JP2001295290A - 杭とフーチングとの接合構造およびその構築方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短期間で応力伝達装置を確実に設置すること
ができ、これにより工期を短縮化することが可能である
ような杭とフーチングとの接合構造を提供する。 【解決手段】 杭１１の鉄筋かご１７の内方に、鉄筋か
ご１７に比較して径の小さい筒状のアンカー用鉄筋かご
２０を、コンクリートＣ内に埋設した状態で配置した。
この場合、アンカー用鉄筋かご２０を、鉛直配置された
複数のアンカー筋２１を備えた構成とするとともに、ア
ンカー筋２１の上端部２１ａを杭頭１１ａより上方に突
出状態となるように配置し、さらに、さらに、この上端
部２１ａに対して応力伝達装置１９の下部デバイス２６
を締結した。また、このとき、アンカー用鉄筋かご２０
を、タイプレート２４を介して鉄筋かご１７に連結し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、杭頭上に応力伝達
装置を介して建物のフーチングを接合するための杭とフ
ーチングとの接合構造、およびその構築方法に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来は、上部構造物の荷重を基礎杭に確
実に伝えることを基本として、例えば、図４に示すよう
な杭とフーチングとの接合構造が採用されていた。図４
に示す接合構造１は、杭２の杭頭部２ａとフーチング３
とを、杭体４内に設けたＰＣ鋼材５や、杭頭部２ａに設
けた補強鉄筋６、あるいは、杭頭部２ａにおける杭体４
の内方に設けた中詰め補強鉄筋７により緊結したもので
あり、これにより接合構造１をＰＣ鋼材量や補強鉄筋量
に応じて剛結合もしくはヒンジ結合とみなすことが可能
となる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、建物
の耐震性能がますます重視されるようになっており、大
規模な地震時においても、合理的に対応ができるような
杭頭処理が求められている。そのための方策の一つとし
て、フーチングと杭との間に伝達応力低減装置を設ける
ことが提案されている。

【０００４】しかしながら、このような伝達応力低減装
置を設けるには、杭頭を形成した後、杭頭に打設したコ
ンクリートが硬化するのを待って、杭頭に加工を施し、
その後、伝達応力低減装置を設けるといった工程が必要
となり、一定以上の期間を要することとなっていた。

【０００５】このような事情に鑑みて、本発明において
は、短期間で応力伝達装置を確実に設置することがで
き、これにより工期を短縮化することが可能であるよう
な杭とフーチングとの接合構造およびその構築方法を提
供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては以下の手段を採用した。請求項１記
載の発明は、地盤に設けた杭の杭頭上に応力伝達装置を
設置するとともに、該応力伝達装置上に建物のフーチン
グを支持させ、前記杭を場所打ちコンクリート杭とし、
前記杭を構成する鉄筋かごの内方には、該鉄筋かごに比
較して径の小さい筒状のアンカー用鉄筋かごを、前記杭
を構成するコンクリート内に埋設した状態で配置し、該
アンカー用鉄筋かごは、鉛直配置された複数のアンカー
筋を備え、これらアンカー筋の上端部を、前記杭頭より
上方に突出状態となるように配置するとともに、該上端
部に対して前記応力伝達装置の下部を締結し、なおか
つ、前記アンカー用鉄筋かごを、位置保持部材を介して
前記鉄筋かごに連結したことを特徴としている。

【０００７】このような構成により、杭施工時におい
て、コンクリート打設と同時に、アンカー用鉄筋かごを
杭内に埋設設置することができ、これにより、杭に対す
るコンクリートの打設とアンカーの設置とを同時に行う
ことができる。

【０００８】請求項２記載の発明は、請求項１記載の杭
とフーチングとの接合構造であって、前記アンカー用鉄
筋かごは、前記アンカー筋を、前記アンカー用鉄筋かご
の周方向に延在するように配置された環状のリング部材
により互いに連結した構成とされ、複数の同一形状の前
記位置保持部材を、前記鉄筋かごと前記リング部材との
間に設け、これら位置保持部材を、前記リング部材の外
周面から該リング部材の半径方向外方に延出するように
配置したことを特徴としている。

【０００９】このような構成により、位置保持部材を用
いて、アンカー用鉄筋かごの位置を、鉄筋かごの中央に
定めることができる。

【００１０】請求項３記載の発明は、請求項１または２
記載の杭とフーチングとの接合構造であって、前記フー
チングに、フーチング定着用アンカー鉄筋を埋設し、該
フーチング定着用アンカー鉄筋の下端部を、前記フーチ
ングの下面から下方に突出状態に配置するとともに、該
下端部に前記応力伝達装置の上部を締結したことを特徴
としている。

【００１１】これにより応力伝達装置をフーチングに強
固に固定することができる。

【００１２】請求項４記載の発明は、請求項１から３の
いずれかに記載の杭とフーチングとの接合構造であっ
て、前記応力伝達装置は、前記杭頭側に固定される下部
デバイスと、前記フーチング側に固定される上部デバイ
スとを備え、前記下部デバイスおよび前記上部デバイス
は、球面状に形成された当接面を介して上下に互いに接
することを特徴としている。

【００１３】このような構成により、上部デバイスと下
部デバイスとが、当接面を境界にして相対変位すること
が可能となり、杭頭とフーチングとの間に作用する曲げ
応力の伝達を低減することができる。

【００１４】請求項５記載の発明は、杭頭上に応力伝達
装置を介して建物のフーチングを接合するための構造を
構築する方法であって、地盤に前記杭を設置するための
掘削孔を形成し、該掘削孔内に、鉄筋かごを配置し、前
記鉄筋かごの内部に、該鉄筋かごに比較して小径に形成
された筒状のアンカー用鉄筋かごを、その少なくとも上
端部が前記掘削孔の上方に突出するように位置させて配
置するとともに、該アンカー用鉄筋かごを前記鉄筋かご
に連結して該アンカー用鉄筋かごの前記鉄筋かご内にお
ける位置を固定しておき、前記掘削孔内にコンクリート
を打設し、しかる後に、前記アンカー用鉄筋かごの上端
部に前記応力伝達装置の下部を締結するとともに、該応
力伝達装置の上部を前記フーチングに対して固定するこ
とを特徴としている。

【００１５】このような構成により、杭施工時におい
て、コンクリート打設と同時に、アンカー用鉄筋かごを
杭内に埋設設置することができ、これにより、杭に対す
るコンクリートの打設とアンカーの設置とを同時に行う
ことができる。

【００１６】請求項６記載の発明は、請求項５記載の杭
とフーチングとの接合構造の構築方法であって、環状に
形成されたリング部材に沿って、複数のアンカー筋を、
前記リング部材の中心軸線と平行に配置した状態で接合
することにより、前記アンカー用鉄筋かごを形成し、か
つ、該アンカー用鉄筋かごを前記鉄筋かご内に固定する
際には、前記リング部材の外周面に対して、複数の同一
形状の前記位置保持部材を、前記リング部材の外周面か
ら該リング部材の半径方向外方に延出するように設けて
おき、このような状態とされた前記アンカー用鉄筋かご
を前記鉄筋かご内に配置し、前記位置保持部材の前記リ
ング部材と反対側の端部を前記鉄筋かごに対して固定す
ることを特徴としている。

【００１７】このような構成により、位置保持部材を用
いて、アンカー用鉄筋かごの位置を、鉄筋かごの中央に
定めることができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図１は、本発明の一実施の形態
の形態である杭１１とフーチング１２との接合構造１３
を示す立断面図、図２は、図１におけるＩ−Ｉ線矢視断
面図である。ここで、杭１１は場所打ちコンクリート杭
とされており、地盤Ｇに掘削された掘削孔１４の内部に
杭主筋１５およびフープ筋１６からなる円筒状の鉄筋か
ご１７を配置し、さらに、掘削孔１４内部にコンクリー
トＣを打設した構成となっている。また、接合構造１３
は、杭１１の杭頭１１ａ上に応力伝達装置１９を介して
建物のフーチング１２を接合する構成となっている。

【００１９】この接合構造１３においては、杭１１を構
成する鉄筋かご１７の内方に、鉄筋かご１７に比較して
その径の小さい筒状のアンカー用鉄筋かご２０が埋設さ
れている。このアンカー用鉄筋かご２０は、アンカー筋
２１、リング部材２２、および、アンカー用フープ筋２
３を備えた構成とされている。これらのうち、アンカー
筋２１は、図３に示すように、リング部材２２の中心軸
線Ａと平行に配置されており、また、リング部材２２
は、アンカー用鉄筋かご２０の周方向（ｘ方向）に延在
するように配置されて、隣接するアンカー筋２１同士を
互いに連結する構成となっている。なお、図３において
は、一部のアンカー筋２１およびアンカー用フープ筋２
３の図示を省略している。

【００２０】また、このアンカー用鉄筋かご２０は、図
１に示すように、アンカー筋２１の上端部２１ａが杭頭
１１ａより上方に突出状態となるように配置されてお
り、さらに、鉄筋かご１７に対して、タイプレート２４
（位置保持部材）を介して連結されている。タイプレー
ト２４は、図２に示すように、鉄筋かご１７とリング部
材２２との間において、鉄筋かご１７の中心軸に関して
対称な位置にそれぞれ設けられている。

【００２１】また、タイプレート２４はリング部材２２
の外周面２２ａからリング部材２２の半径方向外方に延
出するように配置されており、さらに、タイプレート２
４のリング部材２２と反対側の端部２４ａは、杭主筋１
５およびフープ筋１６に対して溶接されている。

【００２２】一方、応力伝達装置１９は、図１に示すよ
うに、杭頭１１ａ側に固定された下部デバイス２６とフ
ーチング１２側に固定された上部デバイス２７とを備え
た構成となっている。下部デバイス２６および上部デバ
イス２７は、球面状に形成された当接面２８を介して上
下方向に互いに接する構成とされるとともに、高力六角
ボルト２９により互いに締結された構成となっている。
また、上部デバイス２７および下部デバイス２６におい
て高力六角ボルト２９が挿通される貫通孔３１，３２
は、その内径が高力六角ボルト２９の外径よりも大とな
るように形成されており、これにより高力六角ボルト２
９が、上部デバイス２７および下部デバイス２６に対し
て相対変位することが可能となっている。

【００２３】また、図１に示すように、上部デバイス２
７および下部デバイス２６には、それぞれボルト孔３３
および３４が設けられており、アンカー筋２１の上端２
１ａは、ボルト孔３４に挿通された状態で下部デバイス
２６にボルト３５により締結されている。また、上部デ
バイス２７のボルト孔３３には、フーチング１２に埋設
されたフーチング用定着アンカー鉄筋３６の下端部３６
ａが挿通されている。このフーチング用定着アンカー鉄
筋３６の下端部３６ａは、フーチング１２の下面１２ａ
から突出状態に配置されるとともに、ねじ切り加工が施
され、なおかつ、ボルト３７が螺着されることにより、
上部デバイス２７に固定された構成となっている。

【００２４】次に、この接合構造１３の構築方法につい
て説明する。これには、まず、地盤Ｇに杭１１を設置す
るための掘削孔１４を形成するとともに、掘削孔１４内
に、鉄筋かご１７を配置する。またその一方で、図３に
示したようなアンカー用鉄筋かご２０を工場等において
製作しておく。アンカー用鉄筋かご２０は、二つ以上の
リング部材２２に対して、アンカー筋２１，２１，…を
所定位置にフレア溶接して取り付けることにより形成さ
れる。

【００２５】なお、このようにアンカー用鉄筋かご２０
を形成する場合、応力伝達装置１９の下部デバイス２６
に形成されたボルト孔３４にすべてのアンカー筋２１，
２１，…の上端２１ａ，２１ａ，…が確実に通るかどう
かを確認しておく。

【００２６】次に、このように形成されたアンカー用鉄
筋かご２０を現場に搬入するとともに、複数のタイプレ
ート２４，２４，…をリング部材２２の外周面２２ａに
対して、リング部材２２の半径方向外方に延出するよう
に、なおかつ、リング部材２２の中心軸線Ａに関して対
称に設けておく。

【００２７】さらに、このような状態とされたアンカー
用鉄筋かご２０を鉄筋かご１７内に配置する。このと
き、アンカー筋２１の上端部２１ａを掘削孔１４の上方
に突出するように位置させて配置するとともに、タイプ
レート２４の端部２４ａを鉄筋かご１７に対して固定す
る。この場合、タイプレート２４を、鉄筋かご１７を構
成するフープ筋１６の上側または下側に取り付けるとと
もに、杭主筋１５に対してフレア溶接する。

【００２８】次に、トレミー管を用いて、掘削孔１４内
部にコンクリートＣを打設する。コンクリートＣ打設後
には、杭頭１１ａにおいてコンクリートＣの余盛処理を
行い、さらに、杭頭１１ａ上に応力伝達装置１９を設置
する。なお、この際、アンカー筋２１の上端部２１ａ
を、応力伝達装置１９を適切に設置できるように、適当
な長さに切断しておく。

【００２９】さらに、下部デバイス２６と杭頭１１ａと
の間に、無収縮モルタルＭを充填し、これにより応力伝
達装置１９の水平度等を調整するとともに、この無収縮
モルタルＭが硬化した後に、アンカー筋２１を下部デバ
イス２６に対して締結する。一方、上部デバイス２７に
設けられたボルト孔３３に、フーチング定着用アンカー
鉄筋３６のねじ切り加工した下端部３６ａを挿通し、上
部デバイス２７とフーチング用定着アンカー鉄筋３６の
下端部３６ａとを締結するとともに、フーチング１２の
設置対象位置にコンクリートＣを打設してフーチング１
２を形成し、これにより、図１，２に示したような構造
を得る。

【００３０】上述の接合構造１３およびその構築方法に
おいては、杭１１の鉄筋かご１７の内方にアンカー用鉄
筋かご２０を配置するとともに、このアンカー用鉄筋か
ご２０を鉄筋かご１７に対してタイプレート２４を介し
て固定し、さらに、アンカー用鉄筋かご２０を、杭１１
を構成するコンクリートＣ内に埋設するようにしたた
め、杭１１施工時において、コンクリートＣ打設と同時
に、アンカー用鉄筋かご２０を設置することができる。
これにより、従来に比較して工期を短縮することがで
き、施工能率が高い。また、アンカー用鉄筋かご２０を
鉄筋かごに対して固定するようにしたため、アンカーの
引き抜き強度を確保することができ、高強度の接合構造
を実現することができる。

【００３１】また、上述の接合構造１３およびその構築
方法においては、アンカー用鉄筋かご２０におけるリン
グ部材２２の外周面２２ａに同一形状の複数のタイプレ
ート２４を設置しておき、このタイプレート２４を用い
て鉄筋かご１７内部におけるアンカー用鉄筋かご２４の
位置決めを行うことができるため、アンカー用鉄筋かご
２０を杭１１の中央部に容易に設置することができ、施
工精度がよい。

【００３２】また、上述の接合構造１３においては、フ
ーチング１２に埋設したフーチング用定着アンカー鉄筋
３６の下端部３６ａに、応力伝達装置１９の上部デバイ
ス２７を締結するようにしたため、応力伝達装置１９を
フーチング１２に強固に固定することができ、これによ
り、接合構造１３の曲げ応力に対する耐性を確保して、
その信頼性を向上させることができる。

【００３３】さらに、上述の接合構造１３においては、
応力伝達装置１９が、上部デバイス２７および下部デバ
イス２６を球面状に形成された当接面２８を介して上下
に当接させた構成となっているために、上部デバイス２
７と下部デバイス２６とが、当接面２８を境界にして回
転変位することが可能となり、杭頭１１ａとフーチング
１２との間の曲げ応力の伝達を著しく低減することがで
き、耐震性能の高い建物を実現することができる。

【００３４】なお、上記実施の形態において、本発明の
趣旨を逸脱しない範囲内で他の構成を採用するようにし
てもよい。例えば、応力伝達装置１９は、上記実施の形
態のようなものに限定されず、杭１１とフーチング１２
との間において応力を伝達可能なものであれば、他のい
かなる構成を採用するようにしても構わない。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に係る杭
とフーチングとの接合構造および請求項５に係る構築方
法においては、杭の鉄筋かごの内方にアンカー用鉄筋か
ごを配置するとともに、このアンカー用鉄筋かごを鉄筋
かごに対して位置保持部材を介して固定し、さらに、ア
ンカー用鉄筋かごを、杭を構成するコンクリート内に埋
設するようにしたため、杭施工時において、コンクリー
ト打設と同時に、アンカー設置を行うことができる。こ
れにより、従来に比較して工期を短縮することができ、
施工能率が高い。また、アンカー用鉄筋かごを鉄筋かご
に対して固定するようにしたため、アンカーの引き抜き
強度を確保することができ、高強度の接合構造を実現す
ることができる。

【００３６】請求項２に係る杭とフーチングとの接合構
造および請求項５に係る構築方法においては、アンカー
用鉄筋かごにおけるリング部材の外周面に同一形状の複
数の位置保持部材を設置しておくことにより、この位置
保持部材を用いて鉄筋かご内部におけるアンカー用鉄筋
かごの位置決めを行うことができるため、アンカー用鉄
筋かごを杭の中央部に容易に設置することが可能であ
り、施工精度がよい。

【００３７】請求項３に係る杭とフーチングとの接合構
造においては、フーチングに埋設したフーチング用定着
アンカー鉄筋の下端部に、応力伝達装置の上部を締結す
るようにしたため、応力伝達装置をフーチングに強固に
固定することができ、これにより、接合構造の曲げ応力
に対する耐性を確保して、その信頼性を向上させること
ができる。

【００３８】請求項４に係る杭とフーチングとの接合構
造においては、応力伝達装置が、上部デバイスおよび下
部デバイスを球面状に形成された当接面を介して上下に
当接させた構成となっているために、上部デバイスおよ
び下部デバイスが、当接面を境界にして回転変位するこ
とが可能となり、杭頭とフーチングとの間の曲げ応力の
伝達を著しく低減し、耐震性能の高い建物を実現するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１ 】 本発明の一実施の形態を模式的に示す杭と
フーチングとの接合構造の立断面図である。

【図２ 】 図１におけるＩ−Ｉ線矢視断面図である。

【図３ 】 図１に示したアンカー用鉄筋かごを拡大し
て示す斜視図である。

【図４ 】 従来の杭とフーチングとの接合構造の立断
面図である。

【符号の説明】

１１ 杭 １１ａ 杭頭 １２ フーチング １３ 接合構造 １４ 掘削孔 １７ 鉄筋かご １９ 応力伝達装置 ２０ アンカー用鉄筋かご ２１ アンカー筋 ２２ リング部材 ２４ タイプレート（位置保持部材） ２４ａ 端部 ２６ 下部デバイス ２７ 上部デバイス ２８ 当接面 ３６ フーチング用定着アンカー鉄筋 ３６ａ 下端部

フロントページの続き (72)発明者 大槻 明 東京都港区芝浦一丁目２番３号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 真野 英之 東京都港区芝浦一丁目２番３号 清水建設 株式会社内 Ｆターム(参考） 2D046 CA03

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 地盤に設けた杭の杭頭上に応力伝達装置
   を設置するとともに、該応力伝達装置上に建物のフーチ
   ングを支持させ、前記杭を場所打ちコンクリート杭と
   し、前記杭を構成する鉄筋かごの内方には、該鉄筋かご
   に比較して径の小さい筒状のアンカー用鉄筋かごを、前
   記杭を構成するコンクリート内に埋設した状態で配置
   し、該アンカー用鉄筋かごは、鉛直配置された複数のア
   ンカー筋を備え、これらアンカー筋の上端部を、前記杭
   頭より上方に突出状態となるように配置するとともに、
   該上端部に対して前記応力伝達装置の下部を締結し、な
   おかつ、前記アンカー用鉄筋かごを、位置保持部材を介
   して前記鉄筋かごに連結したことを特徴とする杭とフー
   チングとの接合構造。
2. 【請求項２】 請求項１記載の杭とフーチングとの接合
   構造であって、前記アンカー用鉄筋かごは、前記アンカ
   ー筋を、前記アンカー用鉄筋かごの周方向に延在するよ
   うに配置された環状のリング部材により互いに連結した
   構成とされ、複数の同一形状の前記位置保持部材を、前
   記鉄筋かごと前記リング部材との間に設け、これら位置
   保持部材を、前記リング部材の外周面から該リング部材
   の半径方向外方に延出するように配置したことを特徴と
   する杭とフーチングとの接合構造。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載の杭とフーチング
   との接合構造であって、前記フーチングに、フーチング
   定着用アンカー鉄筋を埋設し、該フーチング定着用アン
   カー鉄筋の下端部を、前記フーチングの下面から下方に
   突出状態に配置するとともに、該下端部に前記応力伝達
   装置の上部を締結したことを特徴とする杭とフーチング
   との接合構造。
4. 【請求項４】 請求項１から３のいずれかに記載の杭と
   フーチングとの接合構造であって、前記応力伝達装置
   は、前記杭頭側に固定される下部デバイスと、前記フー
   チング側に固定される上部デバイスとを備え、前記下部
   デバイスおよび前記上部デバイスは、球面状に形成され
   た当接面を介して上下に互いに接することを特徴とする
   杭とフーチングとの接合構造。
5. 【請求項５】 杭頭上に応力伝達装置を介して建物のフ
   ーチングを接合するための構造を構築する方法であっ
   て、 地盤に前記杭を設置するための掘削孔を形成し、該掘削
   孔内に、鉄筋かごを配置し、前記鉄筋かごの内部に、該
   鉄筋かごに比較して小径に形成された筒状のアンカー用
   鉄筋かごを、その少なくとも上端部が前記掘削孔の上方
   に突出するように位置させて配置するとともに、該アン
   カー用鉄筋かごを前記鉄筋かごに連結して該アンカー用
   鉄筋かごの前記鉄筋かご内における位置を固定してお
   き、 前記掘削孔内にコンクリートを打設し、しかる後に、前
   記アンカー用鉄筋かごの上端部に前記応力伝達装置の下
   部を締結するとともに、該応力伝達装置の上部を前記フ
   ーチングに対して固定することを特徴とする杭とフーチ
   ングとの接合構造の構築方法。
6. 【請求項６】 請求項５記載の杭とフーチングとの接合
   構造の構築方法であって、 環状に形成されたリング部材に沿って、複数のアンカー
   筋を、前記リング部材の中心軸線と平行に配置した状態
   で接合することにより、前記アンカー用鉄筋かごを形成
   し、かつ、該アンカー用鉄筋かごを前記鉄筋かご内に固
   定する際には、前記リング部材の外周面に対して、複数
   の同一形状の前記位置保持部材を、前記リング部材の外
   周面から該リング部材の半径方向外方に延出するように
   設けておき、このような状態とされた前記アンカー用鉄
   筋かごを前記鉄筋かご内に配置し、前記位置保持部材の
   前記リング部材と反対側の端部を前記鉄筋かごに対して
   固定することを特徴とする杭とフーチングとの接合構造
   の構築方法。