JP2001303248A - 膜形成装置の基材温度計測方法 - Google Patents

膜形成装置の基材温度計測方法

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JP2001303248A
JP2001303248A JP2000125625A JP2000125625A JP2001303248A JP 2001303248 A JP2001303248 A JP 2001303248A JP 2000125625 A JP2000125625 A JP 2000125625A JP 2000125625 A JP2000125625 A JP 2000125625A JP 2001303248 A JP2001303248 A JP 2001303248A
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Naoto Okazaki
尚登 岡崎
Osamu Miyazaki
修 宮崎
Takeshi Yoshihara
健 吉原
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Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転しているホルダ上の複数の基材の内の目
的の基材の温度を簡単にかつ正確に計測する方法を提供
する。 【解決手段】 一定の計測位置に来た基材2の温度を計
測する放射温度計20と、ホルダ4の回転を検出してホ
ルダ4が1回転するごとに一定のタイミングでトリガ信
号S2 を出力する回転検出器30と、放射温度計20で
計測した温度の経時変化を、回転検出器30から与えら
れる一つのトリガ信号S2 とその次のトリガ信号S2
の間を一区切りにして一定の開始時点から表示する表示
装置40とを用いて、目的の基材2が放射温度計20の
計測位置に到達した計測タイミングをオペレータが確認
してそれを表示装置40に設定し、この設定された計測
タイミングの温度を表示装置40を用いて計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アーク式イオン
プレーティング法等のPVD法(物理蒸着法)によって
基材の表面に膜を形成する膜形成装置において、基材の
温度を計測する方法に関し、より具体的には、回転して
いるホルダ上の複数の基材の内の目的の基材の温度を簡
単にかつ正確に計測する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に、従来の膜形成装置の一例を示
す。この膜形成装置は、真空容器(図示省略)内に設け
られた回転式のホルダ(例えば回転テーブル)4に複数
の基材2を保持して、蒸発源12から蒸発させた蒸発粒
子14を各基材2に入射させて、各基材2の表面に膜を
形成するよう構成されている。
【0003】基材2は、例えば、超硬合金、高速度工具
鋼、ステンレス鋼等の金属や、プラスチック、ガラス等
から成る。このような基材2の表面に形成する膜は、例
えば、TiN、TiCN、TiAlN、CrN、C等から成
る。これによって、基材2の耐摩耗性、耐腐食性、摺動
性、装飾性等を向上させることができる。
【0004】ホルダ4は回転軸6に取り付けられてお
り、これらは、真空容器外に設けた回転駆動源10によ
って、例えば矢印A方向に一定速度で回転させられる。
8は真空シール機能を有する軸受部である。
【0005】蒸発源12は、例えば、アーク放電によっ
て陰極を溶解させて陰極物質を蒸発させるアーク式蒸発
源であり、このようなアーク式蒸発源を用いて基材2に
負バイアス電圧を印加して膜形成を行う。このような成
膜方法は、アーク式イオンプレーティング法と呼ばれ
る。蒸発源12は、他に、るつぼ中の蒸発材料を加熱し
て蒸発させる蒸発源でも良いし、ターゲットをプラズマ
やイオンビーム等によってスパッタするスパッタ式蒸発
源等でも良い。
【0006】このような膜形成装置における基材2の温
度の計測、例えば成膜前、成膜中または成膜後の基材2
の温度の計測は、従来は、真空容器の壁面に設けた計測
窓18を通して、基材2からの放射16を放射温度計2
0で計測することで行っていた。放射温度計20は、例
えば赤外放射温度計であり、その場合は放射16は赤外
線である。計測窓18は、例えば石英ガラス、サファイ
アガラス等の放射16を吸収しにくい材質から成る。
【0007】ところで、このような膜形成装置におい
て、互いに大きさの異なる複数種類の基材2をホルダ4
に混載して成膜処理を行う場合がある。図示例は、ドリ
ル、エンドミル等の円柱状の基材2であって、大型の基
材2a、中型の基材2bおよび小型の基材2cを混載し
た例である。
【0008】このような場合、各基材2a〜2cの温度
は通常は互いに異なる。例えば、アーク式イオンプレー
ティング法では、通常、成膜直前に、基材2に−100
0V程度の比較的大きいバイアス電圧を印加して、アー
ク式の蒸発源12で発生させた蒸発粒子14の内でイオ
ン化しているものを各基材2に衝突させるというボンバ
ード処理を行い、これによって基材2の加熱と清浄化を
行って膜の密着性を高めるという処理が採用されるけれ
ども、このボンバード処理の際の各基材2a〜2cの温
度は互いに異なる。具体的には、大型の基材2aよりも
小型の基材2cの方が温度は高くなる。
【0009】従ってこのような場合、ホルダ4の回転に
伴って、放射温度計20で計測する温度は時々刻々に変
化する。そこで従来は、放射温度計20で計測する温度
の平均化またはピークホールド(最大値保持)というデ
ータ処理を行うことで、基材2の温度計測を行ってい
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な平均化またはピークホールドというデータ処理では、
目的の基材2(例えば中型の基材2b)の温度を正確に
計測することはできない。
【0011】また、放射温度計20で計測した温度の経
時変化をグラフ化したとしても、図5に示す例のよう
に、温度が時間経過と共に目まぐるしく変化するグラフ
が得られるだけであり、その内のどれが目的の基材2の
温度かの判別は難しい。例えば図5の例では、矢印Bで
示される温度が中型の基材2bの温度であるけれども、
そのように指摘されなければ分からないほど判別は難し
い。
【0012】このように従来の計測方法では、回転して
いるホルダ4上の複数の基材2の内の目的の基材2の温
度を正確に計測することが難しく、誤計測が生じやす
い。その結果例えば、前記ボンバード処理時の基材2の
加熱温度が適正でなくなり、基材2の表面に形成する膜
の剥離や基材2の硬度低下等の問題が生じる。これがひ
いては、膜形成の安定性や生産性を低下させる原因にな
る。
【0013】そこでこの発明は、回転しているホルダ上
の複数の基材の内の目的の基材の温度を簡単にかつ正確
に計測する方法を提供することを主たる目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の基材温度計測
方法は、真空容器内に設けられた回転式のホルダに複数
の基材を保持して各基材に対して膜形成を行う膜形成装
置において、前記真空容器の壁面に設けた計測窓を通し
て、一定の計測位置に来た前記基材の温度を計測する放
射温度計と、前記ホルダの回転を検出して、当該ホルダ
が1回転するごとに一定のタイミングでトリガ信号を出
力する回転検出器と、前記放射温度計で計測した温度の
経時変化を、前記回転検出器から与えられる一つのトリ
ガ信号とその次のトリガ信号との間を一区切りにして一
定の開始時点から表示する表示装置とを用いて、目的の
基材が前記放射温度計の計測位置に到達した計測タイミ
ングをオペレータが確認してそれを前記表示装置に設定
し、この設定された計測タイミングの温度を前記表示装
置を用いて計測することを特徴としている。
【0015】上記計測方法によれば、放射温度計で計測
した温度の経時変化が、表示装置に、回転検出器から与
えられる一つのトリガ信号とその次のトリガ信号との間
を一区切りにして、しかも常に一定の開始時点から(簡
単に言えば同じ位置から)表示される。従って、目的の
基材が放射温度計の計測位置に到達した計測タイミング
をオペレータが確認してそれを表示装置に設定すれば、
それ以降は、当該計測タイミングにおける表示温度は、
常に、目的の基材の温度を示していることになる。従っ
て、上記設定作業は何度も行う必要はなく、一度行えば
良い。従って作業が簡単である。
【0016】上記設定後は、上記計測タイミングの温度
を表示装置を用いて計測することによって、任意の時
に、目的の基材の温度を、他の基材と間違わずに正確に
計測することができる。
【0017】このようにして、回転しているホルダ上の
複数の基材の内の目的の基材の温度を簡単にかつ正確に
計測することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る基材温度
計測方法の実施に用いる膜形成装置の一例を示す斜視図
である。図4に示した従来の装置と同一または相当する
部分には同一符号を付し、以下においては当該装置との
相違点を主に説明する。
【0019】この膜形成装置は、複数の基材2を保持す
る前述したような回転式のホルダ4と、各基材2に膜形
成を行う前述したような蒸発源12と、一定の計測位置
に来た基材2の温度を計測する前述したような放射温度
計20と、次のような回転検出器30および表示装置4
0とを備えている。
【0020】回転検出器30は、ホルダ4の矢印Aに示
すような回転を検出して、当該ホルダ4が1回転するご
とに一定のタイミングでトリガ信号S2 を出力する。
「一定のタイミングで」とは、ホルダ4および回転軸6
が「ある決まった角度(回転位置)に来た時に」と言い
換えることができる。回転検出器30は、この例では、
前記回転軸6に取り付けられていて切り欠き34を一つ
有する円板32と、当該円板32の切り欠き34が通過
するごとにトリガ信号S2 を一つ出力するフォトセンサ
36とを備えている。これによって、回転軸6およびホ
ルダ4が1回転してある決まった角度(回転位置)に来
る度にパルス状のトリガ信号S2 が一つずつ出力され
る。
【0021】切り欠き34の位置は、後述する表示装置
40における温度表示の開始時点t 0 を規定するだけで
あるので、特定の基材2との特定の位置関係にある必要
はない。また、円板32に切り欠き34を二つ以上設け
て、トリガ信号S2 を表示装置40において間引きして
用いる等しても良いが、切り欠き34は一つあれば十分
である。
【0022】回転検出器30は、上記例以外のものでも
良い。例えば、回転駆動源10を構成するモータ自体に
その回転角度を検出する機器(例えばエンコーダ等)を
取り付け、当該機器を上記回転検出器30としても良
い。
【0023】表示装置40は、前記放射温度計20から
与えられる温度信号S1 と、回転検出器30から与えら
れるトリガ信号S2 とを用いて、例えば図2に示す例の
ように、放射温度計20で計測した温度Tの経時変化
(時間的な変化)を、回転検出器30から与えられる一
つのトリガ信号S2 とその次のトリガ信号S2 との間を
一区切りにして、一定の開始時点t0 から表示する。開
始時点t0 は、この例では、一つのトリガ信号S2 が与
えられた時点であり、この例ではそれを0秒としてい
る。
【0024】上記のように一定の開始時点t0 から表示
することによって、例えばこの図2の例のように一区切
りにされた温度Tの経時変化を複数個(図中のn−1、
n、n+1、n+2はその番号を示している)積み重ね
て表示する場合、複数の温度変化グラフの上下の位置
(位相)が揃うことになる。この図2の例のように複数
個重ねて表示すると、時間経過と共に基材2の温度が上
昇する場合、同じようなパターンで温度が高くなったグ
ラフが複数個表示されることになる。あるいは、温度T
の経時変化を1回ごとに更新して、一区切りの温度変化
グラフを一つ表示するようにしても良く、その場合は、
その温度変化グラフが毎回同じ位置に表示されることに
なる。上記表示位置は、ホルダ4の回転速度が1回転内
で変化しない限りずれることはなく、ホルダ4の回転速
度が1回転内で変化することは通常は起こらないので、
即ちホルダ4の回転速度は通常は定速であるので、上記
表示位置はずれない。従って、図2のようなグラフ上で
は、同じ時間には、同じ基材2の温度を計測して表示し
ていることになるので、計測が非常に容易になる。
【0025】表示装置40には、例えばパソコンを用い
ることができる。その場合、放射温度計20からの温度
信号S1 や回転検出器30からのトリガ信号S2 の取り
込みにA/D変換器等の信号処理器が必要であれば、そ
れを適宜設ければ良い。
【0026】温度計測の際は、ホルダ4上の目的の基材
2が放射温度計20の計測位置に到達した計測タイミン
グt1 (図2参照)をオペレータが目視等によって確認
してそれを表示装置40に設定する。この計測タイミン
グt1 の設定は、例えば、図2に示す例のように、矢印
C、D方向に時間軸に沿って移動可能なカーソル42
を、上記計測タイミングt1 の位置に移動させることに
よって行えば良い。
【0027】より具体例を説明すると、図2の各温度変
化グラフは、時間経過につれて左から順次描画され、ホ
ルダ4が1回転して次のトリガ信号S2 が与えられる
と、その次の(例えばn番目の)温度変化グラフが同様
に左から順次描画され、これが繰り返される。この繰り
返しは、図2の例では60秒に1回であり、即ちホルダ
4の回転速度は1rpmであり、ゆっくりしたものであ
る。オペレータは、この表示装置40の描画と、放射温
度計20のビューポート(覗き窓)22内の計測位置と
を見比べて、当該計測位置に目的の基材2が来た時点で
表示装置40に描画されている温度変化グラフの位置を
確認する。それが目的の基材2の計測タイミングt1
あり、そこにカーソル42を移動させれば良い。図2の
例は、中型の基材2bに計測タイミングt1 、即ちカー
ソル42を合わせた例である。
【0028】そして、上記のようにして設定された計測
タイミングt1 の、即ちカーソル42の位置の温度(T
n-1 、Tn 、Tn+1 、Tn+2 ・・・)を表示装置40を
用いて計測する。この計測は、オペレータの目視による
計測でも良いし、表示装置40に自動計測機能を持たせ
ておいてそれで行っても良い。この温度Tn-1 、Tn
n+1 、Tn+2 ・・・は、注目している(即ち目的の)
基材2bのn−1回目、n回目、n+1回目、n+2回
目・・・の温度をそれぞれ表している。
【0029】注目する基材2を変える場合は、例えば大
型の基材2aや小型の基材2cの温度を計測する場合
は、上記と同様にして、その注目する基材2aまたは2
cが放射温度計20の計測位置に到達した計測タイミン
グt1 を確認して表示装置40に上記と同様にして設定
すれば良い。これは一度行えば良い。その後は上記中型
の基材2bの場合と同様である。
【0030】上記計測方法によれば、放射温度計20で
計測した温度の経時変化が、表示装置40に、回転検出
器30から与えられる一つのトリガ信号S2 とその次の
トリガ信号S2 との間を一区切りにして、しかも常に一
定の開始時点t0 から(簡単に言えば同じ位置から)表
示される。従って、目的の基材2が放射温度計20の計
測位置に到達した計測タイミングt1 をオペレータが確
認してそれを表示装置40に一度設定すれば、それ以降
は、当該計測タイミングt1 における表示温度は、常
に、目的の基材2の温度を示していることになる。従っ
て、上記設定作業は何度も行う必要はなく、一度行えば
良い。従って作業が簡単である。
【0031】上記設定後は、上記計測タイミングt1
温度を表示装置40を用いて計測することによって、任
意の時に、目的の基材2の温度を、他の基材2と間違わ
ずに正確に計測することができる。
【0032】このようにして、回転しているホルダ4上
の複数の基材2の内の目的の基材2の温度を簡単にかつ
正確に計測することができる。その結果例えば、前述し
たイオンボンバード処理時の基材2の加熱温度を適正に
管理することが容易になり、それによって基材2の表面
に形成する膜の剥離や基材2の硬度低下等の問題が発生
することを防止することができるので、膜形成の安定性
が増し、生産性も向上する。
【0033】なお、表示装置40に表示する図2のよう
なグラフの時間軸を拡大すれば、横幅が大になるから、
目的の基材2に対する計測タイミングt1 の設定および
その時点における温度計測がより容易になる。
【0034】また、放射温度計20のビューポート22
から見た映像(これは計測位置とそこを通る基材2が映
されている)と、図2のような温度変化グラフの両方
を、表示装置40に同時に表示させても良く、そのよう
にすれば、オペレータは、互いに離れている放射温度計
20のビューポート22と表示装置40の両方を見比べ
る必要はなく、表示装置40の画面内でビューポート2
2から見た映像と温度変化グラフとを見比べることがで
きるので、上記計測タイミングt1 の確認および設定が
より容易になる。
【0035】表示装置40には、図2に示した例のよう
に、一区切りにされた温度変化グラフを複数個積み重ね
て表示しても良く、そのようにすれば、目的の基材2の
温度変化の経過をも簡単に計測することができる。
【0036】表示装置40に、前記計測タイミングt1
における温度Tの経時変化(図2の例の場合はTn-1
n 、Tn+1 、Tn+2 ・・・)を表示する機能を持たせ
ても良い。そのようにすれば、目的の基材2の温度変化
の経過をより容易に計測することができる。例えば、図
3中に実線Eで示すように、計測タイミングt1 ごとに
温度Tを更新することによって階段状の温度変化グラフ
を表示させても良いし、図3中に破線Fで示すように、
計測タイミングt1 とその時の温度Tとの交点Pn-1
n 、Pn+1 、Pn+2 ・・・をそれぞれ結ぶ連続した線
状の温度変化グラフを表示させても良い。
【0037】また、表示装置40に、前記計測タイミン
グt1 の温度Tが設定温度に到達したことを判定して到
達信号S3 (図1参照)を出力する機能を持たせても良
い。そのようにすれば、目的の基材2の温度管理を自動
化することが容易になる。
【0038】ホルダ4上の基材2は、自転および公転さ
せるようにしても良い。例えば、ホルダ4によって基材
2を矢印Aに示すように回転(公転)させると共に、各
基材2を支持する台44を回転式にすること等によって
各基材2を矢印Gに示すように回転(自転)させるよう
にしても良い。そのようにすれば、各基材2に対してよ
り均一に成膜を行うことができる。
【0039】
【実施例】図1に示した膜形成装置を用いて、かつ蒸発
源12にアーク式蒸発源を用いて、大型の基材2aとし
て直径20mm、長さ200mmのドリルを6本、中型
の基材2bとして直径10mm、長さ150mmのドリ
ルを1本、小型の基材2cとして直径6mm、長さ12
0mmのドリルを5本(全て高速度工具鋼製)をホルダ
4に取り付け、これらを自公転させながら成膜処理を行
った。
【0040】その場合、まず、洗浄した各基材2a〜2
cをホルダ4に取り付け、真空容器内を約5×10-3
aまで真空排気し、各基材2a〜2cに−1000Vの
バイアス電圧を印加した状態で、アーク式蒸発源12に
おいてアーク放電を生じさせてイオン化した蒸発粒子1
4(この実施例ではTi )によって各基材2a〜2cに
ボンバード処理を行った。
【0041】そしてこのボンバード処理時の基材の温度
を図2に示した例のように表示装置40に表示させ、中
型(直径10mm)の基材2bが放射温度計20の計測
位置に来た計測タイミングt1 をオペレータが確認して
その位置にカーソル42を合わせた。かつ図3中の破線
Fで示す温度変化グラフを表示装置40に表示させた。
そしてこの温度が450℃になった時点で(ボンバード
処理開始から約5分15秒後)、ボンバード処理から成
膜処理に移行した。即ち、各基材2a〜2cに印加する
バイアス電圧を−200Vに下げ、真空容器内に反応性
ガスとして窒素ガスを200sccm導入し、真空容器
内のガス圧を約2.6Paに維持した状態で、60分間
成膜を行った。これによって、各基材2a〜2cの表面
にTiN膜を形成した。
【0042】成膜後、各基材2a〜2cを取り出して検
査したところ、各基材2a〜2cの硬度低下や膜の剥離
等は見られず良好であった。これは、ボンバード処理時
の温度計測およびそれに基づく温度管理が正確であった
からである。
【0043】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されてい
るので、次のような効果を奏する。
【0044】請求項1記載の発明によれば、目的の基材
が放射温度計の計測位置に到達した計測タイミングを表
示装置に一度設定すれば良く、それ以降は、当該計測タ
イミングの温度を表示装置を用いて計測することによっ
て、目的の基材の温度を、他の基材と間違わずに正確に
計測することができる。従って、回転式のホルダ上の複
数の基材の内の目的の基材の温度を簡単にかつ正確に計
測することができる。
【0045】請求項2記載の発明によれば、目的の基材
の温度変化の経過をも簡単に計測することができるとい
う更なる効果を奏する。
【0046】請求項3記載の発明によれば、目的の基材
の温度変化の経過をより容易に計測することができると
いう更なる効果を奏する。
【0047】請求項4記載の発明によれば、目的の基材
の温度管理を自動化することが容易になるという更なる
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る基材温度計測方法の実施に用い
る膜形成装置の一例を示す斜視図である。
【図2】図1中の表示装置に表示される温度の経時変化
の一例を示す図である。
【図3】図1中の表示装置に表示される温度の経時変化
の他の例を示す図である。
【図4】従来の膜形成装置の一例を示す斜視図である。
【図5】図4中の放射温度計で計測した温度の経時変化
をグラフ化した図である。
【符号の説明】
2、2a、2b、2c 基材 4 ホルダ 12 蒸発源 20 放射温度計 30 回転検出器 40 表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉原 健 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 Fターム(参考) 2G066 AC16 BC05 BC07 BC15 4K029 CA03 DD06 EA08 JA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に設けられた回転式のホルダ
    に複数の基材を保持して各基材に対して膜形成を行う膜
    形成装置において、前記真空容器の壁面に設けた計測窓
    を通して、一定の計測位置に来た前記基材の温度を計測
    する放射温度計と、前記ホルダの回転を検出して、当該
    ホルダが1回転するごとに一定のタイミングでトリガ信
    号を出力する回転検出器と、前記放射温度計で計測した
    温度の経時変化を、前記回転検出器から与えられる一つ
    のトリガ信号とその次のトリガ信号との間を一区切りに
    して一定の開始時点から表示する表示装置とを用いて、
    目的の基材が前記放射温度計の計測位置に到達した計測
    タイミングをオペレータが確認してそれを前記表示装置
    に設定し、この設定された計測タイミングの温度を前記
    表示装置を用いて計測することを特徴とする膜形成装置
    の基材温度計測方法。
  2. 【請求項2】 前記表示装置に、前記一区切りにされた
    温度の経時変化を複数個積み重ねて表示する請求項1記
    載の基材温度計測方法。
  3. 【請求項3】 前記表示装置が、前記計測タイミングに
    おける温度の経時変化を表示する機能を更に有している
    請求項1または2記載の基材温度計測方法。
  4. 【請求項4】 前記表示装置が、前記計測タイミングの
    温度が設定温度に到達したことを判定して到達信号を出
    力する機能を更に有している請求項1、2または3記載
    の基材温度計測方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102564608A (zh) * 2011-12-16 2012-07-11 姚克农 一种取暖器热辐射自动测试系统
JP2014133926A (ja) * 2013-01-10 2014-07-24 Optorun Co Ltd 薄膜形成装置、薄膜形成方法及び光学膜厚モニタ装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102564608A (zh) * 2011-12-16 2012-07-11 姚克农 一种取暖器热辐射自动测试系统
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