JP2019032203A - 位置センサ及びモータ - Google Patents

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暁 松縄
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Abstract

【課題】永久磁石を用いない位置センサでロータ位置を検出し、位置センサの位置合わせを容易かつ精度よく行う。【解決手段】位置センサ1Fは、シャフト5に固定されたロータ2の回転によるインダクタンスの変化に基づきロータ位置を検出する。筒状のステータ3Fは回転中心Cと同心配置され、内周面3aから回転中心Cに向かって突設されて互いに対向配置された一対の主磁極31からなる磁極対32A,32Bを複数組有する。ロータ2は、回転中心Cからの距離が一定の基準円筒面20aから外側へ突設された一対の凸極21を有する。また、位置センサ1Fは、各磁極対32A,32Bの夫々の主磁極31に巻回されたコイルからなるコイル対4A,4Bを有する。ステータ3Fの外周面3bには、軸方向視で回転中心Cを中心とした仮想円3Cの接線方向に延在する複数の第一平面34と、複数の第一平面34を繋ぐ接続部35とが含まれる。【選択図】図1

Description

本発明は、モータのロータ回転位置を検出するインダクタンス式の位置センサと、この位置センサを備えたモータとに関する。
従来、モータ(特にブラシレスモータ)には、その回転数や回転角度(回転位置)を検出するための検出器(センサ)が付設される。検出器としては、例えば、モータのロータに備えた永久磁石の磁束によりロータの回転位置を検出するホールセンサがある(例えば特許文献1参照)。ホールセンサを備えたブラシレスモータでは、ホールセンサからの出力信号に基づきロータの回転位置を特定し、最適なタイミングで電流を流すことでロータを回転させている。
特許第2639521号公報
しかしながら、ホールセンサと永久磁石とを用いた位置検出手段の場合、磁石の強度(堅牢性)が鉄などの金属に比べて低いことに加え、磁石の加工精度を高めにくいことから、重量バランスの調整や回転軸への固定などに工夫が必要となる。そのため、このような位置検出手段を高速回転にも耐えうるように構成すると、製造コストが嵩むおそれがある。また、ホールセンサのような電子部品は高温環境に弱いものが多く、自動車のエンジン周辺のような高温環境下では使用できない場合がある。さらに、永久磁石を使用しないモータ(例えばスイッチトリラクタンスモータ、以下「SRモータ」という)は、マグネットレスにより高い堅牢性や耐熱性といったメリットを有しているが、このSRモータに永久磁石を用いた位置検出手段を装備してしまうと、せっかくのメリットが失われてしまうという課題がある。
また、ロータの回転位置を検出するセンサは、シャフト上に配置されてモータハウジングに固定されるが、このときの位置合わせは高精度に行う必要がある。さらに、ロータの回転によるインダクタンスの変化に基づいてロータの回転位置(以下「ロータ位置」という)を検出するセンサの場合、インダクタンスに重畳するノイズの影響によって誤検出を招くおそれがあるため、発生するインダクタンスを大きな値とし、ノイズの影響を受けにくくすることが望ましい。
本件の位置センサは、このような課題に鑑み案出されたもので、永久磁石を用いずにステータに対するロータの回転位置を検出するとともに、位置合わせを容易かつ精度よく行うことを目的の一つとする。また、本件のモータは、永久磁石を用いない位置センサによって回転位置を検出することで、マグネットレスのメリットを活かすことを目的の一つとする。なお、これらの目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
(1)ここで開示する位置センサは、シャフトに固定されたロータの回転によるインダクタンスの変化に基づいて、ステータに対する前記ロータの回転位置を検出する位置センサであって、筒状に形成され、前記シャフトの回転中心と同心に配置されるとともに、内周面から前記回転中心に向かって突設されて互いに対向配置された一対の主磁極からなる磁極対を複数組有する前記ステータと、前記回転中心からの距離が一定の基準円筒面から径方向外側へ突設された少なくとも一対の凸極を有する前記ロータと、直流電源に接続されて各組の前記磁極対の夫々の前記主磁極に巻回されたコイルからなるコイル対と、を備え、前記ステータの外周面には、前記シャフトの軸方向視で前記回転中心を中心とした仮想円の接線方向に延在する複数の第一平面と、前記複数の第一平面を繋ぐ接続部とが含まれる。
(2)前記接続部は、前記主磁極の個数以上設けられるとともに前記仮想円よりも径方向外側に配置され、各々の前記主磁極は、前記接続部の内側における前記内周面から突設されていることが好ましい。
(3)前記外周面には、前記ロータを挟んで逆向きに設けられ互いに平行な一対の前記第一平面が二組以上含まれ、前記接続部は、隣接する前記第一平面同士で形成される角部として設けられることが好ましい。
(4)前記外周面には、前記ロータを挟んで逆向きに設けられ互いに平行な一対の前記第一平面が二組以上含まれ、前記接続部は、隣接する前記第一平面同士を繋ぐ平面又は曲面として設けられることが好ましい。
(5)前記ステータは、前記シャフトの軸方向視で四回回転対称性を持った外形状であることが好ましい。
(6)前記ロータは、永久磁石以外の磁性体で形成されていることが好ましい。
(7)また、ここで開示するモータは、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の位置センサと、前記シャフトと一体回転し、永久磁石を有さないモータロータと、ハウジングに固定され、永久磁石を有さないモータステータと、を備えている。
(8)前記モータは、前記軸方向視で中央に正方形状の中央スペースを有する二相モータであり、前記位置センサは、前記中央スペース内に配置されて前記ハウジングに固定されることが好ましい。
開示の位置センサによれば、インダクタンスの変化に基づいてロータ位置を検出することから、永久磁石を用いることなくロータ位置の検出が可能である。また、ステータの外周面に第一平面が含まれることから、位置センサの位置合わせを容易かつ精度よく行うことができる。
また、開示のモータによれば、永久磁石を用いない位置センサによって回転位置を検出することで、マグネットレスのメリットを活かすことができる。
第一実施形態に係る位置センサの磁気回路部を軸方向から見た模式図である。 図1に示す位置センサの電気回路部を例示する図である。 ロータの回転によって変化するインダクタンスと、スイッチングにより変化するシャント電圧と、処理部で行われる信号処理の内容とを併せて例示する図であり、機械角90度の範囲を示す。 すべての実施形態に共通のモータを例示する模式的な斜視図である。 図1に示す位置センサの第一変形例の磁気回路部を軸方向から見た模式図である。 図1に示す位置センサの第二変形例の磁気回路部を軸方向から見た模式図である。 第二実施形態に係る位置センサの磁気回路部を軸方向から見た模式図である。 図7に示す磁気回路部に生じる磁束の流れを説明するための図である。 図7に示す位置センサの第一変形例の磁気回路部を軸方向から見た模式図である。 図9の位置センサによる効果を説明するための模式図である。
図面を参照して、実施形態としての位置センサ及びモータについて説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
〈1.第一実施形態〉
[1−1.構成]
図1は、第一実施形態に係る位置センサ1Fをシャフト5(回転軸)の軸方向から見た(軸方向視の)模式図である。本実施形態の位置センサ1Fは、永久磁石を有しないものであり、シャフト5に固定されたロータ2の回転によるインダクタンスLの変化に基づいて、ステータ3Fに対するロータ2の回転位置(以下「ロータ位置」という)を検出する。
本実施形態では、ロータ2が一回転すると(機械角360度のあいだに)2パルスを出力する位置センサ1Fを例示する。すなわち、本実施形態の位置センサ1Fは、ロータ位置が、機械角360度を4等分した90度ごとの範囲(例えば0〜90度,90〜180度,180〜270度,270〜360度の4つの範囲)のうち、第一及び第三の範囲(0〜90度及び180〜270度)に属するのか、あるいは、第二及び第四の範囲(90〜180度及び270〜360度)に属するのかを検出(特定)する。なお、ロータ2の一回転でのパルス数は2パルスに限られない。この変形例については後述する。
位置センサ1Fは、例えば図4に示すようなモータ9に組み込まれる。モータ9は、永久磁石を有していないスイッチトリラクタンスモータ(以下「SRモータ9」という)であり、図示しないハウジングに固定されるモータステータ9Aと、シャフト5と一体回転するモータロータ9Bとを備えている。本実施形態のSRモータ9は二相SRモータであり、モータステータ9Aには四つのモータティース部9Cが設けられる。四つのモータティース部9Cは、互いに90度ずつずれて設けられる。各モータティース部9Cにはインシュレータ9Dが取り付けられ、インシュレータ9Dの周囲にモータコイル9Eが巻回されている。
本実施形態のSRモータ9は、軸方向視で中央に正方形状の中央スペース9Sを有する。中央スペース9Sは、四つのモータティース部9Cの内側端面および四つのインシュレータ9Dの内側端面で囲まれた空間であり、モータロータ9Bの配置スペースである。すなわち、中央スペース9Sは、モータロータ9Bが収まる大きさを有する。本実施形態の位置センサ1F、および、後述する変形例や第二実施形態に係る位置センサ1F′,1S等(図1では、符号1を付す)は、この中央スペース9S内に配置されて図示しないハウジングに固定される。
位置センサ1Fは、SRモータ9のシャフト5上に配置され、ステータ3Fがハウジングに固定されるとともにロータ2がシャフト5に固定される。位置センサ1Fは、図1に示す磁気回路部1Fmと図2に示す電気回路部1eとから構成され、ロータ位置を検出することで、SRモータ9の回転位置(モータ回転角度)を検出する。磁気回路部1Fmは、ロータ2,ステータ3F及び二組のコイル対4A,4Bを有し、電気回路部1eは、処理部6及び励磁回路10を有する。なお、後述するように、コイル対4A,4Bは励磁回路10にも含まれる要素である。本実施形態のロータ2は、永久磁石以外の磁性体(例えばケイ素鉄やソフトフェライトのような強磁性かつ軟磁性の材料)で形成されている。磁性体は強磁性かつ軟磁性であるとよい。
図1に示すように、ロータ2は、シャフト5の回転中心Cからの距離が一定の円筒部20と、円筒部20の基準円筒面20aから径方向外側へ突設された一対の凸極21とを有する。一対の凸極21は同一形状をなし、周方向に互いに180度ずれて設けられる。本実施形態の凸極21は、軸方向視で基準円筒面20aに沿う円弧状であり、凸極21の周方向における両端には角部21aが設けられる。なお、凸極21の形状は図1に示すものに限られない。本実施形態のSRモータ9は、ロータ2とモータロータ9Bとが同一のシャフト5に固定されており、ロータ2の凸極21とモータロータ9Bの凸極(図示略)とが位相差を保って回転するように配置されている。
図1に示すように、ステータ3Fは環状(筒状)に形成され、シャフト5の回転中心Cと同心に配置されるとともに、内周面3aから回転中心Cに向かって突設されて互いに対向配置された一対の磁極31(主磁極)からなる磁極対32を複数組有する。本実施形態のステータ3Fは、その外形状が軸方向視で略正方形である。ステータ3Fの外周面3bには、軸方向視で回転中心Cを中心とした仮想的な円(図中の二点鎖線、以下「仮想円3C」という)の接線方向に延びる複数(ここでは四つ)の第一平面34と、第一平面34を繋ぐ接続部としての角部35とが含まれる。
本実施形態の外周面3bには、ロータ2を挟んで逆向きに設けられ互いに平行な一対の第一平面34が二組含まれる。角部35は、隣接する第一平面34同士で形成され、仮想円3Cよりも径方向外側に配置される。本実施形態では、磁極31の個数と同数(すなわち四つ)の角部35が設けられる。なお、角部35は尖っていてもよいし、僅かなR加工が施されていてもよい。本実施形態のステータ3Fは、軸方向視で正方形の環状をなす筒部30と、回転方向に互いに90度ずれて配置された二組の磁極対32とを有する。以下、二組の磁極対32のうちの一方を第一磁極対32Aと呼び、他方を第二磁極対32Bと呼ぶ。
四つの磁極31は、すべて同一形状をなし、接続部35の内側における内周面3aから突設されている。本実施形態の磁極31は、筒部30の四隅のそれぞれから回転中心Cに向かって延設されたティース31aと、ティース31aの先端部に設けられた羽根状に広がった壁部(以下「羽根31b」という)とを有し、軸方向視で略T字状をなす。ステータ3Fの内周面3a及び外周面3bのそれぞれは、正方形の環状をなす筒部30の内面及び外面に相当する。本実施形態の筒部30は、回転方向において厚みが一定に設けられる。ティース表面とコイル対4A,4Bとはインシュレータ(図示略)により電気的に絶縁される。
二組のコイル対4A,4Bは、電流が印加される入力コイルであり、各磁極対32A,32Bのそれぞれの対向する磁極31に互いに反対方向に巻回されたコイルからなる。具体的には、第一のコイル対4A(以下「第一コイル対4A」ともいう)は、第一磁極対32Aの一方の磁極31に対して巻回されたコイル41aと、このコイル41aと他方の磁極31に対して巻回されたコイル42aとから構成される。同様に、第二のコイル対4B(以下「第二コイル対4B」ともいう)は、第二磁極対32Bの一方の磁極31に対して巻回されたコイル41bと、このコイル41bと他方の磁極31に対して巻回されたコイル42bとから構成される。
コイル41a,42aは、通電時に互いに反対磁極となるように巻回される。図1のように直列接続で連続して巻回される場合、コイル41a,42aは回転中心Cから各磁極31を見たときの巻回方向が互いに反対であり、コイル41b,42bも同様に巻回方向が互いに反対である。なお、隣り合うコイル41a及び41bの巻回方向は同一でもあってもよいし、反対であってもよい。また、これら全てのコイル41a,42a,41b,42の巻数は同一である。なお、図1では、コイル41a等の巻回方向がわかるように一本線で示しているが、実際には、図1中に模様で示す範囲40にコイル41a等を巻回することができる。以下、範囲40を「コイル巻回可能範囲40」と呼ぶ。
本実施形態では、ロータ2の回転により変化するインダクタンスLを、図2に示す電気回路部1eにより検出する。図2に示すように、本実施形態の電気回路部1eの励磁回路10には、直流電源11と、スイッチ12と、上記した二組のコイル対4A,4Bと、二つの抵抗13A,13Bと、ダイオード14と、二つの出力端子15A,15Bとが設けられる。スイッチ12は各コイル対4A,4Bへの電流のオンオフを切り替えるものであり、直流電源11に対して直列に接続される。二組のコイル対4A,4Bは互いに並列接続されるとともに、いずれも直流電源11に対して直列に接続される。また、二つの抵抗13A,13Bのそれぞれは、各コイル対4A,4Bに対して直列に接続される。ダイオード14は直流電源11に対して直列に接続される。また、二つの出力端子15A,15Bは、各コイル対4A,4Bと各抵抗13A,13Bとの間にそれぞれ設けられる。以下、二つの出力端子15A,15Bを区別する場合には、第一コイル対4A側の一方を第一出力端子15Aと呼び、第二コイル対4B側の他方を第二出力端子15Bと呼ぶ。
より具体的には、第一コイル対4Aの一端4A1はスイッチ12を介して直流電源11のプラス端子に接続され、第一コイル対4Aの他端4A2は抵抗13Aを介して直流電源11のマイナス端子に接続される。また、第二コイル対4Bの一端4B1はスイッチ12を介して直流電源11のプラス端子に接続され、第二コイル対4Bの他端4B2は抵抗13Bを介して直流電源11のマイナス端子に接続される。スイッチ12がオンになると、両方のコイル対4A,4Bに電流が流れ、出力端子15A,15Bのそれぞれから抵抗13A,13Bにかかる電圧値VA,VBを検出可能となる。以下、二つの電圧値VA,VBを区別する場合には、第一出力端子15A側を第一電圧値VAともいい、第二出力端子15B側を第二電圧値VBともいう。
処理部6は、ロータ2の回転時にスイッチ12を高周波でスイッチングし、二組のコイル対4A,4BのインダクタンスLの大小関係に基づいて、ステータ3Fに対するロータ位置を検出する処理を行う。処理部6は、例えば信号処理回路で構成される。スイッチングの周波数はモータの回転数と機械角と電気角との比によるが、少なくともロータ2の回転数よりも十分に高く、例えば50kHzとされる。本実施形態の処理部6は、各コイル対4A,4BのインダクタンスLの代わりに、各抵抗13A,13Bにかかる電圧値VA,VBを各出力端子15A,15Bから取得し、各電圧値VA,VBを処理して出力信号(パルス信号)に変換する。
図3は、ロータ2の回転によって変化するインダクタンスLと、スイッチングにより変化する電圧値VA,VB(シャント電圧)と、処理部6で行われる信号処理の内容とを併せて例示する図であり、機械角90度の範囲を示す。図3の横軸はロータ2の機械角である。図3には、機械角90度の範囲で変化するインダクタンスLと、スイッチ12に入力されるクロック(オンオフ信号)と、電圧値VA,VB(シャント電圧)と、二つの電圧値VA,VBの大小関係の比較結果と、サンプリングタイミングと、出力信号とを示す。インダクタンスL及び電圧値VA,VBの変化を示す波形(電圧波形)は、実線が第一コイル対4Aのものに対応し、破線が第二コイル対4Bのものに対応する。なお、図3では、一点鎖線で示すように電圧波形の一部を拡大して例示する。
ロータ2が回転すると、各磁極対32A,32Bとロータ2の外周面との距離が変化する。例えば、ロータ位置が図1に示す状態である場合、第一磁極対32Aとロータ2の外周面との距離は、凸極21の突出量の分だけ、第二磁極対32Bとロータ2の外周面との距離よりも短くなる。このため、第一コイル対4Aの磁気抵抗が第二コイル対4Bの磁気抵抗よりも小さくなり、励磁により生じる第一コイル対4Aの磁束の量が、励磁により生じる第二コイル対4Bの磁束の量よりも多くなる。すなわち、図1に示すロータ位置の場合、第一コイル対4Aの方が第二コイル対4BよりもインダクタンスLが大きくなる。この状態でスイッチ12がオンになると、インダクタンスLの大きな第一コイル対4Aの方が第二コイル対4Bよりも電流の立ち上がりが遅くなる。
また、ロータ2が図1の状態から45度を越えて回転すると、凸極21は第一磁極対32Aから離れて第二磁極対32Bに接近することから、励磁による発生磁束量は、第一コイル対4Aの方が第二コイル対4Bよりも少なくなり、第一コイル対4Aの方が第二コイル対4BよりもインダクタンスLが小さくなる。そのため、この状態でスイッチ12がオンになると、インダクタンスLの小さな第一コイル対4Aの方が第二コイル対4Bよりも電流の立ち上がりが早くなる。
つまり、二組のコイル対4A,4Bのうち、電流値が小さい一方が巻回された磁極対32A,32Bにロータ2の外周面がより近接していることになる。そのため、スイッチ12のオンオフを高速で繰り返し、スイッチ12がオンのときの任意のタイミングにおける、二組のコイル対4A,4BのインダクタンスLの大小関係を比較することで、ロータ2の凸極21の位置(すなわちロータ位置)を判断可能となる。本実施形態の励磁回路10は、図3中に実線及び破線で示すように、インダクタンスLの代わりに抵抗13A,13Bにかかる電圧値VA,VBを出力端子15A,15Bのそれぞれから出力するため、処理部6は電圧値VA,VBの大小関係を比較する。
また、インダクタンスLは、図3中に実線及び破線で示すように、一方が大きいと他方が小さく、かつ、一方が減少し始めると他方が増加し始め、ある角度で大小関係が逆転する特性を持っている。二つのインダクタンスLの大小関係が逆転する(インダクタンスLが交わる)位置は、図1のロータ位置から45度だけ回転した位置、すなわち、回転方向に隣接する二つの磁極31の中央に凸極21が位置する機械角である。処理部6は、このインダクタンスLの変化(特性)を直接的に検出する代わりに、上述した処理を行うことで電圧波形を出力信号に変換し、ロータ位置を検出(特定)する。
処理部6は、図3に示すように、所定の周期(例えば 50kHz)でオンオフを繰り返すクロック信号をスイッチ12に入力する。すなわち、クロックがオンのときにスイッチ12がオンになるため、コイル対4A,4Bに電流が流れ、各出力端子15A,15Bから電圧が出力される。このときの電圧(電流)の立ち上がりは、コイル対4A,4Bの各インダクタンスLに応じて決まる。例えば、第一コイル対4AのインダクタンスLが大きい場合、図中に拡大して示すように、クロック(スイッチ12)がオンであるときの電圧の立ち上がりは、第二電圧値VBの方が第一電圧値VAよりも早い(すなわち、第二電圧値VBの方が大きな傾きとなる)。
処理部6は、二つの電圧値VA,VBをコンパレータ(図示略)に入力することで、図中の比較波形(比較のオンオフ信号)を取得する。本実施形態のコンパレータは、「第一電圧値VA≧第二電圧値VB」であるときにオン信号を出力し、「第一電圧値VA<第二電圧値VB」であるときにオフ信号を出力する。なお、「第一電圧値VA≧第二電圧値VB」であるときにオフ信号を出力し、「第一電圧値VA<第二電圧値VB」であるときにオン信号を出力するようにしてもよい。サンプリングタイミングは、比較のオンオフ信号を抽出するタイミングを決める信号であり、クロックに同期している。サンプリングタイミングは、例えばクロックがオフからオンまたはオンからオフに切り替わった瞬間と同時であってもよいし、切り替えの瞬間から数μ秒後といった任意のタイミングであってもよい。
処理部6は、クロックに同期したサンプリングタイミングで比較のオンオフ信号を抽出し、比較のオン信号及びオフ信号と同じオンオフ状態の出力信号を出力する。すなわち、処理部6は、比較がオン信号である場合には出力信号をオンとし、比較がオフ信号である場合には出力信号をオフとする。図3に示す例では、二つの電圧波形が略重なる機械角θ1のときに、出力信号がオフからオンへと切り替わっている。この切り替えタイミング(すなわち機械角θ1)は、インダクタンスLの大小関係が逆転する角度であり、本実施形態では図1に示すロータ位置から45度回転した位置となる。なお、図3には機械角90度の範囲のみを図示しているが、90〜180度,180〜270度,270〜360度の各範囲においても、図3と同様の出力信号が出力される。このように、インダクタンスLを直接的に検出できなくても、電圧波形の大小関係からインダクタンスLの大小関係を求めることができ、ロータ位置の検出(特定)が可能である。
なお、位置センサ1のロータ2とSRモータ9のモータロータ9Bとはいずれもシャフト5に回転不能に固定されている。このため、処理部6から出力される出力信号(オン又はオフ)に基づきロータ位置が検出(特定)され、さらにこの出力信号(あるいはロータ位置情報)に基づいてモータロータ9Bを回転させるための電流制御が実施可能である。
[1−2.作用,効果]
(1)上述した位置センサ1Fでは、ロータ2を挟んで対向する磁極対32A,32Bのそれぞれにおいて、一方の磁極31からロータ2を通って他方の磁極31へと磁束が流れる。ロータ2には凸極21が設けられているため、回転位置に応じて各磁極対32A,32Bとロータ2の外周面との距離が変化し、この距離に応じて磁気抵抗が変化することから、磁束の量が変化し、インダクタンスLが変化する。
上述した位置センサ1Fは、このインダクタンスLの変化(インダクタンスLの変化に応じて変化する電流の立ち上がり速度や電圧波形)に基づいてロータ位置を検出することから、永久磁石を用いることなくロータ位置の検出が可能である。また、上述した位置センサ1Fは、ステータ3の外周面3bに第一平面34が含まれることから、位置センサ1Fの位置合わせを容易かつ精度よく行うことができる。すなわち、複数の第一平面34をハウジングの位置合わせ面(図示略)にそれぞれ当接させるだけで、位置センサ1Fを正確にSRモータ9に組み込むことができる。また、上述した位置センサ1Fによれば、相対比較によってロータ位置を検出できるため、例えば直流電源11の電圧が変動した場合であっても、検出精度を保つことができる。さらに、上述した位置センサ1Fによれば、磁気回路部1Fm及び電気回路部1eの構成をいずれもシンプルにすることができる。
(2)上述した位置センサ1では、仮想円3Cよりも径方向外側に位置する接続部(本実施形態では角部35)の内側における内周面3aから磁極31が突設されている。このため、第一平面34に磁極が突設された場合と比較して、磁極31の突出長さを長くすることができる。これにより、コイル巻回可能範囲40が大きくなり、コイル41a等の巻線量を増やすことができる。したがって、インダクタンスLが大きくなることから、信号強度を強くすることができ、ノイズの影響を受けにくくすることができる。
(3)特に、上述した位置センサ1Fでは、隣接する第一平面34同士で形成された角部35が接続部として設けられ、この角部35(すなわち、筒部30の隅)に磁極31が形成されていることから、ステータ3Fの形状において磁極31の突出長さを最も長くすることができる。これにより、コイル41a等の巻線量を最大にすることができ、信号強度を強くすることができる。
(4)上述した位置センサ1Fのように、ステータ3Fが軸方向視で四回回転対称性を持った外形状(ここでは正方形)である場合には、所定サイズのロータ2に対するステータ3Fのサイズを最もコンパクトにすることができる。すなわち、スペース効率の高い位置センサ1Fを形成することができる。
(5)また、上述した位置センサ1Fは、ロータ2が永久磁石以外の磁性体で形成されていればよいため、ケイ素鉄のような安価で比較的加工しやすい材料を使用してロータ2のコストを低減することができる。
(6)位置センサ1Fが永久磁石を用いていないため、この位置センサ1Fによって回転位置を検出することで、上述したSRモータ9が持つ高い堅牢性や耐熱性といったメリットを活かすことができる。さらに、上述したSRモータ9によれば、位置センサ1Fが上述したように直流電源11の電圧変動によらず検出精度を保つことができるため、モータロータ9Bを回転させるための電流制御を安定して実施することができる。
(7)また、上述したSRモータ9は、軸方向視で中央に正方形状の中央スペース9Sを有し、この中央スペース9Sに四回回転対称性を持った外形状のステータ3F(位置センサ1F)が配置されるため、SRモータ9内のスペース効率を高めることができ、大きなコイル巻回可能範囲40を確保することができる。特に、本実施形態のように、ステータ3Fの外形状が略正方形状の場合、中央スペース9Sと相似形状となるため、スペースを無駄なく活用することができる。
[1−3.第一変形例]
上述した実施形態では、一回転で2パルスを出力する位置センサ1Fを例示したが、位置センサ1Fの構成はこれに限られない。例えば、図5に示すように、一対の凸極21を三組有するロータ2′を備えた位置センサ1F′(磁気回路部1Fm′)であってもよい。なお、図5の位置センサ1F′は、上記実施形態の位置センサ1Fに対し、ロータ2′の形状及びステータ3F′の羽根31bの回転方向長さが異なり、その他の構成(励磁回路10の構成,処理部6での処理内容等)は同一である。
位置センサ1F′は、同一形状の六つの凸極21がロータ2′の周方向に60度ずつずれて配置されている。また、ステータ3F′の磁極31の羽根31bの回転方向の長さがロータ2′の凸極21の回転方向の長さと同程度となっている。羽根31bの回転方向長さが長くなるとインダクタンスLの変化が小さくなるため、羽根31bと凸極21との長さ関係は、羽根31bの中央位置と凸極21の中央位置とを合わせたときに、羽根31bの回転方向両端部が凸極21b間の凹部の1/4以内であることが望ましい。
本変形例の位置センサ1F′では、二組のコイル対4A,4BのインダクタンスLが上述した実施形態よりも短い周期(機械角)でその大小関係が逆転する。この位置センサ1F′であれば、一回転で6パルス出力するため、機械角360度を12等分した30度ごとにロータ位置を特定可能である。したがって、本変形例の位置センサ1F′であっても、上述した実施形態と同様の構成からは同様の効果を得ることができる。さらに、ロータ2′の凸極数を増やした本位置センサ1F′であれば、より細かい角度ごとにロータ位置を特定する必要があるモータの制御を行うことができる。
[1−4.第二変形例]
また、例えば図6に示すように、一対の磁極31からなる磁極対32が四組設けられたステータ3F″を備えた位置センサ1F″(磁気回路部1Fm″)であってもよい。すなわち、ステータ3F″は、周方向に45度ずつずれて配置された四組の磁極対32A,32B,32C,32D(八つの磁極31)を有する。なお、磁極31はすべて同一形状である。
また、本変形例のステータ3F″の外周面3bには、上述した実施形態と同様に、仮想円3Cの接線方向に延在する複数の第一平面34と、第一平面34を繋ぐ接続部としての角部35とが含まれる。具体的には、外周面3bは、磁極31の個数と同じ八つの第一平面34と八つの角部35とを有し、軸方向視で正八角形状をなす。角部35は、上述した実施形態と同様、仮想円3Cよりも径方向外側に位置し、磁極31は角部35の内側における内周面3aから回転中心Cに向かって突設される。
また、この位置センサ1F″には、四組のコイル対4A,4B,4C,4Dが設けられる。上述した実施形態と同様に、各コイル対4A〜4Dは、各磁極対32A〜32Dのそれぞれの磁極31に巻回されたコイル41a及び42a,コイル41b及び42b,コイル41c及び42c,コイル41d及び42dから構成される。コイル41a等は、図中に模様で示したコイル巻回可能範囲40に巻回される。なお、図6の位置センサ1F″は、上述した実施形態と同一のロータ2を備える。
図6の位置センサ1F″では、四組のコイル対4A〜4Dのうち、互いに90度ずれて配置された二組ずつのコイル対の電流(あるいは電圧)の大小関係をそれぞれ比較する。そして、その大小関係に応じた出力信号を出力し、二つの出力信号の組み合わせに基づいてロータ位置及びロータ2の回転方向を検出(特定)する。すなわち、位置センサ1F″の処理部6は、二組のコイル対4A,4Bの電流(又は電圧値)の大小関係を比較するとともに、二組のコイル対4C,4Dの電流(又は電圧値)の大小関係を比較し、各大小関係に応じた出力信号を二つ出力する。例えば、「コイル対4Aの電流≧コイル対4Bの電流」であるときに「第一出力信号=オン」とし、「コイル対4Aの電流<コイル対4Bの電流」であるときに「第一出力信号=オフ」として出力する。また、例えば「コイル対4Cの電流≧コイル対4Dの電流」であるときに「第二出力信号=オン」とし、「コイル対4Cの電流<コイル対4Dの電流」であるときに「第二出力信号=オフ」として出力する。
本変形例の処理部6は、第一出力信号及び第二出力信号のオンオフ状態に基づき、ロータ位置を検出する。また、本変形例に係る位置センサ1F″であれば、第一出力信号と第二出力信号との位相が異なることから、ロータ2の回転方向も検出することができる。また、本変形例に係るステータ3F″を備えた位置センサ1F″においても、上述した実施形態と同様の構成からは同様の効果を得ることができる。
〈2.第二実施形態〉
[2−1.構成及び効果]
図7に示すように、第二実施形態の位置センサ1Sは、ステータ3Sの形状及びコイル41a等の巻回方向が第一実施形態の位置センサ1Fと異なり、他の構成(ロータ2の形状,励磁回路10の構成,処理部6での処理内容等)は同一である。本実施形態の位置センサ1Sは、第一実施形態の位置センサ1Fと同様、シャフト5に固定されたロータ2の回転によるインダクタンスLの変化に基づいてロータ位置を検出する。ただし、本位置センサ1Sは、SRモータ9からの漏れ磁束による影響を相殺したうえでロータ位置を検出する。以下、第一実施形態と同様の構成については第一実施形態と同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
位置センサ1S(磁気回路部1Sm)のステータ3Sは、上述した筒部30及び複数の磁極31に加え、各磁極31の周方向両側に配置された補助磁極33を有する。各補助磁極33は、筒部30の内周面3aから回転中心Cに向かって突設される。本実施形態の補助磁極33は、周方向に隣接する二つの磁極31間に一つずつ配置される。すなわち、ステータ3Sは、四つの磁極31と四つの補助磁極33とを有し、これらが周方向に交互に配置されている。
図7には、周方向に隣接する磁極31と補助磁極33との間隔がすべて同一である位置センサ1Sを例示する。すなわち、補助磁極33は、第一平面34の内側における内周面3aから突設されており、回転中心Cから第一平面34へ下ろした垂線上に位置する。本実施形態の補助磁極33は、磁極31のように羽根31bを有さず、突出方向において一様な断面を持つ。また、補助磁極33の内側の端面は、ロータ2の凸極21との間に均一な間隔を形成するように湾曲形成されている。なお、補助磁極33の形状は図7に示すものに限られない。また、ステータ3Sの外周面3b及び磁極31は、上述した第一実施形態と同様の構成を有する。
図7に示すように、本実施形態の第一コイル対4Aを構成する二つのコイル41a,42aは、回転中心Cから磁極31を見たときの巻回方向が互いに同一であるが、SRモータ9の漏れ磁束が位置センサ1Sに到達しても、漏れ磁束がコイル41a,42aと鎖交する方向が回転中心Cから見ると互いに反対向きであることから、一方のコイル41aにはプラスの電圧が生じ、他方のコイル42aには同レベルのマイナスの電圧が生じて互いにキャンセルし合う。このため、漏れ磁束によるノイズがキャンセルされる。同様に、第二コイル対4Bを構成する二つのコイル41b,42bも、回転中心Cから各磁極31を見たときの巻回方向が互いに同一であるが、ことから、漏れ磁束が鎖交する方向が反対である漏れ磁束によるノイズがキャンセルされる。
図8は、本実施形態の位置センサ1Sにおける磁束の流れを示す模式図である。第一コイル対4Aのコイル41a,42aのそれぞれで生じる磁束(図中実線矢印)、及び、第二コイル対4Bのコイル41b,42bのそれぞれで生じる磁束(図中破線矢印)は、各磁極31の羽根31bからロータ2を経由し、両側の補助磁極33に向かって二手に分かれて湾曲して、補助磁極33及び筒部30を通って磁極31に戻る。このとき、二つの磁極対32A,32Bのそれぞれとロータ2の外周面との距離が相違すれば、二つの磁束に差が生じるため、コイル対4A,4Bの電流変化を介して、コイル対4A,4BのインダクタンスLの大小関係が把握される。
このように、本実施形態に係る位置センサ1Sによれば、第一コイル対4Aが互いに逆方向に巻回されたコイル41a,42aから構成され、第二コイル対4Bが互いに逆方向に巻回されたコイル41b,42bから構成されるため、外乱の影響をキャンセルすることができる。例えば、SRモータ9からの漏れ磁束により、一方のコイル(例えばコイル41aと41b)にプラスの電圧が発生しても、他方のコイル(例えばコイル42aと42b)には同レベルのマイナスの電圧が発生するため、相殺することができる。さらに、補助磁極33によって磁束がいずれも磁極31からロータ2を経由して補助磁極33に向かって流れるため、磁束差(すなわちインダクタンスLの大小関係)を把握することができる。したがって、本実施形態に係る位置センサ1Sによっても、インダクタンスLの大小関係に基づいてロータ位置を検出できるため、永久磁石を有しないロータ2を用いて高精度にロータ位置を検出することができる。なお、第一実施形態と同様の構成からは、同様の効果を得ることができる。
[2−2.変形例]
図9に示す位置センサ1S′(磁気回路部1Sm′)は、第二実施形態の位置センサ1Sに対し、ステータ3S′の筒部30′の形状が八角形である点が異なる。具体的には、本変形例のステータ3S′の外周面3bには、一対の第一平面34が二組含まれるとともに、隣接する第一平面34同士を繋ぐ第二平面36(接続部)が含まれる。また、ステータ3S′には、第二実施形態と同様、二組の磁極対32A,32B(すなわち四つの磁極31)と四つの補助磁極33とが設けられる。
磁極31は、接続部としての第二平面36の内側における内周面3aから回転中心Cに向かって突設される。一方、補助磁極33は、第一平面34の内側における内周面3aから回転中心Cに向かって突設される。第二平面36は、仮想円3Cよりも径方向外側に位置することから、補助磁極33よりも磁極31の方が突出長さが長い。コイル41a等は、図中模様で示すコイル巻回可能範囲40に巻回される。なお、各磁極31に対する巻線方向は第二実施形態と同様である。
したがって、本変形例に係る位置センサ1S′であっても、上述した第一,第二実施形態と同様の構成からは同様の効果を得ることができる。さらに、本変形例のステータ3S′は、隣接する第一平面34同士を繋ぐ第二平面36(接続部)が設けられ、この第二平面36の内側に磁極31が設けられるため、磁極31の周辺空間(すなわちコイル巻回可能範囲40)が磁極31の突出方向に一様となる。このため、コイル41a等を均等に巻くことができる。さらに、図10に示すように、本変形例に係る位置センサ1S′であれば(すなわち、センサ形状が八角形であれば)、軸方向視で正方形状の中央スペース9Sの角Rが大きい場合であっても、中央スペース9Sに収めることができる。つまり、センサ形状が正方形の場合と比較して、八角形にすることでよりスペース効率のよい位置センサ1S′を形成することができる。
〈3.その他〉
上述したステータ3F,3S等の形状は一例であって、上述したものに限られない。例えば、角部35及び第二平面36の代わりに、図4に示す位置センサ1のように、第一平面34を繋ぐ曲面37が接続部として設けられていてもよい。また、ステータが、軸方向視で四回回転対称性を持った外形状でなくてもよく、例えば六角形や長円形状であってもよいし、接続部の個数と磁極31の個数とが同数でなくてもよい。例えば、図6に示すステータ3F″の八つの磁極31の半分を補助磁極として設けてもよい。この場合、接続部としての角部35の個数は磁極31の個数よりも多くなる。このように、接続部が磁極の個数以上設けられていれば、接続部の内側における内周面から磁極を突設させることができる。
また、補助磁極33の断面が一様でなくてもよいし、周方向に隣接する磁極31と補助磁極33との間隔がすべて同一でなくてもよい。また、ステータは、少なくとも仮想円3Cの接線方向に延在する複数の第一平面と、第一平面を繋ぐ接続部があればよく、接続部の位置が仮想円3C上や仮想円3Cの径方向内側に位置していてもよいし、磁極の位置が接続部の内側における内周面でなくてもよい。
また、上述したロータ2の形状も一例であって、上述したものに限られない。ロータは、回転中心Cからの距離が一定の基準円筒面から径方向外側へ突設された少なくとも一対の凸極を有するものであればよく、例えば楕円形状であってもよい。
また、上述した実施形態では、処理部6がスイッチ12のスイッチングと、出力された電圧値に基づく信号処理との両方を実施する場合を例示したが、処理部6の機能(スイッチング及び信号処理)を二つの要素に分けて設けてもよい。
また、上述した励磁回路10の構成は一例であって、上述したものに限られない。例えば、抵抗13A等を省略して電流値を検出してもよいし、スイッチ12の個数を増やしてもよい。また、図1及び図2においてコイル41aとコイル42a、コイル41bとコイル42bとはそれぞれ直列に接続されているが、これらは並列接続でもよい。並列とすることでこれらのコイル対4A,4BのインダクタンスLの絶対値が変わるため、相に流れる電流が増えることになる。しかし、コイル対4Aと4Bの間のインダクタンスLの大小関係は変わらないので、直列接続の場合と同じ出力が
得られる。この関係は図6の場合においても同様である。
なお、上述した位置センサ1Fや1S等は上記のSRモータ9に専用のものではなく、例えば、SRモータ9以外のブラシレスモータやジェネレータ等に設けてもよい。
1,1F,1F′,1F″,1S,1S′,1S″ 位置センサ
2,2′ ロータ
3F,3F′,3F″,3S,3S′,3S″ ステータ
3a 内周面
3b 外周面
3C 仮想円
4A 第一コイル対(コイル対)
4B 第二コイル対(コイル対)
5 シャフト(回転軸)
9 SRモータ(モータ)
9A モータステータ
9B モータロータ
9S 中央スペース
20a 基準円筒面
21 凸極
31 磁極(主磁極)
32 磁極対
32A 第一磁極対(磁極対)
32B 第二磁極対(磁極対)
33 補助磁極
34 第一平面
35 角部(接続部)
36 第二平面(接続部)
37 曲面(接続部)
41a,41b,42a,42b コイル
C 回転中心

Claims (8)

  1. シャフトに固定されたロータの回転によるインダクタンスの変化に基づいて、ステータに対する前記ロータの回転位置を検出する位置センサであって、
    筒状に形成され、前記シャフトの回転中心と同心に配置されるとともに、内周面から前記回転中心に向かって突設されて互いに対向配置された一対の主磁極からなる磁極対を複数組有する前記ステータと、
    前記回転中心からの距離が一定の基準円筒面から径方向外側へ突設された少なくとも一対の凸極を有する前記ロータと、
    直流電源に接続されて各組の前記磁極対の夫々の前記主磁極に巻回されたコイルからなるコイル対と、を備え、
    前記ステータの外周面には、前記シャフトの軸方向視で前記回転中心を中心とした仮想円の接線方向に延在する複数の第一平面と、前記複数の第一平面を繋ぐ接続部とが含まれる
    ことを特徴とする、位置センサ。
  2. 前記接続部は、前記主磁極の個数以上設けられるとともに前記仮想円よりも径方向外側に配置され、
    各々の前記主磁極は、前記接続部の内側における前記内周面から突設されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の位置センサ。
  3. 前記外周面には、前記ロータを挟んで逆向きに設けられ互いに平行な一対の前記第一平面が二組以上含まれ、
    前記接続部は、隣接する前記第一平面同士で形成される角部として設けられる
    ことを特徴とする、請求項2記載の位置センサ。
  4. 前記外周面には、前記ロータを挟んで逆向きに設けられ互いに平行な一対の前記第一平面が二組以上含まれ、
    前記接続部は、隣接する前記第一平面同士を繋ぐ平面又は曲面として設けられる
    ことを特徴とする、請求項2記載の位置センサ。
  5. 前記ステータは、前記シャフトの軸方向視で四回回転対称性を持った外形状である
    ことを特徴する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の位置センサ。
  6. 前記ロータは、永久磁石以外の磁性体で形成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の位置センサ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の位置センサと、
    前記シャフトと一体回転し、永久磁石を有さないモータロータと、
    ハウジングに固定され、永久磁石を有さないモータステータと、を備えた
    ことを特徴とする、モータ。
  8. 前記モータは、前記軸方向視で中央に正方形状の中央スペースを有する二相モータであり、
    前記位置センサは、前記中央スペース内に配置されて前記ハウジングに固定される
    ことを特徴とする、請求項5を引用する請求項7記載のモータ。
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