JP2001289320A - ピストンロッドの製造方法、ピストンロッド及びシリンダ - Google Patents

ピストンロッドの製造方法、ピストンロッド及びシリンダ

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JP2001289320A
JP2001289320A JP2001028918A JP2001028918A JP2001289320A JP 2001289320 A JP2001289320 A JP 2001289320A JP 2001028918 A JP2001028918 A JP 2001028918A JP 2001028918 A JP2001028918 A JP 2001028918A JP 2001289320 A JP2001289320 A JP 2001289320A
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rod
piston
forming element
peripheral surface
inner peripheral
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JP2001028918A
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Kazuhiro Yasuda
一弘 安田
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Nabco Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダの長さを必要以上に長くすることな
く、タップを使用してネジ切りをした場合にも切り粉を
容易に除去することができるピストンロッドの製造方
法、ピストンロッド及びシリンダを提供すること。 【解決手段】 ピストン9をロッド5に取り付ける前
に、ピストン側及びロッド側の各被加工部を加工して、
ピストン9をロッド5に取り付けたときにピン45の挿
入部43となるそれぞれ溝または孔から構成されるピス
トン側及びロッド側の各挿入部形成部35,41を形成
する。その後、ピストン側及びロッド側の挿入部形成部
を互いに整合させて挿入部43が形成されるように、ピ
ストンをロッドに取り付け、挿入部43にピンを挿入し
てピストンをロッドに固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダに使用す
るロッドに対してピストンを取り付ける方法、ピストン
の取り付けられたロッド及びシリンダに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のシリンダの一例を図3に示す。図
3中、符号101はシリンダを示し、該シリンダ101
は、チューブ103内にロッド105及び該ロッド10
5に取り付けられたピストン107を備えている。ロッ
ド105は先端部分109が細くなっており、該先端部
分109の最先端にはネジ111が形成されている。
【0003】ピストン107の中央には孔が形成され、
ロッド105の先端部分109が該孔に挿入された状態
でナット113をネジ111に螺合することにより、ピ
ストン107がロッド105に固定されている。
【0004】しかしこのような構造のシリンダ101で
は、ナット113の厚さ(図中、Aで示す)だけロッド
部分が長くなるため、シリンダ全体が軸線方向に長くな
ってしまうという問題点がある。
【0005】また従来のシリンダの他の例を図4に示
す。図4はロッド105とピストン107との接続部分
を拡大して示しており、図の左右方向がロッド105の
延びる方向である。本例ではロッド105にピストン1
07を取り付けた状態で、ピストン107の端面115
側から、ロッド105とピストン107との境界部分に
ネジ孔117をタップ切りして形成してある。そして該
ネジ孔117にネジ119を螺合してロッド105とピ
ストン107とが固定されている。このような構造にお
いて従来、ネジ孔117のタップ切りはピストン107
をロッド105に取り付けた状態で行っていた。
【0006】しかしこのような方法で製造されたピスト
ン付きロッド(ピストンロッド)では、ロッド105に
ピストン107を取り付けた状態でタップ切りするた
め、ロッド105とピストン107との間に切り粉が挟
まり込んでしまうことがある。このような切り粉は、ピ
ストン107が摺動運動をするときに、ピストン107
とチューブとの間の摺動面に入り込み、本来滑らかであ
るべき摺動面を損傷してしまったり、摺動抵抗が増大し
てしまうことがある。
【0007】このような損傷を防止するために切り粉を
完全に除去するように清掃工程を設けているが、清掃工
程は時間が掛かり、生産効率を下げてしまうという問題
点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、シリンダの長さを必要以上に長くすることなく、タ
ップを使用してネジ切りをした場合にも切り粉を容易に
除去することができるピストンロッドの製造方法、ピス
トンロッド及びシリンダを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本願請求項1に記載の発明に係るピストンロッドの
製造方法は、ピストンとロッドとの対向接触部に、前記
ピストン及びロッド間に跨って一連に位置することにな
る前記ピストン側の被加工部及びロッド側の被加工部の
位置を決定する工程と、前記ピストンを前記ロッドに取
り付ける前に、前記ピストン側の被加工部及びロッド側
の被加工部を加工して、前記ピストンを前記ロッドに取
り付けたときに固定用のピンが該ピストン及びロッド間
に跨って挿入されて両者を固定するための固定用挿入部
となる前記ピストン側の挿入部形成要素部及びロッド側
の挿入部形成要素部を形成する工程と、前記ピストン側
の挿入部形成要素部とロッド側の挿入部形成要素部の位
置を互いに整合させて一連の前記固定用挿入部が形成さ
れるように、前記ピストンを前記ロッドに取り付ける工
程と、前記固定用挿入部に前記ピンを入れて前記ピスト
ンを前記ロッドに固定する工程とを備えることを特徴と
するものである。
【0010】本発明によれば、ピストンをロッドに取り
付ける前にそれぞれピストンとロッドに各挿入部形成要
素部を形成する。従って各挿入部形成要素部を容易に形
成することができ、挿入部形成要素部を形成する際に発
生する削り粉等を綺麗に除去した後に、ピストンをロッ
ドに取り付けることができる。
【0011】また、本願請求項2に記載の発明は、請求
項1に記載されたピストンロッドの製造方法において、
前記ロッド側の挿入部形成要素部は、前記ロッドの内周
面側からロッドを径方向外側へ貫通する貫通孔の形態で
あり、前記ピストン側の挿入部形成要素部は、前記ピン
の先端を受け入れる溝の形態であることを特徴とするも
のである。本発明によれば、ロッド側の挿入部形成要素
部が貫通孔の形態を有するから、該貫通孔を形成した後
の削り粉等を綺麗に除去することができる。またピスト
ン側の挿入部形成要素部が溝の形態であるから、同様に
加工後の削り粉等を綺麗に除去することができる。
【0012】本願請求項3に記載の発明は、請求項1に
おいて、前記ロッド側の挿入部形成要素部は、前記ロッ
ドの内周面側からロッドを径方向外側へ貫通する貫通孔
であり、前記ピストン側の挿入部形成要素部は、前記ピ
ンの先端を受け入れて係止し、該ピンの先端係止により
ピストンをロッドのその位置に固定する構造であること
を特徴とする。
【0013】本発明は、前記ピストン側の挿入部形成要
素部は、前記ピンの先端を受け入れて係止し、該ピンの
先端係止によりピストンをロッドのその位置に固定する
構造であるので、同様に加工後の削り粉等を綺麗に除去
することができる。
【0014】また本願請求項4に記載の発明は、請求項
3において、前記ロッドの一方の端面部に円筒形状の凹
陥部が形成され、該円筒形状の凹陥部に前記ロッド側の
挿入部形成要素部が形成され、前記ピストンは前記ロッ
ドの前記凹陥部の外周面と対向接触する円筒形状の内周
面を有し、当該ピストンはその前記内周面を前記ロッド
の前記凹陥部の外周面と対向接触させて当該ロッドに取
付られる構造であり、前記ピストン側の挿入部形成要素
部は、該ピストンの前記内周面であって、前記ロッドの
端面側となる位置を拡径して形成した拡径部と、該拡径
部と前記ピストンの拡径されていない内周面との境界に
形成されたピン当接係止部とを備えて構成されているこ
とを特徴とする。
【0015】本発明によれば、前記ピストン側の挿入部
形成要素部は、該ピストンの前記内周面であって、前記
ロッドの端面側となる位置を拡径して形成した拡径部
と、該拡径部と前記ピストンの拡径されていない内周面
との境界に形成されたピン当接係止部とを備えて構成さ
れているので、前記拡径部を前記ピン当接係止部を残す
ようにして加工形成することで容易に製造でき、前記
「溝」形態に加工することに比して製造が容易である。
【0016】また、本願請求項5に記載の発明は、請求
項1に記載されたピストンロッドの製造方法において、
前記ピストン側及びロッド側の各挿入部形成要素部は、
前記挿入部が前記ピストン及びロッドの端面側から前記
ロッドの軸線方向に延びるように溝状に形成され、前記
ピストンをロッドに取り付ける前に、前記ピストン側及
びロッド側の各挿入部形成要素部にそれぞれ独立して雌
ネジを形成する工程を備えることを特徴とするものであ
る。本発明によれば、ピストンをロッドに取り付ける前
に各挿入部形成要素部に雌ネジを形成するから、切り粉
がピストンとロッドとの間に挟まることがない。従って
各挿入部形成要素部から完全に切り粉を除去したのちに
ピストンをロッドに取り付けることができる。
【0017】また、本願請求項6に記載の発明は、請求
項2〜4のいずれか1項に記載されたピストンロッドの
製造方法において、前記ロッド側の挿入部形成要素部に
雌ネジを形成する工程を更に備えることを特徴とするも
のである。本発明によれば、ロッド側の挿入部形成要素
部が貫通孔であるから、雌ネジを形成する際に発生する
切り粉を容易に除去することができる。
【0018】また、本願請求項7に記載の発明は、請求
項2〜4、6のいずれか1項に記載されたピストンロッ
ドの製造方法において、前記ピストン側の挿入部形成要
素部はピストンの内周面全周に亘って一連の溝状に形成
されることを特徴とするものである。本発明によれば、
ピストン側の挿入部形成要素部をロッド側の挿入部形成
要素部に位置合わせする手間を省くことができる。
【0019】また、本願請求項8に記載の発明は、請求
項2〜4、6のいずれか1項に記載されたピストンロッ
ドの製造方法において、前記固定用挿入部にピンを挿入
した後に、前記ロッド側の挿入部形成要素部の径方向内
側部分を固定用挿入部内へ塑性変形する工程を更に備え
ることを特徴とするものである。本発明によれば、ピン
の抜けを容易に防止することができ、ピン抜け防止のた
めに他の部材を必要としない。
【0020】また、本願請求項9に記載の発明は、請求
項2〜4、6のいずれか1項に記載されたピストンロッ
ドの製造方法において、前記ロッド側の挿入部形成要素
部を、前記ロッドの端面から薄肉部の厚さだけ離れた距
離の位置に形成し、前記固定用挿入部にピンを挿入した
後に、前記薄肉部を前記固定用挿入部内へ塑性変形する
工程を更に備えることを特徴とするものである。本発明
によれば、薄肉部を固定用挿入部内へ塑性変形するだけ
で、容易にピンの抜けを防止することができる。
【0021】本願請求項10に記載の発明は、ロッドと
該ロッドの端部の外周に取り付けられるピストンとを備
え、前記ロッドの内周面から外周面にかけて貫通してい
る貫通孔から成るロッド側の挿入部形成要素部と、前記
ピストンの内周面であって前記ロッド側の挿入部形成要
素部と整合する位置に、前記ロッドと別個独立の状態で
形成されるピストン側の挿入部形成要素部とによって固
定用挿入部が一連に形成されており、前記一連の固定用
挿入部内に固定用ピンを入れて前記ピストンが前記ロッ
ドに固定されていることを特徴とするピストンロッドで
ある。
【0022】本発明に係るピストンロッドよれば、貫通
孔から成るロッド側の挿入部形成要素部と、ピストン側
の挿入部形成要素部とが別々に形成されたものから成る
ので、切り粉等の除去を完全に行った後にピストンをロ
ッドに取り付けることができる。
【0023】本願請求項11に記載の発明は、請求項1
0において、前記貫通孔は、周方向に複数設けられてい
ることを特徴とするピストンロッドである。本発明によ
れば、前記貫通孔は、周方向に複数設けられているの
で、前記ピンを抜き出し不能に挿入固定するために、貫
通孔入り口をかしめる等して塑性変形させた場合に、変
形に不備があって、やり直しして新たに塑性変形させる
必要が生じた場合に、別の貫通孔を予備として利用でき
るので、便利である。
【0024】また、本願請求項12に記載の発明に係る
ピストンロッドは、ロッドと該ロッドの端部の外周に取
り付けられるピストンとを備え、前記ロッドの内周面か
ら外周面にかけて貫通し、内側に雌ネジが形成されてい
る貫通孔と、前記ピストンの内周面であって前記貫通孔
と整合する位置に形成される挿入溝とによって固定用挿
入部が一連に形成されており、前記貫通孔にネジが螺合
し、且つ該ネジの先端が前記挿入溝内に挿入されている
ことを特徴とするものである。
【0025】本発明によれば、ロッドの雌ネジ付きの貫
通孔と、ピストンの挿入溝とを別々に形成することがで
きるので、切り粉等の除去を完全に行った後にピストン
をロッドに取り付けることができる構造である。
【0026】また請求項13に記載の発明は、請求項1
2に記載されたピストンロッドにおいて、前記貫通孔
は、前記ロッドの端面から薄肉部の厚さだけ離れた距離
の位置に形成されており、前記薄肉部のロッド内周面側
が前記貫通孔内へ塑性変形されていることを特徴とする
ものである。本発明によれば、薄肉部を固定用挿入部内
へ塑性変形するだけで、容易にピンの抜けを防止するこ
とができる。
【0027】また請求項14に記載の発明に係るシリン
ダは、請求項10から13のいずれか1項に記載された
ピストンロッドを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記作用を備えるシリンダを得ること
ができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は本発明に係るシリンダ1
を示し、該シリンダ1はチューブ3、該チューブ3内に
設けられるロッド5及び該ロッド5の作用端7側に螺合
されるピストン9を備えて成る。なお、本明細書ではロ
ッド5にピストン9が取り付けられたものをピストンロ
ッド11と称することにする。
【0029】チューブ3の一端側の内側には環状のロッ
ドカバー13が固定されており、該ロッドカバー13は
ロッド5の外径とほぼ同一の内径寸法を有する。ロッド
カバー13の内面にはロッドパッキン15が設けられ、
該ロッドパッキン15の作用によりシール状態を維持し
たまま、ロッド5がチューブ3内で摺動できるようにな
っている。またチューブ3の外側には油圧配管17が設
けられ、その端部はチューブ3の他端20側から流路1
9を介してチューブ3内へ連絡している。
【0030】ロッド5は、大きく分けて接続端21、本
体部23及びピストン接続部25から構成されている。
接続端21は、被駆動部材(図示せず)へ駆動力を伝達
するために伝達部材が接続できるような形状を備えてい
る。また本体部23はロッドカバー13に摺動可能に支
持されている部分であり、軸線方向に亘って一定の外径
寸法を有する。
【0031】ピストン接続部25は、ピストン9が接続
する部分であり、本願発明の特徴的構成を備える部分で
ある。以下、ピストン接続部25及びピストン9の構造
について、ロッド5とピストン9との接続手法を中心に
具体的に説明する。
【0032】ピストン接続部25の端部には円筒状の凹
陥部27が形成されている。該凹陥部27の周囲には、
ピストン9の内周面29と隣接する外周面31を有する
環状部33が形成されており、該環状部33には、径方
向に延び、内側に雌ネジが形成されている貫通孔35が
形成されている。尚、この貫通孔35はロッド側の挿入
部形成要素部に相当する。本実施の形態では、1つの貫
通孔35しか形成されていないが、環状部33に複数の
貫通孔35を形成することも可能である。
【0033】一方、ピストン9の内周面29は、ロッド
5の外周面31の外径寸法とほぼ同一の内径寸法を有
し、またピストン9の外周面はチューブ3の内周面の内
径寸法とほぼ同一の外径寸法を有する。ピストン9の外
周にはピストンパッキン37及びウエアーリング39が
設けられ、これらの作用により流路19から流れ込んだ
油がピストン9を越えて反対側へ流れ込まないようにシ
ールされている。
【0034】ピストン9の内周面29には、ロッド5に
おける貫通孔35と対応する位置に、後述するネジ45
の先端部分の形状に対応してほぼ円錐台形状をした挿入
溝41が形成されている。尚、この挿入溝41は、ピス
トン側の挿入部形成要素部に相当する。環状部33に複
数の貫通孔35を形成する場合には、各貫通孔35に対
応した位置にそれぞれ挿入溝41を形成する。また貫通
孔35が1つまたは複数の場合に、上記挿入溝41をピ
ストン9の内周面の全周に亘って一連の溝状に形成する
こともできる。
【0035】上記のように貫通孔35及び挿入溝41
は、互いに整合した位置に形成されるため、貫通孔35
と挿入溝41とが組合わさることで、径方向に一連の連
続した固定用挿入部43が形成されている。そして該挿
入部43内には、ロッド5の内側からピンに相当するネ
ジ45が貫通孔35に螺合しながら、先端が挿入溝41
に至るまでねじ込まれている。因みにこのときのネジ4
5の締め付けトルクは14.7N・mであった。ネジ4
5の先端は挿入溝41に突き当たった状態で更に該溝の
奥に押しつけられるため、ピストン9はロッド5に対し
て、ロッド5の軸線方向及び該軸線を中心とする回転方
向の両方向で固定されている。なお、挿入溝41をピス
トン9の内周面の全周に亘って一連の溝状に形成した場
合にも、同様にしてピストン9はロッド5に固定され
る。
【0036】図2に示す如く、挿入部43を形成する位
置は、ロッド5の端面47から薄肉部49の厚さLだけ
離れた距離の位置に形成することが好ましい。薄肉部4
9は、その端部を挿入部43内にハンマー等で折り曲げ
るように塑性変形することができる程度の厚さLを有す
る。このような厚さLを有する薄肉部49の端部を挿入
部43内に折り曲げるように塑性変形することによっ
て、特に別の部材を設けることなく、容易にネジ45が
抜けることを防止することができる。因みに薄肉部49
の厚さLを2.6mmとすることにより、上記のような
折り曲げによる抜け防止作用を容易に達成することが確
認されているが、薄肉部49の厚さはこのような数値の
ものに限定されるものではない。
【0037】尚、固定用挿入部43の位置をロッド5の
端面47から比較的離れた位置に形成した場合にも、該
挿入部43のロッド5の内周面側、即ちネジ45の入口
側をハンマー等で潰して、ネジ45が抜けることを防止
することができる。
【0038】次に上記のような構成を備えるシリンダ1
を製造するために、ロッド5へピストン9を取り付ける
方法について説明する。まず、ロッド5の外周面31と
ピストン9の内周面29とが対向接触(隣接)する部分
であって、ピストン9をロッド5に取り付けたときに互
いに整合する位置を被加工部として選択する。本実施の
形態では、前述したように、ロッド5の端面47から薄
肉部49の厚さLだけ離れた距離の位置をロッド5の被
加工部とする。
【0039】ロッド5側の被加工部にはロッド側の挿入
部形成要素部として貫通孔35を形成すると共に、該貫
通孔35内にタップを使用して雌ネジを形成する。この
際、貫通孔35は両側が開放されているため、雌ネジを
形成する際に出る切り粉を貫通孔35から容易に除去す
ることができる。また2つの部材を組み合わせた所にタ
ップ切りするものではないから、2つの部材間に切り粉
が挟まって残るようなこともない。
【0040】一方、ピストン9の内周面29側の対応す
る被加工部には、ピストン側の挿入部形成要素部として
挿入溝41を形成する。挿入溝41は、ネジ45の先端
部分の形状に一致した形状とすることが好ましい。尚、
挿入溝41はメクラ孔であるため切り粉の除去貫通孔よ
りは多少困難ではあるが、ロッド5とは別個独立状態で
形成されるため、切り粉が挟まって残るようなことがな
い。また、所望により挿入溝41側にも雌ネジを形成す
ることが可能である。
【0041】次にピストン9の挿入溝41がロッド5の
貫通孔35と整合するように、ピストン9をロッド5に
取り付ける。これにより貫通孔35から挿入溝41にか
けて一連の固定用挿入部43が形成される。該挿入部4
3にネジ45を螺合させ、ネジ45の先端が挿入溝41
の底に当接するまでねじ込む。本実施の形態では薄肉部
49が形成される位置に挿入部43が形成されているか
ら、最後に薄肉部49の端部をハンマー等で叩き、挿入
部43側へ折り曲げるように塑性変形してネジ45の抜
け止めを形成する。これによりピストン9がロッド5に
固定され、一連の作業が終了する。
【0042】以上、図2に示す実施の形態について説明
したが、本実施の形態において貫通孔35は、雌ネジを
形成しない形態とすることもできる。この場合、ネジ4
5の代わりに貫通孔35と同一直径ないし多少大きめの
直径を有し、ネジ山が形成されていないピンを使用す
る。そして、該ピンを貫通孔35内に強く打ち込んで、
ピンの先端(ピンの先端は挿入溝41の形状と一致する
ようにする)が挿入溝41の底部に当接するようにし、
薄肉部49を塑性変形するなどの方法で確実にピンが挿
入部43から抜けないようにする。
【0043】次に、ロッド5へピストン9を取り付ける
方法について、他の実施の形態を説明する。図4は、従
来のロッドへのピストンの取り付け構造として説明した
が、このような構造において、ロッド105にピストン
107を取り付ける前に、ネジ孔117をそれぞれ独立
に形成するようにすることができる。このようにすれ
ば、切り粉を綺麗に除去することができるため、後にピ
ストン107及びロッド105を組み合わせたときに、
両者の間に切り粉が残るという問題が解消できる。この
ような方法の場合、ピストン107及びロッド105に
各々独立して形成されたネジ孔が、各々ピストン側及び
ロッド側の各挿入部形成要素部に相当することになる。
【0044】図5は、更に本発明の他の実施の形態を示
すシリンダの要部拡大縦断面図であり、図6は図5の要
部拡大断面図である。本実施の形態は、前記ロッド5の
一方の端面47部に円筒形状の凹陥部27が形成され、
該円筒形状の凹陥部27に前記ロッド側の挿入部形成要
素部が形成される。そして、前記ピストン9は前記ロッ
ド5の凹陥部27の外周面31と対向接触する円筒形状
の内周面29を有し、当該ピストン9はその内周面29
を前記ロッドの凹陥部27の外周面31と対向接触させ
て当該ロッド5に取付られる構造である。前記貫通孔3
5は、周方向に複数設けられている。
【0045】前記ピストン側の挿入部形成要素部は、前
記ピンであるネジ45の先端を受け入れて係止し、該ピ
ンの先端係止によりピストン9をロッド5のその位置に
固定する構造である。具体的には、該ピストン側の挿入
部形成要素部は、ピストン9の内周面29であって、前
記ロッド5の端面47側となる位置を全周にわたって拡
径して形成した拡径部52と、該拡径部52と前記ピス
トン9の拡径されていない内周面29との境界に形成さ
れたピン当接係止部51とを備えて構成されている。そ
の他の構成は、図1及び図2に示したものと同様なので
同一部分に同一符号を付して、その説明は省略する。
【0046】本実施の形態によれば、前記ピストン側の
挿入部形成要素部は、ピストン9の内周面29であっ
て、前記ロッド5の端面47側となる位置を拡径して形
成した拡径部52と、該拡径部52と前記ピストン9の
拡径されていない内周面29との境界に形成されたピン
当接係止部51とを備えて構成されているので、前記拡
径部52を前記ピン当接係止部51を残すようにして加
工形成することで当該固定用挿入部43を容易に製造で
き、前記図2に示した「溝」形態に加工することに比し
て製造が容易である。尚、ピン当接係止部51部分だけ
設ければピストン9とロッド5が外れない理由は、ピス
トン9とロッド5は互いに螺合されているため、当該ネ
ジ45は両者の螺合が外れないようにすれば足りるから
である。更に、図5において、ピストンの段部55とロ
ッド5の段部56との当接を当該ピン当接係止部51へ
のネジ45の締結により、強めるように構成すれば、一
層強固な固定を実現できる
【0047】また、前記貫通孔35は、周方向に複数設
けられているので、前記ネジ45を抜き出し不能に挿入
固定するために、貫通孔35入り口をかしめる等して塑
性変形させた場合に、変形に不備があって、やり直しし
て新たに塑性変形させる必要が生じた場合に、別の貫通
孔35を予備として利用できるので、便利である。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、ピストン側とロッド側
とを別々に加工し、これにより、取り付け前に切り粉等
を完全に除去することができるから、ピストンの摺動運
動中に切り粉等がピストンとチューブの摺動面に入って
摺動面を傷つけるなどの問題を生じることがない。また
ピンはロッド及びピストンの中に収容されているから、
シリンダ全体が必要以上に長くなることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリンダの縦断面図である。
【図2】本発明のピストンロッドの製造方法の一例を示
す一部拡大断面図である。
【図3】従来のピストンロッドの製造方法の一例を示す
断面図である。
【図4】従来のピストンロッドの製造方法の他の例を示
す一部拡大断面図である。
【図5】本発明の更に他の実施の形態を示すシリンダの
要部拡大縦断面図である。
【図6】図5の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 3 チューブ 5 ロッド 7 作用端 9 ピストン 11 ピストンロッド 13 ロッドカバー 15 ロッドパッキン 17 油圧配管 19 流路 20 チューブの他端 21 接続端 23 本体部 25 ピストン接続部 27 凹陥部 29 ピストンの内周面 31 ロッドの外周面 33 環状部 35 貫通孔 37 ピストンパッキン 39 ウエアーリング 41 挿入溝 43 挿入部 45 ネジ 47 ロッドの端面 49 薄肉部 51 ピン当接係止部 52 拡径部 L 薄肉部の厚さ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンとロッドとの対向接触部に、前
    記ピストン及びロッド間に跨って一連に位置することに
    なる前記ピストン側の被加工部及びロッド側の被加工部
    の位置を決定する工程と、 前記ピストンを前記ロッドに取り付ける前に、前記ピス
    トン側の被加工部及びロッド側の被加工部を加工して、
    前記ピストンを前記ロッドに取り付けたときに固定用の
    ピンが該ピストン及びロッド間に跨って挿入されて両者
    を固定するための固定用挿入部となる前記ピストン側の
    挿入部形成要素部及びロッド側の挿入部形成要素部を形
    成する工程と、 前記ピストン側の挿入部形成要素部とロッド側の挿入部
    形成要素部の位置を互いに整合させて一連の前記固定用
    挿入部が形成されるように、前記ピストンを前記ロッド
    に取り付ける工程と、 前記固定用挿入部に前記ピンを入れて前記ピストンを前
    記ロッドに固定する工程と、 を備えることを特徴とするピストンロッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ロッド側の挿入
    部形成要素部は、前記ロッドの内周面側からロッドを径
    方向外側へ貫通する貫通孔の形態であり、 前記ピストン側の挿入部形成要素部は、前記ピンの先端
    を受け入れる溝の形態であることを特徴とするピストン
    ロッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記ロッド側の挿入
    部形成要素部は、前記ロッドの内周面側からロッドを径
    方向外側へ貫通する貫通孔であり、 前記ピストン側の挿入部形成要素部は、前記ピンの先端
    を受け入れて係止し、該ピンの先端係止によりピストン
    をロッドのその位置に固定する構造であることを特徴と
    するピストンロッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記ロッドの一方の
    端面部に円筒形状の凹陥部が形成され、該円筒形状の凹
    陥部に前記ロッド側の挿入部形成要素部が形成され、 前記ピストンは前記ロッドの前記凹陥部の外周面と対向
    接触する円筒形状の内周面を有し、当該ピストンはその
    前記内周面を前記ロッドの前記凹陥部の外周面と対向接
    触させて当該ロッドに取付られる構造であり、 前記ピストン側の挿入部形成要素部は、該ピストンの前
    記内周面であって、前記ロッドの端面側となる位置を拡
    径して形成した拡径部と、該拡径部と前記ピストンの拡
    径されていない内周面との境界に形成されたピン当接係
    止部とを備えて構成されていることを特徴とするピスト
    ンロッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記ピストン側及び
    ロッド側の各挿入部形成要素部は、前記固定用挿入部が
    前記ピストン及びロッドの端面側から前記ロッドの軸線
    方向に延びるように溝状に形成され、前記ピストンをロ
    ッドに取り付ける前に、前記ピストン側及びロッド側の
    各挿入部形成要素部にそれぞれ独立して雌ネジを形成す
    る工程を備えることを特徴とするピストンロッドの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項2〜4のいずれか1項において、
    前記ロッド側の挿入部形成要素部に雌ネジを形成する工
    程を更に備えることを特徴とするピストンロッドの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項2〜4、6のいずれか1項におい
    て、前記ピストン側の挿入部形成要素部はピストンの内
    周面全周に亘って一連の溝状に形成されることを特徴と
    するピストンロッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項2〜4、6のいずれか1項におい
    て、前記固定用挿入部にピンを挿入した後に、前記ロッ
    ド側の挿入部形成要素部の径方向内側部分を挿入部内へ
    塑性変形する工程を更に備えることを特徴とするピスト
    ンロッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項2〜4、6のいずれか1項におい
    て、前記ロッド側の挿入部形成要素部を、前記ロッドの
    端面から薄肉部の厚さだけ離れた距離の位置に形成し、
    前記固定用挿入部にピンを挿入した後に、前記薄肉部を
    前記固定用挿入部内へ塑性変形する工程を更に備えるこ
    とを特徴とするピストンロッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 ロッドと該ロッドの端部の外周に取り
    付けられるピストンとを備え、 前記ロッドの内周面から外周面にかけて貫通している貫
    通孔から成るロッド側の挿入部形成要素部と、前記ピス
    トンの内周面であって前記ロッド側の挿入部形成要素部
    と整合する位置に、前記ロッドと別個独立の状態で形成
    されるピストン側の挿入部形成要素部とによって固定用
    挿入部が一連に形成されており、 前記一連の固定用挿入部内に固定用ピンを入れて前記ピ
    ストンが前記ロッドに固定されていることを特徴とす
    る、ピストンロッド。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記貫通孔は、
    周方向に複数設けられていることを特徴とする、ピスト
    ンロッド。
  12. 【請求項12】 ロッドと該ロッドの端部の外周に取り
    付けられるピストンとを備え、 前記ロッドの内周面から外周面にかけて貫通し、内側に
    雌ネジが形成されている貫通孔と、前記ピストンの内周
    面であって前記貫通孔と整合する位置に形成される挿入
    溝とによって固定用挿入部が一連に形成されており、 前記貫通孔にネジが螺合し、且つ該ネジの先端が前記挿
    入溝内に挿入されていることを特徴とする、ピストンロ
    ッド。
  13. 【請求項13】 請求項12において、前記貫通孔は、
    前記ロッドの端面から薄肉部の厚さだけ離れた距離の位
    置に形成されており、前記薄肉部のロッド内周面側が前
    記貫通孔内へ塑性変形されていることを特徴とする、ピ
    ストンロッド。
  14. 【請求項14】 請求項10から13のいずれか1項に
    記載のピストンロッドを備えることを特徴とするシリン
    ダ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007077819A (ja) * 2005-09-12 2007-03-29 Toppan Printing Co Ltd ダイヤフラムポンプ及びこれに用いたインキ吐出印刷装置。
CN110307205A (zh) * 2019-07-15 2019-10-08 徐州永佳液压设备有限公司 液压油缸活塞防松结构

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