JP2001289802A - 蛍光x線分析装置及びそれに使用するx線検出器 - Google Patents

蛍光x線分析装置及びそれに使用するx線検出器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベリリウム薄板を改良し、硬X線領域に限ら
ず軟X線領域の蛍光X線をも検出可能で、構造及び取扱
いが簡単な蛍光X線分析装置とX線検出器を提供する。 【解決手段】 真空試料室100内に載置した試料Sに
X線管200からのX線を照射し、試料から発生する蛍
光X線KXを分光素子350により分光し、この分光し
た蛍光X線の強度をX線検出器400により測定して分
析する蛍光X線分析装置において、蛍光X線の強度を測
定するX線検出器400は、厚さ約1〜5μmのベリリ
ウム薄板431の片側面又は両側面に、厚さ50〜50
0nmのホウ素薄膜432をコーティングした窓部材4
30を入射窓部420に備えており、これにより、波長
1nm以下の硬X線のみならず波長1nm以上の軟X線
を実効的に検出可能とする。このX線検出器は封入型が
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光X線を測定し
て試料を分析する蛍光X線分析装置、及び、それに使用
されるに好適なX線検出器に関し、特に、蛍光X線をX
線検出器内に導く窓部の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、真空分析室内に載置した
試料にX線を照射することにより試料から発生する蛍光
X線を測定して試料を分析する蛍光X線分析装置は、種
々の分野において、種々の物質の分析に、既に、広く利
用されている。また、かかる蛍光X線分析装置におい
て、試料から発生する蛍光X線を測定するX線検出器と
しては、一般的に、比例計数管が使用されており、従来
の計数管は、その用途に応じ、封入型とガスフロー型の
2つのタイプが使用されている。
【0003】なお、封入型のX線検出器(比例計数管)
は、気密性の高い容器内にArやNe等の検出ガスを封
じ込めたものであり、その取り扱い易さから、現在、主
流的に用いられている。また、かかる封入型のX線検出
器の窓材には、高い気密性と良好なX線透過性の双方の
要求を満足するものとして、厚さが約12μm程度(1
2μm±2μm)のベリリウム薄板が主に利用されてお
り、かかるベリリウム薄板をその窓材として使用するX
線検出器は、主に、その波長が1nm以下のいわゆる硬
X線領域において高い検出効率を有している。
【0004】これに対し、波長が約1nm以上のいわゆ
る軟X線領域では、軟X線でも比較的高い検出効率を有
するX線検出器(比例計数管)として、ガスフロー型の
ものが主に使用されている。これは、上記厚さが約12
μm程度のベリリウム薄板では、その波長が1nm以上
のいわゆる軟X線領域でのX線透過率が急激に減少して
しまうことによるものであり、その入射窓としては、そ
の本来の性質から気密性には劣るものの、そのX線透過
性の高い、厚さが1μm程度の高分子フィルム(例え
ば、ポリイミドフィルム)が使用されている。なお、こ
の高分子フィルムを窓材に使用したX線検出器では、そ
の気密性の低下を考慮して、その動作中は常に新鮮な検
出ガスを検出器内に流しつづけることが必要となると共
に、その検出効率の安定化(検出器内のガス濃度の安定
化)を図る必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、上述した従
来技術では、特に、封入型のX線検出器を採用した蛍光
X線分析装置においては、封入型X線検出器の本来の特
徴(すなわち、検出器内への検出ガスの供給が不要とな
る)により、その取扱いが比較的容易であるが、しかし
ながら、波長が1nm以上の軟X線領域では、その窓材
(ベリリウム薄板)の性質により透過率が急激に低下し
てしまい、そのため長波長の軟X線に対する検出効率が
極端に劣化するという欠点を有していた。
【0006】他方、厚さが1μm程度の高分子フィルム
を窓材とするガスフロー型のX線検出器を使用する蛍光
X線分析装置では、長波長領域のX線(軟X線)におい
ても比較的高い検出効率を得ることが可能ではあるが、
しかしながら、その動作中は常に新鮮な検出ガスを供給
し続ける必要があることから、その構造が複雑となって
しまい、そのため、装置自体が非常に取り扱い難いもの
となってしまうという欠点があった。
【0007】そこで、本発明では、上記した従来技術に
おける問題点に鑑み、従来、広くX線検出器の窓材とし
て用いられていたベリリウム薄板を改良し、硬X線領域
のみに限らず、長波長領域の軟X線に対しても高い検出
効率を発揮することが可能で、さらには、その構造及び
取扱いが簡単な蛍光X線分析装置、及び、そのためのX
線検出器を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる上記の目的を達成
するため、本発明によれば、試料室内に載置した試料に
X線管からのX線を照射し、前記試料から発生する蛍光
X線を分光手段により分光し、当該分光した蛍光X線の
強度をX線検出器により測定して前記試料を分析する蛍
光X線分析装置であって、前記X線検出器の一部に設け
られ、前記分光した蛍光X線を当該X線検出器内に導く
入射窓部に備えた窓部材を、厚さ約1〜5μmのベリリ
ウム薄板の片側面又は両側面に、厚さ50〜500nm
のホウ素薄膜をコーティングして形成した蛍光X線分析
装置が提供されている。
【0009】また、かかる蛍光X線分析装置に使用する
X線検出器として、本発明によれば、検出ガスを満たし
た筐体内に入射X線を検出する芯線を設け、かつ、当該
筐体の一部に強度を測定するX線を内部に入射するため
の入射窓部を備えたX線検出器であって、前記入射窓部
には、厚さ約1〜5μmのベリリウム薄板の片側面又は
両側面に、厚さ50〜500nmのホウ素薄膜をコーテ
ィングした窓部材を備えているX線検出器が提供され
る。
【0010】加えて、上記の本発明になる蛍光X線分析
装置やX線検出器において、前記X線検出器の入射窓部
に備えた窓部材を構成するベリリウム薄板とホウ素コー
ティング薄膜との間に、約10nm〜30nmの炭素薄
膜層を形成してもよく、また、前記X線検出器は、特
に、封入型X線検出器であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。まず、
図4には、本発明の一の実施の形態になる蛍光X線分析
装置の概略構成が示されており、図において、装置内の
真空室100内には、検出試料Sが、図示しない搬送装
置により所定の位置に載置されており、この試料Sには
X線管200からのX線XRが照射される。このX線の
照射によって試料から発生する蛍光X線KXは、上記真
空室100に隣接し、やはり真空に保持された分光室3
00内に設けられた分光素子(分光手段)350により
分光され、その後、この分光された蛍光X線KXは、例
えば、比例計数管からなるX線検出器400によりその
強度を測定し、もって、試料を分析することとなる。
【0012】このX線検出器400は、例えば、添付の
図2にも示すように、例えば金属部材からなる密閉性の
高い外形円筒形状の部材(筐体)410の一側面に、例
えばスリット状のX線入射窓部420を設け、この窓部
420を覆うようにいわゆる窓部材430が固定されて
構成されている。なお、このX線検出器400の内部に
は、添付の図3に示すように、Ar、Ne等のX線検出
用のガスGを封入すると共に、その中央部には、例え
ば、直径50μm程度のPt線からなる芯線440が張
られている。また、この図3において、その電極450
及び抵抗器Rを介して、上記芯線440には+1200
〜1500V程度の高電圧(HV)が供給され、一方、
上記芯線440により検出されたX線(蛍光X線KX)
は、コンデンサーCを介して電気信号として取り出さ
れ、さらに、後段の増幅器Aによりその振幅が増幅さ
れ、パルス波高分析器(PHA)によりパルス信号とし
てその強度が計測され、必要に応じて装置の他の部分に
転送されることとなる。
【0013】続いて、上記X線検出器400の入射窓部
420を覆う窓部材430としては、例えば圧延により
得られる、厚さ約1〜5μmの薄板に形成されたベリリ
ウム板を用意し、その片側面又は両側面に、厚さ50〜
500nmのホウ素薄膜をコーティングした窓材を使用
する。なお、この窓部材は上記入射窓部420に対応し
た形状に切り出され、これを、例えば接着剤により、又
は、圧着、加締め、コーキング等により密封固定される
ことは言うまでもない。
【0014】なお、ここで、図1(A)には、上記窓部
材430の断面構造が示されており、符号431はベリ
リウム薄板を、符号432は、その表面に形成されたホ
ウ素薄膜のコーティング層を示している。なお、窓部材
を構成するベリリウム薄板431の厚さ約1〜5μmと
したのは、上述のように、従来使用されている厚さが約
12μm程度(12μm±2μm)のベリリウム薄板で
は、波長が1nm以下の硬X線領域においては高いX線
透過率を発揮するが、しかしながら、波長が約1nm以
上のいわゆる軟X線領域では、そのX線透過率が急激に
減少してしまうことに着目したものである。後にもより
具体的に説明するが、このベリリウム薄板の厚さ従来よ
りも薄く、約1〜5μmの厚さとすることにより、波長
が1nm以下の硬X線領域においてのみならず、波長が
約1nm以上のいわゆる軟X線領域においても、高いX
線透過率を維持することが可能となる。これにより、広
い波長領域において高い検出効率を有するX線検出器4
00を実現することが出来る。
【0015】一方、上記ベリリウム薄板は、その厚さの
低下(薄化)に伴い、上記X線入射窓部420の窓部材
430としての機械的強度と共に、その気密性が低下す
ることとなる。特に、X線検出器400の内部にArや
Ne等のX線検出用のガスGを気密封入した、いわゆる
封入型のX線検出器(比例計数管)は、その簡単な構造
やその取扱い易さから、現在主流的に用いられている
が、かかる封入型の場合、上記ベリリウム薄板の厚さの
低下(薄化)に伴う機械的強度及び気密性の低下が問題
となる。
【0016】そこで、本発明では、上記厚さ約1〜5μ
mのベリリウム薄板の片側表面、又は、その両側面に、
厚さ50〜500nmのホウ素薄膜をコーティングして
窓材としたものである。なお、このホウ素薄膜は、X線
透過率に著しい低下をもたらす事はなく、また、その厚
さも、上記ベリリウム薄板の透過率を高く維持するに適
する程度の厚さに設定されている。
【0017】一般に、圧延加工等により得られる上記ベ
リリウム薄板の表面には、その加工過程において、いわ
ゆるピンホールが形成されてしまい、これが、特にベリ
リウム薄板における気密性の低下を招き、また、これが
従来の板厚(約12μm)を必要とする原因ともなって
いた。そこで、上記ホウ素を蒸着等によりコーティング
することにより、蒸発したベリリウム粒子が均一に表面
上に整列されてこのピンホールを満たすことにより、厚
さ約1〜5μmのベリリウム薄板によっても、十分な機
械強度や気密性の向上を図ることができることから、ベ
リリウム板の薄板化に効果的である。なお、ホウ素のコ
ーティング薄膜は、ベリリウム薄板上のピンホールを充
填して気密性を向上し、かつ、その機械的強度を向上す
るためには、本発明者らの実験的な確認によれば、少な
くとも、50nm以上の厚さが必要であることが確認さ
れており、加えて、その上限である厚さ500nmを超
えると、上記ベリリウム薄板の表面から剥離しやすくな
り、好ましくないことが分かっている。
【0018】(実施例)厚さ5μmと厚さ1μmの2種
類のベリリウム薄板を用意し、これら薄板の片面に、そ
れぞれ、厚さ50nmと厚さ500nmの2種類のホウ
素コーティング膜をスパッタ蒸着法により形膜した。そ
して、これらのX線入射窓部の窓部材としての性能を評
価するため、これらをX線検出器400の入射窓420
に実装し、特に、軟X線領域における透過率を測定し
た。また、同時に、比較のため、従来の厚さ12μmの
ベリリウム薄板を入射窓部の窓材としたX線検出器につ
いても、同様の測定を行った。その結果を、以下の表1
に示す。
【表1】
【0019】上記表1において、「タイプA」は、厚さ
5μmのベリリウム(Be)薄板に厚さ500nmのホ
ウ素コーティング膜を施したもの、「タイプB」は、厚
さ5μmのベリリウム薄板に厚さ50nmのホウ素コー
ティング膜を施したもの、さらに、「タイプC」は、厚
さ1μmのベリリウム薄板に厚さ500nmのホウ素コ
ーティング膜を施したもの、「タイプD」は、厚さ1μ
mのベリリウム薄板に厚さ50nmのホウ素コーティン
グ膜を施したものである。なお、「従来型」とは、厚さ
約12μmのベリリウム薄板を窓部材としたものであ
る。
【0020】上記の表1から、ベリリウム薄板の厚さ
を、5μmまで薄くすることにより、波長約1nm以上
の軟X線領域におけるスペクトル波長の透過率が著しく
改善されることが分かる(特に、波長0.989nmの
蛍光X線Mg−Kα、波長1.19nmの蛍光X線Na
−Kα、波長1.83nmの蛍光X線F−Kα)。ま
た、波長2.36nmの蛍光X線O−Kαをも透過する
ことが可能となる。なお、この表では示されていない
が、波長約1nm以下のいわゆる硬X線領域における透
過率においても、従来と同様あるいはそれ以上の透過率
が得られている。
【0021】なお、この傾向は、ベリリウム薄板の厚さ
がより薄くなる程、著しく現われる。一方、ベリリウム
薄板をX線検出器の入射窓の窓材とするために必要な機
械的強度からは、最低限、1μm程度の厚さが必要であ
る。そして、厚さ1μmのベリリウム薄板では、タイプ
C及びDからも明らかなように、更に波長の長い3.1
6nmのN−Kαや、4.46nmのC−Kαにおいて
も、その値は小さいものの、実効的なX線の透過率が得
られることとなる。すなわち、このベリリウム薄板の厚
さは、5μm〜1μmの範囲において、測定試料や測定
条件に適合しながら、検出すべき蛍光X線(被検出波
長)の測定・分析が可能となる値に選択されることが好
ましい。
【0022】また、ベリリウム薄板上に蒸着形成される
ホウ素コーティング膜の厚さ(膜厚)についても、やは
り上記の表1から、その厚さが増す程、その透過率も低
下する傾向を示す。そこで、このホウ素コーティング膜
の厚さについても、上記50nm〜500nmの範囲に
おいて、上記ベリリウム薄板の厚さ(5μm〜1μm)
及び測定試料や測定条件に適合しながら、適宜選択され
ることが好ましい。
【0023】次に、上記した各タイプの窓部材につい
て、ヘリウムリーク検出器による気密試験を行った。そ
の結果を以下の表2に示す。なお、ここで「従来型」と
は、厚さ5μmのベリリウム薄板のみの場合を示す。こ
こで、ヘリウムリーク検出器による気密試験の結果とし
ては、例えば1×10-9Atm・Cm3/sec程度の
ヘリウムリークを基準にして、その良否を判定した。
【表2】
【0024】上記表2からも明らかなように、厚さ5μ
mのベリリウム薄板のみ(従来型)の場合、これをX線
入射窓部の窓部材としたX線検出器では十分な気密性を
得ることが出来ない。しかしながら、その表面に50n
m〜500nmの範囲の厚さでホウ素コーティング膜を
形成することにより、十分な気密性が得られることが分
かる。なお、特に、その厚さが1μmと極めて薄いベリ
リウム薄板では、その表面に500nmの厚さのホウ素
コーティング膜を形成することにより、十分な気密性が
得られているが、しかしながら、ホウ素コーティング膜
が50nm程度の場合には、試験結果に多少のバラツキ
が認められた。但し、その場合でも、約50%程度の歩
留まりで良好な気密性が得られた。
【0025】このことから、特にその気密性が要求され
る封入型のX線検出器では、厚さが1μmと極めて薄い
ベリリウム薄板をX線入射窓部の窓部材として使用する
場合、500nm程度の厚さのホウ素コーティング膜を
施すことが好ましいことが分かる。
【0026】さらに、上記各タイプの入射窓の窓材を、
封入型比例計数管に実装し、これを真空容器内で長期に
渡って放置した場合の計数計の動作特性の変化(劣化)
について検査を行った。なお、その検査結果からは、実
装した全てのX線入射窓部について、3ヶ月間放置した
後においても、特に性能の変化(劣化)は認められなか
った。
【0027】次に、本発明の第2の実施の形態につい
て、図1(B)を参照しながら、以下に説明する。すな
わち、本発明者等によれば、上記第1の実施の形態にお
ける窓部材、すなわち、ベリリウム薄板431上に直接
ホウ素コーティング膜432を施したものでは、特に高
湿度環境において、その形成膜に剥離が発生することを
が見い出された。そこで、かかる発明者による上記知見
に基づいて、その密着性を更に改善すべく、この第2の
実施の形態では、上記ベリリウム薄板431とホウ素コ
ーティング膜432との間に、炭素からなる接着層43
3を形成したものである。なお、この炭素からなる接着
層433も、上記と同様、スパッタ蒸着法により形成さ
れ、かつ、その厚さも、X線検出器の入射窓部として必
要なX線の透過率へ影響を及ぼさない程度、すなわち、
10nm〜30nmの範囲に設定されれている。
【0028】上記の本発明の第2の実施の形態になるX
線検出器の入射窓部の窓部材によれば、高湿度の剥離が
生じ易い環境においても、ベリリウム薄板からのホウ素
コーティング膜の剥離は認められなかった。
【0029】以上に説明した本発明になる窓材をその入
射窓に備えたX線検出器、さらには、かかるX線検出器
を備えた蛍光X線分析装置によれば、従来のベリリウム
薄板を基にしながら、更に、広い範囲において(すなわ
ち、波長約1nm以下のいわゆる硬X線領域だけに限ら
ず、さらには、波長約1nm以上のいわゆる軟X線領域
をも含めて)において、試料からの蛍光X線を測定する
ことが可能となり、蛍光X線分析装置としての性能を向
上することが可能となる。また、特に、本発明になるX
線検出器を封入型とすることによれば、上記した検出可
能なX線領域の拡大に加え、検出器内への検出ガスの供
給が不要となることから、蛍光X線分析装置の構成を簡
素化し、低価格でかつ取扱いの容易な蛍光X線分析装置
とすることが可能となる。
【0030】
【発明の効果】以上の詳細な説明からも明らかなよう
に、本発明によれば、硬X線領域のみに限らず、長波長
の軟領域のX線に対しても十分な検出効率を発揮するこ
とが可能で、かつ、その構造及び取扱いが簡単な蛍光X
線分析装置及びそのためのX線検出器を提供することを
可能にするという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光X線分析装置の特徴となるX線検
出器の窓部材の構造を示す断面図である。
【図2】上記本発明の蛍光X線分析装置におけるX線検
出器の構造の一例を示す斜視図である。
【図3】上記X線検出器の内部構造とその関連回路の一
例を示すブロック図である。
【図4】本発明になる蛍光X線分析装置の要部構成を示
す図である。
【符号の説明】
100 真空室 200 X線管 300 分光室 350 分光素子(分光手段) 400 X線検出器 410 X線検出器の部材(筐体) 420 X線入射窓部 430 窓部材 431 ベリリウム薄板 432 ホウ素コーティング膜 433 炭素接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA01 BA04 BA11 CA01 DA01 DA10 EA01 EA03 JA04 KA01 RA08 2G088 EE30 FF03 FF15 GG01 JJ08 JJ10 JJ37 LL08 5C038 DD05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料室内に載置した試料にX線管からの
    X線を照射し、前記試料から発生する蛍光X線を分光手
    段により分光し、当該分光した蛍光X線の強度をX線検
    出器により測定して前記試料を分析する蛍光X線分析装
    置であって、 前記X線検出器の一部に設けられ、前記分光した蛍光X
    線を当該X線検出器内に導く入射窓部に備えた窓部材
    を、厚さ約1〜5μmのベリリウム薄板の片側面又は両
    側面に、厚さ50〜500nmのホウ素薄膜をコーティ
    ングして形成したことを特徴とする蛍光X線分析装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載した蛍光X線分析装
    置において、前記X線検出器の入射窓部に備えた窓部材
    を構成するベリリウム薄板とホウ素コーティング薄膜と
    の間に、約10nm〜30nmの炭素薄膜層を形成して
    いることを特徴とする蛍光X線分析装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載した蛍光X線分析装
    置において、前記X線検出器は封入型X線検出器である
    ことを特徴とする蛍光X線分析装置。
  4. 【請求項4】 検出ガスを満たした筐体内に入射X線を
    検出する芯線を設け、かつ、当該筐体の一部に強度を測
    定するX線を内部に入射するための入射窓部を備えたX
    線検出器であって、 前記入射窓部には、厚さ約1〜5μmのベリリウム薄板
    の片側面又は両側面に、厚さ50〜500nmのホウ素
    薄膜をコーティングした窓部材を備えていることを特徴
    とするX線検出器。
  5. 【請求項5】 前記請求項4に記載したX線検出器にお
    いて、前記窓部材を構成するベリリウム薄板とホウ素コ
    ーティング薄膜との間に、さらに、約10nm〜30n
    mの炭素薄膜層を形成していることを特徴とするX線検
    出器。
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