JP2001299133A - 藻場増殖礁及びその取扱方法 - Google Patents

藻場増殖礁及びその取扱方法

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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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  • Artificial Fish Reefs (AREA)
  • Cultivation Of Seaweed (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】藻類を活着させる機能とその機能を有する部材
を保持する機能とを分離し、それぞれを人力でも取り扱
いやすいようにして海底で有効に藻場を形成することが
できる藻場増殖礁を提供するとともに、そのような藻場
増殖礁の有効な取扱方法を提供する。 【解決手段】藻場増殖礁A1を、藻類を育成し活着させ
得る育成部材1と、人為的に持ち運びできる程度に軽量
な保持具2とから構成し、保持具2を、フレーム構造か
らなる骨構造部21とこの骨構造部21に張設した網状
部22とから構成されこれらによって囲まれる籠状の収
容空間2Sを形成したものとし、保持具2と育成部材1
との間に形成した取付手段X1を介して育成部材1を保
持具2に保持させるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海中に棲息する生
物の生育に適した藻類を育成し藻場を造成するための藻
場増殖礁、及びその藻場増殖礁の好適な取扱方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、魚礁として利用するために藻類を
増殖させる藻場増殖礁としては、天然の岩場、テトラポ
ットやコンクリートプレート、或いは、これらコンクリ
ート製品を重積したりその間に自然石を配設したもの等
が利用されてきた。ところで近時、主に海域において、
水温や水質の変化或いは食害等の様々な原因によって藻
類が死滅してしまういわゆる磯焼け現象が大きな問題と
なっている。また、柔らかい藻類が次第に硬い藻類にと
ってかわられて有用な藻類が締め出されたり、石灰藻が
着生することにより岩礁の表面が非常に硬い石灰質で覆
われ次に新たな藻類が着生しにくくなるという問題もあ
る。このような問題から、磯焼けにより消滅した藻場の
再生や新規の造成が火急の課題となっている。
【0003】このような藻場造成方法の理想としては、
植食生物等による食害被害を受けない程度に生育した藻
類の根が活着した天然の巨石等を磯焼け地区に多数投入
できれば海中林の再生が可能であると考えられるが、そ
のような藻類が活着した巨石を探し出す手間や巨石の運
搬に要する手間や費用などを考慮すると、このような方
法はあくまで理想であって現実的には不可能である。
【0004】そこで、自生している藻類(母藻)を採取
してきてコンクリートブロックにロープやネット、ゴム
バンド、水中ボンド等で固定し、それを藻場を造成すべ
き海底に投入する方法が考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
方法では、減少しつつある藻場から適当な母藻を探して
こなければならないこと、母藻をブロックに取り付ける
手間、採取した母藻を長時間に亘って使い回すため母藻
が傷み生命力が減衰してせっかく海底に投入しても枯死
しやすいこと、などの様々な問題があるため、現実的に
は有効な藻場の再生や造成にはならない。また、十分に
生育していない幼芽の状態の藻類を予めコンクリートブ
ロックに付着させて海底に投入したり、藻類を海底で胞
子から生育させる方法も考えられるが、日光が十分に届
かないことや、食害被害を受けやすいことなどから、幼
芽が十分な大きさまで生育しにくく、有用な藻場を形成
することが困難である。
【0006】さらに、上記いずれの方法にしても、少な
くとも十分な大きさの藻場が形成されるまでの期間、藻
類を付着させたコンクリートブロックを海底の所定位置
に安定設置しておかなければならず、そのためにはコン
クリートブロック自体を十分な重さのものとするか、そ
のコンクリートブロックを固定するために重量の重い固
定部材を用いる必要がある。ところがこのような重量物
を取り扱うためには、大がかりな装置や台船(作業船)
が必要となり、費用や作業効率、造成すべき藻場の規模
などの点からも割に合わない場合が発生する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
不具合に鑑みて、予め中間育成した藻類を活着させる機
能とその機能を有する部材を保持する機能とを分離し、
それぞれを人力でも取り扱いやすいようにした有用な藻
場増殖礁を提供するとともに、そのような藻場増殖礁の
有効な取扱方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明の藻場増殖礁
は、海底に配設し藻場を形成するためのものであって、
藻類を育成し活着させ得る育成部材と、人為的に持ち運
びできる程度に軽量な保持具とを具備してなり、該保持
具が、フレーム構造からなる骨構造部と、この骨構造部
とともに籠状の収容空間を形成し該収容空間内の収容物
が通過しない程度の大きさの孔を備えた多孔部とを具備
してなるものであって、保持具と育成部材との間に取付
手段を形成し、その取付手段を介して育成部材を保持具
に保持させるように構成していることを特徴とする。
【0009】このようなものであれば、藻類を育成する
機能とその機能を有する部材とをそれぞれ育成部材と保
持具とに分離させているので、それぞれを別個に取り扱
うことができ、運搬その他の作業効率や費用を有効に低
減できることとなる。特に保持具は人為的に持ち運びで
きる程度に軽量な籠状の部材であるため、その持ち運び
は極めて容易であり、内部の収容空間に重しを入れるこ
とで海底に安定設置することも容易である。またこの保
持具は骨構造部と多数の孔を有する多孔部とからなるも
のであるため水による抵抗も小さく、海中での取り扱い
易さも極めて良好である。なお、このような多孔部に
は、例えば比較的剛性の小さい網状のものや、可撓変形
可能な金属棒を格子状に組み合わせたもの、パンチング
メタル等、収容空間内の収容物が外にでない程度の大き
さの孔を有する種々のものを適用することができる。
【0010】このような構成のものにおいて、軽量な藻
場増殖礁を確実に海底に沈設し、しかもその沈設作業の
容易性も向上するためには、保持具に収容空間と外部と
を連通する開口部を形成し、この開口部を介して収容空
間内に、単一では人手で取り扱い得る程度に軽量で所定
量集合することでアンカー機能を有する前記収容物たる
重し部材を収容するようにしていることが有効となる。
このような収容物としては、石や貝殻、コンクリート片
等が挙げられる。
【0011】また本発明の他の構成としては、前記と同
様の育成部材と、人為的に持ち運びできる程度に軽量な
保持具とを具備してなり、該保持具が、剛性を有する枠
体部と、育成部材を載置し得る載置部とを具備してなる
ものであって、保持具と育成部材との間に取付手段を形
成し、その取付手段を介して育成部材を載置部に載せた
状態で保持具に保持させるように構成していることを特
徴とするものであってもよい。
【0012】このような構成のものであっても、上記の
ものと同様に、育成部材と保持具とをそれぞれ別個に取
り扱い、運搬等の作業効率や費用を低減できるうえに、
特に保持具の運搬や海中での取り扱いも容易なものとな
る。
【0013】さらに、このような藻場増殖礁の沈設作業
の容易性や海底での安定性を向上するには、保持具に重
量物たるアンカー部材を着脱可能に取り付けることによ
って海底に沈設し得るようにしていることが望ましい。
【0014】また、籠状の保持具を適用した藻場増殖礁
を海底に沈設する際における望ましい藻場増殖礁の取扱
方法としては、育成部材を保持した状態の保持具の収容
空間に、海底に安定設置される程度に多数の石や貝殻、
コンクリート片等の重し部材を収容することによって藻
場増殖礁を沈設するようにしている方法が挙げられる。
このようにすることで、それぞれ単一では軽い石や貝殻
等を手作業で保持具の収容空間に投入できるため、この
藻場増殖礁を沈設するための部材の取り扱いをも簡便に
できることとなる。この場合、予め収容空間に重し部材
を収容させておいてから藻場増殖礁を海底に沈めてもよ
いし、先に海底に沈めた藻場増殖礁の保持具に設けた開
口部を通じて収容空間に重し部材を海上から投入しても
よい。また、このような方法ならば、育成部材、保持
具、重し部材のいずれをも漁船程度の小型の船で所定の
沈設位置まで運搬できるので、船や装置の大型化を招く
こともない。
【0015】一方、網状の保持具を適用した藻場増殖礁
を海底に沈設する際における藻場増殖礁の好適な取扱方
法としては、所定の高さ寸法を有するコンクリート製ブ
ロックや、枠部及び該枠部から下方に延び所定の高さ寸
法を有する脚部とを具備する鋼製台座等のからなるアン
カー部材を育成部材を保持した状態の保持具に取り付け
ることによって藻場増殖礁を沈設するようにしている方
法が挙げられる。このようにした場合にも、育成部材を
沈設するには保持具にアンカー部材を取り付ける作業の
みを行えばよいので、上述の方法と同様に簡便な取り扱
いが可能となる。また、アンカー部材たるコンクリート
製ブロックや台座は十分な重さを有するうえ、ある程度
の高さを有しているため、例えば海底が砂地であっても
育成部材ごと保持具が砂に潜ってしまうことがないた
め、有効な藻場形成が可能となる。
【0016】また、従来の方法のように母藻を採取して
きたり胞子又は幼芽から海底で藻類を育成する場合のリ
スクを有効に回避し、確実且つ迅速な藻類の育成を行う
ためには、育成部材を保持具に保持させる以前におい
て、育成部材を海面に浮かべた筏等の浮遊物によって海
中に吊り下げることによって、食害に遭いにくく且つ自
らを支えて葉落ちしない程度の大きさまで育成した藻類
を予め育成部材に活着させるようにしていることが望ま
しい。なお、藻類の「食害に遭いにくく且つ自らを支え
て葉落ちしない程度の大きさ」とは、ウニやアワビ等の
植食動物が嫌うフロロタンニン等の渋味成分を藻類が分
泌できるようになり、しかも藻類の葉が潮流による抵抗
を受けても自身の根で育成部材に活着していられる程度
の大きさのものを意味している。すなわち、この程度の
大きさよりも小さいものであると渋み成分を十分に分泌
することができず、一方、より大きいものであると葉が
受ける潮流による抵抗を自身の根で支えきれなくなる。
【0017】一方、本発明ではこのように藻類を藻場増
殖礁の海底への沈設前に育成しておく方法においては、
育成部材を保持させ且つアンカー部材を取り付けていな
い状態の保持具を海面に浮かべた筏等の浮遊物から海中
に吊り下げることによって、育成部材に藻類を食害に遭
いにくく且つ自らを支えて葉落ちしない程度の大きさま
で育成して活着させるようにすることもできる。このよ
うに別々の機能を有する育成部材と保持具とを同時に取
り扱って藻類を育成することで、その工程における手間
を軽減できることとなる。
【0018】また、海底に沈設した藻場増殖礁の周囲に
藻場を拡大し、消失した藻場の回復や新規の藻場造成を
有効に行うためには、所定期間海底に安定設置し得る自
然石やコンクリートブロック等を藻場増殖礁の周囲に配
設し、それら自然石等に育成部材上の藻類から放出され
る胞子を付着させて藻場を拡張し得るようにすることが
有効である。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照して説
明する。
【0020】(第1実施例)図1〜図3に示す第1実施
例は、主としてアワビを漁獲するために海藻類の一種で
あるアラメBを生育し増殖させる際に使用される藻場増
殖礁A1である。本藻場増殖礁A1は水深約3mの海底
Pに設定されるもので、アラメBを活着させる育成部材
1と、この育成部材1を保持する保持具2とから構成し
ている。
【0021】図9に拡大して示す育成部材1は、一辺が
20cm程度の平面視略正方形状をなし5cm程度の厚
さを有する板状コンクリート製のもので、その重量は約
2.5Kgである。そして、一方の表面に、アラメBが
根を張り活着できるようにするために凹凸部11を形成
している。この凹凸部11は、後述するアラメBを活着
させる工程で筏5から海中Qに吊り下げる際に使用する
ロープ51と干渉しないように育成部材1の表面におけ
る略中央部を避けて形成しており、そのロープ51を添
設させて通過させるべき部位を平面的な添設路12とし
ている。また、この育成部材1の略中央部には、厚み方
向に貫通させた貫通孔13を設けている。ここで、この
育成部材1の製造方法を簡単に説明する。すなわち、砂
利等の転写元物質に常温においてはゴム弾性体となり摂
氏210℃以上の高温下ではオイル状となる熱可塑性材
料(例えば住友大阪セメント社製の商品名「EM」)を
加熱溶融させた状態で流しかけ、この熱可塑性材料が硬
化してなるシート状のゴム弾性体から型枠を転写元物質
から取り外した後に該型枠にセメント材料を打設するこ
とによって、転写元物質に準じた逆勾配を有する凹凸部
11を備えた育成部材1が形成される。また、このよう
な製造方法によって、同一の育成部材1を大量生産する
ことができる。
【0022】保持具2は、鋼製の骨組みとなる骨構造部
21と、その骨構造部21に金属製の網を張設した多孔
部22とからなり、それらによって囲まれる空間を収容
空間2Sとした籠状をなすものである。なお、この多孔
部22を構成している網の一つ一つは、収容空間2S内
に収容される後述する石3が通過して外に出ない程度の
大きさものである。そして、この保持具2の上端部には
前記網を張らずに開口し、外部と収容空間2Sとを連通
する開口部23としている。また、骨構造部21を構成
する鋼材が交差する部位には金属板24bにとりつけた
ネジ軸24aを外方に向けて突設している。しかして、
図1に示すように、前記育成部材1の貫通孔13にネジ
軸24aを挿入させたうえで内面側に雌ねじを形成した
ナット部材25を締着することによって、育成部材1を
保持具2に保持させている。すなわち、これら貫通孔1
3、ボルト部24及びナット部材25によって、育成部
材1を保持具2に取り付けるための取付手段X1を構成
している。なお、この保持具2は、作業者が一人で持ち
運びできる程度の重量及び大きさのものであって、小型
の漁船Sで地上から海上まで運搬するようにしている。
また、より大きな保持具2を使用する場合には、複数の
作業者によって持ち運びできる程度のものとしてもよい
し、漁船Sに備えた小型クレーンで作業者による持ち運
びを補助しても構わない。
【0023】次に、藻場形成時における本実施例の取扱
方法について説明する。
【0024】まず、育成部材1にアラメBを活着させる
工程では、以下のような方法を採用している。すなわち
図4に示すように、育成部材1を、前記添設路12に沿
わせたロープ51によって育成部材1を保持させ、この
ロープ51を介して育成部材1を海面Rに浮かべた筏5
から水深約3m以内の海中Qに吊り下げる。その際、ロ
ープ51には、略垂直に立てた状態の育成部材1を上下
に複数個保持させており、このようなロープ51を筏5
に多数取り付けている。また、筏5を設置する海域は、
アラメBが自生している海域の近傍等に設定することが
好ましいが、必ずしもこの限りではない。しかして潮流
に乗って流れてくるアラメBの胞子が育成部材1に形成
した凹凸部11に付着すると、十分な日光と潮流による
新鮮な海水を受けてアラメBが生育し凹凸部11に根を
張って活着する。なお、アラメBの胞子の育成部材1に
対する付着をより確実且つ迅速なものとするために、育
成部材1に予め胞子を付着させた糸(クレモナ糸)を巻
き付けておくことも有効である。また、その際、育成部
材1の凹凸部11を形成していない側の表面は平面的で
あるため、2枚の育成部材1をその平面的な表面同士を
合わせた状態で凹凸部11を設けた側の表面に2本のロ
ープ51を掛け渡し、それらロープ51を貫通孔13に
通した例えば市販の樹脂製結束バンド等で拘束すること
によって、上述した方法の2倍の枚数の育成部材1を筏
5から吊り下げるようにすることもできる。アラメBを
ウニ等の植食生物が嫌う渋味成分の一つであるフロロタ
ンニンを分泌することができるまでこのような垂下式で
中間育成し、その後、海底Pに移設することで、アラメ
Bが食害被害に遭いにくなる。
【0025】上記の大きさまで生育したアラメBを活着
させた育成部材1は、次の工程で一旦海上の漁船等に引
き揚げられてロープ51から取り外し、前述の取付手段
X1を介して保持具2に取り付ける。
【0026】次の工程では、この藻場増殖礁A1を海底
Pに安定設置するために、保持具2の収容空間2Sに重
し部材を収容させる。この重し部材は、作業者一人で取
り扱いうる程度の大きさの石3を多数集めることによっ
て十分な重量となるようにしたもので、この工程におい
てそれら石3を図1に示すように前記開口部23を通じ
て人手で保持具2の収容空間2Sに投入する。そして十
分な重量に達すれば、育成部材1を取り付けるとともに
多数の石3を入れた保持具2を、図1及び図2に示すよ
うに漁船Sのクレーン(図示せず)によって海底Pに沈
設する。なお、このような手順ではなく、育成部材1を
取り付けた保持具2を海底Pに沈設してから、開口部2
3めがけて海上から石3を投入してもよい。なお、本工
程では重し部材として多数の石3を使用しているが、そ
の代わりに多数の貝殻やコンクリート片等を使用するこ
ともできる。
【0027】このようにして海底Pに沈設した藻場増殖
礁A1では、育成部材1上でアラメBがさらに生育する
が、藻場をより大きく拡大する場合には、上述の工程に
加えて、沈設した藻場増殖礁A1の周囲に単独で海底P
に安定設置される程度の大きな自然石(巨石4)群を配
設する。すなわち、図1に示すように、このような巨石
4を前記漁船S等から海底Pに投入する。しかして、育
成部材1上で十分に生育したアラメBから胞子が放出さ
れると、その胞子が潮流に乗って周囲の巨石4に付着
し、図3に示すように巨石4上でも生育することとな
り、藻場が拡大される。なお、藻場の拡大に際しては、
漁船Sから巨石4を投入する方法だけでなく、藻場増殖
礁A1を投入する海域を、岩場やかつて巨石やコンクリ
ートの投石を行ったことがある海底等に設定し、その岩
等に藻場を拡大するようにすることもできる。
【0028】やがて、三年藻であるアラメBが育成開始
から3年を経て枯死したり或いは磯焼け等が原因で枯死
した場合など、藻場増殖礁A1のメンテナンスが必要に
なれば、例えばその藻場増殖礁A1を漁船S等に引き揚
げて、アラメBが枯死した育成部材1を保持具2から取
り外し、前記最初の工程でアラメBを育成した新たな育
成部材1と交換して、再び上述のような工程の作業を行
うことで藻場増殖礁A1を再生することができる。また
この場合、ダイバーが海底Pに潜って育成部材1の交換
作業や、アラメBが枯死した育成部材1とまだ活着して
いる育成部材1とを選別する作業を行うようにしてもよ
い。さらに、回収した育成部材1は、前記最初の工程に
おいて再利用することもできる。
【0029】以上のような構成からなる本実施例によれ
ば、アラメBを育成し活着させる機能は育成部材1に担
わせ、この育成部材1に形成した貫通孔13を通じてボ
ルト部24とナット部25とを締着するようにした取付
部X1を介してその育成部材1を保持具2に取り付ける
ようにしているため、それぞれを別個に取り扱って運搬
等の作業効率や費用を低減することができる。また、保
持具2や育成部材1一つずつは人手で持ち運びできる軽
量のものとしているので、大型の台船等を用いなくても
小型の漁船での運搬が可能で、装置の大型化を招くこと
もない。さらに、保持具2は骨構造部21と網状の多孔
部22とからなる籠状のものであるため、海底Pにおい
て或いは沈設作業中において藻場増殖礁A1が潮流によ
る抵抗を受けにくく、海中での取り扱いも容易とするこ
とができる。
【0030】さらに、保持具2に形成した収容空間2S
に重し部材3として一個ずつは軽量な石3等を多数入れ
るようにしているので、海底Pへの安定設置も確実なも
のとなる。
【0031】また、育成部材1を保持具2に取り付ける
前に、育成部材1を海面Rに浮かべた筏5から海中Qに
吊り下げて、育成部材1上で十分な大きさまでアラメB
を育成し活着させるようにしているので、アラメBの迅
速且つ確実な育成が可能であり、また地上における広大
な施設や設備或いは煩雑な手間も不要とすることができ
る。
【0032】さらに、藻場増殖礁A1を海底に沈設する
に際しては、アラメBを上記のような方法で活着させた
育成部材1を保持具2に取り付けて、その保持具2の収
容空間2Sに多数の石3を入れた状態で沈設作業を行う
ようにしているので、その作業の簡素化を図り、藻場増
殖礁A1を安定的に海底Pに設置することができる。す
なわち、石3は単一では軽いものであるため、それを小
型漁船程度のもので沈設位置まで運搬しその費用や手間
を削減することも可能である。
【0033】また、海底Pに沈設した藻場増殖礁A1の
周囲に巨石4を多数配設し、それに育成部材1上で生育
したアラメBから放出される胞子を付着させるようにし
ているため藻場の拡張も容易になされることとなり、藻
場の再生や比較的大規模な新規の藻場を造成することも
容易である。
【0034】(第2実施例)図5及び図6に示す本実施
例の藻場増殖礁A2も、前記第1実施例のものと目的を
共にするものであり、育成部材1には第1実施例と同一
のものを適用しているのでここでは説明を省略する。
【0035】本実施例の保持具120は、複数の育成部
材1を載置できる大きさの剛性を有する鋼製の枠体部1
21と、この枠体部121に張設した金属製の網で構成
される載置部122とからなる平板網状をなすものであ
る。そして、この保持具120に複数の育成部材1を同
時に取り付けるために、複数(図示例では4つ)の育成
部材1を載置部122に載せた状態で並列的に並べると
ともに、これら育成部材1を一本のロープ51で保持さ
せている。このときロープ51は育成部材1の凹凸部1
1を避けるために、添設路12に沿わせている。本実施
例では、このような育成部材1とロープ51との組み合
わせを2組形成し、合計8つの育成部材1を保持具12
0に取り付けるようにしている。その際、育成部材1を
保持具120に取り付けるための取付手段X2として、
市販の樹脂製結束バンド124を使用している。すなわ
ち、載置部122の網目とロープ51とをこの結束バン
ド124によって脱落しないように拘束している。
【0036】また、このようにした藻場増殖礁A1を海
底Pに沈設するための重しとして機能するアンカー部材
には、所定の高さ寸法を有するコンクリート製ブロック
130を使用している。このブロック130を保持具1
20に取り付けるに際しては、ブロック130と枠体部
121との両方に掛け渡した丈夫な紐131を使用して
両者を着脱可能に固定する。
【0037】次に、藻場形成時における本実施例の取扱
方法について説明する。
【0038】まず、育成部材1においてアラメBを育成
しそれを活着させる工程は、図4に示した前記第1実施
例と同様にして行う。
【0039】次いで、アラメBが十分な大きさに生育す
ると、海中Qから育成部材1を引き揚げ、それまで筏5
から吊していたロープ51ごと育成部材1を保持具12
0に結束バンド124を使用して取り付ける。すなわ
ち、育成部材1を海中Qに吊り下げるために使用したロ
ープ51をそのまま保持具120に拘束するようにして
いる。なお、筏5からの吊り下げ時においてロープ51
に5つ以上の育成部材1を保持させた場合には、適当箇
所でロープ51を切断して保持具120に取り付ければ
よい。以下、第1実施例と同様の方法によって藻場増殖
礁A2を海底Pに沈設することで、図6に示すような藻
場が形成される。藻場の拡大やメンテナンス時の取り扱
いも第1実施例と同様にして行う。
【0040】以上のような構成の本実施例によっても、
前記第1実施例と同様の効果を得ることができる。すな
わち、軽量の育成部材1及び保持具120から本藻場増
殖礁A2を構成することで、運搬やその他取り扱い作業
の簡便化を有効に図ることができる。特に本実施例で
は、取付手段X2を、育成部材1に掛けたロープ51を
結束バンド124で拘束するだけの構成のものとしてい
るため、その取付作業の極めて簡便である。さらに、保
持具120には、ロープ51を介して複数の育成部材1
を同時に取り付けるようにしているため、アラメBの育
成の効率化とともに、取り扱いの便も向上することが可
能である。しかも、そのロープ51は、育成部材1に予
めアラメBを活着させる際に筏5からの吊り下げに利用
したロープ51をそのまま利用したものであるので、部
材点数や手間の削減を有効に図ることができる。また、
アンカー部材たるコンクリートブロック130は、ある
程度の高さ寸法のものであるので、藻場増殖礁A2を沈
設すべき海底Pが例えば砂地であっても、育成部材1が
砂に潜ってしまうことを防止でき、確実な藻場形成を実
現することができる。
【0041】なお、本実施例では、アンカー部材として
前記ブロック130の代わりに、図7に示す脚付の鋼製
台座230を適用してもよい。このものは、保持具12
0を取り付け得る枠部231と、この枠部231に取り
付けた脚部232とからなり、海底Pにおいて所定期間
安定設置できるだけの重量を有している。このようなも
のを利用しても、脚部232によって砂地からなる海底
Pへの潜り込みを防止できるため、藻場形成の確実性を
向上することができる。
【0042】(第3実施例)図10〜図12に示す本実
施例の藻場増殖礁A3も、前記第1実施例及び第2実施
例のものと目的を共にするものであり、育成部材1には
各実施例と同一のものを適用しているのでここでは説明
を省略する。
【0043】本実施例の保持具320は、複数の育成部
材1を載置できる大きさで剛性を有する金属製の枠体部
321と、この枠体部に形成した載置部322とからな
る平板状をなすものである。すなわちこの枠体部321
は、主として略同一の長さを有する一対の外桟部321
aと、両外桟部321aの間において外桟部321aと
並列的に配置した一対の321bと、これら外桟部32
1a及び内桟部321bの各両側端部を溶接などにより
連結した側桟部321cとによって概略「目」字状に形
成したものである。なお、外桟部321a及び内桟部3
21bは、同一の太さを有する金属棒からなるものであ
る。そして、隣接する外桟部321aと内桟部321b
とを両者の上に育成部材1を渡すようにして載せられる
程度に離間させている。すなわち、これら外桟部321
a及び内桟部321bによって前記載置部322を形成
している。さらに、各外桟部321aと内桟部321b
との間には、これら外桟部321a及び内桟部321b
よりも若干細い金属棒からなる補助桟323をそれぞれ
配置して、これら補助桟323の両側端部を側桟部32
1cに溶接などすることによって固定している。
【0044】このような保持具320に対して前記第1
実施例と同様にしてアラメBを活着させた育成部材1を
取り付けるために、保持具320と育成部材1との間に
取付手段X3を形成している。この取付手段X3は、育
成部材1の貫通孔13の開口幅よりも長尺な金属製棒状
の掛止具324と、育成部材1の貫通孔を通過させて育
成部材1上に載せた状態の掛止具324と前記補助桟3
23とに掛け渡して締着する市販の樹脂製結束バンド3
25とからなるものである。このような構成によって、
本実施例では保持具320に形成した載置部322に8
つの育成部材1を取付手段X3によって保持するように
している。
【0045】また本実施例では、上述のような保持具3
20に対して複数のコンクリートブロックからなるアン
カー部材330を取り付けて、本藻場増殖礁A3を海底
Pに沈設するようにしている。具体的には、アンカー部
材330として4個の空洞ブロックを空洞部330aが
略水平方向を向くように横倒しにした姿勢で外桟部32
1a及び内桟部321bの長手方向に並列的に並べると
ともに、並べられた4個のアンカー部材330の空洞部
330aに鉄筋331を2本通している。これら2本の
鉄筋331は、それぞれ2本の内桟部321bの下方に
対応する空洞部330aに通したものである。そして、
これら鉄筋331と対応する内桟部321bとを、市販
の樹脂製結束バンド332で拘束することによって、保
持具320にアンカー部材330を取り付けている。な
お、保持具に対するアンカー部材の取付方はこのような
ものに限らず、例えばアンカー部材に上方及び内側方へ
屈曲するフック状をなす部材を突設しておき、このよう
なフック状部材に保持具を係合させるようにすることも
できる。
【0046】このような構成のものであっても、軽量の
育成部材1及び保持具320から本藻場増殖礁A3を構
成することで、前記第1実施例や第2実施例と同様に、
運搬やその他取り扱い作業の簡便化を有効に図ることが
できる。また、コンクリートブロックからなるアンカー
部材330の高さによって、保持具320が海底Pに潜
り込んでしまうという不具合も有効に回避することが可
能である。そして、最終的には、図12に示すように、
保持具320に育成部材1を取り付けた本藻場増殖礁A
3にアンカー部材330を取り付けて海底Pに沈設した
周囲に、第1実施例と同様に自然石4等を投入などして
配設することで、藻場を長期に亘って維持したり拡張す
ることが可能となる。
【0047】なお、本発明では、育成部材や保持具の形
状、取付手段の構成等は上記実施例に限られず、様々な
形態ものを適用することができる。
【0048】また、育成部材上でアラメBを育成し活着
させる工程では、図4に示した方法に限らず、育成部材
を取り付けた状態の保持具を筏から吊り下げる方法を採
用することもできる。ここでは、前記第2実施例の保持
具120を使用した場合について図8を参照して説明す
るが、第1実施例の保持具2を適用してもよいのは勿論
である。すなわち、第2実施例のように育成部材1を結
束バンド124を利用して網状の保持具120に取り付
け、その状態で保持具120を海面Rに浮かべた筏5か
ら海中Qに吊り下げる。このようにすることで、一つの
保持具120に対して多数の育成部材1を同時に保持さ
せた状態でそれら育成部材1にアラメBを活着させるこ
とができるため、アラメBの育成効率や作業の手間を飛
躍的に向上することが可能である。また、保持具120
や育成部材1は軽量であるため、このように筏5に吊り
下げ又は筏5から引上げる作業も大した手間を掛けずに
行うことができる。
【0049】その他、各部の具体的構成や取扱方法は、
上記実施例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸
脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0051】すなわち、本発明の藻場増殖礁によれば、
藻類を育成し活着させる育成部材に藻類の育成機能を担
わせ、人力で運搬可能な籠状又は網状の保持具に育成部
材を取付部を介して保持させるようにしているため、そ
れぞれを別個に取り扱って運搬その他の作業効率や費用
を低減することができるだけでなく、骨構造部と多孔部
とからなる保持具や、枠体部と載置部とからなる保持具
は、いずれも水の抵抗を受けにくい構成のものであるた
め、藻場増殖礁が潮流で倒れにくくなるなど海中での取
り扱いも容易なものとすることができる。
【0052】特に、保持具に形成した収容空間に重し部
材として一個ずつは軽量なものを多数入れるようにすれ
ば、海底への安定設置も容易に実現することができる。
【0053】また、枠体部と載置部とからなる保持具の
場合にも、育成部材を取り付けた状態の保持具を海底に
配設した状態で重量物たるアンカー部材を取り付けてい
るように構成すれば、沈設作業の容易化を図り、海底で
の安定性を向上することも可能である。
【0054】また、籠状の保持具を適用した藻場増殖礁
を海底に沈設する際に、保持具に育成部材を取り付け
て、収容空間に重し部材として多数の石や貝殻、コンク
リート片等を収容させる方法を採用すれば、藻場増殖礁
を安定的に海底に設置することができる。しかも、石や
貝殻等はそれぞれ単一では軽いものであるため、それら
の取り扱いをも簡便に行うことができ、これら部材の全
てを小型漁船程度のもので沈設位置まで運搬しその費用
や手間を削減することも可能である。
【0055】一方、載置部を有する保持具の場合、アン
カー部材を所定の高さ寸法を有するコンクリート製ブロ
ックや、所定の高さ寸法を有する脚部を具備する鋼製台
座等とすれば、藻場増殖礁を沈設する海底が砂地である
場合でも育成部材が砂に潜らないため、有効に藻場を形
成することができる。
【0056】さらに、育成部材を保持具に保持させる前
に、育成部材を海面に浮かべた筏等から海中に吊り下げ
て、その後海底で十分に生育できる程度まで藻類を予め
育成部材に活着させるような方法を採用すれば、一旦海
底に沈めた藻場増殖礁における藻類が簡単に死滅すると
いうリスクを有効に回避することができるうえ、地上で
藻類を予め育成しておく場合と比較して広大な施設や設
備、手間を削減しつつ十分な日光と新鮮な海水を自然な
状態で与えることで迅速且つ確実な藻類の育成を可能と
することができる。
【0057】このように藻類を予め育成しておく場合、
別の方法として育成部材を保持させ且つアンカー部材を
取り付けていない状態の保持具を筏等から海中に吊り下
げる方法を採用すれば、上記の方法による効果に加え
て、その育成工程における手間を軽減することもでき
る。
【0058】また、藻場増殖礁を海底に設置するととも
に、その周囲に比較的大きな自然石等の所定期間海底に
安定設置し得るものを配設し、その自然石等に育成部材
上の藻類から放出される胞子を付着させて藻場を拡張す
るようにしていれば、藻場の拡大や消失した藻場の再
生、あるいは比較的大規模な新規の藻場造成を有効に行
うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す斜視図。
【図2】同実施例を適用した藻場形成の過程を模式的に
示す図。
【図3】同実施例を適用して形成された藻場を示す斜視
図。
【図4】同実施例におけるアラメの育成工程を模式的に
示す図。
【図5】本発明の第2実施例を示す斜視図。
【図6】同実施例を適用して形成された藻場を示す斜視
図。
【図7】同実施例における変形例を示す図。
【図8】本発明におけるアラメの育成工程の変形例を模
式的に示す図。
【図9】本発明における育成部材の一例を示す拡大斜視
図。
【図10】本発明の第3実施例を示す斜視図。
【図11】同実施例の一部を分解して示す斜視図。
【図12】同実施例を適用して形成された藻場を示す斜
視図。
【符号の説明】
A1、A2、A3…藻場増殖礁 B…藻類(アラメ) P…海底 Q…海中 R…海面 X1、X2、X3…取付手段 1…育成部材 2、120、320…保持具 2S…収容空間 3…重し(石) 4…自然石 5…筏 21…骨構造部 22…多孔部 23…開口部 121…枠体部 122…載置部 130、230、330…アンカー部材(コンクリート
ブロック、鋼製台座) 231…枠部 232…脚部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橘 紀久夫 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 住 友大阪セメント株式会社セメント・コンク リート研究所内 (72)発明者 小谷 正人 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 株 式会社中研コンサルタント内 Fターム(参考) 2B003 AA02 BB02 BB09 DD01 DD02 DD06 DD08 EE04 2B026 AA05 AB05 AC01 AF04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】海底に配設し藻場を形成するためのもので
    あって、 藻類を育成し活着させ得る育成部材と、人為的に持ち運
    びできる程度に軽量な保持具とを具備してなり、該保持
    具が、フレーム構造からなる骨構造部と、この骨構造部
    とともに籠状の収容空間を形成し該収容空間内の収容物
    が通過しない程度の大きさの孔を備えた多孔部とを具備
    してなるものであって、保持具と育成部材との間に取付
    手段を形成し、その取付手段を介して育成部材を保持具
    に保持させるように構成していることを特徴とする藻場
    増殖礁。
  2. 【請求項2】前記保持具に収容空間と外部とを連通する
    開口部を形成し、この開口部を介して収容空間内に、単
    一では人手で取り扱い得る程度に軽量で所定量集合する
    ことでアンカー機能を有する石や貝殻、コンクリート片
    等からなる前記収容物たる重し部材を収容するようにし
    ていることを特徴とする請求項1記載の藻場増殖礁。
  3. 【請求項3】海底に配設し藻場を形成するためのもので
    あって、 藻類を育成し活着させ得る育成部材と、人為的に持ち運
    びできる程度に軽量な保持具とを具備してなり、該保持
    具が、剛性を有する枠体部と、育成部材を載置し得る載
    置部とを具備してなるものであって、保持具と育成部材
    との間に取付手段を形成し、その取付手段を介して育成
    部材を載置部に載せた状態で保持具に保持させるように
    構成していることを特徴とする藻場増殖礁。
  4. 【請求項4】保持具に重量物たるアンカー部材を着脱可
    能に取り付けることによって海底に沈設し得るようにし
    ていることを特徴とする請求項3記載の藻場増殖礁。
  5. 【請求項5】請求項1又は2記載の藻場増殖礁を海底に
    沈設するに際して、育成部材を保持した状態の保持具の
    収容空間に、海底に安定設置される程度に多数の石や貝
    殻、コンクリート片等の重し部材を収容することによっ
    て藻場増殖礁を沈設するようにしていることを特徴とす
    る藻場増殖礁の取扱方法。
  6. 【請求項6】請求項3又は4記載の藻場増殖礁を海底に
    沈設するに際して、所定の高さ寸法を有するコンクリー
    ト製ブロックや、枠部及び該枠部から下方に延び所定の
    高さ寸法を有する脚部とを具備する鋼製台座等のからな
    るアンカー部材を育成部材を保持した状態の保持具に取
    り付けることによって藻場増殖礁を沈設するようにして
    いることを特徴とする藻場増殖礁の取扱方法。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3又は4記載の藻場増殖礁
    における育成部材を保持具に保持させる以前において、
    育成部材を海面に浮かべた筏等の浮遊物から海中に吊り
    下げることによって、食害に遭いにくく且つ自らを支え
    て葉落ちしない程度の大きさまで育成した藻類を予め育
    成部材に活着させるようにしていることを特徴とする藻
    場増殖礁の取扱方法。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3又は4記載の藻場増殖礁
    を海底に沈設する以前において、育成部材を保持させ且
    つアンカー部材を取り付けていない状態の保持具を海面
    に浮かべた筏等の浮遊物によって海中に吊り下げること
    によって、育成部材に藻類を食害に遭いにくく且つ自ら
    を支えて葉落ちしない程度の大きさまで育成して活着さ
    せるようにしていることを特徴とする藻場増殖礁の取扱
    方法。
  9. 【請求項9】海底に沈設した請求項1、2、3又は4記
    載の藻場増殖礁の周囲に、所定期間海底に安定設置し得
    る自然石やコンクリートブロック等を配設し、それら自
    然石等に育成部材上の藻類から放出される胞子を付着さ
    せて藻場を拡張し得るようにしていることを特徴とする
    藻場増殖礁の取扱方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6973752B2 (en) * 2001-05-31 2005-12-13 Anderson James F Aquatic planting process and related plant and seed holders
KR102152613B1 (ko) * 2019-08-23 2020-09-08 주식회사 석송 안전한 서식환경이 구비된 어류 서식처 및 시공방법

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