JP2001304125A - 圧縮機用中空ピストンの製造方法 - Google Patents

圧縮機用中空ピストンの製造方法

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JP2001304125A
JP2001304125A JP2000116927A JP2000116927A JP2001304125A JP 2001304125 A JP2001304125 A JP 2001304125A JP 2000116927 A JP2000116927 A JP 2000116927A JP 2000116927 A JP2000116927 A JP 2000116927A JP 2001304125 A JP2001304125 A JP 2001304125A
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hollow
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Takayuki Kato
崇行 加藤
Seiji Katayama
誠二 片山
Tatsuhito Ishikawa
達仁 石川
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Toyota Industries Corp
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Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】中空ピストンの中間製品の中空頭部内部に存在
する切粉等の異物を排出する。 【解決手段】片頭ピストン製造用素材160のピストン
本体部材とキャップとを固定した後、頭部形成部208
の外周面を始めとする複数の部分に機械加工を施す。そ
の後、頭部形成部208の外周面にコーティングを施す
前に、頭部形成部208の内部空間の洗浄を行う。作業
ロボットの把持爪が素材160を貫通穴130が最上部
に位置する姿勢で保持した状態で、洗浄水内に浸漬し、
貫通穴130から頭部形成部208内部に洗浄水が流入
した後、素材160をその軸線に直交する水平な直線ま
わりに回転させ、貫通穴130が最下部に位置する姿勢
に変更する。この状態で上記直線まわりに小角度揺動さ
せるとともに、洗浄水に超音波振動を付与し、貫通穴1
30から内部空間の切粉等を排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷媒圧縮機等圧縮機
に使用されるピストンの製造方法に関するものであり、
特に、シリンダボアに嵌合される頭部が中空である中空
ピストンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧縮機用のピストンを軽量化するため
に、頭部を中空にすることが行われている。この場合、
中空頭部の内部空間が外部と全く遮断された密閉式の中
空頭部とされることもあるが、特開平9−250451
号公報や、特開平11−107912号公報に記載のよ
うに、内部空間の空気抜き等製造上の都合や、軽量化,
潤滑油供給等使用上の都合で開口により内部空間が外部
と連通させられることもある。後者においては、中空頭
部の形成後における中間製品の加工途中に、開口から中
空頭部内に異物が侵入することがある。例えば、機械加
工時等に切削液や切粉が侵入する。これらの異物が、後
の加工工程の実施中に中空頭部から排出されれば、種々
の不都合が生じる。例えば、機械加工の後に、中空頭部
の外周面にポリテトラフルオロエチレン等のコーティン
グ層が形成されることがあるが、この工程の途中に中空
頭部から切削液や切粉が排出されれば、それらがコーテ
ィング材に混入してコーティング材を汚し、あるいはコ
ーティング層に混入して不良品を発生させる恐れがあ
る。また、コーティング層の表面が研削加工される場合
があるが、その途中に切粉が排出され、コーティング層
と砥石との間に侵入してコーティング層を損傷させる恐
れもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】本発明は、以上の事情を背景とし、開口を有する中
空頭部内に侵入した異物によって不都合が発生すること
を防止することを課題としてなされたものであり、本発
明によって、下記各態様の圧縮機用中空ピストンの製造
方法が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分
し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引
用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理
解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特
徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに
限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項
に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項
を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一
部の事項のみを選択して採用することも可能なのであ
る。
【0004】(1)圧縮機本体のシリンダボアに嵌合さ
れる中空頭部を備え、その中空頭部にその中空頭部の内
部空間と外部とを連通させる開口を有する中間製品を製
造する工程と、前記中空頭部内を、前記開口から中空頭
部内に清掃用流体を供給することにより、その清掃用流
体と共に中空頭部内に存在する可能性のある異物を外部
へ排出する清掃工程とを含む圧縮機用中空ピストンの製
造方法。清掃用流体は液体でも気体でもよい。後者の場
合は、工場エア等の加圧された空気が好適である。開口
が比較的大きい場合や、開口が複数個形成される場合に
は、加圧空気を開口から吹き込むことによっても切粉等
の異物をほぼ完全に排除し得る。本項の発明によれば、
中空頭部内に異物が存在するままで、以降の工程が実施
され、その途中で異物が外部に排出されて支障をきたす
ことが良好に回避される。 (2)前記中間製品を機械加工する機械加工工程を含
み、前記清掃工程が機械加工工程において中間製品の中
空頭部内に侵入する可能性のある切粉,切削液等の異物
を排除する工程である (1)項に記載の圧縮機用中空ピス
トンの製造方法(請求項1)。中空頭部に開口を有する
中間製品を機械加工すれば、中空頭部内に切削液や切粉
等の異物が侵入することを避け得ない。したがって、機
械加工工程後の中間製品において特に清掃の必要性が高
い。 (3)前記清掃工程が、前記清掃用流体としての洗浄液
により中空頭部内を洗浄し、前記異物を洗浄液と共に外
部へ排出する洗浄工程を含む (1)項または(2) 項に記載
の圧縮機用中空ピストンの製造方法(請求項2)。洗浄
流体として洗浄液を使用する方が異物の排除を良好に行
い得ることが多い。特に、中空頭部内の内面が切削液等
の液体によって濡れており、その濡れた内面に切粉等が
付着している場合には、洗浄が好適である。 (4)前記洗浄工程が、前記中間製品全体を前記洗浄液
内へ浸漬して洗浄を行う工程である (3)項に記載の圧縮
機用中空ピストンの製造方法。本項の発明によれば、中
間製品全体の洗浄や冷却も兼ねさせることができて好都
合である。 (5)前記洗浄工程が、前記中間製品全体を前記開口が
前記中空頭部内空間の最上部に位置する状態で前記洗浄
液内へ浸漬する浸漬工程と、その浸漬工程の実行後に、
前記中間製品を前記開口が前記中空頭部内空間の最下部
に位置する姿勢として中空頭部内の洗浄液を前記異物と
共に外部に排出する排出工程とを含む (4)項に記載の圧
縮機用中空ピストンの製造方法(請求項3)。上記浸漬
工程と排出工程とを1回ずつ実行するのみでもよいが、
複数回繰り返して実行すれば、異物を一層確実に排出す
ることができる。 (6)前記中空頭部が開口を複数個有し、それら複数の
開口の予め定められた開口を前記浸漬工程において前記
最上部に位置させ、前記排出工程において前記最下部に
位置させる (5)項に記載の圧縮機用中空ピストンの製造
方法。中空頭部に開口が複数設けられている場合には、
最も横断面積が大きい開口から液体が流入,流出するよ
うにするか、異物が最も流出し易い開口から液体が流出
するようにすることが望ましい。 (7)前記中空頭部に複数の開口を、それら開口の少な
くとも1つが最上部に位置する状態で少なくとも1つが
最下部となる相対位置に形成する (5)項または (6)項に
記載の圧縮機用中空ピストンの製造方法。このようにす
れば、中空頭部の最上部の開口において空気が流入,流
出させられることにより、最下部の開口における洗浄液
の流入,流出が容易となり、洗浄を迅速かつ確実に行う
ことができる。 (8)前記洗浄工程が、前記中間製品全体を前記開口が
前記中空頭部内空間の最上部に位置する状態で前記洗浄
液内へ浸漬する浸漬工程と、前記洗浄液内において、中
間製品を前記開口が前記中空頭部内空間の最下部に位置
する姿勢とする姿勢変更工程とを含む (4)項ないし (7)
項のいずれか1つに記載の圧縮機用中空ピストンの製造
方法。洗浄液内において、開口が中空頭部内空間の最下
部に位置する姿勢とすれば、内部の切粉等の異物が自重
によって排出される。 (9)少なくとも前記姿勢変更工程後に、(a) 前記洗浄
液に超音波振動を付与することと、(b) 前記中間製品を
上下に揺動させることと、(c) 中間製品をその中間製品
の軸線と直交する水平な直線のまわりに揺動させること
と、(d) 中間製品をその中間製品の軸線のまわりに揺動
させることと、(e) 中間製品をその中間製品の軸線のま
わりに1回転以上させることとの少なくとも1つを行う
(8)項に記載の圧縮機用中空ピストンの製造方法。中間
製品を開口が中空頭部内空間の最下部に位置する姿勢と
した後、上記(a)ないし(e) の少なくとも1つを実施す
れば、中空頭部内の異物が特に良好に排出される。 (10)前記洗浄工程が、前記中間製品を1個ずつ洗浄
する工程である (3)項ないし (9)項のいずれか1つに記
載の圧縮機用中空ピストンの製造方法。洗浄工程が機械
加工工程の後に行われる場合には、本項の態様によるの
が便利である。機械加工工程においては、中間製品が1
個ずつ順次加工されるのが普通であるため、機械加工が
終了する毎に中間製品の洗浄を行うのが便利である。切
削加工機械に中間製品を着脱するロボットに洗浄動作を
も行わせ、あるいは作業者が行う着脱動作の最後に洗浄
動作を行えば特に便利である。 (11)前記洗浄工程が、前記中間製品を複数個収容器
に収容して一挙に洗浄する工程である (3)項ないし (9)
項のいずれか1つに記載の圧縮機用中空ピストンの製造
方法。上記収容器は中間製品を軸方向に並べて複数個収
容する筒体であってもよく、中間製品を少なくとも並列
に並べて複数個収容する容器でもよく、筒体に収容する
とともにその筒体を容器に収容してもよい。中間製品か
ら排出された洗浄液および異物が外部へ良好に排出され
るようにするために、筒体や容器は全面にほぼ均等に穴
が開けられたものであることが望ましい。 (12)前記中間製品が前記開口を複数備えたものであ
り、前記清掃工程がそれら複数の開口の一つから前記中
空頭部内に清掃用流体を吹き込んで、別の開口から流出
させ、その清掃用流体と共に中空頭部内の異物を排出す
る工程である (1)項または (2)項に記載の圧縮機用中空
ピストンの製造方法。中間製品が開口を複数備えたもの
である場合には、一つの開口から流体を吹き込み、別の
開口から流出させることにより、内部の異物を迅速に排
出することができる。例えば、ノズルを開口に近接さ
せ、または挿入して、吹込みを行うのであり、吹き込ま
れた流体が中空頭部内を一方の開口から他方の開口へ流
れることにより、中空頭部内面全体が清掃される場合に
は、上記流体の吹込み方向は一定でよいが、そうでない
場合には、吹込み方向を変えつつ吹込みを行うことが望
ましい。 (13)前記清掃用流体が液体である(12)項に記載の圧
縮機用中空ピストンの製造方法。 (14)前記清掃用流体の前記中空頭部内への吹き込み
が、前記中間製品を液中に浸漬した状態で行われる(12)
項または(13)項に記載の圧縮機用中空ピストンの製造方
法。流体の吹込みにより中空頭部から排出された異物が
周辺に飛散することを防止し得る。特に、清掃用流体が
液体である場合には、その液体が周辺に飛散することも
防止し得る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態である車
両用空調装置に用いられる斜板式圧縮機用ピストンの製
造を例に取り、図面に基づいて詳細に説明する。図1に
本実施形態における斜板式圧縮機を示す。図1におい
て、10はシリンダブロックであり、シリンダブロック
10の中心軸線回りの一円周上には、軸方向に延びる複
数のシリンダボア12が形成されている。シリンダボア
12の各々には、片頭ピストン14(以下、ピストン1
4と略称する)が往復運動可能に配設されている。シリ
ンダブロック10の軸方向の一端面(図1の左側の端面
であり、前端面と称する)には、フロントハウジング1
6が取り付けられ、他方の端面(図1の右側の端面であ
り、後端面と称する)には、リヤハウジング18がバル
ブプレート20を介して取り付けられている。フロント
ハウジング16,リヤハウジング18,シリンダブロッ
ク10等により斜板式圧縮機の本体が構成される。リヤ
ハウジング18とバルブプレート20との間には、吸気
室22,吐出室24が形成され、それぞれ、吸入ポート
26,供給ポート28を経て、図示しない冷凍回路に接
続される。バルブプレート20には、吸入孔32,吸入
バルブ34,吐出孔36,吐出バルブ38等が設けられ
ている。
【0006】シリンダブロック10の中心軸線上には、
回転軸50が回転可能に設けられている。回転軸50
は、両端部においてそれぞれベアリングを介してフロン
トハウジング16,シリンダブロック10に支持されて
いる。シリンダブロック10の中心部には、中心支持穴
56が形成されており、その中心支持穴56において支
持されているのである。回転軸50のフロントハウジン
グ16側の端部は、図示しない駆動源の一種である外部
駆動源としての車両エンジンに、電磁クラッチ等のクラ
ッチ機構を介して連結されている。したがって、車両エ
ンジンの作動時に、クラッチ機構によって回転軸50が
車両エンジンに接続されれば、回転軸50が自身の軸線
まわりに回転させられる。
【0007】回転軸50には、斜板60が軸方向に相対
移動可能かつ傾動可能に取り付けられている。斜板60
には、中心線を通る中心穴61が形成され、この中心穴
61を回転軸50が貫通している。中心穴61は、両端
開口側ほど径が漸増させられている。回転軸50には、
また、回転伝達部材としての回転板62が固定され、ス
ラストベアリング64を介してフロントハウジング16
に係合させられている。斜板60は、ヒンジ機構66に
より、回転軸50と一体的に回転させられるとともに、
軸方向の移動を伴う傾動を許される。ヒンジ機構66
は、回転板62に固定的に設けられた支持アーム67
と、斜板60に固定的に設けられ、支持アーム67のガ
イド穴68にスライド可能に嵌合されたガイドピン69
と、斜板60の中心穴61と、回転軸50の外周面とを
含むものである。本実施形態においては、駆動部材とし
ての斜板60,回転軸50,回転伝達装置を構成するヒ
ンジ機構66等がピストン14を往復運動させる往復駆
動装置を構成している。
【0008】前記ピストン14は、中空ピストンの一種
であり、斜板60と係合させられる係合部70と、係合
部70と一体に設けられ、シリンダボア12に嵌合され
る中空の頭部72とを備えている。係合部70に形成さ
れた溝74に球冠状の一対のシュー76を介して斜板6
0が係合させられている。シュー76は、球面部におい
て係合部70に摺動可能に保持され、平面部において斜
板60の両側面に当接し、斜板60の外周部を両側から
摺動可能に挟持している。ピストン14の形状について
の詳細な説明は後に行う。
【0009】斜板60の回転運動は、シュー76を介し
てピストン14の往復直線運動に変換される。ピストン
14が上死点から下死点へ移動する吸入行程において、
吸気室22内の冷媒ガスが吸入孔32,吸入バルブ34
を経てシリンダボア12内に吸入される。ピストン14
が下死点から上死点へ移動する圧縮行程において、シリ
ンダボア12内の冷媒ガスが圧縮され、吐出孔36,吐
出バルブ38を経て吐出室24に吐出される。冷媒ガス
の圧縮に伴ってピストン14には、軸方向の圧縮反力が
作用する。圧縮反力は、ピストン14,斜板60,回転
板62およびスラストベアリング64を介してフロント
ハウジング16に受けられる。ピストン14の係合部7
0には、回転規制部(図示省略)が一体的に設けられて
いる。回転規制部は、フロントハウジング16の内周面
に接触する状態とされ、ピストン14の中心軸線回りの
回転を規制し、ピストン14と斜板60との衝突を回避
する。
【0010】シリンダブロック10を貫通して給気通路
80が設けられている。この給気通路80により、吐出
室24と、フロントハウジング16とシリンダブロック
10との間に形成された斜板室86とが接続されてい
る。給気通路80の途中には、容量制御弁90が設けら
れている。容量制御弁90は、電磁弁であり、ソレノイ
ド92はコンピュータを主体とする制御装置(図示省
略)により励磁,消磁され、冷房負荷等の情報に応じて
供給電流量が制御されて容量制御弁90の開度が調節さ
れる。
【0011】回転軸50の内部には、排出通路100が
設けられている。排出通路100は、一端において前記
中心支持穴56に開口させられるとともに、他端におい
て斜板室86に開口させられている。中心支持穴56は
排出ポート104を経て吸気室22に連通させられてい
る。
【0012】本斜板式圧縮機は可変容量型であり、高圧
源としての吐出室24と低圧源としての吸気室22との
圧力差を利用して斜板室86内の圧力が制御されること
により、ピストン14の前後に作用するシリンダボア1
2の圧力と斜板室86の圧力との差が調節され、斜板6
0の傾斜角度が変更されてピストン14のストロークが
変更され、圧縮機の吐出容量が調節される。具体的に
は、容量制御弁90の消磁,励磁の制御により、斜板室
86が吐出室24に連通させられたり、遮断されたりす
ることによって、斜板室86の圧力が制御される。
【0013】シリンダブロック10およびピストン14
は、金属の一種であるアルミニウム合金製のものとさ
れ、ピストン14の外周面には、フッ素樹脂のコーティ
ングが施されている。フッ素樹脂でコーティングすれ
ば、同種金属との直接接触を回避して焼付きを防止しつ
つシリンダボア12との嵌合隙間を可及的に狭くするこ
とができる。なお、シリンダブロック10およびピスト
ン14は、アルミニウム珪素系合金製のもの等とするこ
とが望ましい。ただし、シリンダブロック10やピスト
ン14の材料、コーティング層の材料等は、上述の材料
に限らず、他の材料であってもよい。
【0014】ピストン14をさらに詳細に説明する。ピ
ストン14の係合部70の頭部72から遠い側の端部
は、図2に示すように、前記溝74の形成により概して
U字形をなし、ピストン14の軸線と直交する方向に延
び出す一対のアーム部110,112と、アーム部11
0,112の基端同士を連結する連結部113とを備え
ている。アーム部110,112の互いに対向する側面
には、それぞれ凹部114が形成されている。これら凹
部114の内面は凹球面状をなし、2つの凹球面が一球
面上に位置している。前記一対のシュー76は、斜板6
0の外周部の表裏両面に接触し、斜板60を挟持すると
ともに凹部114に保持されている。
【0015】ピストン14の頭部72は、一端が開口
し、他端が閉塞された有底円筒状をなす有底円筒状部1
20と、有底円筒状部120に固定され、有底円筒状部
120の開口を閉塞する閉塞部材としてのキャップ12
2とを備えている。有底円筒状部120は、底壁124
において係合部70のアーム部112側と一体に形成さ
れている。有底円筒状部120は、底壁124の外周部
から軸方向に延び出す中空円筒部126を備えている。
中空円筒部126の内周面128は、単純な円筒面とさ
れている。底壁124の連結部113側とは直径方向に
隔たった周縁部に、アーム部110,112側に開口す
る貫通穴130が形成され、中空の頭部72の内部空間
と外部とが連通させられている。
【0016】キャップ122は、円板状の底壁134
と、底壁134の外周部から軸方向に延びる中空円筒部
136と、中空円筒部136の端面138の内周部から
軸方向に延びる中空円筒状の嵌合部140とを備えて段
付の有底円筒状をなしている。嵌合部140,中空円筒
部136の内周面と底壁134の内面とによりキャップ
122内部には嵌合部140の端面144に開口する凹
部146が形成され、重量が軽減されている。凹部14
6の中空円筒部136の内周面と底壁134の内面とが
交差する隅には、丸みが付けられて中空円筒部136と
底壁134との境界部の剛性が高められている。なお、
図2においては、理解を容易にするために、中空円筒部
126の周壁の厚さ,中空円筒部136の周壁の厚さお
よび底壁134の厚さ等が誇大に示されている。
【0017】キャップ122の嵌合部140の外周面1
48が有底円筒状部120の内周面128に、端面13
8が有底円筒状部120の開口側端面152と当接する
深さまで嵌合させられ、開口側端面152と端面138
とが溶接面として溶接されることにより、キャップ12
2と有底円筒状部120とが接合されている。ピストン
14の圧縮行程において頭部72の頂面154に作用す
る冷媒ガスの圧縮反力は、端面138と開口側端面15
2との溶接部によって受けられる。
【0018】上記構成のピストン14は、本実施形態に
おいては中間製品の一種としての1個のピストン素材か
ら2個製造される。なお、中間製品とは、鋳造直後の鋳
造品や鍛造前の棒状の鍛造素材等の原素材と、最終製品
としてのピストン14との間の各製造段階であるものの
便宜上の総称であり、本実施形態における片頭ピストン
製造用素材160(以下、素材160と略称する)も、
中間製品の一形態である。そのため、図3に示すよう
に、素材160は、2つのピストン本体部材162(以
下、本体部材162と略称する)と2つの閉塞部材とし
てのキャップ164とを備えている。2つのキャップ1
64は、互いに同心となるように、連結部168により
連結されて一体に形成されている。本実施形態における
ピストン素材は、頭部同士が連結された2連素材の一例
であり、種々の工程を含む製造工程の殆ど最終段階で2
つに切り離され、ピストン14とされる。
【0019】本体部材162は、係合部166と、係合
部166とは反対向きに開口した有底円筒状部170と
を備えている。有底円筒状部170は、底壁172と、
底壁172の外周部から軸方向に延び出す中空円筒部1
74とを備え、底壁172において係合部166と一体
に形成されている。中空円筒部174の底壁172とは
反対側には、開口側端面176が形成されている。中空
円筒部174の内周面178は、単純な円筒面とされて
いる。内周面178は、製品たるピストン14になった
場合に内周面128となる。また、係合部166に設け
られたブリッジ部182は、アーム部110,112お
よび連結部113を構成することになる部分(それぞれ
アーム部184,186,連結部188と称する)の内
側面同士を連結して、加工時に加えられる力による変形
や熱処理時における歪み等に対して係合部166を補強
する補強部として設けられている。アーム部184の内
側面とは反対側の端面において、有底円筒状部170の
中心軸線を通る部分には円形断面の保持部190が突設
されている。底壁172の連結部168側とは直径方向
に隔たった周縁部には、前述の貫通穴130が形成され
ている。貫通穴130は、有底円筒状部170の内部空
間から係合部166側に向かうにつれて、有底円筒状部
170の中心軸線から遠ざかる向きに傾斜させられてい
る。本体部材162は、本実施形態においては、金属の
一種であるアルミニウム合金製であって、鋳造または鍛
造により製造され、貫通穴130も同時に成形される。
貫通穴130は、本体部材162の鋳造または鍛造後
に、打抜きあるいは機械加工等により形成してもよい。
【0020】2個のキャップ164は同様に構成されて
おり、一方を代表的に説明する。図3に示すように、キ
ャップ164は、円板状の底壁192と、底壁192の
外周部から軸方向に延びる中空円筒部194と、中空円
筒部194の端面196の内周部から軸方向に延びる中
空円筒状の嵌合部198とを備えて段付の有底円筒状を
なしている。中空円筒部194の内周面と底壁192の
内面とによりキャップ164内部には嵌合部198の端
面200に開口する凹部202が形成され、重量が軽減
されている。凹部202は、製品たるピストン14とな
った場合に凹部146となる。嵌合部198の外周面2
04の直径は中空円筒部194の外径より小さくされ、
有底円筒状部170の内周面178に嵌合可能である。
このように構成されるキャップ164は、本実施形態に
おいては、金属の一種であるアルミニウム合金製であっ
て、本体部材162と同様に、鋳造または鍛造により製
造される。
【0021】次に、本体部材162とキャップ164と
が固定される。キャップ164の嵌合部198側が先端
部とされ、有底円筒状部170の開口へ、同軸に位置決
めされた状態で挿入され、嵌合部198の外周面204
が内周面178と嵌合される。内周面178と外周面2
04との嵌合によりキャップ164が有底円筒状部17
0内で半径方向に位置決めされた状態でさらに嵌合が進
行し、キャップ164の端面196と中空円筒部174
の開口側端面176との当接によりキャップ164の嵌
合深さが規定される。その状態で端面176,196が
それぞれ溶接面として電子ビーム溶接により結合され
る。電子ビーム溶接は、真空雰囲気中で行われる。この
時、有底円筒状部170内部の空気は、貫通穴130か
ら良好に外部に排出される。したがって、溶接時に発生
する熱により、有底円筒状部170内に閉じ込められた
空気が膨張させられ、外部に流出することによって、溶
接部にブローホール等が形成されることが良好に回避さ
れる。また、貫通穴130の形成によってピストンの軽
量化が可能となる利点もある。これらを含む種々の理由
により貫通穴130が形成されている。
【0022】このようにして本体部材162に2個のキ
ャップ164が固定された後、素材160の頭部72を
構成することになる部分(頭部形成部208と称す
る)、すなわち本体部材162の有底円筒状部170お
よびキャップ164の外周面を始めとする複数の部分に
切削,研削等の機械加工が行われる。まず、係合部16
6にそれぞれ設けられた保持部190の中央部にセンタ
穴210が形成される。その後、図示は省略するが、セ
ンタ穴210にセンタが嵌合されて心出しがなされると
ともに、2個の保持部190がそれぞれチャックにより
把持された状態で、回転駆動装置の回転がキャップ16
4および本体部材162に伝達されて頭部形成部208
の外周面に加工が行われる。また、上述のように素材1
60に心出しがなされた状態で、加工工具が回転させら
れて係合部166のアーム部184,186の内側面に
機械加工が施され、ピストン14となった際にシュー7
6を保持する凹部114(図3に二点鎖線で図示)が形
成される。なお、本実施形態においては、ウェット加工
により上記各機械加工が行われ、潤滑成分および防錆成
分を含む水溶性切削液が使用される。
【0023】次に、頭部形成部208の外周面にコーテ
ィングが施される前に、頭部形成部208内部の洗浄が
行われ、前記各機械加工時に貫通穴130から頭部形成
部208の内部に入り込んだ切粉,切削液等の異物が排
除される。この洗浄工程には、図4に示す作業ロボット
230が使用される。本実施形態における作業ロボット
230は、多関節を有するロボットであり、複数のアー
ムが関節において連結され、各関節には数値制御可能な
アクチュエータ(図示省略)が配設されている。具体的
には、作業ロボット230は、ベース232上に設けら
れ、垂直軸線まわりに旋回可能な旋回台238と、水平
軸線まわりに回動可能に互いに連結された3つの回動ア
ーム240,242,244と、回動アーム244の先
端部において上記垂直軸線および水平軸線に交差し、回
動アーム244の長手方向に平行な軸線まわりにチャッ
ク回転装置により回転可能に設けられた回転軸248
と、その回転軸248の延出端部に保持されるチャック
装置250とを備えている。チャック装置250は、一
対の把持爪254,256を備え、図示しない駆動装置
により一対の把持爪254,256がチャック回転軸線
に対して軸対称状態を保って互いに接近,離間させら
れ、素材160の頭部形成部208のキャップ164側
の部分を心出しして保持する。本作業ロボット230に
よれば、三次元空間内の任意の点に位置決めでき、その
位置でチャック装置250に保持された素材160が任
意の姿勢をとることができる。作業ロボット230は、
素材160の工作機械への着脱を行う作業ロボットを兼
ねることが望ましい。
【0024】ベース232上にはまた、洗浄水270が
満たされた洗浄用水槽272が設けられている。本実施
形態において使用される洗浄水270は、界面活性剤を
含み、かつ、防錆成分を含むものである。洗浄用水槽2
72の底部には、超音波発生装置276が配設されてい
る。
【0025】以下、図5および図6に基づいて洗浄工程
について説明する。なお、図5,6においては、理解を
容易にするために、素材160の形状が概略的に示さ
れ、図5においては作業ロボット230の把持爪25
4,256のみを図示し、図6には作業ロボット230
および洗浄用水槽272の図示を省略する。前記機械加
工工程後の素材160が貫通穴130が最上部に位置す
る姿勢でチャック装置250の把持爪254,256に
保持され、洗浄用水槽272まで移動させられる。図5
に示すように、素材160が上記姿勢を保った状態で、
洗浄用水槽272に浸漬され、貫通穴130から頭部形
成部208内部に洗浄水270が流入させられる。素材
160が洗浄用水槽272に浸漬させられた状態で、チ
ャック装置250が、前記チャック回転装置の駆動によ
り素材160の軸線に直交する水平な直線のまわりに1
80度回転させられ、図6(a)に示すように、貫通穴
130が最下部に位置する姿勢に変更させられる。この
状態で、下向きに傾斜させられた貫通穴130から洗浄
水より比重の大きい切粉がある程度外部に排出されるの
であるが、本実施形態においては、さらに、図6(b)
に示すように、チャック装置250の上記直線まわりの
小角度の回動により、2つの貫通穴130の一方が下側
となるように傾斜させられる。同時に、洗浄用水槽27
2内部に設けられた超音波発生装置276が起動されて
洗浄水270内に超音波振動が付与される。このように
すれば、下側となった貫通穴130から切粉が良好に排
出される。同様にして、図6(c)に示すように、他方
の貫通穴130が下側になるように傾斜させられること
により、この貫通穴130から切粉が良好に排出され
る。上記のように傾斜させられた状態で、素材160が
上下動させられてもよいし、水平な姿勢で上下動させら
れてもよい。また、傾斜は1方向につき1回でもよい
し、複数回行ってもよい。上記揺動,超音波振動,上下
動のいずれか1つの運動のみ付与してもよいし、これら
を任意に組み合わせてもよい。さらに、上記浸漬工程と
後述の排出工程とから成る洗浄サイクルを複数回行って
もよい。このようにして頭部形成部208内部の切粉が
排出させられた後、素材160が洗浄用水槽272から
引き上げられる。
【0026】素材160が、軸線が水平となり、かつ、
貫通穴130が最下部に位置する姿勢で水槽272から
引き上げられれば、貫通穴130を経て頭部形成部20
8内部に溜まった洗浄水が殆ど排出させられるが、内部
の水抜きをより確実にするために、図6(b),(c)
に示したのと同様な姿勢で素材160が傾斜させられて
もよい。この時、洗浄水とともに頭部形成部208内部
に残留する切粉等が排出される場合もある。なお、本実
施形態の洗浄工程は、コーティング工程前の頭部形成部
208の塗装面の洗浄も兼ねている。
【0027】洗浄工程後、素材160が水洗され、少な
くとも本体部材162の有底円筒状部170およびキャ
ップ164の外周面に塗装が行われ、例えば、ポリテト
ラフルオロエチレンを主材料とするコーティング層が形
成される。そして、キャップ164の保持部190が除
去されるとともにアーム部184の端面が切削加工され
た後、コーティング層が形成された有底円筒状部170
等の外周面にセンタレス研削が行われ、頭部72が完成
する。最後に、素材160が連結部168において2つ
に切り離され、2個のピストン14が得られる。
【0028】本実施形態における洗浄工程が清掃工程の
一例であり、洗浄水270が清掃用流体に相当する。本
実施形態によれば、種々の機械加工により頭部形成部2
08内部に入り込んだ切粉,切削液等の異物を洗浄水と
ともに確実にかつ容易に排出することができる。
【0029】上記実施形態においては、素材160を洗
浄用水槽272内に浸漬し、洗浄水270中で小角度揺
動,振動等させて切粉の排出を行っていたが、貫通穴1
30が最上部に位置する姿勢で洗浄水270に浸漬され
て頭部形成部208内部に洗浄水が流入させられた後、
素材160が引き上げられ、貫通穴130が最下部に位
置する姿勢に変更され、揺動,上下動等が行われること
により、洗浄水とともに切粉等が排出されてもよい。あ
るいは、洗浄水270内で素材160の貫通穴130が
最下部に位置する姿勢に変更された後、引き上げられて
もよい。1回の浸漬と引き上げとで頭部形成部208内
の異物が確実に排出される場合はそれでよいが、保証さ
れない場合は、保証されるまで複数回浸漬と引上げとが
繰り返される。
【0030】また、前記実施形態においては、有底円筒
状部170の外周面,アーム部184,186の内側面
等の機械加工の終了後であって、コーティング工程の前
に洗浄工程が行われていたが、これ以外にも、機械加工
終了後の種々の段階で洗浄工程を実施できる。例えば、
開口の形成位置,大きさ等によっては、素材160を2
つに切り離す切離工程の後に洗浄すればよい場合があ
り、その場合は洗浄が一度で済む場合もある。また、機
械加工終了後、機会がある毎に洗浄を行ってもよい。
【0031】前記実施形態においては、素材160が1
個ずつ洗浄されていたが、複数個のピストン素材を一度
に洗浄することも可能である。例えば、筒体内に複数個
のピストン素材を同軸に直列に収納し、その筒体が複数
本収納された容器ごと前述のように洗浄を行えば、作業
能率が向上する。なお、筒体および容器は、切粉,切削
液等の異物および洗浄液等の排出を良好に行うために、
ほぼ全面に穴が形成されたものとすることが望ましい。
あるいは、容器内に直接ピストン素材を複数個収納して
もよい。このように容器,筒体内に素材を収納する場合
には、素材の回転位置(開口位置)や軸方向位置を揃え
た状態で収納することが、洗浄のための動作が比較的単
純で済むため、望ましい。このように複数個のピストン
素材をまとめて洗浄する際には、例えば、本出願人によ
る特願2000−111190号に記載の水抜き装置と
同様な装置を使用することが可能である。あるいは、清
掃作業が作業者に行われるようにしてもよい。
【0032】前記実施形態における片頭ピストン製造用
素材160は、頭部同士が連結された2連素材であった
が、係合部同士が連結されたり、頭部と係合部とが連結
された2連素材、さらに、3個以上の片頭ピストン製造
用素材が連結された多連素材とすることも可能である。
あるいは、有底円筒状部材と閉塞部材とをそれぞれ1つ
ずつ備えるピストン1個分の素材としてもよい。
【0033】中空頭部に複数の開口を有する中空ピスト
ンに本発明を適用してもよい。例えば、図7に示すよう
に、本実施形態における中空ピストンを製造するための
中間製品300は、有底円筒状部170の底壁172の
連結部188側の部分と、連結部188側とは直径方向
に隔たった部分とに、それぞれ貫通穴310,312を
有している。これら貫通穴310,312により、有底
円筒状部170と閉塞部材としてのキャップ164とに
より構成される中空頭部316の内部空間と外部とが連
通させられている。この中間製品300を洗浄する際に
は、一方の貫通穴(例えば貫通穴310)が最上部に位
置し、他方の貫通穴(貫通穴312)が最下部に位置す
る姿勢で前記実施形態と同様に浸漬工程が行われる。本
形態においては、前記実施形態のように姿勢を変更する
ことは必ずしも不可欠ではなく、最下部に位置する貫通
穴(貫通穴312)が下側になるように中間製品300
が傾斜させられることにより、洗浄水とともに有底円筒
状部170内部に入り込んだ切粉や切削液が良好に排出
される。
【0034】上記各実施形態においては、中間製品全体
が洗浄水中に浸漬されることにより清掃が行われるが、
これは不可欠ではない。例えば、図6(a)〜(c)の
いずれかに示されている姿勢の素材160の貫通穴13
0から頭部形成部208内の深奥部に洗浄ノズルを挿入
し、洗浄水を噴射させて洗浄を行うことも可能であり、
図7の中間製品300であれば、貫通穴310に浅く洗
浄ノズルを挿入し、洗浄水を噴射させて貫通穴312か
ら流出させることにより、中空頭部316内を洗浄する
ことも可能である。
【0035】有底円筒状部材と閉塞部材との固定方法
は、前述の電子ビーム溶接に限らず種々の方法を採用可
能であり、例えば、レーザビーム等その他の溶接、接着
剤による接着や、圧入、有底円筒状部材,閉塞部材より
融点の低い低融点合金、例えば、半田,ろう材等により
接合してもよく、かしめによる固着や、ねじによる固定
でもよい。また、摩擦圧接または塑性流動によって接合
してもよい。あるいは、これら各固定方法の任意の組み
合わせにより固定してもよい。
【0036】閉塞部材を、アルミニウム合金以外の金属
材料、例えばマグネシウム合金により形成してもよい。
有底円筒状部材と閉塞部材とを接着,かしめにより結合
する場合には、閉塞部材はそれらの結合方法に好適な樹
脂により形成してもよい。閉塞部材は円板等単純な形状
であれば、市販の棒材等汎用素材の機械加工により製造
してもよい。
【0037】上記各実施形態においては、頭部の主要部
分を構成する有底円筒状部と係合部とが一体に形成され
るピストンであったが、頭部の主要部分を構成する有底
円筒状部材の開口を閉塞する閉塞部材と係合部とが一体
に形成される形態のピストンに本発明を適用してもよ
い。また、本発明を、固定容量型斜板式圧縮機用のピス
トン等種々の圧縮機用ピストンに適用することも可能で
ある。
【0038】以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細
に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記
〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識
に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である圧縮機用中空ピスト
ンの製造方法により製造された中空ピストンを備える斜
板式圧縮機を示す正面断面図である。
【図2】上記中空ピストンを示す正面断面図である。
【図3】上記中空ピストンの中間製品を示す正面断面図
である。
【図4】上記中空ピストンの製造方法の洗浄工程に使用
される作業ロボットを概略的に示す正面図である。
【図5】上記洗浄工程の浸漬工程を説明するための正面
断面図である。
【図6】上記洗浄工程の排出工程を説明するための正面
断面図である。
【図7】本発明の別の実施形態である圧縮機用中空ピス
トンの製造方法により製造された中間製品を示す正面断
面図である。
【符号の説明】
10:シリンダブロック 12:シリンダボア 1
4:片頭ピストン 16:フロントハウジング 1
8:リヤハウジング 72:頭部 130:貫通穴
160:片頭ピストン製造用素材 208:頭部
形成部 270:洗浄水 300:中間製品 3
10,312:貫通穴 316:中空頭部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 達仁 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3H003 AA03 AC03 BA00 CB00 3H076 AA06 BB50 CC31

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機本体のシリンダボアに嵌合される
    中空頭部を備え、その中空頭部にその中空頭部の内部空
    間と外部とを連通させる開口を有する中空ピストンの中
    間製品を製造する工程と、 前記中間製品を機械加工する機械加工工程と、 その機械加工後の中間製品の前記開口から前記中空頭部
    内に清掃用流体を供給することにより、その清掃用流体
    と共に中空頭部内に存在する可能性のある異物を外部へ
    排出する清掃工程とを含む圧縮機用中空ピストンの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記清掃工程が、前記清掃用流体として
    の洗浄液により中空頭部内を洗浄し、前記異物を洗浄液
    と共に外部へ排出する洗浄工程を含む請求項1に記載の
    圧縮機用中空ピストンの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記洗浄工程が、 前記中間製品全体を前記開口が前記中空頭部内空間の最
    上部に位置する状態で前記洗浄液内へ浸漬する浸漬工程
    と、 その浸漬工程の実行後に、前記中間製品を前記開口が前
    記中空頭部内空間の最下部に位置する姿勢として中空頭
    部内の洗浄液を前記異物と共に外部に排出する排出工程
    とを含む請求項2に記載の圧縮機用中空ピストンの製造
    方法。
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