JP2001288632A - 仮撚被覆弾性糸及びその製造方法 - Google Patents
仮撚被覆弾性糸及びその製造方法Info
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- JP2001288632A JP2001288632A JP2000094473A JP2000094473A JP2001288632A JP 2001288632 A JP2001288632 A JP 2001288632A JP 2000094473 A JP2000094473 A JP 2000094473A JP 2000094473 A JP2000094473 A JP 2000094473A JP 2001288632 A JP2001288632 A JP 2001288632A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 嵩高性やボリューム感を一層向上した仮撚被
覆弾性糸及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 芯部のポリウレタン弾性糸1を繊度が7
0〜155dtexのポリアミドマルチフィラメント仮撚糸
2を実質的無撚で被覆した無撚被覆構造を有し、見掛け
糸径比が5.0以上、伸縮復元率が50〜80%である
仮撚被覆弾性糸。ポリウレタン弾性糸に巻取速度250
0〜5000m/分で紡糸巻取りしたポリアミドマルチ
フィラメント糸を引揃え合糸し、該合糸された糸条を加
熱温度160〜185℃、仮撚張力比1.1〜3.0の
条件で摩擦仮撚加工して製造する。
覆弾性糸及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 芯部のポリウレタン弾性糸1を繊度が7
0〜155dtexのポリアミドマルチフィラメント仮撚糸
2を実質的無撚で被覆した無撚被覆構造を有し、見掛け
糸径比が5.0以上、伸縮復元率が50〜80%である
仮撚被覆弾性糸。ポリウレタン弾性糸に巻取速度250
0〜5000m/分で紡糸巻取りしたポリアミドマルチ
フィラメント糸を引揃え合糸し、該合糸された糸条を加
熱温度160〜185℃、仮撚張力比1.1〜3.0の
条件で摩擦仮撚加工して製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は仮撚被覆弾性糸及び
その製造方法に関し、さらに詳しくは、高い嵩高性とボ
リューム感を備えた仮撚被覆弾性糸及びその製造方法に
関する。
その製造方法に関し、さらに詳しくは、高い嵩高性とボ
リューム感を備えた仮撚被覆弾性糸及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】特公平3−10739号公報(特許第1
65949号)は、ポリウレタン弾性糸を芯糸にし、そ
の周囲にポリアミドマルチフィラメント仮撚糸を実質的
無撚で被覆した無撚被覆構造からなる仮撚被覆弾性糸を
開示している。この仮撚被覆弾性糸によれば非常にソフ
トな風合を有する編地が得られるため、パンティストッ
キング等の用途に広く使用され、ユーザーから高い評価
が得られている。
65949号)は、ポリウレタン弾性糸を芯糸にし、そ
の周囲にポリアミドマルチフィラメント仮撚糸を実質的
無撚で被覆した無撚被覆構造からなる仮撚被覆弾性糸を
開示している。この仮撚被覆弾性糸によれば非常にソフ
トな風合を有する編地が得られるため、パンティストッ
キング等の用途に広く使用され、ユーザーから高い評価
が得られている。
【0003】しかし、従来の仮撚被覆弾性糸は、鞘部の
ポリアミドマルチフィラメント仮撚糸の一部が芯部のポ
リウレタン弾性糸に深く食い込んだ状態になって融着し
た構造になっているため、高い嵩を十分に出すことが難
しく、ボリューム感に欠ける傾向があった。そのためパ
ンティストッキング等の比較的薄地の編物にする用途に
は優れた性能を発揮するものの、タイツやスポーツ用イ
ンナー等のように比較的厚地の編物にする用途にはボリ
ューム感が不足するという問題があった。
ポリアミドマルチフィラメント仮撚糸の一部が芯部のポ
リウレタン弾性糸に深く食い込んだ状態になって融着し
た構造になっているため、高い嵩を十分に出すことが難
しく、ボリューム感に欠ける傾向があった。そのためパ
ンティストッキング等の比較的薄地の編物にする用途に
は優れた性能を発揮するものの、タイツやスポーツ用イ
ンナー等のように比較的厚地の編物にする用途にはボリ
ューム感が不足するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来の問題を解消し、嵩高性やボリューム感を一層
向上するようにした仮撚被覆弾性糸及びその製造方法を
提供することにある。
した従来の問題を解消し、嵩高性やボリューム感を一層
向上するようにした仮撚被覆弾性糸及びその製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の仮撚被覆弾性糸は、芯部のポリウレタン弾性糸を繊
度が70〜155dtexのポリアミドマルチフィラメント
仮撚糸を実質的無撚で被覆した無撚被覆構造を有し、見
掛け糸径比が5.0以上、伸縮復元率が50〜80%で
あることを特徴とするものである。
明の仮撚被覆弾性糸は、芯部のポリウレタン弾性糸を繊
度が70〜155dtexのポリアミドマルチフィラメント
仮撚糸を実質的無撚で被覆した無撚被覆構造を有し、見
掛け糸径比が5.0以上、伸縮復元率が50〜80%で
あることを特徴とするものである。
【0006】このように鞘部のポリアミドマルチフィラ
メント仮撚糸の繊度を大きくし、かつ見掛け糸径比を
5.0以上と大きくしたため非常に高い嵩高性が得ら
れ、高いボリューム感を得ることができる。しかも、伸
縮復元率が50〜80%と高くなっているため、さらに
ボリューム感を助長することができる。
メント仮撚糸の繊度を大きくし、かつ見掛け糸径比を
5.0以上と大きくしたため非常に高い嵩高性が得ら
れ、高いボリューム感を得ることができる。しかも、伸
縮復元率が50〜80%と高くなっているため、さらに
ボリューム感を助長することができる。
【0007】上記仮撚被覆弾性糸の製造方法は、ポリウ
レタン弾性糸に巻取速度2500〜5000m/分で紡
糸巻取りしたポリアミドマルチフィラメント糸を引揃え
合糸し、該合糸された糸条を加熱温度160〜185
℃、仮撚張力比1.1〜3.0の条件で摩擦仮撚加工す
ることを特徴とするものである。
レタン弾性糸に巻取速度2500〜5000m/分で紡
糸巻取りしたポリアミドマルチフィラメント糸を引揃え
合糸し、該合糸された糸条を加熱温度160〜185
℃、仮撚張力比1.1〜3.0の条件で摩擦仮撚加工す
ることを特徴とするものである。
【0008】鞘部のポリアミドマルチフィラメント糸と
して高速紡出糸を使用しているため、仮撚加工時の加熱
温度が低温の160〜185℃であっても高い熱セット
性が得られ、しかも低温での仮撚加工であるため、鞘部
のポリアミドマルチフィラメント糸が芯部のポリウレタ
ン弾性糸に食い込んで融着することがない。したがっ
て、ポリアミドマルチフィラメント糸の仮撚捲縮が芯部
によって拘束されることがないため、高い嵩高性を得る
ことができる。
して高速紡出糸を使用しているため、仮撚加工時の加熱
温度が低温の160〜185℃であっても高い熱セット
性が得られ、しかも低温での仮撚加工であるため、鞘部
のポリアミドマルチフィラメント糸が芯部のポリウレタ
ン弾性糸に食い込んで融着することがない。したがっ
て、ポリアミドマルチフィラメント糸の仮撚捲縮が芯部
によって拘束されることがないため、高い嵩高性を得る
ことができる。
【0009】また、仮撚加工時の仮撚張力比が1.1〜
3.0と高いため、見掛け糸径比が大きくなり、かつ伸
縮復元率の高い仮撚被覆弾性糸を得ることができる。さ
らに被覆性を向上することができる。
3.0と高いため、見掛け糸径比が大きくなり、かつ伸
縮復元率の高い仮撚被覆弾性糸を得ることができる。さ
らに被覆性を向上することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の仮撚被覆弾性糸は、ポリ
ウレタン弾性糸を芯糸にし、その外周をポリアミドマル
チフィラメント仮撚糸が撚回・反転して実質的無撚で被
覆する無撚被覆構造を有している。
ウレタン弾性糸を芯糸にし、その外周をポリアミドマル
チフィラメント仮撚糸が撚回・反転して実質的無撚で被
覆する無撚被覆構造を有している。
【0011】図1は、本発明の仮撚被覆弾性糸Yの断面
形態を例示したもので、芯部のポリウレタン弾性糸1の
外周に鞘部のポリアミドマルチフィラメント仮撚糸2が
長手方向に沿って撚回・反転するように実質的無撚で被
覆することにより無撚被覆構造になっている。
形態を例示したもので、芯部のポリウレタン弾性糸1の
外周に鞘部のポリアミドマルチフィラメント仮撚糸2が
長手方向に沿って撚回・反転するように実質的無撚で被
覆することにより無撚被覆構造になっている。
【0012】芯部のポリウレタン弾性糸1の数は、図1
に例示するような2本であっても又はそれ以上であって
もよく、或いは1本だけであってもよい。鞘部のポリア
ミドマルチフィラメント仮撚糸2を構成するポリアミド
は、ナイロン6又はナイロン66が好ましい。ポリアミ
ドマルチフィラメント仮撚糸は、単繊維繊度が1.7dt
ex以下、総繊度が70〜155dtexの範囲の複数本の細
い単繊維フィラメントから構成されている。
に例示するような2本であっても又はそれ以上であって
もよく、或いは1本だけであってもよい。鞘部のポリア
ミドマルチフィラメント仮撚糸2を構成するポリアミド
は、ナイロン6又はナイロン66が好ましい。ポリアミ
ドマルチフィラメント仮撚糸は、単繊維繊度が1.7dt
ex以下、総繊度が70〜155dtexの範囲の複数本の細
い単繊維フィラメントから構成されている。
【0013】このように鞘部のポリアミドマルチフィラ
メント仮撚糸の総繊度が、比較的大きな70〜155dt
exであることにより、ボリューム感を向上させやすくし
なっている。総繊度が70dtexよりも小さくては、タイ
ツやスポーツ用インナー等の厚地編物の用途には適さな
くなる。また、総繊度が155dtexを超えるほどに大き
くては、仮撚被覆弾性糸が本来具備しているソフト感が
低減する。
メント仮撚糸の総繊度が、比較的大きな70〜155dt
exであることにより、ボリューム感を向上させやすくし
なっている。総繊度が70dtexよりも小さくては、タイ
ツやスポーツ用インナー等の厚地編物の用途には適さな
くなる。また、総繊度が155dtexを超えるほどに大き
くては、仮撚被覆弾性糸が本来具備しているソフト感が
低減する。
【0014】また、本発明の仮撚被覆弾性糸は、後述す
る定義の見掛け糸径比が5.0以上、好ましくは5.0
以上であり、かつJIS L1090の規定に基づく伸
縮復元率が50〜80%、好ましくは55〜65%の特
性を有している。従来の仮撚被覆弾性糸は、痩せた糸構
造になっているため、見掛け糸径比は2〜3程度である
ったが普通であるが、本発明の仮撚被覆弾性糸は見掛け
糸径比が5.0以上の大きな特性になっているため高い
嵩高性を発現し、ボリューム感を大きくすることができ
る。また、見掛け糸径比が5.0以上であるため、鞘部
のフィラメント数が多くなると嵩高くなり、鞘部のフィ
ラメント数が少なくなると伸縮復元率が高くなる特性を
有する。
る定義の見掛け糸径比が5.0以上、好ましくは5.0
以上であり、かつJIS L1090の規定に基づく伸
縮復元率が50〜80%、好ましくは55〜65%の特
性を有している。従来の仮撚被覆弾性糸は、痩せた糸構
造になっているため、見掛け糸径比は2〜3程度である
ったが普通であるが、本発明の仮撚被覆弾性糸は見掛け
糸径比が5.0以上の大きな特性になっているため高い
嵩高性を発現し、ボリューム感を大きくすることができ
る。また、見掛け糸径比が5.0以上であるため、鞘部
のフィラメント数が多くなると嵩高くなり、鞘部のフィ
ラメント数が少なくなると伸縮復元率が高くなる特性を
有する。
【0015】また、上記のように見掛け糸径比が高いこ
とに加えて、伸縮復元率が50〜80%であるためスト
レッチバック性が高く、一層高い嵩高性やボリューム感
にすることができる。また、被覆度が80%以上の高い
被覆性が得られ、糸むらをもっていないため、編地にし
たときにヨコ段を生ずることがない。
とに加えて、伸縮復元率が50〜80%であるためスト
レッチバック性が高く、一層高い嵩高性やボリューム感
にすることができる。また、被覆度が80%以上の高い
被覆性が得られ、糸むらをもっていないため、編地にし
たときにヨコ段を生ずることがない。
【0016】上述した嵩高性やボリューム感の大きい特
性を有する仮撚被覆弾性糸を製造する方法は、ドラフト
したポリウレタン弾性糸にポリアミドマルチフィラメン
ト糸を引揃え合糸して仮撚加工することにより得ること
ができる。
性を有する仮撚被覆弾性糸を製造する方法は、ドラフト
したポリウレタン弾性糸にポリアミドマルチフィラメン
ト糸を引揃え合糸して仮撚加工することにより得ること
ができる。
【0017】この仮撚加工に使用するポリアミドマルチ
フィラメント糸には、巻取速度2500〜5000m/
分で高速紡糸巻取りした糸を使用し、さらに好ましく
は、特に自然延伸倍率1.1〜1.3倍のものを使用す
る。仮撚加工法には、生産性を高くするため摩擦仮撚を
採用し、加熱温度を160〜185℃の比較的低い範囲
にするのに対し、仮撚張力比として比較的高い1.1〜
3.0の範囲を採用するようにする。
フィラメント糸には、巻取速度2500〜5000m/
分で高速紡糸巻取りした糸を使用し、さらに好ましく
は、特に自然延伸倍率1.1〜1.3倍のものを使用す
る。仮撚加工法には、生産性を高くするため摩擦仮撚を
採用し、加熱温度を160〜185℃の比較的低い範囲
にするのに対し、仮撚張力比として比較的高い1.1〜
3.0の範囲を採用するようにする。
【0018】ここで自然延伸倍率とは、次のように定義
されたものをいう。一般に合成繊維の応力−伸長倍率曲
線は、図5に例示するように、最初の一次立ち上がり比
例域a、次の一定応力伸長域b、最後の二次立ち上がり
比例域cの3段階に変化する傾向を示し、自然延伸倍率
は一定応力伸長域bと二次立ち上がり比例域cとの境界
点での伸長倍率をいう。しかし、ポリアミド繊維の場合
は、一定応力伸長域bと二次立ち上がり比例域cとの境
界点が明確でないため、本発明においては、図5に示す
ように、一定応力伸長域bに対し引いた接線と二次立ち
上がり比例域cに引いた接点との交点Pにおける伸長倍
率Qを自然延伸倍率として採用するものとする。
されたものをいう。一般に合成繊維の応力−伸長倍率曲
線は、図5に例示するように、最初の一次立ち上がり比
例域a、次の一定応力伸長域b、最後の二次立ち上がり
比例域cの3段階に変化する傾向を示し、自然延伸倍率
は一定応力伸長域bと二次立ち上がり比例域cとの境界
点での伸長倍率をいう。しかし、ポリアミド繊維の場合
は、一定応力伸長域bと二次立ち上がり比例域cとの境
界点が明確でないため、本発明においては、図5に示す
ように、一定応力伸長域bに対し引いた接線と二次立ち
上がり比例域cに引いた接点との交点Pにおける伸長倍
率Qを自然延伸倍率として採用するものとする。
【0019】高速紡糸で製糸したポリアミドマルチフィ
ラメント糸は、通常の延伸糸に比べて熱セット性が良好
であるため、加熱温度を160〜185℃の低温にして
も十分な熱セットが得られ、高い嵩を発現させることが
できる。しかも、低温で熱セットするため、鞘部のポリ
アミドマルチフィラメント糸が芯部のポリウレタン弾性
糸に強く食い込んで熱融着することがないため、鞘部の
嵩が芯部に拘束されることがなく、嵩の発現を一層助長
するようになっている。
ラメント糸は、通常の延伸糸に比べて熱セット性が良好
であるため、加熱温度を160〜185℃の低温にして
も十分な熱セットが得られ、高い嵩を発現させることが
できる。しかも、低温で熱セットするため、鞘部のポリ
アミドマルチフィラメント糸が芯部のポリウレタン弾性
糸に強く食い込んで熱融着することがないため、鞘部の
嵩が芯部に拘束されることがなく、嵩の発現を一層助長
するようになっている。
【0020】嵩高性を大きくするには、仮撚加工におけ
る仮撚数やオーバフィード率を高くすることがが望まし
い。好ましくは、仮撚数を2000〜4000T/分、
オーバフィード率を−10〜−30%にするとよい。
る仮撚数やオーバフィード率を高くすることがが望まし
い。好ましくは、仮撚数を2000〜4000T/分、
オーバフィード率を−10〜−30%にするとよい。
【0021】従来、摩擦仮撚加工で高い仮撚数を得る場
合には、一般に仮撚張力比を1.0以下にするようにし
ている。仮撚張力比を低くすると鞘部の被覆性が低下
し、編地にしたときにヨコ段などの染むらを生じやすく
なる。しかし、本発明は、この被覆性低下を抑制する対
策として、仮撚張力比を1.1〜3.0の範囲に高くす
るようにしている。このような高い仮撚張力比を得るに
は、2軸式ディスク型ツイスターを使用することが好ま
しく、3軸式ディスク型ツイスターでは達成が難しい。
合には、一般に仮撚張力比を1.0以下にするようにし
ている。仮撚張力比を低くすると鞘部の被覆性が低下
し、編地にしたときにヨコ段などの染むらを生じやすく
なる。しかし、本発明は、この被覆性低下を抑制する対
策として、仮撚張力比を1.1〜3.0の範囲に高くす
るようにしている。このような高い仮撚張力比を得るに
は、2軸式ディスク型ツイスターを使用することが好ま
しく、3軸式ディスク型ツイスターでは達成が難しい。
【0022】ここで仮撚数とは、仮撚加工するフィラメ
ント糸条の回転数(ツイスターの回転数に相当)(回/
分)と引取速度(m/分)とから、仮撚数(T/分)=
〔フィラメント糸条の回転数(回/分)〕/〔引取速度
(m/分)〕 の式により算出されるものである。例え
ば、フィラメント糸条の回転数が80×104 rpm
で、引取速度が250m/分である場合の仮撚数は、仮
撚数(T/分)=80×104 (rpm)/250(m
/分)=3200T/m になる。
ント糸条の回転数(ツイスターの回転数に相当)(回/
分)と引取速度(m/分)とから、仮撚数(T/分)=
〔フィラメント糸条の回転数(回/分)〕/〔引取速度
(m/分)〕 の式により算出されるものである。例え
ば、フィラメント糸条の回転数が80×104 rpm
で、引取速度が250m/分である場合の仮撚数は、仮
撚数(T/分)=80×104 (rpm)/250(m
/分)=3200T/m になる。
【0023】図2は、本発明の仮撚被覆弾性糸を製造す
る工程の一例を示し、図3はこの工程中に使用される2
軸式ディスク型ツイスターを示す。
る工程の一例を示し、図3はこの工程中に使用される2
軸式ディスク型ツイスターを示す。
【0024】3は芯部原糸のポリウレタン弾性糸1が巻
かれたパッケージであり、一対のドラフトローラ5に回
動自在に支持されている。このパッケージ3からポリウ
レタン弾性糸1がドラフトされながら供給ローラ7によ
り横方向に解舒される。他方、4は上述のように250
0〜5000m/分の高速紡糸から得たポリアミドマル
チフィラメント糸2’が鞘部原糸として巻かれたパーン
であり、図示しない支持稈に支持されている。パーン4
からはポリアミドマルチフィラメント糸2’が供給ロー
ラ7により引き出され、上記のようにドラフト中のポリ
ウレタン弾性糸1に集束ガイド6を介して引揃え合糸さ
れる。
かれたパッケージであり、一対のドラフトローラ5に回
動自在に支持されている。このパッケージ3からポリウ
レタン弾性糸1がドラフトされながら供給ローラ7によ
り横方向に解舒される。他方、4は上述のように250
0〜5000m/分の高速紡糸から得たポリアミドマル
チフィラメント糸2’が鞘部原糸として巻かれたパーン
であり、図示しない支持稈に支持されている。パーン4
からはポリアミドマルチフィラメント糸2’が供給ロー
ラ7により引き出され、上記のようにドラフト中のポリ
ウレタン弾性糸1に集束ガイド6を介して引揃え合糸さ
れる。
【0025】合糸されたポリウレタン弾性糸1とポリア
ミドマルチフィラメント糸2’とは、供給ローラ7から
該供給ローラ7よりも周速度をやや速くした引取ローラ
8に引き取られ、両ローラ間を移動する間にディスク型
ツイスター10により加撚される。ディスク型ツイスタ
ー10は、その上流側に撚を与え(加撚域)、下流側で
解撚(解撚域)する。
ミドマルチフィラメント糸2’とは、供給ローラ7から
該供給ローラ7よりも周速度をやや速くした引取ローラ
8に引き取られ、両ローラ間を移動する間にディスク型
ツイスター10により加撚される。ディスク型ツイスタ
ー10は、その上流側に撚を与え(加撚域)、下流側で
解撚(解撚域)する。
【0026】上記の仮撚加工において、加撚域の加撚張
力と解撚域の解撚張力の比で定義される仮撚張力比(=
解撚張力/加撚張力)は1.1〜3.0に設定されてい
る。上流側で加撚された撚はヒータ9により160〜1
85℃の加熱温度で熱セット−冷却され、それが解撚さ
れて仮撚被覆弾性糸Yになる。次いで、仮撚被覆弾性糸
Yは引取ローラ8を経てチーズ11に巻き上げられる。
力と解撚域の解撚張力の比で定義される仮撚張力比(=
解撚張力/加撚張力)は1.1〜3.0に設定されてい
る。上流側で加撚された撚はヒータ9により160〜1
85℃の加熱温度で熱セット−冷却され、それが解撚さ
れて仮撚被覆弾性糸Yになる。次いで、仮撚被覆弾性糸
Yは引取ローラ8を経てチーズ11に巻き上げられる。
【0027】ディスク型ツイスター10としては、図3
に示すような2軸式ディスク型ツイスターが好ましくは
使用される。2軸式ディスク型ツイスター10は、2本
の回転軸13,13に平行に配置し、これらの回転軸1
3,13にそれぞれ複数枚のディスク12を千鳥状に互
いにオフセットするように固定した構成になっている。
合糸されたポリウレタン弾性糸1とポリアミドマルチフ
ィラメント糸2’とは、複数枚のディスク12の外周に
順次接しながら高い仮撚張力比1.1〜3.0で仮撚り
される。
に示すような2軸式ディスク型ツイスターが好ましくは
使用される。2軸式ディスク型ツイスター10は、2本
の回転軸13,13に平行に配置し、これらの回転軸1
3,13にそれぞれ複数枚のディスク12を千鳥状に互
いにオフセットするように固定した構成になっている。
合糸されたポリウレタン弾性糸1とポリアミドマルチフ
ィラメント糸2’とは、複数枚のディスク12の外周に
順次接しながら高い仮撚張力比1.1〜3.0で仮撚り
される。
【0028】本発明の仮撚被覆弾性糸は、特にタイツ、
スポーツ用インナー、ボディースーツ等の厚地編物用に
好適に使用することができる。
スポーツ用インナー、ボディースーツ等の厚地編物用に
好適に使用することができる。
【0029】
【実施例】以下に実施例及び比較例を説明するが、これ
ら実施例及び比較例で使用した見掛け糸径比及び被覆度
は、それぞれ下記の測定法によって測定したものであ
る。
ら実施例及び比較例で使用した見掛け糸径比及び被覆度
は、それぞれ下記の測定法によって測定したものであ
る。
【0030】〔見掛け糸径比〕試料に13.7cNの荷
重を吊るし、この伸長時の直径D2 を測定し、次いで荷
重を持ち上げて試料長さを40%弛緩させ、伸長時の6
0%の長さにした時の直径D1 を測定し、下記の式によ
り見掛け糸径比rを計算する。
重を吊るし、この伸長時の直径D2 を測定し、次いで荷
重を持ち上げて試料長さを40%弛緩させ、伸長時の6
0%の長さにした時の直径D1 を測定し、下記の式によ
り見掛け糸径比rを計算する。
【0031】r=D2 /D1 〔被覆度〕試料に40cNの荷重W2 を30秒間吊る
し、50cmの間隔に印を付けたのち該荷重を除いて1
20秒間収縮させる。次いで、図4のように再度40c
Nの荷重W2 を吊るすと共に、試料上端から上記50c
m間隔の上部側印まで弾性糸と鞘糸とを分離せしめ、該
分岐点に0.5cNの荷重W3 を吊るし、該荷重W3が
下がった長さL1 を測定する。この長さL1 から下記の
式により被覆度を算出する。
し、50cmの間隔に印を付けたのち該荷重を除いて1
20秒間収縮させる。次いで、図4のように再度40c
Nの荷重W2 を吊るすと共に、試料上端から上記50c
m間隔の上部側印まで弾性糸と鞘糸とを分離せしめ、該
分岐点に0.5cNの荷重W3 を吊るし、該荷重W3が
下がった長さL1 を測定する。この長さL1 から下記の
式により被覆度を算出する。
【0032】 被覆度(%)=〔(50−L1 )/50〕×100 実施例1 繊度21.1dtexのポリウレタン弾性糸を芯部原糸と
し、巻取速度3000m/分の高速紡糸巻取りで製糸し
た繊度77dtexのナイロン6マルチフィラメント糸を鞘
部原糸として使用し、図2に示す仮撚加工工程により、
2軸式ディスク型ツイスターを使用して、仮撚数330
0T/m、仮撚張力比2.1(解撚張力16.8g/加
撚張力8g)、加熱温度175℃、フィード率−14
%、加工速度400m/分で仮撚加工し、仮撚被覆弾性
糸を得た。
し、巻取速度3000m/分の高速紡糸巻取りで製糸し
た繊度77dtexのナイロン6マルチフィラメント糸を鞘
部原糸として使用し、図2に示す仮撚加工工程により、
2軸式ディスク型ツイスターを使用して、仮撚数330
0T/m、仮撚張力比2.1(解撚張力16.8g/加
撚張力8g)、加熱温度175℃、フィード率−14
%、加工速度400m/分で仮撚加工し、仮撚被覆弾性
糸を得た。
【0033】得られた仮撚被覆弾性糸は、見掛け糸径比
が14.8、伸縮復元率が65%、被覆度が93%であ
り、嵩高性及びボリューム感が共に非常に高く、かつ高
いストレッチ性を有していた。編地にして染色したとこ
ろ、ヨコ段の全く認められない高品位の外観をしてい
た。
が14.8、伸縮復元率が65%、被覆度が93%であ
り、嵩高性及びボリューム感が共に非常に高く、かつ高
いストレッチ性を有していた。編地にして染色したとこ
ろ、ヨコ段の全く認められない高品位の外観をしてい
た。
【0034】比較例1 実施例1において、ツイスターを3軸式ディクス型に取
り替えると共に、仮撚張力比を0.3(解撚張力2.4
g/加撚張力8g)に変更した以外は、全く同じ条件に
して仮撚加工を行った。
り替えると共に、仮撚張力比を0.3(解撚張力2.4
g/加撚張力8g)に変更した以外は、全く同じ条件に
して仮撚加工を行った。
【0035】得られた仮撚被覆弾性糸は、見掛け糸径比
が3.5、伸縮復元率が45%、被覆度が45%であ
り、嵩高性及びボリューム感ともに貧弱であり、糸長手
方向には芯部のポリウレタン弾性糸が間欠的に露出する
箇所が見受けられた。編地にして染色したところ、ヨコ
段が現れていた。
が3.5、伸縮復元率が45%、被覆度が45%であ
り、嵩高性及びボリューム感ともに貧弱であり、糸長手
方向には芯部のポリウレタン弾性糸が間欠的に露出する
箇所が見受けられた。編地にして染色したところ、ヨコ
段が現れていた。
【0036】
【発明の効果】上述したように本発明の仮撚被覆弾性糸
によれば、鞘部のポリアミドマルチフィラメント仮撚糸
の総繊度を太くし、見掛け糸径比を5.0以上に大きく
したため嵩高性が高くなり、高いボリューム感を得るこ
とができる。しかも、伸縮復元率が50〜80%と高い
ため、ボリューム感をさらに助長することができる。
によれば、鞘部のポリアミドマルチフィラメント仮撚糸
の総繊度を太くし、見掛け糸径比を5.0以上に大きく
したため嵩高性が高くなり、高いボリューム感を得るこ
とができる。しかも、伸縮復元率が50〜80%と高い
ため、ボリューム感をさらに助長することができる。
【0037】また、製造方法については、鞘部のポリア
ミドマルチフィラメント糸に高速紡出糸を使用するた
め、加熱温度が160〜185℃の低温であっても高い
熱セット性が得られ、しかも低温のため芯部のポリウレ
タン弾性糸に食い込むような融着がなく嵩が拘束されな
いため、高い嵩高性が得られる。また、仮撚張力比を
1.1〜3.0と高くしているため、見掛け糸径比が大
きく、かつ伸縮復元率の高い仮撚被覆弾性糸を得ること
ができる。
ミドマルチフィラメント糸に高速紡出糸を使用するた
め、加熱温度が160〜185℃の低温であっても高い
熱セット性が得られ、しかも低温のため芯部のポリウレ
タン弾性糸に食い込むような融着がなく嵩が拘束されな
いため、高い嵩高性が得られる。また、仮撚張力比を
1.1〜3.0と高くしているため、見掛け糸径比が大
きく、かつ伸縮復元率の高い仮撚被覆弾性糸を得ること
ができる。
【図1】本発明の仮撚被覆弾性糸の一例を示す横面図で
ある。
ある。
【図2】本発明の仮撚被覆弾性糸の製造工程の一例を示
す説明図である。
す説明図である。
【図3】本発明の仮撚被覆弾性糸の製造工程に使用され
る2軸式ディスク型ツイスターの概略図である。
る2軸式ディスク型ツイスターの概略図である。
【図4】被覆度の測定法の説明図である。
【図5】自然延伸倍率を説明するための応力−伸長倍率
の関係図である。
の関係図である。
1 ポリウレタン弾性糸 2 ポリアミドマルチフィラメント仮撚糸 2’ポリアミドマルチフィラメント糸 3 (ポリウレタン弾性糸の)パッケージ 4 (ポリアミドマルチフィラメント糸の)パーン 5 ドラフトローラ 6 集束ガイド 7 供給ローラ 8 引取ローラ 9 ヒータ 10 ディスク型ツイスター Y 仮撚被覆弾性糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 徹 大阪府大阪市北区堂島一丁目6番20号 東 レ株式会社大阪事業場内 (72)発明者 三木 芳幸 兵庫県豊岡市神美台157−32 神繊興業株 式会社内 (72)発明者 井上 啓 大阪府大阪市中央区大手前1−7−31 グ ンゼ産業株式会社内 Fターム(参考) 4L036 MA04 MA05 PA01 PA05 RA04 RA24
Claims (7)
- 【請求項1】 芯部のポリウレタン弾性糸を繊度が70
〜155dtexのポリアミドマルチフィラメント仮撚糸を
実質的無撚で被覆した無撚被覆構造を有し、見掛け糸径
比が5.0以上、伸縮復元率が50〜80%であること
を特徴とする仮撚被覆弾性糸。 - 【請求項2】 被覆度が80%以上である請求項1記載
の仮撚被覆弾性糸。 - 【請求項3】 ポリウレタン弾性糸に巻取速度2500
〜5000m/分で紡糸巻取りしたポリアミドマルチフ
ィラメント糸を引揃え合糸し、該合糸された糸条を加熱
温度160〜185℃、仮撚張力比1.1〜3.0の条
件で摩擦仮撚加工することを特徴とする仮撚被覆弾性糸
の製造方法。 - 【請求項4】 前記ポリアミドマルチフィラメント糸の
自然延伸比が1.1〜1.3である請求項3に記載の仮
撚被覆弾性糸の製造方法。 - 【請求項5】 2軸式ディスク型ツイスターで摩擦仮撚
加工する請求項3又は4に記載の仮撚被覆弾性糸の製造
方法。 - 【請求項6】 仮撚数が2000〜4000T/mであ
る請求項3,4又は5に記載の仮撚被覆弾性糸の製造方
法。 - 【請求項7】 オーバフィード率が−10〜−30%で
ある請求項3,4,5又は6に記載の仮撚被覆弾性糸の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000094473A JP2001288632A (ja) | 2000-03-30 | 2000-03-30 | 仮撚被覆弾性糸及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000094473A JP2001288632A (ja) | 2000-03-30 | 2000-03-30 | 仮撚被覆弾性糸及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001288632A true JP2001288632A (ja) | 2001-10-19 |
Family
ID=18609519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000094473A Withdrawn JP2001288632A (ja) | 2000-03-30 | 2000-03-30 | 仮撚被覆弾性糸及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001288632A (ja) |
-
2000
- 2000-03-30 JP JP2000094473A patent/JP2001288632A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070119 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20080718 |