JP2001302814A - 集成材ブロック及びその製造方法、及び集成材ブロック用常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液 - Google Patents

集成材ブロック及びその製造方法、及び集成材ブロック用常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液

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JP2001302814A
JP2001302814A JP2000118621A JP2000118621A JP2001302814A JP 2001302814 A JP2001302814 A JP 2001302814A JP 2000118621 A JP2000118621 A JP 2000118621A JP 2000118621 A JP2000118621 A JP 2000118621A JP 2001302814 A JP2001302814 A JP 2001302814A
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urethane resin
temperature
urethane
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JP2000118621A
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Naoki Shimizu
尚樹 清水
Akie Inoue
明衛 井上
Takeyoshi Komori
武義 小森
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Rhombic Corp Japan
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極く簡単な設備を用いて、切削可能なウレタ
ン成形品の廃材、ウレタン系ケミカルウッドの廃材等の
固形廃材を原料にして付加価値を高めて素早く再利用可
能にする集成材ブロックを提供する。 【解決手段】 切削可能なウレタン成形品の廃材(A
1)又は及びウレタン系ケミカルウッドの廃材(A2)
又は及びウレタン系ケミカルウッドの切削加工屑(B)
を、常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)により結
合一体化させて木工工具で切削できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削可能なウレタ
ン成形品の廃材とウレタン系ケミカルウッドの廃材とウ
レタン系ケミカルウッドの切削加工屑のうちのいずれか
又はそれらを組み合わせた固形廃材を、常温2液反応硬
化型ウレタン樹脂液により結合一体化させて木工工具で
容易に切削加工ができるようにした集成材ブロック及び
その製造方法、及び集成材ブロック用常温2液反応硬化
型ウレタン樹脂液に関する。
【0002】
【従来の技術】ウレタン樹脂は、その反応性に優れた成
形性、ゴム弾性のある機械物性、を生かしてエラストマ
ー,軟質硬質発泡ウレタン,塗料,接着材,塗材,充填
材として大量に使用されてきた。特に、近年発泡成形
品,RIM成形品,注型ウレタン複製品,模型用素材成
形品などの用途を大きく拡大してきた。それに伴って、
ウレタン成形品を製造するとき、後加工するときの成形
品の廃材や切削加工屑も多量発生している。これらを焼
却すると、黒煙をあげて燃焼するため一度に大量焼却処
分することが難しく、その殆どが産業廃棄物として埋立
処分されているのが実状である。
【0003】一方、大企業,大工場で大量に発生するウ
レタン成形品の廃材や切削加工屑を有効利用しようとす
る例は多々見られる。例えば、ウレタンRIM成形品の
バリ/ゲート及び不良品からなる廃材を冷凍粉砕後、米
粒状のチップとし、これに1液湿気硬化性ウレタンを混
合し加熱圧縮成形でシート状に成形し、マットとして再
利用する方法が知られている。また、木粉を樹脂で成形
し有効利用する方法が数多く報告されている(特開平8
−12380号公報,特開平8−224712号公報,
特開平10−264226号公報等)。さらに、木材の
チップを樹脂を用いて加熱プレス成形し、パーティクル
ボードを製造する技術は既に昔から工業化されている。
該パーティクルボードは一種の集成材であり、木材のチ
ップを加熱硬化性樹脂液で固め一体化したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、切削可能な
ウレタン成形品の廃材、ウレタン系ケミカルウッドの廃
材、ウレタン系ケミカルウッドの切削加工屑等のいずれ
か又はそれらを組み合わせた固形廃材を、常温2液反応
硬化型ウレタン樹脂液により結合一体化させて、木工工
具で簡単に切削加工ができる付加価値の高い集成材ブロ
ックとなす技術を確立し、該固形廃材の発生元へ戻し再
使用させるリサイクルを提案した報告は未だ見当たらな
い。本発明者達は、技術的新規性,技術的効果を睨みな
がら、本発明から生まれる有効利用商品が単なる有効利
用でなく、市場にある競合品よりも経済的観点から優位
にあり、なお且つ固形廃材を発生させた企業,業界へ戻
すパターンが一番当を得ている姿であると考えた。そし
て、そのようなリサイクルパターンに当てはまるように
廃材有効利用商品を開発することを鋭意研究を重ねた。
こうした研究のなかから、ウレタン成形品の廃材及び
切削加工屑は、基本的に木工工具で簡単に切削加工がで
きるものを選択し、特別に粉砕するものではなく、その
まませいぜい廃材が大きすぎるときに2〜3分割する程
度で有効利用に供する集成材ブロックとなすことが経済
的優位性の確保に必要であることの他、切削加工容易
なウレタン成形品の廃材及びウレタン成形品の切削加工
屑を集成材ブロックに転化させる工程において、ごく簡
単な設備で且つ集成材ブロックが素早くできるようにす
る集成材ブロック用結合樹脂が必要であること、そし
て、出来上がった集成材ブロックが切削加工にて再利用
できる機能を保有していることなど、の解決課題が浮か
び上がってきた。
【0005】本発明は上記課題を解決するもので、極く
簡単な設備を用いて、切削可能なウレタン成形品の廃
材、ウレタン系ケミカルウッドの廃材等の固形廃材を原
料にして付加価値を高めて素早く再利用可能にする集成
材ブロック及びその製造方法、及び集成材ブロック用常
温2液反応硬化型ウレタン樹脂液を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項1に記載の発明の要旨は、切削可能なウレタン成
形品の廃材(A1)又は及びウレタン系ケミカルウッド
の廃材(A2)又は及びウレタン系ケミカルウッドの切
削加工屑(B)を、常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液
(C)により結合一体化させて木工工具で切削できるよ
うにしたことを特徴とする集成材ブロックにある。請求
項2に記載の発明たる集成材ブロックは、請求項1で、
常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)が、ポリオー
ル成分(a)とポリイソシアネート成分(b)の2液か
らなり、2液混合粘度を25℃で30mPa・s以下と
し、且つ可使時間を25℃で10分以下としたことを特
徴とする。請求項3に記載の発明たる集成材ブロック
は、請求項2で、ポリオール成分(a)の平均官能基数
が2.95以上で且つ前記ポリイソシアネート成分
(b)の平均官能基数が2.05以上で、さらにNCO
/OH比が0.7〜1.0であることを特徴とする。請
求項4に記載の発明たる集成材ブロックは、請求項1〜
3で、常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)が、有
機溶剤(c)及び又は可塑剤(d)を含有し、硬化段階
で相分離を起こすことを特徴とする。請求項5に記載の
発明たる集成材ブロックは、請求項1〜4で、常温2液
反応硬化型ウレタン樹脂液(C)が全重量の10重量%
〜50重量%であることを特徴とする。
【0007】請求項6に記載の発明の要旨は、切削可能
なウレタン成形品の廃材とウレタン系ケミカルウッドの
廃材とウレタン系ケミカルウッドの切削加工屑のうちの
いずれか又はそれらを組み合わせた固形廃材をモールド
内に配設し、次に、真空状態下におかれた該モールド内
へ常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)を注入し、
その後、常圧に戻して該常温2液反応硬化型ウレタン樹
脂液(C)を硬化させることにより結合一体化を図るこ
とを特徴とする集成材ブロックの製造方法にある。請求
項7に記載の発明の要旨は、請求項1記載の集成材ブロ
ックに使用される常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液
(C)が、ポリオール成分(a)とポリイソシアネート
成分(b)の2液からなり、2液混合粘度を25℃で3
0mPa・s以下とし、且つ可使時間を25℃で10分
以下とすることを特徴とする集成材ブロック用常温2液
反応硬化型ウレタン樹脂液にある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の集成材ブロック及
びその製造方法、及び集成材ブロック用常温2液反応硬
化型ウレタン樹脂液について詳述する。まず、本発明の
集成材ブロック及びその製造方法で用いられる固形廃材
について説明する。固形廃材としては、切削可能なウ
レタン成形品の廃材とウレタン系ケミカルウッドの廃
材とウレタン系ケミカルウッドの切削加工屑のいずれ
か又はそれらを組み合わせたものである。
【0009】切削可能なウレタン成形品の廃材として
は、例えば切削性に優れた真空注型用ウレタン廃材があ
る。真空注型ウレタンとは、マスターモデルから型取り
用シリコンで反転されたシリコン型を製作し、そのシリ
コン型間の空間(マスターモデルと同じ形状)へABS
樹脂の物性に近似させた2液ウレタン樹脂液又はPP樹
脂の物性に近似させた2液ウレタン樹脂液を真空状態で
注型し硬化させた後、脱型することにより安価に短時間
に数個〜数十個の複製品を手っ取り早く製造するもので
ある。使用されるウレタン樹脂はポリオールとポリイソ
シアネートを主成分とし低分子ポリオールを鎖伸長剤と
して硬化触媒,着色剤,消泡剤等が配合され、硬化/高
物性となしたものである。斯る真空注型用ウレタンは、
自動車部品や家電製品の試作段階で必要な小ロット試作
成形品向けとして多用されている。これらの複製品はデ
ザイン,機能,寸法をチェックし試行錯誤するケースで
用いられるものであるがために手軽に製造できるもので
なければならない。該真空注型用ウレタン成形品は、短
時間に数個〜数十個安価に複製できることや、切削加
工,穴あけ加工,接着加工が簡単なことから、美術工芸
品や額縁,仏壇部品,模型用等の成形品にも多用される
に至っている。真空注型用ウレタン廃材は、真空注型ウ
レタン複製成形時に、例えば上下型の間隙に流入硬化し
たバリとか注型口近辺のゲート内で硬化した不要部分と
か成形不良品である。
【0010】続いて、前述のウレタン系ケミカルウッ
ドの廃材について説明する。そもそもケミカルウッドと
は自動車,家電部品の試作デザインモデルを製作する場
合に使用される切削加工性,寸法精度に優れた樹脂の板
である。「ケミカルウッド」の他、「ケミカルブロッ
ク」,「人工木材」,「樹脂ボード」とも称される。ケ
ミカルウッドは、通常、結合剤となる液状樹脂に中空ビ
ーズや無機質充填剤、着色剤等を配合しモールド内で板
状に硬化させたものとなっている。そして、ウレタン系
ケミカルウッドは、その見掛け比重が0.3〜0.8程
度であり、かなりの微細な空隙を内在する。ウレタン系
ケミカルウッドには、中空ビーズや切削性に悪影響を及
ぼさない無機質充填剤が配合されており、非常に切削加
工がし易く、また樹脂系で吸湿性が小さいため比較的寸
法精度が良好である。斯るケミカルウッドは、通常、目
的サイズに切断され、台座に固定された後、NC切削加
工にて3次元立体モデルに仕上げられ、自動車,家電製
品等のマスターモデル,形状確認モデル,倣いモデル等
として供される。本発明でいうウレタン系ケミカルウッ
ドの廃材とは、例えばその製造時に発生する上下型の間
隙に流入硬化したバリとか注型口近辺のゲート内で硬化
した不要部分とか成形不良品、さらに製品の規定寸法に
切断した際にできる切断残片である。ウレタン系ケミカ
ルウッドを購入使用時、目的サイズに切断した残りの切
断片も対象になる。
【0011】ウレタン系ケミカルウッドの切削加工屑
は、例えばウレタン系ケミカルウッドを購入使用時、目
的サイズに切断した際にできる切り屑,微粉末,またN
C加工にて発生する切り子等が対象となる。
【0012】次に、本発明で使用される常温2液反応硬
化型ウレタン樹脂液(C)について説明する。常温2液
反応硬化型ウレタン樹脂液(C)は、ポリオール成分
(a)とポリイソシアネート成分(b)の2液からな
る。
【0013】ポリオール成分(a)としては、ポリエー
テルポリオール類、ポリエステルポリオール類、アクリ
ルポリオール類、ポリブタジエンポリオール類、架橋
剤、鎖延長剤としての多価アルコール類が使用される。
ポリエーテルポリオール類とは、活性水素含有開始剤に
アルキレンオキサイドを付加することにより得られるも
のである。活性水素含有開始剤としては、2官能の水、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4ブ
タンジオール、ビスフェノール等、3官能のグリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ト
リエタノールアミン等、4官能のペンタエリスリトー
ル、エチレンジアミン等、6官能以上ではソルビトー
ル、シュガー、ポリエチレンポリアミン類等が使用され
る。これらの活性水素含有開始剤に付加されるアルキレ
ンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド、ブチレンオキサイド等が使用され、アル
キレンオキサイドの付加モル数を変えた各種分子量のポ
リエーテルポリオール類が使用できる。また、エチレン
オキサイドとプロピレンオキサイドを同時に付加させる
とか、プロピレンオキサイドを付加させた後、エチレン
オキサイドを付加させること等ができ、各社からポリエ
ーテルポリオールが上市されている。また、THFのカ
チオン重合にて得られるポリテトラメチレングリコール
(PTMG)も使用できる。
【0014】前記ポリエステルポリオール類としては、
縮合系ポリエステルポリオール類、ラクトン系ポリエス
テルポリオール類、ポリカーボネートジオール類があ
る。また、毛色の変わったタイプとしてヒマシ油があ
る。ヒマシ油とはOH基を含有する不飽和脂肪酸である
リシノール酸のトリグリセライドであり、ほどよい硬
度,強靱性,耐水性を付与するOH成分である。前記ア
クリルポリオール類は、各種アクリルモノマーを共重合
させたものであり、アクリルモノマーの一部にヒドロキ
シエチルメタクリレートを使用して、共重合体分子中に
複数の水酸基を導入したものである。前記ポリブタジエ
ンポリオール類は、末端に水酸基を有するブタジエン及
びそれらの共重合体である。これらは疎水性の高いポリ
オールであり、耐水性,弾性,可塑剤含有性を付与する
効果がある。前記架橋剤、鎖延長剤としての多価アルコ
ール類には、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,4ブタ
ンジオール等の低分子多価アルコールが挙げられる。こ
れらのポリオール類は単品で使用されるものではなく、
各種各分子量のポリオールが混合使用され、目的とする
機械物性,作業性に合致するよう分子設計がなされる。
【0015】ポリイソシアネート成分(b)としては、
有機ポリイソシアネート類が使用される。有機ポリイソ
シアネート類には、トリレンジイソシアネート類、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート類、脂肪族ポリイソシア
ネート類、ポリイソシアネート各種変成体類等が挙げら
れる。トリレンジイソシアネート類(TDI)には、
2,4−TDIと2,6−TDIの混合比率によりTD
I−100(2,4−TDIが100%)、TDI−8
0(2,4−TDI/2,6−TDIの比率が80/2
0)、及びTDI−65(2,4−TDI/2,6−T
DIの比率が65/35)がある。ジフェニルメタンジ
イソシアネート類(MDI)には、純ジフェニルメタン
ジイソシアネート(pure−MDI)とポリメリックMD
Iがある。ポリメリックMDIはpure−MDIとpure−
MDI多核化オリゴマーとの混合物である。ポリイソシ
アネート変成体には、ジフェニルメタンジイソシアネー
トをカルボジイミド変成することによって常温で液状と
し取り扱い易くしたものなど色々な変成体がある。脂肪
族ポリイソシアネート類には、例えばイソホロンジイソ
シアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート
(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添X
DI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(水添
MDI)、ヘキサメチレントリイソシアネート等が挙げ
られる。
【0016】そして、本発明の常温2液反応硬化型ウレ
タン樹脂液(C)には、有機溶剤(c)、可塑剤
(d)、及びまたは硬化触媒、着色剤、消泡剤、酸化防
止剤(紫外線吸収剤)等が配合され、諸性能が付与され
る。有機溶剤(c)としては、芳香族系有機溶剤、エス
テル系有機溶剤、エーテル系有機溶剤、ケトン系有機溶
剤、ハロゲン系有機溶剤が挙げられる。芳香族系有機溶
剤には、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメ
ン、メシチレン、ジエチルベンゼン等がある。エステル
系有機溶剤には、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、3−メト
キシブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート等
がある。エーテル系有機溶剤にはジブチルエーテル、メ
トキシトルエン、ジオキサン等がある。ケトン系有機溶
剤にはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン等がある。ハロゲン系有機溶剤にはト
リクロロエチレン、パークロロエチレン等がある。有機
溶剤は、その沸点として好ましくは100℃〜180℃
である。実用上、これらに経済性を加味すると、トルエ
ン、キシレンが好ましい。
【0017】常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)
の混和性を向上させるために、すなわち、各種ポリオー
ル成分と各種ポリイソシアネート成分の相溶性を高め、
硬化物に可塑性を付与させるべく、可塑剤(d)が使用
される。該可塑剤にはジオクチルアジペート(DO
A)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタ
レート(DBP)等が使用される。
【0018】本発明の常温2液反応硬化型ウレタン樹脂
液(C)は、可使時間が25℃下で10分以下のものが
好ましい。成形サイクルを短縮できるからである。可使
時間が10分を越えると、冬場の硬化が遅くなり脱型が
翌日になる場合もでてきて生産性が低下する。一方、可
使時間が3分未満になると固形廃材間の細間隙への浸透
が完結するまでに増粘し、結果的に固形廃材間に空洞が
発生し易くなる。さらに好ましい可使時間は25℃下で
3分〜10分の範囲にある。可使時間を25℃下で10
分以下と急速硬化するために例えば硬化触媒が使用され
る。該硬化触媒には有機金属系硬化触媒とアミン系硬化
触媒がある。有機金属系硬化触媒としては、スタナスオ
クテート、ジンクオクテート、ジブチルチンジアセテー
ト、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンチオカル
ボキシレート等がある。アミン系硬化触媒としては、ト
リメチルアミノエチルエタノールアミン、トリエチレン
ジアミン、テトラメチルエチレンジアミン及びそれらの
酢酸塩等がある。上記硬化触媒は、通常ポリオール成分
(a)中に添加される。その添加量は該ポリオール成分
の反応性にも左右されるが、0.01ppm〜100p
pmと極く少量添加される。
【0019】本発明の常温2液反応硬化型ウレタン樹脂
液(C)を着色すべく、着色剤を添加することもでき
る。着色剤は顔料ペーストか染料等が用いられる。ま
た、本発明の常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)
には、消泡剤を添加することができる。消泡剤としては
溶剤系にも効果を発揮するシリコン系消泡剤が好適であ
る。その他の添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、難燃剤、耐電防止剤等がある。これらの添加剤はポ
リイソシアネートと反応しない不活性な化合物のなかか
ら選択されるものであり、通常、ポリオール成分(a)
に配合される。
【0020】本発明の常温2液反応硬化型ウレタン樹脂
液(C)は、既述のごとく、可使時間が25℃下で、1
0分以下、より好ましくは3分〜10分の範囲で急速硬
化するものである。急速硬化させるべく、ポリオール成
分(a)中に触媒を添加調整するのが好ましい。さら
に、反応性の良いポリオール成分となすことも重要であ
る。そのために、塩基性アミンを分子中に含有するアミ
ンポリオールを使用するのが好ましい。また、末端のO
H基は反応性が良好な1級OHとなすことも好ましい。
一方、ポリイソシアネート成分(b)としては、反応性
に優れ毒性の少ないMDI系ポリイソシアネートが好ま
しい。可使時間は、四季を通じて急速硬化が得られるよ
う、時期に応じて調整された材料を選択し使用するのが
好ましい。
【0021】前述のごとく急速硬化するショートポット
ライフの樹脂液を使いこなすべく、材料粘度は25℃下
で30mPa・s以下(以下、「30mPa・s/25
℃以下」のように表す。)と超低粘度のものとするのが
好適である。超低粘度であるがゆえに2液混合が容易に
なり、また固形廃材(例えばウレタン系ケミカルウッド
の廃材A2)の細間隙11に速やかに浸透することが可
能になるからである(図2)。なお、図2では細間隙1
1を判りやすく大きく表示しており、実際はその間隔が
もっと狭いものとなっている。このような超低粘度とす
るには、有機溶剤(c)を使用することが必須となる。
また、可塑剤(d)にてポリオール成分やポリイソシア
ネート成分を可溶化し低粘度化することも必要である。
斯る観点から、ポリオール成分(a)に使用されるポリ
オールとしては、低分子アミンポリオール、低分子ポリ
エーテルポリオール、また鎖伸長剤となる1,4ブタン
ジオール、エチレングリコール、グリセリン及びそれら
のアルキレンオキサイド誘導体が好ましい。ポリイソシ
アネート成分(b)としては、常温で液体のクルードM
DIとかカルボジイミド変成MDIが好ましい。
【0022】ところで、急速硬化させ、約30分後に脱
型できるようにするためには、前述のごとくただ単に触
媒を添加し急速硬化させるだけでは未だ不十分である。
可使時間が経過した後にゲル化し、そして、脱型するま
でに約30分間の初期硬化段階で高分子網目構造をいち
早く構築し、硬度発現性を良好ならしめることが求めら
れる。本発明では常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液
(C)のポリオール成分(a)とポリイソシアネート成
分(b)の平均官能基数を高めることによりそれに応え
ている。多官能ポリオールを多用し、ポリオール成分
(a)の平均官能基数を2.95以上、ポリイソシアネ
ート成分(b)の平均官能基数を2.05以上とするの
が望ましい。また、多官能ポリオールをポリイソシアネ
ートでジョイントし、部分プレポリマー化した末端OH
プレポリマーとしてもよい。多官能ポリイソシアネート
をポリオールでジョイントし、部分プレポリマー化した
末端NCOプレポリマーとしてもよい。部分ジョイント
すると粘度が上昇するので、粘度とのバランスを保ちな
がら部分ジョイント化の割合を設定するのがより好まし
い。
【0023】NCO/OH(インデックス)も硬度発現
性に対し重要な意味をもつものである。一般にウレタン
の注型はNCO/OH≒1.0〜1.03程度で実施さ
れている。その理由はNCO/OH≧1.03の場合、
イソシアネート基がリッチとなり硬化物中にイソシアネ
ート基が残存することとなり、硬化後長期日数を経て徐
々にイソシアネート基が湿気と反応しウレアとなり硬度
アップ現象を引き起こすものであり、最終硬度の発現が
遅れ、発泡を起こし易いからである。一方、NCO/O
H≦1.0の場合、イソシアネート基が不足して高分子
網目構造に欠損が発生し、硬度低下,物性低下を引き起
こすからである。ところが、本発明ではNCO/OH=
0.7〜1.0といわば異常なインデックス領域でもき
ちっとした硬化物が得られ、且つ脱型性が良く、切削加
工性が向上し、2液配合誤差に対して許容性が大きいこ
とを見いだした。これは、ポリオール成分(a)の平均
官能基数≧2.95、ポリイソシアネート成分(b)の
平均官能基数≧2.05と多官能化した領域にて高分子
網目構造が細かく架橋密度が高いがため、多少OH基が
過剰にて硬化せしめても、硬度,強度物性は多少低下す
るが本発明の集成材ブロックに要求される特性を発現す
るものである。このように、脱型性/切削加工性/2液
配合誤差許容性/ほどよい硬度物性などバランスが見事
にとれる領域が、NCO/OH=0.7〜1.0の範囲
であることを確認した。より好ましくはNCO/OH=
0.80〜0.95である。さらに好ましくは、NCO
/OH=0.85〜0.9である。
【0024】本発明で見い出した集成材ブロックの脱型
を30分以内に収めるための更なる有効手段は、硬化段
階で相分離を起こすようにポリオール成分(a)とポリ
イソシアネート成分(b)、有機溶剤(c)及び可塑剤
(d)をバランスさせることである。硬化段階で多官能
化されたポリオール成分(a)とポリイソシアネート成
分(b)が高分子網目構造を形成し、包含限界以上の有
機溶剤(c)及び可塑剤(d)を吐き出し、高分子網目
構造中に微細油滴を取り込む形態にて全体が固化する。
その結果、海島状態にて固化することになる。これは硬
化物断面を電子顕微鏡で観察することによって確認でき
る。固化した樹脂は、30分後には初期硬度が強く発現
(高い硬度発現性)し、脱型時間が短縮されると考えら
れる。本発明者達は、斯る相分離した蜂の巣状の高分子
網目構造体の形成によって切削加工性が驚くほど良好に
なることを見い出した。上述のごとく相分離がなされる
ようバランスをとるためには、有機溶剤(c)の含有量
が15%〜25%、可塑剤(d)の含有量が15%〜2
5%、有機溶剤(c)と可塑剤(d)のトータルが30
%〜45%の範囲が好ましい。この範囲から外れると正
規の化学反応から逸脱するからである。例えば、トータ
ルが30%未満になると硬化しずらくなり、一方、トー
タルが45%を越えると色ムラ等が発生するようにな
る。より好ましい範囲は有機溶剤(c)と可塑剤(d)
のトータルが35%〜40%である。硬化物の中に有機
溶剤(c)と可塑剤(d)が40%前後も封じ込められ
ているので、おのずと切削加工性が飛躍的向上する。ま
た、相分離,蜂の巣状にて封じ込められているので、表
面の有機溶剤が飛散した後は、溶剤臭を殆ど感じず、外
観に色ムラ,未硬化異常が全くない正常な硬化物とな
る。
【0025】ところで、本発明では、ウレタン系ケミカ
ルウッドの廃材等の固形廃材を、常温2液反応硬化型ウ
レタン樹脂液(C)により結合一体化させて集成材ブロ
ックを形成するが、その製造方法はいろいろある。通
常、モールド内に固形廃材を充填,配設し、その後、モ
ールド内へ常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)を
注入充填する方法であるが、この方法もいくつか考えら
れる。モールド内へ固形廃材を充填,配設し、加圧に
て集成材ブロック用モールド内へ注入充填する方法、
常圧にて注入した後、減圧となし、空気を追い出しなが
ら該樹脂液(C)で置換する方法、真空ポンプにて十
分減圧となしたモールド内へ注型口より該樹脂液(C)
を吸引させながら注入充填する方法、同じく減圧と化
したモールド内へ注型口を通じ、集成材ブロック用モー
ルドより高い位置のストックタンクから落差と吸引力で
該樹脂液を注入充填する方法、さらに、これらの注入
充填時に振動を与える方法、などがある。なお、モール
ド内を減圧にし2液反応樹脂液を注入充填する方法は公
知であり、真空注型法と呼ばれる。
【0026】ここで、本発明で用いられるウレタン系ケ
ミカルウッドの廃材(A2)又は及びウレタン系ケミカ
ルウッドの切削加工屑(B)は、多孔質であり、表面や
内部に気泡を内在するがために、集成材ブロックにした
際にケミカルウッド部分の表面に気泡が残存し易い。本
発明が目的とする集成材ブロックが再利用段階で切削加
工に供される商品であることから、気泡の残存は集成材
ブロックとしての価値を下げることになる。前記気泡を
排除することが必要である。集成材ブロックの内部に目
で確認出来る大きさの気泡残存を極力なくすためには、
真空ポンプで十分減圧とし空気を除去した状態の中へ常
温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)を注入充填する
真空注型法が好適となる。すなわち、固形廃材(ここで
はウレタン系ケミカルウッドの廃材A2)をモールド内
に配設し、次に、真空状態下におかれた該モールド内へ
常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)を真空注入
し、その後、常圧に戻し、該常温2液反応硬化型ウレタ
ン樹脂液(C)を硬化させることにより結合一体化を図
るのが好ましい。図1はこの製法を説明図示し、符号2
が固形廃材、符号4がモールド、符号5が真空室、符号
6が配管、符号7がストックタンクである。該ストック
タンク7に常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)が
供給される。該製法により得られた集成材ブロック1を
所定大きさにカットした斜視図を図2に示す。ウレタン
系ケミカルウッドの廃材A2同士の細間隙11に気泡等
を存在させずに集成材ブロック用結合樹脂3(常温2液
反応硬化型ウレタン樹脂液C)が入り込み、且つ気泡残
存をなくし既述の数々の特性を有した高品質の集成材ブ
ロック1が出来上がっている。
【0027】従って、本発明による集成材ブロックは切
削加工性に優れ、ウレタン系ケミカルウッドの安価代替
品として使用できる。その用途の1つが形状確認モデル
である。形状確認モデルとは図面やCADのなかで表現
されているモデルを実物と同じ三次元形状で製作し、目
で実際に確認したい場合などに製作されるものである。
2つ目の用途は、プラスチックの曲げ型である。プラス
チックの板を加熱し軟化させ、三次元形状に折り曲げて
プラスチックモデルを製作するとき、三次元形状の治具
に沿わせて折り曲げる。このときに使用される三次元形
状の治具をプラスチックの曲げ型という。該曲げ型に従
前のウレタン系ケミカルウッドに代って本発明の集成材
ブロックが使用できる。3つ目の用途はデザインモデル
用台座である。一般にデザインモデルは反り,歪みを避
けるべく、組み立てた木製の箱の上にケミカルウッドの
カット板をボルトや接着剤等で取付け三次元NC加工に
て切削され三次元デザインモデルとなり、台座ごと持ち
運び移動される。この木製の箱を台座と称するが、これ
に本発明の集成材ブロックが使用できる。4つ目の用途
は、木型,モデル業界で使用されている木材の代替的用
途である。木材は木型模型以外に多種多様な使われ方が
ある。例えば、樹脂型製作時の枠組とか樹脂型嵌合部位
のボス,ボス受け等各種各様の用途がある。特に、局面
を保持させるときは木材より切削加工性の良い本発明の
集成材ブロックの方が威力を発揮する。かくのごとく、
本発明の集成材ブロックの主用途はウレタン系ケミカル
ウッドの安価代替えである。サブ的用途として局部部位
を有する木材用途等の代替えがある。本発明によって、
例えばケミカルウッドの廃材を出した企業群から廃材を
譲り受け本集成材ブロックとし、これが廃材を出した企
業群へ戻され再使用されるようになり、望ましいリサイ
クルシステムパターンが出来上がる。
【0028】
【実施例】次に、本発明の実施例について述べる。 (1)ポリオール成分(a)の作成 本発明の常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)の構
成要素たるポリオール成分(a)の液体について以下の
〜のものを用意した。実施例(本発明品)のポリオ
ール成分(a)をOH(1)〜OH(5)で示す。
【0029】OH(1) 四ッ口コルベンにエチレンジアミンプロピレンオキサイ
ド付加物(分子量=300)11.7部、ビスフェノー
ルプロピレンオキサイド付加物(分子量=1000)
6.7部、ビスフェノールプロピレンオキサイド付加物
(分子量=500)1.0部、トリメチロールプロパン
エチレンオキサイド付加物(分子量=400)8.8
部、ジオクチルアジペート13.0部を投入し窒素置換
した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に徐々に昇温し
100〜110℃にて3時間脱水を行った。80℃以下
に冷却しキシレン8.8部を投入、1時間攪拌し均一溶
解した。次いで、触媒のオクチル酸亜鉛と消泡剤を微量
添加した。相手のポリイソシアネート成分は後述のNC
O(1)である。カールフィッシャー法にて水分を測定
し、水分は0.01%を得た。BL型回転粘度計にて粘
度を測定した結果、粘度は7mPa・s/25℃であっ
た。
【0030】OH(2) 四ッ口コルベンにエチレンジアミンプロピレンオキサイ
ド付加物(分子量=300)11.7部、ビスフェノー
ルプロピレンオキサイド付加物(分子量=1000)
5.7部、ビスフェノールプロピレンオキサイド付加物
(分子量=500)2.0部、トリメチロールプロパン
エチレンオキサイド付加物(分子量=400)8.8
部、ジオクチルアジペート13.0部を投入し窒素置換
した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に徐々に昇温し
100〜110℃にて3時間脱水を行った。80℃以下
に冷却しキシレン8.8部を投入、1時間攪拌し均一溶
解した。次いで、触媒のオクチル酸亜鉛と消泡剤を微量
添加した。相手のポリイソシアネート成分は後述のNC
O(2)である。カールフィッシャー法にて水分を測定
し、水分は0.01%を得た。BL型回転粘度計にて粘
度を測定した結果、粘度は7mPa・s/25℃であっ
た。
【0031】OH(3) 四ッ口コルベンにエチレンジアミンプロピレンオキサイ
ド付加物(分子量=300)2.3部、エチレンジアミ
ンプロピレンオキサイド付加物(分子量=450)2
5.6部、ジオクチルアジペート8.5部を投入し、窒
素置換した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に徐々に
昇温し100〜110℃にて3時間脱水を行った。80
℃以下に冷却しキシレン13.6部を投入、1時間攪拌
し均一溶解した。次いで、触媒のオクチル酸亜鉛と消泡
剤を微量添加した。相手のポリイソシアネート成分は後
述のNCO(3)である。カールフィッシャー法にて水
分を測定し、水分は0.02%を得た。BL型回転粘度
計にて粘度を測定した結果、粘度は9mPa・s/25
℃であった。
【0032】OH(4) 四ッ口コルベンにエチレンジアミンプロピレンオキサイ
ド付加物(分子量=300)16.8部、ビスフェノー
ルプロピレンオキサイド付加物(分子量=1000)
5.0部、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド
付加物(分子量=400)3.2部、ジオクチルアジペ
ート6.2部を投入し、窒素置換した。真空ポンプにて
減圧とし、攪拌下に徐々に昇温し100〜110℃にて
3時間脱水を行った。80℃以下に冷却しキシレン1
8.8部を投入、1時間攪拌し均一溶解した。次いで、
触媒のオクチル酸亜鉛と消泡剤を微量添加した。相手の
ポリイソシアネート成分は後述のNCO(4)である。
カールフィッシャー法にて水分を測定し、水分は0.0
1%を得た。BL型回転粘度計にて粘度を測定した結
果、粘度は7mPa・s/25℃であった。
【0033】OH(5) 四ッ口コルベンにエチレンジアミンプロピレンオキサイ
ド付加物(分子量=300)6.4部、エチレンジアミ
ンプロピレンオキサイド付加物(分子量=450)1.
0部、ビスフェノールプロピレンオキサイド付加物(分
子量=1000)7.0部、ビスフェノールプロピレン
オキサイド付加物(分子量=500)8.0部、トリメ
チロールプロパンエチレンオキサイド付加物(分子量=
400)9.6部、プロピレングリコール.プロピレン
オキサイドエチレンオキサイド付加物(分子量=200
0)3.2部、ジオクチルアジペート11.7部を投入
し、窒素置換した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に
徐々に昇温し100〜110℃にて3時間脱水を行っ
た。80℃以下に冷却しキシレン3.1部を投入、1時
間攪拌し均一溶解した。次いで、触媒のオクチル酸亜鉛
と消泡剤を微量添加した。相手のポリイソシアネート成
分は後述のNCO(5)である。カールフィッシャー法
にて水分を測定し、水分は0.01%を得た。BL型回
転粘度計にて粘度を測定した結果、粘度は18mPa・
s/25℃であった。
【0034】(2)ポリイソシアネート成分(b)の作
成 本発明の常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)の構
成要素たるポリイソシアネート成分(b)の液体につい
て以下の〜のものを用意した。実施例(本発明品)
のポリイソシアネート成分(b)をNCO(1)〜NC
O(5)で示す。
【0035】NCO(1) 四ッ口コルベンにジオクチルアジペート8.4部を投入
し、窒素置換した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に
徐々に昇温し100〜110℃にて3時間脱水を行っ
た。80℃以下に冷却した。次いで、PAPI135
(ダウ・ポリウレタン日本(株))13.3部、ISON
ATE143LJ(ダウ・ポリウレタン日本(株))1
9.1部、キシレン9.2部を投入し窒素置換後、約1
時間攪拌し均一溶解させた。BL型回転粘度計にて粘度
を測定した結果、粘度は6mPa・s/25℃であっ
た。NCO%を測定したら、NCO%は19.3%であ
った。
【0036】NCO(2) NCO(1)をそのままNCO(2)とした。
【0037】NCO(3) 四ッ口コルベンにジオクチルアジペート9.5部を投入
し、窒素置換した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に
徐々に昇温し100〜110℃にて3時間脱水を行っ
た。80℃以下に冷却し、キシレン9.6部、PAPI
135を11.5部、ISONATE181を13.7
部、ISONATE143LJを5.7部投入し、窒素
置換後、約1時間攪拌し均一溶解させた。更に、60℃
にて約1時間加熱混合熟成した。BL型回転粘度計にて
粘度を測定した結果、粘度は10mPa・s/25℃で
あった。NCO%を測定したら、NCO%は16.7%
であった。
【0038】NCO(4) 四ッ口コルベンにジオクチルアジペート7.6部を投入
し、窒素置換した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に
徐々に昇温し100〜110℃にて3時間脱水を行っ
た。80℃以下に冷却し、キシレン7.8部、PAPI
135を34.6部投入し、窒素置換後、約1時間攪拌
し均一溶解させた。BL型回転粘度計にて粘度を測定し
た結果、粘度は7mPa・s/25℃であった。NCO
%を測定したら、NCO%は21.4%であった。
【0039】NCO(5) 四ッ口コルベンにジオクチルアジペート7.6部を投入
し、窒素置換した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に
徐々に昇温し100〜110℃にて3時間脱水を行っ
た。80℃以下に冷却し、キシレン13.2部、PAP
I135を12.0部、ISONATE143LJを1
7.2部投入し、窒素置換後、約1時間攪拌し均一溶解
させた。BL型回転粘度計にて粘度を測定した結果、粘
度は8mPa・s/25℃であった。NCO%を測定し
たら、NCO%は17.4%であった。
【0040】(3)比較例:ポリオール成分(a)の作
成 次に、本発明と比較するための常温2液反応硬化型ウレ
タン樹脂液(C)の構成要素たるポリオール成分(a)
について以下の〜のものを用意した。比較例のポリ
オール成分(a)をOH(A)〜OH(E)で示す。
【0041】OH(A) 四ッ口コルベンにプロピレングリコール.プロピレンオ
キサイドエチレンオキサイド付加物(分子量=100
0)6.0部、プロピレングリコールプロピレンオキサ
イド付加物(分子量=200)10.6部、グリセリ
ン.プロピレンオキサイド付加物(分子量=300)
5.0部、エチレンジアミン.プロピレンオキサイド付
加物(分子量=300)5.0部、ジオクチルアジペー
ト14.4部を投入し窒素置換した。真空ポンプにて減
圧とし、攪拌下に徐々に昇温し100〜110℃にて3
時間脱水を行った。80℃以下に冷却しキシレン9.0
部を投入、1時間攪拌し均一溶解した。次いで、触媒の
オクチル酸亜鉛と消泡剤を微量添加した。相手のポリイ
ソシアネート成分は後述のNCO(A)である。カール
フィッシャー法にて水分を測定し、水分は0.01%を
得た。BL型回転粘度計にて粘度を測定した結果、粘度
は11mPa・s/25℃であった。
【0042】OH(B) 四ッ口コルベンにプロピレングリコール.プロピレンオ
キサイドエチレンオキサイド付加物(分子量=100
0)8.1部、グリセリン.プロピレンオキサイド付加
物(分子量=300)3.1部、エチレンジアミン.プ
ロピレンオキサイド付加物(分子量=300)15.4
部、ジオクチルアジペート14.4部を投入し、窒素置
換した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に徐々に昇温
し100〜110℃にて3時間脱水を行った。80℃以
下に冷却しキシレン9.0部を投入、1時間攪拌し均一
溶解した。次いで、触媒のオクチル酸亜鉛と消泡剤を微
量添加した。相手のポリイソシアネート成分は後述のN
CO(B)である。カールフィッシャー法にて水分を測
定し、水分は0.01%を得た。BL型回転粘度計にて
粘度を測定した結果、粘度は15mPa・s/25℃で
あった。
【0043】OH(C) 四ッ口コルベンにプロピレングリコール.プロピレンオ
キサイドエチレンオキサイド付加物(分子量=100
0)9.0部、グリセリン.プロピレンオキサイド付加
物(分子量=300)3.4部、エチレンジアミン.プ
ロピレンオキサイド付加物(分子量=300)17.1
部、ジオクチルアジペート12.7部を投入し、窒素置
換した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に徐々に昇温
し100〜110℃にて3時間脱水を行った。80℃以
下に冷却しキシレン7.8部を投入、1時間攪拌し均一
溶解した。次いで、触媒のオクチル酸亜鉛と消泡剤を微
量添加した。相手のポリイソシアネート成分は後述のN
CO(C)である。カールフィッシャー法にて水分を測
定し、水分は0.01%を得た。BL型回転粘度計にて
粘度を測定した結果、粘度は25mPa・s/25℃で
あった。
【0044】OH(D) 四ッ口コルベンにプロピレングリコール.プロピレンオ
キサイドエチレンオキサイド付加物(分子量=100
0)3.1部、プロピレングリコール.プロピレンオキ
サイド付加物8.1部、グリセリン.プロピレンオキサ
イド付加物(分子量=300)15.4部、ジオクチル
アジペート14.4部を投入し、窒素置換した。真空ポ
ンプにて減圧とし、攪拌下に徐々に昇温し100〜11
0℃にて3時間脱水を行った。80℃以下に冷却しキシ
レン9.0部を投入、1時間攪拌し均一溶解した。次い
で、触媒のオクチル酸亜鉛と消泡剤を微量添加した。相
手のポリイソシアネート成分は後述のNCO(D)であ
る。カールフィッシャー法にて水分を測定し、水分は
0.01%を得た。BL型回転粘度計にて粘度を測定し
た結果、粘度は9mPa・s/25℃であった。
【0045】OH(E) 四ッ口コルベンにプロピレングリコール.プロピレンオ
キサイドエチレンオキサイド付加物(分子量=100
0)3.1部、プロピレングリコール.プロピレンオキ
サイド付加物(分子量200)8.1部、グリセリン.
プロピレンオキサイド付加物(分子量=300)15.
4部、ジオクチルアジペート14.4部を投入し、窒素
置換した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に徐々に昇
温し100〜110℃にて3時間脱水を行った。80℃
以下に冷却しキシレン9.0部を投入、1時間攪拌し均
一溶解した。次いで、触媒のオクチル酸亜鉛と消泡剤を
微量添加した。相手のポリイソシアネート成分は後述の
NCO(E)である。カールフィッシャー法にて水分を
測定し、水分は0.01%を得た。BL型回転粘度計に
て粘度を測定した結果、粘度は11mPa・s/25℃
であった。
【0046】(4)比較例:ポリイソシアネート成分
(b)の作成 本発明と比較するための常温2液反応硬化型ウレタン樹
脂液(C)の構成要素たるポリイソシアネート成分
(b)について以下の〜のものを用意した。比較例
のポリイソシアネート成分(b)をNCO(A)〜NC
O(E)で示す。
【0047】NCO(A) 四ッ口コルベンにジオクチルアジペート7.3部を投入
し、窒素置換した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に
徐々に昇温し100〜110℃にて3時間脱水を行っ
た。80℃以下に冷却し、キシレン9.5部を投入、1
時間攪拌し均一溶解させた。次いで、ISONATE1
81(ダウ・ポリウレタン日本(株))13.6部、IS
ONATE143LJ(ダウ・ポリウレタン日本(株))
19.6部を投入し窒素置換後、約1時間攪拌し均一溶
解させた。BL型回転粘度計にて粘度を測定した結果、
粘度は25mPa・s/25℃であった。NCO%を測
定したら、NCO%は17.5%であった。
【0048】NCO(B) 四ッ口コルベンにジオクチルアジペート8.0部を投入
し、窒素置換した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に
徐々に昇温し100〜110℃にて3時間脱水を行っ
た。80℃以下に冷却し、キシレン9.5部を投入、1
時間攪拌し均一溶解させた。次いで、ISONATE1
81を21.5部、ISONATE143LJを11.
0部投入し窒素置換後、約1時間攪拌し均一溶解させ
た。BL型回転粘度計にて粘度を測定した結果、粘度は
50mPa・s/25℃であった。NCO%を測定した
ら、NCO%は16.2%であった。
【0049】NCO(C) 四ッ口コルベンにジオクチルアジペート6.6部を投入
し、窒素置換した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に
徐々に昇温し100〜110℃にて3時間脱水を行っ
た。80℃以下に冷却し、キシレン7.3部を投入、1
時間攪拌し均一溶解させた。次いで、PAPI135を
3.9部、ISONATE181を20.0部、ISO
NATE143LJを12.2部投入し、窒素置換後、
約1時間攪拌し均一溶解させた。BL型回転粘度計にて
粘度を測定した結果、粘度は55mPa・s/25℃で
あった。NCO%を測定したら、NCO%は18.5%
であった。
【0050】NCO(D) 四ッ口コルベンにジオクチルアジペート8.0部を投入
し、窒素置換した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に
徐々に昇温し100〜110℃にて3時間脱水を行っ
た。80℃以下に冷却し、キシレン9.5部を投入、1
時間攪拌し均一溶解させた。次いで、PAPI135を
10.0部、ISONATE181を11.5部、IS
ONATE143LJを11.0部投入し、窒素置換
後、約1時間攪拌し均一溶解させた。BL型回転粘度計
にて粘度を測定した結果、粘度は20mPa・s/25
℃であった。NCO%を測定したら、NCO%は17.
8%であった。
【0051】NCO(E) 四ッ口コルベンにジオクチルアジペート8.0部を投入
し、窒素置換した。真空ポンプにて減圧とし、攪拌下に
徐々に昇温し100〜110℃にて3時間脱水を行っ
た。80℃以下に冷却し、キシレン9.5部を投入、1
時間攪拌し均一溶解させた。次いで、ISONATE1
81を21.5部、ISONATE143LJを11.
0部投入し、窒素置換後、約1時間攪拌し均一溶解させ
た。BL型回転粘度計にて粘度を測定した結果、粘度は
9mPa・s/25℃であった。NCO%を測定した
ら、NCO%は19.7%であった。
【0052】(5)常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液
(C)の2液 前記実施例で作成したポリオール成分(a)のOH
(1)〜OH(5)とポリイソシアネート成分(b)の
NCO(1)〜NCO(5)の組み合わせを表1に示
し、各組合せに関しそれぞれシステム1〜5(本発明
品)と命名する。
【0053】
【表1】
【0054】また、前記比較例で作成したポリオール成
分(a)のOH(A)〜OH(E)とポリイソシアネー
ト成分(b)のNCO(A)〜NCO(E)組み合わせ
を表2に示し、各組合せに関しそれぞれシステムA〜E
と命名する。
【0055】
【表2】
【0056】表3は、実施例の常温2液反応硬化型ウレ
タン樹脂液(C)のシステム1〜5の組成を一覧表にま
とめたものである。表3中、TMPはトリメチロールプ
ロパン、PGはプロピレングリコール、PAPI135
はダウ・ポリウレタン日本(株)のポリメリックMDI
(クルードMDI)、ISONATE181はダウ・ポ
リウレタン日本(株)のプレポリマー変成MDI、ISO
NATE143LJはダウ・ポリウレタン日本(株)のカ
ルボジイミド変成MDIを示す。表3中の触媒及び消泡
剤の微量添加は、ポリオール成分(a)とポリイソシア
ネート成分(b)の2液混合液すなわち常温2液反応硬
化型ウレタン樹脂液(C)の可使時間の調整と、2液混
合時の泡立ちを抑制するためのものである。
【0057】
【表3】
【0058】また、表4は比較例の常温2液反応硬化型
ウレタン樹脂液(C)のシステムA〜Eの組成を一覧表
にまとめたものである。表4中の触媒及び消泡剤の微量
添加は、2液混合液の可使時間の調整と、2液混合時の
泡立ちを抑制するためのものである。表3,表4中、M
Wは分子量、fは官能基を示す。
【0059】
【表4】
【0060】(6)常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液
(C)の硬化試験方法 次に、実施例、比較例で示したものに関しての硬化試験
方法を説明する。 2液温度調整:ポリオール成分(OH成分)とポリイ
ソシアネート成分(NCO成分)を25℃に温度調整す
る。 2液秤量/混合:PPカップにポリオール成分(OH
成分)を指定量(通常50g)秤量する。次いで、その
上にポリイソシアネート成分(NCO成分)を指定量
(通常50g)秤量する。直後にスパチラで30秒攪拌
混合する。別のPPカップに流し込み常温常圧にて放置
する。 PLの測定:発熱し増粘、ゲル化し流動性を失うまで
の時間をPLとする。 変色:通常、PL近辺で透明性を失い、不透明化(白
濁化)する。この状態を変色したとみなす。 初期硬度:30分後に脱型し、ショアD硬度を測定し
初期硬度とする。 最終硬度:常温にて7日放置し、ショア硬度を測定し
最終硬度とする。 硬度発現率(%):(初期硬度/最終硬度)×100
を硬度発現率とする。 硬化物外観:色ムラ/表面の発泡を肉眼で観察する。
【0061】硬化試験を実施し、表5に本発明に係る実
施例システム1〜5の反応硬化物特性結果をまとめて示
す。
【0062】
【表5】
【0063】また、表6に本発明と比較される比較例シ
ステムA〜Eの反応硬化物特性結果をまとめて示す。
【0064】
【表6】
【0065】(7)成形方法 次に、実施例(本発明)及び比較例に係る集成材ブロッ
クの成形方法について説明する。 固形廃材の設定: (A)ケミカルブロック廃材…切削可能なウレタン系ケ
ミカルウッドの切断破材(A2)を使用。ウレタン系ケ
ミカルウッドの切断破材の大きさ,形状は多種多様であ
るため、本実施例/比較例では50mm×50mm×1
50mm、50mm×150mm×100mmの2種類
とした。 (B)真空注型ウレタン廃材…切削可能なウレタン成形
品の廃材として、真空注型ウレタンのゲート部の廃材
(A1)を使用。真空注型ウレタンのゲート部の大きさ
は三角断面積が約10mm、長さ約100mmであ
る。 (C)ケミカルブロックNC加工屑…ウレタン系ケミカ
ルウッドの粗削りした切削加工屑(B)を使用。ウレタ
ン系ケミカルウッドのNC切削加工屑は、大きさがあず
き大鱗片状で厚さが約0.5mmである。 モールド:流し型たるモールドの仕様を表7に示す。
【0066】
【表7】
【0067】モールド内への固形廃材の充填,配設:
モールド内へ前記の廃材(A)を主体として立体的に
並べる。次いで、廃材(A)の配設によりできた隙間1
1と形状に応じ、廃材(B)又は(C)を充填し、モー
ルド内への固形廃材の高密度充填を完了する。こうして
出来たモールドを真空注型機内にセットする。
【0068】2液混合/注型:ポリバケツ(登録商
標)にポリオール成分(a)を取り秤量、他方のポリイ
ソシアネート成分(b)を取り秤量した。これら2成分
液を真空注型機外側上部に設置した混合用容器たるスト
ックタンク7に移し替え、約30秒間混合攪拌した。混
合後、直ちにストックタンク7と真空注型機5内とが導
通セットされ、脱気を完了させたモールド4へ配管6を
通じて常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)を流し
込んだ。その後、真空室内を常圧に戻して該常温2液反
応硬化型ウレタン樹脂液(C)の硬化を待った(図
1)。 脱型:モールドを取り出し、30分後に脱型した。 温度条件:全ての作業を常温(25℃前後)の室内で
行った。特別な加熱は不要である。
【0069】(8)集成材ブロックの評価方法 前記成形方法により集成材ブロックを得たが、その成形
過程での評価及び得られた集成材ブロックの評価を次の
ように行った。 脱型性:注入作業完了後、室温放置し30分、60分
後の脱型可否を実作業によってチェックした。 内部気泡:出来た各集成材ブロックを切断し、内部に
残留する気泡の大きさ、気泡の多い/少ないを肉眼で比
較した。 切削加工性:出来た集成材ブロックをNCにて三次元
形状に切削加工し、合木廃材層(固形廃材の部分)から
結合樹脂層(常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液が硬化
した部分)へと切削加工が移動するときの切削加工異常
(ハイスのビビリ、異常音、切削ラインの歪み)の有無
を確認した。 接着性:切削加工時の衝撃に合木廃材層と結合樹脂層
の層間剥離有無をチェックした。また、切削加工時の衝
撃にて加工断面の異常な欠け有無をチェックした。 変形性:集成材ブロックを1ヶ月放置し、反り変形の
有無を肉眼判定した。
【0070】(9)集成材ブロックの製作条件と集成材
ブロックの評価 集成材ブロックの製作条件に対する集成材ブロックの評
価を、前述の評価方法に基づき調べた。その結果を表
8,表9に示す。表8,表9で、内部気泡の多少、気泡
の大きさは既述のごとく肉眼判定によった。
【0071】
【表8】
【0072】
【表9】
【0073】常圧注型とは常圧にて2液混合樹脂液の自
重で浸透させる注型を表し、常圧硬化は減圧注型した場
合は注型終了後、常圧に戻し硬化させること、また常圧
注型した場合は注型終了後、そのまま硬化させることを
表す。
【0074】このように構成した集成材ブロック及びそ
の製造方法、及び集成材ブロック用常温2液反応硬化型
ウレタン樹脂液によれば、固形廃材を使って再使用可能
なウレタン系ケミカルウッドや木型用木材の代替用途品
等を提供できる。これまで、産業廃棄物として処分され
てきた真空注型ウレタン成形品や、ウレタン系ケミカル
ウッドの廃材及びNC切削屑が、一般的な設備使用範囲
で切削可能かつ、比較的安価な集成材ブロックとして産
業廃棄物発生元へ戻し再利用,有効活用されることにな
り、その効果は十分期待できる。本発明の集成材ブロッ
クは、木工加工切削工具で簡単に切削加工ができ、且つ
切削加工時にウレタン成形品の廃材等が剥がれたり脱落
したりせず、強固に接着一体化しているので、品質的に
優れたものとなっている(表8,表9)。常温2液反応
硬化型ウレタン樹脂液(C)としてポリオール成分
(a)とポリイソシアネート成分(b)の2液を用い、
その2液混合粘度を25℃で30mPa・s以下とする
と、2液混合が容易となり且つ細間隙11にも速やかに
浸透し製品に気泡等の不具合を発生させない。2液混合
粘度が25℃で30mPa・sを越えると、集成材ブロ
ックに気泡等の不具合が急激に増える。実施例は典型的
なものを例示するにとどめているが、その実施例(表
3,表4の粘度の欄と表8,表9の気泡残の欄)からも
明らかになっている。そして、可使時間を25℃で10
分以下とすると、急速硬化により集成材ブロックの生産
性を高めることができる。また、ポリオール成分(a)
の平均官能基数が2.95以上で且つ前記ポリイソシア
ネート成分(b)の平均官能基数が2.05以上で、さ
らにNCO/OH比が0.7〜1.0であるとすると、
可使時間が経過した後にゲル化し、そして、脱型するま
でに約30分間の初期硬化段階で高分子網目構造をいち
早く構築できるので、硬度発現性を良好にする。脱型が
容易になり成型サイクルを短くできる。さらに、常温2
液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)が、有機溶剤(c)
及び又は可塑剤(d)を含有し、硬化段階で相分離を起
こすようにすると、高分子網目構造中に微細油滴を海島
状態に取り込んで全体が固化するので、集成材ブロック
の切削加工性が断然良くなる。また、常温2液反応硬化
型ウレタン樹脂液(C)が全重量の10重量%〜50重
量%であるとすると、固形廃材の利用率を高め品質を維
持しながら安定供給できるようになる。また、切削可能
なウレタン成形品の廃材(A1)又は及びウレタン系ケ
ミカルウッドの廃材(A2)又は及びウレタン系ケミカ
ルウッドの切削加工屑(B)を、モールド内に配設し、
次に、真空状態下におかれた該モールド内へ常温2液反
応硬化型ウレタン樹脂液(C)を注入し、その後、常圧
に戻し該常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)を硬
化させることにより固形廃材との結合一体化を図ると、
ごく簡単な設備で集成材ブロックを造ることができる。
集成材ブロック用結合樹脂たる常温2液反応硬化型ウレ
タン樹脂液(C)は、常温にてバケツ内で簡単に2液混
合ができ、作業性に優れる。そして、本発明の常温2液
反応硬化型ウレタン樹脂液(C)がモールド内に充填し
た固形廃材2の間隙11にスムースに浸透充填され、速
やかに硬化脱型できること、さらに、加熱することなく
常温で硬化し、脱型時間が30分以下と短い成形サイク
ルで速硬化する樹脂となっているので、生産性向上に大
いに役立つ。本発明者達は、固形廃材の種類を絞り、成
形工法とのマッチングを可能ならしめる常温2液反応硬
化型ウレタン樹脂液(C)を見い出し、本発明に至って
いる。
【0075】尚、本発明においては、前記実施形態,実
施例に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明
の範囲で種々変更できる。前記実施形態,実施例で、特
に明記されていない「部」,「%」,「比率」等は「重
量部」,「重量%」,「重量比率」を示す。
【0076】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の集成材ブロック
及びその製造方法、及び集成材ブロック用常温2液反応
硬化型ウレタン樹脂液は、ウレタン系ケミカルウッドの
廃材等の固形廃材を原料にして、簡単な設備で生産性を
高めて再利用可能で品質的にも優れた付加価値の高い集
成材ブロックを製造できるので、経済性面からさらに廃
材有効利用といった環境面から優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の集成材ブロックの製造装置の説明図で
ある。
【図2】本発明の集成材ブロックを所定大きさにカット
した斜視図である。
【符号の説明】
1 集成材ブロック 2 固形廃材 4 モールド A1 ウレタン成形品の廃材 A2 ウレタン系ケミカルウッドの廃材 B ウレタン系ケミカルウッドの切削加工屑 C 常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液 a ポリオール成分 b ポリイソシアネート成分 c 有機溶剤 d 可塑剤
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA53 AC10 AE02 AE04 AF13 AH03 AH19 CA01 CA08 CB02 CC05 CC06 CD01 4F301 AA29 AB03 AC04 AD04 AD07 BA02 BA12 BA21 BA29 BB01 BF31 BF40 4J002 CK031 CK041 CK051 EA057 EB027 ED027 EE037 EH037 EH096 EH146 FD026 FD140 FD207

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切削可能なウレタン成形品の廃材(A
    1)又は及びウレタン系ケミカルウッドの廃材(A2)
    又は及びウレタン系ケミカルウッドの切削加工屑(B)
    を、常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)により結
    合一体化させて木工工具で切削できるようにしたことを
    特徴とする集成材ブロック。
  2. 【請求項2】 前記常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液
    (C)が、ポリオール成分(a)とポリイソシアネート
    成分(b)の2液からなり、2液混合粘度を25℃で3
    0mPa・s以下とし、且つ可使時間を25℃で10分
    以下とした請求項1記載の集成材ブロック。
  3. 【請求項3】 前記ポリオール成分(a)の平均官能基
    数が2.95以上で且つ前記ポリイソシアネート成分
    (b)の平均官能基数が2.05以上で、さらにNCO
    /OH比が0.7〜1.0である請求項2記載の集成材
    ブロック。
  4. 【請求項4】 前記常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液
    (C)が、有機溶剤(c)及び又は可塑剤(d)を含有
    し、硬化段階で相分離を起こす請求項1〜3のいずれか
    に記載の集成材ブロック。
  5. 【請求項5】 常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液
    (C)が全重量の10重量%〜50重量%である請求項
    1〜4のいずれかに記載の集成材ブロック。
  6. 【請求項6】 切削可能なウレタン成形品の廃材とウレ
    タン系ケミカルウッドの廃材とウレタン系ケミカルウッ
    ドの切削加工屑のうちのいずれか又はそれらを組み合わ
    せた固形廃材をモールド内に配設し、次に、真空状態下
    におかれた該モールド内へ常温2液反応硬化型ウレタン
    樹脂液(C)を注入し、その後、常圧に戻して該常温2
    液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)を硬化させることに
    より結合一体化を図ることを特徴とする集成材ブロック
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の集成材ブロックに使用さ
    れる常温2液反応硬化型ウレタン樹脂液(C)が、ポリ
    オール成分(a)とポリイソシアネート成分(b)の2
    液からなり、2液混合粘度を25℃で30mPa・s以
    下とし、且つ可使時間を25℃で10分以下とすること
    を特徴とする集成材ブロック用常温2液反応硬化型ウレ
    タン樹脂液。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010156193A (ja) * 2008-12-01 2010-07-15 Tomonari Yohena 改装窓及び改装窓の製造方法
US8455101B2 (en) 2007-10-26 2013-06-04 Basf Se Polyurethane lamination resin, laminate containing the polyurethane lamination resin, and skis or snowboards containing the laminate

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