心軸線に平行に延びる
潤滑油収集用の軸方向溝312が形成されている。図示
の例では、軸方向溝312は1つのみ形成されている
が、周方向に隔たった複数箇所に設けてもよい。軸方向
溝312は、図7に示すように、外周面132側ほど幅
が広くなるように形成されており、その底壁314に内
周面128に開口する貫通穴320が形成され、頭部7
2の内部空間が外部と連通させられている。軸方向溝3
12が凹部の一例であり、貫通穴320が第二穴を構成
している。貫通穴320も貫通穴134と同様に、切粉
等排出用の穴として機能する。また、ピストン300の
往復動に伴い、潤滑油が円環状溝310および軸方向溝
312に集められる。円環状溝310は収集した潤滑油
を保持して頭部72の外周面132とシリンダボア12
の内周面との間に供給するが、軸方向溝312により収
集された潤滑油は貫通穴320,頭部72の内部空間,
貫通穴130を経て斜板室に供給される。
【0032】第一穴および第二穴の大きさ,形状は種々
のものを採用可能であり、例えば図8および図9に示す
中空ピストンとしての片頭ピストン400のように、第
一穴としての貫通穴410を、底壁124を中心軸線に
平行な方向に貫通し、かつ、周方向に延びる部分円環状
の穴(長穴)としてもよい。また、第二穴としての貫通
穴412を、その横断面積を貫通穴410の横断面積よ
り大きいものとし、かつ、頭部72の横断面積に対する
横断面積比を図1〜図5に示す実施形態より大きいもの
とし、例えば、頭部72の横断面積の1/3以上1/2
以下としてもよい。このようにすれば、貫通穴412か
らの切粉等の侵入物の排出がより容易となる。さらに、
貫通穴410,412の少なくとも一方を周方向に隔た
って複数個設けてもよい。第二穴は、頭部72の強度確
保および配設個数等を勘案して、頭部72の横断面積の
1/30以上1/2以下の範囲内から適宜の値を選択す
ることができる。
【0033】図1〜図5に示す実施形態における片頭ピ
ストン製造用素材160は、頭部同士が連結された2連
素材であったが、係合部同士が連結されたり、頭部と係
合部とが連結された2連素材、さらに、3個以上の片頭
ピストン製造用素材が連結された多連素材とすることも
可能である。あるいは、有底円筒状部材と閉塞部材とを
それぞれ1つずつ備えるピストン1個分の素材としても
よい。
【0034】上記各実施形態においては、頭部の主要部
分を構成する有底円筒状部と係合部とが一体に形成され
るピストンであったが、頭部の主要部分を構成する有底
円筒状部材の開口を閉塞する閉塞部材と係合部とが一体
に形成される形態のピストンに本発明を適用してもよ
い。
【0035】有底円筒状部材と閉塞部材との固定方法
は、前述の電子ビーム溶接に限らず種々の方法を採用可
能であり、例えば、レーザビーム等その他の溶接、接着
剤による接着や、圧入、有底円筒状部材,閉塞部材より
融点の低い低融点合金、例えば、半田,ろう材等により
接合してもよく、かしめによる固着や、ねじによる固定
でもよい。また、摩擦圧接または塑性流動によって接合
してもよい。あるいは、これら各固定方法の任意の組み
合わせにより固定してもよい。
【0036】閉塞部材を、アルミニウム合金以外の金属
材料、例えばマグネシウム合金により形成してもよい。
有底円筒状部材と閉塞部材とを接着,かしめにより結合
する場合には、閉塞部材はそれらの結合方法に好適な樹
脂により形成してもよい。閉塞部材は円板等単純な形状
であれば、市販の棒材等汎用素材の機械加工により製造
してもよい。
【0037】また、図1〜図5に示す実施形態のように
閉塞部材内部に凹部を形成することは、軽量化の点から
望ましいが、不可欠ではない。本発明を、固定容量型斜
板式圧縮機用の中空ピストンに適用することも可能であ
る。
【0038】以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細
に説明したが、これは例示に過ぎず、本発明は、前記
〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識
に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である斜板式圧縮機用中空
ピストンを備える斜板式圧縮機を示す正面断面図であ
る。
【図2】上記中空ピストンを示す正面断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】上記中空ピストンを製造するためのピストン素
材を示す正面断面図である。
【図6】本発明の別の実施形態である斜板式圧縮機用中
空ピストンを示す正面図(一部断面)である。
【図7】図6のC−C断面図である。
【図8】本発明のさらに別の実施形態である斜板式圧縮
機用中空ピストンを示す斜視図である。
【図9】上記中空ピストンの正面断面図である。
【符号の説明】
10:シリンダブロック 12:シリンダボア 1
4:片頭ピストン 16:フロントハウジング 1
8:リヤハウジング 70:係合部 72:頭部
110,112:アーム部 113:連結部 1
24:底壁 130:貫通穴 132:外周面
134:貫通穴 300:片頭ピストン 320:貫通穴 400:片頭ピストン 410,
412:貫通穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H003 AA03 AB07 AC03 BD08 BD10 CB00 CE00 3H076 AA06 BB17 BB38 BB40 CC12 CC17 CC20 CC31 CC68 CC76

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機本体のシリンダボアに嵌合される
    頭部と、斜板と係合する係合部とを一体に備え、かつ、
    前記頭部が、中空円筒の両端開口が閉塞された中空円筒
    状をなす中空頭部である斜板式圧縮機用中空ピストンで
    あって、 前記中空頭部に、それの内部空間と外部とを連通させる
    複数の穴が形成され、それら複数の穴が、(a) 中空頭部
    の係合部側の端に形成される第一穴と、(b) 中空頭部の
    外周面の、頂面から頭部軸方向長さの1/4以上の距離
    隔たった部分に形成され、前記第一穴より横断面積が大
    きい第二穴とを含むことを特徴とする斜板式圧縮機用中
    空ピストン。
  2. 【請求項2】 前記第一穴が前記第二穴に対して、前記
    中空頭部の直径方向に隔たった位置に形成された請求項
    1に記載の中空ピストン。
  3. 【請求項3】 前記係合部が、互いに対向しかつ互いに
    平行に延びる一対のアーム部とそれらアーム部の基端部
    同士を連結する連結部とを備え、前記第一穴が、前記中
    空頭部の、前記連結部から最も離れた位置に形成された
    請求項1または2に記載の中空ピストン。
  4. 【請求項4】 前記第一穴の中心軸線が前記中空頭部の
    中心軸線に平行な方向の成分を含む方向に延びている請
    求項1ないし3のいずれか1つに記載の中空ピストン。
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