JP2001295716A - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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JP2001295716A
JP2001295716A JP2000113121A JP2000113121A JP2001295716A JP 2001295716 A JP2001295716 A JP 2001295716A JP 2000113121 A JP2000113121 A JP 2000113121A JP 2000113121 A JP2000113121 A JP 2000113121A JP 2001295716 A JP2001295716 A JP 2001295716A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射装置においてコモンレールに圧送さ
れた燃料を効率よく用いるとともに始動時のコモンレー
ル圧力の異常を防止することである。 【解決手段】 ニードル先端部611の外周に噴射用燃
料で満たされる油溜まり室41を形成し、ニードル後端
面61cに面して背圧室53を形成し、油溜まり室41
と背圧室53の間でノズル内周面21aとニードル後端
部612の側面612aの間隙を、低圧源71と非導通
として燃料の使用効率を高め、背圧室53の圧力を制御
する背圧制御弁121を制御する制御手段8を、ポンプ
72圧送開始後、最初の燃料噴射までの期間に、ニード
ル61のリフトを許容しない背圧室圧力を与えるように
背圧制御弁121を開弁して背圧制御弁121から低圧
源71へ燃料がリークするようにしてコモンレール圧力
の異常な上昇を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料噴射装置の燃料
噴射性能の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃料噴射装置として、筒内へ
の燃料噴射用のインジェクタが、ポンプから圧送された
燃料を蓄えるコモンレールにより燃料の供給を受けるよ
うにしたものがあり、インジェクタは、図7に示すよう
に、先端に噴孔が形成されたノズル901内に、噴孔9
02を開閉するニードル903がその後端部で摺動自在
に保持され、上記コモンレールからの燃料が、ニードル
903の先端部の外周に形成された油溜まり室904に
導入されるとともにニードル903の後端面を室壁面と
する背圧室905に導入される。また、インジェクタは
背圧室905と低圧源である燃料タンクとの連通と遮断
とを切り換える背圧制御弁906を具備しており、噴射
指令に対してECUが背圧制御弁906を開側に切り換
え背圧室905の圧力を低圧に開放してニードル903
をリフトせしめることにより、油溜まり室904の燃料
を噴孔902より噴射するようになっている。
【0003】上記燃料溜まり室904や背圧室905か
らの燃料はニードル903とノズル902の摺動面間に
漏出するが、この漏出燃料は、従来、インジェクタの低
圧域にリークし低圧源である燃料タンクに余剰燃料とし
て還流する。図例ではニードル903の後端部の側面9
03aとノズル901の内周面901aの間隙のうち、
ニードル側面903aとノズル内周面901aとが摺接
する油溜まり室904側と背圧室905側とではさまれ
た部分がスプリング室907となっており、スプリング
室907は低圧通路908を介して上記燃料タンクと通
じている。
【0004】したがって、上記摺動面間からリークする
余剰燃料の分は、ポンプから圧送された燃料が噴射やニ
ードルの制御等に用いられないが、この分も供給してや
らなければならないために、高圧ポンプには容量の大き
なものが必要になる。
【0005】そこで、インジェクタを、ノズルとニード
ルの摺動面間が低圧源に通じない構造とし、摺動面間か
ら低圧域へのリークを禁止したものもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ポンプのコ
モンレールへの燃料圧送は、内燃機関の始動時にイグニ
ッション(IG)オンし、エンジンのクランキングとと
もに開始される。そして、油溜まり室や背圧室の燃料は
ニードルの開閉制御に用いられるため、また、適正な噴
霧状態での燃料噴射を実現するため、コモンレール内の
燃料圧力(以下、コモンレール圧力)が一定の圧力に立
ち上がってから最初の燃料噴射が行われるよう制御され
る。
【0007】ニードルとノズルの摺動面間から低圧域へ
燃料のリークのある構造の場合にはリークによるコモン
レール圧力の過昇抑制作用を奏するので、コモンレール
圧力を適正な燃料圧に制御するのが容易である。一方、
ノズルの内周面とニードルの側面との間隙が低圧源と非
導通でノズルとニードルの摺動面間から低圧域へリーク
のない構造の場合、燃料の粘度等の物性が燃料性状や温
度等によって変動してコモンレール圧力の昇圧特性が変
わると、圧力が異常に上昇したまま下がらず、その状態
で燃料を噴射すると燃焼音が高くなって騒音を発した
り、コモンレール圧力の過昇を防ぐためのプレッシャリ
ミッタが付設された装置ではコモンレールから多量の燃
料が排出されて圧力値がハンチングするという問題があ
る。
【0008】本発明は上記実情に鑑みなされたもので、
ポンプから圧送された燃料を効率よく噴射やニードル制
御に用いることができ、しかも、始動時におけるコモン
レール圧力の異常を簡単に防止することのできる燃料噴
射装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、燃料噴射装置は、ポンプから圧送された燃料を蓄え
るコモンレールにより燃料の供給を受けるインジェクタ
を、先端に噴孔が形成されたノズル内に、噴孔を開閉す
るニードルがその後端部で摺動自在に保持され、上記コ
モンレールからの燃料が、ニードルの先端部の外周に形
成された油溜まり室に導入されるとともにニードルの後
端面を室壁面とする背圧室に導入され、かつ、該背圧室
と低圧源との連通と遮断とを切り換える背圧制御弁を具
備する構成とする。さらに、上記ニードルの後端部の側
面とノズルの内周面との間隙を上記低圧源と非導通とす
る。上記背圧制御弁を上記背圧室から上記低圧源への燃
料のリーク量を調整自在に構成する。噴射指令に対して
背圧制御弁を開側に切り換え背圧室の圧力を低圧に開放
してニードルをリフトせしめることにより油溜まり室の
燃料を噴孔より噴射せしめるインジェクタ制御手段を、
機関始動時における上記ポンプの圧送開始から最初の燃
料噴射開始までの期間に、ニードルのリフトを許容しな
い背圧室圧力を与える上記リーク量で上記背圧制御弁を
開弁するように設定する。
【0010】上記ポンプの圧送開始から最初の燃料噴射
開始までの期間は、ニードルの後端部の側面とノズルの
内周面の間隙が低圧源と導通している構造の装置(図7
参照)と同様に、コモンレールに圧送された燃料の一部
が低圧源に戻されるから、それによるコモンレール圧力
の過昇抑制作用により、コモンレール圧力が異常値をと
るのを防止することができる。しかも、最初の燃料噴射
開始後に低圧源に戻される燃料はニードルの開閉制御に
伴い背圧制御弁から流出するものだけとなるから、コモ
ンレールに圧送された燃料が効率よく、筒内への燃料供
給やニードルの開閉制御に用いられることになる。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1の発明
の構成において、上記背圧制御弁は開度を調整自在に構
成し、上記リーク量を調整する構成とする。
【0012】背圧室と低圧源との連通と遮断とを切り換
える弁に加えてリーク量を調整するための別の弁等を用
いないので構成簡単である。
【0013】請求項3記載の発明では、請求項2の発明
の構成において、上記背圧制御弁は、充電により伸長し
て弁室内に配設された弁体を押圧駆動するピエゾアクチ
ュエータを備え、ピエゾアクチュエータの伸長量に応じ
た弁体の変位位置で開度を調整する構成とする。
【0014】ピエゾアクチュエータの充電量の制御で弁
体の変位量が変わるので、容易に弁体が着座するシート
と弁体の間隙の面積すなわち開度が調整自在である。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に本発明を適用したディーゼ
ルエンジンのコモンレール式の燃料噴射装置を示し、図
2に本燃料噴射装置における制御内容を示す。図1にお
いて、ディーゼルエンジンの気筒数分のインジェクタ1
が各気筒に対応して設けられ(図例ではインジェクタ1
は1つのみ図示)、供給ライン74を介して連通する共
通のコモンレール73から燃料の供給を受けるようにな
っている。コモンレール73には燃料タンク71の燃料
がポンプである高圧サプライポンプ72により圧送され
て高圧で蓄えられる。
【0016】インジェクタ1は、インジェクタ制御手段
8を構成するECU81、駆動回路82、圧力センサ8
3により制御される。駆動回路82はECU81の指令
信号を受けてインジェクタ1の後述するピエゾスタック
68を充放電し、例えば必要な時期に必要な時間だけイ
ンジェクタ1から各気筒の燃焼室内に略コモンレール圧
力に等しい噴射圧力で燃料を噴射するようになってい
る。
【0017】圧力センサ83はコモンレール73に設け
られて上記コモンレール圧力を検出し、その検出結果に
基づいてECU81が高圧サプライポンプ72を制御し
てコモンレール73への燃料の圧送量を調整し、コモン
レール圧力を他のセンサ入力等により知られる運転条件
に応じた適正な噴射圧となるように制御する。
【0018】また、コモンレール73からインジェクタ
1に供給された燃料は、上記燃焼室への噴射用の他、イ
ンジェクタ1の制御油圧等としても用いられ、インジェ
クタ1から低圧のドレーンライン75を経て燃料タンク
71に還流するようになっている。
【0019】インジェクタ1はエンジンの図略の燃焼室
壁を貫通し図中下端部が燃焼室内に突出するように取り
付けられ、下端部から順にノズル部11、背圧制御弁1
2が構成される。インジェクタ1は棒状体2を有し、上
記各部11,12を構成する各部品を格納する穴や燃料
が流通する通路が形成される。
【0020】ノズル部11は、棒状体2の下端部2aに
サック部42が形成され、サック部42形成壁を貫通し
て燃料噴射用の噴孔43が形成される。棒状体2の下端
部2aはまた、サック部の上方に、供給ライン74に通
じる高圧通路31とつながる縦穴21が形成されてノズ
ル2aとなっている。
【0021】縦穴21の上側部分には段付きのノズルニ
ードル61が先端を下側に向けて配設され、後端部であ
るその上側大径部612で摺動自在に保持されている。
ノズルニードル61の先端部である下側小径部611の
外周には環状の油溜まり室41が形成され、油溜まり室
41は常時高圧通路31と連通しコモンレール73から
の高圧燃料が供給されている。
【0022】ノズルニードル61は下降状態では円錐形
の下端部がサック部42の上端部を閉じて噴孔43から
の燃料噴射を禁止し、燃料を噴射する時は上昇してサッ
ク部42の上端部を開くようになっている。
【0023】油溜まり室41の高圧燃料はノズルニード
ル61の段面61aおよび円錐状の先端面61bに上向
きに作用しノズルニードル61を開弁方向に付勢する。
【0024】ノズルニードル61の上方でその後端面6
1cおよび縦穴21の壁面により画成される空間53
は、高圧通路31からインオリフィス51を介して制御
油圧としての燃料圧が導入されており、ノズルニードル
61の背圧を発生する背圧室53としてある。この背圧
はノズルニードル61に下向きに作用し、背圧室53内
に収納されたスプリング62とともにノズルニードル6
1を閉弁方向に付勢する。
【0025】上記縦穴21は、上記油溜まり室41と背
圧室53との間においては燃料タンク71に通じるいか
なる通路も形成されていない。すなわち、ノズルの内周
面である上記縦穴21の周面21aとノズルニードル大
径部612の側面612aの間隙は燃料タンク71と非
導通で、上記油溜まり室41、背圧室53から上記間隙
に漏出した燃料が燃料タンク71に戻らない構造となっ
ている。
【0026】背圧室53はアウトオリフィス54を介し
て常時、弁室55と連通している。弁室55は天井面5
52が円錐状に形成されており、天井面552の最上部
に開口する細穴22を介してドレーンライン75に通じ
る低圧通路32とつながっている。縦穴21には後述す
るピストン64の外周に環状空間56が形成され、低圧
通路32と連通している。
【0027】弁室55の底面551には高圧通路31と
連通する高圧制御通路52が開口している。
【0028】弁室55内には、下側部分を水平にカット
したボール63が配設されている。ボール63は上下動
可能な弁体であり、下降時には、上記カット面で弁座と
しての弁室底面(以下、高圧側シートという)551に
着座して弁室55を高圧制御通路52と遮断し、上昇時
には弁座としての上記天井面(以下、低圧側シートとい
う)552に着座して弁室55を上記環状空間56と遮
断する。これにより、ボール63下降時には背圧室53
がアウトオリフィス54、弁室55、環状空間56を介
して低圧通路32と連通し、ノズルニードル61の背圧
が低下してノズルニードル61がリフトする。一方、上
昇時には背圧室53がアウトオリフィス54、弁室5
5、高圧制御通路52を介して高圧通路31と連通し、
ノズルニードル61の背圧が上昇してノズルニードル6
1が着座する。
【0029】ボール63はピエゾアクチュエータ121
により押圧駆動される。ピエゾアクチュエータ121
は、上記縦穴23に同軸に下側から小径ピストン64、
スプリング66、皿ばね67、大径ピストン65、ピエ
ゾスタック68が配設されてなる。小径ピストン64は
等径部643が縦穴23の下側小径部にて摺動自在に保
持される。小径ピストン等径部643の下方は下側ほど
縮径する円錐部642となっており、さらにその下は上
記細穴22を貫通して上記ボール63と対向し、ボール
63を押圧するプレッシャピン641としてある。上記
環状空間56は円錐部642およびプレッシャピン64
1の外周に形成される。
【0030】環状空間56にはスプリング66が配設さ
れて小径ピストン64を上方に付勢している。小径ピス
トン64の上方変位端は縦穴23の周壁面に形成した段
部231により位置決めされ、このときの小径ピストン
64の位置がピエゾスタック68を放電した時に復する
初期位置となる。この時、プレッシャピン641とボー
ル63とが当接、もしくは微細なギャップを有した状態
とする。
【0031】大径ピストン65は小径ピストン64より
も大径の円形部材で縦穴23’に摺動自在に保持され、
皿ばね67からは上方に、ピエゾスタック68からは下
方に付勢可能である。
【0032】小径ピストン64と大径ピストン65との
間は燃料が充填されて油圧拡大室57としてあり、ピエ
ゾスタック68の伸長により大径ピストン65を押圧す
ると、その押圧力が油圧拡大室57の燃料を介して小径
ピストン64に伝えられる。ここで、小径ピストン64
は大径ピストン65よりも小径としているので、ピエゾ
スタック68の伸長量が拡大されて小径ピストン64の
変位に変換される。油圧拡大室57は常時十分な燃料が
満たされるようにチェック弁321を介して低圧通路3
2と通じている。チェック弁321は低圧通路32から
油圧拡大室57に向かう方向を順方向として設けられて
おり、ピエゾスタック68の伸長により大径ピストン6
5が押圧された時に閉じて燃料を油圧拡大室57に閉じ
込めるようになっている。
【0033】ピエゾスタック68が放電状態で縮小して
いるときはプレッシャピン641とボール63との間は
上記のごとく非押圧状態で、ボール63は、低圧側シー
ト552の面積分に相当するボール63の受圧面だけ弁
室55内の高圧燃料が上方に付勢することにより、低圧
側シート552に着座している。一方、ピエゾスタック
68が充電され伸長するとピストン64,65を押し下
げ、例えばピエゾスタック68に十分な電荷(以下、充
電電圧で表す)を与えることでボール63を高圧側シー
ト551に着座せしめる。
【0034】ピエゾスタック68の充放電を行う駆動回
路82は、インジェクタに搭載されたピエゾスタック駆
動用の公知の構成のもので、DC−DC回路、ピエゾス
タック68への充放電電流を制限するインダクタ、ピエ
ゾスタック68における電荷の移動を制御するスイッチ
回路等からなり、ピエゾスタック68の上記充電保持期
間および充電電圧の設定は、ECU81からの指令信号
により上記スイッチ回路等の制御を行うことで可能とし
てある。
【0035】また、駆動回路82は複数の電圧条件に設
定可能で、一の電圧条件から他の電圧条件に変化せしめ
ることができる。ここで、通常噴射時の設定電圧を第1
の充電電圧、噴射を開始する前の設定電圧を第2の充電
電圧とする。
【0036】第1の充電電圧は燃料噴射制御用のもの
で、燃料噴射時には、先ず、ピエゾスタック68が第1
の充電電圧まで充電されてピエゾスタック68が伸長す
ることにより、プレッシャピン641が下降してボール
63を押し下げる。これによりボール63は低圧側シー
ト552から離間するとともに高圧側シート551に着
座して弁室55の燃料圧が下降し、ボール63における
上下方向の力のバランスが崩れて、ニードル61がリフ
トして燃料噴射が開始される。噴射停止は反対にピエゾ
スタック68の放電によりピエゾスタック68を縮小し
てボール63への押し下げ力を解除することでボール6
3が高圧側シート551から離間するとともに再び低圧
側シート552に着座して弁室55の燃料圧が上昇する
ため、ニードル61が着座する。そして、ピエゾスタッ
ク68の充電保持期間を設定することで、充電保持期間
に対応した一定の期間、インジェクタ1から燃料が噴射
される。
【0037】低圧側の第2の充電電圧は、本発明の特徴
部分であるIGオン後すなわち高圧サプライポンプ72
の燃料圧送開始後から最初の燃料噴射までの期間の制御
において用いられるものである。ピエゾスタック68の
充電による伸長でプレッシャピン641がボール63を
押し下げボール63が低圧側シート551から離間する
ので、図3に示すように、燃料噴射時のごとくボール6
3と低圧側シート551の間隙から燃料がリークし、低
圧通路32を経て燃料タンク71に戻されることにな
る。これにより背圧室53の圧力が低下する。ここで、
ボール63の降下量はピエゾスタック68の充電電圧が
高いほど大きくなるから、ピエゾスタック68の充電電
圧を適当に設定して弁室55から低圧通路32へのリー
ク量を抑えることにより、背圧室53の圧力降下幅を燃
料噴射時よりも小さくし、ノズルニードル62のリフト
を許容しないようにすることができる。上記第2の充電
電圧はかかる状態を実現し得る値に設定される。
【0038】図4はコモンレール圧力と、ノズルニード
ル62の開弁に必要なピエゾスタック68の必要最低電
圧との関係の一例を示すもので、ボール63が低圧側シ
ート552に着座時の弁室55内圧力はコモンレール圧
力と同等であるから、ボール63をリフトせしめるには
ボール63に作用するコモンレール圧力相当の負荷に抗
する分、余計に充電電圧が必要であり、コモンレール圧
力が高いほど必要最低電圧も高くなる。したがって、第
1充電電圧はコモンレール圧力の最大値180MPaに
対応する150V以上に設定する。一方、コモンレール
圧力が低いほどノズルニードル段面61a、ノズルニー
ドル先端面61bに作用してノズルニードル62をリフ
トせしめる油溜まり室41の燃料圧も低くなり、20M
Pa以下ではスプリング62の閉弁力に抗することがで
きずにノズルニードル62のリフトは不可能である。し
たがって、第2充電電圧は、リフト可能な最低のコモン
レール圧力(20MPa)に対応する必要最低電圧で例
えば50V以下であって、ボール63に作用する上記コ
モンレール圧力相当の負荷に抗する分以上の電圧値に設
定する。
【0039】ECU81はマイクロコンピュータ等で構
成される。上記図2によりECU81の設定とともに本
燃料噴射装置の作動を説明する。
【0040】本フローはIGオンした後クランキングが
開始されるのと並行して実行される。ステップS01で
は始動時モードか否かを判定する。ここで始動時モード
とはIGオンからインジェクタ1で最初の燃料噴射が行
われるまでの期間の制御モードをいう。
【0041】ステップS02ではピエゾスタック68の
充電電圧を第2充電電圧(以下、運転前電圧ともいう)
に設定してピエゾスタック68を充電する。これによ
り、ニードル61が着座したまま、燃料噴射時のごとく
ボール63と低圧側シート551の間隙から燃料がリー
クし、低圧通路32を経て燃料タンク71に戻される。
【0042】ステップS03では読み込まれたコモンレ
ール圧力を予め設定した目標値と比較し、コモンレール
圧力が目標値に達したか否かを判断する。コモンレール
圧力が目標値に達していなければステップS02に戻
る。
【0043】コモンレール圧力が目標値に達するとステ
ップS03からステップS04に進む。ステップS04
では、所定の指令噴射時期になると追加の充電を行い、
充電電圧を第1充電電圧(以下、運転時電圧ともいう)
まで昇圧してピエゾスタック68をさらに伸長せしめ、
ボール63を高圧側シート552に押し付ける。これに
より最初の燃料噴射がなされ、以後、通常運転に移行す
る(ステップS05)。
【0044】通常運転に移行後は、既に最初に燃料噴射
がなされているのでステップS01からステップS05
に進む。
【0045】図5はIGオンの後クランキングしてから
の装置各部の作動を示すタイミングチャートで、図中コ
モンレール圧力は始動時モードにおいてピエゾスタック
68の充電電圧を運転前電圧に設定しない場合の例(従
来例)を併せて示している。図例はプレッシャリミッタ
を備えている場合のものである。
【0046】従来例ではプレッシャリミッタが作動する
のでコモンレール圧力が異常に過昇したままということ
はないが、コモンレール圧力が開放されて大きくハンチ
ングしてしまい適正なコモンレール圧力が得られない。
【0047】これに対して本発明では最初の燃料噴射が
行われるまでの期間においてもインジェクタ1から燃料
タンク71へ戻される燃料が存在し、そのコモンレール
圧力過昇抑制作用により、適正な圧力値に制御され、筒
内において正常な燃焼がなされる。
【0048】そして、通常制御に移行して後は、ニード
ル61の開閉制御に伴う背圧制御弁12からの燃料の還
流だけがなされるので、高圧サプライポンプ72から圧
送された燃料は効率よく筒内への燃料供給とニードル6
1の開閉制御に供される。
【0049】なお、本実施形態では、背圧制御弁が弁体
の変位量により開度を調整し、背圧制御弁から燃料タン
クへの還流量を規定しているが、別の開度調整機構を用
いてもよい。また、弁体の開閉のデューティを調整して
上記還流量を調整する構成でもよい。
【0050】また、これまでの説明では第2の充電電圧
を一定電圧として説明してきたが、クランキング後のコ
モンレール圧力の増加に応じてこの電圧を増加させるよ
うにしてもよい。これは、コモンレール圧力が上昇する
とボール63にかかる上向きの力が増加するためピエゾ
スタック68の充電電圧が一定の低電圧であると、この
力によりピエゾスタック68が縮んでしまい、低圧側シ
ート552にボール63が着座し、リークできなくなっ
てしまうおそれがあるからである。
【0051】また、コモンレール圧力の昇圧特性が目標
とする昇圧特性となるように充電電圧をコモンレール圧
力に基づいてフィードバック制御し、燃料性状等が変動
してもコモンレール圧力の昇圧特性をより一定したもの
とするのもよい。
【0052】また、本実施形態ではインジェクタとして
ピエゾアクチュエータが油圧拡大式のものを用いている
が、これに限定されるものではなく、その一例を図6に
示す。図中、図1と同じ番号を付した部分については実
質的に同じ作動をするので相違点を中心に説明する。
【0053】インジェクタ1Aの背圧制御弁12Aのピ
エゾアクチエータ121Aは、細穴22の上方の縦穴2
3Aに下側からピストン69、皿ばね67、ピエゾスタ
ック68が配設されてなる。ピストン69は第1実施形
態の小径ピストンおよび大径ピストンを実質的に一体化
したもので、等径部693が縦穴23Aの下側小径部に
て摺動自在に保持され、等径部693の下方は下側ほど
縮径する円錐部692となっており、さらにその下は上
記細穴22を貫通して上記ボール63と対向し、ボール
63を押圧するプレッシャピン691としてある。円錐
部692およびプレッシャピン691の外周には上記環
状空間56が形成される。
【0054】ピストン等径部693の上方は鍔部694
となっており、鍔部694の下端面を皿ばね67が上方
に押圧している。一方、鍔部694の上端面にはピエゾ
スタック68が当接されている。
【0055】本発明はかかるインジェクタ1を有する燃
料噴射装置にも好適に適用し得る。
【0056】また、これらのインジェクタ1,1Aで
は、ノズルニードル大径部612の側面612aと縦穴
周面21aとは、油溜まり室41と背圧室53との間で
全面が摺接面となっているが、ノズルニードル大径部6
12の長さ方向の中央部を細くして縦穴内周面21aと
の間に上記図7のごとく環状のスプリング室を形成する
とともに、ここと連通する高圧通路31の分岐路を形成
して、上記スプリング室が高圧燃料で満たされる構成と
して、ノズルニードル大径部側面612aと縦穴周面2
1aの間隙が燃料タンク71と非導通とするのもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料噴射装置の一部断面構成
図である。
【図2】上記燃料噴射装置を構成するECUにおける制
御内容を示すフローチャートである。
【図3】上記燃料噴射装置を構成するインジェクタの部
分図である。
【図4】上記燃料噴射装置を構成するコモンレールの圧
力と上記インジェクタが燃料噴射可能なピエゾスタック
の必要最低充電電圧との関係を示すグラフである。
【図5】上記燃料噴射装置の各部の作動を示すタイミン
グチャートである。
【図6】本発明を適用した別の燃料噴射装置のインジェ
クタの構成図である。
【図7】従来の燃料噴射装置のインジェクタの部分構成
図である。
【符号の説明】
1,1A インジェクタ 11 ノズル部 12 背圧制御弁 121 ピエゾアクチュエータ 2a ノズル 41 油溜まり室 43 噴孔 53 背圧室 55 弁室 61 ニードル 611 小径部(先端部) 612 大径部(後端部) 63 ボール(弁体) 71 燃料タンク(低圧源) 73 コモンレール 8 インジェクタ制御手段 81 ECU 82 駆動回路 83 圧力センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 47/02 F02M 47/02 51/00 51/00 E F 61/20 61/20 N Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC01 AC09 AD12 BA12 BA22 BA30 CC06T CC08T CC14 CC26 CC61 CC64T CC64U CC66 CC67 CC68T CC69 CC70 CE13 CE27 DB01 DC00 DC18 3G301 HA02 JA11 JA22 KA01 LB11 LC05 MA28 NA08 ND02 PB08A PB08Z PG00A PG00Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプから圧送された燃料を蓄えるコモ
    ンレールにより燃料の供給を受けるインジェクタであっ
    て、先端に噴孔が形成されたノズル内に、噴孔を開閉す
    るニードルがその後端部で摺動自在に保持され、上記コ
    モンレールからの燃料が、ニードルの先端部の外周に形
    成された油溜まり室に導入されるとともにニードルの後
    端面を室壁面とする背圧室に導入され、かつ、該背圧室
    と低圧源との連通と遮断とを切り換える背圧制御弁を具
    備する構成のインジェクタを有し、噴射指令に対してイ
    ンジェクタ制御手段が背圧制御弁を開側に切り換え背圧
    室の圧力を低圧に開放してニードルをリフトせしめるこ
    とにより油溜まり室の燃料を噴孔より噴射するようにな
    した燃料噴射装置において、上記ニードルの後端部の側
    面とノズルの内周面の間隙を上記低圧源と非導通とし、
    上記背圧制御弁を上記背圧室から上記低圧源への燃料の
    リーク量を調整自在に構成し、上記インジェクタ制御手
    段を、機関始動時における上記ポンプの圧送開始から最
    初の燃料噴射開始までの期間に、ニードルのリフトを許
    容しない背圧室圧力を与える上記リーク量で上記背圧制
    御弁を開弁するように設定したことを特徴とする燃料噴
    射装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料噴射装置において、
    上記背圧制御弁は開度を調整自在に構成し、上記リーク
    量を調整する構成とした燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の燃料噴射装置において、
    上記背圧制御弁は、充電により伸長して弁室内に配設さ
    れた弁体を押圧駆動するピエゾアクチュエータを備え、
    ピエゾアクチュエータの伸長量に応じた弁体の変位位置
    で開度を調整する構成とした燃料噴射装置。
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