JP2001300784A - 研削スラッジの固形化物製造装置 - Google Patents
研削スラッジの固形化物製造装置Info
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Abstract
クーラントが絞り出し易くて、効率良く固形化ができ、
崩れ難い強固なブリケットを製造することができる研削
スラッジのブリケット製造装置を提供する。 【解決手段】 この装置は、焼入れ部品の研削ラインで
発生したクーラント含有の研削スラッジをろ過した濃縮
スラッジを、圧搾により固形化してブリケットBとする
ものである。上記濃縮スラッジを一定量収容して予備圧
搾する1次プレス部31を備え、この1次プレス部31
で濃縮スラッジを所定の温度範囲に加熱保持する加熱手
段40を設ける。
Description
削ラインで発生した研削スラッジ、例えば転がり軸受の
内外輪や転動体等の鉄系構成部品や、その他の軸受用鋼
材の研削スラッジを固形化物(以下「ブリケット」と言
う)に固形化することで研削スラッジのリサイクルを実
現する固形化物製造装置に関する。
受の内外輪や転動体等の鉄系構成部品は、焼入れの後、
転走面等に研削が施される。研削により生じた粉状の研
削屑は、クーラントと共にスラッジとして機外に流して
排出し、ろ過の後、クーラントを研削に再利用する。ろ
過により残った研削スラッジは、汚泥として埋め立て処
理される。図10は、その処理の流れをブロック図で示
したものである。研削盤101で生じた研削屑は、クー
ラントと共に配管で搬送し、フィルタや沈殿設備等のろ
過手段102でろ過し、清浄化されたクーラントを、研
削盤101への供給用のクーラントタンク103にフィ
ルタおよびポンプを介して戻す。ろ過により残った研削
スラッジは、クーラントを多量に含むため、再利用がで
きず、産業廃棄物の処理業者が埋め立て等の廃棄処理を
行っている。研削で生じる研削屑の量は、切削等に比べ
て少ないが、軸受等のような量産ラインでは、その発生
量は多量となり、研削スラッジの埋め立ては、環境の面
から好ましくないばかりでなく、産廃処理場の行き詰ま
りから、今後、埋め立て処理ができなくなることは明白
である。
化し、絞り出されたクーラントを再利用すると共に、そ
の固形化物であるブリケットを鉄鋼材として再利用する
ことが検討されている。水性クーラント使用の研削スラ
ッジは、固形化が容易で、既に固形化機械が販売されて
いる。しかし、油性クーラントは、水性クーラントに比
べて粘性が高く、油性クーラント使用の研削スラッジ
は、固形化に種々の課題がある。例えば、圧搾するとき
に、油性クーラントが排出し難く、単に圧搾時の圧力を
高めても必要な強度まで固形化できない。このため、油
性クーラント含有の研削スラッジの固形化は、未だ実用
化されていない。
表面の疵を研磨・削除するための研削ラインにおいて
は、研削スラッジをろ過し、これを圧搾により固形化し
てブリケットとして回収し、製鋼に再度利用することが
提案されている。圧延鋼帯の研削で生じる研削スラッジ
は、研削スラッジ中の研削屑が比較的柔らかく、固形化
し易い。また、この研削スラッジは、クーラントの割合
が少なく、これによっても固形化が容易である。しか
し、焼入れ部品の研削スラッジの場合は、研削屑が硬く
て、固まり難い。そのため、強く圧搾する必要がある
が、上記のように油性クーラントの研削スラッジでは、
圧搾時にクーラントを排出し難いため、さらに固形化が
困難である。また、焼入れ部品の研削スラッジの場合、
鋼1〜2g研削するのに、クーラント数十リットル/mi
n を使用するため、研削スラッジ中のクーラントの割合
が多く、大部分がクーラントであることからも、固形化
が難しい。
ッジであっても、またクーラントが油性であっても、ク
ーラントが絞り出し易くて、効率良く固形化ができ、崩
れ難い強固なブリケットを製造することができる研削ス
ラッジのブリケット製造装置を提供することである。
の固形化物製造装置は、焼入れ部品の研削ラインで発生
したクーラント含有の研削スラッジをろ過した濃縮スラ
ッジを、圧搾により固形化して固形化物を製造する研削
スラッジの固形化物製造装置であって、上記濃縮スラッ
ジを一定量収容して予備圧搾する1次プレス部を備え、
この1次プレス部で濃縮スラッジを所定の温度範囲に加
熱保持する加熱手段を設けたことを特徴とする。この構
成によると、ろ過により濃縮した研削スラッジを、1次
プレス部で予備圧搾するため、次工程で圧搾が行い易く
なるばかりでなく、1次プレス部で濃縮スラッジを所定
の温度範囲に加熱保持する加熱手段を設けたため、クー
ラントの粘性が低下し、圧搾時にクーラントが非常に絞
り出し易くなる。すなわち、研削スラッジの圧搾は、ク
ーラントの粘性と研削スラッジ内の研削屑間の隙間が微
細であることとで、圧力を高くしても急速には行えず、
短時間にクーラントを排出して固形化することが難し
い。しかし、上記のように予備圧搾し、これを次工程で
再度圧搾することにより、圧搾の段階に応じて適切な圧
搾条件を設定することができ、十分にクーラント量が減
少するまで圧搾することができる。また、研削スラッジ
中のクーラントの粘性は、常温よりも温度を高くした方
が低くなる。そのため、このように加熱手段を設けて1
次プレス部を加熱保持することにより、クーラントが絞
り易くなり、プレス工程の所要時間を短くすることがで
きる。さらに、固形化した固形化物内に残留する油性ク
ーラント含有%を低くすることにも有効である。特に、
粘性の高い油性クーラント含有の研削スラッジの場合
は、加熱による粘性低下が大きく、例えば水性クーラン
ト並の粘性にでき、絞り出し易さの向上効果が大きい。
次段の圧搾過程では、1次プレス部で加熱された予備圧
搾済みのスラッジが供給されるので、別途に加熱手段を
設けなくても、温度の高い状態で圧搾が行える。この濃
縮スラッジを加熱処理する方式は、特に冬場等、気温が
低い時には有効である。これらのため、焼入れ部品の研
削スラッジであって、研削屑が硬くて細かく固形化が難
しいものであっても、また油性クーラントを含有する研
削スラッジであっても固形化することができる。また、
効率良く固形化ができ、崩れ難い強固な固形化物を製造
することができる。
たヒーターであっても良い。このヒータは、1次プレス
部のスラッジを圧搾する容器の壁内に埋め込み状態に設
けても、また外周に設けても良い。ヒータとすると加熱
手段の構成が簡単である。上記加熱手段は、1次プレス
部に温風を吹き付ける温風器であっても良い。
持する所定の温度範囲は、20〜60℃の範囲が好まし
い。研削スラッジ中のクーラントは、温度が高くなるに
従い、粘性が低下するが、あまり加熱し過ぎると、油性
クーラントの火災等の危惧があるので、60℃程度にと
どめるのが好ましい。また、常温に近い20℃よりも低
いと、加熱による粘性の低下が不十分である。そのた
め、加熱保持する温度は、20〜60℃の範囲が好まし
い。
ン系であっても良い。パラフィン系のクーラントは、性
状が安定しており、取扱い易い。
記1次プレス部は、1次圧搾室内のスラッジを下向きに
加圧する縦形プレス部であっても良い。このように、1
次プレス部を縦形とした場合、占有床面積が小さなもの
とできる。また、1次プレス部で予備圧搾の完了したス
ラッジを、例えば1次プレス部の下端から投下して排出
し、次段へ供給することができ、予備圧搾の完了したス
ラッジの搬送が容易である。
ラッジは、転がり軸受の鉄系構成部品である焼入れ部品
の研削ラインで発生したものであっても良い。上記鉄系
構成部品は、例えば、内輪,外輪,および転動体等であ
る。転がり軸受の構成部品の研削過程では、油性クーラ
ントが使用されることが多く、また研削屑が硬くて細か
く、固形化の難しい研削スラッジが生じる。しかしその
研削屑は、高品質な軸受鋼等の研削屑であり、また一般
に量産されることから、比較的成分が一定した研削スラ
ッジとなる。そのため、これを固形化すると、製鋼材と
して高品質の固形化物が得られる。また、固形化のため
の圧搾の条件も設定し易く、適切な条件設定を行うこと
で、固形化が安定して行える。
に説明する。図1はこのブリケット製造装置を含む研削
スラッジの処理方法および処理装置の概念を示すブロッ
ク図であり、図2はその模式説明図である。研削ライン
1では、研削盤2により、クーラントタンク3から供給
されるクーラントを用いて研削を行う。研削盤2で発生
した研削屑およびクーラントからなる研削スラッジは、
ろ過手段4でろ過し、ろ過により生じた濃縮スラッジ
を、この実施形態の固形化物製造装置であるブリケット
製造装置5で圧搾により固形化してブリケットBとす
る。ろ過手段4とブリケット製造装置5とで固形化装置
6が構成される。ろ過手段4でろ過により生じたクーラ
ント、およびブリケット製造装置5で圧搾により生じた
クーラントは、それぞれ回収経路7,8により、研削ラ
イン1のクーラントタンク3に戻す。回収経路7,8か
らは、フィルタおよびポンプを介してクーラントタンク
3にクーラントが戻される。また、クーラントタンク3
からは、フィルタおよびポンプを介して研削盤2にクー
ラントが供給される。ブリケット製造装置5で固形化さ
れたブリケットBは、製鋼メーカ9に運搬し、製鋼メー
カ9で製鋼材として使用する。ブリケットBの運搬は、
同図(B)のようにフレコンバック等と呼ばれる搬送容
器10に複数個収容し、トラック等で行う。製鋼メーカ
9では、アーク炉11等でブリケットBを製鋼材に使用
する。製鋼された鋼材は、被研削物の素材として使用さ
れる。
れ部品であり、軸受鋼等の軸受用鋼材等である。例え
ば、上記焼入れ部品は、転がり軸受の鉄系構成部品であ
り、具体的には、内輪、外輪等の軌道輪、またはボール
等の転動体である。研削のクーラントには油性クーラン
トが使用される。軸受用鋼材としては、高炭素クロム鋼
(SUS2等)のずぶ焼入れ材、中炭素鋼(S53C
等)の高周波焼入れ材、肌焼き鋼(SCR415等)の
浸炭焼き入れ材等がある。研削盤2で発生する研削スラ
ッジは、クーラント量90wt%以上の流動体であり、
残りは粉状の研削屑と微量の研削砥粒である。研削屑
は、一般にはカールした短い線状の形状をしている。こ
の研削スラッジは、ろ過手段4でろ過された濃縮スラッ
ジの状態では、クーラントを略半分含むものとされる。
濃縮スラッジの成分は、例えば、軸受鋼等からなる研削
屑が略50wt%、クーラントが略50wt%と、微量
の研削砥粒である。ブリケットBの成分は、大部分が研
削屑からなる鋼材であり、クーラント量が5〜10wt
%とされ、固形化処理時にクーラントと共に大部分が排
出された後に残るごく僅かな微量の研削砥粒を含む。ブ
リケットBにごく微量の研削砥粒を含んでいても、研削
屑が軸受鋼等の良質の鋼材である場合は、製鋼材として
の利用に支障がない。ブリケットBは、所定の強度を有
するもの、例えば、1mの高さから落下させても、破片
が3つ以上にならない程度の強度を有するものとされ
る。なお、ブリケットBは、研削屑を固めるためのバイ
ンダ(切削切粉等)は、一切混入させない。
備15およびフィルタ設備16を備える。研削ライン1
で発生した研削スラッジは、まず沈殿設備15に導き、
ここで沈殿させた研削スラッジを、ポンプ17でフィル
タ設備16に導き、再度ろ過する。フィルタ設備16
は、フィルタベルト18を用い、圧縮空気により研削ス
ラッジで加圧ろ過する加圧式ベルトフィルタが用いられ
る。ブリケット製造装置5からクーラントタンク3にク
ーラントを回収する回収経路8には、沈殿設備15Aを
介在させ、ろ過されたクーラントを回収する。沈殿設備
15Aに変えて、別の方法でろ過するろ過手段を設けて
も良い。
装置5は、濃縮スラッジを一定量収容して予備圧搾する
1次プレス部31と、その予備圧搾されたスラッジを所
定の圧力により圧搾して固形化する2次プレス部32と
を備える。1次プレス部31は、縦向きシリンダ状の1
次圧搾室33内のスラッジを、ピストン状の加圧部材4
1で下向きに加圧する縦形プレス部とされ、下端に予備
圧搾済みのスラッジを排出するシャッタ35を有してい
る。加圧部材41は、油圧シリンダ等の加圧駆動源42
で昇降駆動される。スラッジ入口38は、1次圧搾室3
3の側面に設けられている。2次プレス部32は、横向
きシリンダ状の2次圧搾室34内の予備圧搾済みスラッ
ジB′を、両側のピストン状の加圧部材43,44間で
略水平方向に加圧する横形プレス部とされる。2次圧搾
室34の加圧方向の一端は、シャッタ35の下方に位置
し、シャッタ35から予備圧搾済みのスラッジB′を受
入れ可能な受入れ部34aとされている。2次圧搾室3
4の他端はブリケット排出口34bとされ、この排出口
34bに続いてブリケットBの搬出経路47が、シュー
ト等で形成されている。各加圧部材43,44は、油圧
シリンダ等の加圧駆動源45,46で進退駆動される。
るスラッジ投入部36は、ホッパー37から、その下方
のスラッジ入口38にスラッジを落下させる縦形のスラ
ッジ投入部とされている。ホッパー37内には、内部の
スラッジを攪拌すると共に、底面のホッパー出口へスラ
ッジを押し出す攪拌翼39が設けられている。なお、図
3において、スラッジ投入部36は同図に2点鎖線で示
すように設けられたものであり、これを同図中の別部分
に引き出して図示してある。2次プレス部32の各加圧
駆動源45,46は、加圧制御手段48により、所定の
圧力および所定の圧縮速度に制御される。
定の温度範囲に加熱保持する加熱手段40(図4)が設
けられている。加熱手段40は、具体的には内部の研削
スラッジの温度を所定の温度範囲に加熱保持する。加熱
手段40は、電気ヒータからなり、そのコイルが1次圧
搾室33の周壁に埋め込み状態に設けられている。加熱
手段40は1次圧搾室33の周壁の外周に設けても良
い。加熱手段40で濃縮スラッジを加熱保持する所定の
温度範囲は、例えば20〜60℃の範囲とされる。
る。シャッタ35を閉じた状態で、ホッパー37から1
次プレス部31内に一定量の濃縮スラッジを投入し、ス
ラッジの昇温のために待機する。1次プレス部31内の
スラッジが、加熱手段40による加熱によって濃縮スラ
ッジを所定温度範囲に昇温すると、加圧部材41を下降
させて予備圧搾する。予備圧搾の終了したスラッジB′
は、シャッタ35を開いて2次プレス部32の一端の受
入れ部34aに投下させる。この投下は、自重で行われ
るが、1次プレス部31の加圧部材41の下降によって
強制的に行うようにしても良い。2次プレス部32内に
入った予備圧搾済みスラッジB′は、両側の加圧部材4
3,44による加圧によって、2次圧搾室34内で圧搾
され、固形化してブリケットBとなる。この圧搾は、所
定の圧力および所定の圧縮速度で行われる。このように
製造されたブリケットBは、排出側の加圧部材44を後
退させて受入れ側の加圧部材45をさらに前進させるこ
とで、ブリケット排出口34bから排出され、搬出経路
47で搬出される。
32の圧搾室34の内径に等しい外径の円柱状の形状,
大きさとされる。例えば、ブリケットBは、図9に示す
ように、直径Dが80mm程度、高さHが60〜70mm程
度の円柱状とされ、1個の重さは600〜700g程度
とされる。
ろ過により濃縮した研削スラッジを、さらに1次プレス
部31で予備圧搾するようにしたため、次工程で圧搾が
行い易くなる。また、1次プレス部31で濃縮スラッジ
を所定の温度範囲に加熱保持する加熱手段40を設けた
ため、クーラントの粘性が低下し、圧搾時にクーラント
が絞り出し易くなる。すなわち、研削スラッジの圧搾
は、クーラントの粘性と、研削スラッジ内の研削屑間の
隙間が微細であること等により、圧力を高くしても急速
には行えず、十分にクーラント量が減少した状態に固形
化することが難しい。しかし、上記のように予備圧搾
し、これを次工程で再度圧搾することにより、圧搾の段
階に応じて適切な圧搾条件を設定することができて、十
分にクーラント量が減少するまで圧搾することができ
る。また、研削スラッジ中のクーラントの粘性は、常温
よりも温度を高くした方が低くなる。そのため、このよ
うに加熱手段40を設けて1次プレス部31で濃縮スラ
ッジを加熱保持することにより、クーラントが絞り易く
なり、プレス工程の所要時間を短くすることができる。
特に、粘性の高い油性クーラント含有の研削スラッジの
場合は、加熱による粘性低下が大きく、例えば水性クー
ラント並の粘性にでき、絞り出し易さの向上効果が大き
い。次段の圧搾過程では、1次プレス部31で加熱され
た予備圧搾済みのスラッジが供給されるので、別途に加
熱手段を設けなくても、温度の高い状態で圧搾が行え
る。これらのため、焼入れ部品の研削スラッジであっ
て、研削屑が硬くて細かく固形化が難しいものであって
も、また油性クーラントを含有する研削スラッジであっ
ても固形化することができる。また、効率良く固形化が
でき、崩れ難い強固なブリケットを製造することができ
る。上記の焼入れ部品が転がり軸受の鉄系構成部品であ
る場合は、その研削屑は、高品質な軸受鋼等の研削屑で
あり、これを固形化すると、製鋼材として高品質のブリ
ケットが得られる。1次プレス部31は、縦形としたた
め、占有床面積が小さなものとでき、また予備圧搾の完
了したスラッジを下端のシャッタ35から投下して2次
プレス部32へ排出でき、予備圧搾の完了したスラッジ
の搬送が容易である。
す工程を考察する。ここでは、研削スラッジから滲み出
たクーラントが、圧搾室の外部に流出する過程を考察す
る。図5に示す環状隙間内の流れで考えると、その流量
Qは、次式で表される。 Q=〔πd(p1−p2)δ3 〕/(12μL) …… ここで、d:軸径 δ:隙間 μ:粘性係数 L:長さ(軸のシリンダ内面との嵌合長さ) (p1−p2):圧力差 である。なお、図4のブリケット製造装置で考えると、
上記の軸径dは、2次プレス部32の加圧部材43,4
4の径のことであり、隙間δは、シリンダ室となる圧搾
室34aの内径面と加圧部材43,44の隙間に該当す
る。
ッジの固形化処理能力を上げるには隙間δと、長さL
と、粘性μのいずれかの改善することが考えられる。隙
間δは、3乗で影響するが、シリンダ内径と軸径を研磨
で厳しい公差に仕上げる必要である。ただし、隙間はス
ラッジの噴き出しと密接に関係していると考えられるた
め、テストにて適切な隙間を設定することが必要にな
る。長さLは、成るべく短くする必要があるが、これも
スラッジの噴き出しと密接に関係していると考えられる
ため、テストにて適切な長さと隙間との関係を設定する
ことが必要になる。粘性μは、低いほど流量が増えるの
で、固形化処理は、粘性の低い条件で行うことが望まし
い。また、上記の式は、滲み出たクーラントが圧搾室
外に流出するときの流量を示すが、粘性μは、スラッジ
内部で研削屑間の隙間を通過して滲み出す抵抗にもなる
ため、このことからも粘性μは低いほど好ましい。
係を示すグラフである。この例によると、クーラントを
常温の20℃程度から60℃程度に上げることで、粘性
は約1/4になることがわかる。そのため、このクーラ
ントを含有する研削スラッジの温度を60℃程度に上げ
ることで、固形化処理の時間が大幅に短縮できることが
わかる。ただし、あまり加熱しすぎると、油性クーラン
トの火災等の危惧があるので、60℃程度にとどめるの
が好ましい。また、常温に近い20℃よりも低いと、加
熱による粘性の低下が不十分である。そのため、加熱保
持する温度は、20〜60℃の範囲が好ましい。なお、
研削に用いる油性クーラントの種類としてはパラフィン
系が好ましい。パラフィン系のクーラントは、性状が安
定しており、取扱い易い。
の加熱手段40として電気ヒータを用いたが、加熱手段
は、図7に示すように1次プレス部31に温風を吹き付
ける温風器40Aであっても良い。この温風器40A
は、1次プレス部31の外周に複数設けたノズル61
と、このノズル61に送風する送風機62と、その送風
を加熱する送風加熱ヒータ63とで構成される。
1次プレス部31に設けた熱媒体流路40Bであっても
良い。熱媒体流路40Bは、ジャケット式のものであっ
ても、配管式のものであっても良い。熱媒体流路40B
内に流す熱媒体にはオイルや温水等が用いられる。熱媒
体流路40B内に流す熱媒体を加熱する手段は、このブ
リケット製造装置5の加圧駆動源42,45,46を油
圧式とした場合、その作動油を強制冷却する冷却装置6
5とし、冷却時の廃熱を利用するものとしても良い。こ
の場合、例えば、油温をある設定値にコントールするよ
うに、冷却装置65を起動停止して、熱源として作動油
を熱媒体流路40Bに循環させる。加圧駆動源42,4
5,46に流す作動油は、そのまま熱媒体流路40Bに
流す熱媒体として利用しても良く、また別の熱媒体と熱
交換してその熱交換された熱媒体を熱媒体流路40Bに
流すようにしても良い。廃熱を利用する加圧駆動源は、
1次プレス部31の加圧駆動源42であっても、2次プ
レス部32の加圧駆動源45,46であっても、それら
の両方であっても良い。
部品の研削ラインで発生したクーラント含有の研削スラ
ッジをろ過した濃縮スラッジを、圧搾により固形化して
固形化物を製造する研削スラッジの固形化物製造装置で
あって、上記濃縮スラッジを一定量収容して予備圧搾す
る1次プレス部を備え、この1次プレス部で濃縮スラッ
ジを所定の温度範囲に加熱保持する加熱手段を設けたた
め、焼入れ部品の研削スラッジであっても、また油性ク
ーラントを含有する研削スラッジであっても、クーラン
トが絞り出し易くて、効率良く固形化ができ、崩れ難い
強固な固形化物を製造することができる。また、冬場
等、気温が低い時にも、加熱保持することで固定化処理
を安定して行うことが可能となる。
ラッジのブリケット製造装置を用いた研削スラッジ処理
過程の概念構成を示すブロック図、(B)はそのブリケ
ットの使用例の説明図である。
装置の模式説明図である。
る。
明図である。
ある。
造装置の断面図である。
ット製造装置の断面図である。
ク図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 焼入れ部品の研削ラインで発生したクー
ラント含有の研削スラッジをろ過した濃縮スラッジを、
圧搾により固形化して固形化物を製造する研削スラッジ
の固形化物製造装置であって、 上記濃縮スラッジを一定量収容して予備圧搾する1次プ
レス部を備え、この1次プレス部で濃縮スラッジを所定
の温度範囲に加熱保持する加熱手段を設けたことを特徴
とする研削スラッジの固形化物製造装置。 - 【請求項2】 上記加熱手段が、上記1次プレス部に配
設されたヒーターである請求項1に記載の研削スラッジ
の固形化物製造装置。 - 【請求項3】 上記加熱手段が、上記プレス部に温風を
吹き付ける温風器である請求項1に記載の研削スラッジ
の固形化物製造装置。 - 【請求項4】 上記1次プレス部で濃縮スラッジを加熱
保持する所定の温度範囲が20〜60℃である請求項1
ないし請求項3のいずれかに記載の研削スラッジの固形
化物製造装置。 - 【請求項5】 上記クーラントが油性で、パラフィン系
である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の研削
スラッジの固形化物製造装置。 - 【請求項6】 上記1次プレス部が、1次圧搾室内のス
ラッジを下向きに加圧する縦形プレス部である請求項1
ないし請求項5のいずれかに記載の研削スラッジの固形
化物製造装置。 - 【請求項7】 上記焼入れ部品が、転がり軸受の鉄系構
成部品である請求項1ないし請求項6のいずれかに記載
の研削スラッジの固形化物製造装置。
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