JP2003128716A - オレフィン重合用触媒及び該触媒を用いるオレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒及び該触媒を用いるオレフィンの重合方法

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JP2003128716A JP2001326843A JP2001326843A JP2003128716A JP 2003128716 A JP2003128716 A JP 2003128716A JP 2001326843 A JP2001326843 A JP 2001326843A JP 2001326843 A JP2001326843 A JP 2001326843A JP 2003128716 A JP2003128716 A JP 2003128716A
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Takashi Nozaki
貴司 野崎
Katsufusa Watanabe
勝房 渡辺
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、オレフィンの懸濁重合(スラリー
重合)や気相重合に関し、重合中の反応器への付着等の
現象が発生せず且つ粉体性状の極めて優れた重合体粉末
を、極めて高い活性で、効果的、効率的に製造でき、フ
ィルムなどに成形した場合に未溶融のゲルにならない新
規なオレフィン重合用触媒及び該触媒を用いるオレフィ
ンの重合方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 実質的に水酸基を有しない固体成分
[A]、周期表第3〜11族から選ばれる可溶性遷移金
属化合物[B]、遷移金属化合物[B]と反応して触媒
活性を有する金属錯体を形成することが可能である活性
化剤化合物[C]とから形成されていることを特徴とす
るオレフィン重合用固体触媒成分にエチレン及びα−オ
レフィンを接触し、GPCによるZ平均分子量が500
000以下のポリオレフィンを前記固体触媒成分1gあ
たり0.01〜100g予備重合させることにより形成
されてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒及び
該触媒を用いるオレフィンの重合方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン重合用
固体触媒およびこの触媒を用いたオレフィンの重合方法
に関する。詳細にはオレフィンの懸濁重合(スラリー重
合)や気相重合に適用することができ、非常に高い生産
効率をもって、粉体性状に優れた重合体を製造すること
ができ、重合中に反応器への重合体の付着等を生ずるこ
とがなく、この重合体をフィルムなどに成形した場合に
未溶融のゲルにならないオレフィン重合用触媒、特にエ
チレン重合用触媒を提供するものであり、またそれを用
いたエチレンの重合方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からオレフィンの重合体または共重
合体を製造する為の触媒として、チタン化合物と有機ア
ルミニウム化合物とからなる所謂チーグラー・ナッタ型
触媒が知られている。一方、近年エチレンの単独重合ま
たはエチレンと他のα−オレフィンとの共重合に際し、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
等の可溶性のハロゲン含有遷移金属化合物と有機アルミ
ニウムオキシ化合物の1種であるアルミノキサンとから
なる触媒を用いることにより高活性で重合する技術が見
出された。該技術の詳細は特公平4−12283号公報
(DE3127133.2に対応)に記載されている。
【0003】一方、有機アルミニウムオキシ化合物以外
の活性化剤を使用する触媒系として、Taube らはJ.Orga
nometall.Chem.,347.C9(1988) に[Cp2 TiMe(T
HF)]+ [BPh4- (Cp:シクロペンタジエニ
ル基、Me:メチル基、Ph:フェニル基、THF:テ
トラヒドロフラン)で表わされる化合物を用いてエチレ
ンの重合を行っている。Jordanらは、J.Am.Chm.Soc.,10
9.4111(1987)で[Cp 2 ZrR(L)]+ (R:メチル
基またはベンジル基、L:ルイス塩基)で示されるジル
コニウム錯体がエチレンを重合することを報告してい
る。また特表平1−501950号公報、特表平1−5
02036号公報にはシクロペンタジエニル金属化合物
およびシクロペンタジエニル金属カチオンを安定化する
ことのできるイオン性化合物とからなる触媒を用いてオ
レフィンを重合する方法が開示されている。
【0004】またこの他に有機アルミニウム化合物と粘
土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物などを活性
化剤として用いる触媒系が、特開平5−301917公
報、特開平6−136047号公報、特開平9−593
10号公報、特開平11−269222号公報などに開
示されているしかし、これら従来技術に於て提案された
触媒系においては、反応系に可溶であることが多く、こ
れを反映して、スラリー重合あるいは気相重合で得られ
るオレフィン重合体は、粒子形状が不定形で嵩密度が小
さく、微粉が多い等粒子性状の極めて悪いものであり、
重合体が反応器の壁面や撹拌羽根等に付着し、工業的に
はこのままでは使用できないという問題があった。その
ため、その製造プロセスは溶液重合法に限定されるのが
通常であるが、溶液重合法では高分子量の重合体を製造
しようとすると重合体を含む溶液の粘度が著しく高くな
り生産性が大幅に低下するという問題があり、コスト的
に好ましい方法とは言えず、工業的な応用に大きな問題
がある。
【0005】上記問題を解決する為、上記のような触媒
系を用いてエチレン重合体を製造する際に、該固体触媒
成分にエチレンを予備重合させておくという試みがなさ
れている。例えば、特開平9−194520号公報には
周期律表4〜6族の遷移金属化合物、前記遷移金属化合
物またはその派生物と反応してイオン性の錯体を形成し
うる化合物及び有機アルミニウム化合物からなる触媒系
でオレフィンの予備重合を行い、得られた粒状の予備重
合触媒を用いてオレフィンを主体とする本重合を行う方
法が記載されている。特開平9−272713号公報に
は微粒子状担体と、周期表第8〜10族の遷移金属化合
物と、有機金属化合物とからなる触媒成分にオレフィン
を予備重合してなるオレフィン重合用触媒が記載されて
いる。
【0006】これらの方法は、予備重合を行なうことに
よりポリマー粉体性状の改善や、重合活性の改善等が期
待されるものであったが、実際の重合反応の場では粒子
の破砕や微粉の生成等も見られ、また活性という点でも
未だ十分ではなかった。さらにこれらの予備重合触媒を
用いて得られたエチレン重合体をフィルム用途などに使
用した場合、触媒自身が未溶融のゲルとなるという問題
があり、一層の改良が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、活性が高く、
重合中に触媒成分が担体から遊離せず、粉体性状に優れ
た重合体を反応器への付着等を生ずることなく重合で
き、この重合体をフィルム用途などに使用した場合、触
媒自身が未溶融のゲルとならない触媒の開発が望まれて
おり、本発明は、そのような新規なオレフィン重合用触
媒およびそれを用いるオレフィンの重合方法を提供する
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状に鑑み、重合中の反応器への付着等の現象が発生
せず且つ粉体性状の極めて優れた重合体粉末を、高い活
性で、効果的、効率的に製造でき、フィルムなどに成形
した場合に未溶融のゲルにならない新規な触媒系を得る
方法を見出すべく鋭意検討して、本発明に到達した。即
ち、本発明は、 1) [A]実質的に水酸基を有しない固体成分、
[B]周期表第3〜11族から選ばれる可溶性遷移金属
化合物、[C]遷移金属化合物[B]と反応して触媒活
性を有する金属錯体を形成することが可能である活性化
剤化合物とから形成されていることを特徴とするオレフ
ィン重合用固体触媒成分にエチレン及びα−オレフィン
を接触し、GPCによるZ平均分子量が500000以
下のポリオレフィンを前記固体触媒成分1gあたり0.
01〜100g予備重合させることにより形成されてな
ることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
【0009】2) 実質的に水酸基を有しない固体成分
[A]が、シリカ、アルミナ、マグネシア、塩化マグネ
シウム、ジルコニア、チタニア、酸化硼素、酸化カルシ
ウム、酸化亜鉛、酸化バリウム、五酸化バナジウム、酸
化クロム、酸化トリウム、これらの混合物または複合酸
化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の物質であ
ることを特徴とする、1)に記載のオレフィン重合用触
媒。 3) 実質的に水酸基を有しない固体成分[A]が、請
求項2に記載されている物質を150℃以上で加熱処理
することにより1g当たり0.05〜10mmolの水酸基
をその表面に有するようにし、さらに固体成分の表面に
存在する水酸基のモル量の1倍モル量以上の有機金属化
合物を用いて固体成分を処理する方法によって得られる
ことを特徴とする、1)または2)に記載のオレフィン
重合用触媒。
【0010】4) 周期表第3〜11族から選ばれる可
溶性遷移金属化合物[B]が下記の式(1)で表される
ことを特徴とする、1)から3)のいずれかに記載のオ
レフィン重合用触媒。 LjkMXpX’q (1) (式中、Lは、各々独立して、シクロペンタジエニル
基、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオ
レニル基、テトラヒドロフルオレニル基、及びオクタヒ
ドロフルオレニル基からなる群より選ばれるη結合性環
状アニオン配位子を表し、該配位子は場合によっては1
〜8個の置換基を有し、該置換基は各々独立して炭素数
1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素数1〜12
のハロゲン置換炭化水素基、炭素数1〜12のアミノヒ
ドロカルビル基、炭素数1〜12のヒドロカルビルオキ
シ基、炭素数1〜12のジヒドロカルビルアミノ基、炭
素数1〜12のヒドロカルビルフォスフィノ基、シリル
基、アミノシリル基、炭素数1〜12のヒドロカルビル
オキシシリル基及びハロシリル基からなる群より選ばれ
る、20個までの非水素原子を有する置換基であり、M
は、形式酸化数が+2、+3または+4の周期表第4族
に属する遷移金属群から選ばれる遷移金属であって、少
なくとも1つの配位子Lにη5結合している遷移金属を
表し、Wは、50個までの非水素原子を有する2価の置
換基であって、LとMとに各々1価ずつの価数で結合
し、これによりL及びMと共働してメタロサイクルを形
成する2価の置換基を表し、Xは、各々独立して、1価
のアニオン性σ結合型配位子、Mと2価で結合する2価
のアニオン性σ結合型配位子、及びLとMとに各々1価
ずつの価数で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子
からなる群より選ばれる、60個までの非水素原子を有
するアニオン性σ結合型配位子を表し、X′は、各々独
立して、40個までの非水素原子を有する中性ルイス塩
基配位性化合物を表し、jは1または2であり、但し、
jが2である時、場合によっては2つの配位子Lが、2
0個までの非水素原子を有する2価の基を介して互いに
結合し、該2価の基は炭素数1〜20のヒドロカルバジ
イル基、炭素数1〜12のハロヒドロカルバジイル基、
炭素数1〜12のヒドロカルビレンオキシ基、炭素数1
〜12のヒドロカルビレンアミノ基、シランジイル基、
ハロシランジイル基及びシリレンアミノ基からなる群よ
り選ばれる基であり、kは0または1であり、pは0、
1または2であり、但し、Xが1価のアニオン性σ結合
型配位子、またはLとMとに結合している2価のアニオ
ン性σ結合型配位子である場合、pはMの形式酸化数よ
り1以上小さい整数であり、またXがMにのみ結合して
いる2価のアニオン性σ結合型配位子である場合、pは
Mの形式酸化数より(j+1)以上小さい整数であり、
qは0、1または2である)。
【0011】5) 遷移金属化合物[B]と反応して触
媒活性を有する金属錯体を形成することが可能である活
性化剤化合物[C]が下記の式(2)で表されることを
特徴とする、請求項1)〜4)のいずれかに記載のオレ
フィン重合用触媒。 [L−H]d+[Mmpd- (2) (式中、[L−H]d+はプロトン供与性のブレンステッ
ド酸を表し、但し、Lは中性のルイス塩基を表し、dは
1〜7の整数であり;[Mmp]d-は両立性の非配位性
アニオンを表し、但し、Mは、周期表第5族〜第15族
のいずれかに属する金属またはメタロイドを表し、Q
は、各々独立して、ヒドリド、ハライド、炭素数2〜2
0のジヒドロカルビルアミド基、炭素数1〜30のヒド
ロカルビルオキシ基、炭素数1〜30の炭化水素基、及
び炭素数1〜40の置換された炭化水素基からなる群よ
り選ばれ、但し、ハライドであるQの数は1以下であ
り、mは1〜7の整数であり、pは2〜14の整数であ
り、dは上で定義した通りであり、p−m=dであ
る。) 6) 1)ないし5)のいずれかに記載のオレフィン重
合用固体触媒の存在下で、オレフィンを重合または共重
合させることを特徴とするオレフィンの重合方法。であ
る。
【0012】本発明の1つの態様に依れば、実質的に水
酸基を有しない固体成分[A]、周期表第3〜11族か
ら選ばれる可溶性遷移金属化合物[B]、遷移金属化合
物[B]と反応して触媒活性を有する金属錯体を形成す
ることが可能である活性化剤化合物[C]とから形成さ
れていることを特徴とするオレフィン重合用固体触媒成
分にエチレン及びα−オレフィンを接触し、GPCによ
るZ平均分子量が500000以下のポリオレフィンを
前記固体触媒成分1gあたり0.01〜100g予備重
合させることにより形成されてなることを特徴とするオ
レフィン重合用触媒が提供される。
【0013】このようなオレフィン重合用触媒は、重合
中に触媒成分が担体から遊離することが完全に抑えられ
るため、重合体の反応器への付着等の現象が生じず、ま
た粉末として得られる重合体の流動性、充填密度等の粉
体性状にも優れ、さらに分子量が低いために、この触媒
系で得られる重合体をフィルムなどに成形した場合に未
溶融のゲルにならない、工業的に極めて有効且つ有用な
優れた触媒である。また、本発明のオレフィン重合用触
媒をエチレン重合に用いれば、活性が高くかつ、流動
性、充填密度等の粉体性状に優れたエチレン重合体が得
られることから、反応器内攪拌などを効率よく行うこと
ができ、重合熱を効果的に除去することが可能であり、
生産性の向上が期待できる。
【0014】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において用いられる実質的に水酸基を有しない固体
成分[A]は、固体材料[以下、「成分[A]の前駆
体」という]を、成分[A]の前駆体の表面から水酸基
を除去するための処理に付すことによって、得ることが
できる。成分[A]の前駆体の例としては、多孔質高分
子材料(但し、マトリックスはたとえばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体、エチレン−ビニルエス
テル共重合体の部分あるいは完全鹸化物等のポリオレフ
ィンやその変性物、ポリアミド、ポリカーボネート、ポ
リエステル等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂等
を含む)、周期表第2〜4、13または14族に属する
元素の無機固体酸化物(たとえば、シリカ、アルミナ、
マグネシア、塩化マグネシウム、ジルコニア、チタニ
ア、酸化硼素、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化バリウ
ム、五酸化バナジウム、酸化クロム、酸化トリウム、ま
たはこれらの混合物もしくはこれらの複合酸化物)等が
挙げられる。シリカを含有する複合酸化物の例として
は、シリカ−マグネシア、シリカ−アルミナ等の、シリ
カと周期表第2族または第13族に属する元素から選ば
れる元素の酸化物との複合酸化物が挙げられる。本発明
においては、成分[A]の前駆体は、シリカ,アルミ
ナ、及びシリカと周期表第2族または第13族に属する
元素から選ばれる元素の酸化物との複合酸化物から選ば
れることが好ましい。これらの無機固体酸化物の中で、
シリカが特に好ましい。
【0015】成分[A]の前駆体として用いられるシリ
カ生成物の形状に関しては特に制限はなく、シリカは、
顆粒状、球状、凝集状、ヒューム状など、いかなる形状
であってもよい。市販のシリカ生成物の好ましい例とし
ては、SD3216.30、SP−9−10046、デ
ビソンサイロイドTM(Syloid TM)245、
デビソン948またはデビソン952[以上全て、グレ
ースデビソン社(W.R.デビソン社(米国)の支社)
製]、アエロジル812[デグザAG社(ドイツ)製
造]、ES70X[クロスフィールド社(米国)製]、
P−6及びP−10[富士シリシア社(日本国)製]等
が挙げられる。
【0016】本発明において用いられる成分[A]の、
B.E.T.(Brunauer−Emmett−Te
ller)による窒素ガス吸着法で求められる比表面積
は、好ましくは10〜1,000m2/gであり、より
好ましくは100〜600m2/gである。このような
高い比表面積を有する成分[A]の代表例の一つは、多
くの細孔を有する多孔質材料を含む成分である。本発明
において、窒素ガス吸着法で求められる成分[A]の細
孔容積は、通常5cm3/g以下が好ましく、より好ま
しくは0.1〜3cm3/gであり、さらに好ましくは
0.2〜2cm3/gである。
【0017】本発明において用いられる成分[A]の平
均粒径に関しては、特に制限はない。成分[A]の平均
粒径は、通常0.5〜500μmが好ましく、より好ま
しくは1〜200μmであり、さらに好ましくは10〜
100μmである。本発明において、実質的に水酸基を
有しない成分[A]は、成分[A]の前駆体を化学処理
して成分[A]の前駆体の表面から水酸基を除去するこ
とによって得ることができる。
【0018】本発明において、「固体成分が実質的に水
酸基を有しない」とは、次に述べる方法(i)や方法
(ii)による測定では固体成分(成分[A])の表面に
水酸基が検出されないことを意味する。方法(i)にお
いては、成分[A]を溶媒中に分散させることによって
得られるスラリーに所定の過剰量のジアルキルマグネシ
ウムを添加して、成分[A]の表面水酸基をジアルキル
マグネシウムと反応させ、次いで、成分[A]の表面水
酸基と反応したジアルキルマグネシウムの量を求めるた
めに、溶媒中に未反応のままで残っているジアルキルマ
グネシウムの量を公知の方法で測定してから、反応した
ジアルキルマグネシウムの量に基づいて成分[A]の表
面水酸基の初期量を求める。この方法は、下記の反応式
で表される、水酸基とジアルキルマグネシウムとの反応
に基づくものである: S−OH +MgR2 → S−OMgR + RH (式中、Sは固体材料(成分[A])を表し、Rはアル
キル基を表す)。
【0019】方法(i)より好ましい方法(ii)におい
ては、ジアルキルマグネシウムの代わりにエトキシジエ
チルアルミニウムを用いる。具体的に言えば、方法(i
i)では、エトキシジエチルアルミニウムを成分[A]
の表面水酸基と反応させてエタンガスを発生させ、発生
したエタンガスの量をガスビュレットを用いて測定して
から、発生したエタンガスの量に基づいて成分[A]の
表面水酸基の初期量を求める。
【0020】さらに、本発明においては、成分[A]の
前駆体を加熱処理して水(結晶水、吸着水等)を除去す
ることが好ましい。成分[A]の前駆体の加熱処理は、
たとえば、不活性雰囲気下または還元雰囲気下に、好ま
しくは150℃〜1,000℃、より好ましくは250
℃〜800℃の温度で、1時間〜50時間の処理によっ
て行うことができる。本発明においては、加熱処理して
脱水した後に、成分[A]の前駆体をさらに化学処理し
て成分[A]の前駆体の表面から全部水酸基を除去し、
成分[A]を得ることが、さらに好ましい。
【0021】成分[A]の前駆体から水酸基の全部を除
去するための化学処理に関しては、成分[A]の前駆体
を有機金属化合物と接触させるという化学処理を行うこ
とが推奨される。この化学処理に用いられる有機金属化
合物の例としては、周期表第2族〜第13族に属する元
素の化合物等が挙げられる。これらの化合物の中で特に
好ましいのは、有機アルミニウムまたは有機マグネシウ
ムである。成分[A]の前駆体の化学処理に用いられる
好ましい有機アルミニウム化合物の例として、下記の式
(3)で表される化合物が挙げられる: AlRn3-n (3) (式中、Rは、各々独立して、炭素数1〜12の直鎖
状、分岐状もしくは環状のアルキル基または炭素数6〜
20のアリール基を表し、Xは、各々独立して、ハライ
ド、ヒドリドまたは炭素数1〜10のアルコキシド基を
表し、nは1、2または3である)。
【0022】上記式(3)で表される化合物は、単独で
使用してもよいし組み合わせて使用してもよい。式
(3)中の基Rの例としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、フェニル基、トリル基等が挙げられる。式(3)中の
基Xとしては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブト
キシ基、水素原子、塩素原子等が挙げられる。
【0023】成分[A]の前駆体の化学処理に用いられ
る有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリブチル
アルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチ
ルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等のトリアル
キルアルミニウム化合物、及びこれらのトリアルキルア
ルミニウム化合物とアルコール(たとえば、メチルアル
コール、エチルアルコール、ブチルアルコール、ペンチ
ルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコー
ル、デシルアルコール)との反応生成物が挙げられる。
【0024】そのような反応生成物の例としては、メト
キシジメチルアルミニウム、エトキシジエチルアルミニ
ウム、ブトキシジブチルアルミニウム等が挙げられる。
このような反応生成物を製造する場合、トリアルキルア
ルミニウムのアルコールに対する比は、Al/OHのモ
ル比で、0.3〜20の範囲にあることが好ましく、
0.5〜5の範囲にあることがより好ましく、0.8〜
3の範囲にあることがさらに好ましい。
【0025】またこの他に成分[C]の例として後述す
る有機アルミニウムオキシ化合物も、成分[A]の前駆
体の化学処理に用いることができる。成分[A]の前駆
体の化学処理に用いられる好ましい有機マグネシウム化
合物の例として、下記の式(4)で表される化合物が挙
げられる。 MgRn2-n (4) (式中、Rは、各々独立して、炭素数1〜12の直鎖
状,分岐状もしくは環状のアルキル基または炭素数6〜
20のアリール基を表し、Xは、各々独立して、ハライ
ド、ヒドリドまたは炭素数1〜10のアルコキシド基を
表し、nは1または2である)。
【0026】上記式(4)で表される化合物は、単独で
使用してもよいし組み合わせて使用してもよい。式
(4)中の基Rの例としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、フェニル基、トリル基等が挙げられる。式(4)中
の基Xの例としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキ
シ基、水素原子、塩素原子等が挙げられる。
【0027】成分[A]の前駆体の化学処理に用いられ
る有機マグネシウム化合物の具体例としては、ジエチル
マグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマ
グネシウム、ブチルオクチルマグネシウム等が挙げられ
る。成分[A]の前駆体を化学処理する場合、上述の有
機アルミニウム化合物または有機マグネシウム化合物
は、これらを混合した状態で使用してもよい。成分
[A]の前駆体を化学処理して成分[A]を得る場合
は、有機金属化合物は、成分[A]の前駆体の表面に存
在する水酸基のモル量と同じまたはそれより多い量が用
いられる。化学処理に用いられる有機金属化合物の上限
は、通常は成分[A]の前駆体の表面に存在する水酸基
のモル量の10倍量が好ましく、より好ましくは5倍
量、さらに好ましくは2倍量、特に好ましくは1.5倍
量、最も好ましくは1.3倍量である。
【0028】また、本発明において、成分[A]は実質
的に水酸基を有しないシリカであることが特に好まし
い。該シリカは、好ましくは150℃以上、より好まし
くは250℃以上の温度でシリカを加熱することによ
り、表面水酸基の量が好ましくはシリカ1g当たり0.
05〜10mmolに前処理されたシリカを有機金属化
合物で処理するという方法によって得られるものが好ま
しい。シリカ[成分[A]の前駆体]の処理のための有
機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物を使用
することが好ましく、前記式(3)の有機アルミニウム
化合物を使用することが特に好ましい。有機アルミニウ
ム化合物の使用量は、前処理されたシリカの表面水酸基
のモル量の1〜10倍が好ましい。上記の前処理された
シリカの表面水酸基は、前処理されたシリカ1g当たり
0.1〜5mmolであることがより好ましく、0.5
〜2mmolであることが最も好ましい。次に本発明に
おいて用いられる周期表第3〜11族から選ばれる可溶
性遷移金属化合物[B]について説明する。
【0029】本発明において用いられる成分[B]の例
としては、まず下記の式(1)で表される化合物を挙げ
ることができる。 LjkMXpX’q (1) (式中、Lは、各々独立して、シクロペンタジエニル
基、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオ
レニル基、テトラヒドロフルオレニル基、及びオクタヒ
ドロフルオレニル基からなる群より選ばれるη結合性環
状アニオン配位子を表し、該配位子は場合によっては1
〜8個の置換基を有し、該置換基は各々独立して炭素数
1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素数1〜12
のハロゲン置換炭化水素基、炭素数1〜12のアミノヒ
ドロカルビル基、炭素数1〜12のヒドロカルビルオキ
シ基、炭素数1〜12のジヒドロカルビルアミノ基、炭
素数1〜12のヒドロカルビルフォスフィノ基、シリル
基、アミノシリル基、炭素数1〜12のヒドロカルビル
オキシシリル基及びハロシリル基からなる群より選ばれ
る、20個までの非水素原子を有する置換基であり、M
は、形式酸化数が+2、+3または+4の周期表第4族
に属する遷移金属群から選ばれる遷移金属であって、少
なくとも1つの配位子Lにη5結合している遷移金属を
表し、Wは、50個までの非水素原子を有する2価の置
換基であって、LとMとに各々1価ずつの価数で結合
し、これによりL及びMと共働してメタロサイクルを形
成する2価の置換基を表し、Xは、各々独立して、1価
のアニオン性σ結合型配位子、Mと2価で結合する2価
のアニオン性σ結合型配位子、及びLとMとに各々1価
ずつの価数で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子
からなる群より選ばれる、60個までの非水素原子を有
するアニオン性σ結合型配位子を表し、X′は、各々独
立して、40個までの非水素原子を有する中性ルイス塩
基配位性化合物を表し、jは1または2であり、但し、
jが2である時、場合によっては2つの配位子Lが、2
0個までの非水素原子を有する2価の基を介して互いに
結合し、該2価の基は炭素数1〜20のヒドロカルバジ
イル基、炭素数1〜12のハロヒドロカルバジイル基、
炭素数1〜12のヒドロカルビレンオキシ基、炭素数1
〜12のヒドロカルビレンアミノ基、シランジイル基、
ハロシランジイル基及びシリレンアミノ基からなる群よ
り選ばれる基であり、kは0または1であり、pは0、
1または2であり、但し、Xが1価のアニオン性σ結合
型配位子、またはLとMとに結合している2価のアニオ
ン性σ結合型配位子である場合、pはMの形式酸化数よ
り1以上小さい整数であり、またXがMにのみ結合して
いる2価のアニオン性σ結合型配位子である場合、pは
Mの形式酸化数より(j+1)以上小さい整数であり、
qは0、1または2である)。
【0030】上記式(1)の化合物中の配位子Xの例と
しては、ハライド、炭素数1〜60の炭化水素基、炭素
数1〜60のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜60
のヒドロカルビルアミド基、炭素数1〜60のヒドロカ
ルビルフォスフィド基、炭素数1〜60のヒドロカルビ
ルスルフィド基、シリル基、これらの複合基等が挙げら
れる。上記式(1)の化合物中の中性ルイス塩基配位性
化合物X′の例としては、フォスフィン、エーテル、ア
ミン、炭素数2〜40のオレフィン、炭素数1〜40の
ジエン、これらの化合物から誘導される2価の基等が挙
げられる。本発明において用いられる成分[B]の例と
しては、次に下記の式(5)で表される化合物を挙げる
ことができる。
【0031】
【化1】
【0032】(式中、R1及びR4 は、それぞれ独立に
炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基又は全炭素数7〜2
0の環上に炭化水素基を有する芳香族基、R2及びR
3は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の炭
化水素基を示し、R2とR3はたがいに結合して環を形成
していてもよく、X及びYは、それぞれ独立にハロゲン
原子又は炭素数1〜20の炭化水素基、Mは、ニッケル
又はパラジウムを示す。)で表される錯体化合物を挙げ
ることができる。
【0033】上記一般式(5)において、R1及びR4
うちの炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、炭
素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は
炭素数3〜20のシクロアルキル基など、具体的にはメ
チル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オク
タデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ
クロオクチル基などが挙げられる。なお、シクロアルキ
ル基の環上には低級アルキル基などの適当な置換差が導
入されていてもよい。
【0034】また、全炭素数7〜20の環上に炭化水素
基を有する芳香族基としては、例えばフェニル基やナフ
チル基などの芳香族環上に、炭素数1〜10の直鎖状,
分岐状又は環状のアルキル基が1個以上導入された基な
どが挙げられる。このR1及びR4としては、環上に炭化
水素基を有する芳香族基が好ましく、特に2,6−ジイ
ソプロピルフェニル基が好適である。R1及びR4は、た
がいに同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0035】また、R2及びR3のうちの炭素数1〜20
の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の直鎖状
または分岐状アルキル基,炭素数3〜20のシクロアル
キル基、炭素数6〜20のアリール基,炭素数7〜20
のアラルキル基などが挙げられる。ここで、炭素数1〜
20の直鎖状または分岐状アルキル基、炭素数3〜20
のシクロアルキル基としては、前記R1及びR4のうちの
炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基の説明において例示
したものと同じものを挙げることができる。また炭素数
6〜20のアリール基としては、例えばフェニル基,ト
リル基,キシリル基,ナフチル基,メチルナフチル基な
どが挙げられ、炭素数7〜20のアラルキル基として
は、例えばベンジル基やフェネチル基などが挙げられ
る。
【0036】このR2及びR3は、たがいに同一であって
もよく、異なっていてもよい。また、たがいに結合して
環を形成していてもよい。一方、X及びYのうちのハロ
ゲン原子としては、塩素,臭素またはヨウ素原子などが
挙げられ、また、炭素数1〜20の炭化水素基は、上記
2及びR3における炭素数1〜20の炭化水素基につい
て、説明したとおりである。このX及びYとしては、特
に臭素原子またはメチル基が好ましい。また、XとY
は、たがいに同一であってもよく異なっていてもよい。
本発明において、成分[B]としては、前記式(1)
(ただし、j=1)で表される遷移金属化合物が好まし
い。前記式(1)(ただし、j=1)で表される化合物
の好ましい例としては、下記の式(6)で表される化合
物が挙げられる。
【0037】
【化2】
【0038】(式中、Mは、チタン、ジルコニウム及び
ハフニウムからなる群より選ばれる遷移金属であって、
形式酸化数が+2、+3または+4である遷移金属を表
し、R 5は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜8の
炭化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲ
ン原子及びこれらの複合基からなる群より選ばれる、2
0個までの非水素原子を有する置換基を表し、但し、該
置換基R5が炭素数1〜8の炭化水素基、シリル基また
はゲルミル基である時、場合によっては2つの隣接する
置換基R5が互いに結合して2価の基を形成し、これに
より該2つの隣接する該置換基R5にそれぞれ結合する
シクロペンタジエニル環の2つの炭素原子間の結合と共
働して環を形成し、X″は、各々独立して、ハライド、
炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜18のヒドロ
カルビルオキシ基、炭素数1〜18のヒドロカルビルア
ミノ基、シリル基、炭素数1〜18のヒドロカルビルア
ミド基、炭素数1〜18のヒドロカルビルフォスフィド
基、炭素数1〜18のヒドロカルビルスルフィド基及び
これらの複合基からなる群より選ばれる、20個までの
非水素原子を有する置換基を表し、但し、場合によって
は2つの置換基X″が共働して炭素数4〜30の中性共
役ジエンまたは2価の基を形成し、Y´は、−O−、−
S−、−NR*−または−PR*−を表し、但し、R
*は、水素原子、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数
1〜8のヒドロカルビルオキシ基、シリル基、炭素数1
〜8のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のハロゲ
ン化アリール基、またはこれらの複合基を表し、ZはS
iR* 2、CR* 2、SiR* 2SiR* 2、CR* 2CR* 2、C
*=CR*、CR* 2SiR* 2またはGeR* 2を表し、但
し、R*は上で定義した通りであり、nは1、2または
3である)。
【0039】本発明において用いられる成分[B]の具
体例としては、以下に示すような化合物が挙げられる。
ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムハイ
ドライド、ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコ
ニウムハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)フ
ェニルジルコニウムハイドライド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ベンジルジルコニウムハイドライド、ビス
(シクロペンタジエニル)ネオペンチルジルコニウムハ
イドライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジメチル、ビス(n−ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジメチル、ビス(インデニル)ジル
コニウムジメチル、
【0040】(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
メチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
フェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジベンジル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジハイドライド、ビス(フルオレニル)ジルコニウム
ジメチル、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジ
メチル、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジエ
チル、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジハイ
ドライド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒド
ロ−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレン
ビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジメ
チル、エチレンビス(5−メチル−1−インデニル)ジ
ルコニウムジメチル、
【0041】エチレンビス(6−メチル−1−インデニ
ル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(7−メチル
−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビ
ス(5−メトキシ−1−インデニル)ジルコニウムジメ
チル、エチレンビス(2,3−ジメチル−1−インデニ
ル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(4,7−ジメ
チル−1−インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレ
ンビス−(4,7−ジメトキシ−1−インデニル)ジルコ
ニウムジメチル、メチレンビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジハイドライド、メチレンビス(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
【0042】イソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジハイドライド、イソプロピリデン
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、イソ
プロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)
ジルコニウムジハイドライド、イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジメチ
ル、シリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジハイドライド、シリレンビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジハイドライド、ジメチ
ルシリレン(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメ
チル、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η
5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル]
チタニウムジメチル、[(N−t−ブチルアミド)(テ
トラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシ
ラン]チタニウムジメチル、
【0043】[(N−メチルアミド)(テトラメチル−
η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニ
ウムジメチル、[(N−フェニルアミド)(テトラメチ
ル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チ
タニウムジメチル、[(N−ベンジルアミド)(テトラ
メチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラ
ン]チタニウムジメチル、[(N−t−ブチルアミド)
(η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイ
ル]チタニウムジメチル、
【0044】[(N−t−ブチルアミド)(η5−シク
ロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチ
ル、[(N−メチルアミド)(η5−シクロペンタジエ
ニル)−1,2−エタンジイル]チタニウムジメチル、
[(N−メチルアミド)(η 5−シクロペンタジエニ
ル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−t
−ブチルアミド)(η5−インデニル)ジメチルシラ
ン]チタニウムジメチル、[(N−ベンジルアミド)
(η5−インデニル)ジメチルシラン]チタニウムジメ
チル等。
【0045】本発明において用いられる成分[B]の具
体例としては、さらに、成分[B]の具体例として上に
挙げた各ジルコニウム及びチタン化合物の名称の「ジメ
チル」の部分(これは、各化合物の名称末尾の部分、す
なわち「ジルコニウム」または「チタニウム」という部
分の直後に現れているものであり、前記式(6)中の
X″の部分に対応する名称である)を、以下に掲げる任
意のものに替えてできる名称を持つ化合物も挙げられ
る。
【0046】「ジベンジル」、「2−(N,N−ジメチ
ルアミノ)ベンジル」、「2−ブテン−1,4−ジイ
ル」、「s−トランス−η4−1,4−ジフェニル−
1,3−ブタジエン」、「s−トランス−η4−3−メ
チル−1,3−ペンタジエン」、「s−トランス−η4
−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン」、「s−
トランス−η4−2,4−ヘキサジエン」、「s−トラ
ンス−η4−1,3−ペンタジエン」、「s−トランス
−η4−1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン」、
「s−トランス−η4−1,4−ビス(トリメチルシリ
ル)−1,3−ブタジエン」、
【0047】「s−シス−η4−1,4−ジフェニル−
1,3−ブタジエン」、「s−シス−η4−3−メチル
−1,3−ペンタジエン」、「s−シス−η4−1,4
−ジベンジル−1,3−ブタジエン」、「s−シス−η
4−2,4−ヘキサジエン」、「s−シス−η4−1,3
−ペンタジエン」、「s−シス−η4−1,4−ジトリ
ル−1,3−ブタジエン」、「s−シス−η4−1,4
−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエン」
等。
【0048】本発明において用いられる遷移金属化合物
[B]は、一般に公知の方法で合成できる。本発明にお
いて成分[B]として用いられる遷移金属化合物の好ま
しい合成法の例としては、米国特許第5,491,24
6号明細書に開示された方法を挙げることができる。本
発明においてこれら遷移金属化合物成分[B]は単独で
使用してもよいし組み合わせて使用してもよい。
【0049】次に本発明において、遷移金属化合物
[B]と反応して触媒活性を有する金属錯体を形成する
ことが可能である活性化剤化合物[C]について説明す
る。成分[C]として例えば、有機アルミニウムオキシ
化合物が挙げられる。本発明で用いられる好ましい有機
アルミニウムオキシ化合物は、例えば下記のような方法
によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶
液として得られる。 (1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する
塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化
合物とを反応させる方法。
【0050】(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキル
アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、
氷または水蒸気を作用させる方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0051】なお該有機アルミニウムオキシ化合物は、
少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された
上記の有機アルミニウムオキシ化合物の溶液から、溶媒
または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去し
た後、溶媒に再溶解または有機アルミニウムオキシ化合
物の貧溶媒に懸濁させてもよい。有機アルミニウムオキ
シ化合物を調製する際に用いられる有機アルミニウム化
合物として具体的には、トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリ
イソプロピルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチル
アルミニウム、トリtert−ブチルアルミニウム、ト
リペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、
トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムな
どのトリアルキルアルミニウム、
【0052】トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシ
クロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルア
ルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチル
アルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキ
ルアルミニウムハライド、ジエチルアルミニウムハイド
ライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどの
ジアルキルアルミニウムハイドライド、ジメチルアルミ
ニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシドな
どのジアルキルアルミニウムアルコキシド、ジエチルア
ルミニウムフェノキシドなどのジアルキルアルミニウム
アリーロキシドなどが挙げられる。
【0053】これらのうち、トリアルキルアルミニウ
ム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリ
メチルアルミニウムが特に好ましい。このほかに成分
[C]として例えば、粘土、粘土鉱物またはイオン交換
性層状化合物があげられる。この場合、前記した式
(3)で表される有機アルミニウム化合物が同時に用い
られるのが好ましい。この際、トリアルキルアルミニウ
ムが好ましく用いられる。
【0054】本発明で用いられる粘土は、通常粘土鉱物
を主成分として構成されるのが好ましく、イオン交換性
層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が
互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる
化合物であって含有するイオンが交換可能なものが好ま
しい。また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化
合物として、六方細密パッキング型、アンチモン型、C
dCl2型、CdI2型などの層状の結晶構造を有するイ
オン結晶性化合物などを例示することができる。これら
の粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、
天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもで
きる。
【0055】このような粘土、粘土鉱物として具体的に
は、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘
土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウ
ンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョ
クデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクラ
イト、ディッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、イ
オン交換性層状化合物としては、α−Zr(HAsO4)
2・H2O、α−Zr(HPO4)2、α−Zr(KPO4)2
・3H2O、α−Ti(HPO4)2、α−Ti(HAsO
4)2・H2O、α−Sn(HPO4)2・H2O、γ−Zr
(HPO4)2、γ−Ti(HPO4)2、γ−Ti(NH4
PO4)2・H2Oなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙
げられる。
【0056】このような粘土、粘土鉱物、イオン交換性
層状化合物は、重合活性の観点から、水銀圧入法で測定
した半径2nm以上の細孔容積が0.1cm3/g以上の
ものが好ましく、0.3〜5cm3/gのものが特に好
ましい。ここで、細孔容積の測定は、水銀ポロシメータ
ーを用いた水銀圧入法により細孔半径として2〜3×1
3nmの範囲で測定される。本発明で用いられる粘土、
粘土鉱物は、化学処理を施すこともできる。化学処理と
しては、表面に付着している不純物を除去する表面処理
と粘土の結晶構造に影響を与える処理のいずれをも用い
ることができる。具体的には酸処理、アルカリ処理、塩
類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面
の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、M
gなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増
大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊さ
れ、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有
機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体
などを形成し、表面積や層間距離を変えることができ
る。
【0057】本発明で用いられるイオン交換性層状化合
物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別
の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡
大した状態の層状化合物を得ることもできる。ここで嵩
高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担って
おり、ピラーと呼ばれる。また、層状物質の層間に別の
物質(ゲスト化合物)を導入することをインターカレー
ションという。インターカレーションするゲスト化合物
としては、TiCl4 、ZrCl4などの陽イオン性無
機化合物;Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(O
R)3、B(OR)3、(Rは炭化水素基など)などの金属
アルコラート;[Al134(OH)2 47+、[Zr4(O
H)142+、[Fe3O(OCOCH3)6+などの金属
水酸化物イオンなどが挙げられる。これらの化合物は単
独でまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0058】また、これらの化合物をインターカレーシ
ョンする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(O
R)4(Rは炭化水素基など)などの金属アルコラートな
どを加水分解して得た重合物、SiO2などのコロイド
状無機化合物などを共存させることもできる。また、ピ
ラーの他の例としては上記水酸化物イオンを層間にイン
ターカレーションした後に加熱脱水することにより生成
する酸化物などが挙げられる。
【0059】本発明で用いられる粘土、粘土鉱物、イオ
ン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよいし、ボー
ルミルによる粉砕、ふるい分けなどの処理を行った後に
用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるい
は加熱脱水処理した後用いてもよい。さらに、単独で用
いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これら
の中で、好ましいものは粘土または粘土鉱物であり、特
に好ましいものはモンモリロナイトである。
【0060】さらに成分[C]として例えば、以下の一
般式(7)で定義される化合物が挙げられる。 [L−H]d+[Mmpd- (7) 但し、式中[L−H]d+はプロトン付与性のブレンステ
ッド酸であり、Lは中性ルイス塩基である。また、式中
[Mmpd-は相溶性の非配位性アニオンであり、Mは
周期律表第5族乃至第15族から選ばれる金属又はメタ
ロイドであり、Qは各々独立にヒドリド、ジアルキルア
ミド基、ハライド、アルコキサイド基、アリロキサイド
基、炭化水素基、炭素数20までの置換炭化水素基であ
り、またハライドであるQは1個以下である。また、m
は1乃至7の整数であり、pは2乃至14の整数であ
り、dは1乃至7の整数であり、p−m=dである。
【0061】本発明において、成分[C]の好ましい例
としては以下の一般式(8)で表される。 [Mmn(Gq(T−H)rzd- (8) 但し、Mは周期律表第5族乃至15族から選ばれる金属
またはメタロイドである。Qは、一般式(7)に定義の
通りであり、Gは硼素及びTと結合するr+1の価数を
持つ多価炭化水素基であり、TはO、S、NR、又はP
Rであり、ここでRはヒドロカルビル、トリヒドロカル
ビルシリル基、トリヒドロカルビルゲルマニウム基、ま
たは水素である。
【0062】また、mは1〜7の整数であり、nは0〜
7の整数であり、qは0又は1の整数であり、rは0〜
3の整数であり、zは1〜8の整数であり、dは1〜7
の整数であり、n+z−m=dである。本発明の成分
[C]の更に好ましい例は、以下の一般式(9)で表さ
れる。 [L−H]+[BQ3Q’]- (9) 但し、式中[L−H]+はプロトン付与性のブレンステ
ッド酸であり、Lは中性ルイス塩基である。また、式中
[BQ3Q’]-は相溶性の非配位性アニオンであり、Q
はペンタフルオロフェニル基であり、残る1つのQ’は
置換基としてOH基を1つ有する炭素数6乃至20の置
換アリール基である。
【0063】本発明の相溶性の非配位性アニオンの具体
例としては、例えば、テトラキスフェニルボレート、ト
リ(p−トリル)(フェニル)ボレート、トリス(ペン
タフルオロフェニル)(フェニル)ボレート、トリス
(2,4−ジメチルフェニル)(ヒドフェニル)ボレー
ト、トリス(3,5−ジメチルフェニル)(フェニル)
ボレート、トリス(3,5−ジ−トリフルオリメチルフ
ェニル)(フェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオ
ロフェニル)(シクロヘキシル)ボレート、トリス(ペ
ンタフルオロフェニル)(ナフチル)ボレート、テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニ
ル(ヒドロキシフェニル)ボレート、ジフェニル−ジ
(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリフェニル(2,
4−ジヒドロキシフェニル)ボレート、トリ(p−トリ
ル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペンタ
フルオロフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、
トリス(2,4−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェ
ニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)
(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジ
−トリフルオリメチルフェニル)(ヒドロキシフェニ
ル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(2
−ヒドロキシエチル)ボレート、トリス(ペンタフルオ
ロフェニル)(4−ヒドロキシブチル)ボレート、トリ
ス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシ−シク
ロヘキシル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)(4−(4´−ヒドロキシフェニル)フェニル)ボ
レート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(6−ヒド
ロキシ−2−ナフチル)ボレート等が挙げられ、最も好
ましくはトリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒド
ロキシフェニル)ボレートが挙げられる。
【0064】他の好ましい相溶性の非配位性アニオンの
例としては、上記例示のボレートのヒドロキシ基がNH
R基で置き換えられたボレートが挙げられる。ここで、
Rは好ましくは、メチル基、エチル基またはt−ブチル
基である。また、本発明のプロトン付与性のブレンステ
ッド酸の具体例としては、例えば、トリエチルアンモニ
ウム、トリプロピルアンモニウム、トリ(n−ブチル)
アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリブチルア
ンモニウム及びトリ(n−オクチル)アンモニウム等の
ようなトリアルキル基置換型アンモニウムカチオンが挙
げられ、また、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N
−ジエチルアニリニウム、N,N−2,4,6−ペンタ
メチルアニリニウム、N,N−ジメチルベンジルアニリ
ニウム等のようなN,N−ジアルキルアニリニウムカチ
オンも好適である。
【0065】さらに、ジ−(i−プロピル)アンモニウ
ム、ジシクロヘキシルアンモニウム等のようなジアルキ
ルアンモニウムカチオンも好適であり、トリフェニルフ
ォスフォニウム、トリ(メチルフェニル)フォスフォニ
ウム、トリ(ジメチルフェニル)フォスフォニウム等の
ようなトリアリールフォスフォニウムカチオン、または
ジメチルスルフォニウム、ジエチルフルフォニウム、ジ
フェニルスルフォニウム等も好適である。
【0066】本発明においては、これら活性化剤化合物
成分[C]を単独で使用してもよいし組み合わせて使用
してもよい。本発明において、各成分の使用量、使用量
の比も特に制限されないが、成分[B]が反応するのに
十分な量の成分[C]を用いることが好ましい。本発明
において、成分[B]は成分[A]1gに対して好まし
くは5×10-6〜10-2モル、より好ましくは10-5
10-3モルの量で用いられる。
【0067】成分[A]、[B]及び[C]を接触させ
た場合、条件によっては反応溶媒中に一部未反応の成分
[B]が存在することがあり、成分[B]が可溶な溶媒
を用いて洗浄する方法や、加熱および/または減圧処理
する方法等により未反応の成分[B]を除去することが
行われる。本発明においては、予備重合をすることで、
こうした未反応の成分[B]を除去する工程を省くこと
も可能である。予備重合においては、成分[A]1gに
対して、成分[B]は好ましくは10× -5〜5×103
モル、より好ましくは5×10-5〜10-3モルの量で用
いられることが望ましい。予備重合温度は通常−20〜
80℃が好ましく、より好ましくは0〜50℃の範囲で
あり、予備重合時間は予備重合温度によっても異なるが
通常0.5〜100時間が好ましく、より好ましくは1
〜50時間程度である。
【0068】重合圧力は、通常、常圧〜10MPaが好
ましく、より好ましくは0.1〜5MPa 、さらに好
ましくは0.2〜1MPaの条件下である。また予備重
合によって生成する重合体量は、固体成分1g当り、約
0.1〜500gが好ましく、より好ましくは0.3〜
300g、特に好ましくは1〜100gの範囲である。
予備重合に用いられるオレフィンとしては後述する重合
時に用いられるオレフィンの中から選ばれるのが好まし
く、より好ましくは、エチレンと炭素数2〜20のα−
オレフィンの混合物である。
【0069】予備重合するポリオレフィンのZ平均分子
量は500000以下が好ましく、分子量が大きすぎる
場合には、その触媒を用いて、フィルム等を製造した
際、ゲルの発生により外観不良や機械特性に悪影響が生
じる。なお、本発明のオレフィン重合用触媒は、後述す
る脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のスラリーとして重
合器に添加する方法が好ましい。次にエチレンの重合を
本発明の触媒の存在下で行なう具体的な態様について説
明する。本発明のオレフィン重合用触媒を用いて、エチ
レンを単独重合させるか、あるいはエチレンと好ましく
は炭素数3〜20のα−オレフィン、炭素数3〜20の
環状オレフィン、式CH2 =CHR(但し、Rは炭素数
6〜20のアリール基である。)で表される化合物、及
び炭素数4〜20の直鎖状、分岐状または環状のジエン
よりなる群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンと
を共重合させることができる。
【0070】本発明で、炭素数3〜20のα−オレフィ
ンとは、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オ
クテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、及び1−エ
イコセンよりなる群から選ばれ、炭素数3〜20の環状
オレフィンとは、例えば、シクロペンテン、シクロヘキ
セン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2
−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、及び2−メチ
ル−1.4,5.8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンよりなる群
から選ばれ、一般式CH2=CHR(式中Rは炭素数6
〜20のアリール基である。)で表わされる化合物と
は、例えば、スチレン、ビニルシクロヘキサン等であ
り、炭素数4〜20の直鎖状、分岐状または環状のジエ
ンとは、例えば、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタ
ジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエ
ン、及びシクロヘキサジエンよりなる群から選ばれる。
【0071】エチレンと上記オレフィン(コモノマー)
との共重合により、エチレン重合体の密度や物性を制御
可能である。本発明によるオレフィンの重合は、懸濁重
合法あるいは気相重合法いずれにおいても実施できる。
懸濁重合法においては、懸濁重合の媒体として不活性炭
化水素媒体を用いることができ、さらにオレフィン自身
を溶媒として用いることもできる。かかる不活性炭化水
素媒体としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エ
チルクロライド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等の
ハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物等を挙げるこ
とができる。
【0072】このような、本発明のオレフィン重合用触
媒を用いたエチレンの重合における触媒フィード量は、
例えば1時間当たりに得られる重合体の質量に対して触
媒が1wt%〜0. 001wt%となるように重合系中
の触媒濃度を調整することが望ましい。また重合温度
は、通常、0℃以上が好ましく、より好ましくは50℃
以上、さらに好ましくは60℃以上であり、且つ150
℃以下が好ましく、より好ましくは110℃以下、さら
に好ましくは100℃以下の範囲である。重合圧力は、
通常、常圧〜10MPaが好ましく、より好ましくは
0.2〜5MPa、さらに好ましくは0.5〜3MPa
の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続
式のいずれの方法においても行なうことができる。ま
た、重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行なうこ
とも可能である。
【0073】さらに、例えば、DE3127133.2
に記載されているように、得られるオレフィン重合体の
分子量は、重合系に水素を存在させるか、あるいは重合
温度を変化させることによって調節することもできる。
なお、本発明では、オレフィン重合用触媒は、上記のよ
うな各成分以外にもオレフィン重合に有用な他の成分を
含むことができる。以下、実施例などに基づき、本発明
をさらに具体的に説明する。
【0074】実施例および比較例において得られた予備
重合触媒及びポリエチレンの物性の測定方法は以下の通
りである。 (1)物性測定のためのポリマー前処理:東洋精機(株)
製プラストグラフを用い、添加剤としてチバガイギー社
製をB225を0.2wt%添加し、窒素下、190℃、
5分間混練した。 (2)分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(日本ウォーターズ社製、商品名150−GPC)を使
用し、カラムとしてSHODEX AT−807Sを一
本と、TOSO TSK−GEL GMH−6Hを2本つ
ないで使用した。さらに、溶媒として1,2,4−トリ
クロルベンゼンを使用して、カラム温度140℃で測定
した。
【0075】
【実施例1】(成分[A]の調製)20gのシリカP−
10[富士シリシア社(日本国)製]を、窒素雰囲気
下、400℃で5時間焼成し、脱水した。脱水シリカの
表面水酸基の量は、1.3mmol/g−SiO2であ
った。この脱水シリカ20gをヘキサン800ml中に
分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーにトリエ
チルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1M)を30m
l加え、1時間攪拌し、トリエチルアルミニウムとシリ
カの表面水酸基とを反応させ、トリエチルアルミニウム
処理されたシリカと上澄み液とを含み、該トリエチルア
ルミニウム処理されたシリカの全ての表面水酸基がつぶ
されている成分[A]を得た。その後、得られた反応混
合物中の上澄み液をデカンテーションによって除去する
ことにより、上澄み液中の未反応のトリエチルアルミニ
ウムを除去した。その後、ヘキサンを適量加え、トリエ
チルアルミニウム処理されたシリカのヘキサンスラリー
800mlを得た。デカンテーションによって除去され
た上澄み液は、上澄み液のトリエチルアルミニウム含有
量を測定するための試験に付された。試験の結果、上澄
み液のトリエチルアルミニウム含有量は0.07mmo
lであることが分かった。
【0076】(シリカに担持された触媒の調製)ビス
(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウム−トリス
(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニ
ル)ボレート(以下、「ボレート」と略称する)22.
8gをトルエン200mlに添加して溶解し、ボレート
の100mMトルエン溶液を得た。このボレートのトル
エン溶液にエトキシジメチルアルミニウムの1Mトルエ
ン溶液20mlを室温で加え、さらにトルエンを加えて
トルエン溶液中のボレート濃度が50mMとなるように
した。その後、室温で1時間攪拌し、ボレートを含む反
応混合物を得た。
【0077】ボレートを含むこの反応混合物20ml
を、上で得られた、成分[A]のスラリー800mlに
加え、1時間攪拌し、ボレートをシリカに担持した。こ
うして、ボレートを担持したシリカのスラリーが得られ
た。得られたスラリーに、[(N−t−ブチルアミド)
(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチ
ルシラン]チタニウム−1,3−ペンタジエン(以下、
「チタニウム錯体」という)200mmolをアイソパ
ーE[エクソンケミカル社(米国)製の体炭化水素混合
物の商品名]1000mlに溶解して得られる溶液5m
lを加え、3時間攪拌し、チタニウム錯体とボレートと
を反応させた。こうして、シリカと上澄み液とを含み、
触媒活性種が該シリカ上に形成されている反応混合物を
得た。
【0078】(予備重合触媒の調整)系の温度を15℃
とした後、上記の反応混合物に、エチレンガスを導入
し、温度を15℃に保ったまま3分かけて6gのエチレ
ンを重合した。続けて、1−ヘキセン40mmolを5
分かけて加え、更にオートクレーブ内圧が0.2MPa
となるように連続的にエチレンガスを加えた。この間
に、系内の温度は上昇した。系内の温度を30℃にコン
トロールしながら、3時間かけて66gのエチレンを重
合した。この予備重合触媒の一部をサンプリングし、ポ
リオレフィン部の分子量をGPCにより測定したところ
Z平均分子量は378000であった。
【0079】(エチレンと1−ブテンとの共重合)容量
1.8lのオートクレーブにヘキサン800mlを入
れ、このオートクレーブに加圧されたエチレンを入れて
オートクレーブの内圧を1MPaに高め、さらに1−ブ
テン5mlをオートクレーブに入れた。次いで、オート
クレーブの内温を75℃に高め、上で得られた予備重合
触媒30mgを、オートクレーブに加え、エチレンと1
−ブテンとの共重合を開始した。オートクレーブの内圧
が1MPaに維持されるようにエチレンをオートクレー
ブに加えながら、30分間共重合を行った。共重合終了
後、オートクレーブから反応混合物(コポリマーのスラ
リー)を抜き出し、メタノールで触媒を失活させた。そ
の後、反応混合物を濾過、洗浄、乾燥し、コポリマーの
乾燥粉末45gを得た。オートクレーブの内部を検査し
たところ、オートクレーブの内壁等にはポリマーの付着
物は全く観察されなかった。触媒の触媒活性は3000
kg−PE/g−Tiであった。得られたコポリマーの
粉末は、平均粒径350μmで、嵩密度0.33g/c
3であり、極めて優れた流動性を示した。よって、得
られたコポリマーの粉末は極めて優れた粉末特性を示す
ことが分かった。
【0080】(ゲルの評価)得られたコポリマーについ
て、東洋精機(株)製2軸延伸装置を用い、下記の条件
で、プレスにて得られた厚み0.5mm、縦横90mm×
90mmのプレス板を加熱延伸し、フィルム化してゲル
の有無を観察したところ、ゲルは観察されなかった。条
件延伸温度:130℃、予熱時間:3分、延伸速度:3
m/分、延伸倍率:最大(縦)5倍×(横)5倍。
【0081】
【実施例2】(成分[A]の調製)1gのシリカP−1
0[富士シリシア社(日本国)製]を、窒素雰囲気下、
400℃で5時間焼成し、脱水した。脱水シリカの表面
水酸基の量は、1.3mmol/g−SiO2であっ
た。この脱水シリカ1gをヘキサン40ml中に分散さ
せ、スラリーを得た。得られたスラリーにトリイソブチ
ルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1M)を1.5m
l加え、1時間攪拌し、トリイソブチルアルミニウムと
シリカの表面水酸基とを反応させ、トリイソブチルアル
ミニウム処理されたシリカと上澄み液とを含み、該トリ
イソブチルアルミニウム処理されたシリカの全ての表面
水酸基がつぶされている成分[A]を得た。その後、得
られた反応混合物中の上澄み液をデカンテーションによ
って除去することにより、上澄み液中の未反応のトリイ
ソブチルアルミニウムを除去した。その後、ヘキサンを
適量加え、トリイソブチルアルミニウム処理されたシリ
カのヘキサンスラリー50mlを得た。デカンテーショ
ンによって除去された上澄み液は、上澄み液のトリイソ
ブチルアルミニウム含有量を測定するための試験に付さ
れた。試験の結果、上澄み液のトリイソブチルアルミニ
ウム含有量は0.07mmolであることが分かった。
【0082】(シリカに担持された触媒の調製)ビス
(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウム-トリス
(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニ
ル)ボレート(以下、「ボレート」と略称する)1.1
4gをトルエン10mlに添加して溶解し、ボレートの
100mMトルエン溶液を得た。このボレートのトルエ
ン溶液にメチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製MMA
O3A、1.96mMトルエン溶液)0.5mlを添加
し、さらにトルエンを加えてボレートの濃度がボレート
換算で50mMとなるよう濃度調整した後、室温で30
分、さらに70℃で1時間攪拌し、ボレート−MMAO
混合溶液を得た。
【0083】上で得られた成分[A]のスラリー100
mlにボレートを含む上記反応混合物1.4mlを加
え、1時間攪拌し、ボレートをシリカに担持した。こう
して、ボレートを担持したシリカのスラリーが得られ
た。得られたスラリーに、[(N−t−ブチルアミド)
(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチ
ルシラン]チタニウム−1,3−ペンタジエン(以下、
「チタニウム錯体」という)10mmolをアイソパー
E100mlに溶解して得られる溶液0.7mlを加
え、3時間攪拌し、チタニウム錯体とボレートとを反応
させた。
【0084】(予備重合触媒の調整)系の温度を30℃
とした後、上記の反応混合物に、エチレンガスを導入
し、温度を30℃に保ったまま2分かけて0.5gのエ
チレンを重合した。続けて、1−ヘキセン5mmolを
1分かけて加え、更にオートクレーブ内圧が0.2MP
aとなるように連続的にエチレンガスを加えた、系内の
温度を30℃にコントロールしながら、3時間かけて
4.5gのエチレンを重合した。この予備重合触媒の一
部をサンプリングし、ポリオレフィン部の分子量をGP
Cにより測定したところZ平均分子量は321000で
あった。
【0085】(エチレンと1−ブテンとの共重合)実施
例1と同様の方法で共重合を行った。共重合終了後、オ
ートクレーブから反応混合物(コポリマーのスラリー)
を抜き出し、メタノールで触媒を失活させた。その後、
反応混合物を濾過、洗浄、乾燥し、コポリマーの乾燥粉
末40gを得た。オートクレーブの内部を検査したとこ
ろ、オートクレーブの内壁等にはポリマーの付着物は全
く観察されなかった。触媒の触媒活性は2864kg−
PE/g−Ti・hrであった。得られたコポリマーの
粉末は、平均粒径380μmで、嵩密度0.31g/c
3であり、極めて優れた流動性を示した。よって、得
られたコポリマーの粉末は極めて優れた粉末特性を示す
ことが分かった。 (ゲルの評価)実施例1と同じ条件でゲルを観察したと
ころ、ゲルは観察されなかった。
【0086】
【実施例3】(成分[A]の調製)実施例2と同様の方
法で、成分[A]を得た。 (シリカに担持された触媒の調製)ビス(水素化タロウ
アルキル)メチルアンモニウム-テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート(以下、「ボレート」と略称
する)1.21gをトルエン10mlに添加して溶解
し、ボレートの100mMトルエン溶液を得た。
【0087】このボレートのトルエン溶液にトリメチル
アルミニウムの0.1Mトルエン溶液5mlを室温で加
え、さらにトルエンを加えてトルエン溶液中のボレート
濃度が50mMとなるようにした後、室温で1時間攪拌
し、ボレートを含む反応混合物を得た。ボレートを含む
この反応混合物1.2mlを、上で得られた、成分
[A]のスラリー50mlに加え、1時間攪拌し、ボレ
ートをシリカに担持した。こうして、ボレートを担持し
たシリカのスラリーが得られた。得られたスラリーに、
[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シ
クロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウム−
1,3−ペンタジエン(以下、「チタニウム錯体」とい
う)10mmolをアイソパーE100mlに溶解して
得られる溶液0.6mlを加え、3時間攪拌し、チタニ
ウム錯体とボレートとを反応させた。
【0088】(予備重合触媒の調整)系の温度を20℃
とした後、上記の反応混合物に、エチレンガスを導入
し、温度を20℃に保ったまま3分かけて1gのエチレ
ンを重合した。続けて、1−ヘキセン3mmolを2分
かけて加え、更にオートクレーブ内圧が0.2MPaと
なるように連続的にエチレンガスを加えた。この間に、
系内の温度は上昇した。系内の温度を40℃にコントロ
ールしながら、3時間かけて9gのエチレンを重合し
た。この予備重合触媒の一部をサンプリングし、ポリオ
レフィン部の分子量をGPCにより測定したところZ平
均分子量は289000であった。
【0089】(エチレンと1−ブテンとの共重合)予備
重合触媒として60mgを用いた以外は、実施例1と同
様の方法で共重合を行った。共重合終了後、オートクレ
ーブから反応混合物(コポリマーのスラリー)を抜き出
し、メタノールで触媒を失活させた。その後、反応混合
物を濾過、洗浄、乾燥し、コポリマーの乾燥粉末32g
を得た。オートクレーブの内部を検査したところ、オー
トクレーブの内壁等にはポリマーの付着物は全く観察さ
れなかった。触媒の触媒活性は2450kg−PE/g
−Ti・hrであった。得られたコポリマーの粉末は、
平均粒径350μmで、嵩密度0.32g/cm 3であ
り、極めて優れた流動性を示した。よって、得られたコ
ポリマーの粉末は極めて優れた粉末特性を示すことが分
かった。 (ゲルの評価)実施例1と同じ条件でゲルを観察したと
ころ、ゲルは観察されなかった。
【0090】
【比較例1】(シリカに担持された触媒の調製)実施例
1において予備重合をしない以外は同様な方法にて薄緑
色の固体触媒のヘキサンスラリーを得た。この場合スラ
リーの上澄みには黄色の着色が僅かに認められた。 (エチレンと1−ブテンとの共重合)実施例1と同様の
方法で共重合を行った。共重合終了後、オートクレーブ
から反応混合物(コポリマーのスラリー)を抜き出し、
メタノールで触媒を失活させた。その後、反応混合物を
濾過、洗浄、乾燥し、コポリマーの乾燥粉末45gを得
た。オートクレーブの内部を検査したところ、オートク
レーブの内壁等にはポリマーの付着物が観察された。触
媒の触媒活性は750kg−PE/g−Tiであった。
得られたコポリマーの粉末は、平均粒径220μmで、
嵩密度は0.29g/cm3であった。 (ゲルの評価)実施例1と同じ条件でゲルを観察したと
ころ、ゲルが観察された。
【0091】
【比較例2】(シリカに担持された触媒の調製)実施例
1において予備重合時に1−ヘキセンを加えない以外は
同様な方法にて薄緑白色の予備重合触媒のヘキサンスラ
リーを得た。この予備重合触媒の一部をサンプリング
し、ポリオレフィン部の分子量をGPCにより測定した
ところZ平均分子量は530000であった。
【0092】(エチレンと1−ブテンとの共重合)実施
例1と同様の方法で共重合を行った。共重合終了後、オ
ートクレーブから反応混合物(コポリマーのスラリー)
を抜き出し、メタノールで触媒を失活させた。その後、
反応混合物を濾過、洗浄、乾燥し、コポリマーの乾燥粉
末40gを得た。オートクレーブの内部を検査したとこ
ろ、オートクレーブの内壁等にはポリマーの付着物が観
察された。触媒の触媒活性は2670kg−PE/g−
Tiであった。得られたコポリマーの粉末は、平均粒径
340μmで、嵩密度は0.24g/cm3であった。 (ゲルの評価)実施例1と同じ条件でゲルを観察したと
ころ、ゲルが観察された。
【0093】
【発明の効果】本発明のオレフィン重合用触媒は、オレ
フィンの懸濁重合(スラリー重合)や気相重合に適用す
ることができ、重合中の反応器への付着等の現象が発生
せず且つ粉体性状の極めて優れた重合体粉末を、極めて
高い活性で、効果的、効率的に製造でき、従って商業プ
ラントの連続運転を実現可能なオレフィン重合用触媒、
特にエチレン重合用触媒を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC10A AC20A AC22 AC28A AC32 AC42 BA00A BA01B BB00A BB01B BC12B BC25B CA16C CA23C CA24C CA27C CA28C EB01 EB02 EC01 EC02 GB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 [A]実質的に水酸基を有しない固体成
    分、[B]周期表第3〜11族から選ばれる可溶性遷移
    金属化合物、[C]遷移金属化合物[B]と反応して触
    媒活性を有する金属錯体を形成することが可能である活
    性化剤化合物とから形成されていることを特徴とするオ
    レフィン重合用固体触媒成分にエチレン及びα−オレフ
    ィンを接触し、GPCによるZ平均分子量が50000
    0以下のポリオレフィンを前記固体触媒成分1gあたり
    0.01〜100g予備重合させることにより形成され
    てなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
  2. 【請求項2】 実質的に水酸基を有しない固体成分
    [A]が、シリカ、アルミナ、マグネシア、塩化マグネ
    シウム、ジルコニア、チタニア、酸化硼素、酸化カルシ
    ウム、酸化亜鉛、酸化バリウム、五酸化バナジウム、酸
    化クロム、酸化トリウム、これらの混合物または複合酸
    化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の物質であ
    ることを特徴とする、請求項1に記載のオレフィン重合
    用触媒。
  3. 【請求項3】 実質的に水酸基を有しない固体成分
    [A]が、請求項2に記載されている物質を150℃以
    上で加熱処理することにより1g当たり0.05〜10
    mmolの水酸基をその表面に有するようにし、さらに固体
    成分の表面に存在する水酸基のモル量の1倍モル量以上
    の有機金属化合物を用いて固体成分を処理する方法によ
    って得られることを特徴とする、請求項1または2に記
    載のオレフィン重合用触媒。
  4. 【請求項4】 周期表第3〜11族から選ばれる可溶性
    遷移金属化合物[B]が下記の式(1)で表されること
    を特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のオレ
    フィン重合用触媒。 LjkMXpX’q (1) (式中、Lは、各々独立して、シクロペンタジエニル
    基、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオ
    レニル基、テトラヒドロフルオレニル基、及びオクタヒ
    ドロフルオレニル基からなる群より選ばれるη結合性環
    状アニオン配位子を表し、該配位子は場合によっては1
    〜8個の置換基を有し、該置換基は各々独立して炭素数
    1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素数1〜12
    のハロゲン置換炭化水素基、炭素数1〜12のアミノヒ
    ドロカルビル基、炭素数1〜12のヒドロカルビルオキ
    シ基、炭素数1〜12のジヒドロカルビルアミノ基、炭
    素数1〜12のヒドロカルビルフォスフィノ基、シリル
    基、アミノシリル基、炭素数1〜12のヒドロカルビル
    オキシシリル基及びハロシリル基からなる群より選ばれ
    る、20個までの非水素原子を有する置換基であり、M
    は、形式酸化数が+2、+3または+4の周期表第4族
    に属する遷移金属群から選ばれる遷移金属であって、少
    なくとも1つの配位子Lにη5結合している遷移金属を
    表し、Wは、50個までの非水素原子を有する2価の置
    換基であって、LとMとに各々1価ずつの価数で結合
    し、これによりL及びMと共働してメタロサイクルを形
    成する2価の置換基を表し、Xは、各々独立して、1価
    のアニオン性σ結合型配位子、Mと2価で結合する2価
    のアニオン性σ結合型配位子、及びLとMとに各々1価
    ずつの価数で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子
    からなる群より選ばれる、60個までの非水素原子を有
    するアニオン性σ結合型配位子を表し、X′は、各々独
    立して、40個までの非水素原子を有する中性ルイス塩
    基配位性化合物を表し、jは1または2であり、但し、
    jが2である時、場合によっては2つの配位子Lが、2
    0個までの非水素原子を有する2価の基を介して互いに
    結合し、該2価の基は炭素数1〜20のヒドロカルバジ
    イル基、炭素数1〜12のハロヒドロカルバジイル基、
    炭素数1〜12のヒドロカルビレンオキシ基、炭素数1
    〜12のヒドロカルビレンアミノ基、シランジイル基、
    ハロシランジイル基及びシリレンアミノ基からなる群よ
    り選ばれる基であり、kは0または1であり、pは0、
    1または2であり、但し、Xが1価のアニオン性σ結合
    型配位子、またはLとMとに結合している2価のアニオ
    ン性σ結合型配位子である場合、pはMの形式酸化数よ
    り1以上小さい整数であり、またXがMにのみ結合して
    いる2価のアニオン性σ結合型配位子である場合、pは
    Mの形式酸化数より(j+1)以上小さい整数であり、
    qは0、1または2である)。
  5. 【請求項5】 遷移金属化合物[B]と反応して触媒活
    性を有する金属錯体を形成することが可能である活性化
    剤化合物[C]が下記の式(2)で表されることを特徴
    とする、請求項1〜4のいずれかに記載のオレフィン重
    合用触媒。 [L−H]d+[Mmpd- (2) (式中、[L−H]d+はプロトン供与性のブレンステッ
    ド酸を表し、但し、Lは中性のルイス塩基を表し、dは
    1〜7の整数であり;[Mmp]d-は両立性の非配位性
    アニオンを表し、但し、Mは、周期表第5族〜第15族
    のいずれかに属する金属またはメタロイドを表し、Q
    は、各々独立して、ヒドリド、ハライド、炭素数2〜2
    0のジヒドロカルビルアミド基、炭素数1〜30のヒド
    ロカルビルオキシ基、炭素数1〜30の炭化水素基、及
    び炭素数1〜40の置換された炭化水素基からなる群よ
    り選ばれ、但し、ハライドであるQの数は1以下であ
    り、mは1〜7の整数であり、pは2〜14の整数であ
    り、dは上で定義した通りであり、p−m=dであ
    る。)
  6. 【請求項6】 請求項第1項ないし第5項のいずれかに
    記載のオレフィン重合用固体触媒の存在下で、オレフィ
    ンを重合または共重合させることを特徴とするオレフィ
    ンの重合方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015160859A (ja) * 2014-02-26 2015-09-07 三井化学株式会社 オレフィン重合に用いる予備重合触媒成分の製造方法および当該予備重合触媒成分を用いたオレフィン重合体の製造方法
US10562994B2 (en) 2015-06-15 2020-02-18 Lg Chem, Ltd. Polyolefin for preparing fiber and fiber comprising the same

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