JP2001296103A - 回転位置検出器 - Google Patents

回転位置検出器

Info

Publication number
JP2001296103A
JP2001296103A JP2000150625A JP2000150625A JP2001296103A JP 2001296103 A JP2001296103 A JP 2001296103A JP 2000150625 A JP2000150625 A JP 2000150625A JP 2000150625 A JP2000150625 A JP 2000150625A JP 2001296103 A JP2001296103 A JP 2001296103A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
position detector
rotational position
coils
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000150625A
Other languages
English (en)
Inventor
Naomasa Oshie
直正 押柄
Seiji Toda
成二 戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIBEKKUSU KK
Levex Corp
Original Assignee
RIBEKKUSU KK
Levex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RIBEKKUSU KK, Levex Corp filed Critical RIBEKKUSU KK
Priority to JP2000150625A priority Critical patent/JP2001296103A/ja
Publication of JP2001296103A publication Critical patent/JP2001296103A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転位置検出器において、装着が容易であ
り、小型であり、省スペースであり、温度の変化に対し
安定な出力を得られ、また磁石等の磁界の影響を受けに
くい、回転位置検出器を提供することを目的とする。 【構成】被検出物の回転とともにコイルとの重合面積が
徐変する形状を有する磁性体、または導電体を用いて、
コイルのインダクタンスを変化させ、コンデンサ(1)
への充電、および放電の時間を変化させ、そしてコンパ
レータ(2)を用いた発振の周期を変化させることによ
り、その周期を観測することで被検出物の回転角度を検
出できるように構成した回転位置検出器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転する被検出物の回
転位置に対応した電圧、または電流を出力したり、回転
位置を感知して所定の位置にあるかどうかを判定してス
イッチ出力を発生するような回転位置検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】回転位置検出器と呼ばれる機器は多数存
在するが、なかでも一般的なものは、回転軸に固定した
円盤にスリットを設け、そのスリットを光が通過するご
とにカウントすることにより回転を検出する光学式エン
コーダや、回転軸にコイルを配し、固定側に配したコイ
ルから励磁することにより発生する磁気変化を2極の検
出コイルで検出しその2極の検出コイルの位相差や、電
圧差により回転位置を検出するレゾルバとよばれるもの
などが存在する。
【0003】また、流体圧回転シリンダ等に用いられて
いる簡便な方法として、図2、及び図3に示すように、
回転軸(16)に磁石取り付けステー(17)を固定し
磁石(18)が回転軸とともに回転するような構成をと
り、磁力を感知するホール素子等を用いた磁気センサ
(19)を、磁気センサ取り付けステー(20)を介し
て流体圧回転シリンダ(21)の本体に固定し、検出位
置は磁気センサ(19)の位置を移動させながら調整
し、ねじ等でしめつけて固定することにより回転位置を
検出する方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような回転位置
検出器のうち、光学式エンコーダは一般的にはインクリ
メンタル方式とよばれ、電源投入時において絶対的な回
転位置を判定出来ないので原点信号などを外部から与え
る必要があり取り扱いが複雑になる。
【0005】また、光学式エンコーダにおいても絶対位
置検出が可能な方式も存在するが、その場合は、回転軸
に固定した円盤のスリットを複数列刻む必要があり、例
えば1回転を256分割するときは、8列のスリットと
8個のフォトセンサが必要になり、回転位置検出器の複
雑化、大型化が避けられない。
【0006】レゾルバは、回転軸側のコイル、励磁用の
コイル、および検出用のコイルと計3種類のコイルが必
要になり、コイルの数では、10数個という場合もあ
り、回転位置検出器の複雑化、大型化は避けられない。
【0007】また、上記のような流体圧回転シリンダ用
の位置検出器では、磁気センサ(19)の取り付け位置
を調整するための構成が必要になることに加えて、磁気
センサ(19)自体の大きさにも制限があり、例えば外
径28mmの流体圧回転シリンダの場合、最大直径28
mm、長さ30mm程度の取り付けスペースを必要と
し、そのスペース以下の狭い処では、使用出来なかっ
た。
【0008】また、狭い場所に流体圧回転シリンダを設
置した場合には、検出位置を後から調整するための作業
そのものが困難であることに加え、磁気センサ(19)
を固定する際の締め付け力の大小の問題も発生して、締
め付け過ぎた場合は誤動作の原因になり、締め付け不足
の場合は位置がずれる恐れがあった。
【0009】また、磁石(18)の磁力を感知する方式
のため、近接して設置した場合に、隣接したシリンダに
装着された磁石の影響を受けるため、ある一定の距離を
おいて設置する必要があった。また、外部磁界の強い環
境では、使用できなかった。
【0010】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
で、被検出物に容易に装着でき、検出位置を容易に設定
でき、小型で省スペースであり、かつ外部磁界や、温度
の影響で出力変動の少ない回転位置検出器を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の回転位置検出器は、1個以上のコイルと、
回転とともにコイルとの重合面積が変化する形状の磁性
体、または導電体よりなる変位検出部と、抵抗、コンデ
ンサ、コンパレータよりなる発振回路部と、周波数電圧
変換部と、出力変換部により構成される。
【0012】上記変位検出部に用いるコイルは、1個、
または2個以上を直列に接続し、2個以上接続するとき
は、僅かな間隙を設けて配置する。これらコイルは空
芯、または磁性体の芯を有する有芯コイルである。
【0013】上記変位検出部に用いる磁性体、または導
電体は、被検出物の回転軸に固定され、動作角度内にお
いて、上記コイルとの重合部の面積が2値をとらないよ
うな形状とし、容易に考えられる形状は渦巻状のもので
ある。
【0014】上記発振回路部に用いる抵抗はコイルと直
列に接続し、どちらか一方はコンパレータ入力側に、他
方はコンパレータ出力側に接続する。
【0015】上記発振回路部に用いるコンデンサは、一
方の極を基準電位に接続し、他極をコンパレータの入力
側に接続する。
【0016】上記発振回路部に用いるコンパレータは、
ヒステリシスを有するしきい値を具えた反転出力の比較
器であり、入力電圧が低電圧から上昇するときは、高電
圧側のしきい値により判定し、そのしきい値を越えると
ローレベルを出力し、また、入力電圧が高電圧側から下
降するときは、低電圧側のしきい値により判定し、その
しきい値を越えるとハイレベルを出力するものである。
具体的には、コンパレータの他にオペアンプや論理素子
のシュミットインバータなどが利用できる。
【0017】上記周波数電圧変換部は、コンパレータの
発振する出力を観測し、その周波数を電圧に変換するも
のである。
【0018】上記出力変換部は、被検出物の回転角度に
対応した電圧、または電流を出力したり、また予め指定
した回転角度に対しての被検出物の回転角度がどちら側
にあるかを判定してスイッチ出力を発生させるものであ
る。
【0019】また、上記変位検出部に用いるコイルは、
導電線に銅−ニッケル−マンガン合金線(マンガニン
線)、または銅−ニッケル合金線を用いることにより温
度変化に対して出力値の変動をより小さくすることが可
能である。
【0020】また、上記変位検出部のコイルとの重合部
に配置する磁性体の材質を、3%珪素鉄、アモルファ
ス、またはフェライトにすることで温度変化に対して出
力値の変動をより小さくすることが可能である。
【0021】また、上記変位検出部のコイルとの重合部
に配置する導電体の材質を、銅−ニッケル−マンガン合
金、銅−ニッケル合金、ニッケル−クロム合金にするこ
とで温度変化に対して出力値の変動をより小さくするこ
とが可能である。
【0022】また、上記変位検出部のコイルを棒状、ポ
ット型、またはE型の磁性体を芯とする有芯コイルとす
ることにより、より少ない巻き数で小径のコイルを利用
できる。
【0023】また、上記磁性体の材質を、3%珪素鉄、
アモルファス、またはフェライトとすることにより温度
変化に対して出力値の変動をより小さくすることが可能
である。
【0024】さらに、上記変位検出部のコイルの抵抗値
の温度変化分を補償するために、負温度特性のサーミス
タをコイルと直列に接続し、コイル近傍に配置した構成
とすることで温度変化に対して出力値の変動をより小さ
くすることが可能である。
【0025】また、上記変位検出部のコイルのインダク
タンスの温度変化分を補償するために、負温度特性のサ
ーミスタをコイルと並列に接続し、コイル近傍に配置し
た構成とすることで温度変化に対して出力値の変動をよ
り小さくすることが可能である。
【0026】さらに、上記発振回路部のコンパレータの
出力の立ち上がり、及び立ち下がりにおいて固定時間の
ハイレベルを有する矩形波を生成すると、周期の変化に
よりこの矩形波の間隔に粗密が発生するため、この矩形
波を積分することにより、コンパレータの出力の発振の
周期の変化を電圧の変化として出力できるようになり、
周波数電圧変換器を容易に構成することが可能である。
【0027】
【作用】上記のように構成された回転位置検出器に電源
を投入すると、コンデンサに電荷が蓄えられていないと
きは、コンパレータの入力電圧がローレベルなのでコン
パレータからはハイレベルが出力される。すると、コイ
ルと抵抗によるインピーダンスにより決まるはやさでコ
ンデンサに電荷が蓄えられる。
【0028】このコンデンサに電荷が蓄えられる側の極
は、コンパレータの入力側にも接続してあるので、ある
時間の後、コンパレータのしきい値を越える電圧に達す
るとコンパレータの出力が反転しローレベルとなる。こ
のときのコンパレータの入力側の電圧の変化は、低電圧
から上昇する方向であり高電圧側のしきい値による判定
がおこなわれる。
【0029】コンパレータの出力がローレベルになる
と、コイルと抵抗によるインピーダンスにより決まるは
やさでコンデンサに充電されていた電荷が放電される。
【0030】この放電によりコンパレータの入力側の電
圧が低下するが、このときの電圧の変化は、高電圧から
下降する方向であり低電圧側のしきい値による判定が行
われ、そのしきい値を越えて入力電圧が下降すると、出
力はハイレベルとなり今度はコンデンサに電荷が蓄えら
れる。以後、これら一連の動作を繰り返すことによりコ
ンパレータの出力が発振を続けることになる。
【0031】また、電源投入時において、コンデンサに
電荷が蓄えられていたときは、コンパレータの入力がハ
イレベルなので、ローレベルが出力される。よって、コ
ンデンサは放電を始め、コンパレータの低圧側のしきい
値を越えるまで電圧が低くなると、今度はコンパレータ
の出力はハイレベルとなる。従って、コンデンサに充電
されていきコンパレータの高圧側のしきい値を越えるま
で電圧が高くなると、またコンパレータの出力はローレ
ベルとなり、以後、これら一連の動作を繰り返す。
【0032】以上のように、コンデンサの状態がどのよ
うな状態でも電源を投入すればコンパレータの出力は、
発振を始める。
【0033】この発振の周期は、コイル、抵抗、コンデ
ンサの値により決まるが、当該回転位置検出器では、コ
イルのインピーダンスを変化させることにより、コンパ
レータの出力の発振の周期を変化させる。
【0034】コイルのインピーダンスを変化させるため
には、コイルのインダクタンスを変化させる必要があ
り、コイルとの重合面積が回転とともに徐変する形状を
有する磁性体、または導電体を回転させる方法を利用す
る。
【0035】コイルとの重合部において磁性体を回転さ
せる方法では、磁性体とコイルの重合面積が多くなるに
したがって、コイル近傍の透磁率が上がるためコイルを
貫く磁束が増加する。それにより磁性体とコイルの重合
面積が増加するにつれてコイルのインダクタンスが増加
し、インピーダンスも増加するので、コンデンサへの充
電と放電の時間が長くなり、その結果コンパレータの出
力の発振の周期が長くなる。
【0036】コイルとの重合部において導電体を回転さ
せる方法では、コイルより発生する磁束は導電体の表面
に渦電流を発生し、その部分の内部抵抗により熱に変換
され損失するためコイルを貫く磁束が減少する。そのた
めに導電体とコイルとの重合面積が増すにつれてコイル
のインダクタンスが減少し、インピーダンスも減少する
ので、コンデンサへの充電と放電の時間が短くなり、そ
の結果コンパレータの出力の発振の周期が短くなる。
【0037】また、棒状、ポット型、またはE型の磁性
体を芯とする有芯コイルを用いる方法では、磁性体を芯
とするためコイル近傍に磁束が集中することになりコイ
ルを貫く磁束が増加しコイルのインダクタンスは空芯コ
イルに比較して増加した状態になる。そのためより小さ
なコイルで空芯コイルと同様のコイル特性が得られる。
その状態でコイルとの重合面積が回転とともに徐変する
形状を有する導電体をコイルに重合させると、コイルに
より発生した磁束が導電体の表面に渦電流を発生し、そ
れが熱に変換され損失になり、コイルを貫く磁束を減少
させるため、コイルのインダクタンスを減少させる。そ
のため、インピーダンスも減少するので、コイルと導電
体の重合面積が増加するにつれてコンデンサへの充電と
放電の時間が短くなり、その結果コンパレータの発振の
周期が短くなる。
【0038】また、上記のような作用は1個のコイルの
みでも相応の効果を得られるが、コイルとその重合部に
配置する磁性体、または導電体との距離変化による影響
を受け易くなる。そのため、2個のコイルを僅かな間隙
を設けて配置し、直列に接続し、その間隙にコイルとの
重合面積が回転とともに徐変する形状を有する磁性体、
または導電体を配置することにより、コイルとの距離が
多少変化しても、出力が変化しない特性を得ることがで
きる。
【0039】また、コイルに重合させる磁性体、または
導電体の形状を、渦巻状にすることで、製作が容易にな
る。
【0040】以上のようにコイルのインダクタンス、及
びインピーダンスを変化させることにより、コンパレー
タの出力の発振の周期を変化させ、その周期を観測する
ことにより被検出物の回転角度を検出する。
【0041】また、当該回転位置検出器の温度の変化に
対する安定性を高めるために、コンデンサの充電と放電
の時間に関与するコイルの抵抗値を安定させる必要があ
り、コイルを構成する導電線の材質を温度の変化に対し
て抵抗値が安定な銅−ニッケル−マンガン合金線(マン
ガニン線)、または銅−ニッケル合金線を用いることで
出力の変動を抑えることができる。
【0042】また、当該回転位置検出器の温度の変化に
対する安定性を高めるために、コンデンサの充電と放電
の時間に関与するコイルのインダクタンス、及びインピ
ーダンスを安定させる必要があり、有芯コイルのときに
芯とする磁性体の材質を、磁気特性が温度の変化に対し
て安定な3%珪素鉄、アモルファス、フェライトを用い
ることで、出力の変動を抑えることができる。
【0043】また、当該回転位置検出器の温度の変化に
対する安定性を高めるために、コンデンサの充電と放電
の時間に関与するコイルのインダクタンス、及びインピ
ーダンスを安定させる必要があり、コイルとの重合部に
配置する磁性体の材質を、磁気特性が温度の変化に対し
て安定な3%珪素鉄、アモルファス、フェライトを用い
ることで、出力の変動を抑えることができる。
【0044】また、当該回転位置検出器の温度の変化に
対する安定性を高めるために、コンデンサの充電と放電
の時間に関与するコイルのインダクタンス、及びインピ
ーダンスを安定させる必要があり、コイルとの重合部に
配置する導電体の材質を、抵抗値が温度の変化に対して
安定な銅−ニッケル−マンガン合金、銅−ニッケル合
金、またはニッケルークロム合金を用いることで、出力
の変動を抑えることができる。
【0045】また、当該回転位置検出器の温度の変化に
対する安定性を高めるために、コイル部分の抵抗値の変
化を補償する方法があり、負温度特性のサーミスタをコ
イルと直列に接続し、コイル近傍に配置することで、位
置検出部の温度の変化に対する出力の変動を抑えること
ができる。
【0046】また、当該回転位置検出器の温度の変化に
対する安定性を高めるために、コイル部分のインダクタ
ンスの変化を補償する方法があり、負温度特性のサーミ
スタをコイルと並列に接続し、コイル近傍に配置するこ
とで、位置検出部の温度の変化に対する出力の変動を抑
えることができる。
【0047】さらに、当該回転位置検出器の周波数電圧
変換部において、その機能を容易に実現するための方法
として、コンパレータの出力の立ち上がり、及び立ち下
がりにおいて固定時間のハイレベルを有する矩形波を生
成すると、周期の変化によりこの矩形波の間隔に粗密が
発生するため、この矩形波を積分することにより、コン
パレータの発振の周期の変化を電圧の変化として出力で
きるように構成できる。
【0048】以上のような作用により当該回転位置検出
器が成立するが、特にコイルを空芯コイルとし、コイル
との重合部に配置する導電体に非磁性材料を選択するこ
とにより、外部磁気、特に磁石等による直流的な磁気に
は特に影響を受けない回転位置検出器となる。
【0049】また、コイルとコイルに重合させる磁性
体、または導電体との僅かな隙間内での感知を利用する
ため、同様の位置検出器を具えた機器を近接して配置し
ても、相互に干渉を起こすことはない。
【0050】
【実施例】実施例について図面を参照して説明するが、
まずはじめに全体の構成について説明すると、図1にお
いて、直列に接続した2個のコイル(3)(4)の間隙
に、被検出物に固定された渦巻状の導電体(8)を挿入
する。
【0051】ヒステリシスを有するしきい値を具えた反
転出力のコンパレータ(2)の入力側と出力側の間にコ
イル(3)(4)と抵抗(5)を直列に接続する。ま
た、コンパレータ(2)の入力側にコンデンサ(1)を
接続し、コンデンサ(1)の他極を0V(ボルト)に接
続する。
【0052】コンパレータ(2)の出力波形を観測し、
立ち上がり、及び立ち下がりにおいて固定時間のハイレ
ベルを有する矩形波を生成すると、周期の変化によりこ
の矩形波に粗密が発生するため、この矩形波を積分する
ことにより、コンパレータ(2)の発振の周期の変化、
即ち、周波数の変化を電圧の変化として出力できる。
【0053】この電圧を出力変換部(15)において、
ある比率を乗じた電圧、または電流として出力するか、
またはある特定の回転角度を予め設定しておき、その角
度に対し被検出物の回転角度がどちら側にあるかを判定
してスイッチ出力を発生するなどの構成をとって回転位
置検出器とする。
【0054】スイッチ出力を発生する場合は、前述の周
波数を変換して得られた電圧を、スイッチ出力を希望す
る回転角度に相当する電圧レベルと比較して、スイッチ
出力のハイレベル、ローレベルを出力するような構成が
考えられる。
【0055】当該回転位置検出器の構成のなかで、コイ
ル(3)(4)を有芯コイルにすることにより、コイル
部を小型化することが可能になり、例えば、図4に示す
実施例のように、外径28mm、の小型の空気圧回転シ
リンダにも簡単に組み込むことができる。図4では、芯
の形状をポット型とした場合をしめす。
【0056】この実施例では、空気圧回転シリンダ(2
2)の出力軸(23)に渦巻状の導電体(24)を固定
し、その導電体(24)をはさむように2個のコイル
(25)(26)を配置する。一般的な空気圧回転シリ
ンダの回転角度は、最大で270度から300度くらい
であり、その範囲内で回転したときに、図5で示すよう
に、コイル(25)(26)と導電体(24)が重合面
積が徐変するような形状、および配置とする。
【0057】図4に示す実施例において、コイル(2
5)(26)に使用する導電線の材質を温度の変化に対
して、抵抗値が安定な銅−ニッケル−マンガン合金線
(マンガニン線)、または銅−ニッケル合金線を用いる
ことによって温度の変化による出力の変動をより少なく
することができる。
【0058】また、図4で示す実施例において、磁性体
(27)(28)からなる芯の材質を温度の変化に対し
て磁気特性が安定な、3%珪素鉄、アモルファス、また
はフェライトを用いることによって温度の変化による出
力値の変動をより少なくすることができる。
【0059】また、図4で示す実施例において、コイル
(25)(26)の近傍に、コイル(25)(26)の
抵抗の温度変化分を補償するためにコイル(25)(2
6)と直列に負温度特性のサーミスタを接続して収める
ことにより、温度の変化による出力値の変動をより少な
くすることができる。
【0060】また、図4で示す実施例のうち、コイル
(25)(26)近傍に、コイル(25)(26)のイ
ンダクタンスの温度変化分を補償するためにコイル(2
5)(26)と並列に負温度特性のサーミスタを接続し
て収めることにより、温度の変化による出力値の変動を
より少なくすることができる。
【0061】しかしながら、当該回転位置検出器の特徴
である小型で簡単な構造を実現するにおいて、サーミス
タの使用は避けたい。そのために、磁性体(27)(2
8)の芯の材質に3%珪素鉄、アモルファス、またはフ
ェライトを用いて、コイル(25)(26)にマンガニ
ン線を用いて、さらに2個のコイルの間隙に挿入する渦
巻状の導電体(24)を銅−ニッケル−マンガン合金、
銅−ニッケル合金、またはニッケル−クロム合金など電
気抵抗値が温度の変化に対して安定な材質とすること
で、サーミスタを使用しなくても、温度変化に対して極
めて安定した出力が得られるようになる。
【0062】また、図1に示す構成図において、周波数
電圧変換部(14)は、コンパレータ(2)の出力の発
振の周波数を電圧に変換する部分である。一般的に周波
数電圧変換とよばれる方法は多数存在するが、この回転
位置検出器において容易に実現できる方法を以下に述べ
る。
【0063】発振しているコンパレータ(2)の出力波
形の立ち上がりと立ち下がりのエッジで、ある固定時間
のハイレベルを有する矩形波を発生させる。コンパレー
タ(2)の発振の周期が変化すると、この矩形波のロー
レベル部分の間隔が変化するので、積分することにより
周波数を電圧に変換することができる。
【0064】次にサーミスタを用いた温度補償について
述べる。図1に示す構成図において、コイル(3)
(4)に用いる導電線の材質や、有芯コイルの場合の芯
(9)の材質や、コイル(3)(4)との重合部に配置
する磁性体(7)、及び導電体(8)の材質を、これま
で述べてきたように温度特性の良いもので構成するなら
ば、温度補償用のサーミスタ(10)(11)は必要な
いと思われるが、回転位置検出器の使用環境、形状、そ
の他の要因で温度特性の良い材料の使用が困難なとき
は、サーミスタで温度補償するほうが簡単な場合があ
る。また、上記のように温度特性の良い材料を使用する
ことに加えてサーミスタを使用することで、より温度特
性を向上させることができる。
【0065】サーミスタを使用した温度補償の方法につ
いて、その接続方法を実験により求めた結果として説明
すると、コイル(3)(4)に銅線を用い、有芯コイル
の芯(9)に鉄を用いた場合は、温度変化に対して銅線
の電気抵抗が約0.4%/℃位変化し、有芯コイルのイ
ンダクタンスが約0.1〜0.2%/℃位変化するの
で、その影響で出力電圧が変化する。
【0066】そこで、コイル(3)(4)と直列、及び
並列に、つまり図1のサーミスタ(10)(11)の代
わりに可変抵抗器をつけて変位検出部(12)の温度を
変化させたとき、はじめの温度のときと同じ出力電圧が
得られるようにそれぞれの可変抵抗器の抵抗値をさがし
だした。すると、コイル(3)(4)との重合部に配置
する導電体(8)とコイル(3)(4)との重合面積に
よりそれぞれの可変抵抗器を両方とも調整しなければ、
検出範囲全体において、温度補償することはできなかっ
た。つまり、回転角度により補償する値が異なることが
判明した。
【0067】そのため、今度はコイル(3)(4)にマ
ンガニン線を用いて同様の実験をおこなった。すると、
コイル(3)(4)と直列に接続したほうの可変抵抗器
の抵抗値を変化させることなく、コイル(3)(4)と
並列に接続した可変抵抗器の抵抗値を変化させるのみ
で、検出範囲全体について、温度補償をすることができ
た。
【0068】以上のことから、マンガニン線は抵抗温度
係数が10PPM/℃程度と非常に安定しているため、
コイル(3)(4)に並列に接続した可変抵抗器により
補償したものは、コイルのインダクタンスの変化分とい
える。そして、コイル(3)(4)に直列に接続した可
変抵抗器により補償したものは、マンガニン線に変更し
たために調整不要となったことから、コイル(3)
(4)の抵抗値の変化分といえる。
【0069】また、どちらの可変抵抗器も温度補償した
ときの抵抗値は、温度が上がるにつれて抵抗値を下げる
方向であったため、これをサーミスタで行うには、負の
抵抗温度係数をもつものが必要であり、さらに、温度に
対して比例した抵抗値の変化が必要なため、実際の使用
では、固定抵抗とサーミスタを並列接続してサーミスタ
の温度に対して曲線的な抵抗値の変化を直線的にする必
要がある。
【0070】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0071】コイルと磁性体、または導電体のみで温度
特性の優れた回転位置検出器を構成できるため、構造が
非常に簡単であり、また発振回路部、周波数電圧変換
部、および出力変換部も非常に簡単に構成できるため、
全体的に小型化が容易である。
【0072】有芯コイルの方式の場合、1往復巻のコイ
ルでも十分な出力が得られるため、変位検出部が非常に
小さくなり、製作も容易であるので小型の流体圧回転シ
リンダのような小型機器への取り付けも容易である。
【0073】被検出物に装着する構成部品は、コイルと
その重合部に配置する磁性体、または導電体と、また必
要があればサーミスタのみであり、発振回路部、周波数
電圧変換部、および出力変換部は電線を介して離れた場
所に設置できるため、ある特定の回転位置に対してスイ
ッチ出力を発生するような用途で当該回転位置検出器を
用いる場合、被検出物を設置してある場所から離れた場
所でスイッチ出力位置の調整をすることが可能になり、
被検出物を設置するスペースの自由度がひろがる。
【0074】コイルと磁性体、または導電体の僅かな間
隙内で感知する方式のため、同様の位置検出器を具えた
機器を近接して設置することが可能であり、相互の干渉
を起こさない。
【0075】空芯コイルの方式の場合、コイルとの重合
部に配置する導電体に非磁性材料を選定すると、構成部
品を全て非磁性材料で構成でき、磁石等の磁気を近付け
ても出力の変動を起こさないので、従来のようなホール
素子等の位置検出器よりも外部磁気に対して安定であ
る。
【0076】コイルを用いた位置検出器において、一般
的に用いられている温度補償用の複雑な回路や、温度補
償用コイルなどを用いなくても構成材料の選定のみで、
温度の変化に対して安定な出力が得られるので、コイル
構造の自由度が高く機器への装着が容易である。
【0077】また、コイルと直列にサーミスタを接続し
たり、コイルと並列にサーミスタを接続してコイル近傍
に配置するだけで、温度変化による安定性を簡単に向上
できるので、変位検出部の構成材料の選択肢が多く、使
用環境、大きさ、形状などへの対応が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】当該回転位置検出器の構成図である。
【図2】従来の位置検出器を用いた流体圧回転シリンダ
の構成図(平面図)である。
【図3】従来の位置検出器を用いた流体圧回転シリンダ
の構成図(正面図)である。
【図4】当該回転位置検出器を小型空気圧回転シリンダ
に組み込んだときの断面図である。
【図5】当該回転位置検出器のコイルとコイルに重合さ
せる磁性体、または導電体の形状、および配置を示す平
面図である。
【符号の説明】
1 コンデンサ 2 コンパレータ 3、4 コイル 5 抵抗 6 被検出物 7 磁性体 8 導電体 9 磁性体(芯) 10、11 サーミスタ 12 変位検出部 13 発振回路部 14 周波数電圧変換部 15 出力変換部 16 被検出物 17 磁石取り付けステー 18 磁石 19 磁気センサ 20 磁気センサ取り付けステー 21、22 空気圧回転シリンダ 23 出力軸 24 導電体 25、26 コイル 27、28 芯(磁性体)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転位置検出器において、一方の極を基
    準電位に接続したコンデンサ(1)の他極をヒステリシ
    スを有するしきい値を具えた反転出力のコンパレータ
    (2)の入力側に接続し、コンパレータ(2)の出力側
    は、1個、または2個以上のコイル(3)(4)と抵抗
    (5)を直列に接続してコンパレータ(2)の入力側に
    接続する発振回路を構成し、被検出物(6)の回転にと
    もないコイル(3)(4)との重合面積が変化するよう
    な形状を有する磁性体(7)、または導電体(8)を配
    置することでコイル(3)(4)のインダクタンスを被
    検出物(6)の回転とともに変化させることにより、コ
    イル(3)(4)と抵抗(5)を併せたインピーダンス
    が変化するので、コンデンサ(1)の充電と放電の時間
    が変化し、それによりコンパレータ(2)の出力の発振
    の周期が変化するので、その周期を観測することによ
    り、回転位置を検出できるように構成した回転位置検出
    器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、コイル(3)(4)
    との重合部に配置する磁性体(7)、または導電体
    (9)の形状を渦巻状とした回転位置検出器。
  3. 【請求項3】 請求項1、または請求項2において、2
    個のコイル(3)(4)を僅かな間隙を設けて配置し、
    直列に接続した回転位置検出器。
  4. 【請求項4】 コイル(3)(4)を構成する導電線の
    材質を、温度の変化に対して抵抗値が安定している銅−
    ニッケル−マンガン合金線(マンガニン線)、または銅
    −ニッケル合金線とした請求項1、請求項2、または請
    求項3記載の回転位置検出器。
  5. 【請求項5】 コイル(3)(4)との重合部に配置す
    る磁性体(7)の材質を、温度の変化に対して磁気特性
    が安定している、3%珪素鉄、アモルファス、またはフ
    ェライトとした請求項1、請求項2、または請求項3記
    載の回転位置検出器。
  6. 【請求項6】 コイル(3)(4)との重合部に配置す
    る導電体(8)の材質を、温度の変化に対して抵抗値が
    安定している、銅−ニッケル−マンガン合金、銅−ニッ
    ケル合金、またはニッケル−クロム合金とした請求項
    1、請求項2、または請求項3記載の回転位置検出器。
  7. 【請求項7】 コイル(3)(4)において、棒状、ポ
    ット型、またはE型の磁性体(9)を芯とする有芯コイ
    ルを利用する請求項1、請求項2、または請求項3記載
    の回転位置検出器。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の磁性体(9)の材質を、
    3%珪素鉄、アモルファス、またはフェライトとした回
    転位置検出器。
  9. 【請求項9】 コイル(3)(4)の抵抗値の温度変化
    分を補償するために、負温度特性のサーミスタ(10)
    をコイル(3)(4)と直列に接続し、コイル(3)
    (4)の近傍に配置した構成とする請求項1、請求項
    2、または請求項3記載の回転位置検出器。
  10. 【請求項10】 コイル(3)(4)のインダクタンス
    の温度変化分を補償するために、負温度特性のサーミス
    タ(11)をコイル(3)(4)と並列に接続し、コイ
    ル(3)(4)の近傍に配置した構成とする請求項1、
    請求項2、または請求項3記載の回転位置検出器。
  11. 【請求項11】 コンパレータ(2)の出力の立ち上が
    り、及び立ち下がりにおいて、固定時間のハイレベルを
    有する矩形波を生成すると、周期の変化によりこの矩形
    波の間隔に粗密が発生するため、この矩形波を積分する
    ことにより、コンパレータ(2)の出力の発振の周期の
    変化を電圧の変化として出力できるように構成した請求
    項1、請求項2、または請求項3記載の回転位置検出
    器。
JP2000150625A 2000-04-13 2000-04-13 回転位置検出器 Pending JP2001296103A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000150625A JP2001296103A (ja) 2000-04-13 2000-04-13 回転位置検出器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000150625A JP2001296103A (ja) 2000-04-13 2000-04-13 回転位置検出器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001296103A true JP2001296103A (ja) 2001-10-26

Family

ID=18656300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000150625A Pending JP2001296103A (ja) 2000-04-13 2000-04-13 回転位置検出器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001296103A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006208138A (ja) * 2005-01-27 2006-08-10 Shinko Electric Co Ltd 非接触型変位センサ装置
WO2007000952A1 (ja) * 2005-06-26 2007-01-04 Amiteq Co., Ltd. 位置センサ
WO2012001441A1 (ja) * 2010-06-29 2012-01-05 パナソニック電工株式会社 ロータリセンサ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006208138A (ja) * 2005-01-27 2006-08-10 Shinko Electric Co Ltd 非接触型変位センサ装置
JP4692723B2 (ja) * 2005-01-27 2011-06-01 シンフォニアテクノロジー株式会社 非接触型変位センサ装置
WO2007000952A1 (ja) * 2005-06-26 2007-01-04 Amiteq Co., Ltd. 位置センサ
US7986139B2 (en) 2005-06-26 2011-07-26 Amiteq Co., Ltd. Position sensor having stacked flat coils
JP5094390B2 (ja) * 2005-06-26 2012-12-12 株式会社アミテック 位置センサ
WO2012001441A1 (ja) * 2010-06-29 2012-01-05 パナソニック電工株式会社 ロータリセンサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100886281B1 (ko) 위치검출기
KR101433784B1 (ko) 기준 신호를 사용하는 유도 위치 센서
US7053602B2 (en) Rotation sensor and method for detecting a rotation angle of a rotating member
EP3187819B1 (en) Rotation-detecting apparatus
EP2853861B1 (en) Position detection device
JP4699544B2 (ja) 回転型位置検出装置
US20190044418A1 (en) Position sensor and motor
JP2001296103A (ja) 回転位置検出器
JP6608830B2 (ja) 回転検出器
JP2001330408A (ja) 流体圧揺動形アクチュエータにおける回転位置検出器
CA2593553A1 (en) Aerospace movement probe
US20190044419A1 (en) Position sensor and motor
JP2003194510A (ja) ステアリング軸回転角度検出器
JP3869321B2 (ja) 回転センサ
JP2003329404A (ja) 液圧流量制御弁における位置検出器
JP7347100B2 (ja) 回転電機
JP2002098506A (ja) 回転センサ
JP2001147102A (ja) 位置検出器
JP4833520B2 (ja) 変位センサ
JP2003307432A (ja) 回転センサ
JP2000180108A (ja) 位置検出器
JP5303759B2 (ja) 圧電振動子の駆動装置
JP2007024556A (ja) 回転センサ
JP3973193B2 (ja) 磁気検出回路
JP2019032203A (ja) 位置センサ及びモータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070402

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090915

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100202