JP2001294608A - オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合体の製造方法

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JP2001294608A
JP2001294608A JP2000108820A JP2000108820A JP2001294608A JP 2001294608 A JP2001294608 A JP 2001294608A JP 2000108820 A JP2000108820 A JP 2000108820A JP 2000108820 A JP2000108820 A JP 2000108820A JP 2001294608 A JP2001294608 A JP 2001294608A
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hydrogen
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polymerization reactor
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Takashi Nozaki
貴司 野崎
Katsufusa Watanabe
勝房 渡辺
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Asahi Kasei Corp
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、オレフィンのスラリー重合法及び
気相重合法に関し、重合装置におけるポリマー付着や塊
ポリマーの発生を低減させる方法に関するものであっ
て、オレフィン類の重合に適用した場合に触媒の活性が
高く、ポリマーの反応器壁面への付着や塊ポリマーの発
生を防止し、粒子性状の良好なオレフィン重合体の製造
を可能とすることを目的とする。 【解決手段】 メタロセン系触媒を用いて1種以上のオ
レフィンを重合する連続式スラリー重合法または連続式
気相重合法において、該触媒を予め20℃以下に冷却
後、該触媒を重合反応器へ導入することを特徴とするオ
レフィン重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィンの連続
式スラリー重合法または連続式気相重合法に関し、重合
装置におけるポリマー付着や塊ポリマーの発生を低減さ
せる方法に関するものであって、さらに詳しくは、ポリ
マーの反応器壁面への付着や塊ポリマーの発生を防止
し、粒子性状の良好なオレフィン重合体の製造を可能と
するオレフィンの連続式スラリー重合法または連続式気
相重合法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、メタロセン化合物とアルミノキサ
ンや非配位性イオン含有化合物などの助触媒からなる触
媒により、ポリオレフィンが得られることは公知であ
る。例えば特開昭58−19309号公報にはビスシク
ロペンタジエニルジルコニウムジクロリドと線状あるい
は環状メチルアルミノキサンとを触媒とするエチレンお
よびエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共
重合体の製造方法が開示されている。
【0003】一方、非配位性イオン含有化合物などを助
触媒として用いる触媒系として、特表平1−50195
0号公報、特表平1−502036号公報にはシクロペ
ンタジエニル金属化合物およびシクロペンタジエニル金
属カチオンを安定化することのできるイオン性化合物と
からなる触媒を用いてオレフィンを重合する方法が開示
されている。しかしながら、上記触媒系は非常に重合活
性が高く、一般的には重合溶媒に可溶であるため、これ
らの触媒をスラリープロセスや気相プロセスに用いた場
合、生成したポリマーは嵩密度が低く、粉体性状に劣っ
ていたり、生成するポリマーの反応器壁面への付着や塊
ポリマーの発生などの問題を生じ、工業的に高い効率で
重合体を製造することが困難であった。
【0004】これらの問題点を解決するために、メタロ
セン化合物及びアルミノキサンや非配位性イオン含有化
合物のいずれか一方、または両方の成分を粒子状担体に
担持させた触媒を用いてオレフィン重合を行うことも提
案されている。例えば特開昭61−108610、同6
1−276805、同61−296008、同63−2
2804、同63−280703、同63−5140
7、同63−54403、同63−81010、同63
−66206、同63−89505、同63−1526
08、同63−213504、同63−248803の
各公報において、シリカ、シリカ・アルミナ、アルミナ
などの無機酸化物担体に触媒を担持させる方法が開示さ
れている。
【0005】しかし、上述した固体状担体にメタロセン
化合物あるいはメチルアルミノキサンや非配位性イオン
含有化合物を担持した触媒は、連続式スラリー重合法ま
たは連続式気相重合法において重合体の反応器壁への付
着防止が十分には解決できていなかった。また重合活性
が100,000(g−重合体/mmol−遷移金属・
時間)以上あるような高活性の触媒を用いて重合を行っ
た場合には、重合反応装置内において触媒濃度が局部的
に著しく高くなったり、分散状態が悪化すると、重合反
応装置内へのポリマーの付着や凝集が起こり、反応熱の
除去が不完全になると溶融樹脂が発生し、これがシート
状や塊状となってポリマーの流動化を妨げ、ついには樹
脂を装置内から抜き出すことが不可能となり生産を停止
せざるを得なくなるなどの問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オレフィン
のスラリー重合法及び気相重合法に関し、重合装置にお
けるポリマー付着や塊ポリマーの発生を低減させる方法
に関するものであって、さらに詳しくは、本発明はオレ
フィン類の重合に適用した場合に触媒の活性が高く、ポ
リマーの反応器壁面への付着や塊ポリマーの発生を防止
し、粒子性状の良好なオレフィン重合体の製造を可能と
するオレフィンの重合法に関するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、メタロセン化
合物とアルミノキサンや非配位性イオン含有化合物など
の助触媒からなる触媒によるオレフィンの連続式スラリ
ー重合法または連続式気相重合法によるオレフィン重合
体の製造方法おいて、触媒を予め20℃以下に冷却後、
該触媒を重合反応器へ導入することで、触媒の活性を大
きく低減させることなく、ポリマーの反応器壁面への付
着や塊ポリマーの発生が防止され、粒子性状の良好なオ
レフィン重合体が得られることを見いだし本発明に到達
した。
【0008】すなわち本発明は(1)メタロセン系触媒
を用いて1種以上のオレフィンを重合する連続式スラリ
ー重合法または連続式気相重合法において、該触媒を予
め20℃以下に冷却後、該触媒を重合反応器へ導入する
ことを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。 (2)メタロセン系触媒を用いて1種以上のオレフィン
を重合する連続式スラリー重合法または連続式気相重合
法において、予め水素と接触させた該触媒を、20℃以
下に冷却して、該触媒を重合反応器へ導入することを特
徴とするオレフィン重合体の製造方法。
【0009】(3)メタロセン系触媒を用いて1種以上
のオレフィンを重合する連続式スラリー重合法または連
続式気相重合法において、該触媒を予め20℃以下に冷
却後、該触媒を水素と接触させ、該触媒を重合反応器へ
導入することを特徴とするオレフィン重合体の製造方
法。 (4)該触媒と接触させる水素の量が、該触媒に含まれ
る遷移金属化合物の0.5倍モル以上且つ50000倍
モル以下であることを特徴とする上記(2)乃至(3)
のオレフィン重合体の製造方法。
【0010】(5)該触媒と水素とを接触させる方法
が、媒体を用いて該触媒を重合反応器へ移送する際に、
該媒体に水素を含有させることにより、該触媒と水素を
接触させる方法であることを特徴とする上記(2)乃至
(4)のオレフィン重合体の製造方法。 (6)該媒体に水素を含有させる方法が、重合反応器に
該触媒を導入するために設けられた触媒移送ラインに、
水素の供給ラインを接続し、水素を該ラインに供給する
ことにより該媒体に水素を含有させる方法であることを
特徴とする上記(5)のオレフィン重合体の製造方法。
【0011】(7)該媒体に水素を含有させる方法が、
重合反応器に該触媒を導入するために設けられた重合反
応器内部の触媒供給ノズルに、水素の供給ラインを接続
し、水素を該ラインに供給することにより該媒体に水素
を含有させる方法であることを特徴とする上記(5)の
オレフィン重合体の製造方法。 (8)メタロセン系触媒を用いて1種以上のオレフィン
を重合する連続式スラリー重合法または連続式気相重合
法において、重合反応器内部の触媒供給口近傍に水素を
供給しながら、20℃以下に冷却した該触媒を重合反応
器へ導入することを特徴とするオレフィン重合体の製造
方法。 (9)該オレフィンがエチレン、炭素数3〜20のα−
オレフィンの中から選ばれるオレフィンであることを特
徴とする上記(1)乃至(8)のオレフィン重合体の製
造方法である。
【0012】本発明の方法は、特にオレフィン重合活性
が100,000(g−重合体/mmol−遷移金属・
時間)以上であるような触媒を用いたオレフィンの連続
式スラリー重合法または連続式気相重合法に適してい
る。以下、本発明を詳細に説明する。本発明においてオ
レフィンを重合する方法としては、連続式スラリー重合
法または連続式気相重合法である。本発明に於いては、
最も好ましくは連続式スラリー重合法が用いられる。
【0013】一般に連続式スラリー重合法においては、
重合媒体中に、触媒、オレフィン、さらには分子量調整
剤としての水素等を添加して重合を行う。この際、固体
粒状ポリマーの懸濁液が形成される。このような連続式
スラリー重合では、重合媒体と共に、触媒、オレフィ
ン、水素等が連続で、あるいは断続的に供給されるとと
もに、固体粒状ポリマーの懸濁液は連続的にあるいは断
続的に重合反応器から抜き取られ分離乾燥工程に移送さ
れる。
【0014】連続スラリー重合法に於ける重合の際に用
いられる重合媒体は、重合条件下で液体でなくてはなら
ず、且つ触媒活性を低下させない等実質的に重合に影響
を与えない不活性な液体でなくてはならない。本発明の
媒体としては、不活性炭化水素媒体を用いることがで
き、さらにはオレフィン自身を媒体として用いることも
できる。
【0015】かかる不活性炭化水素媒体としては、例え
ば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油
等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;及びエチ
ルクロライド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハ
ロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合物等を挙げるこ
とができる。本発明に於いては、好ましくはヘキサン、
ペンタンまたはイソブタンが好適である。
【0016】一方、連続式気相重合法においては、1種
以上のオレフィンを含有するガス流れを反応条件下に触
媒の存在下で流動床を通して連続的に循環させる。ガス
流れは、流動床から取り出され、重合反応器から取り出
し、新しい新鮮なオレフィンを添加し重合されたオレフ
ィンと置き換える。
【0017】連続式スラリー重合法及び連続気相重合法
に於いて、通常、触媒は、媒体を用いて触媒スラリーと
して重合反応器へ移送される。そのような触媒移送用媒
体としては、不活性炭化水素媒体が好適である。そのよ
うな不活性炭化水素媒体としては、例えば、プロパン、
n−ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化
水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロ
ペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素;及びエチルクロライド、ク
ロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素
あるいはこれらの混合物等を挙げることが出来る。ま
た、このような触媒移送用媒体は、連続スラリー重合法
に於いては重合媒体と同じであってもよく、また異なっ
たものであっても良い。例えば、重合媒体にヘキサンを
用い、触媒移送媒体にトルエンを用いても良い。
【0018】本発明のオレフィンは、例えば、エチレ
ン、炭素数3〜20のα−オレフィンの中から選ばれ
る。炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例え
ば、プロピレン、1ーブテン、1ーヘキセン、4ーメチ
ル−1−ペンテン、1−オクテン、1ーデセン等が挙げ
られる。これらは単独重合させてもよく、或いは異なる
2つ以上のオレフィンを共重合させてもよい。またオレ
フィンとともに必要に応じて他の重合性モノマーを共重
合させてもよい。他の重合性モノマーとしては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香
族ビニルモノマー、塩化ビニル、アクリロニトリル等の
極性ビニル、ブタジエン、イソプレン等のジオレフィ
ン、シクロヘキセン、ノルボルネン等の脂環式ジオレフ
ィン、アセチレン等のアルキン、2−プロペナル等のア
ルデヒドモノマー等が挙げられる。
【0019】本発明に於いて、重合は、好ましくはエチ
レンの単独重合あるいはエチレンと1種類以上の炭素数
3〜20のα−オレフィンとの共重合であり、さらに好
ましくはエチレンの単独重合あるいはエチレンと1種類
以上の炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合であ
る。本発明における重合は、常圧〜50気圧及び40℃
〜120℃好ましくは60℃〜120℃の温度を用い
る。
【0020】本発明に於いては、オレフィン重合用の触
媒を、下記のようにして重合反応器へ導入する。 (1)触媒スラリーを予め20℃以下に冷却後、該触媒
スラリーを重合反応器へ導入する。 (2)予め水素と接触させた触媒スラリーを、20℃以
下に冷却して、該触媒スラリーを重合反応器へ導入す
る。 (3)20℃以下に冷却した触媒スラリーを水素と接触
させ、該触媒スラリーを重合反応器へ導入する。 (4)重合反応器内部の触媒供給口近傍に水素を供給し
ながら、20℃以下に冷却した 触媒スラリーを重合反
応器へ導入する。
【0021】上記(1)から(4)において触媒スラリ
ーを20℃以下に冷却する方法は特に制限されない。一
般には触媒供給管を冷やす方法、20℃以下に冷却した
触媒移送媒体を用いる方法などがある。上記(2)、
(3)において触媒を重合反応器に導入する前に触媒と
水素とを接触させる方法としては、例えば 1)触媒移送媒体に水素を含有させ、触媒を重合反応器
に移送中に触媒と水素とを接触させる方法 2)触媒を移送する前の段階、例えば触媒貯槽等に水素
を導入し、触媒と水素とを接触させる方法 等が挙げられる。
【0022】上記において 触媒移送媒体に水素を含有
させる方法としては、例えば、重合反応器に触媒を導入
するために設けられた触媒移送ラインに、水素の供給ラ
インを接続し、水素を該ラインに供給することにより、
該媒体に水素を含有させる方法、或いは重合反応器に触
媒を導入するために設けられた重合反応器内部の触媒供
給ノズルに、水素の供給ラインを接続し、水素を該ライ
ンに供給することにより該媒体に水素を含有させる方法
等が挙げられる。また、触媒を重合反応器へ移送する媒
体に予め水素を含有させておき、触媒を該水素含有触媒
移送用媒体を用いて重合反応器へ移送する方法も挙げら
れる。
【0023】上記(4)において触媒供給口近傍に水素
を供給する方法としては、多重管の内管ノズルから触媒
を重合反応器へ供給し、水素を多重管の外管ノズルから
供給する方法、或いは重合反応器内部の触媒供給口近傍
に、水素を水素供給ノズルを通して供給する方法等が挙
げられる。本発明で、触媒と水素とを接触させる、或い
は触媒供給口近傍に水素を供給する場合、該水素として
重合の際に分子量調整剤として用いる水素を用いても良
い。即ち、重合に於いて分子量調整剤として用いる水素
の全量又は一部を、触媒との接触用水素或いは触媒供給
口近傍供給水素として用いることができる。
【0024】重合の際に分子量を調節するために必要な
水素の一部を、例えば触媒移送媒体に含有させるなどの
方法を用いて触媒と接触させる場合、目的の分子量のポ
リマーを得るために必要な残りの水素は、重合反応器へ
繋がる別のラインを用いて重合系へ供給することによ
り、重合ポリマーの分子量調節という目的を達成するこ
とができる。
【0025】本発明に使用できるメタロセン系触媒は、
たとえば[A]周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属
のメタロセン化合物、および[B](B-1) 有機アルミニ
ウムオキシ化合物、(B-2) 有機アルミニウム化合物、お
よび(B-3) メタロセン化合物[A]と反応してイオン対
を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物
とからなるものである。またこれらを、粒子状担体化合
物と接触させて固体触媒成分として用いることもでき
る。さらに触媒にはオレフィンが予備重合されていても
よい。
【0026】成分[A]のメタロセン化合物とは、少な
くとも一個のシクロペンタジエニル基、置換シクロペン
タジエニル基(例えば、メチル、ジメチル、ペンタメチ
ルなどのアルキル置換シクロペンタジエニル基、インデ
ニル基、フルオレニル基)を配位子とするもの、あるい
はそれらのシクロペンタジエニル基がヒドロカルビル基
(例えば、アルキレン基、置換アルキレン基)、ヒドロ
カルビル珪素(例えば、シラニレン基、置換シラニレン
基、シラアルキレン基、置換シラアルキレン)などによ
って架橋されたもの、さらにシクロペンタジエニル基が
酸素、窒素、燐原子に架橋されたもの(例えば、オキサ
シラニレン基、置換オキサシラニレン基、オキサシラア
ルキレン基、置換オキサシラアルキレン基、アミノシリ
ル基、モノ置換アミノシリル基、ホスフィノシリル基、
モノ置換ホスフィノシリル基)を配位子とする、いわゆ
る公知のメタロセン化合物をいずれも使用できる。成分
[A]は、例えば以下の一般式で表すことができる。
【0027】LlMXpX'q ・・・ (1) 式中Mは1つ以上の配位子Lとη5結合をしている酸化数
+2、+3又は+4の周期律表第4族遷移金属である。
また、Lは環状η結合性アニオン配位子であり、各々独
立に、シクロペンタジエニル基、インデニル基、テトラ
ヒドロインデニル基、フルオレニル基、テトラヒドロフ
ルオレニル基、またはオクタヒドロフルオレニル基であ
り、これらの基は20個までの非水素原子を含む炭化水
素基、ハロゲン、ハロゲン置換炭化水素基、アミノヒド
ロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、ジヒドロカル
ビルアミノ基、ヒドロカルビルホスフィノ基、シリル
基、アミノシリル基、ヒドロカルビルオキシシリル基及
びハロシリル基から各々独立に選ばれる1乃至8の置換
基を任意に有していてもよく、さらには2つのLが20
個までの非水素原子を含むヒドロカルバジイル、ハロヒ
ドロカルバジイル、ヒドロカルビレンオキシ、ヒドロカ
ルビレンアミノ、シラジイル、ハロシラジイル、アミノ
シラン等の2価の置換基 により結合されていてもよ
い。
【0028】Xは各々独立に、60までの非水素性原子
を有する、1価のアニオン性σ結合型配位子、Mと2価
で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子、又はM及
びLに各々1価ずつの価数で結合する2価のアニオン性
σ結合型配位子である。X'は各々独立に、炭素数4乃至
40からなる、ホスフィン、エーテル、アミン、オレフ
ィン、及び/又は共役ジエンから選ばれる中性ルイス塩
基配位性化合物である。
【0029】また、lは1又は2の整数である。pは0、
1又は2の整数であり、Xが1価のアニオン性σ結合型
配位子またはM及びLに各々1価ずつの価数で結合する2
価のアニオン性σ結合型配位子である時pはMの形式酸化
数よりl以上少なく、またXがMと2価で結合する2価の
アニオン性σ結合型配位子である時pはMの形式酸化数よ
りl+1以上少ない。またqは0、1または2である。
[A]の好適な例は、以下の一般式(2)で表される。
【0030】
【化1】
【0031】(式中Mは形式酸化数+2、+3または+
4のチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムである。ま
た、R3は各々独立に、水素、炭化水素基、シリル基、ゲ
ルミル基、シアノ基、ハロゲン、またはこれらの複合基
であり、各々20までの非水素原子を有することがで
き、また近接するR3同士が相俟ってヒドロカルバジイ
ル、シラジイルまたはゲルマジイル等の2価の誘導体を
形成して環状となっていてもよい。
【0032】X"は各々独立にハロゲン、炭化水素基、ヒ
ドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビルアミノ基、また
はシリル基であり、各々20までの非水素原子を有して
おり、また2つのX" が炭素数5乃至30の中性の共役
ジエン若しくは2価の誘導体を形成してもよい。Yは-O
-、-S-、-NR*-、-PR*-であり、ZはSiR*2、CR*2、 SiR*2
SiR*2、 CR*2CR* 2、 CR*=CR*、CR*2SiR*2またはGeR*2
あり、ここでR*は各々独立に炭素数1乃至12のアルキ
ル基またはアリール基である。また、nは1乃至3の整
数である。) さらに、成分[A]としてより好適な例は、以下の一般
式(3)及び(4)で表される。
【0033】
【化2】
【0034】
【化3】
【0035】(式中R3は各々独立に、水素、炭化水素
基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン、また
はこれらの複合基であり、各々20までの非水素原子を
有することができる。また、Mは、チタニウム、ジルコ
ニウムまたはハフニウムである。Z、Y、X及びXは前出の
定義と同じである。pは0、1または2であり、またqは
0または1である。
【0036】但し、pが2でqが0の時、Mの酸化数は+
4であり且つXはハロゲン、炭化水素基、ヒドロカルビ
ルオキシ基、ジヒドロカルビルアミド基、ジヒドロカル
ビルホスフィド基、ヒドロカルビルスルフィド基、シリ
ル基またはこれらの複合基あり、20までの非水素原子
を有している。また、 pが1でqが0の時、 Mの酸化数
が+3であり且つXがアリル基、2-(N,N-ジメチルアミノ
メチル)フェニル基または2-(N,N-ジメチル)-アミノベン
ジル基から選ばれる安定化アニオン配位子であるか、若
しくはMの酸化数が+4であり且つXが2価の共役ジエン
の誘導体であるか、あるいはMとXが共にメタロシクロペ
ンテン基を形成している。
【0037】また、pが0でqが1の時、Mの酸化数は+
2であり且つX'は中性の共役あるいは非共役ジエンであ
って任意に1つ以上の炭化水素基で置換されていてもよ
く、また該X'は40までの炭素原子を含み得、Mとπ型
錯体を形成している。) さらに、成分[A]として最も好適な例は、以下の一般
式(5)及び(6)で表される。
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】(式中R3は各々独立に、水素または炭素数
1乃至6のアルキル基である。また、Mはチタニウムで
あり、Yは-O-、 -S-、-NR*-、-PR*-である。Z*はSiR
*2、CR*2、SiR*2SiR*2、 CR*2CR*2、CR*=CR*、CR*2SiR*
2、またはGeR*2であり、R*は各々独立に水素、或いは、
炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、シリル基、ハロ
ゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基またはこれら
の複合基であり、該R*は20までの非水素原子を有する
ことができ、また必要に応じてZ*中の2つのR*どうし、
またはZ*中のR*とY中のR*とが相俟って環状となってい
てもよい。
【0041】pは0、1または2であり、qは0または1
である。但し、pが2でqが0の時、Mの酸化数は+4で
あり且つXは各々独立にメチル基またはベンジル基であ
る。また、pが1、qが0の時、Mの酸化数が+3であり
且つXが2-(N,N-ジメチル)アミノベンジルであるか、
あるいはMの酸化数が+4であり且つXが2-ブテン-1,4-
ジイルである。また、pが0でqが1の時、Mの酸化数は
+2であり且つX' は1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエンま
たは1,3-ペンタジエンである。前記ジエン類は金属錯体
を形成する非対称ジエン類を例示したものであり、実際
には各幾何異性体の混合物である。) このような遷移金属化合物は、一般に公知の方法で合成
できる。該遷移金属化合物の好ましい合成方法は、1995
年4月24日に登録されたUSSN 8/427,378において、開示
されている。
【0042】本発明に使用できる(B-1)有機アルミニ
ウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノオキサンであ
ってもよく、また特開平2−78687号公報に例示さ
れているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物であってもよい。なお、有機アルミニウムオキ
シ化合物は、少量のアルミニウム以外の、金属の有機化
合物成分を含有していてもよい。本発明に使用できる有
機アルミニウム化合物(B-2)は、例えば次の一般式(7)
で表される化合物である。
【0043】RnAlX3-n ・・・ (7) (但し、Rは炭素数1乃至12までのアルキル基、炭素
数6乃至20のアリール基であり、Xはハロゲン、水素
またはアルコキシル基であり、アルキル基は直鎖状、分
岐状または環状であり、nは1乃至3の整数である。) 本発明で使用できる有機アルミニウム化合物は、上記一
般式(7)で表される化合物の混合物であっても構わな
い。
【0044】本発明で使用できる有機アルミニウム化合
物としては、例えば上記一般式(7)で、Rがメチル基、
エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、フェニル基、トリル基等が挙げられ、またXとして
は、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、クロル等が
挙げられる。
【0045】本発明で使用できる有機アルミニウム化合
物としては、具体的には、例えばトリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウ
ム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニ
ウム、トリデシルアルミニウム等、或いはこれらのアル
キルアルミニウムとメチルアルコール、エチルアルコー
ル、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシル
アルコール、オクチルアルコール、デシルアルコール等
のアルコール類との反応生成物、例えばジメチルメトキ
シアルミニウム、ジエチルエトキシアルミニウム、ジブ
チルブトキシアルミニウム等が挙げられる。
【0046】本発明で用いられる前記メタロセン化合物
[A]と反応してイオン対を形成する化合物(B-3)と
しては、特表平1−501950号公報、特表平1−5
02036号公報、特開平3−179005号公報、特
開平3−179006号公報、特開平3−207703
号公報、特開平3−207704号公報、特開平4−2
53711号公報などに記載されたイオン性化合物、ル
イス酸、ボラン化合物およびカルボラン化合物を例示す
ることができる。
【0047】このようなイオン性化合物としては、例え
ば以下の一般式(8)で定義される化合物が挙げられる。 [L-H]d+[ MmQp ]d- ・・・ (8) (但し、式中[L-H] d+はプロトン付与性のブレンステッ
ド酸であり、Lは中性ルイス塩基である。また、式中[
MmQp ] d-は相溶性の非配位性アニオンであり、Mは周期
律表第5族乃至第15族から選ばれる金属又はメタロイ
ドであり、Qは各々独立にヒドリド、ジアルキルアミド
基、ハライド、アルコキサイド基、アリロキサイド基、
炭化水素基、炭素数20までの置換炭化水素基であり、
またハライドであるQは1個以下である。また、mは1乃
至7の整数であり、pは2乃至14の整数であり、dは1
乃至7の整数であり、p-m=dである。)
【0048】相溶性の非配位性アニオンの具体例として
は、例えば、テトラフェニルボレート、トリス(p−ト
リル)フェニルボレート、テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート、トリス(2,4−ジメチルフェニ
ル)フェニルボレート、トリス(3,5−ジメチルフェ
ニル)フェニルボレート、トリス(3,5−ジ−トリフ
ルオロメチルフェニル)フェニルボレート、テトラキス
(3,5−ジ−トリフルオロメチルフェニル)ボレー
ト、トリス(ペンタフルオロフェニル)エチルボレー
ト、トリス(ペンタフルオロフェニル)ブチルボレー
ト、トリス(ペンタフルオロフェニル)シクロヘキシル
ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)ナフチル
ボレート、トリフェニル(ヒドロキシフェニル)ボレー
ト、ジフェニルビス(ヒドロキシフェニル)ボレート、
トリフェニル(2,4−ジヒドロキシフェニル)ボレー
ト、トリス(p−トリル)(ヒドロキシフェニル)ボレ
ート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(ヒドロキシ
フェニル)ボレート、トリス(2,4−ジメチルフェニ
ル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(3,5
−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレー
ト、トリス(3,5−ジ−トリフルオロメチルフェニ
ル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペンタ
フルオロフェニル)(2−ヒドロキシエチル)ボレー
ト、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキ
シブチル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)ボレート、ト
リス(ペンタフルオロフェニル)(4−(4´−ヒドロ
キシフェニル)フェニル)ボレート、トリス(ペンタフ
ルオロフェニル)(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)ボ
レート等が挙げられ、最も好ましくはトリス(ペンタフ
ルオロフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレートが挙
げられる。
【0049】他の好ましい相溶性の非配位性アニオンの
例としては、上記例示のボレートのヒドロキシ基がNH
R基で置き換えられたボレートが挙げられる。ここで、
Rは好ましくは、メチル基、エチル基またはtert−ブチ
ル基である。また、プロトン付与性のブレンステッド酸
の具体例としては、例えば、トリエチルアンモニウム、
トリプロピルアンモニウム、トリ(n−ブチル)アンモ
ニウム、トリメチルアンモニウム、トリブチルアンモニ
ウム及びトリ(n−オクチル)アンモニウム、ジエチル
メチルアンモニウム、ジブチルメチルアンモニウム、ジ
ブチルエチルアンモニウム、ジヘキシルメチルアンモニ
ウム、ジオクチルメチルアンモニウム、ジデシルメチル
アンモニウム、ジドデシルメチルアンモニウム、ジテト
ラデシルメチルアンモニウム、ジヘキサデシルメチルア
ンモニウム、ジオクタデシルメチルアンモニウム、ジイ
コシルメチルアンモニウム、ビス(水素化タロウアルキ
ル)メチルアンモニウム等のようなトリアルキル基置換
型アンモニウムカチオンが挙げられ、また、 N,N−
ジメチルアニリニウム、 N,N−ジエチルアニリニウ
ム、 N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウ
ム、 N,N−ジメチルベンジルアニリニウム等のよう
なN,N−ジアルキルアニリニウムカチオンも好適であ
る。さらに、ジ−(i−プロピル)アンモニウム、ジシ
クロヘキシルアンモニウム等のようなジアルキルアンモ
ニウムカチオンも好適であり、トリフェニルホスフォニ
ウム、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウム、トリ
(ジメチルフェニル)ホスフォニウム等のようなトリア
リールホスフォニウムカチオン、或いはジメチルスルフ
ォニウム、ジエチルフルフォニウムまたはジフェニルス
ルフォニウム等も好適である。
【0050】ルイス酸としては、トリフェニルボロン、
トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(p−ト
リル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス
(3,5−ジメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボロン、MgCl2、Al23、Si
2-Al23 などを挙げることができる。カルボラン
化合物としては、ドデカボラン、1−カルバウンデカボ
ラン、ビスn-ブチルアンモニウム(1−カルベドデカ)
ボレート、トリ(n−ブチルアンモニウム)(7,8−ジカ
ルバウンデカ)ボレート、トリ(n−ブチルアンモニウ
ム)(トリデカハイドライド−7−カルバウンデカ)ボ
レートなどを挙げることができる。
【0051】これらは、2種以上組合わせて用いること
もできる。、共触媒成分[B]としては、上記のような
成分(B-1)、(B-2)および(B-3)から選ばれる少な
くとも1種の化合物が用いられ、これらを適宜組合わせ
て用いることもできる。これらのうちでも共触媒成分
[B]として少なくとも(B-1)または(B-3)を用いる
ことが望ましい。本発明において触媒成分は、上記のよ
うな触媒成分を粒子状担体化合物と接触させて、担体担
持型触媒(固体触媒成分)として用いてもよい。
【0052】担体としては、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレンまたはスチレンジビニルベンゼンのコポリ
マー等の多孔質高分子材料、或いは例えばシリカ、アル
ミナ、マグネシア、塩化マグネシウム、ジルコニア、チ
タニア、酸化硼素、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化バ
リウム、五酸化バナジウム、酸化クロム及び酸化トリウ
ム等のような周期律表第2、3、4、13及び14族元
素の無機固体酸化物、及びそれらの混合物、並びにそれ
らの複酸化物から選ばれる少なくとも1種の無機固体酸
化物が挙げられる。シリカの複酸化物としては、例えば
シリカマグネシア、シリカアルミナ等のようなシリカと
周期律表第2族または第13族元素との複酸化物が挙げ
られる。本発明においては、シリカ、アルミナ、シリカ
と周期律表第2族または第13族元素との複酸化物が好
適であり、特にシリカが好適である。
【0053】担体としてシリカが用いられる場合、その
形状には特に制限はなく、顆粒状、球状、凝集状、ヒュ
ーム状等であっても構わない。好適なシリカの具体例と
しては、グレースデビソン社のSD 3216.30、SP-9-1004
6、デビソンサイロイドTM245,デビソン948及びデビソン
952、デグサAG社のアエロジル812、クロスフィー
ルド社のES70X、富士シリシア社のP−6、P−1
0等が挙げられる。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づき、本発明を
さらに具体的に説明する。
【0055】
【実施例1】ヘキサン、エチレン、1−ブテン、水素、
及びメタロセン系触媒を連続的に攪拌装置が付いたベッ
セル型重合反応器に供給し、ポリエチレン(エチレン・
1−ブテンコポリマー)を10kg/Hrの速度で製造
した。水素は、モレキュラーシーブスとの接触により精
製された99.99モル%以上のものを使用した。メタ
ロセン系触媒としては、チタニウム(N−1、1−ジメ
チルエチル)ジメチル[1−(1、2、3、4、5−エ
タ)−2、3、4、5−テトラメチル−2,4−シクロ
ペンタジエン−1−イル]シラナミナト[(2−)N]
−(η4−1、3−ペンタジエン)とビス(水素化タロ
ウアルキル)メチルアンモニウム−トリス(ペンタフル
オロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレード−
メチルアルモキサン混合物をトリエチルアルミニウムで
処理されたシリカに担持したものを用いた。
【0056】溶媒としてのヘキサンは10℃に調整され
たものを用い60L/Hrで供給され、1−ブテン流量
は、気相中の1−ブテンと(エチレン+1−ブテン)の
モル比が0.1%の組成に維持されるように調節した。
尚、気体の濃度はオンラインガスクロマトグラフにより
測定した。重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定
に保たれるように連続的に抜き取られ、抜き取られたス
ラリーは、乾燥工程へ送られた。
【0057】目標のMI(メルトインデクッス)のプロ
ダクトを得るのに必要な水素18NL/Hr全量は触媒
移送ラインとは別のラインで供給された。触媒は、上記
溶媒ヘキサンを移送液とし製造速度が10kg/Hrと
なるように供給したところ、塊状のポリマーの存在も無
く、スラリー抜き取り配管も閉塞することなく、連続運
転ができた。
【0058】
【比較例1】実施例1で、溶媒としてのヘキサンを40
℃に調整されたものを用いる以外は全て実施例1と同様
に操作したところスラリー抜き取り配管が閉塞し、重合
反応器の液面コントロール不能となりS/D(シャット
ダウン)した。また、反応終了後、重合反応器から乾燥
工程へのスラリー抜き取り配管を調べてみると、配管内
に大量の塊状のポリマーが存在した。
【0059】
【実施例2】ヘキサン、エチレン、1−ブテン、水素、
及び実施例1記載のメタロセン系触媒を連続的に攪拌装
置が付いたベッセル型重合反応器に供給し、ポリエチレ
ン(エチレン・1−ブテンコポリマー)を10kg/H
rの速度で製造した。水素は、モレキュラーシーブスと
の接触により精製された99.99モル%以上のものを
使用した。
【0060】溶媒としてのヘキサンは20℃に調整され
たものを用い60L/Hrで供給され、1ーブテン流量
は、気相中の1−ブテンと(エチレン+1−ブテン)の
モル比が0.3%の組成に維持されるように調節した。
尚、気体の濃度はオンラインガスクロマトグラフにより
測定した。触媒は、上記溶媒ヘキサンを移送液とし製造
速度が10kg/Hrとなるように供給された。重合ス
ラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように
連続的に抜き取られ、抜き取られたスラリーは、乾燥工
程へ送られた。
【0061】目標のMIのプロダクトを得るのに必要な
水素20NL/Hr全量を触媒移送ラインに供給したと
ころ、塊状のポリマーの発生も無く、スラリー抜き取り
ラインも閉塞することもなく連続運転することができ
た。
【0062】
【実施例3】実施例1で水素2NL/Hrを触媒移送ラ
インに、MIを調整するのに必要な残る16NL/Hr
を重合反応器の気相部へ直接供給する他は全て実施例1
と同様に操作したところ、スラリー抜き取りラインが閉
塞することなく連続運転することができた。塊状のポリ
マーの存在も無かった。
【0063】
【実施例4】実施例2で水素4NL/Hrを触媒移送ラ
インに、MIを調整するのに必要な残る16NL/Hr
を重合反応器の気相部へ直接供給する他は全て実施例1
と同様に操作したところスラリー抜き取りラインが閉塞
することもなく連続運転することができた。また反応終
了後、重合反応器から乾燥工程へのスラリー抜き取り配
管内には全く塊状のポリマーの存在が見られなかった。
【0064】
【比較例2】実施例4で溶媒としてのヘキサンを40℃
に調整されたものを用いる以外は全て実施例4と同様に
操作したところ、スラリー抜き取り配管が閉塞し、重合
反応器の液面コントロール不能となりS/Dした。ま
た、反応終了後、重合反応器から乾燥工程へのスラリー
抜き取り配管内には大量の塊状のポリマーが存在した。
以上の結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明は、以上のようにオレフィンのス
ラリー重合法及び気相重合法に関し、重合装置における
ポリマー付着や塊ポリマーの発生を低減させる方法に関
するものであって、さらに詳しくは、本発明はオレフィ
ン類の重合に適用した場合に触媒の活性が高く、ポリマ
ーの反応器壁面への付着や塊ポリマーの発生を防止し、
粒子性状の良好なオレフィン重合体の製造を可能とする
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC08A AC09A AC26A AC27A BA00A BA01B BA02B BA03B BB00A BB01B BB02B BC12B BC15B BC24B BC25B DB05A EB02 EB04 EB05 EB07 EB09 EB10 EB13 EB14 EB17 EB21 EB22 EB25 EB27 FA03 FA04 FA07 GB03 GB05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタロセン系触媒を用いて1種以上のオ
    レフィンを重合する連続式スラリー重合法または連続式
    気相重合法において、該触媒を予め20℃以下に冷却
    後、該触媒を重合反応器へ導入することを特徴とするオ
    レフィン重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 メタロセン系触媒を用いて1種以上のオ
    レフィンを重合する連続式スラリー重合法または連続式
    気相重合法において、予め水素と接触させた該触媒を、
    20℃以下に冷却して、該触媒を重合反応器へ導入する
    ことを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 メタロセン系触媒を用いて1種以上のオ
    レフィンを重合する連続式スラリー重合法または連続式
    気相重合法において、該触媒を予め20℃以下に冷却
    後、該触媒を水素と接触させ、該触媒を重合反応器へ導
    入することを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 該触媒と接触させる水素の量が、該触媒
    に含まれる遷移金属化合物の0.5倍モル以上且つ50
    000倍モル以下であることを特徴とする請求項2乃至
    3のオレフィン重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 該触媒と水素とを接触させる方法が、媒
    体を用いて該触媒を重合反応器へ移送する際に、該媒体
    に水素を含有させることにより、該触媒と水素を接触さ
    せる方法であることを特徴とする請求項2乃至4のオレ
    フィン重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 該媒体に水素を含有させる方法が、重合
    反応器に該触媒を導入するために設けられた触媒移送ラ
    インに、水素の供給ラインを接続し、水素を該ラインに
    供給することにより該媒体に水素を含有させる方法であ
    ることを特徴とする請求項5のオレフィン重合体の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 該媒体に水素を含有させる方法が、重合
    反応器に該触媒を導入するために設けられた重合反応器
    内部の触媒供給ノズルに、水素の供給ラインを接続し、
    水素を該ラインに供給することにより該媒体に水素を含
    有させる方法であることを特徴とする請求項5のオレフ
    ィン重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 メタロセン系触媒を用いて1種以上のオ
    レフィンを重合する連続式スラリー重合法または連続式
    気相重合法において、重合反応器内部の触媒供給口近傍
    に水素を供給しながら、20℃以下に冷却した該触媒を
    重合反応器へ導入することを特徴とするオレフィン重合
    体の製造方法。
  9. 【請求項9】 該オレフィンがエチレン、炭素数3〜2
    0のα−オレフィンの中から選ばれるオレフィンである
    ことを特徴とする請求項1乃至8のオレフィン重合体の
    製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004018531A1 (en) * 2002-08-20 2004-03-04 Bp Chemicals Limited Supported polymerisation catalysts
WO2004020488A1 (en) * 2002-08-29 2004-03-11 Bp Chemicals Limited Olefin polymerisation process

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WO2004018531A1 (en) * 2002-08-20 2004-03-04 Bp Chemicals Limited Supported polymerisation catalysts
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