JP2001296118A - 加工変質層の測定方法及びサンプル作成用研削装置 - Google Patents

加工変質層の測定方法及びサンプル作成用研削装置

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JP2001296118A
JP2001296118A JP2000116279A JP2000116279A JP2001296118A JP 2001296118 A JP2001296118 A JP 2001296118A JP 2000116279 A JP2000116279 A JP 2000116279A JP 2000116279 A JP2000116279 A JP 2000116279A JP 2001296118 A JP2001296118 A JP 2001296118A
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Tetsuo Okuyama
哲雄 奥山
Koji Fukuda
紘二 福田
Shiro Murai
史朗 村井
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Nippei Toyama Corp
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加工物について複数箇所の加工変質層を測
定する場合にも、複数枚のサンプル片を作成することな
く、簡易に測定することができる加工変質層の測定方
法、及び、加工変質層測定用のサンプルを作成する研削
装置を提供する。 【解決手段】 加工変質層30が形成されたウエーハ2
の表面に断面形状が円弧状をなす円周溝18を形成し、
この円周溝18の傾斜面20に現れた加工変質層30の
X方向の長さ21を測定し、その加工変質層30のX方
向の長さ21に傾斜面20の傾斜角であるtanθをか
けることにより、加工変質層30のY方向の長さ22を
測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工によって被加
工物の表面に形成される加工変質層の測定方法及びサン
プルを作成するための研削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、一般に半導体チップ等に用いら
れるシリコンウエーハは、硬脆材料からなるインゴット
をワイヤソーにより切断し、切断されたウエーハを研削
盤やラップ盤で所望の厚さに研削して製造される。この
とき、図15に示すように、シリコンウエーハのように
薄く加工することが求められる被加工物33の場合に
は、特に加工変質層30の存在が問題となる。加工変質
層30とは、加工によって仕上げ面の表面又は表面から
ある深さまで、被加工物33の母材と異なった物質又は
性質に変化した層のことをいい、加工時の熱、圧力、雰
囲気などの影響によって、組織、結晶構造、機械的電気
的性質などが変化したものである。この加工変質層30
は製品の最終性能に影響を及ぼす重要な要因であり、具
体的には、形状寸法の経年変化を引き起こす残留応力、
表面処理性、反射率、導電性、耐食性、耐摩耗性などに
影響を与える。
【0003】一般に、ウエーハの製造においては、研削
加工やラッピング加工は仕上ポリシングなどの前加工と
して用いられることが多い。しかし、硬脆材料からなる
シリコンウエーハの前加工として研削加工やラッピング
加工を採用する場合は、上記加工変質層30の中でも、
特に加工面に残る引っかき傷やクラックの発生に注意す
る必要がある。そのため従来から、加工面に残る引っか
き傷やクラック等の加工変質層30を測定する方法が種
々考えられている。
【0004】例えば、シリコンウエーハの一部をSiサ
ンプル片として切り出し、Siサンプル片の一辺を斜め
に研磨して斜め研磨面を形成し、その斜め研磨面を観察
する斜め研磨法がある。この斜め研磨法について、図1
0〜図14を用いて説明する。
【0005】まず、円板状のシリコンウエーハの一部を
直方体形状に切断し、図10に示すように加工変質層3
0を観察するためのSiサンプル片26をつくる。Si
サンプル片26は7mm×10mm×1mm程度の直方
体形状をしており、1枚のウエーハについて複数箇所の
加工変質層30を観察したい場合には、ウエーハを複数
枚に切断して複数枚のSiサンプル片26をつくる。
【0006】次に、斜め試料台27にSiサンプル片2
6をセットする。斜め試料台27は直方体の一辺が斜め
に研磨された形状をしており、その斜めに研磨された座
面28にSiサンプル片26が貼り付けられる。座面2
8は斜め試料台27の上面に対して角度θをなし、その
角度θは5〜10°程度である。Siサンプル片26を
座面28に貼り付けた後、斜め試料台27の上面が下方
に向くように裏返しにし、図11に示すように斜め試料
台27の左右の面を固定して、ラップ盤によりSiサン
プル片26を研磨する。ラップ盤は金属板29とSiサ
ンプル片26との間に砥粒を入れ、両者に圧力を加えな
がら滑り動かし、Siサンプル片26の一辺を滑らかに
仕上げるものである。Siサンプル片26の研磨作業
は、始めに直径5μm程度の比較的大きなダイヤモンド
砥粒を用いて行い、続いて直径1μm程度の比較的小さ
なダイヤモンド砥粒で研磨を行う。最後に研磨面をポリ
シングにより、更に滑らかに仕上げる。
【0007】研磨後、斜め試料台27からはずしたSi
サンプル片26は、図12に示すように直方体の一辺が
斜めに研磨され、斜め研磨面34が形成された状態とな
る。この斜め研磨面34の傾斜角は、斜め試料台27の
座面28の傾斜角と同一、すなわち角度θになる。
【0008】次に、図13に示すように、斜め研磨した
Siサンプル片26を酸の溶液35の中に浸漬すること
により、クラックや結晶転位が選択的にエッチングされ
る。その後、エッチングをしたSiサンプル片26を水
洗いし、斜め研磨面34を光学顕微鏡で観察する。
【0009】上記斜め研磨法は、ウエーハの厚さ方向に
発生している加工変質層30を斜めに切断して上方から
観察し、その観察結果を投影して加工変質層30の厚さ
を算出するものである。すなわち、図14に示すよう
に、Siサンプル片26の厚さ方向に発生している加工
変質層30を、極めて小さな傾斜角θをもたせて研磨す
ることにより、斜め研磨面34上にクラック等の加工変
質層30が現れる。その斜め研磨面34に現れた加工変
質層30を上方から光学顕微鏡により観察し、加工変質
層30の横方向(X方向)の長さ31を測定する。そし
て、測定された加工変質層30の横方向(X方向)の長
さ31に、斜め研磨面34の角度であるtanθを掛け
ることにより、加工変質層30の厚さ方向(Y方向)の
長さ32、すなわち実際の加工変質層30の厚さを測定
することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記斜め研磨法は、加
工変質層30の厚さを測定するのには適しているが、ウ
エーハの複数箇所において加工変質層30の厚さを測定
したい場合には、複数枚のSiサンプル片26を切り出
す必要があり、サンプリングに手間がかかるという問題
があった。また、複数枚のSiサンプル片26それぞれ
について、1枚ずつ斜め試料台27への貼り付け及びラ
ップ盤による研磨作業が必要となり、非常に作業時間を
要する方法であった。
【0011】本出願に係る発明は、上記のような問題点
を解決するためになされたものであり、その目的とする
ところは、従来の方法に比べて、サンプリングにかかる
時間を短縮した加工変質層測定方法を提供することにあ
る。
【0012】また、本出願に係る発明の他の目的は、被
加工物について複数箇所の加工変質層を測定する場合に
も、複数枚のSiサンプル片を作成することなく、簡易
に加工変質層を測定することができるサンプル作成用研
削装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本出願に係る第1の発明は、加工変質層が形成され
た被加工物の表面に断面形状が円弧状をなす溝を形成
し、該溝の傾斜面に現れた前記加工変質層を測定し、該
加工変質層の測定値に前記傾斜面の角度に応じた演算を
行うことにより、前記被加工物の加工変質層の厚さを測
定する方法である。
【0014】また、本出願に係る第2の発明は、加工変
質層が形成された被加工物の表面に断面形状が円弧状を
なす円周溝を形成することにより、加工変質層測定用の
サンプルを作成する研削装置であって、前記研削装置
は、ターンテーブルと、該ターンテーブル上に被加工物
を支持する手段と、前記ターンテーブルの中心線と食い
違って直交する中心線を砥石軸中心とする円筒形砥石を
有する砥石頭と、を有することを特徴とする研削装置で
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本出願に係る発明の一実施
の形態を図1〜図9に基づいて詳細に説明する。まず、
本発明の前提として、ウエーハの製造について図9を用
いて簡単に説明する。
【0016】インゴットをワイヤソーにより輪切りにし
て形成されたシリコンウエーハ2は、例えば直径約20
0mm、圧さ約700〜900μmの円板状をなしてい
る。このウエーハ2を所定の寸法形状にするために、研
削盤15の砥石16の送り速度を変化させて、粗加工か
ら仕上げ加工へと、ウエーハ2の表面研削が行われる。
例えば、最初の加工として、ワイヤソーにより輪切りに
されたウエーハ2を、砥石16の送り速度を40μm/
minとして粗加工する。この粗加工は、ウエーハ2の
加工面の粗さや精度を重視するのではなく、ウエーハ2
の厚さを所望の値に速やかに近づけるものであるため、
砥石16の送り速度は比較的速い。粗加工が終わった段
階では、ウエーハ2の表面は粗く、加工変質層30も厚
いため製品として出荷するには不充分である。そこで、
研削盤15の砥石16の送り速度を20μm/min、
5μm/minと遅くしていき、仕上げ加工を行う。
【0017】仕上げ加工を終えたウエーハ2は表面粗さ
も滑らかであり、仕上げ寸法も高精度なものとなってい
るため、次工程へ送って良いか否か、本発明の加工変質
層測定方法により加工変質層30の測定を行う。
【0018】本発明の加工変質層測定方法は、加工変質
層測定用のサンプルの作成方法に特徴がある。従来のS
iサンプル片26の作成は円板状のウエーハから、直方
体形状のSiサンプル片26を切り出して行っていた。
しかし、従来の方法では、複数箇所の加工変質層30の
厚さを測定する場合には、複数枚のSiサンプル片26
を作成するためにウエーハを細切れにし、それぞれにつ
いて斜め研磨面34を作成する必要があり、非常に手間
のかかる作業であった。これに対し本発明は、ウエーハ
を細切れにすることなく、ウエーハの複数箇所に簡易に
斜め研磨面を作成するものである。
【0019】以下、本発明の加工変質層測定用のサンプ
ルを作成するための研削装置について説明する。図1
は,本発明の加工変質層30の測定に用いるサンプル作
成用研削装置を、模式的に現した正面図である。サンプ
ル作成用研削装置1は、前述の研削加工等を終えた被加
工物を加工変質層30の測定が可能な状態に加工する装
置であり、ベッド3の上にコラム4が立設され、コラム
4には砥石頭5が上下方向の位置を調節可能に設けられ
ている。
【0020】ベッド3には、被加工物であるウエーハ2
を固定する被加工物支持機構が装設されている。被加工
物支持機構は、被加工物を取付けるターンテーブル6
と、ターンテーブル6の回転支軸7、及び、回転支軸7
に回転動力を与える原動機8を備えている。この被加工
物支持機構は、XYテーブル36によりターンテーブル
6の位置を水平方向に調節することができる。ターンテ
ーブル6はウエーハ2を固定するものであり、図1に示
すように、真空ポンプ17より真空に吸引することによ
ってターンテーブル6上面にウエーハ2を真空吸着させ
るものである。ターンテーブル6の回転支軸7はベッド
3内に装設されて上方に伸びた垂直軸であり、その外形
は円柱状をなし、上端部にはフランジ部(不図示)が形
成されている。フランジ部には前記ターンテーブル6が
設けられており、ターンテーブル6は回転支軸7の回転
により回転する構造になっている。回転支軸7にはベル
ト又は回転ギヤにより原動機8から回転動力が伝えられ
るようになっており、原動機8の回転により回転支軸7
も軸中心に回転を行う。すなわち、原動機8からの回転
動力に伴って回転支軸7が回転し、その回転支軸7の回
転によりターンテーブル6は回転支軸の周りに回転運動
を行うため、ターンテーブル6上に吸着されたウエーハ
2も、ターンテーブル6と共に回転する仕組みになって
いる。
【0021】コラム4はベッド3から上方に向かって立
設された支柱であり、その前面に設けた上下方向のガイ
ドウエイに砥石頭5が係合している。また、図示されな
いねじ送り装置によって砥石頭5とサーボモータ13が
連結されている。
【0022】砥石頭5は、研削用の砥石9を備えている
部分であり、砥石回転機構と砥石送り機構とからなって
いる。砥石回転機構は、図1に示すように、円板状の砥
石9を回転させる機構であり、円板状の砥石9は両端面
の中心部を砥石軸10によって支持されており、その砥
石軸10を中心として円周方向に回転する構造となって
いる。また、砥石9は円筒形砥石であるが、砥石9の研
削作用面は砥石軸10の中心を含む平面で切ると円弧面
となっている。砥石軸10は水平に配置されており、砥
石回転機構に備えられている原動機11からベルト12
等によって回転動力が伝えられて回転するものである。
砥石軸10には砥石9が取付けられ、砥石軸10が回転
することによって砥石9も回転を行う。
【0023】砥石送り機構は、砥石9を垂直方向に往復
移動させる機構であり、砥石9を移動させる動力である
サーボモータ13と、サーボモータ13の回転を制御す
る制御部14とを有する。サーボモータ13はコラム4
に固定されており、サーボモータ13の回転により、砥
石頭5をターンテーブル6に近づく方向又は離れる方向
に移動させ、砥石9の送り移動量及び切込み量を管理し
ている。切込み量とは、研削加工を施す被加工物の加工
前の表面である被削面と、研削加工後の表面である仕上
げ面との距離をいう。また、研削加工中以外のときには
砥石は退避位置にあり、研削加工の際には退避位置から
被加工物の被削面まで送り移動させられ、この移動量を
砥石の送り移動量という。サーボモータ13は制御部1
4に接続されており、制御部14からの制御信号により
その回転数が制御されるため、制御部14への入力によ
り切込み量を管理できる。なお、本実施の形態において
は、サーボモータ13及び制御部14を設けているが、
それらを設けずに手動で切込み量を管理することも可能
である。
【0024】次に、上記のサンプル作成用研削装置1に
より、加工変質層の測定に用いるサンプルを作成する方
法について、図1を用いて説明する。
【0025】前述のように研削盤15による仕上げ加工
が終わったシリコンウエーハ2を、サンプル作成用研削
装置1のターンテーブル6上に装着する。ターンテーブ
ル6は真空吸着式であり、ターンテーブル6上にウエー
ハ2を搭載した後、真空ポンプ17を作動させることに
よりターンテーブル6上に形成された小穴からウエーハ
2とターンテーブル6間の空気が吸引されて、ウエーハ
2がターンテーブル6上に真空吸着される。
【0026】ここで、ターンテーブル6の回転支軸7の
中心線と砥石軸10の中心線とが食い違って直交する位
置にターンテーブル6が配置されるように、XYテーブ
ル36を調節する。
【0027】次に、砥石回転機構の原動機11を作動さ
せて砥石9を円周方向に回転させるとともに、原動機8
を作動させてターンテーブル6を回転させる。砥石9は
砥石軸10を中心に図2に示す矢印H1の方向に回転
し、ターンテーブル6及びウエーハ2は矢印H2の方向
に回転する。
【0028】砥石送り機構により回転砥石9を速やかに
被削面位置まで下降させ、その後砥石9の送り移動速度
を遅くして、ウエーハ2に切込む。このとき、ターンテ
ーブル6と供にウエーハ2が回転しているため、図3に
示すようにウエーハ2の上面には円周状をなす円周溝1
8が形成される。また、この円周溝18の断面形状は、
砥石9の回転により砥石9の形状が反映されるため、図
4に示すように砥石9の直径と同じ直径をもつ円弧状に
研削される。本実施の形態においては、研削用の砥石9
としては、まず粗研削として砥石直径がφ100mm
で、砥粒が♯2000の砥石9を用いて研削している。
【0029】また、ウエーハ2の中心から円周方向に向
かって、複数のサンプルをとりたい場合は、砥石9を一
旦上昇させてウエーハ2から離し、砥石頭5をウエーハ
2に対して右若しくは左に水平方向に相対移動させた
後、再度砥石9を下降させてウエーハ2への切込みを行
えばよい。すると、図5に示すように、ウエーハ2の上
面には前記円周溝18とは異なった位置に円周溝18’
が形成される。この円周溝18’は、前記円周溝18と
同心円状に形成されるものであり、その断面形状は前記
円周溝18と同様、砥石9の回転により砥石9の形状が
反映されるため、砥石9の直径と同じ直径をもつ円弧状
をなしている。更に、多くのサンプルが必要である場合
は、前記のように砥石頭5を水平移動させ、円周溝1
8’と同様に同心円状の円周溝を複数形成すれば良い。
なお、円周溝18,18’等はその研削面を後に光学顕
微鏡で観察するものであるため、それぞれの円周溝1
8,18’等が重ならないように形成する。また、本実
施の形態においては、XYテーブル36によりターンテ
ーブル6を水平方向に移動させる構造にしているが、砥
石9とウエーハ2の相対的な位置が移動すれば良いた
め、砥石頭5の位置を水平方向に移動させる構造にして
も良い。
【0030】次に、仕上げ研削として、砥石直径がφ1
00mmで、砥粒が♯8000の砥石9を用いて研削を
行う。この研削は、先の研削により形成された円周溝1
8,18’等の内面を滑らかに仕上げるものであるた
め、砥石9とウエーハ2の位置は、先の粗研削のときと
同じ位置関係になるように移動させて研削する。粗研削
の際に、複数の円周溝18,18’等を形成した場合に
は、それぞれの円周溝18,18’等について仕上げ研
削を行う。
【0031】円周溝18の仕上げ研削を終えたら、今度
は円周溝18内面のポリシングを行う。ポリシングは、
被加工物であるウエーハ2の材質よりも軟らかいパウダ
を用いて円周溝18の内面を研磨するものであり、Si
単結晶を研磨する場合には、パウダとしてBaCO3
CaCO3,Fe34などを用いる。本実施の形態にお
いては、パウダとしてコロイダルシリカを用いて、円周
溝18のポリシングを行っている。ポリシングにより鏡
面仕上げが行われた円周溝18内の傾斜面20(図4参
照)が、従来技術の斜め研磨法でいうところの斜め研磨
面34と同様の役割を果たす。
【0032】一般に、研削加工によって生じるウエーハ
2の加工変質層30の厚さは、通常は1〜20μmの範
囲内に収まるものであり、厚い場合でも30μm程度で
ある。従って、砥石9の切込み量としては、加工変質層
30の厚さよりも大きい必要があるため、50μm以上
であればよい。本実施の形態においては、砥石直径がφ
100mmの砥石9で、切込み量を190μmにしてい
る。従って、図4に示すように、円周溝18の幅である
研削幅19は約10mmとなる。
【0033】円周溝18内面のポリシングが終了した
ら、サンプル作成用研削装置1のターンテーブル6から
ウエーハ2を取り外す。その後、円周溝18が形成され
たウエーハ2を酸の溶液(例えば、JIS H 069
0のA液)の中に浸漬することにより、ウエーハ2の研
削加工によって生じたクラックや結晶転位が選択的にエ
ッチングされる。その後、エッチングをしたウエーハ2
を水洗いし、円周溝18の傾斜面20を光学顕微鏡で観
察する。
【0034】次に、加工変質層30の厚さを算出する方
法について説明する。
【0035】図6に示すように、エッチング処理が施さ
れたウエーハ2の円周溝18内面には、加工変質層30
が円周溝18の傾斜面20に沿って拡大して現れる。こ
の加工変質層30は光学顕微鏡でも観察が可能な大きさ
で現れるため、円周溝18の傾斜面20に現れた加工変
質層30のX方向の長さ21を光学顕微鏡によって測定
することが可能となる。そして、加工変質層30のX方
向の長さ21に傾斜面20の角度であるtanθを掛け
ることにより、近似的に加工変質層30のY方向の長さ
22、即ち加工変質層30の厚さを測定することができ
る。
【0036】図7に示すように、円周溝18の傾斜面2
0の角度であるtanθは、研削幅19の半分の長さ2
4(5mm)を、砥石9の半径(50mm)から切込み
量(190μm)を引いた長さ23で割ることにより表
すことができる。本実施の形態のように、砥石9の半径
(50mm)に対して、切込み量(190μm)が小さ
い場合には、(砥石の半径)−(切込み量)≒(砥石の
半径)と近似することができる。従って、研削幅が10
mmの場合には、tanθ≒{研削幅の半分(5m
m)}÷{砥石半径(50mm)}=0.1として、近
似的に求めることができる。
【0037】例えば、光学顕微鏡によって円周溝18の
一部の傾斜面20を観察して、加工変質層30のX方向
の長さ21を測定したところ10μmであった場合に
は、加工変質層30のY方向の長さ22は、10μm×
tanθ(≒0.1)=1μmというように求めること
ができる。もちろん、幾何計算を厳密に行うことによっ
ても加工変質層30のY方向の長さ22を求めることが
できるのは言うまでもない。また、円周溝18に沿っ
て、複数箇所の傾斜面20を観察して加工変質層30の
X方向の長さ21を測定すれば、複数箇所の加工変質層
30の厚さを簡易に算出することができる。
【0038】すなわち、本発明によれば、従来の斜め研
磨法のように複数枚のSiサンプル片26を切り出し
て、各々のSiサンプル片26について斜め研磨を行わ
なくても、複数箇所の加工変質層30の厚さを容易に測
定することができる。
【0039】また、加工変質層測定用サンプルの作成に
おいて複数の円周溝18を形成した場合には、各円周溝
18について加工変質層30のX方向の長さ21を測定
し、加工変質層30のY方向の長さ22を算出すること
により、複数箇所の加工変質層30の厚さを簡易に測定
することができる。
【0040】更に、各円周溝18について加工変質層3
0のY方向の長さ22を測定することにより、ウエーハ
2の半径方向に対する加工変質層30の厚さの変化も容
易に測定することができる。
【0041】また、本発明の加工変質層測定において
は、ウエーハ2の上面に形成するのは円周溝18に限ら
れるものではなく、その断面形状が円弧状をなす溝であ
れば、図8に示すように直線状に形成された直線溝25
であっても良い。この直線溝25を形成する場合にも、
上記円周溝18の場合と同様、複数箇所の加工変質層3
0の厚さを容易に測定することができる。
【0042】なお、本実施の形態においては被加工物と
してウエーハ2を用いて説明しているが、本発明はウエ
ーハ2のみを対象とするものではなく、ウエーハ2以外
についても加工変質層30が形成される被加工物であれ
ば適用できるものである。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、従来の斜め研磨法に比
べて、サンプリングにかかる時間を短縮することができ
る。また、従来の斜め研磨法のように被加工物から複数
枚のSiサンプル片を切り出して、各々のSiサンプル
片について斜め研磨を行わなくても、被加工物の複数箇
所の加工変質層厚を容易に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサンプル作成用研削装置の一実施の形
態を示した正面図である。
【図2】ウエーハ上面に円周溝を形成している斜視図で
ある。
【図3】円周溝が形成されたウエーハを示す斜視図であ
る。
【図4】円周溝が形成されたウエーハの中心を含む縦断
面を示す図である。
【図5】複数の円周溝が形成されたウエーハを示す斜視
図である。
【図6】円周溝の傾斜面に加工変質層が現れた様子を示
す概念図である。
【図7】円周溝の傾斜面の角度の求め方を説明するため
の説明図である。
【図8】ウエーハに直線溝を形成した状態を示す斜視図
である。
【図9】ウエーハ表面を研削加工する研削盤の外観正面
図である。
【図10】Siサンプルを斜め試料台の座面に貼り付け
る様子を示す斜視図である。
【図11】Siサンプルの一辺をラップ盤で研磨する様
子を示す正面図である。
【図12】Siサンプルの外観を示す斜視図である。
【図13】Siサンプルを酸の溶液に浸漬して、エッチ
ングを行っている様子を示す斜視図である。
【図14】エッチング後のSiサンプルの外観を示した
斜視図である。
【図15】被加工物表面に形成された加工変質層のを示
す概念図である。
【符号の説明】
1…サンプル作成用研削装置 2…ウエーハ 3…ベッド 4…コラム 5…砥石頭 6…ターンテーブル 7…回転支軸 8…原動機 9…砥石 10…砥石軸 11…原動機 12…ベルト 13…サーボモータ 14…制御部 15…両頭研削盤 16…砥石 17…真空ポンプ 18…円周溝 19…研削幅 20…傾斜面 21…加工変質層30のX方向の長さ 22…加工変質層30のY方向の長さ 23…砥石9の半径から切込み量を引いた長さ 24…研削幅19の半分の長さ 25…直線溝 26…Siサンプル片 27…斜め試料台 28…座面 29…金属板 30…加工変質層 31…加工変質層30の横方向(X方向)の長さ 32…加工変質層30の厚さ方向(Y方向)の長さ 33…被加工物 34…斜め研磨面 35…酸の溶液 36…XYテーブル。
フロントページの続き (72)発明者 村井 史朗 神奈川県横須賀市神明町1番地 株式会社 日平トヤマ技術センター内 Fターム(参考) 2F069 AA46 BB15 BB40 CC07 DD15 DD26 GG04 GG07 GG30 HH30 PP04 3C049 AA03 AB01 CA01 CB04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工変質層が形成された被加工物の表面
    に断面形状が円弧状をなす溝を形成し、該溝の傾斜面に
    現れた前記加工変質層を測定し、該加工変質層の測定値
    に前記傾斜面の角度に応じた演算を行うことにより、前
    記被加工物の加工変質層の厚さを測定する方法。
  2. 【請求項2】 加工変質層が形成された被加工物の表面
    に断面形状が円弧状をなす円周溝を形成することによ
    り、加工変質層測定用のサンプルを作成する研削装置で
    あって、 前記研削装置は、ターンテーブルと、該ターンテーブル
    上に被加工物を支持する手段と、前記ターンテーブルの
    中心線と食い違って直交する中心線を砥石軸中心とする
    円筒形砥石を有する砥石頭と、を有することを特徴とす
    る研削装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107803230A (zh) * 2017-11-16 2018-03-16 北京工业大学 不同交汇角度的多层微流控芯片的制作方法
CN109119355A (zh) * 2018-08-17 2019-01-01 深圳市华星光电技术有限公司 断面倾斜角检测装置

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