JP2001296232A - 粒度センサー - Google Patents
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Landscapes
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Abstract
することにより粒度の状態を正確かつ迅速に判定する粒
度センサーにおいて、粉体の濃度が変化しても粒度を正
確に判定することのできる粒度センサーを提供する。 【構成】試料を測定するための散乱場4と、前記散乱場
に導入された試料にレーザ光を照射するレーザ光源2
と、前記散乱場に導入された試料によって回折・散乱さ
れたレーザ光の散乱光強度を検出するための複数の検出
素子を備えた光検出器6と、前記光検出器で検出した各
検出素子ごとの検出値が、各検出素子ごとに設定した基
準範囲内にあるか否かを比較し、その比較結果に基づい
て所定の信号を出力するデータ処理手段10とを有し、
前記データ処理手段は、前記基準範囲を試料の濃度に対
応させて変更するものである。
Description
スにおいて粉体の粒度状態を検出することで、製造プロ
セスの運転状態や製造設備等の機器の状態を監視し、製
造プロセスや機器のリアルタイム制御に使用したり、製
造プロセスや機器の異常を迅速に検出したりすることの
できる粒度センサーに関するものである。
品質を確認する手段としては、粒度分析計によって粉体
試料の粒度(粒度分布)を測定する方法が広く利用され
ている。特に、粉体製品の製造プロセスにおいては、プ
ロセス中の各段階(各工程)で粒度を測定することによ
って、粉体製品の品質を向上させたり品質を維持した
り、あるいは製造設備の運転状態の監視等を行ってい
る。
散乱式あるいはレーザ回折・散乱式の粒度分析計がその
簡便性、迅速性およびデータ再現性の観点から最も広く
使用され、さらに使用範囲が増加しているのが実情であ
る。そして、レーザ回折・散乱式の粒度分析計による粒
度分布の測定は、フラウンフォーファの回折理論あるい
はMieの散乱理論による演算式(散乱光の物理現象を
数学的に解析した関係式や、この関係式に基づき実際の
散乱現象を開き角度の小さい扇形検出器で検出した場合
の関係式等)を利用して行われるが、その際、次の2つ
の解法が使用されている。
関数が対数正規分布やロジン・ラムラ分布等であると仮
定し、散乱エネルギーの理論値と扇形検出器による実測
値との誤差が最小となるように、分布関数の各種パラメ
ータを反復法等を利用することによって求め、その分布
関数を粒度分布とするものである。また、第2の解法
は、扇形検出器で検出した場合の関係式において、積分
公式で離散化することによって導いた線形連立方程式
を、ある拘束条件(粒度分布を滑らかにしたり、分布が
負の値にならないようにする等の拘束条件)の下で解い
たり、適当な分布関数(前述の対数正規分布等)である
という拘束条件の下で解くことによって粒度分布を求め
るようにしたものである。
乱式の粒度分析計にあっては、前述の粒度分布への変換
時に仮定や拘束条件に基づく処理や近似処理が行われる
ため、実際の散乱光強度分布の微少な変化が、測定誤差
や計算誤差として処理されてしまい、粒度分布の明確な
変化として出力されない場合がある。また、粒度分析計
において出力として汎用的に使用される種々の算術平均
径等の統計データは、粒度分布が微少変化しただけでは
変化量が小さく、これらのデータのみの監視では粒度分
布が変化したことを正確に検知することが難しい。
開発時等の粉体製造プロセスにおいて、測定対象として
の粉体製品の粒度分布に変化が生じたか否かを精度良く
確認したい場合とか、製造中の粉体製品の粒度品質を精
度良く確認し、例えば粉体製品の製造に関する機器(製
造設備等)の運転状態が健全であるか否かを監視したい
場合等に、前述した粒度分析計では、精度および感度上
の観点からそのまま適用することが難しいという問題点
があった。
で測定した散乱光強度分布を粒度分布に変換するために
複雑な演算処理を必要とし、粒度をリアルタイムで監視
するには結果を出力するまでに時間がかかりすぎるとい
う問題点もあった。そこで、本出願人は、これらの問題
点を解決するために、特願平11−101179号にお
いて新しい粒度センサーを提案した。この粒度センサー
によれば、散乱光強度分布を粒度分布に変換することな
く散乱光強度のままで利用することにより粒度の状態を
正確かつ迅速に把握して、製造プロセスの運転状態や機
器の状態監視を精度良く行うことが可能となった。
−101179号で提案した粒度センサーにおいても、
次のような問題点がある。粉体の製造プロセスにおいて
リアルタイムで粒度を監視するためには、試料を製造ラ
インから直接採取する必要がある。その場合に、試料の
濃度が粒度測定に影響を与えることが分かっている。レ
ーザ光の回折・散乱によって粒度測定を行う場合、光
源、光学系、検出器等の仕様によって多少異なるが、常
に安定した結果を出すためには、試料濃度をある適正濃
度範囲内に制御する必要がある。この適正濃度範囲を逸
脱すると、測定結果に濃度に依存する誤差を含むように
なる。
で提案した粒度センサーにおいても、粉体の濃度を適正
濃度に保つ必要があり、粉体濃度が適正濃度範囲を逸脱
すると正確な測定ができなくなるという問題点があっ
た。このため、粒度センサーが粉体粒度の異常を報知し
ても、実際に粉体の粒度に異常を生じているのか、それ
とも、粉体の濃度が適正濃度範囲を逸脱したためである
のかが判別できない場合があった。
に変換することなく利用することにより粒度の状態を正
確かつ迅速に判定する粒度センサーにおいて、粉体の濃
度が変化しても粒度を正確に判定することのできる粒度
センサーを提供することを目的とする。
に、本発明の粒度センサーは、試料を測定するための散
乱場と、前記散乱場に導入された試料にレーザ光を照射
するレーザ光源と、前記散乱場に導入された試料によっ
て回折・散乱されたレーザ光の散乱光強度を検出するた
めの複数の検出素子を備えた光検出器と、前記光検出器
で検出した各検出素子ごとの検出値が、各検出素子ごと
に設定した基準範囲内にあるか否かを比較し、その比較
結果に基づいて所定の信号を出力するデータ処理手段と
を有し、前記データ処理手段は、前記基準範囲を試料の
濃度に対応させて変更するものである。
データ処理手段は、散乱光を検出する各検出素子ごとの
検出値の少なくとも1つが、各検出素子ごとの前記基準
範囲の範囲外となったときに、試料の粒度の異常を報知
する報知信号を出力するものであることが好ましい。
光検出器は、試料中を散乱されずに透過したレーザ光の
強度を検出するための透過光検出素子を含み、前記デー
タ処理手段は、前記透過光検出素子の検出値により、試
料の濃度に対応した前記基準範囲を設定するものである
ことが好ましい。
データ処理手段は、試料導入前の前記透過光検出素子の
検出値の総和を記憶しておき、試料導入後の前記透過光
検出素子の検出値の総和と、記憶している試料導入前の
前記透過光検出素子の検出値の総和との比によって試料
の濃度に関連する濃度指数を計算するものであることが
好ましい。
データ処理手段は、予め複数種類の濃度指数に対応して
複数種類の基準範囲を記憶しておき、記憶している複数
種類の前記基準範囲の中から測定中の試料の濃度指数に
対応した最適な基準範囲を選択するものであることが好
ましい。
を参照して説明する。図1は、本発明の粒度センサー1
の構成を示すブロック図である。粒度センサー1内に
は、コリメータ2aを有するレーザ光源2が配置されて
おり、平行レーザ光がレーザ光源2から出力される。光
軸調整機構3は、レーザ光源2から出力された平行レー
ザ光の光軸を調整するための機構である。散乱場4は、
粒度を監視するための試料を導入して平行レーザ光の回
折・散乱を生じさせる場所である。集光レンズ5は、散
乱場4の試料により散乱された散乱光を集光するための
ものである。光検出器6は、散乱光の強度分布を検出す
るためのものであり、後述するように複数の検出素子か
らなっている。
れた散乱光の強度分布は、マルチプレクサ7によって各
検出素子の検出データが時間軸に関して多重化される。
強度分布のデータは、さらに増幅アンプ8により増幅さ
れ、A/D変換器9によって各検出素子の検出データご
とにデジタルデータに変換される。A/D変換器9の出
力は、データ処理手段10に送られて、各検出素子の検
出データを粒度分布に変換することなく、そのまま生デ
ータとして基準範囲と比較して試料の粒度が適正か否か
の判定を行う。そして、その判定結果にしたがって、粒
度が適正である旨の信号または粒度が適正範囲から外れ
た旨の信号を外部に出力する。また、A/D変換器9の
出力は、制御手段11に送られて光軸調整機構3による
光軸調整の制御に利用される。
ロセスにおいて、粉体製品の粒度が適正値であるか否か
をリアルタイムに監視するために使用される。粉体製品
の製造ラインにおける粒度センサー1の設置形態の例を
図2、図3により説明する。図2は、粉体製品の移送管
14から試料を採取して粉体製品の粒度を判定する設置
形態である。移送管14から粉体製品の一部が試料とし
て採取管12によって吸引され粒度センサー1の散乱場
4に導入される。散乱場4に導入された試料はリアルタ
イムで粒度が判定され、粒度を判定した後の試料は戻し
管13により、もとの移送管14に戻される。なお、粒
度を判定した後の試料を移送管14に戻さずに、廃棄す
るように構成してもよい。
品の粒度を粒度センサー1により直接判定するようにし
たものである。移送管14の少なくとも一部にレーザ光
を透過する検出窓を設け、その検出窓を通してレーザ光
源2からのレーザ光を粉体製品に直接照射し、粉体製品
による散乱光の分布を検出するようにしたものである。
この場合は、散乱場は移送管14の内部となる。この設
置形態においては、試料を採取するための採取管、戻し
管等の配管や、試料の吸引機構等の付属機器が不要とな
り、構成を簡素化することができる。
ある。光検出器6の全体の形状は、中心角αのほぼ扇形
に構成されている。中心角αは、例えば20度に設定さ
れる。光検出器6には、散乱光を検出するためのE1〜
E17の17個(17チャンネル)の検出素子が含まれ
る。検出素子E1〜E17は、寸法が順次指数関数的に
拡大するように構成されているので、中心側の検出素子
E1〜E9は、寸法の関係で図4には示されていない
(検出素子E1〜E7は、図5参照)。また、散乱光を
検出するための検出素子は、17チャンネルに限らず任
意のチャンネル数だけ設けることができる。
示す図である。光検出器6が構成する扇形の中心位置の
近傍には、光軸調整用検出素子S1〜S5が設けられて
いる。散乱場4に試料の存在しない状態で、レーザ光源
2からレーザ光を出力して光軸調整を行う。このとき、
中心部の光軸調整用検出素子S1により検出されるレー
ザ光強度が最大値となり、かつ、周囲の光軸調整用検出
素子S2〜S5の検出強度がそれぞれ等しくなるよう
に、制御手段11により光軸調整機構3を制御して光軸
の調整を行う。
でバックグラウンド測定を行う。レーザ光源2からレー
ザ光を出力し、検出素子E1〜E17での検出強度を測
定する。これは、試料の試料が存在しない状態でのバッ
クグラウンドの散乱光強度を検出するための測定であ
る。バックグラウンドの散乱光は、空気中に浮遊する粒
子による散乱、光学系や検出窓による散乱が原因であ
る。バックグラウンド測定の際に、光軸調整用検出素子
S1〜S5により受光された光強度の総和を測定前受光
量Saとして計算し、保存しておく。この測定前受光量
Saは、試料の粒度測定の際の試料濃度の指標となる濃
度指数SLを求めるために必要となる。
子E1〜E17により散乱光の強度分布を検出して、試
料の粒度の判定のためのデータ処理をデータ処理手段1
0により行う。その際、光軸調整用検出素子S1〜S5
によって受光されたレーザ光強度の総和を測定時受光量
Sbとして計算する。この測定時受光量Sbは、試料に
よって散乱されずに透過してきた透過光(直射光)の強
度である。測定前受光量Saと測定時受光量Sbとか
ら、計算式SL=Sb/Saによって計算される濃度指
数SLは、試料の濃度を示す指標となるものである。
を示す図である。濃度A〜Eは、濃度Aから濃度Eに向
かって順次、濃度が大きくなっている。これらの濃度A
〜Eの試料に対して、濃度指数SLを計算した結果が図
6に示されている。図6に示されているように、試料の
濃度が大きくなるほど、濃度指数SLの値は小さくな
る。濃度指数SLは、試料に散乱されずに透過するレー
ザ光の割合を示すものである。試料の濃度が極めて薄い
と、濃度指数SLの値は1に近づく。
関係の一例を示す図である。これは、同一粒度の試料を
図6における濃度A〜Eとして、それぞれの濃度におけ
る散乱光の強度分布を検出したものである。各強度分布
は、それぞれの強度分布の最大値によって規格化された
測定値である。このように、同一粒度の試料であって
も、その濃度によって散乱光の強度分布が変化してしま
う。
正な粒度の粉体について、種々の濃度に対して散乱光の
強度分布を予め基準値として測定しておく。そして、粉
体の粒度の測定時には、前述の濃度指数SLを計算して
粉体の濃度を求め、その濃度指数SLに対応した強度分
布の基準値を使用する。このようにして、粉体の粒度測
定時の散乱光の強度分布を、粉体の濃度に対応した基準
値および許容範囲と比較することにより、粉体の濃度に
影響されることなく正確な粒度の判定を迅速に行うこと
が可能となる。
L=Sb/Saによって計算される濃度指数SLを使用
したが、これ以外にも、検出素子E1〜E17による散
乱光の受光量の総和等を使用してもよいし、任意の検出
素子の検出値を使用してもよい。これらの検出値の試料
投入前の値と試料投入後の値の比(またはその逆数)を
計算することにより、試料濃度に対応する指標値が得ら
れる。
の判定方法を説明する。まず、粉体試料の濃度指数SL
を前述のように計算し、濃度指数SLに応じた強度分布
の基準値を選択する。予め、標準の粉体について種々の
濃度指数における散乱光の強度分布を測定しておき、そ
の測定値をその濃度指数に対応する基準値としてデータ
処理手段10内の記憶手段等に記憶しておく。強度分布
の基準値の選択は、記憶している複数種類の基準値の中
から、測定中の試料の濃度指数に最も近い濃度指数に対
する基準値を選択する。または、2つの濃度指数の値に
対する基準値の直線補間演算等を行い、測定中の試料の
濃度指数に対する基準値を計算により求めるようにして
もよい。
Ibを示す図である。データ処理手段10内の記憶手段
等に記憶された種々の濃度に対する散乱光の強度分布の
基準値から、最適なものを選択して検出素子E1〜E1
7(チャンネル1〜17に対応)のそれぞれに対する基
準値Ibを図8のように設定する。ただし、ここで示し
た基準値Ibの強度分布を有する粉体は、図7で示した
粉体とは種類が異なるものである。
と、次に、図9に示すように、各検出素子ごとの許容範
囲Xを設定する。各検出素子ごとの基準値Ibに対し
て、許容範囲の上限値Y1と下限値Y2をそれぞれ設定
する。この許容範囲の設定は、例えば、各検出素子ごと
の基準値Ibに対して、一定値(X/2)を加算した上
限値Y1と、一定値(X/2)を減算した下限値Y2を
設定することができる。この場合、許容範囲の数値幅は
X(X=Y1−Y2)となる。
対して一定値を加減算して上限値Y1および下限値Y2
を設定する方式に限らず、例えば、各チャンネルごとに
上限値Y1や下限値Y2(すなわち許容範囲X)を変え
て設定したり、許容できる範囲内の粒度分布を持つ粒子
群を複数回測定して散乱光強度分布の統計データから許
容範囲を決定して設定することもできる。あるいは、基
準値Ibに対して一定の比率を乗算して上限値Y1と下
限値Y2とを設定することもできる。また、許容範囲も
濃度指数に対応して複数種類設定しておき、複数種類の
基準値とともにデータ処理手段10内の記憶手段等に記
憶しておいてもよい。
の粉体の試料の散乱光強度を測定する。この散乱光強度
の測定は、前述したように、製造プロセス中の粉体を粒
度センサー1の散乱場4に投入することによって行わ
れ、光検出器6で検出された各チャンネルごとの散乱光
強度データ(測定値Iという)がデータ処理手段10に
入力される。そして、データ処理手段10は、各チャン
ネルごとの測定値Iが入力されると、それぞれの測定値
Iが許容範囲X内にあるか否かを判断する。図10は、
試料の粒度が適正であると判定された場合を示す図であ
る。すなわち、図10においては各チャンネル1〜17
における測定値Iが全て許容範囲X内に収まっている。
された場合を示す図である。すなわち、チャンネル7,
8において測定値Iが許容範囲Xから外れている。この
場合は、粉体の粒度が異常であると判定して、異常信号
を外部に出力する。粉体の粒度が適正値であると判定さ
れている間は、特にその旨を報知する信号を出力する必
要はないが、正常信号を出力することにより粉体の粒度
が適正値であることを外部に報知するようにしてもよ
い。
行う手順を示すフローチャートである。まず、粉体試料
の粒度の測定に先だって、手順101において、レーザ
光源2の光軸調整が行われる。光軸調整は、前述のよう
に、光検出器6の光軸調整用検出素子S1〜S5の検出
値を使用して、制御手段11によって光軸調整機構3を
制御することにより行う。次に、手順102において、
散乱場4への試料投入前にバックグラウンド測定を実行
する。そして、このバックグラウンド測定時に手順10
3において、光軸調整用検出素子S1〜S5により受光
された光強度の総和を測定前受光量Saとして計算し、
この測定前受光量Saをデータ処理手段10内の記憶手
段等に記憶しておく。
センサー1の散乱場4に投入する。そして、次の手順1
05において、検出素子E1〜E17によって散乱光強
度の測定を行い、同時に、光軸調整用検出素子S1〜S
5によって透過光(直射光)強度の測定を行う。次に、
手順106において、光軸調整用検出素子S1〜S5に
よって受光された透過光強度の総和を測定時受光量Sb
として計算し、この測定時受光量Sbをデータ処理手段
10内の記憶手段等に記憶しておく。
を式SL=Sb/Saによって計算し、この濃度指数S
Lをデータ処理手段10内の記憶手段等に記憶してお
く。そして、次の手順108において、測定中の試料の
濃度指数に応じた最適な基準範囲を設定する。ここで、
基準範囲とは、散乱光強度分布の基準値および許容範囲
を指す。種々の濃度指数に対応する基準範囲が、予めデ
ータ処理手段10内の記憶手段等に記憶されている。
適正なものであるか否かが判定される。すなわち、各チ
ャンネル1〜17において散乱光強度の測定値が基準範
囲内に入っているか否かを判定する。いずれかのチャン
ネルにおいて測定値が基準範囲を外れていれば、粉体製
品の粒度が異常であると判定する。そして、手順110
において粒度の正常または異常を報知する報知信号を外
部に出力する。次に、手順111において、測定を終了
するか否かにより手順を分岐する。測定を終了するので
あれば以上の手順を全て終了し、測定を続けるのであれ
ば手順104に戻って試料の粒度の測定を続行する。
よれば粉体製品の粒度をリアルタイムに監視することが
でき、粉体の製造プロセス中の異物混入等の検出やふる
いの破損検出が可能になるとともに、造粒、粉砕・破砕
等の粒径操作の制御を行うことが可能となる。すなわ
ち、粒度センサー1によって移送管14内の粉体を時々
刻々採取して粒度の判定を行い、粒度が基準範囲外とな
ったときには、粒度が過大あるいは過小である等の異常
を報知する信号が出力される。その信号により粒径操作
の制御を行い、粒度を適正値に戻すことができる。
体に対して粒子の大きさが異なる異物が混入した場合、
散乱光強度分布(散乱光パターン)の所定のチャンネル
の測定値に変化が生じるため、この変化によって異物が
検出できる。また、移送管14内の粉体の屈折率や形状
が変化した場合も、散乱光強度分布の所定のチャンネル
の測定値に変化が生じるため、この変化によって粉体中
の異種物や異形物が検出されることになる。
粒度確認のために多くのふるいが使用されているが、現
状では、このふるい自体の破損を簡単かつ確実に検出す
ることはできない。しかし、本発明の粒度センサー1に
よれば、ふるい通過後の粉体の粒度を監視することによ
り、ふるいの目の破損等が容易に検出可能となる。例え
ば、分級に使用しているふるいの目の破損が生じたとす
ると、本来はふるい上にあるはずの大粒径の粒子が、ふ
るいを通過してしまうことになり、粉体の散乱光強度分
布に変化が生じる。この変化により、ふるいの目の破損
が検出できることになる。
図示しない造粒機や破砕・粉砕機等の機器が使用されて
おり、例えば破砕・粉砕機の場合、使用しているうちに
破砕・粉砕する粉体によって内部のロール等の部品が摩
耗しその隙間が大きくなるため、粉砕・粉砕後の粉体粒
子の径が徐々に大きくなってしまうことがある。そこ
で、目標とする粒度分布が得られるように、造粒機や破
砕・粉砕機を制御する粒径操作処理が必要になるが、粒
度センサー1を粉体の移送管14に設置したり、造粒機
の後段や破砕・粉砕機の後段に設置することによって、
粒度センサー1の出力信号でこれらを制御することがで
きる。
には、粒度センサー1から粒度が過大あるいは過小であ
ることを報知する信号を出力し、その信号によりロール
の間隙長等を調整して粒径操作の制御を行い、粒度を適
正値に戻すことができる。あるいは、粉体粒度の異常信
号により造粒機や破砕・粉砕機に異常の可能性があるも
のとして、破砕・粉砕機を非常停止させること等ができ
る。
のチャンネル1〜17の各検出素子のそれぞれに基準値
Ibと許容範囲Xを設定し、全てのチャンネルにおいて
測定値Iと許容範囲Xとを比較したが、必ずしも全ての
チャンネルで比較を行う必要はなく、特定のチャンネル
のみに基準値Ibと許容範囲Xを設定して測定値Iと比
較することにより粒度状態を判定するようにしてもよ
い。
れば、光検出器6の各チャンネルごとの散乱光強度の測
定値をそのまま利用して、予め各チャンネルごとに設定
した基準範囲と比較することによって粉体の粒度状態を
判定するため、粒度判定の処理を簡単な比較処理のみで
実現でき、粒度判定を高速かつ高精度に行うことが可能
となった。さらに、比較対象とする基準範囲として、粉
体の濃度に応じて最適な基準範囲を設定するようにした
ので、粉体の濃度の影響を受けずに高精度の粒度判定を
行うことが可能となった。
位置に設置することができ、試料の採取時間を短縮して
粒度状態の検出時間遅れをより少なくすることができ
る。このことから、例えば移送管14内の粉体の粒度を
ほぼ連続的にリアルタイムで検出監視することができ
て、製造プロセス中の粒度状態をリアルタイムで高精度
に検出し、粉体製造の歩留まりの悪化等を防ぐことが可
能になる。
ターンによって粒度状態を捉えて所定の出力信号を出力
するため、粒度分布を作業者が見て判断する必要がなく
なるとともに、前述のように、出力信号により自動的に
製造プロセス中の異物等を検出したり、粒径操作処理の
監視や機器のフィードバック制御等を行うことが可能に
なる。
ているので、以下のような効果を奏する。
ることなくそのまま利用して基準範囲と比較して粒度の
判定を行うようにし、かつ、その基準範囲を試料の濃度
に対応させて変更するようにしたので、試料濃度の影響
を受けずに試料の粒度を正確かつ迅速に判定することが
可能となった。これにより、製造機器の故障、異物混
入、ふるいの破損等の異常状態を時間遅れなく検出する
ことが可能となり、また、製造機器の粒径操作の制御や
非常停止の制御を行うことも可能となった。
1つが基準範囲の範囲外となったときに試料の粒度の異
常を報知する報知信号を出力するようにしたので、粒度
の判定処理を簡単に短時間で行うことができる。これに
より、試料の粒度をさらに正確かつ迅速に判定すること
が可能となった。
出値により、試料の濃度に対応した基準範囲を設定する
ようにしたので、簡単な処理により最適な基準範囲を設
定することができ、試料濃度の影響を受けずに試料の粒
度を正確かつ迅速に判定することが可能となった。
の透過光の検出値との比によって試料の濃度に関連する
濃度指数を計算するようにしたので、簡単な処理により
試料の濃度を特定することができ、試料濃度の影響を受
けずに試料の粒度を正確かつ迅速に判定することが可能
となった。
類の基準範囲を記憶しておき、その基準範囲の中から測
定中の試料の濃度指数に対応した最適な基準範囲を選択
するようにしたので、簡単かつ高速な処理により最適な
基準範囲を設定することができ、試料濃度の影響を受け
ずに試料の粒度を正確かつ迅速に判定することが可能と
なった。
ロック図である。
図である。
す図である。
である。
す図である。
を示す図である。
す図である。
示す図である。
れた場合を示す図である。
れた場合を示す図である。
フローチャートである。
Claims (5)
- 【請求項1】試料を測定するための散乱場(4)と、 前記散乱場(4)に導入された試料にレーザ光を照射す
るレーザ光源(2)と、 前記散乱場(4)に導入された試料によって回折・散乱
されたレーザ光の散乱光強度を検出するための複数の検
出素子(E1〜E17)を備えた光検出器(6)と、 前記光検出器(6)で検出した各検出素子(E1〜E1
7)ごとの検出値が、各検出素子(E1〜E17)ごと
に設定した基準範囲内にあるか否かを比較し、その比較
結果に基づいて所定の信号を出力するデータ処理手段
(10)とを有し、 前記データ処理手段(10)は、前記基準範囲を試料の
濃度に対応させて変更するものである粒度センサー。 - 【請求項2】請求項1に記載した粒度センサーであっ
て、 前記データ処理手段(10)は、散乱光を検出する各検
出素子(E1〜E17)ごとの検出値の少なくとも1つ
が、各検出素子(E1〜E17)ごとの前記基準範囲の
範囲外となったときに、試料の粒度の異常を報知する報
知信号を出力するものである粒度センサー。 - 【請求項3】請求項1,2のいずれか1項に記載した粒
度センサーであって、 前記光検出器(6)は、試料中を散乱されずに透過した
レーザ光の強度を検出するための透過光検出素子(S1
〜S5)を含み、 前記データ処理手段(10)は、前記透過光検出素子
(S1〜S5)の検出値により、試料の濃度に対応した
前記基準範囲を設定するものである粒度センサー。 - 【請求項4】請求項3に記載した粒度センサーであっ
て、 前記データ処理手段(10)は、試料導入前の前記透過
光検出素子(S1〜S5)の検出値の総和を記憶してお
き、試料導入後の前記透過光検出素子(S1〜S5)の
検出値の総和と、記憶している試料導入前の前記透過光
検出素子(S1〜S5)の検出値の総和との比によって
試料の濃度に関連する濃度指数(SL)を計算するもの
である粒度センサー。 - 【請求項5】請求項4に記載した粒度センサーであっ
て、 前記データ処理手段(10)は、予め複数種類の濃度指
数(SL)に対応して複数種類の基準範囲を記憶してお
き、記憶している複数種類の前記基準範囲の中から測定
中の試料の濃度指数(SL)に対応した最適な基準範囲
を選択するものである粒度センサー。
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