JP2001295754A - 高圧ポンプ - Google Patents

高圧ポンプ

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JP2001295754A
JP2001295754A JP2000116425A JP2000116425A JP2001295754A JP 2001295754 A JP2001295754 A JP 2001295754A JP 2000116425 A JP2000116425 A JP 2000116425A JP 2000116425 A JP2000116425 A JP 2000116425A JP 2001295754 A JP2001295754 A JP 2001295754A
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lifter
pressure
oil
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JP2000116425A
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English (en)
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Koichi Yokoyama
浩一 横山
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Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Denso Corp
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】部品点数の増大を招くことなく、プランジャと
シリンダとの接触面圧の増大を抑制することのできる高
圧ポンプを提供する。 【解決手段】高圧燃料ポンプ11は、シリンダ13の摺
動孔13aに往復摺動可能に嵌入されたプランジャ17
を、リフタガイド15aによってプランジャ17と同一
の方向に往復摺動可能に設けられたリフタ18を介して
駆動カム23によって駆動することで、加圧室14の容
積を変更して流体を加圧している。リフタ底板部18a
と当接されるプランジャ基端部17aの当接面の面積
は、それらの当接面にかかる面圧が同プランジャ基端部
17aの圧縮強度とほぼ等しくなるように設定されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用エ
ンジン等のエンジンに搭載されて、燃料噴射弁等に燃料
を供給する高圧燃料ポンプ等の高圧ポンプに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、こうした高圧ポンプとして、例え
ば特開平10−30525号公報にみられるようなプラ
ンジャ式の高圧ポンプが知られている。
【0003】この種の高圧ポンプでは、図6に示すよう
に、シリンダ50内に往復摺動可能に嵌入されたプラン
ジャ51、それらシリンダ50及びプランジャ51によ
って区画形成された加圧室52を備えて構成されてい
る。シリンダ50の下方には、リフタガイド53によっ
て往復摺動可能に案内されるリフタ54が配設され、そ
の底板部(リフタ底板部)54aはプランジャ51の基
端部(プランジャ基端部)51aに当接されている。リ
フタ54は、同リフタ54とシリンダ50との間に介装
されたスプリング56によって、カム55に向けて付勢
されている。そして、カム55がその回転に伴いリフタ
54を押圧することで、プランジャ51を往復動させ、
加圧室52の容積を変更して流体を加圧する構成となっ
ている。
【0004】すなわち、カム55の押圧によってリフタ
54が上昇されると、プランジャ51が加圧室52側に
移動する。このときの加圧室52の容積は次第に縮小変
化されて、その内部に吸入された流体が加圧される(加
圧行程)。一方、カム55が上死点を越えて更に回転さ
れると、リフタ54が下降されて、プランジャ51がカ
ム55側に移動する。このときの加圧室52の容積は次
第に拡大変化されて、その内部に流体が吸入される(吸
入行程)。
【0005】なお、こうしたプランジャ式の高圧ポンプ
では、リフタ54におけるカム55の押圧点Pがその回
転とともに変位する。そして、加圧行程中にカム55の
押圧点Pがリフタ54の中心から外れることで、リフタ
ガイド53とのクリアランスによって許容される範囲内
でリフタ54が傾くことがある。このときのプランジャ
51にはモーメントが生じ、シリンダ50内で同プラン
ジャ51が傾くようになるため、プランジャ51とシリ
ンダ50との摺接部の先端側及び基端側に接触面圧pが
作用するようになる。
【0006】また、こうしたリフタ54の傾きに応じ
て、カム55の押圧方向がプランジャ51の摺動軸に対
して傾斜し、リフタ54には、プランジャ51の摺動軸
に対してせん断方向の力(横力)Ftが作用するように
なる。このため、そのリフタ底板部54aに対してその
当接面の外縁部(エッジ部)にて係合されたプランジャ
基端部51aにも、上記横力が作用するようになる。そ
して、こうした横力によって、上記プランジャ51とシ
リンダ50との接触面圧pが更に増大されることとな
る。
【0007】ここで、リフタ54が傾いたときにプラン
ジャ基端部51aがその当接面のエッジ部のみを通じて
リフタ54と当接した状態となって、それらの当接面間
の面圧が極度に高くなると、エッジ部がリフタ54の底
板部54aと凝着する、或いはエッジ部が底板部54a
に喰い込むなどによって、それら当接面間の摩擦が極度
に増大することがある。そしてその結果、それら当接面
間の摩擦を通じて伝達されるプランジャ基端部51aの
横力が更に増大し、プランジャ51とシリンダ50との
接触面圧pが更に増大するようになる。そしてこれによ
り、プランジャ51とシリンダ50との間の摺動摩擦が
過度に大きくなって、それらの摺接部に焼き付きが生じ
るおそれがある。
【0008】そこで、上記特開平10−30525号公
報に記載の高圧ポンプでは、図7に示すように、プラン
ジャ基端部51aをプレート58と当接させるととも
に、そのプレート58とリフタ底板部54aとの間に多
数のボール59を介在させることで、上記プランジャ基
端部51aに作用する横力を低減することが提案されて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この従来構成によれ
ば、ボール59との転がり接触によってプランジャ基端
部51aとリフタ底板部54aとの間の摩擦が低減さ
れ、その摩擦を通じてプランジャ基端部51aへと伝達
される横力が低減されるため、上記接触面圧pを低減す
ることは確かにできる。
【0010】しかしながら、こうした従来構成では、プ
レート58やボール59といった新たな構成部材が必要
となって、部品点数が増大し、ひいては製造コストの増
大を招くこととなる。
【0011】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、部品点数の増大を招くこと
なく、プランジャとシリンダとの接触面圧の増大を抑制
することのできる高圧ポンプを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明は、シリンダに往復摺動可能に嵌入さ
れたプランジャを、そのプランジャと同一の方向に往復
摺動可能に設けられたリフタを介してカムによって駆動
することで、加圧室の容積を変更して流体を加圧する高
圧ポンプにおいて、前記プランジャと前記リフタとの当
接面にかかる面圧が同プランジャの当接面部分の圧縮強
度とほぼ等しくなるように、同プランジャの当接面の面
積を設定したものである。
【0013】この請求項1記載の構成では、プランジャ
の当接面の面積の設定によって、プランジャとリフタと
の当接面にかかる面圧がプランジャの当接面部分の圧縮
強度とほぼ等しくなっているため、プランジャ当接面の
エッジ部が初期馴染みを通じて曲面形状に変形するよう
になる。このため、プランジャとリフタとの当接面間の
摩擦が安定して低く抑えられ、その摩擦を通じてプラン
ジャ基端部に伝達される横力の増大が抑えられる。
【0014】したがって、この請求項1記載の発明によ
れば、部品点数の増大を招くことなく、プランジャとシ
リンダとの接触面圧の増大を抑制することができるよう
になる。
【0015】また、請求項2に記載の発明は、シリンダ
に往復摺動可能に嵌入されたプランジャを、そのプラン
ジャと同一の方向に往復摺動可能に設けられたリフタを
介してカムによって駆動することで、加圧室の容積を変
更して流体を加圧する高圧ポンプにおいて、前記リフタ
の内部に、前記プランジャと前記リフタとの当接部がそ
の内部に位置するように設定された油溜まりを形成した
ものである。
【0016】高圧ポンプの周囲には、リフタ及びカム間
などの潤滑に用いられる多量の油が存在しており、そう
した油の一部がリフタの内部にも入り込んでいる。過剰
な量の油がリフタの内部に溜まるとその往復動作が妨げ
られるおそれがあるため、従来の高圧ポンプでは、リフ
タの底板部に油抜き孔を形成して、リフタの内部に入り
込んだ油をそのまま排出させる構造となっていた。
【0017】これに対して、上記請求項2記載の構成で
は、リフタ内部に入り込んだ油を、油溜まりに溜め、プ
ランジャとリフタとの当接部を油中に位置させるように
している。これにより、プランジャとリフタとの当接面
間の油潤滑が確実になされるようになり、それら当接面
間の摩擦が安定して低く抑えられるようになる。
【0018】なお、こうした油溜まりは、上記従来の高
圧ポンプの油抜き孔の位置変更やリフタ底板部の形状変
更などによって容易に形成することができ、部品点数の
増大を招くこともない。そして、上記油潤滑に必要な適
宜な量の油だけがリフタ内部に溜まるように油溜まりを
形成すれば、リフタ内部に溜まった油によってリフタの
往復動作が妨げられることもない。
【0019】したがって、この請求項2記載の発明によ
れば、部品点数の増大を招くことなく、プランジャとシ
リンダとの接触面圧の増大を抑制することができるよう
になる。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
かかる高圧ポンプを、例えば筒内噴射式エンジンのよう
なエンジンの高圧燃料ポンプとして具体化した第1実施
形態について、図1及び図2を参照して詳細に説明す
る。
【0021】図1に示すように、この高圧燃料ポンプ1
1においては、ハウジング12内にシリンダ13が配置
されている。ハウジング12の下端にはブラケット15
が複数のボルト16により取り付けられ、このブラケッ
ト15とハウジング12との間でシリンダ13が締め付
け保持されている。シリンダ13の中心には摺動孔13
aが形成され、その摺動孔13a内にはプランジャ17
が軸線方向へ往復摺動可能に嵌入されている。それらシ
リンダ13とプランジャ17とによって加圧室14が区
画形成されている。
【0022】ブラケット15の下面には、リフタガイド
15aが配設されている。リフタガイド15a内には、
リフタ18が軸線方向へ摺動可能に挿嵌支持され、その
底板部(リフタ底板部)18aにはプランジャ17の基
端部(プランジャ基端部)17aが当接されている。プ
ランジャ17の基端外周にはリテーナ20が係合され、
このリテーナ20とブラケット15との間にはスプリン
グ21が圧縮状態で介装されている。そして、このスプ
リング21により、プランジャ基端部17aがリフタ底
板部18aに押し付けられるとともに、リフタ18がエ
ンジンのカムシャフト22側に付勢されている。
【0023】このカムシャフト22には図示しない排気
弁開閉用カムの外に、高圧燃料ポンプ11のプランジャ
17を駆動するための駆動カム23が設けられており、
その外周のカム面には2つのカムノーズ23aが180
度の間隔をおいて形成されている。そして、前記スプリ
ング21の付勢力によって、リフタ18がこの駆動カム
23のカム面に圧接されている。
【0024】なお、高圧燃料ポンプ11の周囲には、リ
フタ18と駆動カム23との摺接面等の潤滑に用いられ
る多量の油が存在しており、そうした油の一部がリフタ
ガイド15aとのクリアランスなどを通じてリフタ18
内部に入り込んでしまう。この高圧燃料ポンプ11のリ
フタ18の底面には、図示しない油抜き孔が形成されて
おり、リフタ18内部に入り込んだ油をその油抜き孔を
通じて排出するようにしている。
【0025】また、シリンダ13の下方には、シリンダ
13の下端に形成された突部13bに圧入固定されて、
シール部材28が配設されている。シール部材28に
は、プランジャ17の摺動方向において所定間隔をおい
て設けられた上下2つのリップを備えるリップ部31が
形成されており、プランジャ17の外周に相対摺動可能
に挿嵌されている。そして、このリップ部31によって
プランジャ17の外周をシールすることで、プランジャ
17と摺動孔13aとのクリアランスを通じて加圧室1
4からリークする燃料と、リフタ18の内部に入り込ん
だ潤滑用の油との混入が防止されている。
【0026】更に、シリンダ13には、加圧室14と連
通するように、燃料供給通路24が形成されている。そ
して、燃料供給通路24には、電磁スピル弁25が配設
されている。
【0027】電磁スピル弁25は、電磁ソレノイドを備
え、電磁ソレノイドに電圧が印加されていないときには
開弁して、燃料供給通路24を加圧室14に連通するよ
うになっている。そして、電磁スピル弁25が開弁され
た状態でプランジャ17が下降すると、図示しない燃料
タンクからフィードポンプによって汲み上げられた低圧
燃料が燃料供給通路24を介して加圧室14に吸入され
る。また、電磁ソレノイドに電圧が印加されることで閉
弁して、燃料供給通路24を閉鎖するようになってい
る。そして、電磁スピル弁25が閉弁された状態でプラ
ンジャ17が上昇すると、同加圧室14の容積が縮小変
化され、その内部の燃料が加圧される。
【0028】更に、シリンダ13及びハウジング12に
は、加圧室14と連通するように、高圧燃料通路26が
形成されている。この高圧燃料通路26には、チェック
弁27が設けられており、加圧室14内から高圧燃料通
路26を介して圧送される燃料の圧力が所定値を超えた
とき、このチェック弁27が開かれる。これにより、高
圧燃料通路26から圧送される高圧燃料が、図示しない
燃料分配管に吐出されて、エンジンの各燃料噴射弁に分
配されるようになっている。
【0029】以上のように構成された高圧燃料ポンプ1
1において、エンジンが駆動された場合には、カムシャ
フト22の回転に伴って駆動カム23が回転され、その
カム面のプロフィールに応じて、リフタ18がリフタガ
イド15a内で軸線方向に往復移動される。そして、図
1に鎖線で示すように、駆動カム23が回転位置R1に
回転された状態では、リフタ18がカムシャフト22に
最も近付いた最下降位置に移動される。このときのプラ
ンジャ17は、リフタ18と連動して、加圧室14から
最も退避する方向へと移動した最下降位置に到達し、加
圧室14の容積が最大となる。
【0030】この状態から、駆動カム23が図1の反時
計方向に回転されると、同図に回転位置R2で示すよう
に、リフタ18の底板部に1つのカムノーズ23aが順
に近付いて、リフタ18が上昇される。これにより、プ
ランジャ17が上昇、すなわち加圧室14内に突出する
方向に移動されて、加圧室14の容積が押し縮められ
る。そして、駆動カム23が回転位置R3まで回転され
て、1つのカムノーズ23aが最上部に位置すると、プ
ランジャ17が加圧室14内に最も突出した最上昇位置
に到達して、加圧室14の容積が最も押し縮めれた状態
になる。この駆動カム23の回転位置R1→R2→R3
の行程が加圧行程となる。
【0031】この加圧行程において、電磁スピル弁25
の電磁ソレノイドに電圧を印加していなければ、加圧室
14内の燃料は、燃料供給通路24を介して燃料タンク
へと溢流(スピル)され、燃料分配管へと吐出されるこ
とはない。一方、電子制御装置の制御に基づき、加圧行
程の適宜なタイミングで、電磁ソレノイドに電圧を印加
すれば、電磁スピル弁25が閉弁された状態となる。電
磁スピル弁25が閉弁されると、加圧室14内の燃料
は、プランジャ17の上昇とともにその圧力が高められ
高圧燃料となる。そして、この加圧室14内の高圧燃料
は、高圧燃料通路26からチェック弁27側に圧送さ
れ、そのチェック弁27を押し開いて燃料分配管へと吐
出される。すなわち、この高圧燃料ポンプ11では、加
圧行程中の電磁スピル弁25の閉弁タイミングを変更す
ることによって、燃料吐出量を調整するようにしてい
る。
【0032】さらに、前記駆動カム23が図1の回転位
置R3から反時計方向に回転されると、リフタ18及び
プランジャ17がスプリング21の付勢力により最上昇
位置から次第に下降される。そして、駆動カム23が回
転位置R1まで回転されたとき、リフタ18及びプラン
ジャ17が再び最下降位置に到達する。この駆動カム2
3の回転位置R3→R1の行程が吸入行程となる。
【0033】また、電磁スピル弁25は、電子制御装置
の制御に基づき、リフタ18及びプランジャ17が最上
昇位置に到達したタイミングで、電磁ソレノイドへの電
圧が遮断される。そのため、吸入行程においては、電磁
スピル弁25が開弁された状態となり、燃料タンクから
フィードポンプによって汲み上げられた燃料が燃料供給
通路24を通じて加圧室14内に吸入される。
【0034】以後、上述した加圧行程と吸入行程とが繰
り返し行われて、高圧燃料通路26から燃料分配管内へ
と、電磁スピル弁25の開閉タイミングの制御を通じて
調量された高圧燃料が吐出される。
【0035】さて、以上のように構成された本実施形態
の高圧燃料ポンプ11では、図2に示すように、プラン
ジャ基端部17aは、側部周面が端に向かうほど縮径さ
れる略テーパ状とされており、リフタ底板部18aとの
当接面となるその端面は、プランジャ17の径よりも小
径の円形状に形成されている。製造時にその端面の外縁
部(エッジ部)Eは、いわゆるアール処理が施されてお
らず、角形状となっている。一方、リフタ底板部18a
の中央は、プランジャ17側に向かって突出されてお
り、その突出部先端にはプランジャ基端部17aとの当
接面となる円形状の平面が形成されている。
【0036】そして、本実施形態では、こうした高圧燃
料ポンプ11において、プランジャ基端部17aの当接
面の面積を適宜に設定することで、そのプランジャ基端
部17aとリフタ底板部18aとの当接面間の接触面圧
がプランジャ基端部17aの圧縮強度とほぼ等しくなる
ように調整されている。ここでは、プランジャ基端部1
7aの円形状に形成された上記当接面の径φを適宜に設
定することによって、上記接触面圧の調整がなされてい
る。
【0037】このようにプランジャ基端部17aの当接
面にかかる接触面圧をその圧縮強度とほぼ等しくすれ
ば、製造時には図3(a)に示すような角形状に形成さ
れたエッジ部Eが、初期馴染みを通じて角がとれ、図3
(b)に示すような曲面形状に変形するようになる。
【0038】そのため、加圧行程中に駆動カム23の押
圧点がリフタ18の中心から外れ、リフタ18が傾いて
プランジャ基端部17aがエッジ部Eのみを通じてリフ
タ底面18aと当接した状態となったとしても、そのエ
ッジ部Eが曲面形状に変形されているため、当接面間の
接触面圧が過度に高くなることはない。これにより、エ
ッジ部Eとリフタ底板部18aとが凝着したり、リフタ
底板部18aにエッジ部Eが食い込んだりして摩擦が増
大することが防止される。したがって、プランジャ基端
部17aとリフタ底板部18aとの当接面間の摩擦が安
定して低く抑えられるようになる。
【0039】以上説明した本実施形態の高圧ポンプによ
れば、以下の効果が得られるようになる。 (1)本実施形態では、プランジャ基端部17aとリフ
タ底板部18aとの当接面間にかかる接触面圧が同プラ
ンジャ基端部17aの圧縮強度とほぼ等しくなるよう
に、同プランジャ基端部17aの当接面の面積が設定さ
れている。このため、プランジャ基端部17aの当接面
のエッジ部Eが初期馴染みを通じて曲面形状に変形し、
プランジャ基端部17aとリフタ底板部18aとの当接
面間の摩擦が安定して低く抑えられるようになる。そし
て、その摩擦を通じて伝達されてプランジャ基端部17
aに作用する横力の増大が抑えられる。したがって、部
品点数の増大を招くことなく、プランジャ17とシリン
ダ13の摺動孔13aとの接触面圧の増大を抑制するこ
とができるようになる。
【0040】(第2実施形態)続いて、本発明にかかる
高圧ポンプを具体化した第2実施形態について、上記第
1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0041】上記第1実施形態の高圧燃料ポンプ11で
は、プランジャ基端部17aの当接面の面積を適宜に調
整し、初期馴染みによってエッジ部Eを曲面形状に変形
させることで、摩擦を低減し、接触面圧の増大を抑える
ようにしていた。
【0042】ところで、こうした高圧燃料ポンプの周囲
には、リフタと駆動カムとの摺接面などの潤滑に用いら
れる油(エンジン潤滑油)が多量に存在しており、プラ
ンジャとリフタとの当接部が位置するリフタ内部にもそ
うした油の一部が、リフタガイドとのクリアランスなど
を通じて入り込むようになっている。ただし、リフタ内
部に多量の油が溜まってしまうと、リフタの往復動作が
妨げられる。このため、従来の高圧ポンプでは、上記第
1実施形態と同様に、リフタ内部に入り込んだ油を、リ
フタ底面に形成された油抜き孔を通じて排出する構造が
採用されている。
【0043】本実施形態の高圧燃料ポンプでは、リフタ
の内部に油溜まりを形成して、上記従来構成においては
そのまま排出されていた油を、リフタ内部に適宜な量だ
け溜めるようにしている。そして、その油溜まりの内部
に、プランジャとリフタとの当接部が位置されるように
設定し、それら当接部を確実に油潤滑して摩擦を低減す
るようにしている。
【0044】さて、本実施形態の高圧燃料ポンプでは、
図4に示すように、リフタ118の側周部に複数の油抜
き孔119を形成するようにしている。これら油抜き孔
119は、プランジャ基端部117aとリフタ底板部1
18aとの当接部よりも上方に開口するように形成され
ている。このため、リフタ118内部に入り込んだ油
は、油抜き孔119が設けられた位置Lまで溜まるよう
になり、上記当接部が油中に位置するようになる。すな
わち、この高圧燃料ポンプでは、リフタ118内部の底
面から油抜き孔119が開口された位置までが油溜まり
となっている。
【0045】こうして、プランジャ基端部117aとリ
フタ底板部118aとの当接部を油溜まりの内部に位置
させることで、それら当接部が確実に油潤滑されるよう
になり、摩擦が低減される。このため、その摩擦を通じ
て伝達されてプランジャ基端部117aに作用する横力
が低減され、プランジャ117とシリンダ(同図4では
図示略)との接触面圧の増大が抑えられる。
【0046】更にここでは、油抜き孔119の開口位置
を、上記当接部を油溜まり内部に位置させ得る範囲内
で、可能な限りリフタ底板部118aに近い下方の位置
に設定するようにしている。これにより、上記当接部の
油潤滑に必要な量の油だけがリフタ118内部に溜まる
ようになり、リフタ118の往復動作を妨げないように
している。
【0047】以上説明した本実施形態の高圧ポンプによ
れば、以下の効果が得られるようになる。 (1)本実施形態では、リフタ118の油抜き孔119
が、リフタ118の側周部において、プランジャ基端部
117aとリフタ底板部118aとの当接部よりも上方
に開口するように形成することで、リフタ118の内部
に、その内底面から油抜き孔119の開口位置まで油溜
まりが形成されるようになる。これにより、プランジャ
基端部117aとリフタ底板部118との当接部が、油
中に位置して確実に油潤滑されるようになり、それら当
接部の摩擦が安定して低く抑えられる。したがって、そ
の摩擦を通じて伝達されてプランジャ基端部117aに
作用する横力が低減されるようになり、ひいてはプラン
ジャ117とシリンダとの接触面圧の増大を抑えること
ができるようになる。
【0048】(2)本実施形態では、上記油抜き孔11
9の開口位置を、上記当接部を油中に位置させながら
も、可能な限りリフタ底板部118aに近い下方の位置
に設定するようにしている。これにより、当接部の油潤
滑に必要な量の油だけがリフタ118内部に溜まるよう
になり、内部に溜まった油によってリフタ118の往復
動作が妨げられることが好適に回避されるようになる。
【0049】(3)本実施形態では、リフタ118に設
けられる油抜き孔119の位置変更のみによって油溜ま
りを形成するようにしているため、部品点数の増大を招
くことなく、プランジャとシリンダとの接触面圧の増大
を抑制することができるようになる。
【0050】なお、リフタ内部に形成された当接部を確
実に油潤滑するための油溜まりは、先の図4に示される
態様に限らず、他の態様にて形成することもできる。例
えば、図5に示すように、プランジャ基端部217aと
当接するリフタ底板部218aの中央部218bを窪ま
せることで、リフタ218内部に油溜まりを形成するよ
うにしてもよい。この場合にも、プランジャ基端部21
7aとリフタ底板部218aとの当接部を確実に油潤滑
して、その摩擦を安定して低く抑えることができるた
め、プランジャ217とシリンダ(同図5では図示略)
との接触面圧の増大を抑えることができる。
【0051】また、同図5に示されるリフタ218の側
周部には、リフタ底板部218aにあって上記窪んだ中
央部218bよりも一段高い外周部と同じ高さに開口す
るように油抜き孔219が形成されている。このため、
リフタ218内部には、当接部の油潤滑に必要な量の油
だけが溜まるようになり、内部に溜まった油によってリ
フタ118の往復動作が妨げられることが好適に回避さ
れるようになる。
【0052】なお、上記実施形態の高圧ポンプは、次の
ように変更してもよい。そしてその場合にも、上記各実
施形態と同様或いはそれに準じた効果を得ることができ
るようになる。
【0053】・上記各実施形態において、電磁スピル弁
25の閉弁タイミングの制御を通じた加圧タイミングの
変更によって燃料吐出量を調整するよう構成された高圧
燃料ポンプ11を、吸入行程中における電磁弁の開弁期
間を変更して、加圧室14への燃料の吸入量を調量して
燃料吐出量を調整する吸入調量方式の高圧燃料ポンプに
変更してもよい。
【0054】・また、本発明を、燃料とは異なった流体
を加圧するための高圧ポンプとして具体化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の高圧ポンプについてその断面構
造を示す断面図。
【図2】同高圧ポンプのリフタ部分の拡大断面構造を示
す断面図。
【図3】同高圧ポンプのプランジャ基端部を示す側面
図。
【図4】第2実施形態の高圧ポンプのリフタ部分の拡大
断面構造を示す断面図。
【図5】他の実施形態の高圧ポンプのリフタ部分の拡大
断面構造を示す断面図。
【図6】従来の高圧ポンプについてその断面構造を示す
断面図。
【図7】高圧ポンプの他の従来例についてそのリフタ部
分の拡大断面構造を示す断面図。
【符号の説明】
11…高圧燃料ポンプ(高圧ポンプ)、13…シリン
ダ、13a…摺動孔、14…加圧室、15a…リフタガ
イド、17,117,217…プランジャ、17a,1
17a,217a…プランジャ基端部、18,118,
218…リフタ、18a,118a,218a…リフタ
底板部、119,219…油抜き孔、23…駆動カム、
25…電磁スピル弁(電磁弁)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G066 AA01 AA07 AB02 BA49 BA55 BA61 CA08 CA09 CD03 CD06 CD30 CE02 3H071 AA07 BB01 CC26 DD01 3H075 AA03 BB03 CC18 CC19 DA04 DB26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダに往復摺動可能に嵌入されたプラ
    ンジャを、そのプランジャと同一の方向に往復摺動可能
    に設けられたリフタを介してカムによって駆動すること
    で、加圧室の容積を変更して流体を加圧する高圧ポンプ
    において、 前記プランジャと前記リフタとの当接面にかかる面圧が
    同プランジャの当接面部分の圧縮強度とほぼ等しくなる
    ように、同プランジャの当接面の面積を設定したことを
    特徴とする高圧ポンプ。
  2. 【請求項2】シリンダに往復摺動可能に嵌入されたプラ
    ンジャを、そのプランジャと同一の方向に往復摺動可能
    に設けられたリフタを介してカムによって駆動すること
    で、加圧室の容積を変更して流体を加圧する高圧ポンプ
    において、 前記リフタの内部に、前記プランジャと前記リフタとの
    当接部がその内部に位置するように設定された油溜まり
    を形成したことを特徴とする高圧ポンプ。
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