JP2001301426A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2001301426A
JP2001301426A JP2000116444A JP2000116444A JP2001301426A JP 2001301426 A JP2001301426 A JP 2001301426A JP 2000116444 A JP2000116444 A JP 2000116444A JP 2000116444 A JP2000116444 A JP 2000116444A JP 2001301426 A JP2001301426 A JP 2001301426A
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tread
width
ground
contour
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Junichiro Wada
淳一郎 和田
Hiroyuki Matsumoto
浩幸 松本
Arata Tomita
冨田  新
Akisada Shimizu
明禎 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回時と直進時とのショルダ部(ショルダリ
ブ)の局所摩耗を顕著に軽減して耐偏摩耗性を大幅に向
上させた空気入りタイヤを提供する。 【解決手段】 最大負荷能力に対応する最高空気圧を充
てんしたタイヤとリムとの組立体に、その最大負荷能力
に相当する荷重を負荷した接地平面上のトレッド部は、
接地幅TWの3 〜25% で各接地幅端から内側に隔てた位置
を境界とし、この二つの境界が挟む中央領域の接地輪郭
とその両側のショルダ領域の接地輪郭とが境界にて屈折
する接地輪郭を有し、中央領域の接地輪郭からショルダ
領域に向かう延長線は、ショルダ領域の接地輪郭より内
側に位置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気入りタイ
ヤ、より詳細には、トラック及びバスなどの重車両の使
途に供するラジアルプライタイヤに関し、特に、トレッ
ド部両側域のショル部の耐偏摩耗性を大幅に向上させた
空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】冒頭で述べた種類の空気入りタイヤは、
その断面で見て、トレッド部のクラウン(踏面)輪郭
を、タイヤ半径方向外側に向け凸をなす1個以上の円弧
により形成している。それは、タイヤ赤道面乃至その近
傍位置の半径と、ショルダ部の半径との間に多少に係わ
らず半径差を設け、これにより、車両の旋回時に、タイ
ヤに不可避的に作用する横力のうち、ショルダ部が負担
する横力、換言すればトレッド部幅方向せん断力を適度
な値に収め、ショルダ部に不都合が生じないようにす
る、との意図に基づく。
【0003】しかし、その一方で、車両の直進走行時に
おいては、半径差に基づき転動速度差が生じ、特に、タ
イヤ赤道面乃至その近傍位置とショルダ部との間の転動
速度差は著しく、その結果、ショルダ部に制動力が発生
し、この制動力によりショルダ部のトレッドゴムは摩耗
が促進され、局所摩耗を呈し、いわゆる偏摩耗を発生す
る。この種の偏摩耗は、トレッド部両側域に設けた周方
向溝が区画形成するショルダリブの場合が特に著しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したところを纏め
れば、車両の旋回走行時と直進走行時とのショルダ部の
局所摩耗は二律背反の関係を有し、それ故、トレッド部
断面のクラウン輪郭を1以上の円弧をどのように調整し
ても両者を同時に改善することは困難である、というこ
とである。
【0005】従って、この発明の請求項1〜6に記載し
た発明の目的は、上記の二律背反問題の全面解決にあ
り、より具体的には、車両の旋回走行時と直進走行時と
のショルダ部の局所摩耗、特にショルダリブの局所摩
耗、すなわち偏摩耗を顕著に軽減して耐偏摩耗性を大幅
に向上させた空気入りタイヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の請求項1に記載した発明その一は、トレ
ッドゴムを備えるトレッド部と、その両側に連なる一対
のサイドウォール部及び一対のビード部とを有し、これ
ら各部を一対のビード部相互間にわたり補強するラジア
ルプライのカーカスと、カーカス外周でトレッド部を強
化する複数層のゴム被覆コード層のベルトとを備える空
気入りタイヤにおいて、タイヤをその適用リムに組付
け、これに最大負荷能力に対応する最高空気圧を充てん
したタイヤとリムとの組立体に、該タイヤの最大負荷能
力に相当する荷重を負荷した接地平面上のトレッド部
は、接地幅TWの3〜25%の範囲内で各接地幅端から
内側に隔てた位置を境界とし、この二つの境界が挟む中
央領域の接地輪郭と、その両側のショルダ領域の接地輪
郭とが上記境界にて屈折する接地輪郭を有し、中央領域
の接地輪郭からショルダ領域に向かう延長線は、ショル
ダ領域の接地輪郭より内側に位置することを特徴とする
空気入りタイヤである。
【0007】ここに、請求項1に記載した適用リム、最
大負荷能力及び最高空気圧は、主としてETRTO STANDARD
MANUAL 2000に、従としてJATMA YEAR BOOK 2000及びTR
A 2000 YEAR BOOK(THE TIRE and RIM ASSOCIATION IN
C.) などの規格に記載した内容に従う。例えば、ETRTO
STANDARD MANUAL 2000において、適用リムはAPPPROVEDR
IM CONTOURSで記載し、最大負荷能力はLOAD CAPACITY P
ER AKLEで記載し、最高空気圧は最大負荷能力に対応す
るINFLATION PRESSUREで記載している。
【0008】また、接地幅TWは、JATMA YEAR BOOK 20
00の一般情報の章に記載している「接地幅」の定義に基
づく、タイヤ軸方向最大直線距離の両端を指す。ただ
し、定義中の「規定の空気圧」には最高空気圧を適用
し、「規定の質量」には最大負荷能力に対応する荷重を
適用するものとする。
【0009】請求項2に記載した発明に関し、請求項2
に記載した発明のように、上記接地平面上のトレッド部
は、接地幅TWに対する、接地幅全体にわたる平均接地
長さLM の比LM /TWの値と、接地幅中央の接地長さ
C に対する接地端縁の接地長さLE の比LE /LC
値であらわす矩形率との積が、0.75〜1.0の範囲
内にある接地輪郭を有する。
【0010】請求項1、2に記載した発明に関し、請求
項3に記載した発明のように、上記接地平面上にて、接
地幅端の接地長さLE から上記境界における接地長さL
B を差し引いた値LE −LB =Aの、境界から接地幅端
までの幅RWに対する比A/RWの値が、−0.1〜
1.25の範囲内にある。
【0011】前記目的を達成するため、この発明のその
一を実現する一手段として、この発明のその二に記載し
た発明は、請求項4に記載したように、トレッドゴムを
備えるトレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウ
ォール部及び一対のビード部とを有し、これら各部を一
対のビード部相互間にわたり補強するラジアルプライの
カーカスと、カーカス外周でトレッド部を強化する複数
層のゴム被覆コード層のベルトとを備える空気入りタイ
ヤにおいて、トレッド部は、その踏面各幅端から踏面幅
の15〜30%の範囲内に周方向主溝を備え、タイヤを
その適用リムに組付け、これに最大負荷能力に対応する
最高空気圧の10%に相当する内圧を充てんしたタイヤ
とリムとの組立体断面にて、踏面輪郭の延長線で上記主
溝開口部を滑らかに覆う延長曲線の中点を通る、カーカ
スプライの厚み中央を連ねるカーカスラインの法線か
ら、該法線を挟む両側で、それぞれ主溝幅の1.5倍の
距離を隔てる領域内にトレッドゴムは最小ゲージを有す
ることを特徴とする空気入りタイヤである。
【0012】請求項4に記載した発明に関し、請求項5
に記載した発明のように、踏面輪郭とベルト最外コード
層との間のトレッドゴムゲージ分布につき、上記法線か
ら両側にそれぞれ主溝幅の0.25〜2.0倍の範囲内
の距離を隔てる領域内のトレッドゴムゲージは、残余領
域の平均トレッドゴムゲージに比しより小さな値を有す
る。
【0013】請求項4、5に記載した発明に関し、請求
項6に記載した発明のように、ビードコアの断面図形の
重心を通る、タイヤ軸線と平行な直線から測ったカーカ
スライン最大幅位置までの距離hの、同じ直線から測っ
たタイヤ赤道面を通るカーカスライン位置までの距離H
に対する比h/Hの値が、0.4〜0.6の範囲内にあ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明その一の実施の形
態を図1〜図3に基づき説明する。図1は、この発明の
空気入りタイヤの右半断面図であり、図2は、図1に示
すタイヤの接地平面上の右半接地輪郭図であり、図3
は、図2に示す接地輪郭を有する空気入りタイヤの作用
効果の説明図である。
【0015】図1において、空気入りタイヤ(以下タイ
ヤという)1は、トレッド部2と、その両側に連なる一
対のサイドウォール部3(片側のみ示す)及び一対のビ
ード部4とを有する。また、タイヤ1は、ビード部4内
に埋設したビードコア5相互間にわたり延びるラジアル
プライのカーカス6と、カーカス6の外周にベルト7と
を備える。
【0016】カーカス6は、ラジアル配列コードのゴム
被覆プライからなり、タイヤ1の各部2〜4を補強す
る。カーカス6のプライコードにはスチールコードなど
の高弾性率高強力コードの適用が好ましい。また、ベル
ト7は、2層以上、図示例は3層のゴム被覆スチールコ
ード層を有し、少なくとも隣接する2層はコード交差層
を形成してトレッド部2を強化する。
【0017】また、タイヤ1は、トレッド部2にベルト
7に隣接配置するトレッドゴム8を備えることは必須と
し、トレッド部2は、そのショルダ部に周方向主溝9
と、主溝9が区画形成するショルダリブ10とを有する
例を示した。よって、周方向主溝9とショルダリブ10
とを省くことができる。
【0018】ここに、図1は、タイヤ1を、断面輪郭の
みを示す適用リム11に組付け、これにタイヤ1の最大
負荷能力に対応する最高空気圧を充てんしたタイヤ1及
びリム11の組立体の断面を示すものである。この組立
体にタイヤ1の最大負荷能力に相当する荷重を負荷して
タイヤ1を平面板に押圧し、トレッド部2の踏面2tの
接地形状を得る。この接地形状の右半輪郭のみを図2に
示す。なお、主溝9などの凹部で接地しない部分は内挿
により全体輪郭を得るものとする。
【0019】ここで、上記の状態下におけるタイヤ1
は、トレッド部2が、以下に述べる接地平面上での特異
な接地輪郭ORC〜ORS〜OWE〜ORS〜ORC(片半)を有
するものとする。すなわち、図2において、接地平面上
のトレッド部2は、接地幅TWの3〜25%の範囲内で
各接地幅端WE からそれぞれ隔てた位置を境界BL
し、この二つの境界BL が挟む中央領域RC の接地輪郭
RCと、その両側のショルダ領域RS の接地輪郭ORS
が境界BL 上の位置J、Kにて屈折する接地輪郭を有す
るということ、そして、中央領域RC の接地輪郭ORC
らショルダ領域RSに向かう延長線(二点鎖線で示す)
は、ショルダ領域RS の接地輪郭ORSより内側に位置す
る、というものである。
【0020】接地幅TWの定義は先に述べた通りであ
る。また、位置J、Kの接地輪郭は図示のように、角形
状の場合の他に円弧などの曲線形状の場合も含む。曲線
形状の場合の位置J、Kは、最も内側の点を採用する。
【0021】上述した接地輪郭をもつトレッド部2を備
えるタイヤ1は、下記の効果を奏する。すなわち、効果
その一は、荷重負荷の下で転動するタイヤ1の接地踏込
み側で、従来タイヤでは、ショルダ部(ショルダリブ)
の接地開始時期が、タイヤ内側からタイヤ外側へ向く順
序であるのに対し、タイヤ1は、ショルダ領域RS の踏
面2t 部分の接地開始時期をタイヤ外側からタイヤ内側
へ向く順序に変えることができ、これにより接地幅端W
E を通る端縁輪郭OWE、すなわちトレッド部2の幅端T
e の接地開始時期が従来タイヤより早まる。
【0022】ところで、トレッド部2が接地する際、断
面が全体として凸状をなすトレッド部2は、平坦路面に
合わせタイヤ赤道面Eに向け強制曲げ変形の作用を受け
る。このとき、トレッド部2の幅端Te の接地開始時期
が早まると、接地時のショルダ領域RS 下方のトレッド
ゴム8部分(以下ショルダ部という)のタイヤ赤道面E
に向かう変形が抑制される。その一方で、幅端Te は、
ベルト7の最大幅端よりタイヤ1の外側に位置している
ので、効果その二として、接地時のタイヤ1の右半を簡
略図解した図3の断面図に示すように、接地領域内のシ
ョルダ部にはトレッド部2の幅方向外向きのせん断力f
w が発生する。
【0023】図3は、車両の左旋回時にショルダ部に作
用する横力SF、すなわち内向きせん断力SFの方向を
示し、これから明らかなように、接地領域内のショルダ
部から発生する外向きのせん断力fw は、内向きのせん
断力SFを減殺するように働く結果、車両旋回時に、シ
ョルダ部のトレッドゴム8部分に作用する内向きのせん
断力は大幅に低減する。外向きせん断力fw を有効に発
生させるには、境界B L が接地幅TWの3〜25%の範
囲内に存在しなければならず、この範囲を外れると有効
な外向きせん断力fw を得ることができない。
【0024】車両の旋回時に、ショルダ部に加えられる
内向きせん断力が大幅に低減するので、タイヤ1の旋回
運動に伴うショルダ部の摩耗促進は軽減される。この軽
減により、効果その三として、旋回運動時のショルダ部
の摩耗に煩わされず独立で、車両の直進走行時における
ショルダ部の摩耗に対し、トレッド部2の断面輪郭形状
を最適化することができ、結局、効果その一〜その三に
より、ショルダ部のエッジ摩耗に係る耐偏摩耗を顕著に
向上させることが可能となる。
【0025】また、実際上は、前記した接地平面上のト
レッド部2は、接地幅TWに対する、接地幅TW全体に
わたる平均接地長さLM の比LM /TWの値と、接地幅
TW中央eの接地長さLC に対する接地端縁OWEの接地
長さLE の比LE /LC の値であらわす矩形率との積
(LM /TW)×(LE /LC )が、0.75〜1.0
の範囲内にある接地輪郭を有するのが適合する。なお、
接地幅TW中央eはタイヤ赤道面Eと一致する直線であ
り、接地長さは中央直線eと平行に測った上下接地輪郭
RC、ORS間の距離である。
【0026】積(LM /TW)×(LE /LC )の値
が、上記の範囲内にあることで、ショルダ部の偏摩耗抑
制の効果向上に寄与する。この値が0.75未満では、
ショルダ部の偏摩耗が有効に抑制できず、これが1.0
を超えると、トレッド部2の中央領域に偏摩耗が発生す
る不都合が生じるので、いずれも好ましくない。
【0027】また、前記した接地平面上にて、接地幅端
E の接地長さLE から境界BL における接地長さLB
を差し引いた値LE −LB =Aの、境界BL から接地幅
端W E までの幅RWに対する比A/RWの値が、−0.
1〜1.25の範囲内にあるのが、ショルダ部の有効な
偏摩耗抑制効果をもたらす点で適合する。
【0028】比A/RWの値が負の場合、その絶対値が
0.1を超えると、ショルダ部の偏摩耗を有効に抑制し
難い不都合が生じ、正の値の場合、1.25を超える
と、トレッド部2の幅端Te での摩耗量が著しく多くな
る不具合が生じるので、いずれも好ましくない。
【0029】次に、この発明のその一を実現する代表例
としての、この発明その二の実施の形態を図4及び図5
に基づき説明する。図4は、図1同様に示すこの発明の
タイヤの右半断面図であり、図5は、図4に示すタイヤ
の要部拡大断面図である。
【0030】図4に示すタイヤ1の基本構成は図1に示
すタイヤ1と同じであり、説明の重複を避けるため、図
1に示すタイヤ1と異なる部分につき、以下説明する。
図4及び図5に示すタイヤ1とその適用リム11との組
立体は、タイヤ1の最大負荷能力に対応する最高空気圧
の10%に相当する低内圧を充てんした状態にある。こ
れは、リム11に組付けた状態で、内圧などの外力を成
るべく作用させない元来の形状をもつタイヤ1を得るこ
とを意図したものである。
【0031】図4及び図5において、タイヤ1は、トレ
ッド部2の踏面2t 各幅端Te から踏面幅Twの15〜
30%の範囲内に、溝幅wの中央又は最大溝深さが位置
する周方向主溝9を備える。そして、図4の拡大断面に
示すように、タイヤ1は、踏面2t の輪郭の延長線で主
溝9の開口部を滑らかに覆う延長曲線EL の中点Pを通
るカーカスラインCLの法線LN から、法線LN を挟む
両側で、それぞれ主溝9の幅wの1.5倍の距離を隔て
る領域X内に、トレッドゴム8の最小ゲージGt を有す
る。タイヤ1がトラック及びバス用の場合、最小ゲージ
Gt は15mm以上とするのが好ましい。
【0032】カーカスラインCLとは、図4に細線で示
すように、カーカス6のプライの厚み中央を連ねる線で
ある。なお、主溝9を含む他の凹部についてのトレッド
ゴム8のゲージGt は、凹部の開口部を滑らかに覆う延
長線からベルト7の最外コード層までのゲージである。
【0033】領域X内に、トレッドゴム8の最小ゲージ
Gt を有するタイヤ1に、最高空気圧乃至それに近い実
使用空気圧を充てんすると、カーカス6は、法線LN
側のカーカスラインCLがタイヤ1の外側に向け張出す
一方、法線LN とその近傍のカーカスラインCLはタイ
ヤ1の内側に向け張出す挙動を示す。
【0034】その結果、周方向主溝9が区画形成するシ
ョルダリブ10は、トレッド部2の各幅端Te が、主溝
9の溝縁側に比しタイヤ半径方向外方により張出す。こ
れにより、最大負荷能力に相当する荷重負荷の下で、最
高空気圧を充てんしたタイヤ1は、この発明その一に記
載した構成を実現し、図2に示す接地輪郭を得ることと
ができ、ショルダリブ10のエッジ摩耗に係る耐偏摩耗
が顕著に向上する。
【0035】また、踏面2t の輪郭とベルト7の最外コ
ード層との間のトレッドゴムゲージGt は次に述べる分
布が上記の効果をより一層高めることに寄与する。すな
わち、法線LN から両側にそれぞれ主溝幅wの0.25
〜2.0倍の範囲内の距離を隔てる領域Y内のトレッド
ゴムゲージGt は、残余領域のトレッドゴムゲージGt
の平均値に比しより小さな値を有するものとする、とい
うことである。領域Yが主溝幅wの0.25倍未満で
も、2.0倍を超えてもショルダリブ10の幅端Te 側
のより大きな張出しに寄与しない。
【0036】また、カーカスラインCLは、次に述べる
形状が上記の張出し挙動効果をより一層高めることに寄
与する。すなわち、図4において、ビードコア5の断面
図形の重心CGを通る、タイヤ軸線と平行な直線LCG
ら測ったカーカスラインCLの最大幅位置Mまでの距離
hの、同じ直線LCGから測ったタイヤ赤道面Eを通るカ
ーカスライン位置までの距離Hに対する比h/Hの値を
0.4〜0.6の範囲内とする、ということである。距
離hは、位置Mを通る直線LCGと平行な直線L M までの
高さで示す。
【0037】
【実施例】トラック及びバス用ラジアルプライタイヤ
で、サイズが315/80R22.5であり、タイヤ構
成は、この発明のその一に係る実施例1、2が図1に従
い、この発明のその二に係る実施例3、4が図4、5に
従う。実施例1、2のタイヤ1は、境界BL が接地幅T
Wの18%に位置し、積(LM /TW)×(LE /L
C )の値が0.83であり、実施例3、4のタイヤの周
方向主溝9は、幅端Teからトレッド部2の幅Twの2
1%に位置し、溝幅wは10mmであり、領域X、Yを
除く部分のトレッドゲージGt は一定の21.8mmで
ある。
【0038】実施例1、2のタイヤの耐偏摩耗性を評価
するため、従来例1のタイヤ及び比較例1のタイヤを併
せ準備し、実施例3、4の耐偏摩耗性を評価するため、
従来例2のタイヤ及び比較例2〜4のタイヤを併せ準備
した。各タイヤの諸元を、表1及び表2に示す。各従来
例タイヤ及び各比較例タイヤは表1及び表2に記載した
諸元を除く他は対応する実施例タイヤと同じ構成を有す
る。また、境界BL を有していない表1にて従来例1の
タイヤは、各実施例タイヤと同じ幅RW位置での接地長
さLB 、LE の値を記載した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】これらタイヤを供試タイヤとして、これら
タイヤを、ETRTO 規格に従うMEASURING RIM WIDTH CODE
9.00のリムに組付け、同規格に従う825kPa の
最高空気圧を充てんし、同規格に従う32.8kNの荷重
負荷の下で、2−D4形式(前1軸、後2軸、Dは駆動
軸、数値は1軸当りの装着タイヤ本数)で積載量98k
Nのトラックの前輪に装着し、高速道路60%、一般路
40%の割合で、高速道路は速度80km/h、一般路は速
度50km/hで合計6万km走行させた後、ショルダリブ
9の平均摩耗量を測定した。測定結果は、従来例タイヤ
1、2の平均摩耗量6.7mmを100とする指数にて
あらわし、値が小なるほど良いとした。この結果をそれ
ぞれ表1及び表2に記載する。
【0042】表1及び表2が示す結果から、各実施例タ
イヤは、従来例1、2のタイヤ対比、ショルダリブ(シ
ョルダ部)の耐偏摩耗性が格段に向上していること、そ
して、比較例1のタイヤでは従来例1のタイヤ対比大幅
に耐偏摩耗性が低下し、比較例2〜4のタイヤでも、従
来例2のタイヤ対比での耐偏摩耗性改善は小幅に留まっ
ていることが分かる。
【0043】
【発明の効果】この発明の請求項1〜6に記載した発明
によれば、特に、重車両の操舵輪として使用するタイヤ
に固有なショルダリブの局所摩耗であるエッジ摩耗を顕
著に軽減して耐偏摩耗性を大幅に向上させることがで
き、このことより、車両の旋回走行時と直進走行時との
ショルダリブの局所摩耗に係る二律背反問題を完全に解
決することが可能な空気入りタイヤを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の空気入りタイヤの右半断面図であ
る。
【図2】 図1に示すタイヤの接地平面上の右半接地輪
郭図である。
【図3】 図2に示す接地輪郭を有する空気入りタイヤ
の作用効果の説明図である。
【図4】 図1同様に示すこの発明のタイヤの右半断面
図である。
【図5】 図4に示すタイヤの要部拡大断面図である。
【符号の説明】 1 タイヤ 2 トレッド部 2t 踏面 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 7 ベルト 8 トレッドゴム 9 周方向主溝 10 ショルダリブ 11 リム E タイヤ赤道面 Te トレッド部幅端 TW 接地幅 WE 接地幅端 BL 境界 RC 中央領域 RS ショルダ領域 ORC、ORS、OWE 接地輪郭 J、K 境界上の接地輪郭位置 e 接地幅中央 LC 接地幅中央の接地長さ LE 接地幅縁の接地長さ LB 境界の接地長さ RW 境界から接地幅端までの幅 CL カーカスライン M カーカスライン最大幅位置 CG ビードコアの断面図形の重心 h 重心CGからカーカスライン最大幅位置までの高さ H 重心CGからカーカスラインのタイヤ赤道面位置ま
での高さ Tw 踏面幅 EL 踏面輪郭の延長線 P 延長線の中点 LN 法線 w 周方向主溝の幅 X 法線の両側の1.5×wの領域 T 法線の両側の0.25×w〜2.0×wの領域

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッドゴムを備えるトレッド部と、そ
    の両側に連なる一対のサイドウォール部及び一対のビー
    ド部とを有し、これら各部を一対のビード部相互間にわ
    たり補強するラジアルプライのカーカスと、カーカス外
    周でトレッド部を強化する複数層のゴム被覆コード層の
    ベルトとを備える空気入りタイヤにおいて、 タイヤをその適用リムに組付け、これに最大負荷能力に
    対応する最高空気圧を充てんしたタイヤとリムとの組立
    体に、該タイヤの最大負荷能力に相当する荷重を負荷し
    た接地平面上のトレッド部は、接地幅(TW)の3〜2
    5%の範囲内で各接地幅端から内側に隔てた位置を境界
    とし、この二つの境界が挟む中央領域の接地輪郭と、そ
    の両側のショルダ領域の接地輪郭とが上記境界にて屈折
    する接地輪郭を有し、中央領域の接地輪郭からショルダ
    領域に向かう延長線は、ショルダ領域の接地輪郭より内
    側に位置することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 上記接地平面上のトレッド部は、接地幅
    (TW)に対する、接地幅全体にわたる平均接地長さ
    (LM )の比(LM /TW)の値と、接地幅中央の接地
    長さ(LC )に対する接地端縁の接地長さ(LE )の比
    (LE /LC )の値であらわす矩形率との積が、0.7
    5〜1.0の範囲内にある接地輪郭を有する請求項1に
    記載したタイヤ。
  3. 【請求項3】 上記接地平面上にて、接地幅端の接地長
    さ(LE )から上記境界における接地長さ(LB )を差
    し引いた値(LE −LB =A)の、境界から接地幅端ま
    での幅(RW)に対する比(A/RW)の値が、−0.
    1〜1.25の範囲内にある請求項1又は2に記載した
    タイヤ。
  4. 【請求項4】 トレッドゴムを備えるトレッド部と、そ
    の両側に連なる一対のサイドウォール部及び一対のビー
    ド部とを有し、これら各部を一対のビード部相互間にわ
    たり補強するラジアルプライのカーカスと、カーカス外
    周でトレッド部を強化する複数層のゴム被覆コード層の
    ベルトとを備える空気入りタイヤにおいて、 トレッド部は、その踏面各幅端から踏面幅の15〜30
    %の範囲内に周方向主溝を備え、 タイヤをその適用リムに組付け、これに最大負荷能力に
    対応する最高空気圧の10%に相当する内圧を充てんし
    たタイヤとリムとの組立体断面にて、踏面輪郭の延長線
    で上記主溝開口部を滑らかに覆う延長曲線の中点を通
    る、カーカスプライの厚み中央を連ねるカーカスライン
    の法線から、該法線を挟む両側で、それぞれ主溝幅の
    1.5倍の距離を隔てる領域内にトレッドゴムは最小ゲ
    ージを有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 踏面輪郭とベルト最外コード層との間の
    トレッドゴムゲージ分布につき、上記法線から両側にそ
    れぞれ主溝幅の0.25〜2.0倍の範囲内の距離を隔
    てる領域内のトレッドゴムゲージは、残余領域の平均ト
    レッドゴムゲージに比しより小さな値を有する請求項4
    に記載したタイヤ。
  6. 【請求項6】 ビードコアの断面図形の重心を通る、タ
    イヤ軸線と平行な直線から測ったカーカスライン最大幅
    位置までの距離(h)の、同じ直線から測ったタイヤ赤
    道面を通るカーカスライン位置までの距離(H)に対す
    る比(h/H)の値が、0.4〜0.6の範囲内にある
    請求項4又は5に記載したタイヤ
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008049967A (ja) * 2006-08-28 2008-03-06 Sumitomo Rubber Ind Ltd 重荷重用タイヤ

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