JP4113624B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性樹脂組成物およびポリウレタン成形品の製造方法に関し、詳しくは、常温で硬化して、耐衝撃性および熱変形温度の高いポリウレタン成形品を得ることが可能な熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた簡便で製造効率に優れるポリウレタン成形品の製造方法に関する。
【0002】
ここで、本明細書において「熱硬化性樹脂」の用語は、エネルギーを与えることで、ポリマー中の未反応官能基が反応してポリマー間の橋架けによる分子構造の三次元化が起こり、ポリマーの硬化が達成される樹脂について用いられるものであり、前記エネルギーは、熱に限らず、触媒作用、照射、その他のエネルギーを含むものである。
【0003】
【従来の技術】
小ロット多品種の対応が必要な自動車部品の製造や各種製品の試作品を製造する等の分野では、従来より、ハンドレイアップのFRPが多用されている。このハンドレイアップのFRPは簡単な道具で手軽な作業で製造できるが、職人の熟練した技術を必要とする点で問題であった。また、PPやABS等を用いた注形システムも利用されているが、これらの注形システムでは大規模な設備を必要とする点で問題であった。
【0004】
そこで、成形品を製造する方法が簡便でコストパフォーマンスが高く、小ロット、多品種生産に適した樹脂組成物に関する研究が行われるようになった。この様な樹脂組成物として、例えば、特開昭60−179416号公報に示される注形に適するポリウレタン組成物(脂肪族ポリイソシアネートとアミンベースポリオールのプレポリマーを使用した透明の成形物)、特開平2−248423号公報に示される強靭なエポキシ注形用樹脂(エポキシ樹脂と無水カルボン酸硬化剤と特定のポリアルキレングリコールにより得られる硬化物の強度、ガラス転移温度が高い樹脂)、特開平6−505529号公報に示される注形用樹脂(金属の充填材を配合したエポキシド−イソシアネート樹脂)などが知られている。また、特開平6−166811号公報には、低分子量ポリオールと長鎖ポリアミンの組合せの注形用硬化剤組成物について記載されている。
【0005】
しかし、上記従来技術では、自動車部品等に必要な曲げ弾性率を得ようとすると、樹脂が硬く、脆くなってしまい、衝撃強度が低いものしか得られなかったり、これを解決するために提唱された金属粉や中空微小球充填材を添加する技術においては原料の粘度上昇や均一な分散に問題があったり、ポリウレタン製造においてポリアミンを使用するものについては併用するポリオールとの相溶性や、反応の均一性に問題があったりして、何れも得られる成形品の物性や生産効率が十分であるとはいえなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたものであり、常温で硬化して、耐衝撃性および熱変形温度の高いポリウレタン成形品を得ることが可能な熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた簡便で製造効率に優れるポリウレタン成形品の製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するためにポリウレタン成形材料に関して鋭意研究を行った結果、イソシアネート成分と組み合わせるポリオール成分を特殊な組成とすると、これらの混合物は常温で硬化し、それにより得られるポリウレタン成形品は耐衝撃性に優れるとともに高い熱変形温度をも有することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち本発明は、イソシアネート成分とポリオール成分とからなるポリウレタン成形用の熱硬化性樹脂組成物であって、イソシアネート成分が分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含み、かつ、ポリオール成分が下記(A)、(B)および(C)のポリオールを含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物を提供するものである。
(A)分子内にスチレンおよび/またはアクリルニトリルを構成単位とするポリマー部分と3個以上の水酸基を有する分子量1000〜5000のポリマーポリオール;
(B)グリセリンまたはトリメチロールプロパンを出発物質としてプロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドにより鎖延長された末端に水酸基を有する分子量300〜1000のトリオール;
(C)エチレンジアミン、ジエチレントリアミンまたはトルエンジアミンを出発物質としてプロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドにより鎖延長された末端に4〜5個の水酸基を有する分子量300〜800のアミン系ポリオール。
【0009】
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いるポリマーポリオール中に占めるポリマー部分の割合として、具体的には、ポリマーポリオール全量に対して10〜50重量%程度の量を挙げることができる。
【0010】
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いるポリオール成分における(A)ポリマーポリオールと(B)トリオールの含有比率(A)/(B)は、具体的には、重量比率で0.1〜5程度である。
【0011】
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物におけるポリオール成分とイソシアネート成分の量比として、具体的には、NCOとOHのモル比NCO/OHで表されるNCOインデックスで0.8〜1.2程度の量比が挙げられる。
【0012】
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いるポリオール成分におけるアミン系ポリオールの含有量として、具体的には、前記(A)〜(C)のポリオールおよびポリイソシアネートの合計量に対して3〜30重量%程度の量を挙げることができる。
【0013】
さらに本発明は、上記(A)、(B)および(C)のポリオールを含むポリオール成分と、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含むイソシアネート成分とを、混合し、常温で反応、硬化させることを含むポリウレタン成形品の製造方法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。まず、本発明の熱硬化性樹脂組成物について説明する。
(1)本発明の熱硬化性樹脂組成物
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、イソシアネート成分とポリオール成分とからなり、前記両成分を例えば適当な型内等で、反応、硬化させることによって、ポリウレタン成形品が得られるような熱硬化性樹脂組成物である。以下、本発明の熱硬化性樹脂組成物を構成するポリオール成分、イソシアネート成分の順に説明する。
【0015】
(i)ポリオール成分
本発明の熱硬化性樹脂組成物を構成するポリオール成分は、上記(A)のポリマーポリオール、(B)のトリオール、および(C)のアミン系ポリオールを含有するものである。
【0016】
(A)ポリマーポリオール
本発明に用いるポリオール成分が含有するポリマーポリオールは、分子内にスチレンおよび/またはアクリルニトリルを構成単位とするポリマー部分と3個以上の水酸基を有するポリマーポリオールであり、その分子量は1000〜5000、好ましくは3000〜5000である。
【0017】
また、本発明に用いるポリマーポリオールの有する水酸基の数は上述の様に3個以上であるが、その好ましい数として3個〜4個程度が挙げられる。
上記ポリマーポリオールは、ポリエーテルポリオール中でスチレンおよび/またはアクリルニトリルをラジカル重合させて得られるものであり、ポリエーテルポリオールを幹の高分子鎖とし、スチレンポリマー、アクリルニトリルポリマーまたはスチレン−アクリルニトリルコポリマーを枝鎖とするグラフト共重合体の構造を有する。
【0018】
本発明に用いるポリマーポリオールにおけるスチレンポリマー部分、アクリルニトリルポリマー部分またはスチレン−アクリルニトリルコポリマー部分の重合度は、特に制限されないが、好ましくは20〜150程度である。また、上記ポリマーポリオール分子に含まれるスチレンおよび/またはアクリルニトリルを構成単位とするポリマー部分の量として、好ましくは、ポリマーポリオール全量に対して10〜50重量%程度、より好ましくは20〜40重量%程度の量を挙げることができる。なお、本明細書において「ポリマー部分」の用語は、モノマー単位としてスチレンとアクリロニトリルの両方が用いられる場合には、コポリマー部分を含むものとして解釈されるものである。
【0019】
(B)トリオール
本発明に用いるポリオール成分が含有するトリオールは、グリセリンまたはトリメチロールプロパンを出発物質としてプロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドにより鎖延長された末端に水酸基を有するグリセリンベースのトリオールであり、その分子量は300〜1000、好ましくは300〜600である。
【0020】
(C)アミン系ポリオール
本発明に用いるポリオール成分が含有するアミン系ポリオールは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンまたはトルエンジアミンを出発物質としてプロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドにより鎖延長された末端に4〜5個の水酸基を有するアミン系のポリオールであり、その分子量は300〜800、好ましくは300〜650である。
【0021】
上記(A)〜(C)の各ポリオールは、何れも従来公知の方法により得られるものである。
本発明に用いるポリオール成分は、上記(A)ポリマーポリオール、(B)トリオール、および(C)アミン系ポリオールを含有する。各ポリオールの含有量については、特に制限されるものではないが、ポリオール成分における(A)ポリマーポリオールと(B)トリオールの含有比率(A)/(B)は、好ましくは重量比率で0.1〜5程度、より好ましくは1〜5程度である。
【0022】
また、ポリオール成分におけるアミン系ポリオールの含有量として、好ましくは、(A)〜(C)のポリオールおよび、後述のイソシアネート成分中のポリイソシアネートを合計した量に対して3〜30重量%程度、より好ましくは、10〜25重量%程度の量を挙げることができる。
【0023】
本発明に用いるポリオール成分には、上記(A)、(B)、(C)のポリオールのそれぞれから1種が単独でまたは2種以上の組み合わせが適宜選択され、含有されるが、前記ポリオール以外のポリオールを含有することも可能である。さらに、これらのポリオール以外に、ポリウレタン樹脂を製造する際に通常用いられるポリオール成分が含有する各種成分の適当量を含有することができる。この様な成分として、例えば、反応を促進させるための触媒、難燃剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、染料、顔料、消泡剤等が挙げられる。
【0024】
また、上記触媒として、具体的には、3級アミン、イミダゾール、有機錫化合物、有機鉛化合物、有機カリウム塩、有機ナトリウム塩、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン)のフェノール、オクチル酸、オレイン酸等との塩等が挙げられる。さらに、上記難燃剤としては、水酸化アルミニウム、リン酸エステル類、メラミン、赤リン、膨張黒鉛等が、脱水剤としては、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、合成ゼオライト等が、可塑剤としては、DOP(ジ(2−エチルヘキシル)フタレート)、DOA(ジ(2−エチルヘキシル)アジペート)、DBP(ジブチルフタレート)等が、耐候剤としては、ポリウレタン樹脂に通常用いられる紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等を構成する成分と同様の化合物等が、消泡剤としては、シリコンオイル、オキシプロピレングリコールモノエーテル、アルキルフェノール等がそれぞれ挙げられる。
【0025】
なお、本発明に用いるポリオール成分においては、含有する(A)〜(C)のポリオールは上述のように何れも末端水酸基の化合物で構成されていることから、相溶性が良好であり、保存時の液分離等が殆ど起こらず作業性の点で有利である。
【0026】
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物を成形原料として得られるポリウレタン成形品は、後述のように優れた衝撃強度と高い熱変形温度をともに有するが、熱硬化性樹脂組成物を構成するポリオール成分中において上記(A)〜(C)のポリオールの配合比率を変化させることにより、上記優れた衝撃強度および耐熱性を有するポリウレタン成形品の曲げ弾性率を広い範囲で変化させることが可能である。
【0027】
(ii)イソシアネート成分
本発明の熱硬化性樹脂組成物を構成するイソシアネート成分は、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含有するものである。上記ポリイソシアネートとして、具体的には、ポリウレタン樹脂を製造する際に通常用いられるポリイソシアネートを特に制限なく挙げることができ、これらを単独でまたは2種以上組み合わせて用いることが可能である。
【0028】
この様なポリイソシアネートとして、より具体的には、トリレンジイソシアネート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート(精MDI)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート(ポリメリックMDI)、トリイジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添MDI、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。さらに、これらのポリイソシアネートの変性物、例えば、精MDIの部分カルボジイミド変性物等、やあらかじめ末端にイソシアネート基が残るようにポリオールと反応させたプレポリマーも使用することができる。
【0029】
本発明に用いるイソシアネート成分は、上記ポリイソシアネート以外に、ポリウレタン樹脂を製造する際に通常用いられるイソシアネート成分が含有する各種成分の適当量を含有することができる。この様な成分として、例えば、難燃剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、染料、顔料、消泡剤等が挙げられる。これら各種成分の具体例については、上記ポリオール成分で説明したのと同様のものが挙げられる。
【0030】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記イソシアネート成分とポリオール成分とからなる。本発明の熱硬化性樹脂組成物を構成するイソシアネート成分とポリオール成分は、通常、別々に保存され使用時に混合される。両成分は混合されると分子間架橋反応を開始し、反応が進むにつれて硬化してポリウレタン樹脂となる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物においては、上述の様にイソシアネート成分とポリオール成分が別々に存在する場合には両者を合わせてこれを熱硬化性樹脂組成物という。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物の範疇には、上記反応のためにイソシアネート成分とポリオール成分を混合して得られる混合物も含まれるものである。
【0031】
本発明の熱硬化性樹脂組成物におけるポリオール成分とイソシアネート成分の組成比率としては、NCOとOHのモル比NCO/OHで表されるNCOインデックスで、好ましくは0.8〜1.2程度、より好ましくは0.9〜1.1程度が挙げられる。
【0032】
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記ポリオール成分とイソシアネート成分以外の成分として、必要に応じて上述した様な触媒、難燃剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、染料、顔料、消泡剤等の各種成分を含んでもよい。これら各種成分は、上記のように前もってポリオール成分またはイソシアネート成分に添加される場合もあるが、上記ポリオール成分とイソシアネート成分を混合する際に添加することもできる。
【0033】
この様な本発明の熱硬化性樹脂組成物においては、これを構成するイソシアネート成分とポリオール成分を、通常は適当な型内で、反応、硬化させることによりポリウレタン成形品が得られる。この際の反応・硬化は、加温条件下で行われてもよいが、常温、常圧で行うことが可能であり、本発明の熱硬化性樹脂組成物においては、これが一般的である。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いて得られるポリウレタン成形品は、従来のウレタン樹脂成形品やエポキシ樹脂成形品にない高い衝撃強度と高い熱変形温度を併せて有するものである。
【0034】
したがって、本発明の熱硬化性樹脂組成物を用れば、簡易な装置で、高い作業効率をもって、耐衝撃性に優れるとともに、高い熱変形温度を有するポリウレタン成形品を製造することができる。
【0035】
次に、本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いた本発明のポリウレタン成形品の製造方法について具体的に説明する。
(2)本発明のポリウレタン成形品の製造方法
本発明のポリウレタン成形品の製造方法は、上記本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いてポリウレタン成形品を製造するものであり、上記(A)、(B)および(C)のポリオールを含むポリオール成分と、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含むイソシアネート成分とを、混合し、常温で反応、硬化させることを含むポリウレタン成形品の製造方法である。
【0036】
本発明の製造方法に用いるポリオール成分およびイソシアネート成分あるいはこれらの混合割合については、上記(1)本発明の熱硬化性樹脂組成物で記載した通りである。また、本発明の製造方法においては、ポリオール成分とイソシアネート成分以外の成分、例えば、触媒、難燃剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、染料、顔料、消泡剤等の各種成分を、ポリオール成分とイソシアネート成分の混合時に必要に応じて添加することが可能である。これら各種成分の具体例については、上記(1)で説明したのと同様である。
【0037】
本発明の製造方法においては、通常の熱硬化性樹脂組成物に用いられる成形法が特に制限されずに適用されるが、注形成形により本発明の製造方法を実施することが特に好ましいといえる。本発明の製造方法を注形成形によって実施する場合には、例えば、ポリオール成分とイソシアネート成分および必要に応じて添加される成分からなる原料成分を混合した後、直ちに所望の型に注入する。なお、本発明の製造方法においては、混合から硬化開始までの時間を、アミン系ポリオールの種類、使用量および触媒の種類、使用量等によって、30秒〜10分に調整することが望ましい。この混合から硬化開始までの時間は、注入する際の注入方法、具体的には、手作業か機械注入か等に応じて、あるいは、注入機の吐出能力、注入する型の空隙の大きさ、すなわち得ようとする成形品の大きさ等に応じて適宜調整されるものである。
【0038】
本発明の製造方法に用いる原料成分は、常温、常圧で反応して硬化することから、上記型内に注入された原料成分は、適当な時間型内に放置されることで硬化して成形品となる。本発明の製造方法における硬化開始から完了までの時間は、用いる原料成分の組成等により異なるが、概ね20分〜90分である。原料成分が十分に硬化するまでの時間型内に放置した後、脱型してポリウレタン成形品を得る。ここで、本明細書において常温とは、約10〜30℃をいい、常圧とは大気圧をいう。また、脱型した成形品の物性を安定させるために、加熱によるキュアリングを行ってもよい。
【0039】
また、上記原料成分の混合に用いる装置や混合物の型への注入に用いる装置としては、ポリウレタン成形品の製造に通常用いられる混合注入装置、例えば、低圧型ダイナミックミキサー式注入機、低圧型スタティックミキサー式注入機、高圧型注入機等を挙げることができる。本発明の製造方法に用いる注形用の型については、上述の様に原料成分の反応・硬化に加熱、加圧等を必要としないことから、例えば、樹脂型やFRP型等の簡易型が適用可能であり、これによって製造装置全体の簡素化が図れる。また、型内での原料成分の反応・硬化が常温で行われるため、成形収縮が少なく、型の設計も容易である。
【0040】
この様に本発明のポリウレタン成形品の製造方法によれば、加熱、加圧等を必要としないため簡易な装置でポリウレタン成形品の製造が可能である。また、本発明の製造方法により得られるポリウレタン成形品は、充填剤等を添加しなくても十分に耐衝撃性に優れるとともに高い熱変形温度を有するものである。さらに、原料成分に充填剤を添加しなければ強度が十分にでない樹脂においては、樹脂原液は充填剤を含むことから粘度が高く、混合、注形に困難をきたす場合があるが、本発明の製造方法においては原料成分に充填剤を添加する必要がないので、あるいは添加しても流動性に影響を与える程の添加量を必要としないので、作業性の点で有利である。また、本発明の製造方法は、簡易的であるが、FRPのハンドレイアップのように特殊な技術の必要はなく、成形品の製造は容易である。
【0041】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明する。
【0042】
【実施例1〜17、比較例1〜8】
表1および表2に示される組成で実施例1〜17の熱硬化性樹脂組成物を製造し、得られた熱硬化性樹脂組成物を注型、硬化させてポリウレタン成形品を得た。
【0043】
すなわち、所定量のポリオール、触媒、消泡剤を混合して調製したポリオール成分と、ポリイソシアネートからなるイソシアネート成分を25℃に保ち、所定の比率で混合した。混合は攪拌翼を備えた電動ドリル(2200rpm)を使用した10秒間の攪拌により行われた。この様にして得られた熱硬化性樹脂組成物を型温が室温に調整された所定の型に流し込み、そのまま室温で30分放置し硬化させた後、脱型してポリウレタン成形品を得た。なお、実施例12のみ室温での放置時間を60分とした。
【0044】
脱型後のポリウレタン成形品は、80℃で14時間放置後、室温まで戻して、JISK6911に基づいて、比重、ショアD硬度、曲げ強度(N/mm2)、曲げ弾性率(N/mm2)、引張強度(N/mm2)、破断伸び(%)、シャルピー衝撃強度(kJ/m2)、圧縮強度(N/mm2)、熱変形温度(℃)等の物性の測定を行った。結果を表1、表2の最下欄に示す。
【0045】
同様にして表3に示される組成で比較例1〜8の熱硬化性樹脂組成物を製造し、注型、硬化を行いポリウレタン成形品を得、上記同様にして物性の測定を行った。結果を表3の最下欄に示す。
【0046】
なお、表1〜表3において使用した原料の詳細をポリオールについては表4にその他原料成分については表5に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004113624
【0048】
【表2】
Figure 0004113624
【0049】
【表3】
Figure 0004113624
【0050】
【表4】
Figure 0004113624
【0051】
【表5】
Figure 0004113624
これらの結果から明らかなように、比較例では耐熱性と耐衝撃性がともに優れたポリウレタン成形品は得られなかったのに比べ、本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化して得られるポリウレタン成形品は、高い耐熱性を有するとともに、耐衝撃性にも優れるものである。
【0052】
【発明の効果】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、常温硬化が可能であり、硬化して得られるポリウレタン成形品は高い耐熱性を有するとともに、耐衝撃性にも優れる。また、本発明の製造方法によれば、ポリウレタン成形品を簡便で効率よく製造することが可能である。この様な、本発明の熱硬化性樹脂組成物およびこれを用いたポリウレタン成形品の製造方法は、成形品を製造する方法が簡便でコストパフォーマンスが高いことから、自動車部品や各種製品の試作品の製造等の小ロット、多品種生産での利用が期待できる。

Claims (6)

  1. イソシアネート成分とポリオール成分とからなる、ポリウレタン成形用の熱硬化性樹脂組成物であって、イソシアネート成分が分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含み、かつ、ポリオール成分が下記(A)、(B)および(C)のポリオールを含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物:
    (A)分子内にスチレンおよび/またはアクリルニトリルを構成単位とするポリマー部分と3個以上の水酸基を有する分子量1000〜5000のポリマーポリオール;
    (B)グリセリンまたはトリメチロールプロパンを出発物質としてプロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドにより鎖延長された末端に水酸基を有する分子量300〜1000のトリオール;
    (C)エチレンジアミン、ジエチレントリアミンまたはトルエンジアミンを出発物質としてプロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドにより鎖延長された末端に4〜5個の水酸基を有する分子量300〜800のアミン系ポリオール。
  2. ポリマーポリオールにおけるポリマー部分の占める割合が10〜50重量%であることを特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. ポリオール成分における(A)ポリマーポリオールと(B)トリオールの含有重量比率(A)/(B)が、0.1〜5である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 組成物におけるポリオール成分とイソシアネート成分の量比が、NCOとOHのモル比NCO/OHで表されるNCOインデックスで0.8〜1.2である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. ポリオール成分におけるアミン系ポリオールの含有量が、前記(A)〜(C)のポリオールおよびポリイソシアネートの合計量に対して3〜30重量%である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 下記(A)、(B)および(C)のポリオールを含むポリオール成分と、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含むイソシアネート成分とを、混合し、常温で反応、硬化させることを含むポリウレタン成形品の製造方法。
    (A)分子内にスチレンおよび/またはアクリルニトリルを構成単位とするポリマー部分と3個以上の水酸基を有する分子量1000〜5000のポリマーポリオール;
    (B)グリセリンまたはトリメチロールプロパンを出発物質としてプロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドにより鎖延長された末端に水酸基を有する分子量300〜1000のトリオール;
    (C)エチレンジアミン、ジエチレントリアミンまたはトルエンジアミンを出発物質としてプロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドにより鎖延長された末端に4〜5個の水酸基を有する分子量300〜800のアミン系ポリオール。
JP31769598A 1998-11-09 1998-11-09 熱硬化性樹脂組成物 Expired - Fee Related JP4113624B2 (ja)

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