JP2001297995A - 回路製造方法および装置 - Google Patents

回路製造方法および装置

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JP2001297995A
JP2001297995A JP2000112334A JP2000112334A JP2001297995A JP 2001297995 A JP2001297995 A JP 2001297995A JP 2000112334 A JP2000112334 A JP 2000112334A JP 2000112334 A JP2000112334 A JP 2000112334A JP 2001297995 A JP2001297995 A JP 2001297995A
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Japan
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silicon substrate
annealing
gas
temperature
wafer
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JP2000112334A
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Tomoko Matsuda
友子 松田
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NEC Corp
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    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
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    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
    • H01L21/324Thermal treatment for modifying the properties of semiconductor bodies, e.g. annealing, sintering
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  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面がカバー膜で被覆されておらず不純物が
イオン注入されたシリコンウェハをアニール処理すると
き、シリコンウェハの無用な反応と不純物の無用な拡散
とを防止する。 【解決手段】 昇温時にはシリコンウェハと反応しない
アルゴン等に微量な酸素を添加した第一のアニールガス
を供給し、昇温されるシリコンウェハに窒化などの無用
な反応を発生させない。降温時には窒素等の熱伝導率が
高い第二のアニールガスを供給し、シリコンウェハを迅
速に降温して不純物の無用な拡散を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン基板にド
ープされた不純物をアニール処理により活性化する回路
製造方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ロジック回路などに利用されてい
るMOSトランジスタでは、通常のソース/ドレイン領
域の内側にライトドープのLDD(Lightly Doped Drain
-Source)領域を追加することにより、ホットキャリアの
発生を抑制するとともにブレークダウン電圧の低下も防
止していた。
【0003】しかし、現在のMOSトランジスタでは電
源電圧も低下しているので上述のような目的の重要性は
低下しており、LDD領域の不純物の濃度を上昇させて
低抵抗化することが実施されている。これはエクステン
ション領域と呼称されており、通常のソース/ドレイン
領域よりは低濃度であるが従来のLDD領域よりは高濃
度で浅く形成される。
【0004】このような構造のMOSトランジスタ10
の一従来例を図6を参照して以下に説明する。まず、こ
こで一従来例として例示するp型のMOSトランジスタ
10では、n型のシリコン基板11の表面に所定パター
ンのゲート絶縁膜12とp型のゲート電極13とが順番
に積層されており、これらゲート絶縁膜12とゲート電
極13との両側にサイドウォール14が形成されてい
る。
【0005】これらのサイドウォール14より外側のシ
リコン基板11の表層には、p型の一対のソース/ドレ
イン領域15が形成されており、これらソース/ドレイ
ン領域15より内側のシリコン基板11の表層には、p
型の一対のエクステンション領域16が一つのチャネル
領域17を介して形成されている。
【0006】上述のような構造のMOSトランジスタ1
0は、ソース/ドレイン領域15より内側にエクステン
ション領域16が位置するので、従来のLDD構造と同
様に、ホットキャリアの発生を抑制するとともにブレー
クダウン電圧の低下も防止することができ、それでいて
従来のLDD構造より低抵抗である。
【0007】なお、上述したMOSトランジスタ10で
は、例えば、ゲート絶縁膜12はシリコン基板11の熱
酸化膜で形成されており、pチャネルとして機能するた
めにソース/ドレイン領域15やエクステンション領域
16やゲート電極13にはボロンなどのp型の不純物が
注入されている。
【0008】ここで、このようなMOSトランジスタ1
0を製造するトランジスタ製造方法を以下に簡単に説明
する。まず、シリコン基板11の表面を熱処理して全域
に熱酸化膜を形成し、この熱酸化膜の表面にゲート電極
13を所定パターンで形成する。
【0009】このゲート電極13をマスクとした熱酸化
膜のドライエッチングにより、ゲート電極13でマスク
されていないシリコン基板11の表面から熱酸化膜を除
去し、図7(a)に示すように、ゲート電極13の下方に
残存する熱酸化膜によりゲート絶縁膜12を形成する。
【0010】つぎに、同図(b)に示すように、ゲート電
極13をマスクとしてシリコン基板11の表層のエクス
テンション領域16の位置にp型の不純物をライトドー
プし、同図(c)に示すように、この不純物がイオン注入
されたシリコン基板11の表面でゲート絶縁膜12とゲ
ート電極13との両側にサイドウォール14を形成す
る。
【0011】つぎに、同図(d)に示すように、これらの
サイドウォール14をマスクとしてシリコン基板11の
表層のソース/ドレイン領域15の位置にp型の不純物
をディープドープし、このようにシリコン基板11にイ
オン注入された不純物をアニール処理で活性化すること
でソース/ドレイン領域15やエクステンション領域1
6が形成され、図6に示すように、p型のMOSトラン
ジスタ10が完成される。
【0012】上述のようにソース/ドレイン領域15や
エクステンション領域16を形成するためのシリコン基
板11のアニール処理としては、現在ではRTA(Rapid
Thermal Anneal)法が一般に採用されている。図8(a)
に示すように、このRTA法では、窒素やアルゴンから
なるアニールガスの雰囲気中に配置したシリコン基板1
1を、約1000(℃)のアニール到達温度まで装置の最高速
度で昇温してから常温まで最高速度で降温する。
【0013】このようにRTA法では昇温と降温とを最
高速度で実行し、スパイクアニールとして昇温から降温
に直接に移行するので、エクステンション領域16の不
純物の無用な拡散を防止することができ、そのシリコン
基板11との接合を浅く低抵抗とすることができる。
【0014】なお、ソース/ドレイン領域15やエクス
テンション領域16を形成するためのシリコン基板11
のアニール処理としては、同図(b)に示すように、アニ
ール到達温度の状態を所定時間だけ維持するソークアニ
ールもある。このソークアニールでは、スパイクアニー
ルより処理時間は必要となるが、アニール到達温度をス
パイクアニールほど高温にする必要がない。
【0015】また、前述のような構造のMOSトランジ
スタ10の製造方法としては、図9に示すように、最初
にサイドウォール14をマスクとしてシリコン基板11
のソース/ドレイン領域15の位置にp型の不純物をデ
ィープドープしてアニール処理し、サイドウォール14
を除去してからゲート電極13をマスクとしてシリコン
基板11のエクステンション領域16の位置にp型の不
純物をライトドープし、サイドウォール14を再度形成
してからアニール処理を再度実行する手法もある。
【0016】この場合、ソース/ドレイン領域15を活
性化する第一回目のアニール処理はRTA法でなく通常
の長時間のアニール処理とされるので、イオン注入によ
る欠陥が良好に回復する。それでいて、エクステンショ
ン領域16を活性化する第二回目のアニール処理はRT
A法とされるので、やはりエクステンション領域16の
接合を浅く低抵抗とすることができる。
【0017】なお、上述のようなpチャネルのMOSト
ランジスタ10とともにnチャネルのMOSトランジス
タも形成してCMOS(Complementary MOS)トランジス
タを製造する場合、p型とn型との不純物を一度のアニ
ール処理で活性化できれば生産性は良好である。
【0018】しかし、アニール処理によりn型の不純物
はシリコン基板11から揮発しやすく、p型の不純物は
シリコン基板11に拡散しやすい。そこで、一個のシリ
コン基板11にイオン注入したp型とn型との不純物を
同時にアニール処理で活性化するとき、そのシリコン基
板11の表面が酸化膜などのカバー膜で被覆されていな
い場合には、雰囲気中に微量な酸素を添加してアニール
処理と同時に酸化膜を形成し、n型の不純物の揮発を防
止することが好適である。
【0019】しかし、このようにアニール処理と同時に
酸化膜を形成すると、この酸化膜にもp型の不純物が拡
散され、さらにp型の不純物の濃度が低下することにな
る。また、p型の不純物であるボロンは酸化されやすい
ため、この酸化により拡散が促進されて接合の深さも増
加することになる。
【0020】上述のような課題を解決するため、本出願
人が特願平10−278928号として提案した回路製
造方法では、TED(Tranjent Exhanced Diffusion)に
よる不純物の拡散が顕著でOED(Oxidation Exhanced
Diffusion)による不純物の拡散が微少なRTA法におい
て、昇温時の雰囲気中に必要最小限の微量な酸素を添加
する。
【0021】この場合、添加した微量な酸素により昇温
時にシリコン基板11の表面にカバー膜である熱酸化膜
が形成されるので、n型の不純物の揮発を防止してn型
のエクステンション領域を高濃度に形成することができ
る。一方、RTA法のアニール処理では昇温と降温が高
速に実行されるので、p型の不純物は殆どOEDでなく
TEDにより拡散されることになり、充分な濃度のp型
のエクステンション領域16を浅い接合に形成すること
ができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上述した回路製造方法
では、p型とn型との不純物領域を一度のアニール処理
で同時に活性化する場合でも、n型の不純物の揮発を防
止することができ、p型の不純物をTEDで拡散させる
ことができる。
【0023】しかし、上述のようにシリコン基板11の
表面が酸化膜などのカバー膜で被覆されていない場合、
アニールガスの主成分を窒素として添加する酸素を微量
とするとシリコン基板11が窒化され、エクステンショ
ン領域16などの均一性が阻害されることになる。
【0024】このようなシリコン基板11の窒化を防止
するためにはアニールガスの主成分をアルゴンとすれば
良いが、これでは熱伝導率が低いので降温の速度が低下
することになる。この場合、エクステンション領域16
の不純物が無用に拡散するので、そのシリコン基板11
との接合が深くなり抵抗も増加することになる。
【0025】本発明は上述のような課題に鑑みてなされ
たものであり、シリコン基板にイオン注入した不純物を
活性化するためにアニール処理するとき、不純物が活性
化される領域の均一性を維持するとともに、不純物が活
性化される領域とシリコン基板との接合を浅く低抵抗に
することができる回路製造方法および装置を提供するこ
とを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の回路製造装置に
よる回路製造方法では、表面がカバー膜で被覆されてお
らず不純物がイオン注入されたシリコン基板をウェハ保
持手段で交換自在に保持し、この保持されたシリコン基
板がウェハ昇温手段により昇温されてから降温される。
ただし、シリコン基板をウェハ昇温手段が昇温するとき
には、アニール制御手段が第一のガス供給手段に第一の
アニールガスを供給させ、シリコン基板を降温するとき
には、アニール制御手段が第二のガス供給手段に第二の
アニールガスを供給させる。
【0027】第一のアニールガスは、例えば、アルゴン
を主成分としており、シリコン基板と反応しないので、
昇温されるシリコン基板に無用な反応が発生しない。第
二のアニールガスは、例えば、窒素を主成分としてお
り、熱伝導率が高いので、シリコン基板が迅速に降温さ
れる。
【0028】なお、本発明で云う各種手段は、その機能
を実現するように形成されていれば良く、例えば、所定
の機能を発生する専用のハードウェア、所定の機能がプ
ログラムにより付与されたコンピュータ、プログラムに
よりコンピュータの内部に実現された所定の機能、これ
らの組み合わせ、等を許容する。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図1ない
し図5を参照して以下に説明する。ただし、本実施の形
態に関して前述した一従来例と同一の部分は、同一の名
称を使用して詳細な説明は省略する。本実施の形態の回
路製造装置20は、その主体であるアニール装置本体2
1とアニール制御手段でもあるアニール制御装置22と
を具備しており、これらが接続コネクタ23により相互
に接続されている。
【0030】アニール装置本体21は、ウェハ保持手段
である保持テーブル201を具備しており、この保持テ
ーブル201は、断熱気密手段である処理チャンバ20
2の内部に配置されている。保持テーブル201は、シ
リコン基板11を交換自在に保持し、処理チャンバ20
2は、保持テーブル201により保持されたシリコン基
板11を外部から気密するとともに断熱する。
【0031】なお、上述のように保持テーブル201で
保持されるシリコン基板11は、表面に酸化膜などのカ
バー膜が被覆されておらず、不純物がイオン注入されて
いる。より詳細には、このシリコン基板11もCMOS
トランジスタが形成されるので、p型の不純物であるボ
ロンとn型の不純物であるリンとが要所にイオン注入さ
れており、これらp型とn型との不純物を回路製造装置
20は一度のアニール処理で同時に活性化する。
【0032】処理チャンバ202は、上方および下方に
ウェハ昇温手段に相当する一対のランプユニット203
が個々に配置されており、第一/第二のガス供給手段で
ある第一/第二ガスユニット204,205が配管され
ている。ランプユニット203は、保持テーブル201
により保持されたシリコン基板11を照明により昇温
し、第一/第二ガスユニット204,205は、保持テ
ーブル201により保持されたシリコン基板11の位置
に第一/第二のアニールガスを供給する。
【0033】第一のアニールガスは、熱伝導率は低いが
シリコン基板11と反応しないアルゴンを主成分として
おり、ここに微量な酸素が1000(ppm)ほど添加されてい
る。一方、第二のアニールガスは、窒素を主成分として
おり、シリコン基板11と反応することが可能であるが
熱伝導率が高い。
【0034】アニール制御装置22は、いわゆるコンピ
ュータシステムからなり、図3に示すように、コンピュ
ータの主体となるハードウェアとしてCPU(Central P
rocessing Unit)101を具備している。このCPU1
01には、バスライン102により、ROM(Read Only
Memory)103、RAM(Random Access Memory)10
4、HDD(Hard Disc Drive)105、FD(Floppy Dis
c)106が交換自在に装填されるFDD(FD Drive)10
7、CD(Compact Disc)−ROM108が交換自在に装
填されるCDドライブ109、キーボード110、マウ
ス111、ディスプレイ112、通信I/F(Interfac
e)113、等のハードウェアが接続されており、この通
信I/F113には、接続コネクタ23が接続されてお
り、この接続コネクタ23にアニール装置本体21のラ
ンプユニット203と第一/第二ガスユニット204,
205とが接続されている。
【0035】本実施の形態の回路製造装置20では、R
OM103、RAM104、HDD105、交換自在な
FD106、交換自在なCD−ROM108、等のハー
ドウェアが情報記憶媒体に相当し、これらの少なくとも
一個にアニール制御装置22の各種動作に必要な制御プ
ログラムや各種データがソフトウェアとしてデータ記憶
されている。
【0036】例えば、CPU101に各種の処理動作を
実行させる制御プログラムは、FD106やCD−RO
M108に事前に格納されている。このようなソフトウ
ェアはHDD105に事前にインストールされており、
アニール制御装置22の起動時にRAM104に複写さ
れてCPU101に読み取られる。
【0037】このようにCPU101が適正なプログラ
ムを読み取って対応する各種の処理動作を実行すること
により、本実施の形態のアニール制御装置22は、アニ
ール装置本体21のランプユニット203と第一/第二
ガスユニット204,205との動作を統合制御する。
【0038】つまり、本実施の形態のアニール制御装置
22は、シリコン基板11を所定のアニール到達温度ま
で昇温させるときは、ランプユニット203を点灯させ
るとともに第一ガスユニット204に第一のアニールガ
スを低速に供給させ、シリコン基板11をアニール到達
温度から常温まで降温させるときは、ランプユニット2
03を消灯させるとともに第二ガスユニット205に第
二のアニールガスを高速に供給させる。
【0039】上述のようなアニール制御装置22の制御
機能は、必要により各種のハードウェアを利用して実現
されるが、その主体はRAM104等の情報記憶媒体に
格納されたソフトウェアに対応して、コンピュータのハ
ードウェアであるCPU101が機能することにより実
現されている。
【0040】このようなソフトウェアは、例えば、シリ
コン基板11を昇温させるときはランプユニット203
と第一ガスユニット204とを動作させること、シリコ
ン基板11を降温させるときは、ランプユニット203
を停止させて第二ガスユニット205を動作させるこ
と、等の処理動作をCPU101等に実行させるための
制御プログラムとしてRAM104等の情報記憶媒体に
格納されている。
【0041】上述のような構成において、本実施の形態
の回路製造装置20も、表面が酸化膜などのカバー膜で
被覆されておらず不純物としてボロンがイオン注入され
ているシリコン基板11をアニール処理し、そのボロン
を活性化してp型のソース/ドレイン領域15やエクス
テンション領域16を形成する。
【0042】その場合、図2に示すように、上述のよう
なシリコン基板11を処理チャンバ202の内部の保持
テーブル201に保持させ、アニール制御装置22によ
りアニール装置本体21のランプユニット203と第一
/第二ガスユニット204,205とを動作制御する。
【0043】すると、図1および図4に示すように、ア
ニール制御装置22は第一ガスユニット204によりア
ルゴンを主成分として微量な酸素が添加された第一のア
ニールガスをシリコン基板11の位置に低速に供給させ
(ステップS1)、このシリコン基板11をランプユニッ
ト203により所定のアニール到達温度まで最高速度で
昇温させる(ステップS2)。
【0044】これでシリコン基板11がアニール到達温
度となると即座に降温が開始されるので(ステップS
3)、ランプユニット204が消灯され(ステップS
4)、第一ガスユニット204による第一のアニールガ
スの低速供給が停止されるとともに、第二ガスユニット
205による窒素からなる第二のアニールガスの高速供
給が開始される(ステップS5)。
【0045】このようにランプユニット204が消灯さ
れた状態で第二ガスユニット205から第二のアニール
ガスがシリコン基板11に高速に供給されるので、この
シリコン基板11が常温まで降温されると第二ガスユニ
ット205によるガス供給が停止される(ステップS
6,S7)。
【0046】本実施の形態の回路製造装置20による回
路製造方法では、上述のようにシリコン基板11を昇温
するときにはアルゴンを主成分として微量な酸素が添加
された第一のアニールガスを供給するので、昇温される
シリコン基板11に窒化などの無用な反応が発生するこ
とがなく、pチャネルのMOSトランジスタ10とnチ
ャネルのMOSトランジスタ(図示せず)との特性を良好
に維持することができる。
【0047】このとき、第一のアニールガスに微量に添
加されている酸素のため、シリコン基板11の表面には
熱酸化膜が形成されるので、シリコン基板11にイオン
注入されているn型の不純物(図示せず)の揮発が防止さ
れ、nチャネルのMOSトランジスタのn型のエクステ
ンション領域16が充分な濃度に形成される。
【0048】一方、シリコン基板11を降温するときに
は窒素からなる第二のアニールガスを供給するので、熱
伝導率の高い窒素によりシリコン基板11を迅速に降温
することができる。このため、アニール処理は拡散の大
部分がOEDでなくTEDとなるRTA処理として実行
されるので、p型のエクステンション領域16のボロン
の無用な拡散を防止することができ、そのシリコン基板
11との接合を浅く低抵抗とすることができる。
【0049】なお、本発明は上記形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許
容する。例えば、上記形態ではシリコン基板11をアニ
ール到達温度まで昇温した直後に降温するスパイクアニ
ールを実行することを例示した。
【0050】しかし、図5に示すように、これをアニー
ル到達温度が所定時間だけ維持されるソークアニールと
することも可能であり、その場合の第一/第二のアニー
ルガスを切り換えるタイミングは、例えば、昇温が完了
したとき、アニール到達温度が維持されているとき、降
温を開始するとき、等に設定することが可能である。
【0051】さらに、上記形態ではシリコン基板11を
降温させるとき、第二のアニールガスの供給速度を常時
最高として降温速度を一様な最高とすることを例示した
が、この第二のアニールガスの供給速度を調節して降温
速度を最初は最高で途中から低速とすることも可能であ
る。
【0052】この場合、シリコン基板11の降温の速度
が途中まで高速なので、エクステンション領域16の不
純物の無用な拡散を防止することができ、それでいて、
シリコン基板11の降温の速度が途中から低速となるの
で、そのストレスを緩和して各部の破損や剥離などを防
止することができる。
【0053】その場合、降温の速度は、温度低下により
固溶度の低下した不純物に、シリコン基板11との結合
を切断する熱エネルギが作用しない速度とすることが好
適であり、例えば、シリコン基板11にイオン注入され
た不純物がボロンの場合、シリコン基板11を1000(℃)
のアニール到達温度まで昇温してから900(℃)までは50
(℃/sec)以上の高速で降温させて以後は25(℃/sec)以
下の低速で降温させることが好適である。
【0054】つまり、アニール到達温度まで昇温された
シリコン基板11の温度が低下するとイオン注入されて
いる不純物の固溶度も低下するので、不純物とシリコン
基板11との結合が切断されやすくなる。しかし、不純
物とシリコン基板11との結合を切断するためには充分
な熱エネルギが必要であり、この熱エネルギは必然的に
シリコン基板11が高温であるほど大きくなる。つま
り、不純物とシリコン基板11との結合は、固溶度の観
点では低温ほど切断されやすく、熱エネルギの観点では
高温ほど切断されやすい。
【0055】本発明者が実際に調査したところ、シリコ
ン基板11とボロンとの結合を切断する所用時間は、90
0(℃)では約0.5(min)、800(℃)では約5.0(min)、700
(℃)では約60(min)、であった。従って、シリコン基板
11の温度を1000(℃)から900(℃)まで降温する時間が
0.5(min)以上であると、シリコン基板11とボロンとの
結合は切断されることになり、同様に800(℃)まで降温
させる時間が5.0(min)以上や、700(℃)まで降温させる
時間が60(min)以上でも、シリコン基板11とボロンと
の結合は切断されることになる。
【0056】換言すると、シリコン基板11の温度を10
00(℃)から900(℃)まで降温する時間が0.5(min)より充
分に短時間ならば、シリコン基板11とボロンとの結合
の切断を防止することができ、同様に800/700(℃)まで
降温させる時間も5.0/60(min)より充分に短時間なら良
いことになる。
【0057】そして、この温度と時間との関係に着目す
ると、温度が低下するほど許容される時間は急激に増大
しているので、アニール到達温度まで昇温したシリコン
基板11の降温は、高温では高速が必要とされるが低温
では低速で良いことになる。
【0058】そこで、この降温速度の変化割合を、温度
低下により固溶度の低下した不純物にシリコン基板11
との結合を切断する熱エネルギが作用しない範囲で可能
な限り降温を低速とすれば、シリコン基板11にイオン
注入されている不純物が無用に拡散せず、シリコン基板
11等のストレスを最小限にできる。
【0059】また、上記形態ではアニール処理によりC
MOSトランジスタのp型領域とn型領域との不純物を
同時に活性化することを例示したが、本発明のアニール
処理は、pチャネルのMOSトランジスタ10のp型領
域のみ活性化することや、nチャネルのMOSトランジ
スタのn型領域のみ活性化することも可能であり、不純
物がイオン注入されたシリコン基板であれば各種の回路
に利用可能である。
【0060】さらに、上記形態ではRAM104等にソ
フトウェアとして格納されている制御プログラムに従っ
てCPU101が動作することにより、アニール制御装
置22の各種機能として各種手段が論理的に実現される
ことを例示した。しかし、このような各種手段の各々を
固有のハードウェアとして形成することも可能であり、
一部をソフトウェアとしてRAM104等に格納すると
ともに一部をハードウェアとして形成することも可能で
ある。
【0061】また、上記形態ではCD−ROM108等
からHDD105に事前にインストールされているソフ
トウェアがアニール制御装置22の起動時にRAM10
4に複写され、このようにRAM104に格納されたソ
フトウェアをCPU101が読み取ることを想定した
が、このようなソフトウェアをHDD105に格納した
ままCPU101に利用させることや、ROM103に
事前に固定的に格納しておくことも可能である。
【0062】さらに、単体で取り扱える情報記憶媒体で
あるFD106やCD−ROM108にソフトウェアを
格納しておき、このFD106等からHDD105やR
AM104にソフトウェアをインストールすることも可
能であるが、このようなインストールを実行することな
くFD106等からCPU101がソフトウェアを直接
に読み取って処理動作を実行することも可能である。
【0063】つまり、本発明のアニール制御装置22の
各種手段をソフトウェアにより実現する場合、そのソフ
トウェアはCPU101が読み取って対応する動作を実
行できる状態に有れば良い。また、上述のような各種手
段を実現する制御プログラムを、複数のソフトウェアの
組み合わせで形成することも可能であり、その場合、単
体の製品となる情報記憶媒体には、本発明のアニール制
御装置22を実現するための必要最小限のソフトウェア
のみを格納しておけば良い。
【0064】例えば、既存のオペレーティングシステム
が実装されているアニール制御装置22に、CD−RO
M108等の情報記憶媒体によりアプリケーションソフ
トを提供するような場合、本発明のアニール制御装置2
2の各種手段を実現するソフトウェアは、アプリケーシ
ョンソフトとオペレーティングシステムとの組み合わせ
で実現されるので、オペレーティングシステムに依存す
る部分のソフトウェアは情報記憶媒体のアプリケーショ
ンソフトから省略することができる。
【0065】また、このように情報記憶媒体に記述した
ソフトウェアをCPU101に供給する手法は、その情
報記憶媒体をアニール制御装置22に直接に装填するこ
とに限定されない。例えば、上述のようなソフトウェア
をホストコンピュータの情報記憶媒体に格納しておき、
このホストコンピュータを通信ネットワークで端末コン
ピュータに接続し、ホストコンピュータから端末コンピ
ュータにデータ通信でソフトウェアを供給することも可
能である。
【0066】上述のような場合、端末コンピュータが自
身の情報記憶媒体にソフトウェアをダウンロードした状
態でスタンドアロンの処理動作を実行することも可能で
あるが、ソフトウェアをダウンロードすることなくホス
トコンピュータとのリアルタイムのデータ通信により処
理動作を実行することも可能である。この場合、ホスト
コンピュータと端末コンピュータとを通信ネットワーク
で接続したシステム全体が、本発明のアニール制御装置
22に相当することになる。
【0067】
【発明の効果】本発明の回路製造装置による回路製造方
法では、シリコン基板を昇温するときには、シリコン基
板と反応しないアルゴンなどを主成分として微量な酸素
が添加された第一のアニールガスを供給し、シリコン基
板を降温するときには、窒素などを主成分として熱伝導
率が高い第二のアニールガスを供給することにより、昇
温されるシリコン基板の無用な反応を防止することがで
き、かつ、シリコン基板を迅速に降温することができる
ので、例えば、MOSトランジスタとなるシリコン基板
にドープしたp型の不純物の無用な拡散を防止して接合
を浅く低抵抗とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の回路製造方法を示す特
性図である。
【図2】回路製造装置の全体構造を示す模式的な縦断正
面図である。
【図3】アニール制御装置を示すブロック図である。
【図4】回路製造装置による回路製造方法を示すフロー
チャートである。
【図5】一変形例の回路製造方法を示す特性図である。
【図6】MOSトランジスタの内部構造を示す模式的な
縦断正面図である。
【図7】MOSトランジスタを製造する方法の一例を示
す工程図である。
【図8】従来の回路製造方法を示す特性図である。
【図9】MOSトランジスタを製造する方法の他例を示
す工程図である。
【符号の説明】
11 シリコン基板 20 回路製造装置 22 アニール制御手段でもあるアニール制御装置 201 ウェハ保持手段である保持テーブル 203 ウェハ昇温手段に相当するランプユニット 204 第一のガス供給手段である第一ガスユニット 205 第二のガス供給手段である第二ガスユニット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カバー膜で表面が被覆されていないシリ
    コン基板をアニール処理してドープされている不純物を
    活性化し、CMOS(Complementary Metal Oxide Semic
    onductor)トランジスタのpチャネルとnチャネルとの
    MOSトランジスタのディープドープのソース/ドレイ
    ン領域の内側のライトドープの浅い領域とを一度に形成
    する回路製造方法であって、 前記シリコン基板と反応しないガスを主成分として微量
    な酸素が添加された第一のアニールガスの雰囲気中で前
    記シリコン基板を所定のアニール到達温度まで昇温し、 このアニール到達温度まで昇温されたシリコン基板を熱
    伝導率が高い第二のアニールガスの雰囲気中で降温して
    前記ライトドープの浅い領域を形成する回路製造方法。
  2. 【請求項2】 カバー膜で表面が被覆されていないシリ
    コン基板をアニール処理してドープされているp型の不
    純物を活性化する回路製造方法であって、 前記シリコン基板と反応しないガスを主成分として微量
    な酸素が添加された第一のアニールガスの雰囲気中で前
    記シリコン基板を所定のアニール到達温度まで昇温し、 このアニール到達温度まで昇温されたシリコン基板を熱
    伝導率が高い第二のアニールガスの雰囲気中で降温する
    回路製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第一のアニールガスはアルゴンを主
    成分として微量な酸素が添加されており、 前記第二のアニールガスは窒素を主成分としている請求
    項1または2に記載の回路製造方法。
  4. 【請求項4】 カバー膜で表面が被覆されていないシリ
    コン基板をアニール処理してドープされている不純物を
    活性化し、CMOSトランジスタのpチャネルとnチャ
    ネルとのMOSトランジスタのディープドープのソース
    /ドレイン領域の内側のライトドープの浅い領域とを一
    度に形成する回路製造装置であって、 前記シリコン基板を交換自在に保持するウェハ保持手段
    と、 このウェハ保持手段により保持された前記シリコン基板
    を昇温するウェハ昇温手段と、 前記ウェハ保持手段により保持された前記シリコン基板
    の位置に前記シリコン基板と反応しないガスを主成分と
    して微量な酸素が添加された第一のアニールガスを供給
    する第一のガス供給手段と、 前記ウェハ保持手段により保持された前記シリコン基板
    の位置に熱伝導率が高い第二のアニールガスを供給する
    第二のガス供給手段と、 前記シリコン基板が前記ウェハ昇温手段により昇温され
    るときには前記第一のガス供給手段に前記第一のアニー
    ルガスを供給させて前記シリコン基板が降温されるとき
    には前記第二のガス供給手段に前記第二のアニールガス
    を供給させるアニール制御手段と、を具備している回路
    製造装置。
  5. 【請求項5】 カバー膜で表面が被覆されていないシリ
    コン基板をアニール処理してドープされているp型の不
    純物を活性化する回路製造装置であって、 前記シリコン基板を交換自在に保持するウェハ保持手段
    と、 このウェハ保持手段により保持された前記シリコン基板
    を昇温するウェハ昇温手段と、 前記ウェハ保持手段により保持された前記シリコン基板
    の位置に前記シリコン基板と反応しないガスを主成分と
    して微量な酸素が添加された第一のアニールガスを供給
    する第一のガス供給手段と、 前記ウェハ保持手段により保持された前記シリコン基板
    の位置に熱伝導率が高い第二のアニールガスを供給する
    第二のガス供給手段と、 前記シリコン基板が前記ウェハ昇温手段により昇温され
    るときには前記第一のガス供給手段に前記第一のアニー
    ルガスを供給させて前記シリコン基板が降温されるとき
    には前記第二のガス供給手段に前記第二のアニールガス
    を供給させるアニール制御手段と、を具備している回路
    製造装置。
  6. 【請求項6】 前記第一のガス供給手段は、アルゴンを
    主成分として微量な酸素が添加された第一のアニールガ
    スを供給し、 前記第二のガス供給手段は、窒素を主成分とした第二の
    アニールガスを供給する請求項4または5に記載の回路
    製造装置。
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