JP2001295133A - 回収ポリエステルを用いたポリエステル繊維およびそれを用いた繊維製品 - Google Patents
回収ポリエステルを用いたポリエステル繊維およびそれを用いた繊維製品Info
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- JP2001295133A JP2001295133A JP2000108421A JP2000108421A JP2001295133A JP 2001295133 A JP2001295133 A JP 2001295133A JP 2000108421 A JP2000108421 A JP 2000108421A JP 2000108421 A JP2000108421 A JP 2000108421A JP 2001295133 A JP2001295133 A JP 2001295133A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 回収されたポリエステル成型品を原料とし
て、ストリーク問題の発生しにくい自然な天然杢を有す
る衣料用ポリエステル繊維製品を得ることを目的とす
る。 【解決手段】 主成分である回収ポリエステルを含有す
るポリエステル原料に対し、多くとも5重量%の有機お
よび/または無機不純物を含有し、かつ該ポリエステル
を紡糸、延伸して得られたポリエステルフィラメントの
断面が少なくとも糸状長手方向に太細を有し、さらに糸
状長手方向に染色濃淡差を有し、あるいは検定染色を施
すと糸状長手方向に染色濃淡差を呈しかつ下記条件を満
足することを特徴とするポリエステル繊維。 30≦DE(%)≦100 Mw/Mn≧2.6 10≦URN(%)≦80 0.7≦ST10(cn/dtex)<2.6
て、ストリーク問題の発生しにくい自然な天然杢を有す
る衣料用ポリエステル繊維製品を得ることを目的とす
る。 【解決手段】 主成分である回収ポリエステルを含有す
るポリエステル原料に対し、多くとも5重量%の有機お
よび/または無機不純物を含有し、かつ該ポリエステル
を紡糸、延伸して得られたポリエステルフィラメントの
断面が少なくとも糸状長手方向に太細を有し、さらに糸
状長手方向に染色濃淡差を有し、あるいは検定染色を施
すと糸状長手方向に染色濃淡差を呈しかつ下記条件を満
足することを特徴とするポリエステル繊維。 30≦DE(%)≦100 Mw/Mn≧2.6 10≦URN(%)≦80 0.7≦ST10(cn/dtex)<2.6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回収されたポリエ
ステルを原料としてシックアンドシン延伸して得られた
ポリエステルマルチフィラメントを用いたポリエステル
繊維およびそれを用いた繊維製品に関するものである。
ステルを原料としてシックアンドシン延伸して得られた
ポリエステルマルチフィラメントを用いたポリエステル
繊維およびそれを用いた繊維製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートを主成分と
するポリエステルは、力学的特性、耐熱性、成形性等に
優れており、繊維、フィルム、成型品等の分野において
極めて広い用途を有している。しかしながら、一方でこ
れらポリエステル製品は、使用後廃棄、回収され処分さ
れるが、その際、燃焼しようとすると高熱を発し、通常
の仕様の焼却炉では焼却炉が損傷し易いなどの問題が生
じ、そのため高温耐久性の良い焼却炉が必要になるなど
の課題がある。また、燃焼されずに廃棄された場合に
は、金属の様に腐食しないために永久的に屑として残存
するために、それを野生動物が誤飲して死亡するなどの
問題が生じており、環境保護の観点からも大きな社会問
題となっている。
するポリエステルは、力学的特性、耐熱性、成形性等に
優れており、繊維、フィルム、成型品等の分野において
極めて広い用途を有している。しかしながら、一方でこ
れらポリエステル製品は、使用後廃棄、回収され処分さ
れるが、その際、燃焼しようとすると高熱を発し、通常
の仕様の焼却炉では焼却炉が損傷し易いなどの問題が生
じ、そのため高温耐久性の良い焼却炉が必要になるなど
の課題がある。また、燃焼されずに廃棄された場合に
は、金属の様に腐食しないために永久的に屑として残存
するために、それを野生動物が誤飲して死亡するなどの
問題が生じており、環境保護の観点からも大きな社会問
題となっている。
【0003】さらに、最近ではポリ塩化ビニルのように
組成中に塩素原子を含有する高分子は言うまでもなく、
塩素原子を組成中に含有しない高分子でも燃焼時の温度
条件によっては空気中のごく微量の塩素と反応して内分
泌撹乱化学物質(所謂、環境ホルモン)の1種である猛
毒のダイオキシンを発生するとの報告もあり、人体に影
響を与えるこのような物質の発生を抑制すべく早急な対
策が望まれている。そこで、資源の再利用、環境保護の
観点から、廃棄されたポリマー製品を回収し、再利用す
ることが必要であり、その中でも特に使用量が多く、今
後も使用量の増大が見込まれるポリエチレンテレフタレ
ートを使用した食用液体用ボトルは回収再利用する価値
のある製品であり、実際に再利用され再製品化する試み
が始まっている。(特開平5−279921号公報参
照)
組成中に塩素原子を含有する高分子は言うまでもなく、
塩素原子を組成中に含有しない高分子でも燃焼時の温度
条件によっては空気中のごく微量の塩素と反応して内分
泌撹乱化学物質(所謂、環境ホルモン)の1種である猛
毒のダイオキシンを発生するとの報告もあり、人体に影
響を与えるこのような物質の発生を抑制すべく早急な対
策が望まれている。そこで、資源の再利用、環境保護の
観点から、廃棄されたポリマー製品を回収し、再利用す
ることが必要であり、その中でも特に使用量が多く、今
後も使用量の増大が見込まれるポリエチレンテレフタレ
ートを使用した食用液体用ボトルは回収再利用する価値
のある製品であり、実際に再利用され再製品化する試み
が始まっている。(特開平5−279921号公報参
照)
【0004】これら回収されたポリエステルを粉砕後、
製糸して繊維化する際、該ポリエステル中に含有される
添加物、異物等の不純物さまざまな種類の製品が混在し
ているために、さらにはフィルトレイション工程にてお
こる加水分解が分子量分布を拡大させる為に固有粘度が
一定ではなく、製糸時においても粘度斑が大きく、単糸
間あるいは単糸内で物性差が生じてしまい、布帛として
染色すると染め斑が発生し芯地などの特殊用途以外では
使用出来なかった。
製糸して繊維化する際、該ポリエステル中に含有される
添加物、異物等の不純物さまざまな種類の製品が混在し
ているために、さらにはフィルトレイション工程にてお
こる加水分解が分子量分布を拡大させる為に固有粘度が
一定ではなく、製糸時においても粘度斑が大きく、単糸
間あるいは単糸内で物性差が生じてしまい、布帛として
染色すると染め斑が発生し芯地などの特殊用途以外では
使用出来なかった。
【0005】さらに、一般用途に使用する場合には品質
管理を徹底しなければならず、その分コストアップとな
るのが現状であった。
管理を徹底しなければならず、その分コストアップとな
るのが現状であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
克服し、回収ポリエステルを使用したフィラメントでス
トリークや緯段の発生しにくい、天然繊維に似た自然な
ムラ感を呈する衣料用ポリエステル繊維製品を安定して
得ることを目的とする。
克服し、回収ポリエステルを使用したフィラメントでス
トリークや緯段の発生しにくい、天然繊維に似た自然な
ムラ感を呈する衣料用ポリエステル繊維製品を安定して
得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するために鋭意検討を重ねた結果、有機および/また
は無機不純物の含有量を一定の量以下に抑制するするこ
と、さらには使用する回収ポリエステルの固有粘度のバ
ラツキをある一定以上にしたポリエステルを紡糸、延伸
することにより本発明を完成するに至った。即ち、本発
明の第一は、主成分が回収ポリエステルからなり、全ポ
リエステルに対して多くとも5重量%の有機及び/又は
無機不純物を含有し、延伸されたポリエステルフィラメ
ントの断面が糸条長手方向に太細を有しあるいは検定染
色を施すことにより糸条長手方向に染色濃淡差呈するこ
とを特徴とするポリエステル繊維。
成するために鋭意検討を重ねた結果、有機および/また
は無機不純物の含有量を一定の量以下に抑制するするこ
と、さらには使用する回収ポリエステルの固有粘度のバ
ラツキをある一定以上にしたポリエステルを紡糸、延伸
することにより本発明を完成するに至った。即ち、本発
明の第一は、主成分が回収ポリエステルからなり、全ポ
リエステルに対して多くとも5重量%の有機及び/又は
無機不純物を含有し、延伸されたポリエステルフィラメ
ントの断面が糸条長手方向に太細を有しあるいは検定染
色を施すことにより糸条長手方向に染色濃淡差呈するこ
とを特徴とするポリエステル繊維。
【0008】第二は、ポリエステル繊維が、下記条件を
満足する請求項1記載のポリエステル繊維。 30≦DE(%)≦100 Mw/Mn≧2.6 10≦URN(%)≦80 0.7≦ST10(cn/dtex)<2.6 1.03≦σST10(cn/dtex)≦0.35 (ここで、DEは破断伸度を、Mwは重量平均分子量
値、Mnは数平均分子量値を表し、Mw/Mnは分子量
の分散度を表す。URNはウースターノルマルで繊維の
長手方向の太細斑(%)を表す。ST10は10%伸長時
の応力をσST10はST10の標準偏差をそれぞれ表す。)
満足する請求項1記載のポリエステル繊維。 30≦DE(%)≦100 Mw/Mn≧2.6 10≦URN(%)≦80 0.7≦ST10(cn/dtex)<2.6 1.03≦σST10(cn/dtex)≦0.35 (ここで、DEは破断伸度を、Mwは重量平均分子量
値、Mnは数平均分子量値を表し、Mw/Mnは分子量
の分散度を表す。URNはウースターノルマルで繊維の
長手方向の太細斑(%)を表す。ST10は10%伸長時
の応力をσST10はST10の標準偏差をそれぞれ表す。)
【0009】第三は、ポリエステル繊維が、下記条件を
満足する請求項1または2に記載のポリエステル繊維。 Mw/Mn≧2.8
満足する請求項1または2に記載のポリエステル繊維。 Mw/Mn≧2.8
【0010】第四は、ポリエステル繊維が異形断面であ
る請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル繊維。
る請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル繊維。
【0011】第五は、ポリエステル繊維が中空断面であ
る請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル繊維。
る請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル繊維。
【0012】第六は、回収ポリエステルの含有量が50
重量%以上である請求項1〜5のいずれかに記載のポリ
エステル繊維。
重量%以上である請求項1〜5のいずれかに記載のポリ
エステル繊維。
【0013】第七は、請求項1〜6のいずれかのポリエ
ステル繊維を用いてなる繊維製品である。
ステル繊維を用いてなる繊維製品である。
【0014】主成分である回収ポリエステルを含有する
ポリエステル原料に対し、多くとも5重量%の有機およ
び/または無機不純物を含有し、かつ該ポリエステルを
紡糸、延伸して得られたポリエステルフィラメントの断
面が少なくとも糸状長手方向に太細を有し、さらに糸状
長手方向に染色濃淡差を有し、あるいは検定染色を施す
と糸状長手方向に染色濃淡差を呈すことを特徴とするポ
リエステル繊維であれば斑感が自然な杢調となりストリ
ーク等の外観品位の欠点が発生しにくいことがわかっ
た。
ポリエステル原料に対し、多くとも5重量%の有機およ
び/または無機不純物を含有し、かつ該ポリエステルを
紡糸、延伸して得られたポリエステルフィラメントの断
面が少なくとも糸状長手方向に太細を有し、さらに糸状
長手方向に染色濃淡差を有し、あるいは検定染色を施す
と糸状長手方向に染色濃淡差を呈すことを特徴とするポ
リエステル繊維であれば斑感が自然な杢調となりストリ
ーク等の外観品位の欠点が発生しにくいことがわかっ
た。
【0015】さらには上記ポリエステル繊維が下記条件
を満足することで一層その効果が現れることをつきとめ
た。 30≦DE(%)≦100 Mw/Mn≧2.6 10≦URN(%)≦80 0.7≦ST10(cn/dtex)<2.6 0.03≦σST10(cn/dtex)≦0.35 (ここで、DEは破断伸度を、Mwは重量平均分子量
値、Mnは数平均分子量値を表し、Mw/Mnは分子量
の分散度を表すパラメーターである。URNはウースタ
ーノルマルで繊維の長手方向の太細斑(%)を表す。S
T10は10%伸長時の応力をσST10はST10の標準偏差
をそれぞれ表す。)
を満足することで一層その効果が現れることをつきとめ
た。 30≦DE(%)≦100 Mw/Mn≧2.6 10≦URN(%)≦80 0.7≦ST10(cn/dtex)<2.6 0.03≦σST10(cn/dtex)≦0.35 (ここで、DEは破断伸度を、Mwは重量平均分子量
値、Mnは数平均分子量値を表し、Mw/Mnは分子量
の分散度を表すパラメーターである。URNはウースタ
ーノルマルで繊維の長手方向の太細斑(%)を表す。S
T10は10%伸長時の応力をσST10はST10の標準偏差
をそれぞれ表す。)
【0016】さらには上記回収レジンの分子量分布が下
記の条件であることが極めて有効な手段であることを究
明した。 Mw/Mn≧2.8
記の条件であることが極めて有効な手段であることを究
明した。 Mw/Mn≧2.8
【0017】さらには上記ポリエステル繊維が異形断面
であったり中空断面であると効果が一層表れやすくなる
ことを究明した。
であったり中空断面であると効果が一層表れやすくなる
ことを究明した。
【0018】以下本発明について詳細に説明する。本発
明における回収ポリエステルとは、主に食用液体用のボ
トルを原料とする回収ポリエステルを対象としている。
一般のボトル用ポリエステルは耐久強度の要求から、一
般衣料繊維用樹脂に比べ、重合度が高く繊維に再生する
ときに加熱溶融しても衣料用繊維として要求される重合
度を十分維持できることからボトル用ポリエステルを用
いることが有利である。
明における回収ポリエステルとは、主に食用液体用のボ
トルを原料とする回収ポリエステルを対象としている。
一般のボトル用ポリエステルは耐久強度の要求から、一
般衣料繊維用樹脂に比べ、重合度が高く繊維に再生する
ときに加熱溶融しても衣料用繊維として要求される重合
度を十分維持できることからボトル用ポリエステルを用
いることが有利である。
【0019】繊維性能を維持し、分別して回収されたポ
リエステルボトルを原料とした繊維の工業的生産を可能
にするためには、ポリエステル以外の不純物を多くとも
5重量%含有してなることが必須である。しかしなが
ら、食用液体用のボトルは加熱滅菌された液体を封入す
るため、ボトル口栓部分にはある程度の耐熱性が要求さ
れる。このため、ポリエステルボトルの口栓部分は異素
材を用いることが多く、ポリエステルボトルを原料とす
る以上、これらの異素材を除去することは困難である。
さらに、ボトルには金属性のキャップが使用されている
ものもあり、分別されずに回収された場合に、フレーク
中に混入することもある。しかしながら、回収ポリエス
テルをチップ化する際にフィルターを通すことでこれら
の異素材の量は5重量%以下することが可能であり、さ
らにその製糸方法を工夫すれば衣料用繊維としては十分
に要求性能は満足される。
リエステルボトルを原料とした繊維の工業的生産を可能
にするためには、ポリエステル以外の不純物を多くとも
5重量%含有してなることが必須である。しかしなが
ら、食用液体用のボトルは加熱滅菌された液体を封入す
るため、ボトル口栓部分にはある程度の耐熱性が要求さ
れる。このため、ポリエステルボトルの口栓部分は異素
材を用いることが多く、ポリエステルボトルを原料とす
る以上、これらの異素材を除去することは困難である。
さらに、ボトルには金属性のキャップが使用されている
ものもあり、分別されずに回収された場合に、フレーク
中に混入することもある。しかしながら、回収ポリエス
テルをチップ化する際にフィルターを通すことでこれら
の異素材の量は5重量%以下することが可能であり、さ
らにその製糸方法を工夫すれば衣料用繊維としては十分
に要求性能は満足される。
【0020】
【発明の実施形態】本発明の回収ポリエステルとしては
有機および/または無機不純物を多くとも5重量%含有
する食用液体用ポリエステルボトルの回収品を原料とし
て用いている。
有機および/または無機不純物を多くとも5重量%含有
する食用液体用ポリエステルボトルの回収品を原料とし
て用いている。
【0021】ここで言う有機不純物とは、主にポリアミ
ド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネー
ト、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、スチレンブタジ
エンゴム、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンおよ
びこれらの熱分解物さらには副生成物であり、無機不純
物とは主にSi、Ca、Na、Fe、Al、Sb、C
o、K、Cr、Ti等の元素を含む無機物である。
ド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネー
ト、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、スチレンブタジ
エンゴム、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンおよ
びこれらの熱分解物さらには副生成物であり、無機不純
物とは主にSi、Ca、Na、Fe、Al、Sb、C
o、K、Cr、Ti等の元素を含む無機物である。
【0022】本発明においては、該有機および/または
無機不純物が主成分であるポリエステルに対して5重量
%を超えたものは紡糸時のノズ背圧上昇が著しく、さら
に紡糸フィルターの孔サイズを大きくして背圧上昇を抑
制すると紡糸や延伸工程での糸切れが多発し、衣料用繊
維として製糸困難であり、本発明に使用することができ
ない。
無機不純物が主成分であるポリエステルに対して5重量
%を超えたものは紡糸時のノズ背圧上昇が著しく、さら
に紡糸フィルターの孔サイズを大きくして背圧上昇を抑
制すると紡糸や延伸工程での糸切れが多発し、衣料用繊
維として製糸困難であり、本発明に使用することができ
ない。
【0023】本発明における回収ポリエステルを含有す
るポリエステルフィラメントの断面が少なくとも糸状長
手方向に太細を有し、さらに糸状長手方向に染色濃淡差
を有し、あるいは検定染色を施すと糸状長手方向に染色
濃淡差を呈しなければならない。従来はストリークを出
さないが為に均染性の高いフィラメントの製造に労力を
費やしていたが、回収ポリエステルを使用する場合には
その労力が従来よりもかかり、それがコストアップの原
因となる。それを回収ポリマーの分子量分布を利用し積
極的にシックアンドシン調の斑を形成させることで、ス
トリークのような目立った欠点が起きにくくなる。
るポリエステルフィラメントの断面が少なくとも糸状長
手方向に太細を有し、さらに糸状長手方向に染色濃淡差
を有し、あるいは検定染色を施すと糸状長手方向に染色
濃淡差を呈しなければならない。従来はストリークを出
さないが為に均染性の高いフィラメントの製造に労力を
費やしていたが、回収ポリエステルを使用する場合には
その労力が従来よりもかかり、それがコストアップの原
因となる。それを回収ポリマーの分子量分布を利用し積
極的にシックアンドシン調の斑を形成させることで、ス
トリークのような目立った欠点が起きにくくなる。
【0024】さらに、製品中のポリエステルフィラメン
トは破断伸度が30〜100%である方が好ましい。3
0%未満では延伸残が少なくなりシックアンドシン調な
ものとなりにくく好ましくない。逆に100%を超える
ものであると、後工程通過時の張力により容易に糸が伸
びてしまい、実用性に欠ける。より好ましくは40〜8
0%でり、一層好ましくは45〜70%である。
トは破断伸度が30〜100%である方が好ましい。3
0%未満では延伸残が少なくなりシックアンドシン調な
ものとなりにくく好ましくない。逆に100%を超える
ものであると、後工程通過時の張力により容易に糸が伸
びてしまい、実用性に欠ける。より好ましくは40〜8
0%でり、一層好ましくは45〜70%である。
【0025】シックアンドシン延伸する方法は従来公知
の方法でよく、ガラス転移点以下の糸温度で延伸する方
法、通常より延伸倍率を低く設定する方法、多段階で延
伸する方法、糸状長手方向で熱履歴を変化させる方法、
糸状長手方向で液体をランダムに付与する方法またそれ
らの組合せ等、特に制限はない。
の方法でよく、ガラス転移点以下の糸温度で延伸する方
法、通常より延伸倍率を低く設定する方法、多段階で延
伸する方法、糸状長手方向で熱履歴を変化させる方法、
糸状長手方向で液体をランダムに付与する方法またそれ
らの組合せ等、特に制限はない。
【0026】本発明における回収ポリエステルを含有す
るポリエステルフィラメントの重量平均分子量値を数平
均分子量値で割った値のMw/Mnが2.6以上である
ことが好ましく、この分子量分散度を表すMw/Mnが
2.6未満ではシックアンドシンが単調なものとなりや
すい。分子量分布が大きいことで従来にはなかったグラ
デュエーションがかった微妙な多段階のシックアンドシ
ンを形成することができる。より好ましくは2.8以上
である。
るポリエステルフィラメントの重量平均分子量値を数平
均分子量値で割った値のMw/Mnが2.6以上である
ことが好ましく、この分子量分散度を表すMw/Mnが
2.6未満ではシックアンドシンが単調なものとなりや
すい。分子量分布が大きいことで従来にはなかったグラ
デュエーションがかった微妙な多段階のシックアンドシ
ンを形成することができる。より好ましくは2.8以上
である。
【0027】本発明における回収ポリエステルを含有す
るポリエステルフィラメントはフィラメントの太細斑を
表すURNが10%以上80%以下であることが好まし
い。URNが10%未満の場合フィラメント長手方向の
太さが均一なために、染色し上げした後の製品外観がプ
レーンなものとなりやすく好ましくない。URNが80
%より大きくなると製編織時に糸状の解除変動が大きく
操業性が悪化しやすく、コストアップとなるので好まし
くない。より好ましくは15%〜50%である。
るポリエステルフィラメントはフィラメントの太細斑を
表すURNが10%以上80%以下であることが好まし
い。URNが10%未満の場合フィラメント長手方向の
太さが均一なために、染色し上げした後の製品外観がプ
レーンなものとなりやすく好ましくない。URNが80
%より大きくなると製編織時に糸状の解除変動が大きく
操業性が悪化しやすく、コストアップとなるので好まし
くない。より好ましくは15%〜50%である。
【0028】本発明における回収ポリエステルを含有す
るポリエステルフィラメントのST10は0.7cn/dtex
以上2.6cn/dtex未満であることが好ましく、0.7c
n/dtex未満であると、配向が不十分であるため製編織時
に機械的に引き伸ばされ易く、その部分の張力が下がる
ため操業性が悪化するだけではなく、強伸度を代表とす
る機械特性や熱収縮率が経時変化をおこしやすく、ロッ
ト間の製品特性が異なってしまうという問題が発生する
ため好ましくない。逆に2.6cn/dtex以上になると配
向度が高く染色性が低下してしまったり、延伸残が少な
くなり自然な杢の外観が得られない。より好ましくは
1.0〜1.8cn/dtexである。
るポリエステルフィラメントのST10は0.7cn/dtex
以上2.6cn/dtex未満であることが好ましく、0.7c
n/dtex未満であると、配向が不十分であるため製編織時
に機械的に引き伸ばされ易く、その部分の張力が下がる
ため操業性が悪化するだけではなく、強伸度を代表とす
る機械特性や熱収縮率が経時変化をおこしやすく、ロッ
ト間の製品特性が異なってしまうという問題が発生する
ため好ましくない。逆に2.6cn/dtex以上になると配
向度が高く染色性が低下してしまったり、延伸残が少な
くなり自然な杢の外観が得られない。より好ましくは
1.0〜1.8cn/dtexである。
【0029】また、該回収ポリエステルを含有するポリ
エステルフィラメントのST10のバラツキ度合いを示す
σst10が0.03〜0.35cn/dtexであることが好ま
しい。この範囲に制御することによりフィラメント間お
よびフィラメント内に適度な分子配向分布が生じ、製品
として問題とならない程度の自然なムラ感、さらには微
妙な多段階の杢を呈するものとなる。したがって、0.
03cn/dtex未満であると分子配向分布が少なく、製品
とした時に自然なムラ感を呈しにくい。逆に0.35cn
/dtexを超えると分子配向分布が大きくなりすぎ、製編
織時に単糸切れが発生しさらには糸切れが生じ易く好ま
しくない。より好ましくは0.06〜0.30g/dであ
る。
エステルフィラメントのST10のバラツキ度合いを示す
σst10が0.03〜0.35cn/dtexであることが好ま
しい。この範囲に制御することによりフィラメント間お
よびフィラメント内に適度な分子配向分布が生じ、製品
として問題とならない程度の自然なムラ感、さらには微
妙な多段階の杢を呈するものとなる。したがって、0.
03cn/dtex未満であると分子配向分布が少なく、製品
とした時に自然なムラ感を呈しにくい。逆に0.35cn
/dtexを超えると分子配向分布が大きくなりすぎ、製編
織時に単糸切れが発生しさらには糸切れが生じ易く好ま
しくない。より好ましくは0.06〜0.30g/dであ
る。
【0030】また、該回収ポリエステルを含有するポリ
エステルフィラメントが異形断面であることが好まし
い。異形断面は加熱延伸ローラーとの接触面積が通常の
丸断面よりも少なく延伸斑が発生しやすいため、回収ポ
リマーとの組合せで絶妙な天然杢に似た外観を呈するこ
とができる。異形度は1.5以上がより好ましい。さら
には突起が3以上の多葉断面であることが一層好まし
い。
エステルフィラメントが異形断面であることが好まし
い。異形断面は加熱延伸ローラーとの接触面積が通常の
丸断面よりも少なく延伸斑が発生しやすいため、回収ポ
リマーとの組合せで絶妙な天然杢に似た外観を呈するこ
とができる。異形度は1.5以上がより好ましい。さら
には突起が3以上の多葉断面であることが一層好まし
い。
【0031】また、該回収ポリエステルを含有するポリ
エステルフィラメントが中空断面であることが好まし
い。中空断面は加熱延伸ローラーと接触する面と接触し
ない面で空気の断熱性に起因する熱履歴差が大きく、染
色斑が発生し安いため、回収ポリマーとの組合せで絶妙
な天然杢に似た外観を呈することができる。中空率は1
5%以上がより好ましく、多孔中空であると一層好まし
い。
エステルフィラメントが中空断面であることが好まし
い。中空断面は加熱延伸ローラーと接触する面と接触し
ない面で空気の断熱性に起因する熱履歴差が大きく、染
色斑が発生し安いため、回収ポリマーとの組合せで絶妙
な天然杢に似た外観を呈することができる。中空率は1
5%以上がより好ましく、多孔中空であると一層好まし
い。
【0032】また、原料となるポリエステルの50重量
%以上は回収されたポリエステルであることが好まし
く、50重量%未満であると再利用の効率が低下し、本
発明の目的を達しにくい。
%以上は回収されたポリエステルであることが好まし
く、50重量%未満であると再利用の効率が低下し、本
発明の目的を達しにくい。
【0033】本発明によると、回収ポリエステルを積極
的に利用することにより、地球環境に配慮すると共に、
従来なら製品欠点の原因となる広い分子量分布を逆に利
用することにより自然なムラ感を呈するポリエステル繊
維製品をストリークの発生が少なく経済的かつ効率的に
得ることができる。
的に利用することにより、地球環境に配慮すると共に、
従来なら製品欠点の原因となる広い分子量分布を逆に利
用することにより自然なムラ感を呈するポリエステル繊
維製品をストリークの発生が少なく経済的かつ効率的に
得ることができる。
【0034】また、回収ポリエステルポリマー中には抗
菌性、難燃性、吸湿性、吸水性等の機能性を有する種々
の機能剤および共重合物さらには艶消し剤や顔料等が複
数含有されていても構わないし、その織編物に後加工で
機能加工剤を付与する事はなんら問題ない。
菌性、難燃性、吸湿性、吸水性等の機能性を有する種々
の機能剤および共重合物さらには艶消し剤や顔料等が複
数含有されていても構わないし、その織編物に後加工で
機能加工剤を付与する事はなんら問題ない。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。な
お、本発明の評価における測定値は以下の方法で測定し
た。
お、本発明の評価における測定値は以下の方法で測定し
た。
【0036】(有機不純物含有量) 赤外吸収スペクト
ル法により成分分析を行い有機不純物を同定すると共に
核磁気共鳴法(1H−NMR)により含有量を測定し
た。
ル法により成分分析を行い有機不純物を同定すると共に
核磁気共鳴法(1H−NMR)により含有量を測定し
た。
【0037】(無機不純物含有量)X線マイクロアナラ
イザー(堀場製EMAX−2770)を用いて無機元素
分析を行った。
イザー(堀場製EMAX−2770)を用いて無機元素
分析を行った。
【0038】(分子量分布測定)製品中の30ヶ所から
糸を取り出し、その試料約6mgをHFIP/クロロホ
ルム=2/3(v/v)1mlに溶解後、クロロホルム
で20mlに定容する。0.5μmのメンブランフィル
ターで濾過し、濾液をGPC(SYSTEM−21:S
hodex製)に供し下記の条件で測定した。標準物質
としてポリスチレン(TOSOH製)溶液を調整しGP
C校正曲専用資料とした(各1000ppm)。 Mobile Phase:HFIP/Chlorof
orm=2/98(v/v) Flow rate:0.7ml/min Colomn Temp.:40℃ Detection:UV(254nm)
糸を取り出し、その試料約6mgをHFIP/クロロホ
ルム=2/3(v/v)1mlに溶解後、クロロホルム
で20mlに定容する。0.5μmのメンブランフィル
ターで濾過し、濾液をGPC(SYSTEM−21:S
hodex製)に供し下記の条件で測定した。標準物質
としてポリスチレン(TOSOH製)溶液を調整しGP
C校正曲専用資料とした(各1000ppm)。 Mobile Phase:HFIP/Chlorof
orm=2/98(v/v) Flow rate:0.7ml/min Colomn Temp.:40℃ Detection:UV(254nm)
【0039】(破断伸度;DE、10%伸長時応力;S
T10) 製品中の30ヶ所から糸を取り出し、小型テンシロンを
用いて破断伸度(DE)および10%伸長時の応力(S
T10)を測定した。なお、ST10のバラツキは得られた
30ヶ所のデータを母集団の標本とみなして次式より計
算した。
T10) 製品中の30ヶ所から糸を取り出し、小型テンシロンを
用いて破断伸度(DE)および10%伸長時の応力(S
T10)を測定した。なお、ST10のバラツキは得られた
30ヶ所のデータを母集団の標本とみなして次式より計
算した。
【数1】
【0040】URN:計測器工業社製イ−ブネステスタ
−を用いて、試料を糸速50m/minで走行させ、撚
りを付与しつつ、試料のデニ−ルによりスロットを選択
し、ノ−マルテストにてチャ−トスピ−ドを2.5cm/
minの速度に調整し2分間測定する。次にチャ−トを
2.5cmに分割し、各々の区間の最大値H1,H2、最
小値L1,L2を読取り、次式により算出する。 URN(%)=〔(|H1+H2|/2)+(|L1+
L2|/2)〕×100
−を用いて、試料を糸速50m/minで走行させ、撚
りを付与しつつ、試料のデニ−ルによりスロットを選択
し、ノ−マルテストにてチャ−トスピ−ドを2.5cm/
minの速度に調整し2分間測定する。次にチャ−トを
2.5cmに分割し、各々の区間の最大値H1,H2、最
小値L1,L2を読取り、次式により算出する。 URN(%)=〔(|H1+H2|/2)+(|L1+
L2|/2)〕×100
【0041】異形度は繊維断面の顕微鏡写真から、次式
により求めた。 異形度=(外接円直径)/(内接円直径)
により求めた。 異形度=(外接円直径)/(内接円直径)
【0042】中空率は繊維断面の顕微鏡写真から、次式
により求めた。 中空率(%)=〔中空部の断面積/繊維断面積〕×100
により求めた。 中空率(%)=〔中空部の断面積/繊維断面積〕×100
【0043】(製糸操業性)製糸及び製織操業性の評価
は操業が困難なものを×、操業可能だが糸切れが多いも
のを△、操業に問題ないものを○として判定した。
は操業が困難なものを×、操業可能だが糸切れが多いも
のを△、操業に問題ないものを○として判定した。
【0044】(布帛の表面感)布帛の表面感は、後加工
の経験の長い3名の技術者により天然繊維に近い自然表
面感のものから順に○、△、×の判定を行った。ストリ
ークについても同様に行った。
の経験の長い3名の技術者により天然繊維に近い自然表
面感のものから順に○、△、×の判定を行った。ストリ
ークについても同様に行った。
【0045】(実施例1)回収されたポリエチレンテレ
フタレート製食用液体用ボトルをフレーク状に粉砕し、
溶融した後、フィルターを通過させチップ化したポリマ
ー(分子量分布Mw/Mn=2.95)を衣料用ポリエ
チレンテレフタレートに対して50重量%混合したもの
を乾燥後、溶融押出紡糸機を使用して、引取り速度30
00m/分で溶融紡糸し三角断面の未延伸糸を得た。引き
続き60℃に加熱されたホットローラーおよび120℃
に加熱されたホットプレートを通過させ1.29倍の延
伸倍率で一段延伸して75デニール24フィラメント延
伸糸を得た。糸状の分子量分布は2.85であった。条
件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
得られた延伸糸を経糸に使用し、緯糸には市販の84デ
シテックス36フィラメント(東洋紡エステル)のレギ
ュラータイプを使用した平織り物を製織したところ特に
操業性には問題なかった。得られた生機を130℃、3
0分の液熱リラックスを行い、精練、染色の後ファイナ
ルセットして仕上げ布を得た。得られた物に目立ったス
トリークは無く、天然繊維製品に非常に似た自然な表面
感を有する布帛であった。
フタレート製食用液体用ボトルをフレーク状に粉砕し、
溶融した後、フィルターを通過させチップ化したポリマ
ー(分子量分布Mw/Mn=2.95)を衣料用ポリエ
チレンテレフタレートに対して50重量%混合したもの
を乾燥後、溶融押出紡糸機を使用して、引取り速度30
00m/分で溶融紡糸し三角断面の未延伸糸を得た。引き
続き60℃に加熱されたホットローラーおよび120℃
に加熱されたホットプレートを通過させ1.29倍の延
伸倍率で一段延伸して75デニール24フィラメント延
伸糸を得た。糸状の分子量分布は2.85であった。条
件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
得られた延伸糸を経糸に使用し、緯糸には市販の84デ
シテックス36フィラメント(東洋紡エステル)のレギ
ュラータイプを使用した平織り物を製織したところ特に
操業性には問題なかった。得られた生機を130℃、3
0分の液熱リラックスを行い、精練、染色の後ファイナ
ルセットして仕上げ布を得た。得られた物に目立ったス
トリークは無く、天然繊維製品に非常に似た自然な表面
感を有する布帛であった。
【0046】(実施例2)48ホールの丸断面ノズルを
使用し、延伸倍率を1.20にした以外は実施例1と同
様にして仕上げ布を得た。条件を表1、諸物性を表2、
その他の評価を表3に示す。
使用し、延伸倍率を1.20にした以外は実施例1と同
様にして仕上げ布を得た。条件を表1、諸物性を表2、
その他の評価を表3に示す。
【0047】(実施例3)回収されたポリエチレンテレ
フタレート製食用液体用ボトルをフレーク状に粉砕し、
溶融した後、フィルターを通過させチップ化したポリマ
ー(分子量分布Mw/Mn=2.95)のみを用いた以
外は実施例2と同様にして仕上げ布を得た。条件を表
1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
フタレート製食用液体用ボトルをフレーク状に粉砕し、
溶融した後、フィルターを通過させチップ化したポリマ
ー(分子量分布Mw/Mn=2.95)のみを用いた以
外は実施例2と同様にして仕上げ布を得た。条件を表
1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
【0048】(実施例4)18ホールの多孔中空断面ノ
ズルを使用し、紡糸速度2000m/min、延伸倍率
を2.30にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布
を得た。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表
3に示す。
ズルを使用し、紡糸速度2000m/min、延伸倍率
を2.30にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布
を得た。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表
3に示す。
【0049】(実施例5)12ホールの八角断面ノズル
を使用し、延伸倍率を1.25にした以外は実施例1と
同様にして仕上げ布を得た。条件を表1、諸物性を表
2、その他の評価を表3に示す。
を使用し、延伸倍率を1.25にした以外は実施例1と
同様にして仕上げ布を得た。条件を表1、諸物性を表
2、その他の評価を表3に示す。
【0050】(比較例1)24ホールの丸断面ノズルを
使用し、ホットローラー温度を75℃、延伸倍率を1.
75にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得
た。DEが25%と低かったために延伸操業性が悪化
し、また外観もプレーンになった分ストリークの目立つ
ものとなった。条件を表1、諸物性を表2、その他の評
価を表3に示す。
使用し、ホットローラー温度を75℃、延伸倍率を1.
75にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得
た。DEが25%と低かったために延伸操業性が悪化
し、また外観もプレーンになった分ストリークの目立つ
ものとなった。条件を表1、諸物性を表2、その他の評
価を表3に示す。
【0051】(比較例2)延伸倍率を1.70にした以
外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。ST 10が
2.7cn/dtexと高かったために布帛の染色性が低くな
り淡染したものとなり、またストリークの目立ったもの
となった。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を
表3に示す。
外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。ST 10が
2.7cn/dtexと高かったために布帛の染色性が低くな
り淡染したものとなり、またストリークの目立ったもの
となった。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を
表3に示す。
【0052】(比較例3)24ホールの丸断面ノズルを
使用し、延伸倍率を1.50にした以外は実施例1と同
様にして仕上げ布を得た。σST10が0.02(cn/dte
x)と低かったために表面感がプレーンなものとなりス
トリークの目立つものとなった。条件を表1、諸物性を
表2、その他の評価を表3に示す。
使用し、延伸倍率を1.50にした以外は実施例1と同
様にして仕上げ布を得た。σST10が0.02(cn/dte
x)と低かったために表面感がプレーンなものとなりス
トリークの目立つものとなった。条件を表1、諸物性を
表2、その他の評価を表3に示す。
【0053】(比較例4)24ホールの丸断面ノズルを
使用し、延伸倍率を1.45にした以外は実施例1と同
様にして仕上げ布を得た。σST10が0.37(cn/dte
x)と高かったために、製織操業性が悪化し、杢もきつ
いコントラストのものとなり自然な感じの表面感は得ら
れなかった。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価
を表3に示す。
使用し、延伸倍率を1.45にした以外は実施例1と同
様にして仕上げ布を得た。σST10が0.37(cn/dte
x)と高かったために、製織操業性が悪化し、杢もきつ
いコントラストのものとなり自然な感じの表面感は得ら
れなかった。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価
を表3に示す。
【0054】(実施例6)回収レジンの分子量分布が
(Mw/Mn=2.75)のタイプを用い、96ホール
の丸断面ノズルを使用し、延伸倍率が1.3で2段延伸
した以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。糸状
の分子量分布は2.65であった。得られた物に目立っ
たストリークは無く、天然繊維製品に似た自然な表面感
を有する布帛であった。条件を表1、諸物性を表2、そ
の他の評価を表3に示す。
(Mw/Mn=2.75)のタイプを用い、96ホール
の丸断面ノズルを使用し、延伸倍率が1.3で2段延伸
した以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。糸状
の分子量分布は2.65であった。得られた物に目立っ
たストリークは無く、天然繊維製品に似た自然な表面感
を有する布帛であった。条件を表1、諸物性を表2、そ
の他の評価を表3に示す。
【0055】(比較例5)回収レジンの分子量分布が
(Mw/Mn=2.75)のタイプを用い、延伸倍率を
1.10にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を
得た。DEが120%と高かったために、製織操業性が
悪化し、杢もきついコントラストのものとなり自然な感
じの表面感は得られなかった。条件を表1、諸物性を表
2、その他の評価を表3に示す。
(Mw/Mn=2.75)のタイプを用い、延伸倍率を
1.10にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を
得た。DEが120%と高かったために、製織操業性が
悪化し、杢もきついコントラストのものとなり自然な感
じの表面感は得られなかった。条件を表1、諸物性を表
2、その他の評価を表3に示す。
【0056】(比較例6)回収レジンの分子量分布が
(Mw/Mn=2.75)のタイプを用い、24ホール
の丸断面ノズルを使用し、延伸倍率を1.15にした以
外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。ST10が
0.6(cn/dtex)と低かったために、製織操業性が悪
化し、杢もきついコントラストのものとなり自然な感じ
の表面感は得られなかった。条件を表1、諸物性を表
2、その他の評価を表3に示す。
(Mw/Mn=2.75)のタイプを用い、24ホール
の丸断面ノズルを使用し、延伸倍率を1.15にした以
外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。ST10が
0.6(cn/dtex)と低かったために、製織操業性が悪
化し、杢もきついコントラストのものとなり自然な感じ
の表面感は得られなかった。条件を表1、諸物性を表
2、その他の評価を表3に示す。
【0057】(比較例7)回収レジンの分子量分布が
(Mw/Mn=2.75)のタイプを用い、24ホール
の丸断面ノズルを使用し、ホットローラー温度を75
℃、延伸倍率を1.73にした以外は実施例1と同様に
して仕上げ布を得た。URNが9%と低かったために、
外観もプレーンになった分ストリークの目立つものとな
った。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3
に示す。
(Mw/Mn=2.75)のタイプを用い、24ホール
の丸断面ノズルを使用し、ホットローラー温度を75
℃、延伸倍率を1.73にした以外は実施例1と同様に
して仕上げ布を得た。URNが9%と低かったために、
外観もプレーンになった分ストリークの目立つものとな
った。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3
に示す。
【0058】(比較例8)回収レジンの分子量分布が
(Mw/Mn=2.50)のタイプを用い、ホットロー
ラー温度を70℃、延伸倍率を1.66にした以外は実
施例1と同様にして仕上げ布を得た。糸状の分子量分布
は2.45であった。分子量分布が小さいタイプを使用
したためか、できたシックアンドシンの杢が単調であ
り、自然な物とならず、一部にストリークが確認され
た。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に
示す。
(Mw/Mn=2.50)のタイプを用い、ホットロー
ラー温度を70℃、延伸倍率を1.66にした以外は実
施例1と同様にして仕上げ布を得た。糸状の分子量分布
は2.45であった。分子量分布が小さいタイプを使用
したためか、できたシックアンドシンの杢が単調であ
り、自然な物とならず、一部にストリークが確認され
た。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に
示す。
【0059】(実施例7)回収されたポリエチレンテレ
フタレート製食用液体用ボトルをフレーク状に粉砕し、
溶融した後、フィルターを通過させチップ化したポリマ
ーを衣料用ポリエチレンテレフタレートに対してバージ
ンレジンを70重量%混合したものを用い、ホットロー
ラー温度を75℃にした以外は実施例1と同様にして仕
上げ布を得た。回収レジンに含有する異物が少ないため
か、シックアンドシンの出方がやや単調はあるが、自然
な杢外観を呈していた。条件を表1、諸物性を表2、そ
の他の評価を表3に示す。
フタレート製食用液体用ボトルをフレーク状に粉砕し、
溶融した後、フィルターを通過させチップ化したポリマ
ーを衣料用ポリエチレンテレフタレートに対してバージ
ンレジンを70重量%混合したものを用い、ホットロー
ラー温度を75℃にした以外は実施例1と同様にして仕
上げ布を得た。回収レジンに含有する異物が少ないため
か、シックアンドシンの出方がやや単調はあるが、自然
な杢外観を呈していた。条件を表1、諸物性を表2、そ
の他の評価を表3に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、回収されたポリエステ
ルからのフィラメントでありながら、ストリ−クや緯段
の発生がなく、天然繊維ライクな自然なムラ感を呈する
衣料用ポリエステル繊維製品を安定的に供給することが
できる。
ルからのフィラメントでありながら、ストリ−クや緯段
の発生がなく、天然繊維ライクな自然なムラ感を呈する
衣料用ポリエステル繊維製品を安定的に供給することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D03D 15/00 D03D 15/00 J B Fターム(参考) 4L035 BB33 BB77 BB89 BB91 DD02 DD03 DD12 EE20 HH01 4L036 MA05 MA19 MA20 MA33 MA37 UA25 4L048 AA20 AA36 AA37 AA39 AA46 AB07 AC07 BA01 BA02 CA16 DA01 EB05
Claims (7)
- 【請求項1】 主成分が回収ポリエステルからなり、全
ポリエステルに対して多くとも5重量%の有機及び/又
は無機不純物を含有し、延伸されたポリエステルフィラ
メントの断面が糸条長手方向に太細を有しあるいは検定
染色を施すことにより糸条長手方向に染色濃淡差呈する
ことを特徴とするポリエステル繊維。 - 【請求項2】ポリエステル繊維が、下記条件を満足する
請求項1記載のポリエステル繊維。 30≦DE(%)≦100 Mw/Mn≧2.6 10≦URN(%)≦80 0.7≦ST10(cn/dtex)<2.6 0.03≦σST10(cn/dtex)≦0.35 (ここで、DEは破断伸度を、Mwは重量平均分子量
値、Mnは数平均分子量値を表し、Mw/Mnは分子量
の分散度を表す。URNはウースターノルマルで繊維の
長手方向の太細斑(%)を表す。ST10は10%伸長時
の応力をσST10はST10の標準偏差をそれぞれ表す。) - 【請求項3】 ポリエステル繊維が、下記条件を満足す
る請求項1または2に記載のポリエステル繊維。 Mw/Mn≧2.8 - 【請求項4】 ポリエステル繊維が異形断面である請
求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル繊維。 - 【請求項5】 ポリエステル繊維が中空断面である請求
項1〜4のいずれかに記載のポリエステル繊維。 - 【請求項6】 回収ポリエステルの含有量が50重量%
以上である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステ
ル繊維。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかのポリエステル
繊維を用いてなる繊維製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000108421A JP2001295133A (ja) | 2000-04-10 | 2000-04-10 | 回収ポリエステルを用いたポリエステル繊維およびそれを用いた繊維製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000108421A JP2001295133A (ja) | 2000-04-10 | 2000-04-10 | 回収ポリエステルを用いたポリエステル繊維およびそれを用いた繊維製品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001295133A true JP2001295133A (ja) | 2001-10-26 |
Family
ID=18621262
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000108421A Pending JP2001295133A (ja) | 2000-04-10 | 2000-04-10 | 回収ポリエステルを用いたポリエステル繊維およびそれを用いた繊維製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001295133A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003247146A (ja) * | 2002-02-20 | 2003-09-05 | Komatsu Seiren Co Ltd | 難燃性ポリエステエル繊維布帛 |
-
2000
- 2000-04-10 JP JP2000108421A patent/JP2001295133A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003247146A (ja) * | 2002-02-20 | 2003-09-05 | Komatsu Seiren Co Ltd | 難燃性ポリエステエル繊維布帛 |
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